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コンセプトのつくりかた

コンセプトのつくりかたコンセプトのつくりかた
(2012/08/03)
玉樹 真一郎

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満足度★★★★
付箋数:27

2006年に発売されて以来、任天堂の据置型ゲーム機の中では、
歴代1位の販売台数を誇る「Wii」。

世界累計9656万台(2012年6月)が出荷されていますが、
その80%以上が、「リビングルーム」に置かれるという
他の据置型ゲーム機とは異なる特徴を持ちます。

なぜ、「Wii」は他のゲーム機より、リビング設置率が高いのか?

それは、今までゲームを敵のように思っていた
「お母さん」さえもユーザー層に取り込み、
家族みんなでコミュニケーションを取りながら楽しめるゲーム機
という、「コンセプト」を作ったからです。

思えば、「Wii」が発売される前まで、
各ゲーム機メーカーは、ハードの性能を競っていました。

しかし、「Wii」が新しいコンセプトを持ち込んだことで、
ゲーム機は別の軸で評価されるようになりました。

それでは、世界を変えた「Wii」のコンセプトは、
どのようにして作られたのでしょうか?

スティーブ・ジョブズさんのような1人の天才によって
生み出されたのでしょうか?

その秘密を明かすのが本書です。

実は、「Wii」は任天堂の一般社員、6人のメンバーで構成された、
居酒屋で愚痴を言い合うような雰囲気の
コンセプトワークから生み出されました。

用意されたのは、大きな机と付箋と紙とペンの4つ。

そのチームのリーダーを務めたのが、
本書の著者・玉樹真一郎さんです。

玉樹さんは、本書で「Wii」開発のコンセプトワークの様子を
実況中継することで、新しいコンセプトの作り方を伝えます。

コンセプトワークの手法は、「KJ法」のように、
メンバーから出た意見を付箋に書き込み、
グループ化してストーリーに落としこんでいくものですが、
その過程は、「未知の良さ」を求める知的冒険のようです。

まさに、アイテムを集め、仲間を増やしてながら、
ワクワクしながら冒険をする、ロールプレイングゲームを
しているかのようです。

また、コンセプトの作り方もさることながら、
玉樹さんのファシリテーターとしての手腕が素晴らしい。

本書は、ファシリテーションの参考書としても使えそうです。

本書の前半ではコンセプトを定義するために
80ページ程度を割いて説明しています。

その説明も、玉葱の皮を剥ぐように、
一歩一歩、抽象的なコンセプトの正体に迫っているので、
コンセプトへの理解もグッと深まります。

コンセプトは、「未知の良さ」を求めるもので、
これが「既知の良さ」、「未知の悪さ」、「既知の悪さ」と
逆・裏・対偶のような関係になっていることは、
私にとっては新鮮でした。

「未知の良さ」は、その裏返しである「既知の悪さ」とつながっている。

だから、「Wii」のコンセプトワークでは、
愚痴ともとれるような現状への不満、
「既知の悪さ」を洗い出すことからスタートしているのです。

本書は、要点だけ短時間に知りたい方には向きませんが、
コンセプトの生み出し方を学びたい人には、オススメの一冊です。

この本から何を活かすか?

  勇者のための「ズラす」9つの質問集

  質問例1. 逆に言うと、どうなる?
       さらに突き詰めていくと、どうなる?

  質問例2. 悪いことを「絶対に避けられないこと、それが真実だ」
       と仮定すると、どうなる?

  質問例3. 立場をズラしたら、どうなる?

ここでは、9つの質問すべてを列挙しませんが、
本書では玉樹さんが実際にコンセプトワークで使用する、
アイディア出しのための質問例が紹介されていました。

これは実用的で、「オズボーンのチェックリスト」のように
使えそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| アイディア・発想法・企画 | 06:53 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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