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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?

50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?
(2012/10/05)
林 總

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満足度★★★
付箋数:22

本書は、好評の「どちらが儲かるか?」シリーズ第3弾です。
著者は公認会計士の林總さん。

第1弾の「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」は、
父の急逝で突如、中堅アパレルメーカー「ハンナ」の社長に
就任した矢吹由紀が、コンサルタントの安曇から助力を得て、
会社を立て直すビジネスストーリーでした。

第2弾の「美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか?」では、
5年後の同じ会社を舞台に、同じ主人公で、
業務効率化のためにERPシステムを導入することを題材にして、
ITと管理会計の付き合い方について学ぶ内容でした。

第3弾の本書では、舞台となる会社も主人公もガラっと変わります。

引き続き登場するのは、経営コンサルタントの安曇のみ。

安曇は、経営コンサルタントをするかたわら、
東京経営大学で特任教授として管理会計を教えています。

今回の主人公は、そのゼミの3年生、菅平ヒカリです。

安曇ゼミでは、企業実習プログラム(インターンシップ)を
3年次に採用し、生きた管理会計を社会の現場で学べることが
目玉になっていました。

この実習プログラムでは、1年間アルバイトとして、
指定の企業で働くことで評定は「S」がもらえ、
その後は一流企業に就職が決まるという評判です。

管理会計を学び、将来、経営コンサルタントを目指すヒカリは、
実習先にコンサルティング会社を希望。

それがかなわなくても、少なくとも上場企業で
実習ができると思っていました。

ところが、安曇から言い渡された実習先は、
ファミリーレストランの中堅会社「ロミーズ」。

しかも、ヒカリがしぶしぶロミーズに出向くと、
実習の部署は、経営企画室ではありませでした。

ヒカリは、一流企業でのインターンシップを夢見ていましたが、
現実はファミレスの1店舗であるロミーズ「千の端」店で、
ウェイトレスとして働くことになってしまいました。

高校生のアルバイトに混じって、冴えない制服を着て働くヒカリ。

注文を取って料理を運ぶだけの、あまりの単調な日々で、
インターンシップを辞めようと決心していましたが、
ある日、ゴミ箱に捨てられていた1枚の紙を発見して、
その考えが変わります。

ヒカリが、ゴミ箱から拾った紙は、千の端店の月次決算書でした。

実は千の端店は、24ヶ月連続赤字で、業績が改善しなければ、
閉鎖も検討されている店舗だったのです。

本書で描かれるのは、ヒカリが1年間の実習を通して、
店長や他のスタッフと協力し、千の端店を黒字にするストーリーです。

今回、盛り込まれている内容はバランススコアカード。

これは、財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、
学習と成長の視点の4つの視点から、
バランスよく経営を行うための管理手法です。

そして、根底にあるテーマは「顧客創造」。

これはピーター・ドラッカーさんの「創造する経営者」が
下敷きになっています。

公認会計士である林さんですが、管理会計の限界、
会計だけでは、長期的に安定した経営ができないことを
ストーリーの中でうまく表現しています。

この本から何を活かすか?

インターンシップ先進国のアメリカでは、
毎年、約150万人のインターンシップが提供されています。

インターンシップで働いた企業名を履歴書に書くことで、
就職の際に、有利に働くようですから、
学生がこぞってこのプログラムに参加するのもわかります。

現在、インターンシップで問題なっているのが、
約半数の企業が、無給でインターンをやらせていること。

生涯賃金を計算してMBAを取得する国の学生ですから、
インターンシップの経済合理性もわかって、
あえて搾取されているのだと思います。

しかし、このインターンシップの無給問題、
企業と学生の利害が一致しているので、
私は簡単には解決しないと思っています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 07:03 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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