活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?

なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?
(2012/06/28)
北川 邦弘

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満足度★★
付箋数:13

  「“資産1億円” を作れる人たちの多くは、お金をコツコツと
  貯めるような人ではない。コツコツ貯めこんでも、
  この低金利の世の中ではお金を増やすことなど到底できないからだ。
  
  そこで私が研究したのがズバリ、お金持ちや資産家たちの
  “金持ち思考” である。その考察で判明したことは、
  お金持ちにはある共通した人柄と考え方があり、
  まずはそこに注目すべきということである。もちろん、そこには
  “貯金が命” というような人など一人もいなかった。」

このように語るのは、本書の著者、
ファイナンシャルドクターの北川邦弘さん。

北川さんは今までお金のプロとして、3000人を超える人の
資産設計の相談に乗り、アドバイスした実績があるそうです。

本書では、その経験の中から北川さんが知った、
お金持ちになる人の「金持ち思考」と、貧乏になる人の「貧乏思考」の
違いを解説します。

私は基本的に北川さんが言う、「金持ち思考」と「貧乏思考」が
存在することを否定しません。

また、同様に北川さんが推奨する「国際分散投資」についても、
私自身も実践していますし、良い投資法の一つだと思います。

しかし、本書はその主張を支える根拠が、あまりにも脆弱でした。

いかにも「絵に描いた餅」が好きな方が書いた本
という感じがしました。

本書で、私が違和感を覚えた個所を何点か挙げてみます。

  「“金持ち思考” のできる人になって、
  “資産1億円” はゲットしたいところである。」

なぜ、1億円が目標なのかが示されていません。
基本的に必要な資産は、その人の年齢・ライフスタイル等によって
異なると思います。

  「私がお金のプロの立場でお客様にすすめているのは、
  “通帳による一瞬チェック” だ。」

支出をコントロールできていない人は、毎月月末に通帳を見て、
増えたのか、減ったのかを一瞬見るだけでは、
どこで使い過ぎているのかがわからず、何も改善されないでしょう。

  「夫婦で毎月1万5000円の医療保険を払っていたら、
  30年間で失うお金は540万円。もし、そのお金を投資して
  年利8%で運用したら2235万円にもなるのである。」

本書では、ことある毎に「30年間、年利8%で回したら」という
仮定の話が出てきます。

「缶コーヒー代を自販機に入れず、年8%で回したら」とか。

確かに計算上、複利の効果は偉大です。

しかし、私は実際に30年間、年利8%で回したという
ファイナンシャルプランナーの方の実績を見たことがありません。

これはマネー本によくある典型的な説明です。

「たら、れば」の話をするだけなら、
年利10%でも20%でも、都合の良いリターンを設定すればいいので、
好きに書くことができます。

私は、本書の「お金持ちなるために思考を変える」
という考えには賛成ですが、
細かい部分で同意できない点がいくつもありました。

この本から何を活かすか?

本書の「ドルコスト平均法」の説明で以下のような記述があります。

  「たとえば、1万円だった株価が7年間で2000円まで下がる
  相場であったとしても、最後の3年間でちょこっと上昇すること
  (たとえば5000円まで回復)で累計15%のリターンを
  得ることができる。」

このリターンの計算自体は、確かにその通りです。

しかし、2000円だった株価が5000円に回復することを、
「ちょこと」とは表現しません。

また、たとえ「ドルコスト平均法」であっても、
一方的に下がり続ける相場なら、リターンはマイナスになることにも
プロとしては言及すべきでしょう。

運悪く投資した10年間が、株価が毎年1000円ずつ下がり、
10年目に株価1000円になっていた場合は、
単に「ナンピン買い」したことと変わらず、
リターンはマイナス70%にもなってしまいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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