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数学を知らずに経済を語るな!

数学を知らずに経済を語るな!
数学を知らずに経済を語るな!

(2011/12/23)
高橋 洋一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「財務官僚が意図的に偏った“解決法”を押し付けようとするのは、
  彼らの私利私欲を満たしたいから。それだけなのである。
  なのに、わが日本国民の多くは、それを唯一の解であるかのように
  信じ込まされてしまう。私は、それが不思議でならなかった。」

東京大学の数学科と経済学科を卒業し、
財務省に入った経歴の高橋洋一さんにとっては、
一般の人がどのように役人のレトリックに
騙されるかが理解できませんでした。

しかし、自称「日本を代表するド文系頭」の編集者Sさんと出合って、
高橋さんは、やっと腑に落ちたと言います。

  「それじゃあ、騙されてしまうわけだ。」

本書は、文系頭のSさんと理系頭の高橋さんの思考を比較し、
一般の人が、官僚に騙されないための数学的思考を
身につけるために書かれた本です。

例えば、2011年9月6日付け読売新聞の復興減税の記事。
「13兆円規模の増税が必要」と書かれていました。

この記事を読んだ文系頭のSさんの思考のフロー。

  1. 記事を見る。
  2. 「復興増税」という言葉に注目する。
  3. 「じょうがない」と思う。
  4. 政府もムダ削減などの努力をしているから、
    やはり「しょうがない」と思う。

確かに、なんとなく新聞記事を読み、自分の頭で整理して考えなければ、
このように受け取る方も、実際に多いのでしょう。

増税に対して、憤りを感じる人でさえ、「復興」という名目で、
納得してしまうのかもしれません。

一方、同じ記事を読んだ高橋さんの思考フローはどうなっているのか?

高橋さんにとっては、文系頭のSさんの思考がわからなかったように、
多くの人たちは、高橋さんと同じように考えることができません。

だからこそ、その思考方法を学ぶ必要があるのです。

  1. 記事を見る。
  2. 数字を見る。
  3. 「歳入=歳出」という恒等式が思い浮かぶ。
  4. この記事は隠された前提にもとづくデタラメ洗脳記事と判断する。

やはり、2.以降の思考がぜんぜん違うようです。

この記事の前提になっているのが、震災からの復興のために
足りない分13兆円を増税でまかなうということ。

高橋さんの頭に浮かんだ恒等式には続きがあります。

  「歳入」=「税収」+「税外収入」+「公債」

この場合、復興に必要な「歳出」=13兆円なので、
13兆円=「税収」+「税外収入」+「公債」となります。

つまり、記事の主張では13兆円足りない分を、
「税外収入」や「公債」をゼロにして、
「税収」だけでまかなうとうことになります。

しかし、この非常時に「公債」を発行しないことはありえませんし、
高橋さんの計算によると3兆円は発行できるようです。

また、「税外収入」は、日銀納付金を増やすことで、
10兆円分はまかなえるとのこと。

高橋さんの考えでは、本当に足りない分が13兆円だけなら、
「税外収入」と「公債」だけでまかなえ、
増税しなくても、調達できるという結論になります。

だから、この記事には、隠された意図を感じると。

本書は高橋さんとSさんの対話形式で進む、
3日間、計7コマの講義(別に補講が3講)が収録されています。

面白いし、非常にわかりやすく解説されていますが、
3日目の「マクロ経済学のイロハを知ろう」は、
ちょっと時間(紙面)が足りなく、
イロハのイだけで終わっている感じがしました。

この本から何を活かすか?

本書の中で推薦されていた「数学入門書」。

リリアン・R・リーバーさんの「数学は世界を変える」。

1942年に米国で刊行され、現在まで読み継がれている
数学入門書の古典ですが、日本で翻訳されたのは最近のようです。

アインシュタインさんも推薦文を書いているとか。

高橋さんも、もともとの素材も和訳もいいと絶賛しています。

面白そうなので、読んでみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 経済・行動経済学 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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