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「フェイスブック革命」の真実

「フェイスブック革命」の真実 ソーシャルネットワークは世界をいかに変えたか? (アスキー新書)「フェイスブック革命」の真実 ソーシャルネットワークは世界をいかに変えたか? (アスキー新書)
(2012/08/10)
石川幸憲

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満足度★★★
付箋数:18

フェイスブックは「ビック・ブラザー」になるのか?

ビック・ブラザーとは、1949年に刊行された
ジョージ・オーウェルさんの小説「1984」に登場する
独裁者の名前です。

  「それ以来、英語圏では国民の行動を国家レベルで監視するような
  人物や組織をビック・ブラザーと呼ぶようになった。
  フェイスブックのコンピューターシステムは、
  全ユーザーのサイト内での全てのデジタル行為を
  モニターしているわけで、まさにビック・ブラザーである。」

1984」は、当時のソビエト社会主義共和国連邦を
モチーフにしたオセアニアという架空の超大国を舞台にした小説で、
今もなお、全体主義的な管理体制の象徴として語られます。

SF小説の設定としてはベタですが、そのコンセプトは強烈で、
英語圏では、「1984」、「ジョージ・オーウェル」、
「思想警察」、「ビック・ブラザー」などは全体主義を表す
一般的な語彙として使われるほどです。

「BIG BROTHER IS WATCHING YOU」
などもよく耳にするフレーズですね。

また、リドリー・スコットさんが製作したアップル社のCMや、
テリー・ギリアムさんの映画「未来世紀ブラジル」も
この小説にインスパイアされて作られたことでも有名です。

さて、ビック・ブラザーについての説明が長くなりましたが、
本書の著者、石川幸憲さんは、フェイスブックこそが、
常に私たちの生活を監視する現代のビック・ブラザーであると
考えているようです。

  「オーウェルのビック・ブラザーは、大スクリーンで
  次々と命令を下したが、フェイスブックは会員情報を
  収集・蓄積してもせいぜいニュースを配信するだけだ。
  だが、ここに重大な問題が隠されている。
  フェイスブックのデータを保存するサーバーシステムが
  ブラックボックスになっていることだ。」

こういった指摘は、グーグルが台頭してきた時も、
何度となくなされてきました。

個人的には、フェイスブックやグーグルに情報を
監視されるリスクよりも、その利便性を優先していますが、
やはり、見えないところで誰かに監視されることに、
大きな脅威を感じる人も多いのでしょう。

  「私はザッカーバーグを “現代のビック・ブラザー” と
  呼ばざるを得ない。
  本人が意図した結果でないことはもちろん承知している。
  (中略)
  9億人の信頼を受け止めるザッカーバーグは、
  まさに超人的な責任を負わされている。
  独裁者になるのか、それとも慈悲深いビック・ブラザーになるのか、
  ザッカーバーグの選択がフェイスブックの運命を決めるだろう。」

ここでは、本書の中のビック・ブラザーのくだりだけを
取り上げましたが、本書ではソーシャルネットワークが
もたらす未来をフェイスブックを通して考察します。

アメリカ在住の石川さんの視点で、
ポストモダンのメディア像を映しだしているので、
日本で語られるSNSとは違った姿が見えてきます。

本書は、純粋なフェイスブック本を期待して読むと
当てが外れるので、その点だけはご注意ください。

この本から何を活かすか?

  「私は(フェイスブック)に登録だけは済ませたが、幽霊会員だった。
  日常の社会生活でもつきあい不精で、こまめに手紙や電話をするのが
  苦手な私にとって、フェイスブックは救いの神ではなかった。」

石川さんは、こんな本を書いているぐらいですから、
てっきりフェイスブックの世界に入り込んでいるかと思いきや、
あまり積極的には活用していないようです。

だからこそ、一定の距離を持ち、全体的な視点の中で
フェイスブックについて考察することができたのでしょう。

あと、私もフェイスブックは幽霊会員なので、
石川さんが言う、ソーシャルネットワークに参加する時は、
覚悟が必要で少し荷が重いという感覚はよくわかりました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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