活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年07月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年09月

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挑戦する脳

挑戦する脳 (集英社新書)挑戦する脳 (集英社新書)
(2012/07/13)
茂木 健一郎

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満足度★★★★
付箋数:23

  「私たち人間の脳は、いかに “挑戦する” 存在であるか。
  挑戦を通して、私たちはいかに変わっていくか。
  そのことを、これから考えていきたいのである。」

このように茂木健一郎さんが考えて始まった、
「脳と挑戦」についてのエッセイ。

人間の歴史は、挑戦の歴史。

人間は未知の領域に挑戦し続けたからこそ、
今の文明を築きあげることができました。

それは、私たちの脳にとって、挑戦することが
いかに大切であるかを物語っています。

本書は、茂木さんが集英社の読書情報誌、
「青春と読書」2010年1月号~2011年8月号に
掲載したエッセイをまとめたものです。

内容は、脳と挑戦について論じてはいるものの、
やはりエッセイの域を出ません。

しかし、茂木さんは「脳科学者・茂木健一郎」あるいは、
「タレント・茂木健一郎」というブランド力を生かして、
一般の人が経験することができないことを経験しています。

例えば、キム・ピーク(2009年没)さんへの取材。

ピークさんは、映画「レインマン」で
ダスティン・ホフマンさんが演じたサヴァン症候群の
レイモンド・ハビットの実在モデル。

ピークさんは、脳に障害があり、
父親の助けがなければ、社会生活を送るのが困難な一方で、
9000冊以上もの本の内容を暗記し、
人が生年月日を言えば、それが何曜日であるかを当てる
「カレンダー計算」能力を持っていました。

映画「レインマン」は、脚本家のバリー・モローさんが
1984年にピークさんに出会ったことがきっかけで誕生。

後にアカデミー賞・脚本賞を受賞したモローさんは、
感謝を表すために、オスカー像をピークさんにプレゼントします。

これがピークさんが、他の人とコミュニケーションを
取るのに大いに役立ちます。

  「脚本家バリー・モローが譲ってくれたオスカー像を
  キムとフランの父子はどこに出かけるときにも持ち歩いた。
  オスカー像を見せて、手に持たせてあると、
  誰もが喜ぶということを知っていたからである。」

茂木さんは、テレビ番組の取材でピークさん父子に面会。

サヴァン能力者の逸話として語られるピークさんだけではなく、
リアルな体験談として、この面会について書かれています。

  「キム・ピークの横にいることは、一つの宇宙を
  のぞきこんでいるかのような体験だった。
  私はキムという存在を畏怖し、
  同時に限りない敬愛の気持ちを抱いたのである。」

また、これもテレビ番組の取材ですが、茂木さんが、
盲目の天才ピアニスト、デレク・パラヴィチーニさんと
面会したエピソードについても本書で紹介されています。

この方も、一度聞いた曲は忘れずに正確に再現できるという
サヴァン能力を持つ一人。

このような特殊な例を挙げ、脳と挑戦について語られても、
一般人である私たちが、その話を活用でききることは、
ほとんどありませんが、エピソードとして読む分には貴重です。

個人的には、茂木さんがピークさんとパラヴィチーニさんに
取材した話だけでも、本書を読む価値が十分にありました。

この本から何を活かすか?

茂木さんが取材した時のものではありませんが、
キム・ピークさんとデレク・パラヴィティーニさんの映像です。

キム・ピークさんの映像はこちらです。


デレク・パラヴィチーニさんの映像はこちらです。


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企業参謀ノート[入門編]

企業参謀ノート[入門編]企業参謀ノート[入門編]
(2012/07/28)
大前 研一 (監修), プレジデント書籍編集部 (編集)

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満足度★★★
付箋数:17

大前研一さんのデビュー作「企業参謀」は、誰もが認める名著です。

私も数多く大前さんの本を読んできましたが、
最も衝撃を受けたのは、「企業参謀」でした。

大前さんは、大学卒業後、マサチューセッツ工科大学院に留学し、
原子力工学の博士号を取得しました。

一度は、原子力開発の技師として日立製作所に入社しましたが、
原子力の将来に見切りをつけ、コンサルティングファームの
マッキンゼーに転職。

コンサルタントとしては、まったくの素人として
マッキンゼーに入社した大前さんは、
仕事上での学びを、日々詳細にメモを取っていきました。

そのコンサルタント会社に入社後、数年間の大前さんのメモを
1975年に書籍化したのが「企業参謀」でした。

コンサルタントになりたてで、しかも処女作なのに、
なんて質の高い本を書くんだ・・・・・

この本を読んだ当時、奇しくも私の年齢は、
大前さんが「企業参謀」を執筆した時と同じ30歳でした。

私が読んだ当時、既に大前さんは世界的にも有名な
コンサルタントで、マッキンゼーも退職していましたが、
いろいろな意味で、刺激を受けた本でした。

さて本書は、「企業参謀」と1977年に刊行された「続企業参謀」、
そして1979年に刊行された「マッキンゼー現代の経営戦略」の
3冊で公開された「大前理論」をわかりやく説明し、
かつ現代版に事例を入れ替えた本です。

大前さんの写真や図解も多く取り入れられ、
短時間で「企業参謀」のエッセンスが学べるように
まとめられています。

本書がその「入門編」で、KFS(Key Factor for Success、
成功の鍵)などの「大前理論」の考え方を中心に解説。

2012年11月刊行予定の「実践編」で、分析や論理的思考を
助けるためのツールとその使用法を解説します。

ここで、私はあえて言わせていただきます。

やはり、オリジナルの「企業参謀」を読んだ方が絶対にイイと。

(読むのは、もちろん正・続併せた新装版の
企業参謀―戦略的思考とはなにか」でも構いません)

確かに、原書は刊行されて数十年経ちますから
載っている事例は古いものばかりです。

しかし、現代の事例への置き換えは、
大前さんの思考の枠組みだけを参考にして、
自分でやることで、演習になるはずです。

そもそも、「企業参謀」は多少冗長な部分はありますが、
解説本がないと読めないような難解な本ではありません。

エッセンシャル版である本書は、決して悪い本ではありませんが、
洗練されてしまい原書の持つエネルギー感がありません。

まずは、文庫版でも、中古本を買ってでもいいですし、
図書館で借りてでもいいので、オリジナル版を読み、
それでわかりにくい部分があれば、本書を読む方がいいと思います。

この本から何を活かすか?

  「週休2日制の人が多いと思うが、
  あなたは土曜日の午後、何をしているだろうか?

  実はその時間帯を有効に使うかどうかで、
  一発で差がつくんだよ。

  土曜日の午後、4時間あたら、その4時間を
  “自分の頭で考える時間”  にするのだ。」

自分の頭で考える時間、意識しないとなかなか取れません。

しかも、大前さんが言うような「4時間」ものまとまった時間、
自分の頭で考えるとなると、かなりの集中力も必要ですね。

私は、明日の午後、 “自分の頭で考える時間” を
4時間確保したいと思います。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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現代素粒子物語

現代素粒子物語 (ブルーバックス)現代素粒子物語 (ブルーバックス)
(2012/06/21)
中嶋 彰、KEK(高エネルギー加速器研究機構) 他

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満足度★★★★
付箋数:24

2012年7月4日、スイス・レマン湖畔にある欧州共同原子核研究機構
(CERN:セルン)は、「ヒッグス粒子」を発見したと発表しました。

本書は、その世紀の発見の1ヶ月前に刊行された
「素粒子にまつわる物語」を綴った本です。

ずいぶんタイミングよく出された本のように思えますが、
これは単なる偶然ではありません。

著者の中島彰さんは、CERNが2012年中に「ヒッグス粒子」を
発見するであろうと予想と期待のもと、
このタイミングにあわせて本書を執筆したと思われます。

さて、発見された「ヒッグス粒子」は、
万物に質量を与えた「神の粒子」とも呼ばれた物質です。

「ヒッグス粒子」がないと、いかなる粒子も光速で飛び回り、
その場にとどまることはできません。

「ヒッグス粒子」の存在が予言されたのは1964年。

しかし、この時から50年以上も発見することができませんでした。

英国の宇宙物理学者、スティーヴン・ホーキングさんが、
「ヒッグス粒子が見つからないほうに100ドル賭ける」と
発言したことも、話題になっていましたね。

空間のあらゆるところに存在すると考えられる「ヒッグス粒子」。

なぜ、今まで発見できなかったのか?

端的に言うと、実験で使う加速器のパワーの問題でした。

空間にぎっしりと詰まっている「ヒッグス粒子」をはじき出すには、
宇宙が誕生したビックバン直後に匹敵する、
高いエネルギーが必要とされたわけです。

さて、本書はミステリアスな素粒子の世紀の捕り物劇。
その「予言」と「発見」の物語を、魅力的な人物と共に紹介します。

  第1章 神の粒子に挑むLHC
  第2章 素粒子物理ことはじめ
  第3章 ヒッグス粒子ことはじめ
  第4章 ヒッグス粒子を捕まえろ
  第5章 預言者、南部の物語
  第6章 宇宙を創った暗黒物質
  第7章 暗黒物質を捕まえろ

ところで、さまざまな粒子に質量を与えるメカニズムを考案し、
「ヒッグス粒子」の存在を初めて予言したのは誰でしょうか?

一般には、その名前の由来となった、英エディンバラ大学名誉教授の
ピーター・ヒッグスさんだと認識されています。

しかし、実際は、ヒッグスさんが一番乗りではなく、
2ヶ月ほど早く、そのライバルのR・ブラウトさんと
F・アングレールさんが論文を発表していたそうです。

更に、ヒックスさんの論文が発表された2ヶ月後にも、
「ヒッグス粒子」の存在を予言する論文が、
別のグループ(3人)によって発表されています。

実のところ、この6人の研究者の仕事ぶりには差がないため、
素粒子理論で優れた成果を上げた研究者に授与される
米J・J・サクライ賞は、6人が揃って受賞しています。

ただし、ノーベル賞となると話は別。

ノーベル賞の自然科学部門で1度に受賞できるのは、
3名までなので、選考委員会が紛糾するのは必至のようです。

本書は、かなり分かりやすく、素粒子物理学の最前線が
解説されていますが、それでも難しい部分があります。

それでも、この世紀の発見をめぐる背景を理解するには、
非常によく書かれた本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「本書の節目節目で必ずといっていいほど顔を出す
  南部陽一郎という科学者にもぜひ注目していただきたい。

  2008年に益川敏英と小林誠とともにノーベル物理学賞を
  受賞した南部の異名は “素粒子物理学の預言者” 。

  彼は実は、益川と小林であっても、畏怖し仰ぎ見るほどの
  偉業をなしとげた偉大な研究者なのである。」

本書は、「自発的対称性の破れ」理論で知られる
米シカゴ大学名誉教授、南部陽一郎さんを
主役にした章を設けているのが特筆。

先見性と難解さを併せ持つ南部さん。

現代の素粒子の物語は、南部さんのアイディアから始まった。

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| 科学・生活 | 07:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する

2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する
(2012/08/03)
英『エコノミスト』編集部、船橋 洋一 他

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満足度★★★
付箋数:20

  「2050年、日本のGDPは韓国の約半分になる。」

こんな驚きの予測を、発表するのは英エコノミスト誌。

本書は、同誌の記者による未来予測の本です。

本書の第12章「グローバリゼーションとアジアの世紀」の中で、
文章での言及はないものの、掲載される表で、
冒頭の日本と韓国のGDPの大逆転現象が示されています。

購買力平価ベースで計算し、1人当りのGDPを
アメリカを100とした場合、日本と韓国は次のようになると。

     2010年   2030年   2050年
  日本  71.8    63.7    58.3
  韓国  63.1    87.8    105.0

日本が凋落する予想は、そうなって欲しくはないものの、
現状を見る限り、ある程度仕方ないようにも思えます。

しかし、いくら購買力平価ベースの予測であっても、
韓国のGDPがアメリカを超えるというのは、信じ難いですね。

このパートの執筆を担当した方は、
中欧・東欧担当の地域アナリストのようですから、
アジアのメインである中国以外は、
予測の精度が、あまり高くないのかもしれません。

当たり前の話ですが、未来予測には、
当たるものと、当たらないものがあります。

当たる未来予想の代表は人口動向です。

実は、それ以外の未来予測は、それほど当たりません。

なぜ未来予測は当たらないのか?

本書では、最終章でその理由が説明されています。

なんだか、さんざん未来予想をしておきながら、
最後になって、未来予測が当たらない理由を説明するなんて、
どこか言い訳がましい感じがしますが、
とりあえず、挙げられている理由を見てみましょう。

理由は2つあります。

  「ひとつは、良いニュースは目立たず、
  人の記憶に残りにくいからだ。

  悪いニュースだけが残り相互に関連するという
  認知バイアスが人間の側にあるので、
  そうした予言をすることが受け入れられてしまう。

  もうひとつは人間が対策を講ずることを無視しているからだ。

  資源が枯渇する、食料が枯渇する、というのは終末予言の
  典型的なものだが、技術革新による “低価格化” が
  起こるということを無視している。」

日本のGDPが韓国のGDPの半分になるという予測も、
そもそもが怪しい話ですが、日本が奮起して策を講じることで、
予測が外れて欲しいものです。

本書では、世界の人口、経済成長、ソーシャル・ネットワーク、
言語、宗教、地球温暖化、宇宙、科学など様々な分野の
未来予測がなされています。

あくまでも、いくつかあるシナリオの一つに過ぎませんが、
可能性が少ないシナリオであっても、
想定内として行動指針を決めておくことは大切です。

この本から何を活かすか?

  「ナイジェリアが映画の都になっている」

映画の都と言えば、ハリウッド。

しかし、入場料単価が低いため興行収入では
本場ハリウッドには敵わないものの、
近年、インドの映画館・来場者数は、アメリカを大きく上回り、
ムンバイ(旧ボンベイ)は「ボリウッド」と呼ばれてるようです。

そして、本書では経済成長と人口集積が進むアフリカでも、
映画産業が発展すると予測しています。

既に、ナイジェリアの「ノリウッド」はアフリカ諸国に
多数の映画を供給し、制作本数ではボリウッドに次ぐ、
世界第2位になっているそうです。

更に今後は、ガーナの「ガリウッド」、
リベリアの「ロリウッド」が台頭してくると。

ノリウッドをはじめとするアフリカ映画、
どんなものか、一度見てみたいですね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 09:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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常識からはみ出す生き方

常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」常識からはみ出す生き方 ノマドワーカーが贈る「仕事と人生のルール」
(2012/07/11)
クリス・ギレボー

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満足度★★★
付箋数:23

  「自分が本当に望むものを手に入れながら、
  同時に独自の方法でほかの誰かを助ける。

  それがひとつに収束した状態を、僕は “世界征服” と呼んでいる。

  自らは冒険に満ちた生き方をしながら、
  一方で自分以外の人々に大きな変化をもたらす
  生きた証(レガシー)を残そうと真剣に取り組む。

  一所に身を落ち着ける必要も、ちっぽけなことを受け入れる必要もない。」

著者のクリス・ギレボーさんは有名ブロガーにしてノマドワーカー。

ただし、ノマドワーカーとっても、単にオフィスを持たずに、
どこかのカフェで仕事をするのではなく、
本当に世界各国を訪れながら仕事をする本格派。

ギレボーさんは、35歳の誕生日までに「国連加盟国」(193ヶ国)
すべてを訪れる目標を立て、精力的に活動をしています。

しかし、本書でギレボーさんは、ノマドワーカーになることも、
世界を旅して回ることも、読者に勧めるわけではありません。

それは、ギレボーさんにとっての「本当に望むもの」であって、
他の人にとって、本当に望むものとは限らないからです。

ギレボーさんの本書でのメッセージは、極めてシンプルです。

  「自分の人生を人の期待どおりに生きる必要なんてない」

本書は、自分の望む人生を送るためのヒントを与えてくれる本。
そのために、ギレボーさんは6つのルールを示します。

  ルール1. 何かを成し遂げる道はひとつとは限らない。

  ルール2. 「豊かさ」と「不足」の二者択一を迫られたら、
      「豊かさ」を選べ。

  ルール3. 理屈抜きで信じることにためらっているなら、
      思いっきり信じてみろ。

  ルール4. 頭の良さは必要条件ではない。必要なのは断固たる決意だ。

  ルール5. 無限の夢や目標はもってもいい。
      だが、無限の優先事項をもっているわけではない。

  ルール6. 小さなことをきちんとこなせたら、飛躍的な成長も夢ではない。

この中で、ちょっとわかりにくいのが「ルール2.」です。

「豊かさ」と「不足」のどちらかを選べと言われてたら、
普通は誰もが「豊かさ」を選ぶはず。

しかし、多くの人の初期設定モードは「不足」の状態であり、
自分の「不足」を解消するために、お金やモノを貯めこもうとします。

ギレボーさんは、不要なものを減らし、本質的なものだけを増やし、
本当の豊かさを追求することで、奪い合うのではなく、
分かち合えるようになれると説明します。

あと、本書で興味深かったのは「大学院に進むこと」と
「ウェブで自習すること」のどちらに価値があるかを
比較する章です。

あくまで目的は、人の期待どおりに生きるのではなく、
本当に望む人生を手に入れることですから、
大学院卒という肩書や、卒業証書は必要ありません。

実際には、ウェブだけではありませんが、ギレボーさんは、
「大学院に勝る1年間の自主学習」として、
学習内容・コスト・時間を本書で示しています。

大切なのは、その投資によって何が得られるかということ。

大学院に通わずとも、自分を向上させたいと思う人には、
参考になる自主学習プランです。

本書は、常識とらわれない自分らしい生き方をするための手本。

ギレボーさんと同じ道を歩まなくても、
自分にとって何が重要なのかを、見つめ直すことができます。

この本から何を活かすか?

本書では、「自分が望む人生」を実現するにあたり、
「財産ベースの経済的自立」と「収入ベースの経済的自立」の
バランスを考察しています。

  「財産(資金)を貯める代わりに、僕は、本業に縛られることなく、
  やりたいことが何でもできるような収入の道を築くことに重点を置いた。」

日本では、貯金がいくらあるか、資産がいくらあるかが、
注目されがちです。

しかし、私はギレボーさんの考えと同じように、
自分がやりたいことができるキャッシュフローを確保することに、
注力すべきだと考えます。

ストックではなく、フローを中心に考えれば、
自分の望む環境は、思ったより早く実現できると思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 09:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事を見直す25の質問

仕事を見直す25の質問 (Sanctuary books)仕事を見直す25の質問 (Sanctuary books)
(2012/08/20)


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満足度★★★★
付箋数:26

サンクチュアリ・パブリッシングさんより献本いただきました。
ありがとうございます。

本書を受け取って、おかしなことに気が付きました。

表紙に、「著者名」が記されていません。

複数の方から寄せられた情報をまとめた本ならば、
編集した方や編集した部署名が書かれている場合もありますが、
それも本書には一切書かれていません。

いったい、どこの誰が書いた本なんだろう?

そう思いながら、最初に目次を開きましたが、
そこにも誰が書いた本なのか、情報はありませんでした。

しかし、よく見ると、目次の最後に小さな文字で、
次のように書かれていることを発見。

  「仕事を見直す25の質問は、6人のビジネスコーチへの
  取材によって抽出され、それはその他100人の
  ビジネスコーチによって裏付けされています。」

つまり、本書は100人のビジネスコーチにアンケートをとり、
その内、代表6名に取材した内容をまとめたもの。

このように理解して、私は本書のページをめくり始めました。

Chapter1. 作家の中谷彰宏さん。

お~、さすがに第1章。
きっと、一番の大物を目玉として持ってきたんだな。
あとは、知らない人ばかりかもしれない・・・・・

そう思って、第2章以降に目を通した私に、
驚きと衝撃が走ります。

なんで、こんな人気のコーチばかりが出てくるの?

いい意味で、私の期待は完全に裏切られました。

とにかく、本書に登場する6人のビジネスコーチの
顔ぶれをご覧ください。

  Chapter1. 作家 中谷彰宏さん。
  Chapter2. ハイブリットコンサルティングCEO 吉山勇樹さん。
  Chapter3. アチーブメント代表取締役社長 青木仁志さん。
  Chapter4. ベトナムPizza 4P'sオーナー 益子陽介さん。
  Chapter5. サクセス・コーチ クリス岡崎さん。
  Chapter6. アントレプレナーセンター代表取締役社長 福島正伸さん。

正直、私は益子陽介さんだけは知りませんでしたが、
残りの5人は、いずれも単著を読んだことがある方ばかり。

よく、こんなにすごい人たちを並べられたものです。

(あとから気が付きましたが、私が読むときに外していた
「帯」の後ろに、この6人のコーチの名前は書かれていました。)

さて、本書の内容は、ビジネスの悩みランキングで
必ず上位に入ってきそうな仕事の悩みに対し、
6人のカリスマコーチが、本質に気づくような質問を投げかけ
解消していくというもの。

  悩み : 人づきあいが苦手

  質問 : パーティーによく行く人は、
       人づきあいが得意だと思っていませんか?

  解説 : 人づきあいが得意な人なんていない。

  「実際、人づきあいが得意そうに見えている人にたずねてみると、
  “いやぁ、そんなことありまあせん” と言います。
  僕もパーティーが、苦手です。
  初対面の人に話しかけるのは嫌いだからです。(中略)

  人づきあいが得意そうに見える人も、
  もって生まれてそう見えるわけではないのです。
  100の工夫をしているから、得意に見えるだけです。」

あれだけ社交的に見える中谷さんが、
初対面の人に話しかけるのが嫌だなんて、
けっこう意外でした。

英語が得意な人は、英語の努力をしているように、
人づきあいが得意な人は、目に見えない努力をしているんですね。

本書は、100人のビジネスコーチに質問した意味が薄れるぐらい、
6人のカリスマコーチが説く内容が濃いです。

最近の自己啓発書の中では、かなり質の高い一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「他人は比較対象ではない。学ぶ対象だ。」

これ、いい言葉ですね。
本書の中の、福島正伸さんの言葉です。

他人と比較することは、不幸の始まり。
しかし、つい比較してしまう。

だから、あえて意識を「学び」に持って行くんですね。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 09:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グラフで見ると全部わかる日本国の深層

グラフで見ると全部わかる日本国の深層グラフで見ると全部わかる日本国の深層
(2012/07/06)
高橋 洋一

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満足度★★★
付箋数:20

日本のデフレの原因は、「人口減少」にあるのでしょうか?

これは、藻谷浩介さん著の「デフレの正体」の中で
述べられていた主張です。

日本最大の問題は、二千年に一度の人口の波であり、
現役世代の人口減少こそがデフレの原因であると。

同じ主張は、日銀の白川総裁からも述べられています。

白川総裁は、2010年11月4日に都内で行った講演で、
日本は人口が減少し、経済成長率が低下していると指摘し、
デフレの根本原因は、人口減少や潜在成長率の低下にあると
強く訴えていました。

この主張が本当に正しければ、
人口増加率とインフレ率に相関があるはずです。

本書の著者、高橋洋一さんは、この説を検証するために、
世界各国の2000年~2008年の人口増加率とインフレ率の
関係をグラフにプロットしました。

その結果は、見事に相関なし。

日本より、人口増加率が低い国は、東欧など10カ国以上
ありましたが、その中で日本のインフレ率は最低で、
日本以外でデフレに陥っている国はありませんでした。

また、白川総裁がもう一つデフレの原因として挙げていた、
潜在成長率についても同様に、
グラフを書くと相関がないことがわかります。

では、いったい何がデフレの原因なのか?

高橋さんが、この問題を考えることきの拠り所とするのが、
「ワルラスの法則」です。

これは貨幣数量理論として知られ、マネーを市場に出すと、
通貨発行益(シニョレッジ)が政府・中央銀行に発生して、
それが物価を上げ下げするという原理です。

高橋さんは、この理論を検証するために、2000年から2008年までの
各国の通貨増加量とインフレ率の関係をグラフにプロット。

グラフは見事に正の相関があり、
世界で唯一、通貨増加率がマイナスの日本だけが
デフレになっている状況が見て取れました。

つまり、デフレの原因は、「通貨の少なさ」にあると。

相関=原因ではありませが、少なくとも相関がなければ、
仮説にさえすることができませんね。

  「本書では、このような、世間に流れる25のウソを、
  44のグラフを利用することによって、そのメッキをはがし、
  真実に迫っていく。(中略)

  だから読者の方々は、この本を読んだあと、様々な報道に接しても、
  そのどこに真実が隠されているのか鼻が利くようになるはずだ。
  政治家、官僚、日銀、そしてマスコミに、
  私たちはもう騙されてはならない。」

本書で、高橋さんが示すグラフはいずれも、
喧伝されるウソを覆す明快なものばかり。

さすが、東大理学部数学科出身で、財務省時代に「異端児」と
呼ばれた高橋さんだけのことはあります。

ただし、本書では、どのようにしたら高橋さんのように、
論理的に考え、それを立証するグラフを書くことができるのか、
そのHowToまでは示されていません。

そこは、読者自身が解くべき課題なのでしょう。

この本から何を活かすか?

  「デフレ下の消費税議論はクレイジー」

これはMIT名誉教授、レスター・サローさんの言葉。

では、議論どころか、デフレ下で消費税増税を決めてしまった国は、
一体何と表現したら良いのでしょうか?

  「民主党政権は、正常な経済運営を間違いだといい、
  増税だけで財政再建をしようとしたが、
  これは正気の沙汰ではない。」

「クレイジー」と「正気の沙汰ではない」では、
どちらが上かはわかりませんが、狂っていることだけは確かです。

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挑む力 世界一を獲った富士通の流儀

挑む力 世界一を獲った富士通の流儀挑む力 世界一を獲った富士通の流儀
(2012/07/05)
片瀬 京子、田島 篤 他

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こんなことを言うと、怒られるかもしれませんが、
今となっては、「あの発言」は良かったのかもしれません。

2010年11月に政府の事業仕分けで、
蓮舫行政刷新担当相(当時)から発せられた、
「2位じゃだめなんでしょうか?」発言。

蓮舫さんが、この言葉を発した相手は、
理化学研究所と富士通が共同で開発していた、
スーパーコンピューター「京(けい)」でした。

実は、この発言の前まで、開発する富士通の社内でさえ、
「京」の開発を続けることに疑問の声が上がっていました。

しかし、蓮舫さんの発言がきっかけで、

  「富士通のコアは、技術開発力だ。スパコンの大きな役割は、
  世界最高峰の技術力を世に示すことにある。
  だから、富士通はこのプロジェクトを継続するんだ。」

との社長の発言を呼び、富士通は一枚岩になり、
「世界一」を目指して「京」の開発を、急ピッチで進めました。

結果、開発中の「京」は2011年6月と2011年11月の
ランンキングで2期連続して1位を獲得。

そして、2012年6月には遂に完成し、
今後の実用化で様々な分野への貢献が期待されています。

富士通以外にも、日本の科学者や技術者の中には、
蓮舫さんの発言に奮起した方も多かったのではないでしょうか。

さて、本書はスパコン「京」の開発を含めた、
富士通の8つの「挑戦」の物語です。

  ・絶対にNo.1を目指す ( スーパーコンピューター「京」)
  ・覚悟を決めて立ち向かう (株式売買システム「アローヘッド」)
  ・妄想を構想に変える (すばる望遠鏡/アルマ望遠鏡)
  ・誰よりも速く (復興支援)
  ・人を幸せにするものをつくる (「らくらくホン」シリーズ)
  ・泥にまみれる (農業クラウド)
  ・仲間の強みを活かす (次世代電子カルテ)
  ・世界を変える志を持つ (ブラジル/手のひら静脈認証)

いずれも富士通のプロジェクトリーダーたちを取材した、
「プロジェクトX」風のドキュメンタリーです。

泥臭いながらも、夢に向かって挑戦し続ける姿が描かれています。

  「読者の中には、富士通という名前を見て、
  パソコンや携帯電話を思い浮かべる人もいるかもしれない。
  しかし、その売上の中核を占めるのは、企業や官公庁にICT分野の
  各種サービスを提供するテクノロジーソリューションである。」

ちなみに「ICT」とは、
「Information and Communication Technology」の略で、
「情報通信技術」と訳される言葉です。

確かに、富士通はアップルのように表に出てくる会社では
ありませんから、世間の認識では、地味な携帯をつくっている会社、
ぐらいに思われているのかもしれません。

しかし、本書はそんな富士通のイメージを払拭する力作。

野武士とも称される富士通の流儀、富士通のDNAが伝えられています。
挑戦しようとす人の後押しをしてくれる、熱くなる一冊。

この本から何を活かすか?

本書は、名著「知識創造企業」で世界に知られる、
竹内弘高さんと野中郁次郎さんの解説付き。

野中さんは、本書の内容にからめ、
実践知のリーダーシップを発揮するために必要な、
6つの力を挙げています。

  1. 「善い」目的をつくる能力
  2. 場をタイムリーに作る能力
  3. ありのままの現実を直視する能力
  4. 直観の本質を概念化する能力
  5. 概念を実現する政治手腕
  6. 実践知を組織化する能力

本書に登場するリーダー達が、どのような場面で、
これらの能力を発揮して行動しているのか。

今一度、確認しながら本書を読み返してみようと思います。

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| ビジネス一般・ストーリー | 07:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アイデアは才能では生まれない

アイデアは才能では生まれないアイデアは才能では生まれない
(2012/07/26)
美崎 栄一郎

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満足度★★★
付箋数:21

日本経済新聞出版社、堀内さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

本書は、花王、カルビー、セガ、松井証券、サントリーなど8社で、
ヒット商品ができるまでの過程を追体験し、
アイディアを生む方法を帰納法的にまとめた本です。

  「この本の特徴は、実際にモノや事業やサービスをつくった人が
  どのようにアイディアを出したかが書かれていることです。

  広告やCMなどをつくったり、宣伝文句を考えたりする
  クリエーターの書いたアイディア本ではないことです。」

主人公は、ヒット商品を生んだ、
それぞれの企業のプロジェクトマネージャー。

各企業でアイディアが生まれた瞬間にフォーカスし、
その様子を美崎栄一郎さんがレポートします。

私が、本書で注目したのは、美崎さんが初めて、
「花王」で自身の仕事を語ったこと。

美崎さんと言えば、花王に勤めながら執筆した、
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』が話題を集め、
「築地朝食会」などの勉強会を主催するなど精力的に活動し、
スーパーサラリーマンと呼ばれていました。

しかし、今までの著作では、様々なノウハウや勉強会の様子は
公開されていましたが、本業の花王での仕事については、
ほとんど書かれていませんでした。

  「私は、本を20冊近く書いていますが、
  実は、花王での仕事の話を書いたことはありませんでした。
  とうのは、自分のアイディアの源泉を公開するのは、
  ノウハウを語り、手の内をばらしてしまうことになるので、
  躊躇していたのです(苦笑)。」

女優・菅野美穂さんのCMでお馴染みの、
花王「ソフィーナ ファインフィット」。

自身が化粧をすることのない美崎さんが、
どのようにして、このヒット商品を発案し、
プロジェクトを進めたのか?

本書では、今まで美崎さんが隠してきた、
「自分では使えない商品」を開発するときの、
発想の秘密を公開しています。

また、私が本書でもう1つ注目したのは、
今や定番となった、カルビー「じゃがりこ」誕生の秘密。

この商品、美味しいのはもちろんですが、
個人的には、食べるときに手が汚れないことと、
パッケージのバーコードの遊びのセンスに感心していました。

本書では、カルビーのマーケティング部でブランドマネジャーを
務めた柳井秀政さんのエピソードをもとに、
経験と知識で見えない「つながり」を見つける発想術が
レポートされているので、「じゃがりこ」ファンは必見です。

本書は、「じゃがりこ」に採用されている「デザインバーコード」
のアイディアから、表紙のデザインを着想し採用したようです。

  「表紙にここまでデザインバーコードを採用したモノは
  はじめてだと思いますが、ちゃんとバーコードリーダーを当てると
  認識できますので、ぜひ、試して遊んでみてください。」

まあ、そう言われても、私はバーコードリーダーで
遊べる立場ではないので困りますが、
アイディアとしては、非常に面白いと思います。

本書は、他のアイディア本とは異なり、
アイディア発想のためのケーススタディ本としても使える、
地に足がついた感じのする本でした。

この本から何を活かすか?

私にとっては、『残念な努力』以来、
1年半ぶりの美崎さんの本でした。

気がつくと、美崎さんは「スーパーサラリーマン」では
なくなっていました。

それは、「スーパー」でなくなったのではなく、
「サラリーマン」でなくなったからです。

美崎さんは、2011年8月で花王を退社されたようです。

そして、本書のプロフィールには、
「2011年9月脱藩浪士として活動中」と書かれています。

具体的に何をしているのか気になりますね。

美崎さんがどんな活動をしているのか、チェックしてみます。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える

ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超えるツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える
(2012/07/03)
真柄 昭宏

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満足度★★★
付箋数:20

  「橋下徹 = 小泉純一郎 + 竹中平蔵 + α ≠ 菅直人

  橋下徹には、 “理念を実現するためには殺されてもいい” という
  小泉純一郎のような覚悟、政治任用スタッフを活用して
  決定に持ち込む竹中平蔵のような実務能力、
  それに小泉・竹中時代以上に進んだ、ツイッターなど
  最新の情報コミュニケーション技術を活用する
  コミュニケーション能力を構成要素とするリーダーシップがあり、
  その対極に首相を務めた菅直人がいる。」

本書の著者、真柄昭宏さんは、小泉政権時代に、
竹中平蔵さんの大臣政務秘書および参議院政策担当秘書を
務めた方です。

真柄さんは、本書の冒頭で「2015年の日本」に考えられる
2つのシナリオを用意します。

1つは、衆参両院で中央集権派・デフレ増税派が勝利し、
消費減退から、再びデフレが深刻化した日本。

1ドル=60円台が目前で、日本から製造業が消える可能性さえ囁かれ、
財政破綻のシミューレーションが話題となるシナリオです。

もう1つは、衆参両院で分権派・成長派が勝利し、
改正日銀法に基づく新総裁と首相の協定に基づき、
物価上昇率は2%近傍、円相場は1ドル=100~130円になるシナリオ。

政府はデフレ脱却を宣言し、国民の関心は道州制へ向かいます。

真柄さんは、最初のシナリオに沿って
首相になりそうな政治家は数多くいるが、
あとのシナリオに沿って首相を務められそうな政治家は数少なく、
その数少ない政治家の1人が、橋下徹さんだと考えています。

本書では、変革するリーダーとして、
小泉純一郎さん、竹中平蔵さん、橋下徹さんの3人を比較。

その比較をもとに、橋下さんが、国政入りし、
首相になった場合をシミューレーションします。

また、小泉政権時代の情報発信ツールが「小泉メールマガジン」
だったのに対し、現在の橋下さんは、双方向で即時に情報が広がる
ツイッターを駆使することを挙げ、新たな政治の可能性をを探ります。

ツイッターは、東日本大震災で双方向コミュニケーションの
威力を十分に発揮しましたから、橋下さんのような方が政治の場で使うと、
確かに、大きなうねりを生むかもしれません。

冒頭の恒等式「橋下徹 = 小泉純一郎 + 竹中平蔵 + α」の
「α」の部分がツイッターなどの情報コミュニケーション技術を
表しています。

本書は、竹中さんの秘書として実務を担当した真柄さんらしく、
政治の裏側のリアルな話が多数出てきます。

ただし、その部分のイメージが強いので、
橋下さんの政治手法の検証としては、少し物足りなさも感じます。

中盤では、「主役は竹中さん?」と思えるぐらい、
竹中さんの凄さが際立って描かれていてます。

それはそれで面白く読むことができますが。

この本から何を活かすか?

小泉さんと橋下さんに共通するブレーンは誰か?

  「私にとって経済政策の師匠であり同時に改革の同志でもある
  嘉悦大学の高橋洋一教授は、小泉純一郎と橋下徹の両方に
  政策の提言をしたことのある人の1人である。」

このブログでも、何冊も著書を紹介したことがある高橋洋一さんが、
小泉さんと橋下さんに共通するブレーンのようです。

2012年3月に「日本経済の真相」を紹介した時の
表紙に書かれていた高橋さんの肩書きは「元財務官僚」でした。

しかし、今、手元にある2012年7月刊行の
グラフで見ると全部わかる日本国の深層」を見てみると、
表紙の肩書きは「大阪市特別顧問」となっています。

一度は、表舞台から抹殺された高橋さんでしたが、
戻って来ましたね。

これから橋下さんに任用され、高橋さんが活躍するのが楽しみです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:32 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く

オタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解くオタクの行動経済学者、スポーツの裏側を読み解く
(2012/06/08)
トビアス・J・モスコウィッツ、L・ジョン・ワーサイム 他

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満足度★★★
付箋数:23

おい、おい、今のがストライクかよ!
野球を見ていると、よくそんな場面があります。

審判だって、人の子。
どんなに優秀な審判だって、毎回、正確に
同じ判定ができるわけではありません。

では、どんな時に審判の判定にバイアスがかかるのでしょうか?

  「審判は、重要な場面ではとくに、
  ゲームに介入しないように骨を折る。」

つまり、場面の重要度によって、
審判のストライクゾーンは変わるということです。

  「ストライクゾーンは、
  ノーボール・ツーストライクのときがいちばん狭く、
  スリーボール・ノーストライクのときがいちばん広い。

  スリーボール・ノーストライクのときのストライクゾーンは、
  ノーボール・ツーストライクのときに比べて
  188平方インチも広くなる。

  これはびっくりするぐらいの違いだ。
  たまたまそんな誤審になったなんてありえない。」

これは典型的な「不作為バイアス」。

何かをしてマイナスの結果がもたらされるよりも、
何もしないでマイナスの結果の方がマシと考える心理です。

バッターがツーストライクまで追い込まれているのなら、
ストライクゾーンを広めにとって、アウトへ。

スリーボールまでカウントが進んでいるなら、
ストライクゾーンを狭くして、フォアボールへ。

要するに、審判は無意識のうちに自分の判定が
ゲームの流れを変えないような、
空気を読んだものになっているようです。

本書では、私たちがスポーツを見ていて、
なんとなく感じていた事や、
通念として言われていることが本当かどうか検証します。

検証のベースになるのは、統計分析と行動経済学。

著者はシカゴ大学ビジネス・スクール教授で
行動ファイナンスが専門のトビアス・J・モスコウィッツさんと、
スポーツ・イラストレイテッド誌ライターの
L・ジョン・ワーサイムさんのスポーツ好きのお二人です。

  ・ファンもリーグも、審判のミスジャッジを願っているのはなぜか?

  ・ヘッドコーチたちが、自分のチームの勝つ可能性を
  下げるような判断を下すのはなぜか?

  ・オフェンスよりもディフェンスのほうが大事って本当なのだろうか?

  ・2割9分9厘のバッターが3割のバッターよりも
  ずっと希少なのはなぜか?

  ・なぜ、ステロイドに手を出してしまうのか?
  
  ・プレーの前にタイムをかける作戦は本当にうまくいくんだろうか?

取り上げられている内容は、どれも興味深いものばかり。

ただし、題材とされるスポーツは、
メジャーリーグベースボール(MLB)、NBA、NFLなど
日本人の私たちには馴染みの少ないスポーツが中心です。

まあ、外国人が日本のスポーツを統計分析していも
それはそれで違和感があるので、あまり出てくるスポーツ選手を
知らなくても、本書はこれでいいのかなとも思いました。

「ヤバい経済学」のスティーヴン・レヴィットさんが、
大相撲で7勝7敗で千秋楽を迎えた力士の勝率を調査し、
公表したことがありましたが、個人的にはその結果よりも、
なんで日本人が調べないのかなと感じたこともあるので・・・

この本から何を活かすか?

  「MLBの選手が次の打席でヒットを打つ可能性を予測するとして、
  次のうちどの指標を使うのがいちばんいいだろう?

    (a) 過去5打席の打率
    (b) 過去5試合の打率
    (c) 過去1ヶ月の打率
    (d) 今シーズンに入ってからの打率
    (e) 過去2シーズンの打率 」

本書の著者は、過去10年のMLBの選手を全部調べ、
これら5つの指標で、どれがいちばん予測に適しているかを検証しました。

結果は、本書を読んでのお楽しみ。

この検証の結果は、投資信託を選ぶ際にも参考になると、
書かれていますから、参考にしない手はありませんね。

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| 経済・行動経済学 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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フリーで働く! と決めたら読む本

フリーで働く!  と決めたら読む本フリーで働く! と決めたら読む本
(2012/05/26)
中山 マコト

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満足度★★★
付箋数:24

日本経済新聞出版社、堀内さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、今の会社を辞めたいと考えたことはありませんか?

きっと、誰でも1度や2度、辞めようと考えたことがありますよね。

また実際に、会社を辞めるかどうか、
真剣に悩んでいる人も多いでしょう。

今の時代、必ずしも「辞める=転職」ではありません。

雇われずに、フリーランスで仕事をするのも選択肢の1つですし、
以前は考えられなかった「ノマドワーカー」という
ワークスタイルも定着しつつあります。

本書は、ノマドワークも含め、フリーで仕事をしようと
「考えた時点」で読むべき本です。

著者は、「キキダス・マーケティング」の中山マコトさん。

フリーランスになった時、一番の大きな心配は、
食べていけるだけの定期的な収入が得られるかということ。

そのために、真っ先に頭に浮かぶのが、フリーになっても、
現在のクライアントから、そのまま仕事を受注することです。

しかし、本書の著者、中山マコトさんは言います。

  「サラリーマン時代、お世話になったクライアントは、
  すべて忘れる」

この決断には、かなりの勇気が要りますね。

サラリーマン時代に付き合いのあった会社から、
仕事をもらうのは、「大いなる罠」。

独立するときに、既存のクライアントを当てにするのは、
百害あって一利なし、とまで中山さんは言います。

なぜ、お世話になったクライアントを忘れなくてはならないのか?

一見、既存のクライアントから仕事をもらって
独立するのが、最も堅実な道のように思えます。

しかし、それでは、一番敵にしてはいけない人を
敵に回してしまいます。

それは、古巣の会社や組織。

古巣とはアライアンスを築くべきであって、
決して敵になってはいけません。

だから、会社を辞めるにしても、円満に辞めなければ、
フリーになってからの仕事に大きく影響するのです。

中山さんは、フリーで働いている人には、
2種類の人がいると言います。

1つは、フリーにはなったものの、選択権を他者に握られて、
他者や環境に翻弄される「なんちゃってフリーランス」。

そして、もう1つは、選択権を自らが握り、自分の意志や判断で
仕事をする「プロフェッショナルフリーランス」。

本書では、プロフェッショナルフリーランスになるための
仕事の掟やリスクヘッジの仕方、価格設定、人脈術、
タイムマネジメントなどが解説されています。

本書を読むのは、フリーになってからでは遅すぎます。

なぜなら、一度、「なんちゃってフリーランス」になってしまうと、
そう簡単に、そこから抜け出すことができないからです。

ですから本書は、フリーで働くことが頭をよぎった、
サラリーマン時代にこそ、読むべき本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「フリーランスは不労所得をもて!」

お金の心配さえなければ、もっとたくさんの人が、
フリーで仕事をする道を選ぶことでしょう。

本書では、エピローグの中で、
プロフェッショナルフリーランスとしてのノウハウを、
商品化して不労所得をつくることを勧めています。

個人的には、複数の収入源を持つことは大切なので、
ノウハウの商品化に限らず、安定したサラリーマン時代に
「投資」でも不労所得を得る道を探っておくべきだと考えます。

仮に、会社を辞めずにサラリーマンのままでいたとしても、
一定の不労所得があるだけで、精神的にかなり違うので、
働き方にも余裕が生まれます。

今は、各証券会社やFX会社から、ストックを増やすだけでなく、
フローを生むためのツールも提供されていますから、
検討・研究する価値が十分にあるのではないでしょうか。

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| ノウハウ本 | 07:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?

君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?
(2012/06/28)
田村 耕太郎

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満足度★★★★
付箋数:23

  「われわれの未来は二つに分かれる。
  “英語ができる人” と “英語ができない人” のどちらかだ。
  君らはどちらになりたいのか?」

このように二者択一で迫られると、
選択肢がこの2つしかないように思えてしまい、
つい「英語ができる人」を選んでしまいますね。

さすが、元国会議員の田村耕太郎さん。
決断を迫る迫力があります。

本書を読む前に、私が田村さんに持っていた印象は、
「変わり身の早い政治家」という程度のものでした。

時代の潮流を読むという点では、それも政治家に必要な
資質ですが、正直、あまり良いイメージは持っていませんでした。

しかし、本書を読んで田村さんには、社会を動かす人に必要な、
「煽動する力」があると感じました。

田村さんは、本書を読む若い世代の人の気持ちを駆り立て、
強力に海外に出ることをススメます。

  「私がなぜこの本を書こうと思ったのか?
  それには3つの理由がある。

  1つは “君らはこんなワクワクする世界を見ずに死ねるか?”
  と思うからだ。(中略)

  そして2つ目の理由は、これからは外に出ないと
  生きていけなくなる事実を、正確に伝えたいから。(中略)

  3つ目の理由は “しっかり詰め込んでから外に行け”
  と言いたいからだ。」

昔から、海外に出ることをススメる本はたくさんありますが、
田村さんは、そのための準備を怠らないよう、強く訴えます。

その準備とは、英語をできるようにすることと、
英語で話す中身=教養を身につけておくことです。

そして、向かう先はアメリカ。

なぜ、アメリカに向かうかというと、
これからは「アジアの時代」だからです。

アジアの時代なのに、アメリカに向かう?

ちょっと、何を言っているのかわからない感じがしますが、
田村さんの中では、次のようなロジックが組み立てられています。

  「日本はアジアとの関係を築くのに有利なロケーションにあるが、
  実はアジアはアメリカとの関係を重視している。(中略)

  アジアのエリートはアメリカに学びに行く。
  世界最高峰の教育現場があり、最も多様で有意義な
  ネットワーキングの場は、アメリカなのだ。
  アジアでネットワーキングを狙うならまずアメリカを狙えと言いたい。」

単に世界の俊英が集まってくるからアメリカへ行くということではなく、
あくまでアジアを見定めて、アメリカへ行く戦略です。

また、田村さんはアメリカの名門校に留学するチャンスがなければ、
代替案としてシンガポールを目指すのがベターとも説いています。

本書は、ロジックやノウハウの部分よりも、
田村さんのパッションが全面に出ているので、
これから世界に出る若い世代以外の人が読んでも、
熱い気持ちにさせられる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「詰め込むなら “村上メソッド” が一番!」

田村さんは、海外に出る前に、
徹底的に英語を鍛えるように説いていますが、
その方法として一押しするのが、元グーグル日本法人社長の
村上憲郎さんの英語学習法です。

  「村上式の理念は一言で言えば
  “数値目標を掲げ、一気呵成に詰め込む” である。」

  ・「村上式シンプル英語勉強法

私も、この本を読みましたが、もう4年ぐらい前のことなので、
内容はあまり覚えていませんでした。

でも、こんな時にブログや読書メモに、
記録を残していると便利です。

本書で田村さんが言っていることと合わせ、
「村上式」をもう一度、読み返してみます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:25 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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さっさと不況を終わらせろ

さっさと不況を終わらせろさっさと不況を終わらせろ
(2012/07/20)
ポール・クルーグマン、Paul Krugman 他

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満足度★★★
付箋数:21

本書はノーベル賞受賞の経済学者、ポール・クルーグマンさんの
End This Depression Now!」の邦訳本。

本当に、さっさと不況を終わらせて欲しいと、私は強く思います。

本書でのクルーグマンさんの主張は極めてシンプルです。

昔ながらの「財政出動」をしっかりとやれば、
不況を終わらせられるというものです。

では、なぜ、公共工事を増やし、赤字国債を発行してきた日本は、
いつまでたっても不況を脱することができないのか?

それは、規模と回数の問題。

要するに今まで日本がやってきた景気刺激策は
あまりにも小さすぎて、効果が限定的でした。

だから、財政出動は金融緩和と共に、
徹底してやらなければならない。

この財政出動が必要な時期に、増税をするなど愚の骨頂。

緊縮をすべきは、好況時であって、不況時ではないと。

本書はアメリカのことが中心に言及されていて、
具体的に日本に対して発言されているわけではありませんが、
これがクルーグマンさんの考えです。

では、ただでさえ借金が多い日本が、このまま財政出動を続けると、
国債が暴落し、ハイパーインフレが起きてしまわないのか?

  「日本の場合、負債は1990年代から急上昇していて、特筆に値する。

  今のアメリカと同じく、日本は過去10年以上にわたり、
  すぐにでも債務危機に直面すると言われてきた。

  でも危機はいつまでたってもこないし、日本の10年国債金利は
  1%ほどだ。日本の金利上昇に賭けた投資家たちは
  大損ばかりしていて日本国債を空売りするのは “死の取引”
  とまで言われるようになった。」

つまりマーケットは誰もハイパーインフレを
予想していないと言うのです。

それは、「流動性の罠」にはまっていて、
短期金利がゼロに近いところに張り付いたままだから。

ただし、クルーグマンさんの主張が、
いくら教科書的なマクロ経済政策だからと言って、
実際にそれを行うのは難しいようです。

かつてプリンストン大学教授時代に、
日本銀行が自縄自縛の麻痺状態に陥っていると指摘し、
日銀が取るべき行動を示したベン・バーナンキさん。

しかし、今はバーナンキさん自身がFRBにおいて、
自縄自縛の麻痺状態に苦しんでいるように見えると、
クルーグマンさんは皮肉ります。

 「残念ながら、バーナンキ議長は
 バーナンキ教授の助言に従わなかった」

クルーグマンさんの主張は、日本では「バランスシート不況」を
提唱した、野村総合研究所主席研究員のリチャード・クーさんの
考えとかなりの部分で共通しています。

独特の言い回しで、少し冗長感のある本ですが、
民主党政府も、消費税増税を決める前に
この本を読んで欲しかったっですね。

この本から何を活かすか?

本書の翻訳は山形浩生さん。

ヨラム・バウマンさんの「この世で一番おもしろいミクロ経済学
も山形さんの翻訳で、私には馴染みのある翻訳者です。

山形さんにとって、クルーグマンさんの本の翻訳は
クルーグマン教授の経済入門」以来とのこと。

  「重厚な学者文とはほど遠いユーモアと怒りの共存した文を、
  この訳書が再現していることを祈りたい。」

こう聞くと、原書でクルーグマンさんがどのように書き、
それを山形さんがどのように翻訳したのか確認したくなりますね。

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| 経済・行動経済学 | 06:54 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本経済に追い風が吹いている

日本経済に追い風が吹いている日本経済に追い風が吹いている
(2012/06/09)
北尾吉孝

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満足度★★★
付箋数:23

2012年8月10日、消費税増税法は、参院本会議で
民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決されました。

これにより、現行5%の消費税率は2014年4月に8%、
2015年10月に10%へと、2段階で引き上げられます。

このニュースが新聞に掲載された日に、
私は知人と話す機会があったので、この消費税増税について
どう思うか聞いてみました。

その知人から返ってきた答えは、
「増税して欲しくないけど、仕方ない」というものでした。

私はこの知人が、増税に納得していることを
非常に残念に思いました。

私は、消費税増税には反対です。
その理由は、増税の「タイミング」が悪いから。

個人的な視点で、税金を多く払いたくないというのは別にして、
今の日本の経済状況は、増税をやるべきタイミングではないと思います。

まず、優先すべきは経済成長であり、今、増税しては、
デフレからますます脱却できなくなってしまいます。

私は、増税に対して、残念に思うと同時に強い憤りも感じました。

さて、本書の著者、SBIホールディングスCEOの
北尾吉孝さんも、私と同じように現時点で増税することに、
強い憤りを感じています。

  「日本の財政赤字問題は薄氷の上を歩いているような状態
  であるのは確かですが、だからといって、今すぐ増税すれば
  いいというものでは決してありません。」

さすが、マーケットを知る経営者の北尾さん。

北尾さんも「Timing is everything」であることを
強く認識しています。

ちょっと私にとっては意外でしたが、本書を読むと、
増税の他にも日本経済に関する北尾さんの認識は、
私の考えにかなり近いもであることがわかりました。

本書は北尾さんが月刊誌「ネットマネー」に連載を続ける評論
を中心に「日本の論点」、「世界の論点」、「2012年の論点」
などを中心にまとめたものです。

以下の12の論点がまとめられています。

  論点1 脱デフレ、円高の完全是正が最優先課題
  論点2 「経済成長より増税」という愚を犯すな
  論点3 東京電力は解体すべきである
  論点4 米国の一極集中時代が終わり「日本力」が試されている
  論点5 成長戦略なくして日本の未来はない
  論点6 欧州には暗雲が漂い続けている
  論点7 米国経済は「日本化」しない
  論点8 中国は4つのリスクを抱えている
  論点9 「格差」は世界を覆い尽くす大問題
  論点10 2012年、日本株は上昇する
  論点11 日本市場は改革を迫られている
  論点12 世界の中で生きる日本がなすべきこと

後半はSBIホールディングスのCEOとしてのポジショントークも
見られますが、北尾さんの考えは、概ね私の考えと同じ。

私が言いたいことを代わりに言っていただいて、
非常にスッキリした読後感の本でした。

この本から何を活かすか?

本書の論点7では、米国経済の「日本化」について論じられています。

北尾さんは、ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマンさんが
指摘するように、米国も「流動化の罠」に陥っているが、
日本にはない活力があるため、凋落はしないと考えています。

クルーグマンさんと言えば、財政出動の積極推進派。

最近では、「さっさと不況を終わらせろ」という著書が出ています。

この本は、今日これから読む予定なので、
北尾さんの考えと比較しながら、読んでみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「10年後の自分」を考える技術

「10年後の自分」を考える技術 (星海社新書)「10年後の自分」を考える技術 (星海社新書)
(2012/06/26)
西村 行功

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満足度★★★★
付箋数:29

あなたは、10年後の自分の姿を「思考」したことがありますか?

会社でキャリアプランを考える一環として、
5年後や10年後の自分の姿を書く機会があるかもしれません。

しかし、ここで聞いているのは、
10年後の「目標」や「理想像」ではありません。

もちろん漠然とした未来を「想像」することでもありません。

10年後を「思考」するとは、10年度に自分がどうなっているか、
可能性を拾い出し、道筋を立ててしっかり考えること。

1年先だってわからないのに、10年も先のことなんて、
論理的に考えられないと思うかもしれません。

未来は不確実で不透明です。

だからこそ、その不確実な未来に対応するために、
あるツールを使って、10年後を「思考」しておく必要があるのです。

本書の著者、西村行功さんは企業の事業環境の未来を考察する
「シナリオ・プランニング」の日本における第1人者。

その企業向けの「シナリオ・プランニング」を
個人向けにアレンジし、未来を思考するためのツールとして
紹介したのが本書です。

「シナリオ・プランニング」では、
たった一つの未来をピンポイントで予想するのではなく、
現在から想定できる複数の未来を想定します。

まずは、確実にやってくる未来を考えます。
例えば、10年後には10歳としをとっているなど。

それから、不確実な未来は場合分けして考えます。

本書で紹介されているのは、2つの不確実性を縦軸と横軸にとって、
2×2のマトリックスを作り、4つのシナリを考える方法です。

考えたシナリオは、それぞれストーリーにし、
それが起きたらどうするかについて、対処法を真剣に考えます。

「シナリオ・プランニング」を行う上で必要なのは、
次の3つの力です。

  1. モノゴトをつなげて考える「つながり思考力」
  2. つながりをもとに未来を思考する「先読み力」
  3. 修正を前提に決断する「一歩踏み出す行動力」

この3つの力を有機的に使うことで、
想定外に翻弄される人生ではなく、
自分の望む未来を手に入れることができるようです。

本書は、「シナリオ・プランニング」を
若い世代にこそ必要な思考法として解説していますが、
私は、先の見えない時代を生きる多くの人にとっては、
年代に関係なく身に付けておくべきスキルだと感じました。

ただし、本書では、なぜ未来を思考する必要があるのか、
その意義の説明にもかなりページを割いているので、
純粋にノウハウだけを知りたい人には、
少し冗長に感じるところがあるかもしれません。

個人的には、別の著者の本ですが、以前に紹介した
「システム思考」教本』より、わかりやすかったと思います。

この本から何を活かすか?

本書では、「10年先の自分」を考える目的で、
「シナリオ・プランニング」が解説されていますが、
私が感じたのは、投資をやっている人には、
「シナリオ・プランニング」が必須の技術であるということです。

投資に、リスクは付きものです。

逆の言い方をすると、リスクのないところにはリターンはありません。

だからと言って、大切なお金を無防備に
リスクに晒すわけにもいきません。

重要なのは、リスクをコントロールすることと、
市場の変化への対処を事前に考えておくことです。

そのために、複数の未来を想定し、どうすべきかを考える、
本書の「シナリオ・プランニング」は、非常に有効なツールです。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:27 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?

なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?なぜ貯金好きはお金持ちになれないのか?
(2012/06/28)
北川 邦弘

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満足度★★
付箋数:13

  「“資産1億円” を作れる人たちの多くは、お金をコツコツと
  貯めるような人ではない。コツコツ貯めこんでも、
  この低金利の世の中ではお金を増やすことなど到底できないからだ。
  
  そこで私が研究したのがズバリ、お金持ちや資産家たちの
  “金持ち思考” である。その考察で判明したことは、
  お金持ちにはある共通した人柄と考え方があり、
  まずはそこに注目すべきということである。もちろん、そこには
  “貯金が命” というような人など一人もいなかった。」

このように語るのは、本書の著者、
ファイナンシャルドクターの北川邦弘さん。

北川さんは今までお金のプロとして、3000人を超える人の
資産設計の相談に乗り、アドバイスした実績があるそうです。

本書では、その経験の中から北川さんが知った、
お金持ちになる人の「金持ち思考」と、貧乏になる人の「貧乏思考」の
違いを解説します。

私は基本的に北川さんが言う、「金持ち思考」と「貧乏思考」が
存在することを否定しません。

また、同様に北川さんが推奨する「国際分散投資」についても、
私自身も実践していますし、良い投資法の一つだと思います。

しかし、本書はその主張を支える根拠が、あまりにも脆弱でした。

いかにも「絵に描いた餅」が好きな方が書いた本
という感じがしました。

本書で、私が違和感を覚えた個所を何点か挙げてみます。

  「“金持ち思考” のできる人になって、
  “資産1億円” はゲットしたいところである。」

なぜ、1億円が目標なのかが示されていません。
基本的に必要な資産は、その人の年齢・ライフスタイル等によって
異なると思います。

  「私がお金のプロの立場でお客様にすすめているのは、
  “通帳による一瞬チェック” だ。」

支出をコントロールできていない人は、毎月月末に通帳を見て、
増えたのか、減ったのかを一瞬見るだけでは、
どこで使い過ぎているのかがわからず、何も改善されないでしょう。

  「夫婦で毎月1万5000円の医療保険を払っていたら、
  30年間で失うお金は540万円。もし、そのお金を投資して
  年利8%で運用したら2235万円にもなるのである。」

本書では、ことある毎に「30年間、年利8%で回したら」という
仮定の話が出てきます。

「缶コーヒー代を自販機に入れず、年8%で回したら」とか。

確かに計算上、複利の効果は偉大です。

しかし、私は実際に30年間、年利8%で回したという
ファイナンシャルプランナーの方の実績を見たことがありません。

これはマネー本によくある典型的な説明です。

「たら、れば」の話をするだけなら、
年利10%でも20%でも、都合の良いリターンを設定すればいいので、
好きに書くことができます。

私は、本書の「お金持ちなるために思考を変える」
という考えには賛成ですが、
細かい部分で同意できない点がいくつもありました。

この本から何を活かすか?

本書の「ドルコスト平均法」の説明で以下のような記述があります。

  「たとえば、1万円だった株価が7年間で2000円まで下がる
  相場であったとしても、最後の3年間でちょこっと上昇すること
  (たとえば5000円まで回復)で累計15%のリターンを
  得ることができる。」

このリターンの計算自体は、確かにその通りです。

しかし、2000円だった株価が5000円に回復することを、
「ちょこと」とは表現しません。

また、たとえ「ドルコスト平均法」であっても、
一方的に下がり続ける相場なら、リターンはマイナスになることにも
プロとしては言及すべきでしょう。

運悪く投資した10年間が、株価が毎年1000円ずつ下がり、
10年目に株価1000円になっていた場合は、
単に「ナンピン買い」したことと変わらず、
リターンはマイナス70%にもなってしまいます。

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| マネー一般 | 07:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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勉強上手

勉強上手勉強上手
(2012/06/28)
成毛 眞

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満足度★★★
付箋数:18

  「結論から言うと、社会人は今まで一般的に勉強と
  いわれてきたことは、全部すっぱり止めていい、
  というのが私の持論だ。

  資格の勉強も、英会話も、セミナーも、興味がないなら
  新聞も雑誌も読まなくていい。」

元マイクロソフト日本法人社長、成毛眞さんらしい大胆な発言です。

成毛さんが本書でススメるのは、大人のための勉強法。

  「本書で紹介する勉強法は、おそらく多くの人にとって
  勉強法とは思えないだろう。何しろ、テレビを観ろ、
  ネットを見ろという、まるで遊びの延長のような
  方法ばかりなのである。」

これは気楽にダラダラと勉強するということではありません。

勉強の目的が違うから、資格の勉強や英会話を捨て、
代わりに本やネットを活用するということです。

本書では、従来の効率を上げ、弱点を補う勉強ではなく、
好きな分野を極め、一生の財産を作る勉強法が解説されます。

ロールモデルは「さかなクン」。

タレント、イラストレーターとして活躍するさかなクンは、
2006年に東京海洋大学客員准教授に就任しました。

さかなクンは、小学校の時から将来の夢は、
水産大学の先生になることでしたが、
受験に失敗して専門学校へ進みます。

それでも、好きな魚のことを自分でとことん勉強し、
世界に認められるまで極め、夢を実現しました。

成毛さんは、このさかなクンの例は特別なことではなく、
好きなことに力を注いだから、
凄いパワーが生まれた結果だと評しています。

そして、本書では、本・雑誌・テレビ・ネット・SNSを活用して、
得意を「最強」にする「成毛流勉強法」を披露します。

やりたくないことを強制的にやるのではなく、
好きなことをやるので、精神的には非常にラクです。

ただし、いくら好きなことを勉強するといっても、
戦略的に、かつ徹底してやらないと武器にはなりませんから、
それなりに覚悟は必要だと思います。

また、成毛さんは従来型の勉強法を否定していながらも、
なぜか、有名どころの勉強本8冊を本書で紹介しています。

  『「超」勉強法』、『竹中式マトリクス勉強法
  『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』、『脳を活かす勉強法』、
  『「1日30分」を続けなさい!』、『レバレッジ勉強法』、
  『SUTUDY HACKS!』、『村上式シンプル英語勉強法

成毛さんは、これらの勉強本を紹介した理由を、

  「勉強法の本で説いている内容は
  ほとんど同じであることを知ってほしい」

からと述べています。

有名な本をズバッと斬っているので痛快ではありますが、
本書の趣旨から考えると、このパートはページ稼ぎとも
思えてしまいます。

この本から何を活かすか?

  「フィルム製の付箋が読書に使える」

何年か前からフィルム製の付箋があることは知っていましたが、
毎日20枚前後消費する私としては、割高という印象があり、
使ったことがありませんでした。

  「私が使っているのは、フィルム製の薄くて細い付箋である。
  これは100円ショップで売っている。」

私の割高のイメージは、当初から発売されていた「3M製」の
フィルム付箋によるものでした。

100円ショプでもフィルム付箋が売っているなら、
そんなに高いものにならないかもしれませんね。

今日、ダイソーに行って、フィルム付箋、探してみます。

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| 勉強法 | 08:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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武器としての交渉思考

武器としての交渉思考 (星海社新書)武器としての交渉思考 (星海社新書)
(2012/06/26)
瀧本 哲史

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満足度★★★★★
付箋数:30

  「環境を変えるために定期的に引越しをする人がいます。

  引越し先を決めるときに、最も重要な要素は、
  一度決まると、毎月その金額を支払わなければならない家賃です。

  では、新居を探す場合、1年のうちどのタイミングで引っ越せば、
  家賃交渉が有利になるでしょうか?」
  (本書の練習問題を要約)

引越し時期のピークになるのが3月~4月。
少なくとも、その時期の1ヶ月前ぐらいが最も売り手市場になって、
交渉しにくい時期だということはわかります。

では、引越しのオフシーズンである真冬の
12月あたりに引っ越すのが、最も有利になるのでしょうか?

私は、最初にこの問題を見たときに、このように考えました。

しかし、その考えは、「バトナ」の視点が欠けていました。

バトナとは、Best Alternative to a Negotiated Agreementの
頭文字をとって略したもの。

「相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで、一番良いもの」
という意味で、ハーバード流交渉術の本では、よく紹介されています。

目の前の条件と自分のバトナ(それ以外の最良の選択肢)を
比較しながら話をすすめるのが、交渉の鉄則。

そして、交渉で最も重要なポイントとなるのが、
「相手のバトナ」が何なのかを考えることです。

この練習問題の交渉相手は家主です。

それでは、家賃交渉が決裂したときに家主が取ることができる
最良の選択肢(家主のバトナ)は何なのでしょうか?

よほど特殊なことをしない限り、家主のバトナは、
「次の入居者を待つ」ことです。
そして、家主はそれまでの期間、家賃収入を得られません。

ですから、家賃交渉決裂が12月の時期だったら、
家主側から考えると、たとえ今安い家賃で入居してもらわなくても、
あと3~4ヶ月もすれば、また引越しシーズンになるので、
空室を埋められると判断するわけです。

この家主のバトナから考えると、次の引越しシーズンまで、
最も空室期間が長くなるリスクがあるのが、
「5月から6月」の交渉です。

この時期の交渉が決裂すると、
最悪、1年近く空室になるかもしれない。

つまり、借り手が家賃交渉を最も有利にすすめられるのは、
「5月から6月」にかけての時期になるようです。

さて、本書は瀧本哲史さんの「武器としての決断思考」の続編です。

いくらディベート思考(決断思考)ができて、
その時点の自分にとっての最善解を導き出せても、
現実の世の中では、それを実行できるとは限りません。

なぜなら、多くの意思決定には「相手の同意」が必要だからです。

その相手の同意を得るために、
本書で解説されるのが「交渉思考」です。

バトナ、ゾーパ、アンカリングなどを使った交渉技術が、
練習問題を使って、非常にわかりやすく説明されています。

本書が他のハーバード流交渉術の本と違うのは、
ノウハウだけでなく、その技術を使って世の中を動かそうとする
「ロマン」が語られているところです。

その煽動的な部分が、受け入れられない人もいるかもしれませんが、
瀧本さんの「ロマン」に共感できる人にとっては、
非常に刺さるメッセージが散りばめられている本です。

個人的には、過去に読んだ交渉術の本の中でもベストの一冊。

この本から何を活かすか?

もう一つ、本書の良い点は、「合理的な相手」と交渉する場合と、
「非合理な相手」と交渉する場合を分けて解説しているところです。

現実の交渉では、普段合理的に判断できる人でも、
些細なきっかけで、非合理な人に豹変してしまう場合がありますよね。

本書では、「アンデスの職人」の例題を用い、
非合理な人と、どう交渉するかを見事に説明しています。

  「合理的でない相手と交渉するときには
  相手の価値観に合わせなければならない」

よく覚えておきたいと思います。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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リンクを精査しました。

 約3年ぶりに、リンクを精査しました。

調べてみると、当ブログがリンクを張っていたブログの
約「半数」が更新を休止していました。

悲しいことですね・・・

ちなみに、特に予告なく3ヶ月更新していないブログを
休止と考えています。

 ・読書関連ブログ : 14ブログ中6ブログが休止
 ・相互リンクグログ : 22ブログ中12ブログが休止

トータル36ブログ中、18ブログが更新されていませんから、
3年間のブログ継続率は「50%」ということです。

やめていく人が多いので、「悲しい」と書きましたが、
「会社」の存続率と比べると、優秀な方なのかもしれません。

新しくできた会社は、1年で40%が潰れ、
3年で60%が消えるとも言われますから。

相互リンクしているブログでも、3ヶ月以上更新していなければ、
一度、リンクを解除させていただきました。

また、当ブログへのリンクをやめている相互リンクブログも同じく、
リンクを解除いたしました。ご了承ください。

つきましては、休止していた相互リンクの募集を再開します。

10ブログ程度の募集を考えています。

以下の条件でよろしければ、希望の方は“この記事のコメント欄”へ
(先に当方へのリンクを完了してから)記入してください。

 1.  アダルトサイト、商品のアフィリエイトを貼り付けただけのサイト、
   自分で記事を書いていない自動記事投稿ツールなどで生成されたブログ、
   常識的に考えて公序良俗に反すると思われるサイト等は、相互リンクを
   お断りします。

 2. 1.以外であれば、特にブログの種類を限定しません。

 3. Google PageRankやブログ歴は問いませんが、
   長く続ける意志のある方。

 4.  更新頻度は、月に1記事以上投稿している方。

 5.  先に当方のブログにリンクしてくれていること。

 6. 予告なく3ヶ月以上記事の更新が途絶えている場合は、
   こちらからのリンクは、一旦、切らせていただきます。
   (再開の場合は、ご連絡ください)

 7. 私の都合でリンクをお断りする場合もあるかもしれません。

よろしくお願いいたします。

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| お知らせ | 11:29 | comments:47 | trackbacks:0 | TOP↑

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入社10年目の羅針盤

入社10年目の羅針盤入社10年目の羅針盤
(2012/06/21)
岩瀬 大輔

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満足度★★★
付箋数:20

ライフネット生命副社長・岩瀬大輔さんは、20代のころ、
「岩瀬は人の8倍仕事をする」と言われたそうです。

ここで岩瀬さんのすごい経歴を知って、
やっぱりね、と納得をしてはいけません。

東大卒で在学中に司法試験に合格し、ハーバード経営大学院に
留学して日本人4人目の成績最優秀称号を受けた岩瀬さん。

確かに、一般のビジネスパーソンとは、
そもそものレベルが違うという面もあるでしょう。

しかし、岩瀬さんが8倍仕事ができたのは、
人の8倍能力があったからでも、
人の8倍頑張ったからでもありません。

それは、自分の仕事にレバレッジをかけたから。

レバレッジとは、梃子。
梃子で大事なのは、どこを「支点」にするかです。

  「上司の力をうまく借りていたので、
  8倍のアウトプットになったのです。」

岩瀬さんが、支点として使ったのは「上司」でした。

  「Managing Your Boss(上司を上手にマネージせよ)」

岩瀬さんは、ハーバード・ビジネス・スクールの授業で、
この言葉を教わったそうですが、まさにそれを実践して
大きな実績を上げたのです。

上司をマネージすると聞くと難しそうですが、
平たく言うと、自分の目的のために「上司の力を借りる」ことです。

しかし、多くの人は上司に力を借りることに消極的。

だからこそ、あえて上司に力を借りることが、
仕事を速く進める上でも、コミュニケーションを円滑にする意味でも、
他人との大きな差になるのでしょう。

さて、本書は2011年5月に刊行してベストセラーになった、
岩瀬さんの「入社1年目の教科書」の続編です。

タイトルの通り、本書の対象は、
入社10年目くらいの中堅ビジネスパーソンです。

会社の中でも中堅どころになってくると、
新人の頃とはまた違った悩みが出てきます。

このまま、今の仕事を続けていいのだろうか?

周りが見えているからこそ、様々な迷いも生じます。

  「この世に楽しい仕事とつまらない仕事があるわけではない。
  すべての仕事は気持ちの持ちようによって
  楽しくもなるし、つまらなくもなる」

本書では、迷った時の羅針盤になるべく、
ちょっとした工夫で、ものの見方や考え方を変え、
毎日を楽しんで仕事をするためのヒントを示します。

当たり前のことが丁寧に書いているので、
自分が今、キャリアの岐路に立っていると感じたときは、
頼りにできる本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「より速く安全に走るため、自分の体を定期点検に出しておく」

1年に1度の健康診断は行なっていても、
「歯」の定期健診には、行っていない人も多いのではないでしょうか。

岩瀬さんは、歯科医の友人からのアドバイスで、
3ヶ月に1度、歯医者に行って定期健診をし、
歯のクリーニングも行なっているそうです。

私も考えてみたら、もう何年も歯医者に行っていません。

今度、子どもの歯の定期健診についていって、
一緒に診てもらおうと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大富豪アニキの教え

大富豪アニキの教え大富豪アニキの教え
(2012/06/22)
兄貴(丸尾孝俊)

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満足度★★★
付箋数:18

バリ島のヌガラ地区に、現地では誰もが知る大富豪がいます。

29の会社を所有し、現地では従業員5300名以上を従え、
自宅25軒と東京ドーム170個分の土地を所有。

その方は、1966年、大阪生まれの日本人。

名前を丸尾孝俊さんと言い、現地の人からは「兄貴」と呼ばれ
慕われているそうです。

ほぼ無一文から、世界的な大富豪に上りつめた兄貴。

その兄貴に会って、人生を変えるために、
ここ2年間だけで800人もの悩みを抱える日本人が
この地を訪れたとか。

本書は、その800人に丸尾さんが何度も何度も
言って聞かせた話をまとめた「成功法則の本」。

今まで、丸尾さんの教えは、弟子のクロイワショウさんが、
出稼げば大富豪」シリーズとして書籍化していましたが、
今回はご本人の著作です。

本書は、31歳、彼女いない歴3年、年収295万円の
ごく普通のサラリーマン、鈴木一郎が3度バリに渡って
「兄貴の教え」を得るという設定。

  兄貴の教え1 一番大切なのは「相手を自分ごとのように大切にする心」
  兄貴の教え2 相手のために、お金を使い続ける
  兄貴の教え3 自分の「童心」を取り戻せ
  兄貴の教え4 自分から会いにいく

このような全部で25個の「兄貴の教え」を、
鈴木一郎こと、「いっちゃん」がバリで教わり、
日本に帰り、それを実践しながら成長していく過程を、
ストーリーで学びます。

物語としては、かなり大味。

「兄貴の教え」を学んだいっちゃんが、5年後にデザイナーとして
成功するエピローグも陳腐です。

しかし、「兄貴の教え」自体は成功法則の王道的なものが多く、
概ね納得ができる内容です。

更に、関西弁で勢いよくしゃべる兄貴は、
情に厚く、人を惹きつける魅力を感じさせます。

本書は、今まで成功本をあまり読んだことのない方や、
本を読むことに苦手な方には受け入れられると思います。

特に「兄貴の教え」の中でも、現在、稼げていない人に、
アルバイトをしてでも「1日14時間以上働け」というアドバイスは、
伝わるのではないでしょうか。

本書を読んで、アルバイトでお金をためて、
兄貴に会いにバリに行きたいと考える人が出ても
不思議ではありません。

兄貴の教えを実践すること自体は良いと思いますが、
本書を読んで気持ちが高揚した人は、
一度冷静になる期間を設けたほうがいいように思えます。

この本から何を活かすか?

  「金(きん)はな、不動産に一番近い希少価値があるもんや。
  ただな、 “日本の不動産”  の先が見えん以上は “金(きん)”
  を持っておいたほうが無難やな」

  「 “人とつながりが育まれない投資”  に、かけたらいかん・・・
  ということやねんて」

最初の一文は、丸尾さんが「金投資」を勧める言葉。
次の一文は、「株式投資」を勧めない言葉。

この2つの教えが矛盾するということもありますが、
投資は一にも二にも「タイミング」ですから、
私は、単純にこの言葉を鵜呑みにしない方がいいと思います。

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| 成功哲学 | 08:46 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ブログ方針の変更

いつも「活かす読書」をご愛読頂きまして、
ありがとうございます。

さて、当ブログでは今まで、コンテンツを充実させることを
最優先とし、ブログへの広告やアフィリエイト掲載などは、
あまり積極的におこなってきませんでした。

しかし、ブログ開始から5年、紹介した本も1500冊を超え、
一定量のコンテンツをストックできたと考えますので、
今後はアマゾン広告、アドセンス、その他の広告を
ブログ内に表示することにしました。

慣れるまで、見苦しく感じるかもしれませんが、
今後ともよろしくお願い致します。

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| ブログ方針 | 14:27 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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献本について

(献本をご提案いただく方向けの記事です)
============================================
当ブログで献本いただいた実績(2015年12月29日現在)
 ・いただいた総献本数 : 252冊
 ・この内ブログで紹介した数 : 240冊
 ・献本いただいた本の紹介率 : 95.2%
============================================

「活かす読書」へ献本をご検討を戴き、誠にありがとうございます。

当ブログでは次のような条件で、献本を受け付けております。

 1. 献本いただいた本は、必ず拝見させていただきます。
 2. ブログ記事への掲載の可否、掲載日は
   こちらで決めさせていただきます。
 3. どの部分を引用するかなどは、管理人の判断となります。
 4. 記事は管理人の主観によって書かれます。

この条件でよろしければ、この記事のコメント欄に
「非公開」にて、連絡先を入力し送信してください。

追ってメールにて献本の送付先等を連絡いたします。

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| ブログ方針 | 13:24 | comments:98 | trackbacks:0 | TOP↑

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良い戦略、悪い戦略

良い戦略、悪い戦略良い戦略、悪い戦略
(2012/06/23)
リチャード・P・ルメルト

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満足度★★★★
付箋数:27

  「大勢の人が “戦略” と称するものと本物の良い戦略との乖離は、
  このところ拡がる一方である。1966年に私が企業戦略を
  勉強しはじめた頃には、この分野の本は3冊しかなく、
  論文なども書かれていなかった。
  
  だがいまでは、書斎の本棚は戦略本ではち切れそうだし、
  論文や特集記事にも事欠かない。(中略)

  だからと言って、戦略とは何かが明確になったわけではない。

  むしろ逆に、空想的なビジョンからネクタイとシャツの合わせ方まで、
  それこそありとあらゆるものが戦略に盛り込まれたせいで、
  戦略はうすっぺらな安物に成り下がってしまった。」

「戦略」の大家、リチャード・P・ルメルトさんは、
戦略という言葉が気軽に使われるようになって、
戦略が陳腐化してしまったことに、強い憤りを感じています。

世の中に溢れている「戦略」と呼ばれるもののほとんどは、
本来の「戦略」ではないと。

本書では、本物の戦略のことを「良い戦略」、
ニセモノの戦略のことを「悪い戦略」と呼びます。

  「良い戦略は必ずと言っていいほど、単純明快である。
  パワーポイントを使って延々と説明する必要などまったくないし、
  “戦略マネジメント” ツールだとか、
  マトリックスやチャートといったものも無用だ。

  必要なのは目前の状況に潜む1つか2つの決定的な要素
  ― すなわち、こちらの打つ手の効果が一気に高まるような
  ポイントをみきわめ、そこに狙いを絞り、
  手持ちのリソースと行動を集中すること、これに尽きる。」

戦略とは、選択と集中。

目標設定やビジョン、プランニングとは異なります。

テンプレートやフレームワークを埋めるだけではできませんし、
ポジティブシンキングや精神論で作られるものでもありません。

良い戦略は、ルメルトさんが「カーネル(核)」と呼ぶ、
十分な根拠に立脚した基本構造を持ち、一貫した行動に直結します。

カーネルを組み立てるときは、ビジョンやミッションを
考える必要はなく、先行者利得や競争優位も追求しません。

  「ずばり単刀直入なのが、良い戦略である。」

本書では企業の事例だけでなく、歴史上の戦い、神話、NASAの事例など
幅広いケースを用い、良い戦略と悪い戦略の違いを解説し、
良い戦略を立てる王道を示します。

今までにいろいろな戦略本を読んできた人こそ、
原点に立ち返る意味で、ぜひ読んでおきたい骨のある一冊。

また、これから戦略を学ぶ人が読んでも、
ルメルトさんの語り口は明快なので、
すっと戦略の本質が理解できるはずです。

この本から何を活かすか?

  「戦略思考のテクニック」

ルメルトさんは、本書で戦略を立てる際のテクニックを紹介しています。

  テクニック1. カーネル(核)に立ち返る
  テクニック2. 問題点を正確にみきわめる
  テクニック3. 最初の案を破壊する

1つ目は、戦略があらぬ方向に逸脱しないため、
2つ目は、戦略の一貫性をチェックするため、
3つ目は、良い判断を下す能力を高めるためのもの。

難しそうなのは、3番目のテクニック。

最初のアイディアからなかなか離れられないことは、
よくあるので、特に意識したいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 経営・戦略 | 09:38 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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たかが英語!

たかが英語! たかが英語!
(2012/06/28)
三木谷 浩史

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満足度★★★
付箋数:18

  「日本の歴史上、ここまで大規模かつ急進的に、
  英語化を進めた起業はなかったのではないだろうか。
  楽天の英語化は、一種の社会実験と言えるかもしれない。
  2年間の移行期間を経て、正式に社内公用語を
  英語に切替える7月を間近に控えた今、
  僕は、この社会実験における仮説と検証の中身を、
  多くの人に知ってもらいたいと考えた。」

かねてから社内公用語を英語に移行していた「楽天」が、
2012年7月、社内公用語を正式に英語化しました。

三木谷浩史さんが、2010年に英語化宣言してから注目を集め、
多くの否定的な意見も出ていました。

  「日本人同士が英語で会話する意味があるのか、
  英語ができなければ通訳を雇えばいいではないか、
  英語の必要な一部の人間だけ英語を使えばじゅうぶん・・・」

最近では、スタートでつまずいた電子書籍リーダー「kobo Touch」の
失敗も英語公用語化のせいではないかとも言われています。

しかし、外部から何と批判されようとも、
三木谷さんは、とにかく社内公用語の英語化をやってみました。

その結果の記録が本書です。

そもそも、なぜ、英語化が必要だったのでしょうか?

その理由は、いたって単純です。

  「世界企業は英語を話すからだ。
  僕は、これからの日本企業は世界企業にならない限り生き残れないし、
  逆に、日本企業が世界企業への脱皮に成功すれば、
  日本はもう一度、繁栄できると考えている。」

もともと三木谷さんは、楽天をグローバル化するために、
社員にも英語を使いこなして欲しいと考えていました。

また、楽天以外の多くの日本企業でも英語学習は推奨されています。

しかし、その程度で社員の英語力が飛躍的に向上することはありません。

そこで、三木谷さんが考えたのが社員が常に英語に触れられる
環境を作ること、すなわち社内公用語の英語化だったのです。

本書では、楽天の英語化プロジェクトが、どのように進められたのか、
どんな方法で社員は英語を勉強したのかが紹介されています。

結果、2010年10月に526.2点だった社員の平均TOEICスコアが、
2012年5月には687.3点に上昇したそうです。

この点数で、すべてを英語で仕事を行うのは、キツイ感じがしますが、
短期間にTOEICの社員平均スコアをここまで急上昇させた企業が
ほとんどないのも事実です。

この三木谷さんの社員を犠牲にした壮大な実験が、
「独裁者の人体実験」と呼ばれることになるのか、
それとも「偉大な先行投資」と呼ばれるようになるかは、
今後の楽天の躍進次第です。

ちなみに、楽天が英語化を将来的にやめることもありえます。

それは、わざわざ社内公用語を英語に強要しなくても、
社員が自在に英語を使えるようになった時です。

  「逆説的に聞こえるかもしれないが、もし楽天社員のほぼ全員が、
  英語で仕事ができたなら、社内公用語を英語に変える必要はなかった。」

無理やり英語をやらされる社員に同情する意見もありますが、
英語は本人の財産にもなるので、個人的には羨ましいですね。

この本から何を活かすか?

三木谷さんは、今回の社内公用語の英語化のノウハウを
出し惜しみせずにオープンにすると言っています。

楽天に続く企業は、出てくるのでしょうか?

ここで英語化に踏み切る企業の条件を考えてみました。

1. 社長のワンマン体質の企業であること
2. 社長が飽くなき向上心を持ち、世界に目が向いていること
3. 国内のマーケットの限界が見えていること
4. 社長自身が英語に堪能であること
5. 社長が社員の痛みを感じない鈍さを持っていること

この条件、同じく英語化を進めるユニクロにも当てはまりそうです。

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| 勉強法 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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専門家の予測はサルにも劣る

専門家の予測はサルにも劣る 専門家の予測はサルにも劣る
(2012/05/23)
ダン・ガードナー

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満足度★★★
付箋数:25

  「将来について思い悩む人が、よくこんなことを口にする。
  “先は不透明だ。昔とは違うよ”

  セリフの前半は正しいが、後半は間違っている。
  将来はいつの世も不透明なのだ。
  今、私たちが直面している将来も、100年前の人が直面した将来も。

  だが、過去を振り返る時、後知恵バイアスが働くため、
  “昔は今とは違って、未来を読むことができた”
  という勘違いをしてしまう。」

最近のビジネス書でも、「東日本大震災」という枕詞をつけて、
「不透明」になったと語られていることが多いですね。

そして、不透明と言われることが多いから、
未来を予測する専門家が求められ、誰もがその発言に注目します。

しかし、本書の著者、ダン・ガードナーさんは、
専門家の予測は、それほど当たっていないと指摘します。

本書では、誰もが信頼する高名な専門家の予想が、
外れている事例を数多く紹介します。

では、なぜ、その分野を研究する専門家であるにも関わらず、
予想が当たらないのでしょうか?

  「予想が当たらない原因は、“現実世界の本質” と
  “人間の脳” にある。」

理由は単純。人が予測できる以上に世界が複雑だから。
将来を決定するファクターが多すぎるからです。

例えば、一見、簡単そうに見える「為替」の予想だって、
教科書的な解釈だけでは、その動きを読めませんし、
プロも予想を外しまくります。

それでは、どうして私たちは、当たらない専門家の話に
耳を傾けてしまうのでしょうか?

  「つきつめていくと人間が生まれつき持つ、
  不確性を嫌う性質にある。」

だから私たちは、分かりやすく単純化された話を、
つい信じてしまうのです。

「円が高くなるか安くなるか分からない」という人より、
本当は外れていても「これから円高になる」とズバッと言う人の方が、
コメンテーターとしては人気が出るのです。

私たちが気をつけるべきことは、専門家の予測でも、
間違う可能性があることを前提に聞くこと。

古代ギリシアの哲学者ソクラテスさんは、
自分が無知であることを知っていたから、賢人と呼ばれました。

世界的に有名な投機家のジョージ・ソロスさんは、
人間は間違いを犯す存在であるという「誤謬性」を
信条にしたから、巨万の富を築き上げることができました。

また、いくら予測が当たらなくても、仮説を立て、
先のシナリオを考えること自体は必要なことです。

大切なのは、シナリオから外れた時のプランを
前もって用意しておくことと、予想が外れた場合は、
当初のシナリオに固執せずに、状況に応じて行動することです。

この本から何を活かすか?

  「現実的には予測について、説明義務はほとんどない。
  予測が当たらなければその人の評判に傷がつくはずだが、
  そうなることはめったにない。」

ガードナーさんが指摘するように、
専門家がテレビなどで発表する予測も、
それが当たったかどうか、検証する人は稀です。

だから、ほとんどが言った者勝ちの状態。

私が、どんなに為替の予想が外れ続けようと、
藤巻健史さんの発言に注目するのは、藤巻さんが評論家ではなく、
実際にその予測に基づく取引をするポジションテイカーだからです。

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| 経済・行動経済学 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「計算力」を鍛える

「計算力」を鍛える プロフェッショナルの「数字を自在に操る」技術 (PHPビジネス新書)「計算力」を鍛える プロフェッショナルの「数字を自在に操る」技術 (PHPビジネス新書)
(2012/06/19)
斎藤 広達

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満足度★★★
付箋数:20

  「この本で紹介するのは、経営コンサルタントや経営者が
  実際に使っている計算手法や数字の理解の仕方です。
  どれも実践的な技ばかりです。
  そして、計算力の有無は、文系・理系とは関係ありません。」

本書はタイトルの通り、ちょっとした計算のコツを伝え、
常に計算する習慣をつけて、計算力を鍛えるための本です。

私たちはよく計算が苦手だとか、計算が得意だとか表現しますが、
そもそも、「計算力」とは何のために必要なのでしょうか?

小学生ならいざ知らず、一般のビジネスパーソンにとって、
計算そのものが目的となることはありません。

計算をするのは、あくまで「数字」を出すため。

では、何のために「数字」を出す必要があるかと言うと、
それは「比較」するためです。

つまり比べることが計算の目的ですから、
計算力を鍛えるためには、
次の3つの要素が求められると私は考えます。

1. 比べられる「形」に変えること。

単位が違うものは、単位を揃える。
ビジネスでは、「1人当り」に変換して比べることが有効です。

そして、素早く全体像をつかむための変換は、
ザックリ計算することも必要です。

2. 比べる対象があること。

例えば、限界利益率が30%と計算できても、
それが高いのか低いのか、比べる対象の数字を抑えておかないと
意味がありません。

前月比など、「過去」と比較することは、よくありますね。

3. 比べた結果、その意味を解釈すること。

ビジネスで求められるのは、未来に向けたアクションですが、
計算し、比較した結果をどのように解釈するかで、
とるべきアクションも異なります。

計算結果から、意味を引き出し行動に結びつけるところが、
本当の仕事と言えます。

以上、計算に関する私の持論を書かせていただきましたが、
斉藤広達さんが本書で教える技術は、その考えに合ったものでした。

  第1章 「なんでも@変換」で、数字は一気に身近になる
  第2章 ざっくり暗算で、計算は驚くほど早くなる
  第3章 「次に起こること」を計算する
  第4章 本当は、とても使える偏差値の話
  第5章 鋭いデータ分析は「ズームイン・ズームアウト」から
  第6章 会・計算力はすごい武器
  第7章 計算力でウソを見破れ! 
  終章 計算機を片手に、熱き心で仕事をしよう

本書はどんな数字を取り上げ、どう計算したら良いのか、
その勘所がわかる本になっています。

この本から何を活かすか?

  「逆数を暗記しておく」

逆数とは、その数と掛け合わせて1になる数のこと。

小学校の時に、分母と分子をひっくり返すと習いましたが、
ビジネスで分数を使うことは稀なので、
「小数」で覚えておくこと便利のようです。

  1=1.1×0.9
  1=1.2×0.8
  1=1.3×0.8
  1=1.4×0.7
  1=1.5×0.7
  1=1.6×0.6
  1=1.7×0.6
  1=1.8×0.6
  1=1.9×0.5

例えば、次のような場合に使います。

140個の商品を製造するコストが3000円だった場合の
商品1個あたりのコストは?

3000÷140を普通に計算するのではなく、
逆数を使って計算してみます。

まず割る数の140を切りの良い100に丸めます。

これは140を1.4で割ったことになるので、
後から掛け算すると1になる逆数の0.7をかけて、
元にもどしてやらなければなりません。

次に3000÷100=30と計算します。

ここで出た30に1.4の逆数0.7を掛けてもとに戻すので、
30×0.7=21。

ざっくり計算する場合は、使えそうですね。

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| ノウハウ本 | 06:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
(2012/06/07)
横田 増生 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:21

私が、あまりテレビを見なくなって約10年。

見なくなった理由は、子どもが生まれてたから、
インターネットをする時間が増えたから、
あるいは時間がもったいないから・・・・
だと漠然と思い込んでいました。

しかし、本書を読んでそれが間違いであることに気づきました。

私がテレビを見なくなった真の理由は、
ナンシー関さんがいなくなったから。

この番組を見たら、ナンシーさんだったらどうツッコむだろうか?

当時は、そんな事を考えながらテレビを見ていました。

そして、後日、ナンシーさんのコラムを読んで、
答え合わせをするような楽しさがありました。

没後10年。
消しゴム版画家にして、稀代のコラムニストだったナンシー関さん。

本書はナンシーさんの生涯に迫る評伝。

著者の横田増生さんは、ナンシーさんを知る多くの人に
インタビューを重ね、本書でその魅力とおもしろさの源流を探ります。

まず、冒頭でナンシーさんの影響力を知るために、
横田さんが話を聞いたのは、次の4人の方です。

作家の宮部みゆきさん。

  「ナンシーさんの本を読み始めたころは、実を言うと、
  文中に登場する個人名や番組名の7割ぐらいまでは、
  誰のことか何のことかわからなかった。(中略)
  それでも、それらの人たちや、彼ら彼女らの関わっているテレビ番組を
  素材にしてナンシーさんが書く文章は、いつだってすごく面白かった。」

日本テレビ・プロデューサーの土屋敏男さん。

  「ボクにとってナンシーさんの書くテレビ評論は、
  番組作りの羅針盤のようなもので、ボクがテレビ番組を作るとき、
  半分は視聴者を意識して、残り半分はナンシーさんが
  どう見てくれるのかということを意識していました。」

同業のコラムニストの小田嶋隆さん。

  「自分に見える徳光と、ナンシーが見た徳光を並べてみることで、
  はじめてその人物像が立体化するようなことが、徳光に限らず
  何度もあったんです。私を含めた多くの読者にとって、
  ナンシーの文章は、テレビを複眼的に見ることを可能にしてくれる
  功労者だと思っています。」

イラストレーターの山藤章二さん。

  「ナンシーの場合、文章の完成度が高く、文章だけでも十分に
  作品になったと思っています。まずコラムニストとして100点ですね。
  それに絵を加えて120点、更に消しゴムの横に添える一言で130点―
  になると思っています。」

こういう証言を聞いていても、テレビがつまらなくなったのは、
ナンシーさんがいなくなったからだと思えます。

本書では、ナンシーさんのコラムと消しゴム版画を振り返りながら、
デビューまでの経緯、青森時代、全盛期とその生涯に迫ります。

この本から何を活かすか?

ナンシーさんの本で、入手可能なものはどれだけあるのか?

アマゾンで調べてみると、没後に出版された本や、
文庫化された本がずいぶんあることが分かりました。

  ・お宝発掘! ナンシー関
  ・ナンシー関 リターンズ Nancy Seki Returns
  ・ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナル・カット
  ・ナンシー関の記憶スケッチアカデミー

それ以前の本も、マーケットプレイスで安価で入手可能ですね。

これを機に、ナンシーさんの本を何作か購入しようと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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続・悩む力

続・悩む力 (集英社新書)
続・悩む力 (集英社新書)
(2012/06/15)
姜尚中 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:18

大ベストセラーになった「悩む力」から4年。

本書はその続編で、再び、姜尚中さんは、
100年前に生きた夏目漱石さんとマックス・ウェーバーさんの
「悩み」に、今を生きるヒントを見出そうとします。

それでは、前作からの4年間で、何かが変わったのか?

  「東日本大震災以降、日常のありふれたしっかりとした光景が
  何やら液状化し、溶け出していくような感覚に襲われることは
  ないでしょうか。(中略)こうしてみると、私たちはどうやら、
  “液状化する近代(リキッド・モダニティ)” を生きていると
  いえるのではないでしょうか。」

震災を機に、価値観が変わったという話をよく聞きます。

姜さんも震災を契機に、夏目漱石さんらの「悩む力」が、
以前にも増して必要になったと考え、続編を執筆したようです。

ところで、夏目漱石さんが小説の中で描いた悩みとは、
一体どんなものだったのでしょうか?

姜さんは、100年後の今読んでも強い共感を抱く悩みのネタとして、
次の5つを挙げています。

  ・「お金」
  ・「愛」
  ・「家族」
  ・「自我の突出」
  ・「世界への絶望」

漱石さんの小説には、これらの悩みがバラバラに登場するのではなく、
絡み合い混在する形で、物語の中に現れてくると、
姜さんは指摘しています。

個人的には、これらの悩みは今の時代だから、
以前にも増して必要になったと言うよりは、
人間の持つ普遍の悩みだからこそ、100年後の今、
漱石さんの小説を読んでも、共感できるのだと思います。

また、本書では、悩みぬいた末の「二度生まれ」をすすめています。

これは、漱石さんに影響を受けた、アメリカの心理学者、
ウィリアム・ジェイムズさんの言葉です。

  「人は生死の境をさまようほど心を病み抜いたときに、
  はじめてそれを突き抜けた境涯に達し、世界の新しい価値観とか、
  それまでとは異なる人生の意味といったものを
  つかむことができるというのです。

  彼は  “健全な心” で普通に一生を終える “一度生まれ” よりも、
  “悩める魂” で二度目の生を生き直す “二度生まれ” の
  人生のほうが尊いと言いました。」

姜さんは、過去の幸福論が通用しなくなった
液状化する現在においては、「二度生まれ」によって、
新しい幸福を追求する必要性を説いています。

本書は、悩める人にとっては、大きな力になると思いますが、
あまり悩みのない私にとっては、
正直、前作同様、あまりしっくりきませんでした。

この本から何を活かすか?

  「恐ろしいことに、多くの人は例によって問題意識ももたずに
  何となくそれを受け入れ、鈍った感覚のまま、
  何ごともなかったように過ごそうとしているように思えてなりません。
  これをまた漱石が見たら、何と言うでしょうか。」

悩むことを否定するわけではありませんが、
私は問題意識を持つことと、悩むことは別だと思います。

また、悩まないからといって、悲惨な出来事から
目をそらしているとも言えません。

悩まないことは、姜さんからすると、
底の浅い楽観論のように映るのかもしれませんが、
それでも人生を存分に生きることは可能だと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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