活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2012年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年05月

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「なぜか人に好かれる人」の11の法則

「なぜか人に好かれる人」の11の法則
「なぜか人に好かれる人」の11の法則
(2012/03/23)
ミシェル・ティリス・レーダーマン 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

誰だって、人に嫌われるより、好かれた方がいい。

でも、人に好かれるために、無理して自分を作ってしまうと、
後からだんだん辛くなります。

居心地が悪く、不安で落ち着かず、大きなストレスを感じます。

そして、不自然なことは決して長く続かず、いずれやってくる破綻。

それでは、好かれるために努力をした甲斐がありません。

  「自然体の自分を見せることが高感度アップの大前提」

このように語るのは、エグゼクティブ・エッセンシャルズの
創業者兼CEOのミシェル・ティリス・レーダーマンさん。

ありのままの自分を出すことが、高感度アップにつながるなら、
精神的にそんなに楽なことはありませんし、大歓迎です。

  「ありのままの自分を出す。それは、本書全体を貫く指針でもある。
  本書を読み進んでいけば、すべての法則に“ありのままの自分”が
  欠かせないことがわかるだろう。
  自然体でいることは、すべての本質であり、これを抜きにして
  高感度を上げることはできない。
  ほんとうの自分こそが最高の自分であり、それこそが人と
  ほんものの関係を築くうえでの最強のツールである。」

もちろん、レーダーマンさんは人から好かれるために、
何の努力も必要ないと言っている訳ではありません。

人の顔色をうかがって、自分を偽ることに努力するのではなく、
もっとストレスのない別のことに、努力の方向を変えることを勧めます。

本書でレーダーマンさんが示すのは、
人によって持っている個性が違っていても、その個性を殺さずに、
高感度を上げることができる11の法則。

  法則1 ありのままの自分を見せよう
  法則2 ポジティブな自己イメージをもとう
  法則3 認識を変えれば、現実も変わる
  法則4 よいエネルギーを伝染させよう
  法則5 好奇心を示せば、会話が広がる
  法則6 「聞き上手」はみんなから好かれる
  法則7 だれとでも類似点を見つけられる
  法則8 ポジティブな「気分の記憶」をつくりだそう
  法則9 自分をアピールすれば親しみを覚えてもらえる
  法則10 自分から率先して「与える」
  法則11 関係が進展しなくても焦らない

本書では、これらの法則を1つずつ詳しく説明し、
ビジネスやプライベートでどう活用し、
人生の局面にどう組み込めばいいかを見ていきます。

本書に登場する事例は、ほとんどがレーダーマンさん自身の経験や、
レーダーマンさんがコーチングしたクライアントの話しです。

事例としては、偏っているのかもしれませんが、
そのぶんリアルで、スッと入ってくる感じがします。

そして本書の最後でも、「11の法則」の有効性について、
自らの体験として、次のように語っています。

  「私のビジネスが順調に成長をとげているのは、
  私が“この本のすべてを実践している”からだ。
  私は、この本にに書かれているとおりに生きている。
  仕事を依頼されたら、すべき仕事以上の働きをする。
  見返りは求めないし、期待もしない。
  そして気づいたときには、強い絆を築いたクライアントから、
  繰り返し、仕事の依頼を受けるようになっていた。」

この本から何を活かすか?

本書では、相手を誤解してしまう原因のひとつに、
コミュニケーションの「型」の違いを挙げています。

コミュニケーション方法には4つの型があり、
自分の型と相手の型を知ることで、
スムーズに意思疎通が図れるようになると。

4つの型の分類は、決断のスピードとその基準によって決まります。

  ストレート型 : 即断・客観的
  ジグザク型 : 即断・主観的
  アングル型 : 熟考・客観的
  サークル型 : 熟考・主観的

本書の練習クイズをやってみると、私は「ストレート型」でした。

今後、初めて会う人とは、相手の型を意識して、
対応を工夫してみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 06:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人を魅了する

人を魅了する 一流の職業人であるための技術
人を魅了する 一流の職業人であるための技術
(2012/03/01)
ガイ・カワサキ 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

米アマゾンで、ベストブックオブ2011に輝いた
話題の本「Enchantment」の邦訳版。

著者のガイ・カワサキさんは、アップル社の
元チーフ・エバンジェリスト。

エバンジェリストとは、いわゆる宣伝・広報を担当する職種で、
最初は外部のソフト会社にマック用のソフト開発を
説得するために用意されたポジションです。

カワサキさんは、アップルに入社する前は、
小さな宝石メーカーで営業を担当してました。

しかし、1983年の夏、当時アップルで働いていた
友人のマイク・ボイチさんに発売前のマッキントッシュを見せられて、
一瞬でそのクールさに魅了され、すぐに転職を決めました。

それは、カワサキさんにとっては、人生で2番目に強く
魅了された出会いでした。(1番目は奥さんとの出会い)

  「“魅了する”とは、人を思いどおりに操作することではない。
  操作以上に、人を動かすことができるものだ。
  “魅了”は人を動かすだけでなく、その場の状況や人間関係をも
  変化させる。敵意が礼儀に、礼儀が親近感に変わる。
  懐疑主義者や皮肉屋が、信奉者になっていくのだ。」

本書には、カワサキさんが持つ「魅了する」ための
あらゆる経験とテクニックが詰め込まれています。

魅了する相手は、「人」です。では、魅了させる主体は何なのか?

それは、人として相手を魅了する場合も、商品やサービスが
人を引きつける場合もあります。

ですから本書では、魅了できる人になる秘訣だけでなく、
魅力ある商品の開発の仕方、宣伝やマーケティングの方法、
プレゼン方法や、テクノロジーを使ったプッシュ技術まで、
広範囲に解説されています。

また最終章では、あなたの利益を第一に考えないアブない人が、
魅了するテクニックを使って、あなたを説得しようしてきたときに、
それに対処する方法も説明されています。

負の魅了に抗う術を知っていれば、自分が魅了する側に立っても、
その技術に磨きがかかるようです。

  「この章を読めば、アップルの製品すら拒めるかも・・・」

巻末には、本書を読んで、どの程度「魅了する技術」を
身につけられたかを測定する「GREATテスト」が掲載されています。

ちなみに、GREATは「ガイのリアルな魅力理解テスト」の頭文字。

本書は写真などもふんだんに使われた、ノリのいい本です。

カワサキさんは、アップルに在籍していたので、
アップル時代のエピソードも紹介されていますが、
スティーブ・ジョブズさんのことにはあまり触れられていません。

ひょっとすると、それほどジョブズさんのことを
快く思っていなかったのではないかと勘繰ってしまいますね。

この本から何を活かすか?

カワサキさんは、モスクワのある会合で講演したときに、
同じ講演者の中に、ヴァージン・グループの会長、
リチャード・ブランソンさんがいたそうです。

講演者控え室で、カワサキさんはブランソンさんに、
ヴァージン航空で旅行したことがあるかと尋ねられました。

この質問に、カワサキさんは、いつもユナイテッド航空を
使っているのでヴァージンには乗ったことがないと答えました。

これを聞いて、ブランソンさんは、どんな行動をとったのか?

驚くべきことに、ブランソンさんは、いきなりひざまずき、
自分の上着でカワサキさんの靴を磨いたそうです。

本書にそのときの写真が掲載されていることからも、
お2人がユーモアをもって、このやり取りをしたことが窺えます。

しかし、ブランソンさんのこの行動が、カワサキさんを魅了し、
ヴァージン航空の生涯の顧客にさせたことは間違いありません。

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| マーケティング・営業 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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レジーム・チェンジ

レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)
レジーム・チェンジ―恐慌を突破する逆転の発想 (NHK出版新書 373)
(2012/03/08)
中野 剛志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

TPP亡国論」が大きな話題を呼んだ気鋭の論客、
中野剛志さんの野心的な一冊。

日本の経済政策へ大転換を迫ります。

本書のタイトルとなっている「レジーム」とは、
政治や経済の「体制」のことを言います。

それでは、中野さんは一体どんなレジームから、
どんなレジームへチェンジすべきと訴えているのでしょうか?

そもそも戦後の日本経済の中で、常に潜在的なリスクとして
認識されていたのは、「インフレ」リスクでした。

従って、過去に何度も「改革」と呼ばれて行われたのは、
インフレを抑制するための、デフレを誘導する政策でした。

小さな政府を目指す新自由主義。そして消費税の増税。

中野さんは、これら過去に日本が行ってきた政策を
「デフレ・レジーム」と呼びます。

しかし、現在の日本経済が停滞する原因は逆にデフレにあり、
今や日本が取り組むべき最優先課題はデフレ脱却になりました。

そして、これからますます少子高齢化が進む日本にとって
本当に必要なのは構造的なインフレです。

ですから、今までの「デフレ・レジーム」から、
デフレを脱しインフレを誘導するための
「インフレ・レジーム」へ経済政策を反転すべきと、
中野さんは強く主張しています。

  「インフレ退治のためにデフレ圧力をかける政策レジーム
  (デフレ・レジーム)とは、過剰な需要を抑制し、
  供給を強化するものになります。
  これに対して、デフレ退治のためにインフレ圧力をかける
  政策レジーム(インフレ・レジーム)とは、需要を増大し、
  過剰な供給を削減するものになるはずです。」

大きな政府、TPPへの不参加、更なる公共投資、国債の発行の増額・・・

本書では、今までの経済の常識では、
異端とも思えるような中野さんの日本改革論が展開さています。

しかし、これらの主張が異端と感じるのは、
私たちが戦後レジームに毒されている証拠。

既存の改革路線で、これだけ長くデフレを脱することができないと、
レジーム・チェンジが必要だという点には非常に説得力があります。

最近は、何冊か共著での中野さんの本を読んでいましたが、
やはり主張がスッキリし、明快なロジックで書かれている
単著の方がいい感じがしますね。

この本から何を活かすか?

そう、いえば「売国奴に告ぐ!」で、中野さんの共著者だった
三橋貴明さんが、経済小説を出していますね。

  ・「コレキヨの恋文

三橋さんが小説を書くって、かなり意外な感じがします。

いつものデータを元にして、理路整然と主張する
三橋さんの著書からは、まったく想像ができません。

興味をそそられるので、こちらも読んでみたいと思います。

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| 経済・行動経済学 | 10:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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複雑で単純な世界

複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測する
複雑で単純な世界: 不確実なできごとを複雑系で予測する
(2011/11/28)
ニール・ジョンソン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

私たちの、日常生活には「複雑系」が溢れています。

例えば、ゴールデンウィークに郊外にオープンしたばかりの
ショッピングモールに、朝から車で出かけるとします。

いったいどのルートを通れば、渋滞に巻き込まれずに行けるのか?

モールを目指す人は、メディアやカーナビの渋滞情報を元に、
込んでいない道を選択します。

しかし、皆が同じ情報を元にルートを選択すると、
結局は渋滞に巻き込まれてしまいます。

モールに着くと、今度は誰もが少しでも店舗に近い所に
車をとめたいと考え、駐車場の争奪戦に。

そして、モールでのお目当てのショップは超人気店。

早く行くとすごい混雑に遭遇し、遅く行くと欲しい商品がなくなります。
今すぐに行くべきか、もう少し後で行くべきか。

更に、昼ごはんを何時に、どの店で食べるかも考えどころ。
過去の経験から、11時ごろにレストランへ向かってみると、
同じことを考えている人が意外に多く、すでに行列になっていた・・・

私たちは、1日の中で何度も、限られた空間をめぐって競争し、
他人の裏をかいて行動しようとします。

しかし、実際には他の人も同じことを考えて行動しています。

これらはすべて「複雑系」。

どの行動が正解なのかは、他人の行動によって決まります。

本書は、私たちの日常とは切り離せない「複雑性科学」を、
一般的な枠組みの中で解説する本です。

著者のニール・ジョンソンさんは、「複雑性科学」研究の第一人者。

本書でジョンソンさんが解説するのは、自らの研究グループが
実際の研究の中で得た知識を元にしています。

ですから、研究に携わっていないサイエンスライターが書く
知識の受け売りではありません。

ただし、本物であるがゆえに、子どもでも読める科学書を
目指した割には、そこまで簡単でないない内容も含まれていますね。

ジョンソンさんが定義する複雑系とは、
次の8つの条件のすべて、ないしは大半を満たしているものです。

  1.相互作用をしている多数のエージェントが競争していること
  2.エージェントはフィードバックの影響を受けていること
  3.エージェントは過去の結果から戦略変更できること
  4.一般には「開いた」系であること
  5.「生きている」ように見える系であること
  6.創発現象が見られ、それが予想外かつ極端になる場合があること
  7.創発現象が全体を制御する中心的な存在なしで生じること
  8.秩序と無秩序の間を、行ったり来たりすること

本書では、交通渋滞や金融市場以外でも、戦争とテロ、恋愛、
癌、情報ネットワーク、自然現象など様々な例が取り上げられ、
複雑系の振舞いが鮮やかに解説されています。

本書は、複雑性科学が、私たちの世界の核心であり、
ビッグサイエンスであることが実感させる質の高い一冊です。

この本から何を活かすか?

株価の予測と天気予報は、いったい何が違うのでしょうか?

天気予報の精度は、科学技術の進歩に伴い、
昔と比べるとずいぶん当たるようになっています。

しかし、株や為替の金融市場の予測は、それほど進歩がありません。

この違いは、フィードバックを含むかどうかによるもの。

天気はいくら予測しても、その結果が実際の天候に影響しません。

一方、金融市場は参加者の予測が、マーケットを動かします。

情報のフィードバックが新たなフィードバックを生み、
この連鎖がどこまでも続く。

つまり、金融市場では完璧な予測モデルができたとしても、
それを全員が使うことによって、フィードバック効果が発生し、
あっという間に完璧な予測モデルではなくなってしまうということです。

そして、創発現象により起こる暴落。

ジョンソンさんによると、金融市場は複雑性科学を前進させる上で、
現実世界でのテストケースとして、重要な役割を演じるそうです。

いいように考えると、私のようなマーケット参加者は、
複雑性科学の発展に貢献しているということですね。

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| 科学・生活 | 06:53 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール

ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール
ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール
(2012/02/22)
サイモン・コンスタブル=著 /ロバート・E・ライト=著/上野泰也=監訳/高橋璃子=訳
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満足度★★★★
付箋数:27

「ウェイトレス美人指数」って、聞いたことがありますか?

  「ウェイトレス美人指数(Vixen Index)は、その名のとおり
  ウェイトレスの美人度を表す指数です。
  地元の食堂や居酒屋で働いているウェイトレスを、
  観察してみてください。
  もしも目の覚めるような美人ばかりであれば、
  景気はかなり暗い状況にあるといえます。」

魅力的な容姿の女性を雇いたい業種は、いくらでもあります。

景気が上向きの時は、そんな美しい女性を雇いたい会社は、
いい給料を払い、彼女たちに華やかでおいしい仕事を用意します。

しかし、景気が悪化してくると、そんな気前のいい会社は少なくなり、
彼女たちは、仕方なく近所の安い飲食店で働くことになるようです。

だから近所の安い店で、目もくらむような美人ウェイトレスを
見かけることが多くなれば、国の経済は危機的状況だと・・・

これは、本書で紹介されていた指標のひとつ、
「ウェイトレス美人指数」についての説明です。

実際のところ、これを本当に数値化するのは難しいですし、
美人かどうかの判定はかなり主観が入ってしまいます。

ですから、半分シャレを含めて、自分だけの経済指標を見つける
という意味で、本書の最後で紹介されていました。

私も個人的には、「一般雑誌の特集」を見て、投資の過熱度を
判断することがあります。

例えば、いつもは投資や経済の記事をあまり扱わない、
主婦をターゲットにした雑誌が、「J-REIT投資」を
特集するようになったら、マーケットはかなり過熱気味で、
そろそろ潮時だと考えます。

でも、雑誌の特集を見てマーケットを読むよりも、
美人ウェイトレスを探して、経済を測る方が楽しそうですね。

さて、本書は主に米国の経済指標の読み方を解説する、
非常に真っ当な本です。

世界の経済を読むことは、その中心である米国経済を読むこと。

そのためには、米国のどんな経済指標に注目し、
その数値の変化で、経済がどう変わるかを知る必要があります。

本書では、50の経済指標が解説されています。

各経済指標には、その指標の「発表時期」、「入手先」、
「注目点」、「意味すること」、「投資アクション」、「リスク評価」、
「リターン評価」の7つが明示されています。

私たちが経済ニュースでよく聞く主要な指標から、
監訳を務めたエコノミストの上野泰成さんでも、
聞いたことがないという指標まで。

その解説は、シンプルですがコラムのように読むことができます。

本書は、投資をしている人や、経済をもっと知りたいと思う人には、
必須のレファレンス本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「クラック・スプレッド」
  石油精製業者の利ざやを示す指標

「クラック」とは、原油を精製する作業のことを意味し、
「スプレッド」は、価格差という意味です。

この指標は、原油1バレル当たりの利益を示します。

データは「The Wall Street Journal Data Center」から。

季節によって変動する指標で、スプレッドが大きいと、
精製事業に関連する企業の利益が大きくなるとのこと。

そして、バルチック原油タンカー指数と組み合わせて、
需要と供給の両方を見るのがポイントのようです。

この指標、私は使ったことはもちろん、
聞いたこともなかったので、詳しく調べてみたいと思います。

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| 投資 | 06:44 | comments:1 | trackbacks:3 | TOP↑

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刑務所なう。

刑務所なう。
刑務所なう。
(2012/03/15)
堀江 貴文 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:14

本書は、実刑を受けた堀江貴文さんの獄中日記。

数ある「獄中記」の中でも、服役中の身でありながら、
その様子を現在進行形で綴った本書は珍しい存在です。

しかし、よく考えてみると、ボールペンで便箋に書いた原稿を、
塀の外の人間がまとめて出版することは、
インターネットやSNSが発展していなかった時代だって、
服役している人は、やろうと思えば出来たはずです。

しかし、実際には誰もやっていなかった。

そんなビジネスになるネタを嗅ぎ分けて、実際に本として
出版するのは、さすが堀江さんといったところでしょうか。

堀江さんの獄中体験は、まず有料メルマガである
堀江貴文のブログでは言えない話」で配信されます。

更に、本としてまとめて出版することで、
二重にも三重にも、その体験がお金を生んでいくことになります。

ちなみに本書は、メルマガ75号~104号の内容をまとめたもの。

堀江さんのファンでも、月840円払ってメルマガを
購読するまでには至らない人がいるはずです。

そういう人にとっては、1000円で500ページを超えるの本書を
購入できるのはお徳かもしれません。

しかし、本書の内容はかなり単調。

刑務所の中の生活を綴っているわけですから、
当たり前といえば当たり前の話です。

最初は非日常的な獄中生活への興味もありますが、
だんだんそれが日常になり、新鮮さは失われます。

その意味で本書を読むと、堀江さんが味わっている
刺激の乏しい塀の中の毎日を、共有することができますね。

刑務所の面白体験だけをサックリ読みたい方は、
本書に挿入されている西アズナブルさんの実録マンガ
「ホリエモンの刑務所入門」だけを読むといいでしょう。

印象的なエピソードは、だいたい網羅されています。

4ページのマンガが全部で10篇入っていますが、
これを読むだけなら、立ち読みでもいいかもしれません。

堀江さんの獄中体験を、ちょっとだけ覗いてみたい
というニーズは十分に満たしてくれるはずです。

また、本書はコンビニ本のような装丁が、
内容とマッチしていて、なかなかいい雰囲気を醸し出しています。

このまま、コンビニに並んでいても、
全く違和感がないと思います。

この本から何を活かすか?

本書の巻末には、堀江さんが刑務所の中で読んだ
本やマンガの書評と映画評が、計150本掲載されています。

中でも映画「ソーシャル・ネットワーク」のコメントが興味深かった。

  「実はパソコンをたたき割られた経験が私にもある。
  マーク・ザッカーバーグほど頭はよくないし、不器用でもないとは思うが、
  そこが私と彼のスケールの違いかもしれない。
  しかし、IT企業で成功するにはあれだけの行動力と
  プログラミングスキルが必要だ。」

また、このリストの中で堀江さんが絶賛していた
本とマンガをいくつか読んでみようと思います。

  ・天地明察(小説)
  ・電波の城(マンガ)
  ・グラゼニ(マンガ)
  ・惡の華(マンガ)
  ・僕はビートルズ(マンガ)

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:45 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか

なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか
なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか
(2012/03/12)
クリスティアン・ヘッセ 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:24

1つのケーキを2人で平和的に分ける方法は、よく知られています。

それは、「1人が切り、もう1人が先に選ぶ」という方法です。

では、A、B、Cの3人で平和的に分けることはできるのでしょうか?

2人で分けるときのように、簡単にはいきませんが、
「分けて・選ぶ」ことだけで、3人でも平和的に分割できるようです。

手順は次の通り。

  1. Aが自分の目から見て同じ大きさになるように、
    ケーキを3つに分け、Bに渡す。
  2. Bはその必要があれば、一番大きく見える一切れを、
    2番目に大きい一切れと同じ大きさになるように切る。
    そのときに出来たケーキの切れ端はひとまず脇へ置き、
    3つのケーキをCに渡す。
  3. Cは自分が一番大きいと思う一切れを取る。
  4. 次にBが選んでよいが、ステップ2でいくらか切り落とした場合には、
    その一切れを取るというのが条件。
    もちろん、既にCがその一切れを取っている場合は別。
  5. Aは最後に残った一切れを取る。

この分割方法を聞いて、本当に公平に分割できるのだろうか?
と考え、更に自分でいろいろと思考をめぐらせる人なら、
本書を十分に楽しむことができます。

ステップ2で、切った切れ端はどうするんだろう?
とか、ステップ1でAが切ったケーキが、1つだけ大きいのではなく、
1つだけ小さく見えた場合、Bはどうすべきか? などなど。

残念ながら、この5ステップの手順を見て、
「うわぁ、面倒くさい」と思った方は本書を手にしない方が無難です。

本書はドイツのシュツゥットガルト大学の数学教授、
クリスティアン・ヘッセさんの数学エッセイ。

  「この本には、さまざまな分野から、さまざまな形で、
  数学および数学的なものを詰め込みました。
  重点テーマを決めたりせずに、手っ取り早く、
  あちこちに分散するテーマの間をさまよう思考を
  コレクションするように、数学と人生から手当たり次第に寄せ集めて。」

ヘッセさんは、ユーモアたっぷりに、
数学とそれ以外の世界の橋渡しをしています。

特に数学の専門的な知識は必要ありません。

あえて言うなら、思考することさえ億劫でなければ、
あなたの知的好奇心を刺激し、
「幸せな気持ち」にしてくれる本です。

この本から何を活かすか?

  「アインシュタインの論理クイズ」

本書には、アルベルト・アインシュタインさんによる
論理クイズが紹介されていました。

アインシュタインさんは、人類の98%はこの問題を解けないと
言っているそうです。

ちょっと長いですが、引用します。

  それぞれ色の違う5軒の家が隣りあって建っている。それそれの家に
  人が住み、住人の国籍はすべて異なる。住人のそれぞれがある飲み物を好み、
  ある銘柄の煙草を吸い、あるペットを飼っている。
  飲み物の種類、煙草の銘柄、ペットの種類はすべて異なる。

    イギリス人は赤い家に住んでいる。
    スウェーデン人は犬を飼っている。
    デンマーク人は紅茶を好む。
    緑の家は白い家の左に建っている。
    緑の家の住人はコーヒーを好む。
    ポールモールを吸う人は鳥を飼っている。
    黄色の家ではダンヒルを吸っている。
    真ん中の家の住人は牛乳を飲む。
    ノルウェー人は1番目の家に住んでいる。
    ブレンドを吸う人は猫を飼っている家の隣に住んでいる。
    馬を飼っている人はダンヒルを吸う人の隣に住んでいる。
    ブルーマスターを吸う人はビールを飲む。
    ドイツ人はプリムを吸う。
    ノルウェー人は青い家の隣に住んでいる。
    ブレンドを吸う人は水を飲む人の隣に住んでいる。

  問い:住人の1人はペットとして熱帯魚を飼っている。それは誰か?

本書にはこの論理クイズの解答がついていないのが、
ウレシイところですね。

5×5のマトリックスを描いて、1つ1つ潰していくのが王道です。

98%の解けない多数はになるか、2%の解ける少数派になるか、
ぜひチャレンジしてみてください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 06:31 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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30ポイントで身につく!「ロジカルシンキング」の技術

30ポイントで身につく!「ロジカルシンキング」の技術
30ポイントで身につく!「ロジカルシンキング」の技術
(2012/03/10)
HRインスティテュート 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

今やロジカルシンキング本は、数多く出版されています。

2012年4月21日現在、Amazonで「ロジカルシンキング」で
検索してみると、338件の検索結果が表示されました。

有名なところでは、定番と呼ばれる、
バーバラ・ミントさんの「考える技術・書く技術」や
照屋華子さんと岡田 恵子さんの「ロジカル・シンキング」、
最近では安宅和人さんの「イシューからはじめよ」などがあります。

がっちりとした定番本もあり、更には続々と新しい本も刊行される
ロジカルシンキングの分野で本を書くとなると、
他の本とどうやって差別化するかが、一番の考えどころです。

野口吉昭さん率いるコンサルティングファーム、
HRインスティテュートのコンサルタント4名によって
書かれた本書は、差別化のポイントを次のように考えました。

  「できる限り、現場で実際にロジカルな人が実践している
  思考や言動や習慣を例にして、頭で理解するだけでなく、
  行動を変えていただけるようにしよう、と考えました。
  それは、私たちHRインスティテュートのメンバーが、
  多くの方と研修する中で、“現場での実践”がなによりも
  大切だからと感じたからです。」

本書は論理的思考のコツを「知って、真似て、繰り返す」ための本。

  Ⅰ ロジカルシンキングとは
  Ⅱ わかりやすさを磨く(論理的な主張を展開する)
  Ⅲ するどさを磨く(論理的に問題を解決する)
  Ⅳ ロジカルシンキングを加速させる力

まず、本書を読んでロジカルシンキングの原理原則を学びます。
そして、本書が手本にしているロジカルな人を真似る。
更に、実践を繰り返すことで、論理的思考の習慣化を目指します。

本書は図解も多く、かなり平易に書かれていますから、
定番本に手を出して、難しいと感じた方には、
丁度いい入門書だと思います。

例えば、ピラミッドストラクチャーの説明でも、
「ロジックを強化するツッコミ」として、
次の5つのシンプルな質問で、ロジックのチェックをするよに
解説されています。

  1. 「何の話や?」
  2. 「で、なんや?」
  3. 「なんでや?」
  4. 「他に理由ないんか?
  5. 「で、それはほんまか?」

これが、定番本だと「So What?」とか「Why So?」と
書かれていますから、それに比べると
ずいぶん親しみやすい感じがしますね。

なかなか身に付けることが難しいロジカルシンキング。

着実にモノにしたいなら、無理せずこのぐらいの本から
スタートするのが無難だと思います。

この本から何を活かすか?

私は、本書を読み終えてから、「考える技術・書く技術」と
ロジカル・シンキング」の2冊を引っ張り出して比べてみました。

はじめは内容を比べるつもりでしたが、
その前に、私の本の使い方が明らかに違うので愕然。

この2冊に私は、かなり線を引いたり、書き込みをしていました。

これらの本を読んだのは、もう10年以上前になりますが、
当時は私も、ずいぶん真剣に本を読んでいたようです。

初心忘れるべからず。

本書をきっかけに、大切なことを思い出すことができました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 08:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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安藤忠雄 仕事をつくる

安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書
安藤忠雄 仕事をつくる―私の履歴書
(2012/03/10)
安藤 忠雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:20

日本を代表する建築家、安藤忠雄さんの半生記。

日本経済新聞の朝刊に2011年3月1日から31日まで連載していた
「私の履歴書」をまとめたものです。

安藤さんは、「独学の建築家」としてメディアで紹介されるため、
「本当に独学なのですか?」と聞かれることも多いそうです。

この質問に、何も好きで独学の道を選んだわけではないと、
そのいきさつを説明しています。

  「家庭の経済的理由と何より学力の問題から大学進学を
  あきらめざるを得なかった私は、独学で建築を学んだ。
  しかし、独学といっても勉強の仕方が分からない。
  京大や阪大の建築科に進んだ友人がいたので相談し、
  教科書を買ってもらった。それをひたすら読んだ。
  彼らが4年間かけて学ぶ量を1年で読もうと無我夢中で取り組んだ。
  朝起きてから寝るまで、ひたすら本に向かった。
  1年間は一歩も外に出ないくらいの覚悟で本を読むと決めて、
  やり遂げた。」

更に、安藤さんは実際に建築の仕事をするようになってからも、
学歴がないので建築士の受験資格を満たさなかったため、
苦労して実務経験を積みながら勉強し、建築士の試験に合格しました。

そして、空き地を見つけると、勝手に空想の建築をデザインし、
所有者が分かれば、自らそのデザインを手に売込みに。

まさに、「仕事をつくる」という考えで行動しています。

ある程度経験を積んでからも、安藤さんはコンペで闘い連戦連敗。

しかし、その連敗を続ける中でも、しつこく挑戦を続け、
不安と緊張感の中でしか得られない、創造力を磨いていったようです。

私が本書の中で印象的だったのは、安藤さんの代表作
「光の教会」を見に、ロックグループU2のボノさんが、
はるばるアイルランドからやってきたときの短いエピソード。

一流の芸術家同士の魂のふれあいが、その場にいた人たちに、
生涯忘れられないような感動を与えます。

  「ボノは遠い国にいても、私の建築を通して私を知っていた。
  私も彼の歌を身近に聴いて、彼の存在のすごさを瞬時に認識した。」

本書は、あまり文字数の多い本ではありませんが、
安藤さんの誇り高き建築家としての姿勢から多くを学べます。

また、本書の中盤には、安藤さんの代表作の写真が、
40ページほど掲載されていています。

これがまた、溜息が出るほど美しい。

この本から何を活かすか?

本書を読んで写真だけでなく、実際にこの目で、
安藤さんの作品を見てみたくなりました。

私の住む北海道で、安藤さん設計の建築物を探してみると、
次の2つがありました。

  ・渡辺淳一文学館(札幌)
  ・水の教会(トマム)

今度ドライブがてら、トマムに行ってみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 10:01 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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必ず結果が出るブログ運営テクニック100

必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える“俺メディア”の極意
必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える“俺メディア”の極意
(2012/03/23)
コグレマサト、するぷ 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

ブログをやっていくうえでの、正しい努力の仕方がわかる本。

  「こんにちは。ブログ『ネタフル』のコグレマサトです。
  ぼくは、ブログからの収入で生活しているプロ・ブロガーです。
  本書では、同じくプロ・ブロガーである『和洋風◎』の
  するぷさんと2人で、ブログのテクニックをたっぷり100本お伝えします。」

お2人とも、ブログの収入で生活している
「プロ・ブロガー」ってところがすごいですね。

私は、コグレさんの「ネタフル」はよく拝見していましたが、
すぷるさんの「和洋風◎」は、本書を読むまで存じ上げませんでした。

コグレさんの「ネタフル」は、iPhone、Macなどデジタル機器、
浦和レッズ、芸能情報などを紹介する国内有数の個人ブログで、
月間150万PVを誇ります。

すぷるさんの「和洋風◎」は、Apple、水樹奈々さん、食べ歩記を
中心に紹介するブログで、月間PVは100万を越えるそうです。

本書では、このアルファブロガーのお2人が、
ブログ運営に関する持てるノウハウを、余すところなく伝えています。

  Chapter1 ソーシャルメディア時代に存在感を増すブログ
  Chapter2 ブログを書き続けるためのスタイルを身につける
  Chapter3 ソーシャルメディアと連携して仲間を増やす
  Chapter4 アフィリエイトでブグから収入を得る
  Chapter5 ブロガーがめざすゴールの形

最近では、ツイッターやFaceBookなどのソーシャルメディアに
注目が集まり、ブログは過去のものと思われがち。

しかし、本書ではソーシャルメディアとブログ、
それぞれの長所を生かし、役割を決めて運営するようススメています。

  「ブログをWeb上の自分の“ホーム”-拠点、中心として、
  それぞれのソーシャルメディアには“出張”するような感覚で
  利用するのです。」

そして、ブログを通じて仲間を増やし、収入を増やすことを目指します。

更には「ブログで食べることは、誰にでも可能か?」という
テーマについても、突っ込んで書かれています。

それによると、プロ・ブロガーにも2タイプあると。

1つは、ブログで情報発信しながら自分ブランドを確立して、
講演や執筆、その他の仕事につなげていく形。

もう1つは、ブログから得られる収入で生活する、
主な仕事が「ブログを書くこと」になる形。

コグレさんも、すぷるさんも後者に当たり、
この場合、1本1本に時間をかけて内容の濃い記事を書くよりも、
軽く短い記事を量産する方が、マネタイズしやすいそうです。

実際、そこまでブログの収益化を真剣に考えていない人にとっても、
本書はネタの集め方や、効率的な運用の仕方など、
様々なTipsが満載されていますから、読む価値は十分にあります。

私のような超ズボラなブロガーでも、
ちょっとブログを変えてみようという気になりました。

この本から何を活かすか?

  「ブログエディターを利用して、記事の執筆や管理を効率化する」

  「ブログエディターとは、ブログの記事作成や記事の管理を
  行うアプリです。ブログの記事作成や管理は、ブラウザーから
  ブログの管理画面で行うものだと思っている人が多いでしょうが、
  いちどブログエディターを利用して便利さを知ってしまうと、
  ブラウザーでの作業には戻りにくくなります。」

私は、いつもテキストエディタでブログの下書きをしていますが、
ブログエディターというのも使ってみたいですね。

本書で紹介されていたのは、次の2つです。

  ・Mac用 「MarsEdit
  ・Windows用 「Zoundry Raven

ただし、国内のブログサービスには公式には対応していないようです。

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| ノウハウ本 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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動きたくて眠れなくなる。

動きたくて眠れなくなる。 (Sanctuary books)
動きたくて眠れなくなる。 (Sanctuary books)
(2012/04/10)
池田貴将 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

サンクチュアリ出版の高山さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

世の中には、「行動力」のある人と、ない人がいます。

できれば、誰だって行動力のある人になりたい。

それでは、行動力のある人は、行動力のない人に比べ、
一体何が違うのでしょうか?

例えばダイエット。

「最近太ってきたから、そろそろダイエットしなきゃ」
と考えたとします。

しかし、いくら冷静にダイエットすべき理由を考えていても、
いざ美味しそうなケーキを目の前にすると、
「食べたい」という「感情」が優先して、食べてしまいます。

結局、その繰り返しで、考えていた行動は起こせず、
自分の意志の弱さに辟易してしまう。

ここで注目すべきは、ケーキを食べるという
自分の意思と反対の行動が起こってしまったのは、
「感情」が原因であるということです。

つまり、人の行動を支配しているのは「感情」。

行動力のある人とは、行動したくない感情と、行動したい感情を
うまくコントロールできる人なのです。

本書が示すのは、自分の感情を自在にコントロールして
ラクに結果を出す方法。

著者は、世界NO.1コーチのアンソニー・ロビンズさん
直伝のトレーナーである池田貴将さんです。

池田さんは、方法さえつかんでしまえば、
誰でも自分の感情を意のままに操れることができると言います。

  「この本は、専門家たちが解き明かしてきた“感情の法則”
  の中から、実生活の中で使えそうなものを選りすぐって、
  わかりやすくまとめたものだ。」

紹介されているのは、感情をコントロールするための
29のメソッドです。

まず、本書のメソッドは、自分の感情を全面的に
受け入れるところから始まります。

私たちは、自分の感情に「背中を押してくれる」良い感情と、
「足を引っ張る」悪い感情があると考えがちです。

しかし、池田さんは言います。

  「無駄な感情なんて一つもない。
  いますぐ“自分を邪魔する感情がある”
  という考えは捨てた方がいい。」

嫌な感情を無理に押し殺そうとすると、
逆にその感情はどんどん膨らんできます。

だから、まずは自分の感情を肯定的に受け入れて、
そこに持たせる意味を変えるようです。

本書は、イラストや図解も多く非常に分かり易く書かれている
セルフマネジメントの本です。

なにより良いのは、読んでいるうちに「やってみたい」
という感情が、自然と湧き出てくることでしょうか。

この本から何を活かすか?

  「価値観はさらに“手段価値”と“目的価値”の
  二種類に分けることができる」

お金、時間、旅行、恋人、いい家、家電製品・・・

これらのモノは、「手段価値」で、それを手に入れたからといって、
本当に望むものが得られるとは限らないようです。

欲しかったモノを手に入れると、急にそれまでの高揚感が
なくなってしまうのは、そのせいでしょうか。

安心感、ワクワク感、ストレスからの解放、ステイタス感・・・

これらは「目的価値」で、本当に手に入れると
満足することができる「感情」だと池田さんは解説します。

だから行動を起こす前に、手段価値と目的価値をしっかり区別して、
自分の手に入れたい「感情」を見極める。

そして、どうすればその「感情」を手に入れることができるかを
考えることが大切のようです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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戦略実行

戦略実行
戦略実行
(2012/03/02)
マーク・モーガン(Mark Morgan)、レイモンド・E・レビット(Raymond E.Levitt) 他
商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「企業は経営コンサルティングや研修に年間約1000億ドルもの
  費用をかけており、その大半は優れた戦略の創出をねらいとしている。
  ビジネススクールは毎年、野心に燃える戦略家や
  大局的な見方のできる人材を大量に産業界に送り込んでいる。
  だが研究結果によると、効果的に練られた戦略のうち、
  実行に成功するものは10%に満たないという。
  つまり、企業の実質90%程度は絶えず戦略実行に失敗しているわけだ。」

最適な戦略を立てることと、それを正しく実行することの間には、
越えなければならない多くのハードルがあります。

なかでも難しいのが、経営層が立てた戦略を、
現場での業務に落とし込み、全社員がその戦略を理解した上で、
日々の業務に当たることです。

戦略の立て方や、戦略論を説く本は今までも沢山ありました。

しかし、その戦略を実行するまでの過程を
体系的に著した本は、ほとんどありません。

本書は、多くの戦略書が避けて通ってきた、
戦略を実行に移すプロセスに焦点を当てて詳しく解説する、
米国でベストセラーとなった戦略本です。

著者は学術的にも実務的にも実績のある、マーク・モーガンさん、
レイモンド・E・レビットさん、ウィリアム・マレクさんの3人。

本書で示されるのは、立案から結果につなげるための
「INVEST」という6つのフレームワークです。

  I : Ideation(思い)
  N : Nature(風土)
  V : Vision(ビジョン)
  E : Engagement(協働)
  S : Synthesis(統合)
  T : Transition(移行)

事例として登場するのは、トヨタ、IBM、HP、アップル、
サウスウエスト航空、ロッキード、イリジウムなど、
それほど新しいものではなく、類書でもよく見かける企業です。

唯一、ユニークだったのが、6つのフレームワークを
ツール・ド・フランスで7年連続優勝した、
ランス・アームストロングさんとそのチームを例にあげて、
解説していたところでしょうか。

正直に言って、本書は気軽に読めて、
読んでいて楽しいといったタイプの本ではありません。

ある程度の規模の企業経営者や事業戦略策定に携わる管理職が、
見落としがちな実行レベルのでの罠に陥らないために、
真剣に読むべき種類の本です。

各章末には組織の自己診断シートが掲載されていますが、
規模の小さな企業でこれをやっても、あまり意味はなさそうです。

この本から何を活かすか?

本書の日本版が刊行されたのは2012年3月ですが、
いまひとつ出ている事例が新しくないので、
原書「Executing Your Strategy」の刊行年を調べて見ました。

刊行年は2007年11月。

執筆しているのは、それよりも何年も前からですから、
それで本書の内容と符合しました。

ただし、事例は新しくなくとも、本書が示すフレームワークは
数年で使い物にならなくなる類のものではありませんから、
その点は、安心して使えると思います。

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| 経営・戦略 | 09:41 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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解決する脳の力

解決する脳の力  無理難題の解決原理と80の方法 (角川oneテーマ)
解決する脳の力 無理難題の解決原理と80の方法 (角川oneテーマ)
(2012/03/10)
林 成之 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

私たちは、嫌いなことより、好きなことの方が、
脳が力を発揮できることを経験的に知っています。

ならば、何でも好きになってしまえばイイ。
興味を持てば、思考力も記憶力もフルに発揮できる。

とは言うものの、現実はそんなに簡単にいきません。

いくら好きになった方がイイとわかっていても、
嫌いなものは、やっぱり嫌い。

そもそも苦手なことに、興味を持つこと自体がムリ。

  「実は、脳の仕組みや脳が持つ本能に立ち返って考えれば、
  このような問題にも対処は可能です。」

このように話すのは、「脳に悪い7つの習慣」などの
著書で知られる脳神経外科医の林成之さん。

例えば、脳は興味を持つことで理解力や思考力を高めるだけでなく、
理解し思考することで興味を抱かせる、逆の仕組みも持ちます。

ですから、苦手な「仕事」の場合、
まずは簡単にできるところから手をつけるのが正解。

絶対にクリアできるところまで目標を下げて取り組む。

仕事の性質上、レベルを落とすことが無理な場合、
目先の作業の順番を変えるだけでも効果はあるようです。

また、苦手な「人」の場合、
相手のやることも言うこともすべて嫌いになってしまいます。

これは、脳の持つ「統一・一貫性」の本能が働いているから。

脳は、整ったものや同じものを好ましく感じるため、
自分と異質な人や、異なる意見の人を本能的に嫌ってしまいます。

こんな時は、「統一・一貫性」の本能の反応を外すこと考えます。

具体的には、「2人以上の」「別の立場の人から」
異なる意見を聞くことがポイントのようです。

そして、苦手な人と話すときは、
相手の言葉を繰り返し使ってコミュニケーションすることを心がけます。

例えば、嫌いな上司から「こんなものはダメだ」と言われたら、
「これはダメなんですね」とオウム返しで答えます。

こうすることで、相手の脳にはあなたの言葉が受け入れられ、
あなた自身にも、相手の気持ちを受け止める準備ができるとのこと。

まずは、相手に同意を示し、機械的に言葉を繰り返すだけでも
効果があるようです。

この方法は、認知症の人と介護する人が、コミュニケーションする
方法としても有効であることがわかっているそうです。

本書では、日常生活で直面する様々な問題を取り上げながら、
脳の仕組みに基づいた、結果を出すための解決法が示されています。

取り上げられているトピックは全部で80項目。

けっこう具体的な解決策が示されていますので、
自分で頑張っているつもりなのに、なかなか結果が出ない人には、
そこから抜け出すヒントになる本だと思います。

この本から何を活かすか?

私は、何をやるにしても、もうすぐゴールだと感じると、
とたんに集中力が落ちてしまいます。

これは、誰にでもある現象で、「そろそろゴールだ」と
感じた瞬間から脳の血流が落ち、持てる力を発揮できなくなることが、
林さんの行った実験でも確認されています。

林さんは、競泳の北島康介選手らに脳科学的な側面から
アドバイスを行った際には、この問題を克服するために、
ゴールをゴールと思わない工夫をしたそうです。

それは、ラスト10メートルを「マイ・ゾーン」と考える方法。

マイ・ゾーンに入ったら、もうすぐゴールだと考えるのではなく、
逆に、ここからぶっちぎりで引き離す自分の勝負ゾーンと考えることで、
最後の瞬間まで全力投球できるよう指導したそうです。

私も、ゴール近くで集中力が落ちそうになったら、
「ここからがマイ・ゾーン」と声に出し、気持ちを切替えたいと思います。

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| | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ノマドライフ

ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと
ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと
(2012/03/16)
本田直之 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「わたしは、ノマドというのは単なる“場所にとらわれない働き方”
  ではない、とも考えています。」

そう、本書のテーマは「ノマドワーク」ではなく「ノマドライフ」。

少し前まで、日本とハワイでの「デュアルライフ」を送っていた
本田直之さんは、ここ1年で「ノマドライフ」に進化たようです。

2011年に本田さんが生活した国の割合は、
「ハワイ:日本:その他の国=6:4:2」とのこと。

トータルで10割を超えるのが、本田さんらしいところでしょうか。

本書で本田さんが語るのは、ノマドとしての生き方。

「ノマドライフ」は次のように定義されています。

  「仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られる
  ノマドビジネスを構築し、2ヶ所以上を移動しながら、
  快適な場所で生活することで、クリエイティビティや効率性、
  思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。」

そして、ノマドライフは誰にでも実践でき、
続けていくとライフスタイルそのものがコンテンツになり、
収入も上がっていくといいます。

これだけ聞くと、本当にそんなことができるの?
と思いがちですが、本田さんが語るの夢物語ではありません。

  「誰にでもできるといっても、ノマドライフは、
  今すぐにできるわけではありません。」

本田さんが示すのは、本当にノマドライフを実践するための道しるべ。

しっかりと足元を固め、まずは本業一筋から、デュアルワークへ。
さらにマルチワークをこなしつつ、生活の拠点を2ヶ所以上へ移す。
徐々に段階を経て、ノマドライフを実現します。

実際に本田さん自身も、6つのフェーズを経て、
合計で約20年かけて現在のノマドライフに移行したようです。

ノマドライフの実践者ということでは、本田さんよりも
私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明」の
高城剛さんの方が一歩進んでいます。

しかし、これからノマドライフを目指す人にとっては、
著書によってその進化の過程が見える本田さんの方が
参考にしやすいと思います。

さらに、ノマドライフには、何年もかけて計画的に移行しますから、
本書では、それまでにできる5つの分野のトレーニング
(仕事、お金、暮らし、時間、思考)が紹介されているのもいいですね。

ジョージ・クルーニーさん主演の「マイレージ、マイライフ」
という映画があります。

この映画の主人公、ライアン・ビンガムは、
「バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない」
というポリシーで、講演会まで行っていましたが、
人との出会いで、徐々にその考えが変わっていきました。

個人的には、本田さんや高城さんが何歳までノマドでいられるのか、
そしてノマドの先には何があるのかにも注目したいと思います。

この本から何を活かすか?

  「アフォーダブル・ロケーション」

これは本田さんの造語で、地方に住みながら
都心の仕事をすることをいいます。

収入は都心並みに高く、生活費は地方並みに安いことで、
可処分所得を増やせるメリットがあるようです。

ちなみに、アフォーダブル(affordable)とは、
入手可能なとか、手頃なという意味。

もともと、気にしないで買える価格のことを
アフォーダブル・プライスなんて使い方をしますよね。

これから地方在住者の方は、
「アフォーダブル・ライフを実践しています」なんていうと、
カッコいいのかもしれません。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ

IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
(2012/02/17)
冨山和彦、経営共創基盤 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

  「企業も生命体としていき続けていくためには、定期健診を受けて、
  予防したり、潜在的なリスクを回避したりしなければいけない。
  そこで何か異常が見つかれば、さらに精密検査を行ない、
  個別の治療方針、予防方針を立て、実行しなくてはならない。
  前者に当たるのが四半期決算や定常的な経営モニタリングであり、
  後者に当たるのがまさに本書のテーマである
  “リアル経営分析”である。」

本書は冨山和彦さんとIGPI(経営共創基盤)のメンバーによる共著。

会社が生きるか死ぬかの修羅場の中で培ってきた、
真剣勝負のリアルな経営分析の方法を公開します。

それは巷に溢れる経営分析の本にあるような、
どんな企業も十把一からげにして、決算書のテンプレートを
埋めてい終わりにするものではありません。

テンプレートを埋めて、わかった気になって判断を下すと、
大きな間違いをする可能性があると冨山さんは指摘します。

例えば、資生堂、花王、ノエビア、ファンケルの4社。

一般的には化粧品メーカーという括りでと考えられます。

しかし、一見、同類のように見えるこの4社も、
事業モデルが異なるため、利益率や回転率といった
よくある財務的な指標で一律に評価することはできません。

資生堂は、デパートなどの店舗で美容部員が
対面販売を主とする、中高価格製品を販売する制度品メーカー。

花王は、スーパーや薬局の棚からお客がセルフで買う
中低価格製品中心の一般品メーカー。

ノエビアは広告費はあまりかけず訪問販売員を
組織的に動かす訪販メーカー。

そして、ファンケルはコールセンター部隊が大きな通販化粧品会社。

このように事業モデルがまったく違う4社では、
TVコマーシャルを打つ意味合いも、まったく違ってきます。

販管費、人件費、広告宣伝費の売上高に対する割合も大きく違います。

ですから、化粧品メーカーでも、同じ括りで経営分析するのではなく、
それぞれの会社が実際に何をやっているのかを理解し、
想像力を働かせ、数字の裏を読み解く必要があるのです。

ですから、本書では、資本回転率とは何か、
インタレストカバレッジはどう計算するのか、
固変分析をどうやるのか、といった話しは出てきません。

あくまで、定期診断で何かしらの異常値が出てきた後の、
個別具体的な精密検査を行ない、最終診断を出すための
ノウハウを本書では解説しています。

  問い

  適用すべき経営分析手法の観点から、次の4つのビジネスを
  2つのグループに分けるとするとどんな組み合わせになるか?
  それはどんな観点から分けられるか?

    1.携帯電話(通信サービス)
    2.携帯ショップ
    3.生命保険
    4.保険ブローカー

これは、本書の「はじめに」で冨山さんが出題していたクイズです。

本書を読むと、このような問いを考える切り口がつめます。

この本から何を活かすか?

  「一般によく使われる財務指標による経営分析は、
  株式投資のための分析方法に近い。財務指標というのは、
  個別に見ればかなり違うはずの各企業を同じ土俵に載せて、
  同じ指標で手っ取り早く比較するためにある。」

このように冨山さんは、本書のリアル経営分析を
投資のための分析と異なると説明します。

しかし、本書の手法は投資のためにも使えます。

なぜなら、株式投資でも、
銘柄を選ぶためのスクリーニングをした後には、
身銭を切って投資するという決断が必要だからです。

本書の最終診断のためのノウハウは使えます。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 06:50 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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予測力

予測力 「最初の2秒」で優位に立つ!
予測力 「最初の2秒」で優位に立つ!
(2012/03/07)
ケビン・メイニー、ヴィヴェック・ラナディヴェ 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)で
最も偉大なホッケー選手、「グレート・ワン」と言われた
ウェイン・グレツキーさんをご存知でしょうか?

彼は、身長180センチで体重77キロでした。

屈強な大男が揃うNHL選手の中では、かなり小柄。

そして、持久力、筋力、反射神経、柔軟性などの体力測定でも、
他のチームメートと比べて、平凡な値しか出なかったと言います。

しかし、グレツキーさんはアイスホッケーのスコア記録を総なめにし、
現役時代は史上最高のプレーヤーと称されました。

なぜ、月並みな身体能力しか持たなかったグレツキーさんが、
最も偉大なホッケー選手となり得たのか?

その秘密が、グレツキーさんの「予測力」。

グレツキーさんは、リンク上の次の展開を読み、
他のプレーヤーの2秒先に行動を起こすことができました。

つまり、パックのある場所へ滑るのではなく、
パックが向かうはずの場所へと滑り込んでいたのです。

このグレツキーさんの「予測脳」の秘密に迫り、
脳とコンピュータの違いをリポートするのが本書です。

  「科学的な視点に立った場合、グレツキーの脳内では
  何が起きているのだろうか? たとえば、百貨店の経営に
  役立つような教訓を、彼から引き出すことはできるのだろうか?」

著者は「トレードオフ」がベストセラーになったケビン・メイニーさんと、
ティブコ・ソフトウェアのCEOのヴィヴェック・ラナディヴェさん。

お2人は、脳とテクノロジーの関係を調べ、
「予測力」を磨くことが、可能であるかを考察します。

スポーツ以外の分野でも、先を読めると成功者になれます。

例えば、企業の経営。
CEOの予測力の有無が、企業の運命を決めます。

何年も先を読めなくてもいい。
常に他の企業より一歩だけ早く、パックの向かう場所へ
たどり着くことができれば、利益をもたらすことができるのです。

そして、金融市場においては、「最初の2秒」がもたらす優位は、
更に絶大な力になりますね。

他人よりわずかに早く、わずかに正確に予測すること。

それが成功への秘訣です。

残念ながら、本書ではその「予測力」は何歳になっても
磨くことはできるといいつつも、その明確な方法については
言及していません。

ですからノウハウ本として読むと、ちょっと期待はずれに
感じるかもしれません。

しかし、本書は各分野の成功者の予測脳の秘密を探り、
脳に迫る予測モデルの可能性をリポートするなど、
なかなか興味深い、好奇心をそそる本でした。

この本から何を活かすか?

  「科学者たちは、脳に倣ってコンピュータに人間のような知性を
  持たせようと熱心に取り組んではいる。
  ただし、この探求をめぐっては興味深いことが起きている。
  神経科学者が脳について知れば知るほど、その模倣は想像以上に
  複雑で難しいとわかってくるのだ。そしてコンピュータ科学者が
  コンピュータを脳に近づけようとすればするほど、
  それがいかに気の遠くなるような仕事であるかが見えてくる。」

映画「ターミネーター」の設定にあるような、
コンピュータが人智を超えて、人間の存在を脅かすことは、
そう簡単に実現しないようです。

ならば、それだけ素晴らしい能力を秘めた人間の脳を
少しでも使わない手はないということですね。

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| 科学・生活 | 08:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本人には何が欠けているのか

日本人には何が欠けているのか タダより高いものはない
日本人には何が欠けているのか タダより高いものはない
(2012/04/04)
山本七平 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:15

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  「企業も、また他の組織も、老化していずれは倒壊する。
  倒壊するものを無理やり存続させる必要なない。(中略)
  倒産は会社の危機ではなく、老化組織を無理やり存続させることが
  社会の危機なのである。いまの日本に必要なのは
  産業保護法ではなく、“老化企業倒産促進法”であろう。
  その対象にはもちろん、“親方日の丸企業”も入る。」

ここで言われている「いまの日本」とは、昭和50年頃の日本を指します。

本書は山本七平さんが、「週刊文春」に1974年8月5日号から
1976年9月30日号まで連載した時評の中から32編をまとめたもの。

時は、日本がバブル経済になる10年以上も前。
デフレではなく、インフレが心配されていた時代です。

田中角栄さんが、ロッキード事件で首相を退陣した当時のコラムです。

土光臨調で親方日の丸企業の、三公社(国鉄・専売公社・電電公社)
の民営化が提言されたのが1981年のことですから、
それに5年以上先んじて、山本さんは言及していてことになりますね。

そして、山本さんの指摘とは逆のことを日本は行ってきました。

競争に晒されないように特定の産業を保護し、
老化企業がゾンビになっても存続させ、新陳代謝を拒んできました。

そういった根本的な問題を何十年も、蔑ろにしてきたことが、
現在の日本の閉塞感につながっているのかもしれません。

  ・いま日本社会に何が必要か? → 「民力の休養」「社会の養生」
  ・企業のあり方は? → 「老化企業倒産促進法」を!
  ・教育の根本問題は? → 教育とは「切り捨て」なり!?
  ・税金問題は? → 間接税的収奪を洗い出して排除する!
  ・エネルギー問題は? → 「ノーモア・石油ポツダム宣言」
  ・大組織の行方は? → 都庁「閉鎖解体」論

山本さんの、こういった言及は、あまりにも先を見通しすぎて、
当時の人には理解できなかった可能性もあります。

しかし、私たちが今後の日本再生の方法を探るなら、
問題の根本までさかのぼり、知の巨人と呼ばれた山本さんが、
昭和50年頃の当時、何を感じ、世の中をどのように変える
提言をしていたのかを知ることが、ヒントになるかもしれません。

40年近くたって、日本の何が改善されて、何が悪化したのか。

今一度、日本社会と日本人のあり方を考えさせられる本です。

この本から何を活かすか?

さくら舎さんが、山本七平さんの本を刊行するのは本書が2冊目。

最初は、なぜ今頃、山本さんなの? という疑問もありましたが、
実際に読んでみると、大局的な視点でものごとを見る大切さを実感。

前作を読んだときに、山本さんの代表作「日本人とユダヤ人」を
読もうと思いましたが、ころっと忘れていました。

今週末、図書館で読んでみます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グーグル ネット覇者の真実

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ
(2011/12/16)
スティーブン・レヴィ 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

大ベストセラーになったウォルター・アイザックソンさんの
スティーブ・ジョブズ I」が、スティーブ・ジョブズさんに
認められた公式本なら、本書はグーグルに認められた公式本。

質もボリュームもアイザックソンさんの本に、
一歩も引けをとらない水準です。

著者のスティーブン・レヴィさんは、グーグルに初めて
インサイダーとして取材されることが許されたジャーナリスト。

そのため、現役のグーグラーと元グーグラー、
更に過去に何らかの形でグーグルに関った人たちに
200回以上行われたインタビューを基に、本書は執筆されています。

もちろん、サーゲイ・ブリンさん、ラリー・ペイジさん、
エリック・シュミットさんに対しても長時間のインタビューを実施。

そして、グーグル社員と行動を共にし、開発中の作業をのぞき見、
重要な会議にも立ち会って取材を行っていますから、
本書の持つ臨場感は、他に類を見ません。

  「私のインサイダーとしての視点は、グーグルの二つのブラックボックス
  -検索エンジンと広告システム-を開けるカギとなり、
  これまで知られていなかった多くの事実を明らかにすることができた。
  (中略)本書では、これらがどのように開発され、発展し、
  どう機能しているかについて初めて全容を明らかにする。」

  プロローグ Googleを「検索」する
  第1章 グーグルが定義する世界
  第2章 グーグル経済学
  第3章 邪悪になるな
  第4章 グーグルのクラウドビジネス
  第5章 未知の世界への挑戦
  第6章 谷歌
  第7章 グーグルの政治学
  エピローグ 追われる立場から追う立場へ

本書の読みどころの一つは、現場での生々しい描写です。

そんなところまで書いて大丈夫なのか?と思わせるほど、
今まで見ることのできなかったリアルなグーグルのドキュメント。

また、私が本書を読む前に気になっていたのが、
今のグーグルは邪悪になったのか?という点と、
フェイスブックを追う立場になったグーグルの焦燥についてでした。

ただし、これらはいずれも後半の章のテーマなので、
そこに到達するまでの道のりは遠かった。

全632ページの本なので、普通の本2冊ぐらいの分量を読んで、
やっとのこと読みたかったパートに辿り着きました。

問題なのは、ちょっと読んだら読み飛ばそうと思っても、
次から次へと面白く、スリリングなエピソードが登場するため、
読み飛ばすことさえもできないこと。

そして、エピローグではグーグルから、フェイスブックへ
転職したジャスティン・ローゼンスタインさんの
元同僚に宛てた、次のようなメールも紹介されています。

  「フェイスブックは本当に“あの会社”だった。
  どの会社かって? あの会社だよ。
  何十年かに一度出るか出ないかというあの会社。
  昨日のグーグル、はるか昔のマイクロソフトがそうだった。
  (中略)その会社が約束の地に向かって突き進んでいることを
  誰かに教えてもらったにもかかわらず時流に乗り遅れれば、
  3年後には必ず後悔する-そんな会社だ。」

レヴィさん自身も、グーグルとフェイスブックの酷似性を
指摘しています。

このまま終わるグーグルではありませんから、
新しい覇者であるフェイスブックとの本当の争いは、
まだまだこれからだと思います。

この本から何を活かすか?

グーグルのブリンさんとペイジさん、アマゾンのジェフ・ベゾスさん、
そして、現代経営学の父、ピーター・ドラッカーさん。

この4人の共通点が、何かわかりますか?

それは、幼少時代に受けた教育方法です。

4人は、いずれも「モンテッソーリ教育」を受けています。

モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師、
マリア・モンテッソーリさんによって考案された教育法。

子ども一人ひとりが、興味を持ったことに対し、
とことん追求できるような自発性を重んじる教育法です。

本書には、たびたびモンテッソーリ教育についての
指摘も出てきますから、小さなお子さんを持ち、
どんな教育法がいいか考えている人にも、
参考になるかもしれません。

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| IT・ネット | 06:54 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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その話し方では軽すぎます!

その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』
その話し方では軽すぎます!  エグゼクティブが鍛えている『人前で話す技法』
(2012/03/07)
矢野香 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

あなたは、人前で話をするとき、「瞬きの回数」は多い方ですか?
それとも少ない方ですか?

瞬きのなどの体の動きは、話し手の印象に大きく影響します。
動きの回数が多くなり、小刻みに動くほど、軽い印象を与えてしまう。

ある実験によると、瞬きの回数は、
その職業によっても、与える印象が違うようです。

瞬きが多いと、一番印象を悪くするのが政治家。

逆に、瞬きが多いと高感度を持たれる職業もあるそうです。

それは、お笑い芸人。

  「あなたが他人に与えたい印象は政治家に近いですか。
  そえともお笑い芸人に近いですか。
  瞬きを多くすべきか、少なくすべきか。
  その答えは、この結果をもとにご自身で選んでください。」

本書の著者は、現役アナウンサーの矢野香さん。

矢野さんが本書で伝えるのは、
伝えたいことの本質が正しく伝わるように、
余分な言葉や誤解される話しグセを取り除くこと。

それは、付け足すノウハウではなく、余分なものを手放す手法です。

大切なのは、与えたい印象と話し方を一致させること。

なぜなら、話し方が軽いなどと問題になるのは、
話し手の社会的肩書とその話し方の印象に
ギャップがあることが原因だからです。

本書では、最初に自分の強調したい印象を一つに
絞ることから始まります。

相手に与えたい印象は、「親しみやすさ」なのか、「活動性」なのか、
それとも「社会的望ましさ」なのか。

例えば、「親しみやすさ」を狙う人は、やや高めの声で、ゆっくり話す。
「社会的望ましさ」を狙う人は、反対に低めの声で、ゆっくりと話す。

矢野さんが、本書で指南するのは、話し方だけではなく、
話し手の外見や仕草を含めたトータルのイメージ改善です。

そこには、話し方のプロとしての徹底したこだわりが感じられます。

  「私の場合、ホームページやブログに載せる写真を撮影したら、
  この写真を使っている間は髪型を変えません。
  写真を見てくださった方が、生放送の番組をご覧になったときに、
  髪型が違うことで誰だかわからない、という状況を避けたいからです。
  また、講演会などでお呼びいただいた場合、
  チラシに掲載した写真と同じ服、または同じ色の似たような服で、
  当日も登場するようにしています。」

私は、実際に、ネット上で矢野さんの写真を検索しましたが、
そこで見た写真は、見事にイメージが統一されていました。

ちょっと、失礼なことを言わせていただくと、
矢野さんの外見は、誰もが目を引くような美人でもなく、
思わず見入ってしまうようなセクシーさもありません。

それほど目立たない、平凡な容姿だと思います。

しかし、このように徹底して「アナウンサー矢野香」としての
イメージを作っていますから、一度、矢野さんを見たことがある人なら、
次に見かけても、すぐにそれが矢野さんだと認識できるでしょう。

これこそ、本当のプロですね。

この本から何を活かすか?

  「緊張対策の手を重ねる動作」

人は緊張すると、その居心地の悪さから逃れるために、
無意識で何かの動作をしてしまうことがあります。

これを心理学では「転移活動」と呼ぶようです。

貧乏ゆすりをしたり、頭をかいたり、身体の一部をさわったり。

これらの動作は、いずれも見苦しさを与えてしまいます。

しかし、無意識であるがゆえに、なかなかやめるのが難しい。

そこで、矢野さんがすすめるのが、別の動作を意識的に行うことで、
見苦しい動作を消してしまうこと。

具体的には、「手を重ねる」動作を意識して行います。
イメージは、お辞儀の時に自然に身体の前で手を組む動作。

  「ここでのポイントは、指をクロスして組むということです。
  まず、両手の親指を第一関節から曲げてからませてください。
  その親指を隠すように、上から手のひらを右、左と重ね
  包み込むのです。
  そして、からませた親指にグッと力を入れてください。」

これ、使えそうですね。覚えておきます。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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お金の正しい守り方

お金の正しい守り方 (日経プレミアシリーズ)
お金の正しい守り方 (日経プレミアシリーズ)
(2012/01/26)
大井 幸子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「お金の話といっても、本書では、何かうまい儲け話、
  たとえば株や為替取引(FX)で100万円が1億円に化けるような
  “投機”について語ることはない。
  むしろ、これまで代々蓄積してきた家や土地、財産をいかに守り、
  減らさずに次の世代に伝えていくか、そして、どのように
  グローバル化の試練を乗り越え、21世紀の新しい成長を続けていくか、
  こうした課題に取り組む人々の指南書になることを目指している。」

本書は、細く長く堅実な資産運用を目指す本。

だからと言って、全くリスクをとらない貯蓄や国債だけの運用ではなく、
一定のリスクをとったバランス型の運用を指南します。

ロールモデルは、「ファミリー・オフィス」。

ファミリー・オフィスとは、欧米の富裕層の資産を守る管理会社。

欧米では、大財閥でなくても、医者や弁護士、
中小企業のオーナーなど、一定の資産を持つ富裕層は、
一族の資産を集め、効率的な資産運用を行うために
ファミリー・オフィスを利用しているとのこと。

ファミリー・オフィスは、一族の反映を見据えた長期的な運用収益を
求めるため、投資銀行や生保・銀行などの機関投資家とは、
異なる投資スタンスを持ちます。

著者の大井幸子さんは、ウォール街で長く働く中で、
多くの優れたファミリー・オフィスの担当者や
ヘッジ・ファンドの運用者と知り合ったそうです。

本書では、そうした資産保全のプロの考えをヒントに、
日本に軸足を置きつつも、グローバルな視点から
家族の資産を守る「じぶんちポートフォリオ」を
構築する方法を紹介します。

と言っても、本書はノウハウ本ではありませんから、
具体的な行動には、結び付けにくい部分があります。

大井さんが語るのは、投資の王道とファミリー・オフィスや
ヘッジファンドの運用方法です。

本書は、金融コラムとして読むには、読みやすい文体で
書かれていますから、いい本だと思います。

さらに、巷に溢れる胡散臭い「儲かる系」の本とは、
比べるのが失礼なぐらい、非常に真っ当なことが書かれています。

しかし、一定の資産を持っている人にとっては、
ある程度当然の話しですし、これから投資を始めようとする
まだ資産のない人にとっては、一体どうしたらいいのか
わからないというのが正直なところでしょう。

ですから、本書は現在、資産運用をしている人が、
将来資産が増えた時は、こんな運用をしようと
ずいぶん先のイメージを持つための本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「子どものころから経済・金融のセンスを磨きたいのであれば、
  まず、家庭内で日ごろから気安くどんなことでも
  話しやすい雰囲気を作っておくことが大事であろう。」

大井さんは、子どもが金融リテラシーを高めるには、
なにも小中学生から株式投資の話しをする必要はなく、
もっと身近な家計やお金の話をする機会をつくることをすすめています。

  「日ごろお父さんとお母さんの給与を合わせて収入はいくらで、
  住宅ローンや自動車ローンの負債を引くと、家計はこれだけの予算で
  やりくりしていると子供に家計簿を開示する。
  家計は黒字なのか赤字なのか、赤字であれば支出カットについて
  子どもにも解決策を考えてもらう。」

これ、いいかもしれませんね。

我が家の娘も、この春から小学6年生になりました。
この参加型の家計にするか、検討してみます。

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| 投資 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人を助けるすんごい仕組み

人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
人を助けるすんごい仕組み――ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか
(2012/02/17)
西條 剛央 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  「本書は、ボランティアをしたこともない僕が、
  震災をきっかけにたった2人でプロジェクトを立ち上げ、
  それが日本最大級のプロジェクトへと発展していく過程と
  仕組みを描いたものである。」

大規模な震災被害で、問題になるのは救援物資が
集まらないことではありません。

もちろん、震災当初はあらゆる物資が不足しますが、
次第に救援物資は全国から集まります。

問題は、集まった物資の仕分けと各避難所への配送。

ある避難所では、物資が集まりすぎ、
破棄せざるを得ない状況にもなることもあります。

一方、別の避難所では、まったく必要な物資が届いていないことも。

これは救援物資に限らず、ボランティアについても同じことです。

問題なのは、その局在化です。

どうしたら、必要としている人に、必要なものを
必要な分だけダイレクトに届けることができるのか?

これを実現する仕組みを作ったのが西條剛央さん。
ふんばろう東日本プロジェクト」の代表の方です。

西條さんは、被災地支援の専門家でもなく、ボランティアの経験も
NPOで活動したこともない、早稲田大学大学院の専任講師の方です。

専門の研究テーマは「構造構成主義」。

これは、固定的な方法が役に立たないような、
まったくの未知の状況、変化の激しい環境において、
ゼロベースでその都度有効な方法を打ち出していくための考え方。

方法の有効性を「状況」と「目的」によって決めるメタ理論とのこと。

そして実際に作られたのが、次のようなシンプルな仕組みです。

  「ホームページに、聞き取ってきた必要な物資とその数を掲載し、
  それをツイッターにリンクして拡散し、全国の人から物資を
  直送してもらい、送ったという報告だけは受け取るようにして、
  必要な個数が送られたら、その物資に線を引いて消していくのだ。」

そして、この仕組みをもとにスタートした
「ふんばろう東日本プロジェクト」は、救援物資を届けるだけに留まらず、
多くの人を巻き込み、同時にいくつもの支援プロジェクトを立ち上げ、
日本で最大規模の被災地支援のボランティア組織となりました。

本書は、第1章~第4章までが、西條さんの体験を
内側の視点から進行形で綴った物語。

第5章は、「ほぼ日刊イトイ新聞」に掲載された糸井重里さんとの
対談を西條さんが解説を加えて再構成したもの。

第6章は、多数のプロジェクト運営を可能にしたノウハウ論。

第7章は、一戦必勝を続けるための「無形の形」の組織づくりの秘訣。

第8章は、今後の震災に対する新たな仕組みや支援活動のあり方や
行政や日本社会への提言がまとめられています。

物語として読んでも面白く、組織論を学ぶ上でも、
優れたケーススタディを示す一冊となっています。

この本から何を活かすか?

本書は人を助ける仕組みと支援の裏舞台が
話しの中心になっているので、西條さんの専門とする
「構造構成主義」についてはさらっと触れられている程度です。

  「あらゆる事象にしなやかに対応するための考え方」

そう言われても、「構造構成主義」については、
実際のところあまりよくわかりませんでした。

やはり、専門の本を一冊読んでみる必要がありそうですね。

ということで、西條さんの次の本を読んでみようと思います。

  「構造構成主義とは何か―次世代人間科学の原理

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:44 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈

成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈
成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈
(2012/02/25)
成毛 眞 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

偉大な功績をあげた人が、若くして死ぬと神格化が進みます。

音楽の世界で言うとマイケル・ジャクソンさんや
ホイットニー・ヒューストンさんなども、誰もが生前の偉大さを称え、
亡くなる前の奇行には目をつぶりました。

その神格化が進む、最たる例がスティーブ・ジョブズさんです。

幾多の雑誌ではジョブズさんの仕事術に関する特集が組まれ、
ジョブズさん関連本も次から次へと出版されています。

そのジョブズブームに一石を投じるのが、
元マイクロソフト日本法人社長の異才、成毛眞さん。

  「ジョブズに憧れ、ジョブズ関連本の類を読みあさる人たちも、
  さすがに自分がジョブズになれると本気で思っている人は
  ほとんどいないだろう。
  その一方で、彼から“クリエイティブ”で創造性に溢れた生き方や
  仕事術を学ぼうとしている人というのは一定数いるはずだ。
  しかし、ここで残念なお知らせがある。
  あなたは、決してジョブズのようにはなれない。
  それどころか、彼の生き方からヒントを得て、
  自分の新しい可能性を導き出そうとすればするほど、
  じつは成功から猛スピードで遠ざかってしまうのだ。」

なぜ、このようなパラドックスに陥ってしまうのでしょうか?

そもそも、創造性がある人とは、他の人と違う発想ができる人。

だから、誰もがジョブズさんを神と崇める昨今の状況において、
ジョブズさんを真似ることは没個性であり、
ジョブズさん流に考えることは、常に他の誰かと
同じ発想をすることを意味します。

  「ジョブズに憧れて創造的になろうとする行為は、
  自分の競合を100万人増やしているだけなのだ。
  ジョブズの英雄譚を読めば読むほど、創造性とは真逆の方向に
  暴走するというのはじつに皮肉な話である。」

私は、ジョブズさんのような超個性は、猛烈な崇拝者がいる反面、
大嫌いなアンチの人も一定数いて、その中間層があまりいないのが
正常な状態だと思います。

つまり、評価が両極端に分かれるのが、ひとつの才能。

その意味では、成毛さんの本も評価が真っ二つに分かれますから、
ジョブズさんに通じる才能があるのかもしれません。

本書は、他のジョブズ本にはない成毛さん流の解釈を与え、
目から鱗と感じる人もいるでしょう。

一方、ジョブズさんの才能を持ち上げながらも、
元マイクロソフトの人間としては、どこかでジョブズさんを
自分の下に置いておきたいという思惑もうかがえます。

[ジョブズさん] < [マイクロソフトの人間] < [ビル・ゲイツさん]

この成毛さんが考えるこの序列が、鼻につくと感じる人も多いでしょう。

しかし、私は、その成毛さんの尊大なところも
ジョブズさんに近いものを感じました。

この本から何を活かすか?

  「ジョブズに憧れ、ジョブズ関連本の類を読みあさる人たちも、
  さすがに自分がジョブズになれると本気で思っている人は
  ほとんどいないだろう。」

ジョブズさんの本を読む人が、創造的になれないとするなら、
関連本を読むからではなく、私はこの部分が、
その理由に当たるのではないかと考えます。

つまり、本気でジョブズさんになれないと感じる
「常識的な判断」が、他の人と違う発想ができないない理由。

自分はジョブズさんの生まれ変わりだと本気で信じたり、
ジョブズさんを超えると根拠のない自信を持てる人の方が、
クリエイティブな発想ができるのではないでしょうか。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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サムスン式 仕事の流儀

サムスン式 仕事の流儀 5年で一流社員になる
サムスン式 仕事の流儀 5年で一流社員になる
(2012/01/09)
ムン・ヒョンジン 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

今や韓国を代表する企業から、日本の家電メーカーを圧倒し、
世界で認められるブランドへと成長したサムスン。

グループの売上高は、韓国のGDPの22%以上を占めます。

日本で、サムスン製の薄型テレビを目にすることは
ほとんどありませんが、スマホの「GALAXY」シリーズなどで
知られていますね。

本書は、その飛ぶ鳥を落とす勢いのサムスングループの元社員、
ムン・ヒンジンさんが語るサムスン流仕事術。

ヒンジンさんは、サムスングループの中でも仕事の過酷さにおいて
1、2を争うサムスンSDI(薄型パネルや電池製造)で、
部長クラスに相当するグループ長として働いていた方です。

ヒンジンさんは、本書で「サムスンマン」として入社してから、
「5年間」で身につける仕事のやり方を
自身のエピソードを交えながら解説します。

ところで、なぜ、「入社5年」なのか?

それは、最も多く成果が出せる時期が入社5年目だからです。

5年目にもなると、社長の立場から組織を見渡せるようになり、
リーダーシップを身につけ、その後に活かす人脈がつくられるから。

また、正味の仕事に専念できる時間で考えると、
「1万時間の法則」にちょうど該当するのもこの5年目とのことです。

  序章 サムスン入社前 なぜ「五年」が大切なのか?
  第1章 サムスン一年目 基本で圧倒しろ
  第2章 サムスン二年目 誰にも文句を言わせない強力な仕事力
  第3章 サムスン三年目 完璧主義と勝利へのあくなきこだわり
  第4章 サムスン四年目 すべては関係によって完成する
  第5章 サムスン五年目 バージョンアップで自分だけの成功神話を
  付録 サムスンの評価法 幹部資質と面接における具体的な評価法

ノウハウや仕事のやり方よりも、どちらかというと、
猛烈に働くサムスンマンとしてのエピソードが印象的。

また、ヒンジンさんが、ワイシャツの一番上のボタンを外して
働いていたときに、常務から厳しく指導された話しなど、
最近の日本のビジネス書では、なかなか目にする機会のない
エピソードです。

更に、手土産の選び方、「おべっか」の使い方、
結婚することの重要性を説くあたりも同様です。

こういった日本では忘れられている泥臭いエピソードを読むと、
日本の家電メーカーがサムスンの後塵を拝した原因は、
グローバル展開が遅れたことや、戦略にあるのではなく、
日本のビジネスパーソンが失ったガムシャラさにあるように思えます。

この本から何を活かすか?

日本で「サムスン」の話題が出るときは、
そのほとんどの場合「サムスン電子(005930)」を指します。

ヒンジュさんの所属していたサムスンSDI (006400)とは
かなり規模が違いますね。

時価総額でサムスンSDIはサムスン電子の30分の1。

業績もずいぶん違うようなので、もう少し詳しく調べてみようと思います。

サムスンチャート


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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:59 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない

ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない (マイナビ新書)
(2012/02/24)
漆原 直行 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「大切なご案内です。
  この本を読んでも、仕事の効率が10倍アップしたり、
  年収が10倍に増えたり、(中略)金持ち父さんになったり・・・
  と挙げていけばキリがありませんが、その手の効能は、
  おそらく一切期待できません。」

本書の冒頭は、このようにビジネス書でよく見かける謳い文句を
否定するところから始まります。

  「では、この本の主旨とは何か?
  昨今のビジネス書界隈の話題をナナメに切り取り、生温かく
  (決して、“温かく”はございません)概観してみよう、
  というものです。」

本書の著者、漆原直行さんは、ビジネス書を読むことを
完全に否定しているわけではありません。

しかし、巷に溢れるビジネス書の中には、駄本も多く含まれ、
読んだだけでデキる気になってはいけないと釘をさします。

篠原さんは、現在のビジネス書を出版ビジネスとして分析し、
業界のマッチポンプ的な仕掛けに踊らされないように
注意を促します。

  「有能な実務者、優れたビジネスパーソンには、
  たしかにビジネス書を読んでいる人が少なくありません。
  でも、ビジネス書を読んでいるから成功したワケではないのです。
  自分なりに目的や問題意識を抱き、視野を広く持ち、
  何事も貪欲に吸収してやろう・・・といったことを
  強く意識しているから、本もよく読んでいる、というだけのこと。」

漆原さんの言っていることは、正論ですね。

ビジネス書を読めば、多少の知識は身につきます。
そこに書いてあるHow Toを知れば、テクニックも身につきます。

しかし、現実のビジネスでは、その程度のことで、
簡単にデキる人にはなれません。

また、ビジネス書を読んで上がるモチベーションも、一時的なもの。

あくまで、ビジネス書はきっかけに過ぎません。

新しい視点を与えてくれるかもしれませんが、
その視点をもって踏み出すかどうかは100%本人にかかっています。

読んで知ることと、デキることの間にある溝は大きく深い。
その溝を埋める努力が、ビジネス書を読んだ後に必要という訳です。

  「自己啓発や成功法則に関するビジネス書なんて、
  しょせんはコンビニで売っている栄養ドリンクみたいなもの。
  過剰なカフェインや糖分で一時的にテンションが上がり、
  元気が出たような気になったりもしますが、効果のほどは
  正直よくわからない・・・それくらいドライに構えているほうが、
  駄本に翻弄されるリスクも軽減できるのではないでしょうか。」

かなり辛らつな表現は多いものの、
本書は、ビジネス書をよく読むにもかかわらず、
なかなか自分の成長を実感できない人に対して、
正しいビジネス書との接し方を説いた本となっています。

この本から何を活かすか?

  「少し冷静に考えてみましょう。
  月に5万円以上ビジネス書に投入できるビジネスパーソンが、
  果たして労働人口全体でどの程度いるのでしょうか。」

これは勝間和代さんや本田直之さんらの、
大量のビジネス書を読むことを善とする発言に対しての、
漆原さんのツッコミ。

いくら読書が大切でも、普通のビジネスパーソンでは、
月に書籍購入代として5000円~1万円程度用意できたら、
御の字とも書かれています。

個人的には、本を読む読まないは、
あまり予算に関係ないと思います。

多くのビジネス書では、よく身銭を切って本は買いなさいと
書いてありますが、必ずしも買う必要はありません。

また、出たばかりの最新刊を争って読む必要もありませんから、
本を買うお金がなければ、、図書館で借りればいいことです。

新しい本なら、立ち読みしてもいいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 読書法・速読術 | 06:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「小さな気分転換」で人生を大きく変える方法

「小さな気分転換」で人生を大きく変える方法
「小さな気分転換」で人生を大きく変える方法
(2012/02/18)
鶴岡 秀子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「あなたは今、幸せですか?
  幸せの基準ほど、人によって違うものはないかもしれません。
  ここでは“4つのとらえ方”を見ながら、自分自身の“幸せ”を
  再確認してほしいなと思いいています。」

このように語るのは、本書の著者で、
ザ・レジェンド・ホテルズ&トラストCEOの鶴岡秀子さん。

鶴岡さんは、本書で幸せの4つの捉え方を示しています。

1つ目は、「幸せとは角度である」

これは、昨日より今日、今日より明日が良くなる「角度」が
見えるとき、人は幸せを感じるという考え。

ちょっとずつでも、上向きの兆しが見えれば、人は幸福を感じ、
先が見えない不透明感があるときは、幸せを感じられないということ。

2つ目は、「人はそれぞれ幸せの沸点を持っている」

人はそれぞれ、幸せを感じる基準、臨界点が違うということ。

目標は高くても、幸せの沸点は低くしておくことが、
理想的と鶴岡さんは解説します。

3つ目は、「達成感と幸せは違う」

達成感を幸せと勘違いしていると、何を達成しても次があり、
いつになっても幸せを感じられない。

特に他人と比較した達成感を得ようとすると、
それは不幸の始まりになるようです。

そして最後の4つ目は、「幸せを時間軸で考える」

将来の幸せのために、現在の不幸を我慢するのではなく、
現在も未来も幸せを感じながら生きていくことが可能であること。

幸せは、「なるもの」ではなく、気づけば「あるもの」。
何かを犠牲にしなければ、幸せになれないわけではありません。

この4つの幸せの捉え方を知ることで、
「小さな気分転換」ができるかもしれません。

本書は、「小さな気分転換」を意識的に積み重ねて、
人生を大きく変えるための本です。

  「意思を持って“気分・感情”をチョイスできるようになると、
  行動が変わり、結果として起こってくる現実が変わりだします。
  つまり“気分転換”で、いえ、“気分”を“転換”することで、
  勝手に人生が好転しだすのです。」

本書では、思考・心・人とのつながり・時間軸・行動の
5つの変える対象において、全部で29個の気分転換のヒントが
紹介されています。

一つ一つが、「小さな気分転換」だけに、
取り組みやすい自己啓発本だと思います。

この本から何を活かすか?

鶴岡さんの会社のホームページを拝見すると、
「伝説のホテル」なるものを作るために、投資を募っているようです。

儲かりますから投資してくださいという募り方ではなく、
世界の人々が幸せになるビジョンに共感する人は
ホテルに投資してくださいというスタンスです。

この本に書いてある内容は、非常に真っ当ですが、
だからと言って、このホテルへの投資が真っ当とは限りません。

考え方に賛同して「寄付」するならいいと思います。

しかし、ビジョンだけでは、うまくいかないこともあるので、
これを「投資」と考えて個人がお金を預けるのは、
よく考えた方がいいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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