活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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それをお金で買いますか

それをお金で買いますか――市場主義の限界
それをお金で買いますか――市場主義の限界
(2012/05/16)
マイケル・サンデル、Michael J. Sandel 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  「世の中にはお金で買えないものがある。
  だが、最近ではあまり多くはない。
  いまや、ほとんどあらゆるものが売り出されているのだ。」

インターネットの発達で、売りたい人と買いたい人のマッチングが、
昔よりも簡単にできる時代になりました。

そして、グローバリゼーションにより、
その売買は世界規模で行われています。

NHK教育テレビで放送された『ハーバード白熱教室』で、
日本でも有名になった、ハーバード大学教授のマイケル・サンデルさん。

今回、サンデルさんが提起するのは、
そもそも、そんなもの売っていいの? あるいは買っていいの?
という「市場主義」と「道徳」についての問題です。

これは、経済学者があえて避けてきた問題とも言えます。

サンデルさんは、市場の道徳的な限界を考え抜くことで、
現在の行き過ぎた市場主義に警鐘を鳴らします。

行列に割り込む権利、妊娠代行サービス、治験による人間モルモット、
子どもに勉強させるためのインセンティブ、ネーミングライツ・・・

最近では、本当に驚くようなものまでが、売りに出されています。

  「すべてが売り物となる社会に向かっていることを
  心配するのはなぜだろか。理由は二つある。
  一つは、不平等にかかわるもの、もう一つは腐敗にかかわるものだ。」

もちろん、それを売る側にも、買う側にも、
そうせざるを得ない、それぞれの事情があります。

サンデルさんも、それを市場で売買してはいけないと
単純に非難しているわけではありません。

立場によって、考えが異なりますから、
すぐに○か×か、答えが出る問題でもありません。

本書では、この問題を多面的に議論できるように、
これからの「正義」の話をしよう』と同様に、
究極の選択となるような事例が数多く紹介されています。

大切なのは、この市場と道徳のジレンマに対し、
いかに考え抜くかということです。

たとえ、選択した結果として同じであっても、
何も考えずに選んだ場合と、議論して考え抜いて選んだ場合とでは、
その重みが違うということです。

私たちの生活に密着したテーマも多いので、
最終的にわたしたちが、いかにして生きたいかということを
深く考えさせられる一冊。

本書を原書で読みたい方はこちら。
What Money Can\'t Buy: The Moral Limits of Markets

この本から何を活かすか?

こういったテーマは、大人だけが議論するのではなく、
小学生のうちから考えて欲しいものです。

本書にも登場する、ディズニーランドの「ファストパス」
の事例だと、子どもでも考えやすいと思います。

学校の授業に、そこまで期待するのは難しいので、
せめて家庭の食卓で、こういうテーマについて
話ができるようにしたいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:3 | TOP↑

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