活かす読書

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理系の子

理系の子―高校生科学オリンピックの青春
理系の子―高校生科学オリンピックの青春
(2012/03)
ジュディ ダットン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

アメリカでは中高生を対象とする「サイエンス・フェア」が盛んで、
コミュニティごと、州ごとに数多く実施されています。

サイエンス・フェアとは、いわゆる科学の自由研究を競うコンテスト。

なかでも「インテル国際学生科学フェア(ISEF)」は
毎年5月にアメリカの都市で開催される最大級のイベントで、
全米だけでなく50カ国をくだらない国々から、
1500人以上の高校生が集まり、研究成果を競い合います。

これは、まさに高校生版の科学オリンピック。

インテルISEFは、高額の優秀賞や特別賞や奨学金が用意され、
賞金の総額は400万ドル(日本円で3億円)以上にもなります。

もちろん賞金だけでなく、発表される研究も高水準で、
大学院や博士課程の研究を上回る水準の発表もあり、
出場者の5人に1人が、特許を出願しているほどです。

本書は2009年にネヴァダ州リーノーで開催された、
インテルISEFに参加した6名の学生の物語。

著者でジャーナリストのジュディ・ダットンさんは、
インテルISEF2009の会場で、研究の質の高さに圧倒され、
なかでも特に6人の学生に注目しました。

  「わたしはサイエンス・フェアの千五百二人の参加者のなかから、
  特に心を動かされた六人と会い、ひとり一章を割いて
  それぞれの歩みを追った。残り五章は過去の受賞者について
  記したが、そのどれもがサイエンス・フェア関係者のあいだで
  伝説となっているものである。こうした若者たちの功績が
  噂どうりであるか確かめたいという好奇心に駆られ、
  彼らの家や研究室を巡る旅に出た。
  わたしは目にしたものに驚嘆した。」

  ・「核融合炉」を自作した少年テイラーくん
  ・自ら罹った「らい病」の研究をしたエリザベスさん
  ・ホースセラピーで人々の心の傷を癒すキャトリンさん
  ・ストレスで発表当日キレてしまったセイラさん
  ・女優志望で科学嫌いのイザイラさん
  ・第二のビル・ゲイツと呼ばれるフィリップくん

本書に取り上げられた6人は、見事に栄冠を勝ち取った者も、
受賞できなかった者もいます。

しかし、本当に心を動かされるのは、研究の背後にある物語。

それぞれが困難にぶち当たりながらも、
全身全霊をかけて研究に打ち込む姿は、感動を呼びます。

高校生が青春をかけるのは、スポーツや恋愛だけでなく、
科学だってイイと思わせる、素晴らしいドキュメンタリーです。

この本から何を活かすか?

アメリカの学生がスゴイのは分かったけど、
ところで、日本の学生はどうなの?

本書を読むと、まず、このような疑問が浮かびます。

訳者の横山啓明さんによると、インテルISEFには毎年、
日本からも高校生が出場していますが、
本書で取り上げられた2009年の大会では、豚インフルエンザによる
渡航自粛により、日本からの出場者がなかったそうです。

その代わり、本書の巻末には、ISEF2011の地球科学部門で
第三位になった千葉県立千葉高等学校二年の田中里桜さんが、
「サイエンス・フェアが教えてくれたこと」という体験記を
特別寄稿してくれています。

こういう高校生がいる限り、日本の将来も
捨てたもんじゃないと思えますね。

2012年のISEFはペンシルベニア州ピッツバーグで開催予定で、
日本からの出場者も決まっているそうなので、注目したいですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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