活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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いかにして問題をとくか・実践活用編

いかにして問題をとくか・実践活用編
いかにして問題をとくか・実践活用編
(2012/04/20)
芳沢 光雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:18

ハンガリー生まれの数学者ジョージ・ポリアさんの
いかにして問題をとくか』は、1956年に原著が出版されてから、
半世紀以上も世界中で読み継がれているロングセラーです。

日本では、2011年に放送されたNHKの「クローズアップ現代」で、
ビジネスに応用できる本として取り上げられ、話題になりましたね。

私は、この本を数年前に時間をかけて読みました。

確かに、噂に違わぬ名著であることは納得できましたが、
訳が古くて読みにくいことと、実際に日常やビジネスで、
問題解決手法として利用するには、ちょっと難しいとも感じました。

話題の本だから手にとってはみたものの、
私と同じように感じた方も多かったのではないでしょうか。

そんな人のために、ポリアさんのシステマティックな問題解決手法を
もっとわかりやすく解説したのが本書です。

本書は、ポリアさんの発見的教授法と現実世界の橋渡し役。

著者は『新体系・高校数学の教科書』や『数学的思考法』などで
知られる数学者の芳沢光雄さん。

読む前は、表紙も同じデザインにした便乗本かと思いましたが、
「いかにして問題をとくか」の「実践活用編」と名乗るのにふさわしい、
良質な本でした。

  第1のステップ 問題を理解すること
  第2のステップ 計画を立てること
  第3のステップ 計画を実行すること
  第4のステップ ふり返ってみること

序章では、この「ポリアによる問題解決の4ステップ」が、
欧米のビジネスマンの人材能力の育成に、
どのように活用されているかを参考に述べられています。

本書の良さは、何と言っても、取り上げられる題材が身近で、
高度な数学知識を必要としない、わかりやすい内容にあります。

  「本書の数学としての予備知識は“算数+α”となったが、
  今から振り返ってみると、それによって本書が
  “誰にでも読める書”になったのではないかと思っている。」

私には、これぐらいの平易さで丁度良かった。

ただし、「算数+α」といっても、結構内容が深く、
理解しながら読もうとすると、それなりに時間はかかりました。

個人的には、ポリアさんの本を読んで挫折するよりは、
本書を先に読んでからポリアさんの本に進んだ方がいいと思います。

この本から何を活かすか?

芳沢さんは、「背理法」は日常生活のさまざまな場面で
使われているとして、本書である「小話」を例に説明しています。

  ある日、お母さんは小学生の兄と妹に、「2000円渡すから、
  60円のお団子と90円の草もちを適当に混ぜて、1500円から
  2000円ぐらいで買ってきなさい」とお使いを命じました。

  兄は、「お釣り、ちょっとごまかして、2人で100円ずつもらわない?
  どうせママは算数が苦手だからバレないよ」
  と妹にお釣りをネコババすることを提案しました。

  この提案に妹も乗り、結局2人は60円の団子と90円の草もちを
  それぞれ10本ずつ買い、中が見えないように袋に入れてもらいました。

  合計代金は1500円になり、2人はお釣りの500円から、
  100円ずつをこっそり抜き取り、家に帰ってから、
  お母さんにお釣りとして300円を渡しました。

  するとお母さんは、袋の中身を見ることもせず、いきなり
  「ちょっと、ニ人は私にうそを言っているでしょ」と叱りました。

お母さんは、どうして買ってきた中身も見ずに、
すぐに2人のウソを見破ったのでしょうか?

背理法の証明が瞬時にできるスーパーお母さんを、
算数が苦手だと思っていたなんて、
この兄妹は大きく認識を誤っていましたね。

お母さんは、次のように背理法を使って、説明しました。

  「お団子と草もちはどちらも30円の倍数でしょ。
  だから合計代金も30の倍数です。
  
  そしてお釣りの300円も30の倍数でしょ。
  
  すると、それらを合わせた金額は、30の倍数になりますね。
  
  ところが、2000円は30の倍数にならないので、矛盾でしょ。」

それでは、もっと大胆に、1人200円ずつネコババして、
お釣りを100円だけ返せばバレなかったのでしょうか?

これだと、今度は合計代金が1900円になってしまって、
代金が30の倍数ではないので、見破られてしまいます。

このお母さんを、欺ける可能性が高いのは、
1人150円ずつネコババして、200円返すこと。

でも、一度、こんなスゴ技を見せられたら、
恐ろしくて2度とウソをつく気にはなれないかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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