活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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(2012/05/08)
西水 美恵子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

女性としても、日本人としても初めて世界銀行の
地域担当副総裁になった西水美恵子さん。

本書は世銀副総裁として、長年、途上国の貧困と闘い、
組織の改革に取り組み、女性差別に挑戦してきた
西水さんの経験や思いを綴ったコラムです。

電気新聞の「時評ウェーブ」に2008年4月から2012年3月まで
掲載された西水さんのコラムをまとめたもの。

世銀はワシントンD.C.に本部がある国際連合の専門機関の1つです。

「貧困のない世界を創る」ことが使命であっても、
そこで働く職員のほとんどは、貧困を知らない
経済的に恵まれた家庭の出身者です。

だから西水さんは、本気で貧民の目線に立つために、
部下全員に担当国の貧村で、1~2週間のホームステイをすることを
義務付けました。

務めている方は、いわゆるエリートですから、
そんな電気も水もない不衛生な環境で、短期間とはいえ暮らすことに、
すいぶん抵抗があったようです。

しかし、西水さんは部下から陰口を叩かれようとも
その指示を貫き通しました。

それは、西水さん自身の、自分の中に潜んでいた
偏見と戦いの経験があったから。

  「パキスタンで付き合いのあったNGO会長に勧められて
  貧村ホームステイをした。ホストファミリーに荷を解いた途端、
  心の片隅に潜んでいた偏見が幽霊のごとく現れた。
  非識字の貧民をアパ(父)アマ(母)と呼び、
  自分の生きる術を託すことに、大きな抵抗を感じた。
  無意識にでも貧しい人々を見下していた自分を見て、ぞっとした。」

西水さんは、ホームステイをして初めて、
自分が無意識のうちに偏見を持っていることに気づきました。

西水さんは言います。

「国民の目線」を標榜する政治家にも、1円も無駄にできない
本当の生活苦を体験してもらいたいと。

そうでなければ、口ではどんなに立派なことを言おうとも、
本気で改革などできないと。

本書にはブータン王国・雷龍王との交流をはじめ、
各国の為政者と築いた信頼関係、そして世銀内での組織改革などの
経験を綴った38篇のコラムが収録されています。

かなり古いものもありますが、深い洞察があり、
心を動かすものばかりです。

解説の藤沢久美さんが書いている通り、
西水さんは自身の経験を語っているだけで、
読者を扇動したり、何かを強制しているわけではありません。

しかし、西水さんの言葉は、読んでいると自然と心が洗われ、
本気で行動しなくてはと思わせる力を秘めています。

この本から何を活かすか?

西水さんが交流のあるブータンでは、国民総幸福量と呼ばれる
公共哲学を国づくりに実践していることで知られています。

2011年に国王夫妻が来日して話題にもなりましたね。

ところで、その国の幸福度を測る指標として、
地球幸福指数(ハッピー・プラネット・インデックス/HPI)
なるものがあるようです。

これはイギリスのNew Economics Foundationが公表する指標で、
「生活に対する満足度」と「平均寿命」と「環境への負担」
の3つの要素から計算されます。

2012年度のHPIを見ると、日本は47.5ポイントで45位です。

経済的にも豊かで、長寿な日本がこの順位ということは、
いくらエコが叫ばれても、まだまだ環境への負担が
高いということなのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 心に効く本 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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