活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年08月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?
(2012/06/15)
田中 裕輔 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

靴の通販サイト「ロコンド」を運営する株式会社ジェイドの
共同代表・田中裕輔さんのマッキンゼー時代の回顧録。

就活を勝ち抜きマッキンゼーの内定をもらうところから始まり、
コンサルタントとしてマッキンゼーで働き、マネージャーへ昇進。

そして、米バークレーへのMBA留学、米国でのインターン経験、
マッキンゼーへの復帰から卒業までが軽快に書かれています。

マッキンゼーの内情もかなり細かく描写されていますから、
同社への就職を考えている人には、参考になるでしょう。

しかし、それ以外のマッキンゼーで働く予定のない多くの読者は、
なぜ、今、田中さんがマッキンゼー時代の話を本にしたかを
考えてみるべきだと思います。

田中さんが今、この本を書いた理由は、
端的に言うと、「ロコンド」の宣伝のため。

ジェイドは、2010年10月に立ち上げた会社で、
田中さんには設立当初にムダな広告費を使ってしまった
という反省があります。

ですから、経費をかけずに「ロコンド」のファンを増やす
プロモーションの一環として、本書を執筆したのでしょう。

実際に私も、本書を読んではじめて「ロコンド」を知り、
サイトにもアクセスしてみました。

ただし、私はバイブル商法で宣伝されたという感覚はなく、
米ザッポスを手本にしている面白い通販会社を知ることができた
というポジティブなイメージを持っています。

さて、本書の内容ですが、
田中さんは、マッキンゼー式思考術の中で、
最も重要で習得すべきものは「イシュー」であると言います。

本書でも1章を割いて、田中さんが「イシュー」を
理解できたユーレカの経験が描かれています。

しかし、この「イシュー」については、同じマッキンゼー出身の
安宅和人さんの名著「イシューからはじめよ」があります。

スキルとして身につけたいなら、田中さんの師匠でもある
安宅さんの本を読むのが良いと思います。

また、MBA留学のくだりでは青春小説的な読み物として
楽しむことができますが、やはりここでも児玉教仁さんの
パンツを脱ぐ勇気」を思い出してしまいます。

私にとっては、本書で「ロコンド」を知り、名著である
イシューからはじめよ」や「パンツを脱ぐ勇気」を思い出させる
触媒のように作用した本でした。

ちなみに、本書のタイトルとは若干異なりますが、
なぜ、田中さんがマッキンゼーを辞めたのか?
という問に対しては、意外な回答が用意されていました。

それは、田中さんのやり方が、
マッキンゼーでは評価されないことがわかったから。

現在の会社の宣伝のためには、多少事実と異なっても
高い志をもって辞めたと書くのが普通でしょう。

それを正直に、合わなかったから辞めたと書く田中さんに
私は、かえって好感が持てました。

この本から何を活かすか?

  「MBAと言えばハーバードに代表されるように
  “毎日勉強をして、生徒間で成績を競う” 印象を持たれがちだが、
  バークレーは真逆。成績を気にする奴なんて格好悪い。
  これが基本的な価値観だった。」

田中さんのMBA留学は、「非常にのんびりした」ものだったそうです。

私が過去に読んだMBA留学記は、
どれもその過酷さが強調されていました。

のんびりしていて、飲みに行って、バスケをして、
サーフィンをしたなんて書いてある本は、見たことがありません。

ただし、田中さんは、のんびりしたことが楽しかったのではなく、
そのゆるさを利用して、留学中にMBA以外の様々なことに
チャレンジしたことに価値があったと言っています。

どんな環境でも、その環境に流されるのではなく、
自分の成長のために活用することが大事なんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


このエントリーをはてなブックマークに追加

| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 07:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |