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伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本

伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本伝説のコンサルタントが教える あまりにやさしい会計の本
(2012/09/07)
後 正武

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満足度★★★
付箋数:23

  「世にある会計・経理の本は、数字が苦手な人を意識しつつ、
  専門の立場から知識をいかに伝えるか、
  それなりの工夫をしているはずです。
  けれども、その多くは、簡単すぎて実務に適用するには
  不十分であったり、逆に難しすぎて初心者には
  理解しにくいものになっているように思われます。」

このように語るのは、本書の著者、後正武さん。

本書は会計の専門家の書いた本ではなく、
経営コンサルタントが書いた会計の本です。

後さんは、決算書を読むことが難しく感じる理由を2つ挙げています。

1つは、独特で難解な会計用語があること。

もう1つは、公式や比率を記憶してあてはめようとする
指導や学習の姿勢があること。

そこで、本書では従来の会計本の簡単すぎと難しすぎの
ギャップを埋めつつ、理解しにくい2つの理由に陥らないように
解説することを試みています。

「独特で難解な会計用語」を避けるために、
例えば、限界利益は貢献利益へ、変動費は比例費へ、
固定費は期間費用へと、用語を置き換えて説明がなされています。

これは、まったく会計を勉強していない人や、
会計用語に違和感を持っている人には、理解しやすいと思いますが、
既に会計用語に馴染んでいる人には、
かえってわかりにくいと感じるかもしれません。

また、「公式や比率を記憶してあてはめない」ために、
損益分岐点は費用が1種類しかない場合から、段階的に説明されています。

例えば、りんご1個の売価が100円で、仕入れが60円だったとします。

このとき1個売った場合の利益は40円。

仮に、かかる経費がアルバイトの売り子を雇う人件費
1日8000円だけだったら、1日に何個売れば利益が出るか?

もちろん、8000円÷40円=200個。

これが利益と損失の別れ目の、初歩的な損益分岐点です。

本書では、ここからスタートし、まず概念を理解してから、
経費の種類や利益から控除する項目を増やし、もう少し複雑な場合でも
損益分岐点を計算できるよう、ステップ・バイ・ステップで解説します。

説明は、経営コンサルタントの尊益先生と、
若手社員の経太くんと有価さんという、
先生役と生徒役のキャラクターを登場させ会話形式で進みます。

会計をほとんど知らないシロウトがゼロから始め、
理解していくプロセスをたどり、最終的には決算書から
会社のストーリーを読めるようになるところまでを目指します。

  chapter1  損益分岐点は小学4年生の算数で理解できる
  chapter2  損益計算書を読む
  chapter3  貸借対照表を読む
  chapter4  連結財務諸表で会社の全容が見える
  chapter5  キャッシュ・フローを正しく理解する
  chapter6  キャッシュ・フロー徹底解説

本書で掲載される演習は、後さんが経営分析セミナーで
実際に使っている問題を改題したもの。

多くの人に実践に耐えている実績があるようです。

本書は、所々にコンサルタントらしい目線が感じられるので、
他の会計本とはちょっと違う、興味深い本でした。

この本から何を活かすか?

日産とトヨタの損益計算書を、どう比較するか?

  「さて、これだけ規模が違う両社を比較するには、
  少し工夫が必要だ。(中略)
  “比較” する時には、ただなんとなく比較するのはダメで、
  ちゃんと “比較できるようにして比較する” ことが必要だ。」

本書では、日産とトヨタを比較するために、
「トヨタの生産台数が日産並の生産台数だったら」と仮定して、
縮小補正して2社の効率を比較しています。

最終的に行き着くところは同じでも、
このアプローチの仕方が、他の会計本と違うところです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 06:43 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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