活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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戦略実行

戦略実行
戦略実行
(2012/03/02)
マーク・モーガン(Mark Morgan)、レイモンド・E・レビット(Raymond E.Levitt) 他
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満足度★★★
付箋数:19

  「企業は経営コンサルティングや研修に年間約1000億ドルもの
  費用をかけており、その大半は優れた戦略の創出をねらいとしている。
  ビジネススクールは毎年、野心に燃える戦略家や
  大局的な見方のできる人材を大量に産業界に送り込んでいる。
  だが研究結果によると、効果的に練られた戦略のうち、
  実行に成功するものは10%に満たないという。
  つまり、企業の実質90%程度は絶えず戦略実行に失敗しているわけだ。」

最適な戦略を立てることと、それを正しく実行することの間には、
越えなければならない多くのハードルがあります。

なかでも難しいのが、経営層が立てた戦略を、
現場での業務に落とし込み、全社員がその戦略を理解した上で、
日々の業務に当たることです。

戦略の立て方や、戦略論を説く本は今までも沢山ありました。

しかし、その戦略を実行するまでの過程を
体系的に著した本は、ほとんどありません。

本書は、多くの戦略書が避けて通ってきた、
戦略を実行に移すプロセスに焦点を当てて詳しく解説する、
米国でベストセラーとなった戦略本です。

著者は学術的にも実務的にも実績のある、マーク・モーガンさん、
レイモンド・E・レビットさん、ウィリアム・マレクさんの3人。

本書で示されるのは、立案から結果につなげるための
「INVEST」という6つのフレームワークです。

  I : Ideation(思い)
  N : Nature(風土)
  V : Vision(ビジョン)
  E : Engagement(協働)
  S : Synthesis(統合)
  T : Transition(移行)

事例として登場するのは、トヨタ、IBM、HP、アップル、
サウスウエスト航空、ロッキード、イリジウムなど、
それほど新しいものではなく、類書でもよく見かける企業です。

唯一、ユニークだったのが、6つのフレームワークを
ツール・ド・フランスで7年連続優勝した、
ランス・アームストロングさんとそのチームを例にあげて、
解説していたところでしょうか。

正直に言って、本書は気軽に読めて、
読んでいて楽しいといったタイプの本ではありません。

ある程度の規模の企業経営者や事業戦略策定に携わる管理職が、
見落としがちな実行レベルのでの罠に陥らないために、
真剣に読むべき種類の本です。

各章末には組織の自己診断シートが掲載されていますが、
規模の小さな企業でこれをやっても、あまり意味はなさそうです。

この本から何を活かすか?

本書の日本版が刊行されたのは2012年3月ですが、
いまひとつ出ている事例が新しくないので、
原書「Executing Your Strategy」の刊行年を調べて見ました。

刊行年は2007年11月。

執筆しているのは、それよりも何年も前からですから、
それで本書の内容と符合しました。

ただし、事例は新しくなくとも、本書が示すフレームワークは
数年で使い物にならなくなる類のものではありませんから、
その点は、安心して使えると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 09:41 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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