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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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経営学を「使える武器」にする

経営学を「使える武器」にする
経営学を「使える武器」にする
(2012/05/18)
高山 信彦 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

  「“A社はXで成功した” “B社もXで成功した” “C社も同様だ”。
  であれば “企業はXをするべきだ” となります。
  一見、とても論理的です。勉強にもなる。でも考えてみてください。
  こうしたアプローチには “Xをしても成功しなかった企業はないのか”
  “どうすればXができるのか” という視点が欠落していませんか。」

高山信彦さんは、世間にあふれる経営学の本の欠点を
このように指摘します。

安易な帰納的なアプローチだけでは、実際の企業価値向上には
何の役にも立たないと。

それでは、高山さん自身は経営コンサルタントとして、
どのように企業の経営を動かしているのか?

高山さんは、コンサルティングの契約を結んだ企業に対し、
1枚もレポートを出しません。

更に、経営計画の草案を書くことも、
パワーポイントでまとめた資料を出すこともありません。

その代わり行うのが、ゼミナール方式の「人材研修」。

1回きりのスポット研修ではなく、年間を通じて、
あるいは10年以上も継続して行われる「授業」です。

ならば、高山さんは、単なる人材研修の講師なのでしょうか?

否。

なぜなら、高山さんの手法は「人材研修」ですが、
狙いは「経営革新」「事業革新」にあるからです。

高山さんは授業で、経営学の古典を読み込むことを求めます。

特にマイケル・ポーターさんの「競争優位の戦略」。

その理論をもとに、とことん戦略を考え抜き、
VOC(顧客の声)を集めて仮説・検証を繰り返し、実践に移します。

授業形式ですから、前半は経営大学院の授業と
大きな違いはないかもしれません。

しかし、「How」ではなく「What」を徹底的に追求し、
実践を伴いますから、後半は、まさに経営を動かす場になります。

本書では、実際に高山さんが経営学を使って、
どのように企業改革を行ったかが、造船会社ツネイシホールディングス
(常石造船)の事例を使って詳細に説明されています。

造船所のオヤジが、ポーターさんの分厚い経営書を手にして、
どのように会社を変えていったのか?

その変革の過程には、読んでいて熱く感じるものがあります。

こういった経営学の本では、多くの事例を詰め込んで、
総花的に語るものもありますが、1つの事例を突っ込んで
解説していることが、本書の価値を高めていますね。

幾多の大企業を蘇らせた「伝説の研修」という
キャッチコピーに偽りはない、かなりオススメの経営書。

本書が刊行されたことで、高山さんに研修を依頼する企業が
殺到していることでしょう。

この本から何を活かすか?

  ポジショニングの重要性

本書で、わかりやすい例として挙げられていたのが、
元大相撲横綱・曙さんのポジショニング。

曙さんは、2003年に大相撲を引退し、
総合格闘家に転じましたが、デビューから連敗続きでした。

  「これを見ていて私は、悪いポジショニングアプローチの典型に
  見えて仕方ありませんでした。だってそうでしょう。
  勝てる仮説もないままリングに上がり負け続ける。
  そうすると、どんどんブランドイメージが下がり、報酬が落ちる。」

その後、曙さんはプロレスへ転向することで、
ポジショニングを修正し、活躍することになります。

高山さんは、企業の中を見渡せば、チーム・ヨコヅナを
笑えない部署がいくらでもあると指摘しています。

すべての基本となるポジショニング。
我が身を振り返ってみる必要がありそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 経営・戦略 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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