活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年06月

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いかにして問題をとくか・実践活用編

いかにして問題をとくか・実践活用編
いかにして問題をとくか・実践活用編
(2012/04/20)
芳沢 光雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:18

ハンガリー生まれの数学者ジョージ・ポリアさんの
いかにして問題をとくか』は、1956年に原著が出版されてから、
半世紀以上も世界中で読み継がれているロングセラーです。

日本では、2011年に放送されたNHKの「クローズアップ現代」で、
ビジネスに応用できる本として取り上げられ、話題になりましたね。

私は、この本を数年前に時間をかけて読みました。

確かに、噂に違わぬ名著であることは納得できましたが、
訳が古くて読みにくいことと、実際に日常やビジネスで、
問題解決手法として利用するには、ちょっと難しいとも感じました。

話題の本だから手にとってはみたものの、
私と同じように感じた方も多かったのではないでしょうか。

そんな人のために、ポリアさんのシステマティックな問題解決手法を
もっとわかりやすく解説したのが本書です。

本書は、ポリアさんの発見的教授法と現実世界の橋渡し役。

著者は『新体系・高校数学の教科書』や『数学的思考法』などで
知られる数学者の芳沢光雄さん。

読む前は、表紙も同じデザインにした便乗本かと思いましたが、
「いかにして問題をとくか」の「実践活用編」と名乗るのにふさわしい、
良質な本でした。

  第1のステップ 問題を理解すること
  第2のステップ 計画を立てること
  第3のステップ 計画を実行すること
  第4のステップ ふり返ってみること

序章では、この「ポリアによる問題解決の4ステップ」が、
欧米のビジネスマンの人材能力の育成に、
どのように活用されているかを参考に述べられています。

本書の良さは、何と言っても、取り上げられる題材が身近で、
高度な数学知識を必要としない、わかりやすい内容にあります。

  「本書の数学としての予備知識は“算数+α”となったが、
  今から振り返ってみると、それによって本書が
  “誰にでも読める書”になったのではないかと思っている。」

私には、これぐらいの平易さで丁度良かった。

ただし、「算数+α」といっても、結構内容が深く、
理解しながら読もうとすると、それなりに時間はかかりました。

個人的には、ポリアさんの本を読んで挫折するよりは、
本書を先に読んでからポリアさんの本に進んだ方がいいと思います。

この本から何を活かすか?

芳沢さんは、「背理法」は日常生活のさまざまな場面で
使われているとして、本書である「小話」を例に説明しています。

  ある日、お母さんは小学生の兄と妹に、「2000円渡すから、
  60円のお団子と90円の草もちを適当に混ぜて、1500円から
  2000円ぐらいで買ってきなさい」とお使いを命じました。

  兄は、「お釣り、ちょっとごまかして、2人で100円ずつもらわない?
  どうせママは算数が苦手だからバレないよ」
  と妹にお釣りをネコババすることを提案しました。

  この提案に妹も乗り、結局2人は60円の団子と90円の草もちを
  それぞれ10本ずつ買い、中が見えないように袋に入れてもらいました。

  合計代金は1500円になり、2人はお釣りの500円から、
  100円ずつをこっそり抜き取り、家に帰ってから、
  お母さんにお釣りとして300円を渡しました。

  するとお母さんは、袋の中身を見ることもせず、いきなり
  「ちょっと、ニ人は私にうそを言っているでしょ」と叱りました。

お母さんは、どうして買ってきた中身も見ずに、
すぐに2人のウソを見破ったのでしょうか?

背理法の証明が瞬時にできるスーパーお母さんを、
算数が苦手だと思っていたなんて、
この兄妹は大きく認識を誤っていましたね。

お母さんは、次のように背理法を使って、説明しました。

  「お団子と草もちはどちらも30円の倍数でしょ。
  だから合計代金も30の倍数です。
  
  そしてお釣りの300円も30の倍数でしょ。
  
  すると、それらを合わせた金額は、30の倍数になりますね。
  
  ところが、2000円は30の倍数にならないので、矛盾でしょ。」

それでは、もっと大胆に、1人200円ずつネコババして、
お釣りを100円だけ返せばバレなかったのでしょうか?

これだと、今度は合計代金が1900円になってしまって、
代金が30の倍数ではないので、見破られてしまいます。

このお母さんを、欺ける可能性が高いのは、
1人150円ずつネコババして、200円返すこと。

でも、一度、こんなスゴ技を見せられたら、
恐ろしくて2度とウソをつく気にはなれないかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 08:15 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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それをお金で買いますか

それをお金で買いますか――市場主義の限界
それをお金で買いますか――市場主義の限界
(2012/05/16)
マイケル・サンデル、Michael J. Sandel 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  「世の中にはお金で買えないものがある。
  だが、最近ではあまり多くはない。
  いまや、ほとんどあらゆるものが売り出されているのだ。」

インターネットの発達で、売りたい人と買いたい人のマッチングが、
昔よりも簡単にできる時代になりました。

そして、グローバリゼーションにより、
その売買は世界規模で行われています。

NHK教育テレビで放送された『ハーバード白熱教室』で、
日本でも有名になった、ハーバード大学教授のマイケル・サンデルさん。

今回、サンデルさんが提起するのは、
そもそも、そんなもの売っていいの? あるいは買っていいの?
という「市場主義」と「道徳」についての問題です。

これは、経済学者があえて避けてきた問題とも言えます。

サンデルさんは、市場の道徳的な限界を考え抜くことで、
現在の行き過ぎた市場主義に警鐘を鳴らします。

行列に割り込む権利、妊娠代行サービス、治験による人間モルモット、
子どもに勉強させるためのインセンティブ、ネーミングライツ・・・

最近では、本当に驚くようなものまでが、売りに出されています。

  「すべてが売り物となる社会に向かっていることを
  心配するのはなぜだろか。理由は二つある。
  一つは、不平等にかかわるもの、もう一つは腐敗にかかわるものだ。」

もちろん、それを売る側にも、買う側にも、
そうせざるを得ない、それぞれの事情があります。

サンデルさんも、それを市場で売買してはいけないと
単純に非難しているわけではありません。

立場によって、考えが異なりますから、
すぐに○か×か、答えが出る問題でもありません。

本書では、この問題を多面的に議論できるように、
これからの「正義」の話をしよう』と同様に、
究極の選択となるような事例が数多く紹介されています。

大切なのは、この市場と道徳のジレンマに対し、
いかに考え抜くかということです。

たとえ、選択した結果として同じであっても、
何も考えずに選んだ場合と、議論して考え抜いて選んだ場合とでは、
その重みが違うということです。

私たちの生活に密着したテーマも多いので、
最終的にわたしたちが、いかにして生きたいかということを
深く考えさせられる一冊。

本書を原書で読みたい方はこちら。
What Money Can\'t Buy: The Moral Limits of Markets

この本から何を活かすか?

こういったテーマは、大人だけが議論するのではなく、
小学生のうちから考えて欲しいものです。

本書にも登場する、ディズニーランドの「ファストパス」
の事例だと、子どもでも考えやすいと思います。

学校の授業に、そこまで期待するのは難しいので、
せめて家庭の食卓で、こういうテーマについて
話ができるようにしたいですね。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:3 | TOP↑

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「先延ばしグセ」がスパッ!となくなる本

「先延ばしグセ」がスパッ!となくなる本
「先延ばしグセ」がスパッ!となくなる本
(2012/04/14)
田中ウルヴェ京 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

  「やらなきゃいけない資料作成やレポートづくりに手がつけられない。
  幹事になっても、お店の予約など、いつまでたっても行動できない。
  年賀状や暑中見舞いなども遅れ遅れになってしまう。
 
  こうした悩み、よく耳にしますよね。

  “やらなきゃいけない” とわかっていながら、
  なかなか重い腰があがらない。
  “やり始める” のをずるずる “先延ばし” にしてしまう。」

私のことを、言われているような気がします。

こんな私のように、つい「先延ばし」してしまう人に、
田中ウルヴェ京さんは、本書で「コーピング」の技術を使った
対処方法をアドバイスします。

コーピングとは、自らの行動で
心をコントロールするための心理テクニックです。

認知行動療法という臨床的な治療を理論ベースにし、
実際に一流のビジネスパーソンやアスリートが用いて、
効果を上げているそうです。

以前このブログでも紹介した、田中さんの著書
「1日30秒」でできる 新しい自分の作り方』に
詳しく紹介されています。

「先延ばし」をしてしまう人は、
それをやらなければならないとわかっています。

わかっているけれど、なかなか始められない。

そもそも、やらなければならないと気づいていなければ、
「先延ばし」という認識にもなりませんよね。

では、どうしてわかっているのに、「始められない」のか?

田中さんは、その理由は「心」にあると指摘します。

心とは、思考。

自分の中にある「思考のクセ」が邪魔をして、
すぐに始められないと。

そこで、田中さんは人の「思考のクセ」を5つのタイプに分類し、
タイプ別にコーピング技術を使った、
「先延ばし」への対処方法を指南します。

ちなみに、5つの「思考グセ」のタイプは次の通りです。

  タイプ1 完璧主義の「きっちりタイプ」
  タイプ2 勘違いしがちな「うっかりタイプ」
  タイプ3 過去や未来に意識がいってしまう「モヤモヤタイプ」
  タイプ4 自信がない「ビクビクタイプ」
  タイプ5 自信がありプライドが高い「正論タイプ」

本書では、このタイプを判定するテストが掲載されているので、
自分のタイプへのアドバイスを中心に実践することになります。

私がこのテストをやってみた結果は、「正論タイプ」でした。

このタイプは、経験から築き上げた自信ではなく、
根拠のないウソの自信を、うまくコントロールできずに
始められないタイプのようです。

私はたまに、根拠のない自信があるときがありますから、
当たっているのかもしれません。

「正論タイプ」へのアドバイスとしては、
3つのコーピングのヒントが紹介されていました。

  ・「自信は持つけど、プライドは捨てる」とつぶやく
  ・「周囲に認められたい」のは、単なる自信のなさの
   あらわれなのだと認める
  ・誰にもいわず、小さな行動をコツコツ始めてみる

本書は、終始、タイプ別にアドバイスが掲載されていますから、
効果的な「先延ばし」への対処ができるかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書には、集中力を高めるための「身体コーピング」が
紹介されていました。

「肩回し」を、表情を意識して言葉がけをしながら行います。

  1. イスなどに座ったまま行います
  2. 骨盤を立てて、尾てい骨を立てて座ります
  3. 背筋を伸ばして、上半身を丸めたり、そったりせずに、
    まっすぐにします
  4. その状態で、まず右手を右肩に置きます
  5. ゆっくり10回後ろ回しをします
  6. 左右両方行います

そして、背中の筋肉を動かすイメージを持つために、
「せーなかー」と唱えながら肩回しをします。

実際にやってみると、このつぶやきながらの動作が、
筋肉の働きに集中できる感覚がありました。

肩コリにも、効くかもしれません。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:47 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集

ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集
(2012/04/20)
石角 完爾 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

京都大学首席卒業、在学中に司法試験と国家公務員上級試験に合格、
ハーバード大とペンシルバニア大のロースクールで修士課程修了、
ハーバード大の法学校博士課程合格、
国際弁護士として欧米を中心に活躍。ユダヤ教に改宗。

これらの石角完爾さんのプロフィールの中で、
成し得るのが一番難しかったのは、何だと思いますか?

石角さん自身が、本書の中でこれが一番難しかったと
説明しているわけではありませんが、
巻末の著者略歴の中で、唯一「難関の」とついていたのは、
「ユダヤ教に改宗」でした。

何年もの修行が必要なのかもしれませんが、
それほどまでに、日本人がユダヤ教に改宗することは、
難しいことなんですね。

当ブログでは、以前に石角さんの「お金とユダヤ人」を紹介しましたが、
本書は、お金のことだけではなく、人生全般に対して
ユダヤの教え「タルムード」を活かすための本です。

  第一章 お金を引き寄せるユダヤの哲学
  第二章 タルムードの知恵をビジネスに活かす
  第三章 すべてを捨てる覚悟が道を拓く

タルムードとは、ヘブライ語で書かれた
6部・63編から成るユダヤ教徒の聖典。

400ページもの書物30冊以上からなる膨大な量で、
日常生活から、医学、子育て、家庭から恋愛まで、
あらゆる事柄の規範とそれにまつわる議論が記されているそうです。

  「重要なのは、この知恵が決してユダヤ人だけに
  通用するものではなく、人類全体が生き残るための最善の方法を
  示唆しているということだ。
  つまり、ユダヤの教えは、私たち人間が悩んだり
  苦労したりするのを見越して、普通ではない全く別の角度からの視点、
  視座を与え、それを解決するヒントを与える、
  現代にも通用するバイブルだと言っていい。」

ユダヤ人の成功者は昔から数多くいますが、
最近一番の話題は、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグさん。

ザッカーバーグさんが、本当はどのようにユダヤの教えを
実践しているかはわかりませんが、本書でも度々紹介されています。

また、ユダヤ人と言えば、「ヴェニスの商人」の
金貸しシャイロックから、「強欲」というイメージも定着しています。

しかし、ユダヤの説話の多くは、強欲さを排し、自らの今の人生を
大切に生きることの重要性が説かれているようです。

石角さんは本書で、ユダヤ人が5000年もの間、
語り継いできた説話を、日本人が理解し、
よりよい人生を送るためのヒントとして活用できるように解説しています。

この本から何を活かすか?

  「あるラバイ(ユダヤの宗教的指導者)の最悪で最良の災難」

  「あるラバイが旅をしていた。
  ラバイは犬と羊を連れ、聖書を読むためのランプを持っていた。
  
  ある夜、粗末な納屋に泊まることにしたラバイは、
  寝るには早いので、ランプを灯して聖書を読むことにした。
  しかし、運悪くオイルが切れてしまったので、
  仕方なく早めに寝ることにした。
   
  その夜は、悪いことが重なり、連れていた犬が毒虫に刺されて死に、
  羊はオオカミに食べられてしまった。

  翌朝、ラバイは近くの村まで歩いてみると、
  あちこちで村人が惨殺されているのに気がついた。

  前の晩、盗賊がやってきて村を襲い、
  村人を殺し金品を奪っていったのだ。

  彼は恐ろしさに打ち震えながら思った。

  もしランプが消えていなければ、彼も盗賊に見つかったに違いない。
  もし犬や羊が生きていたら、吠えたり騒いだりして、
  やはり見つかっていたに違いない。

  すべてを失っていたからこそ、自分は助かったのだと。
  そこでラバイは深く悟った。」

これは、物事には人知では知ることができない面があり、
トラブルはもっと悪いことの防波堤と考える教え。

ユダヤ教に限らず、他でもありそうな教えですが、
説話になっているのが、覚えやすくてイイですね。

今度、娘にこの話をしてしてみたいと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:26 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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[改訂新版]藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義

[改訂新版]藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書)
[改訂新版]藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義 (光文社新書)
(2012/03/16)
藤巻 健史 商品詳細を見る

満足度★★★★★
付箋数:9

私は、金融について、この本で勉強しました。

  「この本は2003年刊行の『藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義』
  の改訂版です。旧版は、光文社の会議室で一般の方を前に、
  6日間にわたって講義したものをまとめたものでした。
  そしてその後、私の大学での講義だけでなく、多くの金融関係の会社で、
  新入社員用のテキストとして使われてきました。」

正確に言うと、「藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義」は、
最初に赤い表紙の上巻と青い表紙の下巻の分冊で、
単行本として光文社より刊行されていました。

私が学んだのは、このオリジナルのハードカバーです。

その後、上下巻をまとめて新書版として刊行されたのが2003年。
本書は、その2003年新書版の改訂版です。

初版から10年以上経過して、新しい金融商品も登場し、
市場の環境も大きく変わったので、現状に合わせた大幅改定。

藤巻健史さんが、一橋大学で13年間、早稲田の大学院で6年間、
国際金融の授業を担当する際に、教科書として使っていたのが本書です。

世界のマーケット関係者の中では超有名人、
藤巻さんの長男ケンタさん(今は成人して金融機関勤務)でさえ、
他の藤巻さんの本はバカにして読まないのに、
本書だけは1週間かけて読破したそうです。

元々が一般の方を対象に講義した内容をまとめたものなので、
非常にわかりやく、他の藤巻さんの著書とは異なり、
煽動的な文章は少なくマジメです。

いくらマーケットの予想が外れ続けても、
あるいは私生活でズッコケて頼りなさそうに見えても、
この本があるから、私は藤巻さんを信頼している
と言っても過言ではありません。

  「私は、学者でもコメンテーターでもなく、
  自他ともに認める市場人間です。(中略)
  本書で取り上げた金融商品を、
  私はプロとして、すべて使いこなしてきたのです。

  したがってこの本は、人から聞いたことや、
  他人の書いたものをまとめたものではありません。

  私自身の経験から“金融市場でいきていくには、
  これだけの知識が必要だ、資産運用をするつもりなら
  これだけの知識が必要だ”と思ったことだけを書きました。」

本書を読むと、経済学者の書く本と違って、
世間的は悪いイメージの「投機家(スペキュレーター)」が
マーケットに必要な存在であり、同様に「先物取引」が、
なくてなならない取引方法であることがわかります。

これから金融を学びたい人には、おすすめの一冊。

私の満足度が高いのに、貼った付箋の数が少ないのは、
それだけ旧版を何度も読み込んでいたことの証しです。

旧版から市場データが刷新されているだけでなく、
説明の内容もよりわかりやすく改定されています。

この本から何を活かすか?

藤巻さんと言えば、「Mr.円安」と自称するぐらい
円安誘導論者として有名ですが、
もう一つ、ずいぶん前から一貫して主張していることがあります。

  「ユーロは固定相場制の壮大なる実験である。
  固定相場制がいつまでも持つわけがない」

藤巻さんは、ユーロができた当初からこう言っていましたが、
当時は誰もこの主張に耳を貸しませんでした。

しかし、最近のギリシャ危機で、
この主張が、やっと世間に理解されるようになりましたね。

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| マネー一般 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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永続発展する価値ある企業の条件

永続発展する価値ある企業の条件
永続発展する価値ある企業の条件
(2012/04/06)
木元 仁志、若松 孝彦 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:15

  「企業はつぶれるようにできている」

これはタナベ経営の創業者・田辺昇一さんの言葉。

少しオーバーな表現かもしれませんが、
新しくできた会社は、1年以内に過半数が倒産し、
5年以内に80%が消え、10年以内に95%が倒産するとも言われます。

それでは、企業を永続し、更には発展させるためには、
どうしたらよいのでしょうか?

まず最初に考えなければならないのは、企業の存在価値。

  「企業が倒産する、つぶれるということは、
  永続する価値がなくなった、またはマイナス価値に陥ったことを
  意味します。代用できる価値しか提供できなければ、
  いずれ他社に取って代わられるのです。
  
  したがって、“存在価値”、“存続価値”にフォーカスしたとき、
  “成長”や“儲け”は手段にすぎず、経営のプライオリティー
  (優先順位)において最上位の概念ではないことを、
  認めざるを得ないでしょう。」

企業経営していると、どうしても目の前の利益や資金繰り、
あるいはキャッシュフローに目が行きがちですが、
本書では、そもそもの企業の存在価値を問うているわけです。

本書はタナベ経営社長の木元仁志さんはじめ、
5名のトップコンサルタントである役員陣が、
企業の存在価値と永続発展の条件を問い、
数カ月にわたる議論をまとめた提言集です。

そして、まとめられた永続発展する価値ある企業の条件とは、
次の4つ。

  1. 時流にマッチした事業戦略
  2. 強い収益力と財務体質
  3. 強い組織力と組織風土を磨く経営システム
  4. 次代を支える後継体制の確立

こう並べて書いてしまうと、あまりにも一般論のような
印象がありますが、本書では各条件について、
詳しく語られています。

本書が対象としているのは、主に中小企業。

あまり企業規模が大きくなければ、経営者の考え方や行動が
組織に与える影響は大きく、それがそのまま社風になります。

しかし、会社を発展させ、また、創業者が引退した後も、
会社を存続させていくためには、「企業のDNA」を
磨いていく必要があります。

そのために、欠かせないのが「ビジョン」と「経営システム」。

本書は、走り続ける中小企業に、今一度、存在価値を問うことで、
長寿経営を促す本です。

正直、あまり関係ない人が読んで、面白い種類の本ではありません。

しかし、創業10年に満たない企業にとっては、
ブレない軸を作っていくための実用的な本だと思います。

この本から何を活かすか?

木元さんは、企業の事業力をマーケットの魅力度と
自社の競争力の強弱によって4つのポジションに分類する
マトリックスを紹介しています。

  マーケット魅力大で、自社競争力大は「有望事業」。
  マーケット魅力小で、自社競争力大は「残り福事業」。
  マーケット魅力大で、自社競争力小は「強化事業」。
  マーケット魅力小で、自社競争力小は「死に体事業」。

要は、BCGのプロダクト・ポートフォリオみたいなものですが、
外資系コンサルと違い表現がストレートで「和」な感じが、
中小企業には受け入れられるのだと思います。

よくあるフレームワークも、その会社に合わせて、
わかりやすい言葉に変えて使った方がいいのかもしれません。

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| 経営・戦略 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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コレキヨの恋文

コレキヨの恋文
コレキヨの恋文
(2012/03/28)
三橋 貴明 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

小説形式のビジネス書は、2001年に刊行された
エリヤフ・ゴールドラットさんの「ザ・ゴール」のヒット以来、
数多く出版されるようになりました。

私も、過去に何冊もの小説形式のビジネス書を読んできましたが、
傾向として、ストーリーが面白くなればなるほど、
本に貼る「付箋の数」はあまり多くありませんでした。

しかし、本書は日本の経済と政治が腹に落ちるように学べて、
そして物語としても一級品。

ストーリーに引き込まれ、一気に読んでしまったにも関わらず、
気がついたら、かなり多くの付箋を貼っていました。

小説形式のビジネス書の中では、トップレベル出来栄えの作品です。

大変失礼ながら、いつもデータを用いて論理的に語る、
三橋貴明さんの過去の著作からは、こんな描写ができるとは、
想像していなかったので、本書はちょっと驚きでした。

本書の中で、総理大臣の首席秘書官を務める
論理的だけれどイヤ味な男、東田剛という登場人物がいます。

私が三橋さんに持っていたイメージは、
その東田に近かったぐらいなので、本当に意外。

時は201X年の春、東日本大震災後も政治は混迷を極め、
経済も以前デフレから脱することができない日本で、
34歳の童顔の女性、霧島さくら子が
第97代日本国内閣総理大臣に就任しました。

弁護士としてキャリアを積んでしたさくら子は、
総理大臣だった父親の急死で、地元の後援会から
後継者として担ぎ出され、弔い選挙によって衆議院議員に当選。

その後、父親の盟友だった朝生一郎元首相に懇願され、
総裁選挙に出馬し、にあれよあれよという間に、
日本初の女性首相が誕生しました。

その就任を祝う記念すべきパーティー。

耐えられないことがあった、さくら子は、
パーティーから抜け出します。

向かった先は、首相公邸を出て庭園にある大きな桜の木。

さくら子は、そこでベンチに腰掛けていた、
年の頃は70、80と思える大柄な老人と出会いました。

この老人こそが、稀代の財政家、高橋是清さん。

そうとは知らず、さくら子はこの老人のアドバイスに耳を傾け、
次々と大胆な政策を打ち出し、経済政策を成長路線へと転換します。

バブルが崩壊し、経済は長期のデフレ。
その疲弊した経済に追い打ちをかけるように起こった大震災。
ライオン宰相にウソつきと呼ばれる総理大臣の登場。

高橋是清さんが生きた時代と、
現代の日本の状況が似ていることを設定としてうまく使い、
さくら子共々、読者は経済の仕組みを学ぶことができます。

この本から何を活かすか?

小渕内閣時代に、宮沢喜一さんが大蔵大臣に就任した時に
「平成の高橋是清」というフレーズが使われたことがあります。

私が、それ以外に高橋是清さんについて知っているのは、
学生時代に習ったわずかなこと。

その実績については、本書を読むまでほとんど知りませんでした。

政治家として手腕があっただけでなく、
ずいぶん波乱の人生を歩んだようですね。

高橋是清さん関連の本、ちょっと探して読んでみようと思います。

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| 経済・行動経済学 | 06:54 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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科学嫌いが日本を滅ぼす

科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか (新潮選書)
科学嫌いが日本を滅ぼす―「ネイチャー」「サイエンス」に何を学ぶか (新潮選書)
(2011/12/22)
竹内 薫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「日本が科学技術を軽視し、国際社会の中で長期低落の坂を
  転げ落ちようとしているのに、このまま手をこまねいて
  見物しているわけにはいかない。そこで、科学のお手本である、
  『ネイチャー』と『サイエンス』という2大科学誌を分析することにより、
  日本の科学の“あるべき姿”を描き出そうと、と考えたのである。」

竹内薫さんは、サイエンスライター歴20年の節目を迎え、
「日本の科学はこのままでいいのか?」という
強い疑念を持っていました。

その想いをもとに月刊誌「新潮45」の2010年5月号~2011年7月号に
連載したのが「科学の興亡 ネイチャーVS.サイエンス」。

本書はその連載コラムに大幅に加筆修正をしたものです。

ネイチャーは、イギリスの民間会社が発行する科学専門雑誌。
1869年創刊で、発行部数は約5万部。

歩く百科事典と呼ばれた、博物学者・生物学者である南方熊楠さんも
51本の論文をネイチャーに発表しています。

一方、サイエンスは全米科学振興協会が発行。
創刊はネイチャーより古い1848年で、発行部数は約13万部。

今上天皇の明仁様も1992年にサイエンスへ論文を寄稿しています。

どちらの科学誌も、同じ分野で活躍する科学者が
厳格な査読した後に、論文を掲載するピアレビュー制度を持ちます。

このピアレビューは狭き門で、掲載率は7%程度。

従って、ネイチャーかサイエンスのどちらかに論文が掲載されれば、
科学者として「一流」と認められた証にもなる羨望の科学誌です。

本書では、そんな科学界を代表する2誌を解剖し、
今後の日本の科学の在り方について考えます。

  第1部 ネイチャーVS.サイエンス
  第2部 科学誌の事件簿
  第3部 日本の科学を考える
  特別鼎談 科学の役割を問い直す

  「本書を通じて、ひとりでも科学好きの読者が増えますように!」

このように竹内さんは書いていますが、もともと科学嫌いの人が
本書を興味を持って読めるかどうかは、ちょっと疑問。

ネイチャーだ、サイエンスだと言っても、
それは理系の人には憧れの雑誌で、
科学嫌いの人には「何マニアックなこと言ってるの」と
一蹴されるかもしれません。

むしろ、本書のメイントピックではない
第2部や第3部の方が一般受けするように感じました。

個人的には、最近の「はやぶさ」や「宇宙兄弟」のブームような
科学に関するストーリーが、科学嫌いをなくす大きな役割を
果たすことに期待しています。

この本から何を活かすか?

本書の特別鼎談には、粘菌の研究で有名な
中垣俊之さんが参加しています。

中垣さんは2000年に「粘菌が迷路の最短ルートを解く」
という論文をネイチャーに発表。

この研究で「イグ・ノーベル賞」も受賞しています。

私は、粘菌に興味があり、中垣さんの本
粘菌 その驚くべき知性」を読みたいと思ってましたが、
ころっと読むのを忘れていました。

これを機に、読んでみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 07:40 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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世界で通用するリーダーシップ

世界で通用するリーダーシップ
世界で通用するリーダーシップ
(2012/01/27)
三谷宏幸 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

ジェネラル・エレクトリック(GE)元CEO、
ジャック・ウェルチさんを本気で怒らせた男。

それが、本書の著者、三谷宏幸さん。

  「ミタニ、まだ問題が残っているのに、どうして対応ができないんだ」

  赤で示された故障箇所を見て、ウェルチは表情を変えて私に言った。

  「対応はしていますが、問題解決には至っていません。
  赤の表示を見ていただいたのは、この問題をどう見ているかを
  正直に表す方がフェアだと考えたからです」

  ウェルチの顔色が変わった。

  「何がフェアだ。お前はオレに説教するつもりか」

このあとのやり取りで、ウェルチさんは完全にキレてしまい、
周りにいたGEの他の幹部も顔面蒼白になったそうです。

三谷さん自身は、GE人生もこれで終わりだと思った瞬間でした。

しかし、その後ウェルチさんから送られてきた3行の短いメールは、
解雇を告げるのではなく、三谷さんを励ます内容のものでした。

三谷さんはフェアな文化があるGEで、ウェルチさんの時代、
その後にCEOを継いだジェフ・イメルトさんの時代を通じて、
世界で通用するリーダーシップを学びました。

ここで、三谷さんのキャリアを簡単に紹介しておきましょう。

東大工学部を卒業し、1977年川崎製鉄へ入社。

83年カリフォルニア大学バークレー校大学院に留学し修士号を取得、
翌年スタンフォード大学大学院でMBAを取得。

帰国後、ボストンコンサルティンググループ入社。

92年に日本GEに入社し、98年にGE航空機エンジン北アジア地域社長、
2002年GE横河メディカルシステム社長、
そして2007年からノバルティス ファーマ社長を務めます。

この経歴だけを並べると、いかにも順風満帆に見えます。

しかし、実際の三谷さんは、常に何かを探し、流れに逆らう道を選び、
悩みながら紆余曲折して、これまでのキャリアを積み上げてきました。

  「通常の日本人としてのキャリアではない道を選択したことで、
  私は何を得、何を失ったのか・・・・。
  さまざまな角度からの私の話が、新しい時代を生きる
  若い人たちのヒントになればと思っている。」

本書は、これからグローバルのビジネスの世界で
活躍することを目指す人たちの羅針盤。

  ・GEで学んだ本当の経営とリーダーシップ
  ・「感性×経験」がビジネスの成否を決める
  ・いかにして部下を巻き込むか
  ・GEで学んだ「ストレッチ」という発想
  ・「リーダー」と「管理職」は違う

三谷さんの濃密なビジネスキャリアから学べることは、
リーダーシップ意外にも多くあります。

また、これだけの実績がありながら、
ぜんぜん自慢話になっていないので、
素直に読むことができます。

この本から何を活かすか?

三谷さんは、現在、製薬会社ノバルティスの日本法人の社長。

スイスのノバルティスは、売上高ランキングでは、
米ファイザーに次ぐ、業界2位の超大手の会社なんですね。

そして、フォーチュン誌での世界で最も尊敬される製薬企業
ランキングでは20011年は1位にランクされています。

米国企業ではない、日本法人が非上場、TVのCMが目立たない
などの理由から、私はまったくこの製薬会社を知りませんでした。

どんな会社なのか、詳しく調べてみたいと思います。


Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 06:51 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記

世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)
世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記 (幻冬舎新書)
(2012/01/28)
竹内 健 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:25

本書は、「フラッシュメモリ」の開発で世界のライバルと
しのぎを削ってきた、エンジニア竹内健さんの半生記。

フラッシュメモリとは、データの消去・書き込みを
自由に行うことができ、電源を切っても内容が消えない
性質を持つ半導体メモリです。

かつて、フラッシュメモリの容量は、デジタルカメラには大きすぎて、
パソコンには小さすぎるという状態にありました。

つまり、研究開発費がかかる割には、用途が限定されていて、
あまり採算が取れない、企業にとってはお荷物の製品でした。

その状況を一変させたのが、アップルの「iPod」。

「iPod」はフラッシュメモリ市場にポッカリ空いていた穴を埋めました。
 その後、携帯やiPhoneなどのスマホへと用途は拡大。

今となっては、私たちの生活に、
フラッシュメモリは欠かせない存在になりましたね。

本書は、そんなフラッシュメモリ不遇の時代から開発に携わり、
東芝で世界シェア40%にまで成長させた、
竹内さんの世界と勝負を続けた激走記です。

竹内さんは、東大の修士課程の学生の頃は、
量子光学を専攻し、基礎研究を志していました。

しかし、あるきっかけで、フラッシュメモリの発明者、
当時、東芝に在籍していた舛岡富士雄さんと出会います。

  「この人についていったら、世界のおもしろい分野で勝負できる」

その直感に従い、竹内さんは東芝への入社を決断します。

しかし、実際に入社してみると、会社の中では主力のDRAMに隠れ、
フラッシュメモリは用途がなく日陰の存在。

しかも、師事していた舛岡さんは東芝を去り、
フラッシュメモリの研究所は閉鎖されてしまいます。

研究所が閉鎖され、やむなく、他部署に異動した竹内さんは、

  「会社が認めないなら、世界で認めさせてやる」

と執念で研究を続け、現在のフラッシュメモリで主流として使われる
多値技術を開発しました。

その後、エンジニアでありながらスタンフォードでMBAを取得。
帰国後は、東芝では企業間交渉やマーケティングなども担当しました。

そして、研究の場を東芝かた東大、中央大へと移しながらも、
フラッシュメモリや次世代メモリにおいて、
常にグローバル競争を戦い続ける竹内さん。

本書では、そんな異色の経歴を持つ竹内さんの仕事論が語られています。

  「この本は、エンジニアやエンジニアを志す人たちだけでなく、
  文系の人や事務的な仕事をする人たちに向けても書いたつもりです。
  エピソードは一人の技術者が経験したことにすぎないのですが、
  仕事に対する考え方に、理系・文系の違いはないでしょう。」

竹内さんが書いているとおり、世界と戦っていくことでは、
理系も文系も関係ありません。

竹内さんの「走りながら考える」仕事論は、
すべてのビジネスパーソンの参考になると思います。

この本から何を活かすか?

  「新しい技術は“もう限界”と言われた先にある」

もう20年も前から、半導体の技術的な進歩は
限界と言われているそうです。

しかし、それでも新たな課題を克服して、進歩は続きます。

筋トレでも、自分の限界を超えて頑張ったところから
初めて新しい筋肉がつきますよね。

私たちがアイディアを考えるときも、
「もう限界」と思った先に、真のアイディアが生まれると考え、
諦めないことが大切なのだと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか

新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)
新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)
(2012/02/15)
上杉 隆 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「不思議なことにこの国では、ある特定の業界だけが
  談合することを許されている。
  本来なら談合を厳しく取り締まるはずの官僚組織、
  そして、チェック機能を果たすはずのメディア業界こそがそれだ。」

本書の著者、上杉隆さんは2011年12月31日をもって、
ジャーナリストを休業しました。

なぜ、上杉さんはジャーナリストを辞めたのでしょうか?

理由は2つあります。

1つ目は、日本でジャーナリストと呼ばれる、
主に新聞やテレビの「記者クラブ」メディアの記者たちと
同業であることに、一線を引くため。

2つ目は、上杉さんがジャーナリストの立場として、
「記者クラブ」問題を周知させることについて、
やれるだけのことはやったとの実感があるから。

上杉さんと言えば、日本の「記者クラブ制度」に対する
激しい批判で話題になった方。

本書は、上杉さんがこの10年ぐらい精力をかけて取り組んでいる
「記者クラブ制度」批判の最終章です。

上杉さんは、日本の新聞各社の記事は、
表現の違いこそあれ、どれも内容が同じだと指摘します。

それでは、なぜ、日本の新聞記事は、
各社似たような内容になるのでしょうか?

上杉さんは、ある新聞社の記事になる前のメモを入手し、
本書で公表しています。

  「0606夜 鳩山代表オフ/福岡/読朝毎産共同道新西日本①」

これは、あるメモに付された但し書き。

6月6日の夜、当時民主党代表だった鳩山由紀夫さんのオフレコ取材。

読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、産経新聞、共同通信、
北海道新聞、西日本新聞、そして①=NHKの記者がその場にいて、
各社で情報が共有されているという意味です。

これはオフレコ取材なので、記事にはなりませんでしたが、
新聞各社は、このように共有されたメモから記事を起こすので、
同じような内容になると。

これこそが、談合の証拠という訳です。

更に上杉さんは、オフレコ取材自体が、
海外のメディアでは、禁止されているとも指摘しています。

  「日本のメディアは世界から見ると、
  いかに非常識な存在であり、有害ですらあるか-
  本書は“3.11”を起点にそれを解き明かした、
  現段階における私の総決算であり、
  記者クラブ制度に対する最後通告だ。」

本書では、上杉さんならではの情報源から、
新聞やテレビの「ウソ」を次々と暴露し、
その欺瞞を徹底的に追求します。

但し、上杉さんが本書に掲載した情報の出どころは
明記されていませんので、どこまで信用していいかの判断は、
難しいところだと思います。

この本から何を活かすか?

  「オプ・エドが世界の常識」

1つの問題に対して、正反対の論説を並べる記事を
「オプ=エド」(オポジット・エディトリアル)と言い、
世界中の新聞では、この方法が採用されているそうです。

ユダヤ社会で議論を深めるために、あえて反対意見を言う、
「デビルス・アドボケイト」みたいなものですね。

つまり、上杉さんの本で「記者クラブ」批判を読んだあとは、
「記者クラブ」を擁護する立場の意見を聞いて、
理解を深める必要があるということです。

ここで、注意すべきなのは、「記者クラブ」の存在意義に
対する反対側の意見を聞くのであって、
上杉さん自身への批判を聞くのではないということですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 07:01 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣

仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣
仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣
(2012/03/23)
篠塚孝哉 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:13

  ・文房具やガジェットが好きでいろいろな整理グッズを持っている
  ・机の上はいっけんきちんと整っているけれども書類や本が多い
  ・持ち歩くモノが多く、かばんの中がつねにいっぱいになっている
  ・書類や配布物のファイリングが得意ですべてをまとめている
  ・メールやフォルダなどを部署やグループ別にきっちり分けている

あなたは、これらに当てはまりませんか?

もし、思い当たるところがあるなら、
あなたは「整理のワナ」に陥っているかもしれません。

「整理のワナ」とは、本来の目的を忘れ、
知らず知らずのうちに整理すること自体が目的になっている状態。

本書の著者、篠塚孝哉さんはこのように指摘します。

それでは、本来の目的とはいったい何なのでしょうか?

本書では、仕事の「効率化」が目的です。

  「本書では、毎日終電帰りだった私が、遅くとも20時には
  会社を出られるようになるためにさまざまな人から学んだり、
  一緒に考え実践した“仕事を整理するための工夫”の数々を
  惜しみなく紹介させていただきました。」

篠塚さんは、本書の方法を実践することで、
3時間も早く帰れるようになっただけでなく、
同時に仕事の成果も上がるようになったそうです。

篠塚さんは、「整理のワナ」に陥らず、仕事を効率化するために、
今すぐやめるべき3つの習慣を挙げています。

  1. 新しい整理グッズをつい買ってしまう
  2. 多くのウェブサービスを使用している
  3. 情報や書類をすべて保存している

これらは身のまわりに不要なものを増やす習慣。

効率的な仕事環境をつくるためには、
できるだけ身のまわりをシンプルにしておく必要があるようです。

本書では、デスク周り、名刺、PC、スマートフォン、
ウェブ、ノート、スケジュールなど仕事に関わる領域の
整理の方法を解説します。

かなり広範囲に効率化の方法が紹介されていますから、
毎日終電帰りになっている方や、社会に出てまだ数年の方、
また、効率化やハック系の本を読んだことがない方には、
参考にできるヒントが多いと思います。

しかし、紹介されているのはあくまで整理の小ワザで、
ある程度の段階までは、本書の方法で仕事を進めることができても、
それ以上へは進めません。

本書で説明されているノウハウは必要なことですが、
決して仕事の本質ではありません。

その点を踏まえて、本書は読んだ方がいいと思います。

この本から何を活かすか?

  「ランチャーソフトを活用する」

PCのデスクトップ上にまったくものを置かない状態を
実現するために、「ランチャーソフト」を使うといいそうです。

「ランチャーソフト」とは、キーボードを2、3回タッチするだけで
すべてのソフトウェアやファイル、フォルダを開くことができる、
とても画期的なツールとして、本書で紹介されていました。

篠塚さんが使用しているのは「ラスニール」というソフト。
Windows用のフリーソフトです。

私は、ランチャーソフトを使ったことがないので、
早速、ダウンロードして使ってみます。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:30 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論

グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論
グローバル資本主義を卒業した僕の選択と結論
(2012/02/23)
石井至 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  「世界の人と一緒に働いて、自分の実力を磨いて、
  どこでも通用するプロフェッショナルになるためには、
  何が大事で、どう行動すればいいのか。

  僕はその答えを実体験から学んできた。
  僕には、グローバル資本主義の歴史を語ることはできない。
  しかし、グローバル資本主義をサバイバルする方法は知っている。」

このように語る、本書の著者・石井至さんは、
ちょっと変わった経歴の持ち主です。

東大理Ⅲ(医学部)に現役で合格し、同大修士課程修了後、
医者にはならず、外資系金融機関に就職。

金融機関では、数学を武器にデリバティブのエンジニアになり、
1年目の年収650万から2年目で5000万超に。

デリバティブの専門家として、いくつかの外資系金融機関を渡り歩き、
32歳で一生のんびり過ごせるだけのお金を稼ぎ、スイスの銀行をリタイア。

その後、金融コンサルティング会社を設立し、
また、「お受験」のスクールも同時に経営しています。

本書ではこの経歴に沿って、東大受験、金融業界、お受験スクールの
3つの時代を中心に石井さんの半生が綴られ、
その中でサバイブするための方法論が語られています。

  「それを一言で説明すると、何でもゼロから始められるように
  することだ。知識や経験のない仕事をすることになったときに、
  短期間でプロになる。それが僕の働き方だ。」

医学部大学院の卒業を控え、全く畑違いの米銀への就職が決まった時、
石井さんの経済学に関する知識はゼロに等しかったそうです。

研究論文で忙しく、経済学の勉強をしている時間はあまりありません。

就職までの残された短い期間で、どのようにして、
石井さんは経済学の基礎をマスターしたのでしょうか?

石井さんは、ちょっと常人では考えられない、
驚くべき行動を取りました。

その行動とは、
「予備校で経済学の講師を引き受ける」ということでした。

いくら教えることで理解が深まるとは言え、
自分が知識ゼロの状態で予備校の講師をやろうと思うのは、
すごい発想ですね。

石井さんが知らない仕事をマスターするための
ポイントとして挙げるのは、次の3つです。

  1. 何をマスターすればいいのかを明確にする。
  2. 基本を完璧にマスターする。
  3. 自分で腑に落ちるまで掘り下げる。

石井さんの仕事術のベースは、受験勉強にあります。

  「日本の受験勉強については好意的な意見はあまり耳にしない。
  受験テクニックは社会に出たら役に立たないという見方は根強い。
  しかし、僕の考え方はまったく逆だ。受験勉強の中核である
  “傾向と対策”は、世界中のあらゆる仕事に役立つ
  基礎的なスキルだと思っている。」

石井さんが、素人として金融業界に入り、
誰からも相手にされない状態から、この3つのポイントを実践し、
余人をもって代え難い存在になって出世していく様子は、
読んでいて痛快。本当に面白いです。

ただ、後半はテーマが多岐に渡り、少し散漫な感じがしました。

この本から何を活かすか?

  「単語や熟語はマメに覚える」

世界の金融機関を渡り歩いた石井さんでも、
英語では、特にボキャブラリーの不足を感じているそうです。

  「たとえば、日本の新聞を読んでいて、読めない漢字や
  意味がわからない漢字はほとんどない。
  一方、フィナンシャル・タイムズを読んでいると、
  わからない単語は結構ある。そういうときは、地道に辞書を引き、
  ノートに書き留めるようにしている。」

こういう努力、最近の私には欠けていました。

わからない単語全部とは言わないまでも、
少しでも書き留めて、地道な努力をしたいと思います。

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| 仕事論 | 07:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーン・スタートアップ

リーン・スタートアップ  ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす
(2012/04/12)
エリック・リース 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

新しくできた会社は、1年以内に過半数が倒産し、
5年以内に80%が消え、10年以内に95%が倒産するといわれます。

きっと、この割合は日本でもアメリカでも、大差はないでしょう。

どうして、こんなに高い割合でスタートアップ(起業)は
失敗するのでしょうか?

本書の著者、エリック・リースさんも、
かつてスタートアップで失敗した経験を持ちます。

リースさんが、本書でアントレプレナーが
スタートアップで失敗する理由として挙げたのが次の2つ。

1つ目は、優れた計画やしっかりした戦略、
市場調査の活用に、アントレプレナーが目を奪われてしまうから。

不確実性の高いスタートアップ時には、
このような指標で、成功の可能性を測ることがでません。

つまり、旧来のマネジメント手法は、
スタートアップでは役に立たないということです。

2つ目の理由は、旧来のマネジメント手法で対処できないと気づき、
方法論をあきらめ「とにかくやってみよう」と管理することを
放棄するアントレプレナーがいるから。

スタートアップは勢いがありますから、
ある程度のところまでは、勢いだけで行くことができます。

ただし、それが通用するのも最初のうちで、
管理されない組織は、すぐに壁にぶつかってしまいます。

そこで、リースさんが本書で解説するのが、
イノベーションを継続的に生み出す、
起業に適した新たなマネジメント手法の「リーン・スタートアップ」。

「リーン」とは、リーン生産方式の「lean」で、
細身のとか無駄のないという意味です。

リーン生産方式は、トヨタ生産方式を体系化したもの。

この製造業の管理手法の概念を用い、
無駄を排除してリーンな考え方をスタートアップ時の
イノベーションに応用します。

本書では、リーン・スタートアップの5原則を3部構成で説明します。

  1. アントレプレナーはあらゆるところにいる
  2. 起業にとはマネジメントである
  3. 検証による学び
  4. 構築-計測-学習
  5. 革新会計(イノベーションアカウンティング)

簡単に言うと、仮説を立て、必要最小限の製品を作り、
検証しながらも、スピード重視で前に進む起業時の経営です。

最初は「トヨタ生産方式」や「5回のなぜ」が
スタートアップに応用されるのがけっこう意外でしたが、
読んでみると納得できます。

個人的には、起業後の戦略の方向転換(ピボット)について
考察している点が興味深かったですね。

読んで損のない本でした。

この本から何を活かすか?

リーン・スタートアップはちょっとしたムーブメントに
なっているので、様々な情報源があります。

  ・「リーン・スタートアップ公式ウェブサイト
  ・「スタートアップの教訓」(リースさんのブログ)
  ・「リーン・スタートアップ・ミートアップ
  ・「リーン・スタートアップ・ウィキ
  ・「リーン・スタートアップ・サークル

他にも、リーン・スタートアップに関するブログなど、
数多くの情報源があるようです。

まずは、リースさんのブログが読みやすそうなので、
読んでみようと思います。

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| 経営・戦略 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事は99%気配り

仕事は99%気配り (朝日新書)
仕事は99%気配り (朝日新書)
(2012/04/13)
川田 修 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:25

「お客様の立場で・・・」とはよく聞くフレーズですが、
実際に相手目線で物事を考えることは難しいですね。

だからこそ他にはない、ちょっとした気配りがされていると、
けっこうウレシイものです。

  「この本は、営業のノウハウ本ではありません。
  これまでに私が出会って感動した“ちょっとした気配り”の実例や、
  その実践方法について書いたものです。」

著者の川田修さんはプルデンシャル生命保険株式会社の
エグゼクティブ・ライフプランナー。

川田さんは、大学卒業後リクルートに入社し、
全社年間最終営業マン賞を受賞しました。

その後、プルデンシャル生命に転職し、
そこでも全国の営業社員の中で、営業成績1位を達成した方です。

私は、「リクルートからプルデンシャル生命」という経歴を見て、
前に川田さんの本を読んだことがあると思いましたが、
それは勘違いでした。

私が読んだことがあったのは、『お客様から「教わる力」』の
小山聡章さんの本でした。

小山さんもリクルートからプルデンシャル生命へ転職した方。

似たようなルートを歩んでいる方が、いるものですね。

さて、「気配り」は営業職に限らず、どんな職業でも、
また仕事に関係なく、人として必要なことです。

では、どうしたら「気配り」できるようになるのでしょうか?

マニュアル本を見て、型にはまった気配りをするのは簡単です。

でも本当に感動するのは、他の人が考えていないところまで
相手の立場で考えられている場合です。

  「まず最初に必要なのは、相手を観察すること。感じること。
  それから相手の気持に同調する。」

私が難しいと思うのは、「感じる」段階です。
ここでは相手のことを思いやって、想像力を働かせます。

どのように想像力を働かせられるかが、
「気配り」の差になって表れます。

それでは、どうしたら想像力が働くようになるのでしょうか?

  「ひとつの細かいことに気がつけるようになると、
  ほかの細かいことにも気がつけるように意識が変化していくのです。」

ですから、本書で気配りの実例を見るのは大切なことです。

  ・お昼休みに会社に戻らない社長
  ・社員の子ども用口座に、毎月お金を振り込む女性社長
  ・ドライバーにピン札を手渡す畜産業者社長
  ・社員の家族に毎月手紙を書く社長
  ・新人の実家すべてにあいさつに行く支店長

本書で紹介されている、実例はどれも「気配り」の感性を磨きます。

また、川田さんは逆に「あらゆる仕事の残念な瞬間」には、
改善のヒントが詰まっているとも書いています。

良い例を見ても、悪い例を見ても、その気さえあれば、
「気配り力」を身につけることができるということですね。

この本から何を活かすか?

  「きょう一日、私はひとつだけ良いことをします。
  人に見られたら、それはカウントしません」

これは、プルデンシャル生命の日本における創業者、
坂口陽史さんの生前の言葉。

川口さんがとても好きな言葉として、本書に紹介されていました。

人が見ていないからこそ、良いことをするんですね。

私も実践して、少しでも人間性を高めたいと思います。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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記録するだけでうまくいく

記録するだけでうまくいく
記録するだけでうまくいく
(2012/03/12)
佐々木 正悟、富 さやか 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

  「“ライフログって、何でも記録するんですよね。
  大変そうですけど、何の役に立つんですか?”
  この質問は、次の2つの点で間違っています。

  ひとつは“ライフログは大変そう”という思い込みです。
  (中略)
  もうひとつの誤解は“ライフログなど何の役にも立たない”
  というものです。」

生活の記録を、デジタルデータとして何でも残すライフログ。

誰もがスマートフォンを手にする時代になり、
ライフログは以前より圧倒的に簡単に記録できるようになりました。

2012年春時点で、スマホ普及率は日本全体で25%前後、
20~30代だけを見ると、50%へ迫る勢いで伸びているようです。

スマホの普及も、イノベーター理論で言うところの
アーリーアダプターから、完全にアーリーマジョリティに移りましたね。

今後リリースされる携帯の新機種も、ほとんどがスマホになり、
これから買い替える人は、選択の余地なくスマホへ。

いよいよレイトマジョリティが動き出す段階に差し掛かります。

ではスマホを使うと労力をかけずに、ライフログが始められるとして、
それは本当に残す価値がある記録なのでしょうか?

  「“ライフログは役に立ちますか?”と言うのは、
  “メモをとっておいて役に立つんですか?”
  “家計簿は何の役に立ちますか?”
  “日記をつけても意味がないのでは?”と言うのと同じです。
  メモにも、家計簿にも、日記にも意味があります。
  ライフログとはメモや家計簿や日記をいつでもつくることが
  できるようにするための、記憶のバックアップなのです。」

この説明だとメモも家計簿も日記も残していない人が、
始める動機としては、ちょっと弱いかもしれません。

しかし、本書ではライフログの6つのメリットが説明されています。

  1. 体験を再生できる
  2. 記憶力がよくなる
  3. 仕事に役立つ
  4. 習慣をつくり、自分の成長につながる
  5. 体験を共有できる
  6. 整理できる

これだけのメリットがあれば、ライフログを始める価値がありそうです。

とは言っても、わざわざ生活の全部を記録しなくても
イイのではと考える人もいるでしょう。

そんな人には、本書ではテーマ別のライフログをススメています。

お金を貯めたい人のライフログ、ランニングがしたい人のライフログ、
ダイエットのためのライフログ、食事のライフログ、
読書のライフログ、仕事のためのライフログ。

本書は、その人の目的にあったライフログの残し方が
テーマ別に解説されているのが特徴です。

これらの6つの分野を、本書では著者の佐々木正悟さんと
富さやかさんが分担して執筆しています。

この本から何を活かすか?

少し前に、妻が携帯をスマホに切り替えました。

でも、今のところ、スマホのメリットを
十分に生かし切っていない感じがします。

また妻は、アナログで日記を書き、食事の記録も残し、
パソコンで家計簿もつけています。

だったら、本書のノウハウを使わない手はありませんね。

これやってみたらイイよと、無理強いすると、
かえって拒否するかもしれないので、
さりげなく本書を妻の目に触れるところに
置いておきたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ノウハウ本 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生を変える 修造思考!

人生を変える 修造思考!
人生を変える 修造思考!
(2012/04/07)
松岡修造 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

初めて、松岡修造さんの本を読みましたが、
まず、表紙だけで2つのことに驚きました。

1つ目は、松岡さんの写真からフキダシの赤文字で、
「怠け者で、消極的な僕をポジティブに生まれ変わらせた方法」
と書かれていたこと。

いつも度が過ぎるぐらいの、熱血なイメージのある松岡さんからは、
「怠け者」や「消極的」といった言葉は全然想像できません。

松岡さんでも、怠け者で消極的だった時代があるのでしょうか?

そして、2つ目は松岡さんの「肩書き」。

表紙と巻末のプロフィールの著者名の後に、
一言「肩書き」を書いている著者の方も多いですよね。

松岡さんだったら例えば、TVタレント、スポーツキャスター、
テニス指導者、元プロテニスプレーヤーといった肩書きに
なるのが普通だと思います。

また、「11代目くいしん坊!万才レポーター」という肩書き
でもいいかもしれません。

しかし、本書の松岡さんの肩書きは、「マツオカシュウゾウ」。

ひょっとすると、単にヨミガナを振っただけなのかもしれませんし、
現に著者名にローマ字やかなで、ヨミガナを振る著者の方もいます。

でも、私には松岡さんの肩書きが、「マツオカシュウゾウ」であると
主張しているように見えました。

それだけ松岡さんが、強烈なキャラクター、
「修造ブランド」を確立しているという証だと思います。

本書には、「修造流の生き方」48のヒントが紹介されています。

正直、本書からは、過去の松岡さんが「怠け者」で「消極的」
だったのに、思考を変えたことで、今の松岡さんに変わった
ということは読み取れませんでした。

しかし、さすが、元世界を相手に戦ったアスリート、
さすが、現役のくいしん坊!万才レポーターといった内容。

本書はメンタルトレーニングに関するTIPSと、
おいしく食べるためのTIPSが豊富に紹介されています。

また、仕事や日常で、困難な状況を乗り越える場合には、
「自分が松岡修造さんになりきる」のも有効な方法だと思います。

旗から見る限り、幸せそうに生きている松岡さん。

あれでけ熱く、真っ直ぐになれたらいいな、
と思える時もあります。

本書の48のヒントを実践すると、松岡さんのような幸せな人生に、
ちょっとでも近づけるかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「マクドナルドはレジ近くのポジションで完全攻略する」

松岡さんは、マクドナルドに行くときも全力です。

  「マクドナルドには、“とりあえずマクドナルドにするか”
  ではなく“やった、マクドナルドへ行けるんだ!”と
  興奮しながら僕は入ります。」

マクドナルドへ興奮して入るところがスゴイ!

少しでも作りたての状態で食べるために、
何度も分けて注文する松岡さんは、
できるだけレジ近くの座席を確保します。

特に、ポテトは揚げたてがおいしいので、レジの方に
「揚がったら教えてください」とお願いするそうです。

私は、そこまで気合を入れて、
マクドナルドで食べたことはありませんでした。

今度マクドナルドへ行ったときは、レジそばの席を確保し、
揚げたてのポテトを食べてみたいと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:50 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ

99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ
99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ
(2012/03/12)
河野 英太郎 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

  「例えばレストランで“パンにしますか?ライスにしますか?”と
  聞かれたとき、“ごはん”と言ったのに、ウェイトレスが
  “ライスですね”と言ったとしたら、ちょっとカチンときませんか?

  言葉を合わせるというのはコニュニケーションにおいても
  とても大事なツールなのです。」

このレストランでの話し、あるあるですね。

私も、こちらが「ごはん」と言ったのに、
「ライス」と復唱されて、何か嫌な感じがした経験があります。

これは、本書の第1章に書かれていた「言葉を揃える」という仕事のコツ。

本書には、「報連相」、「会議」、「メール」、「文書作成」、
「コミュニケーション」、「時間」、「チームワーク」、「目標達成」
の合計8つの分野で、すぐに使える「仕事のコツ」が紹介されています。

著者は、日本IBMで現役で働く河野英太郎さん。

さすがに、現役のビジネスパーソンだけあって、
仕事のうえで、本当に必要なことが、コンパクトに書かれています。

  「書いてあることは当たり前のことや、本当に些細と感じるような
  ことかもしれません、意外に実行している人は少ないものです。
  おそらく99%の人が実行していない、と言ってもいいかもしれません。」

河野さんは、以前にある実験を行ったことがあるそうです。

それは、同じ内容のメールを2つのグループに、
別々の枕詞をつけて送るという実験です。

1つ目のグループには「まだ不十分ですが」という言葉を
頭につけて送信。

2つ目のグループには「結構うまく、まとまっていると思います」
という言葉を頭につけて送ったそうです。

その結果、前者は「もっと考えてから持ってこい」といった
ネガティブなコメントが多く返ってきました。

一方、後者は「お見事」といったポジティブなコメントが多かった。

河野さんは、この結果を心理学で言う
「プライミング(呼び水)効果」によるものと説明しています。

本当にそこまで極端に変わるかどうかは分かりませんが、
自信のない言葉を添えるか、自信に溢れる言葉を添えるかで、
相手が受け取る印象に一定の違いはありそうです。

河野さんの実験はメールでしたが、
対面で報告する場合の方が、より顕著に差が出ると思います。

  「(報連相では)自信があるようにふるまう」

本書は200ページ前後の本で、それほど文字数も多くありません。

しかし、シンプルに紹介されている仕事のコツが、
いずれも、見事なまでに的を射ています。

紹介されている仕事のコツは、全部で87個。
1つ1つを実践することは、それほど難しくありません。

しかし、このちょっとしたコツの積み重ねが習慣になり、
数年後には「デキる人」と「デキない人」の大きな差になります。

個人的には、社会人3年目までは、本書を必読にしてもいいと思います。

4年目以降の中堅に差し掛かるビジネスパーソンの方も、
本書の内容を実践できているかどうか、チェックした方がいいでしょう。

この本から何を活かすか?

  「オフォスでは真ん中を歩く」

これは、本書に紹介されていた、
特に労力を必要とせずにコミュニケーションの機会を
増やすことができるコツです。

社内を歩くコース取りを、ちょっと変えるだけで、
気軽に会話をしながら、情報収集などができるようになると。

すると、これを応用してこんなコツはどうでしょうか。

「男性限定:トイレでは、常に真ん中の小便器で用を足せ」

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:36 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術

SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術
SNSの超プロが教える ソーシャルメディア文章術
(2012/04/04)
樺沢紫苑 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

なぜ、いつも樺沢紫苑さんの本は満足度が高いのか?

このブログでは、過去に2冊の樺沢さんの本を紹介しています。

  ・脳内物質仕事術(2010.12.16投稿記事)
  ・「苦しい」が「楽しい」に変わる本(2011.11.23投稿記事)

いずれも、私にとってかなり満足度の高い本でした。

そして、今回紹介するこの本も、随分たくさんの付箋を貼りました。

私は、今まで樺沢さんが満足度の高い本が書ける理由は、
本職が精神科医なので、読者の心理を上手くつかめるから
だと思っていました。

もちろん、それも理由の一つだとは思います。

しかし、本書では、樺沢さんが満足度の高い本を書ける
本当の秘密が明かされていました。

  「なぜ樺沢は、読者が100%満足する本が書けるのか。
  本当は教えたくないのですが、特別に本書の読者には
  暴露したいと思いいます。

  読者が100%満足する本を書く方法とは、
  読者からの質問に全て答えることです。(中略)

  読者に質問を投げかけ、寄せられた質問、それに対する答えを
  全て本の中に盛り込むわけです。
  
  そうすると、読者のみなさんに
  “この本には、自分の知りたいことが全て書いてあった!”
  と思っていただけるわけです。」

だから、樺沢さんの本を読むといつも、
「それを知りたかったんだ!」とか、
「言われてみると、それ困っていたんだよな~」
という内容が網羅されているんですね。

さて、本書は国語的な文章の書き方の本ではなく、
ソーシャルメディア上でのライティング技術をまとめた本です。

それは、「伝わる」ことや、読者の「共感を得る」ことが
目的の文章術。

池上彰さんの「伝える技術」とも、またちょっと違います。

・なぜ、私の投稿は、「いいね!」があまり得られないのか?
・なぜ、私の投稿した記事には、コメントが全くつかないか?
・なぜ、私のツイートは、全然盛り上がらないのか?

ワクワクしながらソーシャルメディアを始めても、
最初はなかなか反応が得られず、
こういった悩みを持っている人も多いと思います。

樺沢さんは、メルマガ、ブログ、Twitter、Facebookなどで
合計すると30万人以上の読者に、
10年以上も情報発信を続けるソーシャルメディアの達人。

本書では、あなたが知りたい、ソーシャルメディア上で
わかりやすく情報を発信し、それを読んだ人から共感を得て、
たくさんの人と交流し、コミュニケーションを深めるコツが
わかりやく解説されています。

あまり、ソーシャルメディアを使うのが得手ではない私には、
本当に読んでよかったと思える本でした。

この本から何を活かすか?

私が本書を読んで、実践したことがいくつかあります。

  ・日本語入力ソフトを「Google日本語入力」へ切り替え
  ・Twilogへの登録
  ・Twitterの投稿内容を「今」を意識したものへ

この中で、私が早速、効果を実感しているのが、
Google日本語入力」です。

  「ライティング・スピードを加速する最も重要な方法を
  1つあげろといわれると、それは“Google日本語入力”を
  使用することだと答えます。」

樺沢さんのこのコメントを読んで、試しに入れてみましたが、
本当に使い始めるとやめられなくなりました。

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| 文章術 | 06:49 | comments:1 | trackbacks:2 | TOP↑

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マザー・テレサCEO

驚くべきリーダーシップの原則 マザー・テレサCEO
驚くべきリーダーシップの原則 マザー・テレサCEO
(2012/04/05)
ルーマ・ボウス、ルー・ファースト 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

100カ国以上で活動を行ない、4000人がフルタイムで働き、
世界で最もよく知られたブランドのひとつで、
何百億ドルもの資産を運用・活用している組織があります。

その組織は1948年に、ある女性によって設立されました。

組織の名前は、「神の愛の宣教者会」。

設立したのは、アルバニア人女性のアグネス・ゴンジャ・ボヤジュさん。

一般には、「マザー・テレサ」という名前で知られます。

マザー・テレサさんは、1979年にノーベル平和賞を
受賞したカトリック教会の修道女です。

本書は、マザー・テレサさんの伝記でもなければ、
宗教の本でもありません。

大きな組織を統率した、マザー・テレサさんの
リーダーシップとマネジメント力に着目した本です。

著者は実際にマザー・テレサさんの元でボランティア経験のある
起業家のルーマ・ボースさんと、日本にも住んだことがある
ビジネスアドバイザーのルー・ファイストさん。

宗教組織とは言え100カ国以上で、
何百億ドルもの資産を扱い、多くの人を統率することは、
「愛」の力だけではできないことです。

  「この本はあなたにリーダーシップの原則を授けるものです。
  あなたが個人として、あるいは仕事で、挑戦を試みる立場にあるのなら、
  毎日、その原則を生かすことができるでしょう。
  紹介する原則を自分のものにし、常に応用していけば、
  あなたの人生も、組織もポジティブに変化していくはずです。」

本書が伝える原則とは、次の8つです。

  原則1 簡潔なビジョンを力強く伝えろ
  原則2 天使に合うためなら悪魔とも取引しろ
  原則3 がまん強くチャンスを待て
  原則4 疑うことを恐れるな
  原則5 規律を楽しめ
  原則6 相手が理解できる言葉でコミュニケーションしろ
  原則7 底辺にも目配りしろ
  原則8 沈黙の力を使え

マザー・テレサさんのマネジメント力は、はじめに組織ありきではなく、
あくまでも「貧しい人のなかのもっとも貧しい人びとを救う」
という目的を果たすために、結果として備わったものです。

ですから、通常のビジネス書と同じように本書を読むことはできません。

しかし、ビジョンを明確にして、必要なもの調達して、
支援してくれる人たちを導く方法論には学ぶべき点があります。

本書の「前文解説」は本田直之さんが書いています。

176ページと薄い本ですが、一般的なビジネス書とは
異なる視点を与えてくれるユニークな内容でした。

この本から何を活かすか?

  「マザー・テレサは規律そのものではなく、
  規律がもたらす喜びのほうを大切に考えていました。
  そうやって、日常の仕事のなかに
  数限りない喜びを見出していったのです。」

行なうべきことを、しっかりと行なうための規律。
個人でも組織でも、目的を果たすためには規律が必要です。

しかし、それを守り続けるのは、時に辛くて退屈です。

私は、規律を守るのがけっこう苦手。

でも、今後はマザー・テレサさんのことを思い出し、
規律がもたらす喜びにフォーカスしてみたいと思います。

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| リーダーシップ | 08:35 | comments:3 | trackbacks:1 | TOP↑

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ミッションからはじめよう!

ミッションからはじめよう!
ミッションからはじめよう!
(2012/03/26)
並木 裕太 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

  「本書は一見、いわゆる『問題解決』や『ロジカルシンキング』の
  スキルを説く本のように見えるかもしれませんが、
  目的は、他の『問題解決本』や『ロジカルシンキング本』のように、
  問題をきれいに整理し分析し、解決策をかっこよくプレゼンできる
  ようになることではありません。そうではなくて、
  本当に求める結果を得るための方法を示すことです。」

欲しいのは、コンサルタントが考えるようなキレイな戦略ではなく、
かっこ悪い方法でも実行して得られる結果。

  「どんなに素晴らしい戦略でも実施されなければゴミなんです。
  どんなにバカげたアイディアでも実施して実績をつくれば
  それが正解になります。」

この論ずるだけでなく、実行までを行いたいという想いが、
本書の著者・並木裕太さんがマッキンゼーを辞め、
自ら株式会社フィールドマネージメントを設立した理由でもあります。

本書では、リアリティがあり、実際に結果を出すための
3ステップのプロセスをストーリー仕立てで解説します。

  ステップ1 ミッション(使命)
  ステップ2 ロジック(論理)
  ステップ3 リアライズ(実行)

特に実行する過程の中で、何より大切なのが「ミッション」。

様々な障害にぶち当たったときに、最後まであきらめずに
モチベーションを維持してやり通せるかは、
指針となるミッションの有無が大きく影響します。

本書では、ミッションを作るためのフレームワークが示され、
どのようにミッションを作り、それを基にどうやって結果に
つなげるかが詳しく解説されているのが特徴的。

イメージをつかむために用意されたストーリーの主人公は、
大手航空会社AJAに勤務する大空翔子。

羽田空港勤務だった翔子は、入社4年目で本社経営企画室への
異動を命じられます。

そしてある日、翔子は経営企画部長から、
3ヶ月間のプロジェクトメンバーに指名されました。

プロジェクトのテーマは、来年予想される外資の格安航空会社の
参入に備えた対抗策を練り上げること。

著者の並木さんも、フィールドマネージメントの社長として、
実名で登場します。

ストーリー自体は、それほど深くはありませんが、
とてもテンポ良く、軽快に読むことができます。

また、航空業界へのLCC(ローコストキャリア)参入といった
タイムリーなテーマを扱っているので、
全日空がこんなことを考えて、ピーチを設立したのかな?
と、現実とリンクさせて物語を読むことができます。

この本から何を活かすか?

本書では番外編として、個人のミッション作りにも触れられています。

ミッションは、個人でも会社でも
三層構造のピラミッド型フレームワーク(ミッションコーン)で
作ります。

最下層の一番面積が広いベースとなる段は「エビデンス(証拠)」。

中段は2つに別れ、「機能的ベネフィット」と
「感情的ベネフィット」で構成されます。

そしてピラミッドの頂上に「ミッション」が乗ります。

個人でミッションコーンをつく場合は、
その人のタイプによって、どの段から作り始めるかが決まるようです。

小さい頃から一つの目標に向かって情熱を傾ける人(GOAL PEOPLE)
なら、上段のミッションから書いていく。

ゴールにむかって一直線ではなく、川の流れに身を任せるように、
人生の選択をそのときの判断で選ぶ人(RIVER PEOPLE)は、
下段のエビデンスから書き始める。

私はRIVER PEOPLEなので、エビデンスから始めてみます。

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| 経営・戦略 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「はやぶさ」式子育て法

「はやぶさ」式子育て法
「はやぶさ」式子育て法
(2012/03/09)
川口 淳一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

  「日本の将来がとても心配です。子どもが少なくなってきています。
  将来に不安を感じることからどうしても少子化傾向に拍車がかかります。
  それが社会の勢いを鈍らせ、不安を生んでいく。
  負のスパイラルに入って、すでに二〇年が経とうとしています。
  どうしたら、これ切ることができるか。
  それには、子育ての考え方を転換する必要があると思います。」

本書は、映画にもなった「はやぶさ」のプロジェクトマネジャー
川口淳一郎さんの「子育て論」を綴った本。

「どうしたら宇宙飛行士になれますか?」
川口さんは仕事柄、よくこのような質問を受けるそうです。

この質問に対する川口さんの答えは、ちょっと意外なもの。
「宇宙飛行士を目指すな」と答えるそうです。

なぜ、川口さんは、そのような答えをするのでしょうか?

それは宇宙飛行士に対する認識の違い。
川口さんは、宇宙飛行士を「二流のかたまり」と考えています。

これは決して宇宙飛行士の能力が低いと言っているのではなく、
能力のバランスから考えた表現。

川口さんが考える宇宙飛行士になれる人とは、
ある分野で一芸に秀でた一流の人ではなく、
どこから見ても非の打ちどころのない、欠点の見つからない人です。

つまり、超一流でもない代わりに、穴が一つももない、
どこを切っても及第点のとれる人材なので、
「二流のかたまり」と表現しているようです。

そして、川口さんは、今後、日本に必要な人材は、
何でもまんべんなくできるジェネラリストではなく、
ある分野で突出した能力を持つスペシャリストと考えているので、
バランス型の宇宙飛行士を目指すなとアドバイスしているのです。

世界初のミッションをやり遂げた「はやぶさ」プロジェクト。

確かに、そういった前人未到の偉業を成し遂げるには、
受験を目的とした既存の教育方法では、
必要な人材が育たないのかもしれません。

しかし、川口さんが目指す方法は、一般的な教育法として、
どこの家庭でも、誰でも行える方法ではないように思えます。

教科書に書いてある内容ぐらいは、誰から教わらなくても、
ラクラクと解ってしまうような、元々優れた能力を持つ一部の子が、
年齢を重ねるごとに凡人にならないための教育法です。

日本の将来を考えると必要ですが、
それを我が子に当てはめて考え、
実践できる人は少ないような気がします。

この本から何を活かすか?

イトカワで微弱電波を出すにも、役所に事前申請が必要?

「はやぶさ」に搭載された、小型探査ロボット「ミネルバ」。

「ミネルバ」は「はやぶさ」がイトカワに着陸する前に、
地表を撮影し、その映像を「はやぶさ」を経由して、
地球に送信する役割を担っていました。

その「ミネルバ」を使った探査準備をしている矢先に、
「事前申請がないと電波法違反になるかもしれない」
と役所から連絡があったそうです。

役所の担当者は、「ミネルバ」の電波を出す住所の申請が、
実験を行った「神奈川県」になっていて、
「住所がイトカワになっていない」ことを心配していたとか。

さすが日本のお役人、本当に細かいことにも気がつきます。

もちろん担当者は、自分の仕事を正しく行ったわけですが、
こういった様子を見て、川口さんは日本の今の教育が
間違っていると、強く思ったようです。

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| 科学・生活 | 06:31 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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孫正義 働く君たちへ

孫正義 働く君たちへ: 「腹の底からの思い」を語ろう
孫正義 働く君たちへ: 「腹の底からの思い」を語ろう
(2012/03/29)
「ソフトバンク新卒LIVE」編纂委員会 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:14

2010年3月29日に開催されたソフトバンクグループへ
入社希望の学生を対象とした「孫 正義 LIVE 2011」。

孫正義さんはこの講演で、何を想って事業を興したのか、
どんなことを成しとげたいと思っているのか、
どういう志を持っているのかを、参加した学生に語りかけました。

この講演は、Ustreamなどでも中継され、大きな話題を呼びました。

本書は、その講演内容を書籍化したものです。

編者は、このライブメッセージを次世代へ伝えるために
作られたソフトバンク内のプロジェクトチームです。

そう言えば、孫さんを語る本は数多く出版されていますが、
孫さん自身の著書ってありませんよね。

本を書くより、まだまだ実業の方が忙しいということでしょうか。

  「この本は、ソフトバンクグループの新卒採用のためのイベント
  “孫正義ライブ2011”(現ソフトバンク新卒LIVE)にて、
  孫正義が若者たちへ向けて語ったメッセージをもとに、
  そのエッセンスを抜き出して編集されたものです。」

  第1章 自分を一気に成長させる法
  第2章 夢を着実に実現する法
  第3章 ライバルに圧倒的に差をつける法
  第4章 「壁」を楽しく乗り越えていく法
  第5章 「明日」を読んで今日、働く

この「エッセンスを抜き出して編集」というところが、ちょっと曲者。

過去の孫さんに関する書籍も参考にして内容が補強され、
52個の見出しで、ポイントがまとめられていますから、
本としての体裁はうまく整えられています。

だから、本として実際に読み易く、違和感もありません。

しかし、書籍化にあたり、口語から文語に変えられ、
ところどころ1人称から3人称に変わっているので、
孫さん自身が語りかけた言葉という感じが失われています。

熱く語った孫さんのエネルギーが、あまり伝わってこないので、
生きた言葉として読者に届き難くなっています。

孫さんがライブで語った骨子はソストバンクのホームページに
掲載されていますから、講演内容をそのまま書き起こして
書籍化しても芸がないと思ったのかもしれませんが、
この編集方針は諸刃の剣だったように思えます。

  ・2011年度新卒向けイベント「孫 正義 LIVE 2011」
  ・2012年度新卒向けイベント「ソフトバンク新卒LIVE2012」
  ・2013年度新卒向けイベント「ソフトバンク新卒LIVE2013」

そもそも孫さんの言葉自体にパワーがありますから、
語り口調のまま、講演のスライドもつけて書籍化して欲しいと
思っていた人も多いのではないでしょうか。

この本から何を活かすか?

当ブログでは、過去に何冊か孫さん関連の本を紹介しています。

  ・あんぽん 孫正義伝(★★★★★)
  ・孫正義 奇跡のプレゼン(★★★)
  ・孫正義 リーダーのための意思決定の極意(★★)
  ・孫の二乗の法則(★★★★)
  ・決闘 ネット「光の道」革命(★★★★)

あとブログを始める前に読んだ本なので、
記事では紹介していませんが、
井上篤夫さんの「志高く 孫正義正伝」(★★★★)も好きです。

私自身は、実用的な本が好きだと思っていましたが、
こうして改めて並べてみると、孫さん関連の本については、
人間ドラマとして語られる、ジャーナリストの方が書いた本が
気に入っているようです。

たまに振り返ってみると、意外な自分の好みが分かっていいですね。

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| 仕事論 | 07:03 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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遺伝子はダメなあなたを愛してる

遺伝子はダメなあなたを愛してる
遺伝子はダメなあなたを愛してる
(2012/03/30)
福岡伸一 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

単行本になるのを、今か今かと心待ちにしていました。

福岡伸一さんの軽快なコラムを、今すぐ読みたい。
でも、こんなに面白いから絶対に単行本化されるはずだ。
だったら、単行本で読めるようになるまで待った方がイイかな・・・

こんな葛藤をすること、約1年半。

私の念願が叶って、やっと単行本化されたのが本書。

本書は、朝日新聞出版が発行する週刊「AERA」に、
2010年11月8日号から好評連載中の福岡伸一さんのコラム
「ドリトル先生の憂鬱」をまとめたもの。

読者からの質問に、福岡さんが回答する体裁を取った
非常にウィットに富んだコラムです。

寄せられる質問は、生物学にまったく関係のない
一般的な内容のものも多く含まれています。

それでも、福岡さんはサワリの部分では、
普通の受け答えをするものの、その後、読者を生物学の世界に誘い、
一度、生物学的な見地を示してから、
また最後は私たちの世界に戻って回答をします。

  Q. 「断捨離ブーム」ですが、私はモノを捨てるのが苦手です。
   「片付けられない女」はダメですか?

  A. (導入)断捨離、とは素敵な響きの言葉ですね。
   私たちはいつもモノをため込んでしまいます。
   私が捨てられないものの代表は本です。

ここまでなら、ちょと気軽な人生相談と、
ありがちな回答の導入部分といった感じがします。

しかし、ここからの展開が生物学者の福岡さんならでは。

長いので要約しますが、生物は細胞の中で、
常に新しい細胞を作って、不要になった細胞を
捨て続けていると説明が続きます。

このインプットとアウトプットの速度が一定に保たれている
状態が、福岡さんの代名詞ともなっている「動的平衡」。

生命は運命付けられた崩壊を先延ばしするために、
それが壊される前に、自ら壊し、また作ると。

そして、この片付けられない女性に対しての回答は、
次のように締めくくられています。

  A. (結論)ですから、たとえあなたご自身が片付けられない女で
   あったとしても、私たちの生命はすべて、たえまなく、
   やむことなく、ミクロなレベルで断捨離をし続けているのです。
   それが生きるということです。ご安心ください。

本書には、こういったコラムが約50本掲載されています。

福岡さんのユーモア溢れる文章で、心が和ませられ、
同時に生命が本来持つ偉大さを知り、
何に対しても、もっと大きな見方ができるようなる感じがします。

また、AERAの連載と同様に、挿絵として使われている、
川名和子さんのアニマル・スタンプ
福岡さんの文章と雰囲気がマッチしていて素敵です。

この本から何を活かすか?

福岡さんは、季節が秋にむかい、涼しくなってくると、
ふと思い出す人物がいるそうです。

その人物とは、グレゴリー・ペルマンさんというロシア人数学者です。

ペルマンさんは、数学における世紀の難問「ポアンカレ予想」を
2002年~2003年にかけて発表した論文によって解決した方。

しかし、数学界のノーベル賞とも言われるフィールズ賞も
かかっていた懸賞金100万ドルも辞退した、かなりの変わり者。

そのペルマンさんの唯一の趣味がキノコ狩りだったので、
秋になると、福岡さんは彼のことを思い出すそうです。

福岡さんは、ペルマンさんのことを知りたくて、
マーシャ・ガッセンさんの「完全なる証明」を読んだそうです。

この話し、どこかで聞いた事があると思ったら、
実はこの本、私も読んでいました。

でも、ほとんど内容を忘れている・・・

これを機に、もう一度、ガッセンさんの本を読み返してみます。

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| 科学・生活 | 09:45 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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勝ち続ける意志力

勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
勝ち続ける意志力 (小学館101新書)
(2012/04/02)
梅原 大吾 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

私は、まったくアーケードゲームやTVゲームをやりません。

もっと言うと、「アーケードゲーム」とか「TVゲーム」という
表現が合っているのかさえ分からないレベルで、
今までの人生で、ファミコンもPSもDSもやらずにきました。

それは、今から30年以上前にトラウマとなる体験があったから。

私が小学5年生の時に、「スペース・インベーダー」が世に出ました。

と同時に私の住む北海道の田舎町でもブームになり、
あっと言う間に、ゲームセンターができ、喫茶店にはテーブル型の
インベーダーが設置されるようになりました。

そんなゲーム機が流行りだした初期の頃に、
私はゲームセンターで、人生で初めて「補導」されました。

小学生の私には、かなりインパクトがあった事件で、
それ以来、ゲームセンターに行くこともなく、
世間ではドラクエが流行ろうが、マリオが流行ろうが、
すべて素通りしてきました。

そんな私のことですから、本書の著者である梅原大吾さんが、
世界的に有名な「プロ格闘ゲーマー」であることも、
当然、知りませんでした。

2004年にカリフォルニアで開かれた世界最大のゲーム大会で、
梅原さんが「背水の逆転劇」と呼ばれる、伝説的な戦いを演じ、
その様子が動画サイトで2000万回以上視聴されていることだって、
本書を読むまで、聞いたことがありませんした。

しかし、それほどゲーム音痴の私でも、
本書は本当に読んで良かったと思える一冊でした。

本書はゲームファンならずとも、何かしら得られるものがある
人生訓の詰まった本です。

  「この本では、世界一になる方法、勝負事で勝つ方法、
  さらには僕自身が勝てるようになった過程で学んだことについて
  考察していきたい。
  ゲームという極めて特殊なジャンルで培ったものではあるけれど、
  そこに人が関わり、なおかつ競い合い、勝敗という形で明確な結果が
  出る以上、勝つための努力や思考法は、一般の生活や仕事にも
  応用がきくものであると思う。」

梅原さんは、プロ・ゲーマーになるまで、
何の迷いも不安もなくゲームに打ち込んできたわけではありません。

しかし、その努力は量においても質においても、
スポーツや将棋など他の分野のトッププロにも負けません。

よく言われる「1万時間の法則」にも当てはまりますが、
もともとプロがいなかった、ゲームの世界だからこそ、
メジャースポーツのプロ以上の努力をしています。

そして、梅原さんの努力は、世界一になり、プロになった今でも、
ストイックなまでに続いています。

梅原さんは、勝敗に固執せず、大会での成績にも一喜一憂しません。

ひたすら自分の成長を目的に、自分と向き合いながら
ゲームに打ち込む姿勢は、生き方としてもカッコイイ。

梅原さんを知っている人も、知らない人にも、
本書を読むことを強くオススメしたいです。

この本から何を活かすか?

  「その努力を10年続けられるものなのか?」

一時的な成果だけを得たいなら、
1つのことに、1日10時間以上取り組むことも可能です。

しかし、梅原さんが目指すのは、継続的な成長です。

だから、その努力が10年続けられるかを考えることで、
自分に見合った努力の適量が見えてくるようです。

甘すぎず、厳しすぎない努力の適量。
梅原さんに習って考えてみます。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:20 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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池上彰の「ニュース、そこからですか!?」

池上彰の「ニュース、そこからですか!?」 (文春新書 850)
池上彰の「ニュース、そこからですか!?」 (文春新書 850)
(2012/03/16)
池上 彰 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「2011年1月27日、アメリカの格付け会社スタンダード&プアーズ
  (S&P)が、日本の国債格付けを、それまでの“AA”から
  “AAマイナス”に一段引き下げたと発表しました。
  これについて感想を問われた当時の菅直人首相が、
  “そういうことには疎いので”と答えたのには、愕然とした人も
  多いのではないでしょうか。
  そこで、こういうことに“疎い”人にも理解できるように
  解説することにしましょう。」

これは本書の「格付け会社」の説明の導入です。

本書は池上彰さんが、最新の時事ネタ50項目
について解説する本です。

わかりやすくニュースを解説することに関しては、
池上さんの右に出る者はいないと言われますが、
 本書の「わかりやすさ」には、一定のパターンがあります。

それは、知りたい内容の説明に入る前に、一歩下がって、
その前提になっている定義や背景をしっかり解説していること。

例えば、「尖閣諸島」の問題について知りたいときは、
その問題に登場する「海上保安庁って何?」というところから
解説が始まります。

池上さんは、一般の時事解説がわかりにくい原因は、
常識として説明が飛ばされる「前提」が、
実は多くの人はわかっていないからと考えています。

ですから本書では、問題の背景や名前の由来、
そもそもの用語の定義などから詳しく解説されています。

これが、わかりやすく伝えるひとつのコツなんですね。

池上さんは、本書のタイトルがなぜ、「そこからですか!?」に
なったのかについてまで、「まえがき」で解説しています。

この徹底ぶりがスゴイ。

ちなみに、タイトルの由来は、池上さんが出演していたテレビ番組
「池上彰の学べるニュース」で、共演するタレントさんたちが、
「そこからですか!?」と、あまりにもやさしいレベルから始まる解説に、
ツッコミを入れることが、よくあったからだそうです。

それが、週刊文春のコラム「池上彰のそこからですか!?」になり、
同誌の2010年10月21日号~2011年12月1日号に掲載された
コラムをまとめて、最新情報を加えたものが本書になりました。

本書は新鮮な時事を扱っていますから、
できるだけ早い時期に読んだ方がいいタイプの本です。

もちろん、すべてについて詳しく解説することは無理なので、
さらっとしか説明がないこともあります。

例えばアメリカ保守系の市民運動である「ティーパーティー」に
ついては、「共和党の税金大嫌い派」と一言の説明で終わっています。

メイントピックではないところの説明ですが、
わかりやすく単純化することが、誤解を招く場合もありそうです。

この本から何を活かすか?

  “アラブの春”革命と紛争の「そこからですか!?」

    ・チュニジア  なぜ北アフリカから始まったのか?
    ・リビア  暴れん坊・カダフィ大佐はなぜ「大佐」?
    ・シリア  なぜ欧米はシリアだけ放っておくのか
    ・バーレーン  スンニ派とシーア派どう違うのか?

これは本書、第4章の前半の見出しですが、
このあたりが私の最も苦手なところ。

そもそも、私はどこがチュニジアで、どこがリビアかわかっていません。

理解を深めるために、白地図に国名を書き込みながら、
もう一度、池上さんの解説を読んでみたいと思います。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:50 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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理系の子

理系の子―高校生科学オリンピックの青春
理系の子―高校生科学オリンピックの青春
(2012/03)
ジュディ ダットン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

アメリカでは中高生を対象とする「サイエンス・フェア」が盛んで、
コミュニティごと、州ごとに数多く実施されています。

サイエンス・フェアとは、いわゆる科学の自由研究を競うコンテスト。

なかでも「インテル国際学生科学フェア(ISEF)」は
毎年5月にアメリカの都市で開催される最大級のイベントで、
全米だけでなく50カ国をくだらない国々から、
1500人以上の高校生が集まり、研究成果を競い合います。

これは、まさに高校生版の科学オリンピック。

インテルISEFは、高額の優秀賞や特別賞や奨学金が用意され、
賞金の総額は400万ドル(日本円で3億円)以上にもなります。

もちろん賞金だけでなく、発表される研究も高水準で、
大学院や博士課程の研究を上回る水準の発表もあり、
出場者の5人に1人が、特許を出願しているほどです。

本書は2009年にネヴァダ州リーノーで開催された、
インテルISEFに参加した6名の学生の物語。

著者でジャーナリストのジュディ・ダットンさんは、
インテルISEF2009の会場で、研究の質の高さに圧倒され、
なかでも特に6人の学生に注目しました。

  「わたしはサイエンス・フェアの千五百二人の参加者のなかから、
  特に心を動かされた六人と会い、ひとり一章を割いて
  それぞれの歩みを追った。残り五章は過去の受賞者について
  記したが、そのどれもがサイエンス・フェア関係者のあいだで
  伝説となっているものである。こうした若者たちの功績が
  噂どうりであるか確かめたいという好奇心に駆られ、
  彼らの家や研究室を巡る旅に出た。
  わたしは目にしたものに驚嘆した。」

  ・「核融合炉」を自作した少年テイラーくん
  ・自ら罹った「らい病」の研究をしたエリザベスさん
  ・ホースセラピーで人々の心の傷を癒すキャトリンさん
  ・ストレスで発表当日キレてしまったセイラさん
  ・女優志望で科学嫌いのイザイラさん
  ・第二のビル・ゲイツと呼ばれるフィリップくん

本書に取り上げられた6人は、見事に栄冠を勝ち取った者も、
受賞できなかった者もいます。

しかし、本当に心を動かされるのは、研究の背後にある物語。

それぞれが困難にぶち当たりながらも、
全身全霊をかけて研究に打ち込む姿は、感動を呼びます。

高校生が青春をかけるのは、スポーツや恋愛だけでなく、
科学だってイイと思わせる、素晴らしいドキュメンタリーです。

この本から何を活かすか?

アメリカの学生がスゴイのは分かったけど、
ところで、日本の学生はどうなの?

本書を読むと、まず、このような疑問が浮かびます。

訳者の横山啓明さんによると、インテルISEFには毎年、
日本からも高校生が出場していますが、
本書で取り上げられた2009年の大会では、豚インフルエンザによる
渡航自粛により、日本からの出場者がなかったそうです。

その代わり、本書の巻末には、ISEF2011の地球科学部門で
第三位になった千葉県立千葉高等学校二年の田中里桜さんが、
「サイエンス・フェアが教えてくれたこと」という体験記を
特別寄稿してくれています。

こういう高校生がいる限り、日本の将来も
捨てたもんじゃないと思えますね。

2012年のISEFはペンシルベニア州ピッツバーグで開催予定で、
日本からの出場者も決まっているそうなので、注目したいですね。

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| 科学・生活 | 06:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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