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たかが英語!

たかが英語! たかが英語!
(2012/06/28)
三木谷 浩史

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満足度★★★
付箋数:18

  「日本の歴史上、ここまで大規模かつ急進的に、
  英語化を進めた起業はなかったのではないだろうか。
  楽天の英語化は、一種の社会実験と言えるかもしれない。
  2年間の移行期間を経て、正式に社内公用語を
  英語に切替える7月を間近に控えた今、
  僕は、この社会実験における仮説と検証の中身を、
  多くの人に知ってもらいたいと考えた。」

かねてから社内公用語を英語に移行していた「楽天」が、
2012年7月、社内公用語を正式に英語化しました。

三木谷浩史さんが、2010年に英語化宣言してから注目を集め、
多くの否定的な意見も出ていました。

  「日本人同士が英語で会話する意味があるのか、
  英語ができなければ通訳を雇えばいいではないか、
  英語の必要な一部の人間だけ英語を使えばじゅうぶん・・・」

最近では、スタートでつまずいた電子書籍リーダー「kobo Touch」の
失敗も英語公用語化のせいではないかとも言われています。

しかし、外部から何と批判されようとも、
三木谷さんは、とにかく社内公用語の英語化をやってみました。

その結果の記録が本書です。

そもそも、なぜ、英語化が必要だったのでしょうか?

その理由は、いたって単純です。

  「世界企業は英語を話すからだ。
  僕は、これからの日本企業は世界企業にならない限り生き残れないし、
  逆に、日本企業が世界企業への脱皮に成功すれば、
  日本はもう一度、繁栄できると考えている。」

もともと三木谷さんは、楽天をグローバル化するために、
社員にも英語を使いこなして欲しいと考えていました。

また、楽天以外の多くの日本企業でも英語学習は推奨されています。

しかし、その程度で社員の英語力が飛躍的に向上することはありません。

そこで、三木谷さんが考えたのが社員が常に英語に触れられる
環境を作ること、すなわち社内公用語の英語化だったのです。

本書では、楽天の英語化プロジェクトが、どのように進められたのか、
どんな方法で社員は英語を勉強したのかが紹介されています。

結果、2010年10月に526.2点だった社員の平均TOEICスコアが、
2012年5月には687.3点に上昇したそうです。

この点数で、すべてを英語で仕事を行うのは、キツイ感じがしますが、
短期間にTOEICの社員平均スコアをここまで急上昇させた企業が
ほとんどないのも事実です。

この三木谷さんの社員を犠牲にした壮大な実験が、
「独裁者の人体実験」と呼ばれることになるのか、
それとも「偉大な先行投資」と呼ばれるようになるかは、
今後の楽天の躍進次第です。

ちなみに、楽天が英語化を将来的にやめることもありえます。

それは、わざわざ社内公用語を英語に強要しなくても、
社員が自在に英語を使えるようになった時です。

  「逆説的に聞こえるかもしれないが、もし楽天社員のほぼ全員が、
  英語で仕事ができたなら、社内公用語を英語に変える必要はなかった。」

無理やり英語をやらされる社員に同情する意見もありますが、
英語は本人の財産にもなるので、個人的には羨ましいですね。

この本から何を活かすか?

三木谷さんは、今回の社内公用語の英語化のノウハウを
出し惜しみせずにオープンにすると言っています。

楽天に続く企業は、出てくるのでしょうか?

ここで英語化に踏み切る企業の条件を考えてみました。

1. 社長のワンマン体質の企業であること
2. 社長が飽くなき向上心を持ち、世界に目が向いていること
3. 国内のマーケットの限界が見えていること
4. 社長自身が英語に堪能であること
5. 社長が社員の痛みを感じない鈍さを持っていること

この条件、同じく英語化を進めるユニクロにも当てはまりそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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