活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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2022―これから10年、活躍できる人の条件

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)
2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)

(2012/01/19)
神田 昌典 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  《問い》 iPhoneは、あと何年、売れ続けるのか?

この問いに対し、神田昌典さんは本書で、
「Sカーブ」から、その答えを予想をしています。

「Sカーブ」とは、導入期、成長期、成熟期、衰退期からなる
成長のライフサイクル。

iPhoneの導入期は初代が発売された2007年6月から。
成長期はiPhone4が発売された2010年6月から。
これから訪れる成熟期は、その3年後の2013年6月から。
そして成熟期が終わるのは更に3年後の2016年6月ごろ。

このライフサイクルから、神田さんの予想は次の通りです。

  ・iPhoneは「7」まで投入され、2016年末で製造中止。
  ・iPhone4Sはいままでより商品寿命が長いので、
   「5」は2013年6月、「6」は2014年6月、「7」は2015年6月に発売。
  ・iPhone5では革新的機能はなく、後半から多色展開。

ブームの真っ只中にいると、その終わりを考えたくないものですが、
飛ぶ鳥を落とす勢いのiPhoneも、いつかは成長に翳りが見えるはずです。

そう考えると、神田さんの予想にも信憑性が出てきますね。

さて、本書は「周期理論」から社会の大きな変化を予測し、
その変化に伴う「生き方」を考察する本です。

神田さんは、過去の本でも歴史の「70年周期説」や
人生の「春夏秋冬理論」などを紹介してきましたが、
本書はその集大成となっています。

様々なサイクル理論を駆使して、今後訪れる時代の変化を予想し、
これから10年、どのように生きるべきかを指南します。

  第1章 先が見えない世の中って言うけれど、
     それは天気予報があるのに知らないようなもんだ
  第2章 平成「ええじゃないか」が、なぜ必要か?
  第3章 踊る中国 沈む日本
  第4章 2024年、会社はなくなる!?
  第5章 イン・フォメーションからエクス・フォメーションへ
  第6章 40代が、時代のはざまに架ける橋
  第7章 2022年-再びページを開くとき

本書の神田さんは、今までになく、諸行無常感が強く出ています。

それは、神田さん自身が2010年に人生の大きな転機を迎えたから。

  「2010年12月7日-当時46歳の私は、癌だと告げられた。」

現在は完治したようですが、病気と闘いながら、
いろいろと考えることがあったようです。

そして、死の恐怖と向き合うことで、
見えた未来があるのかもしれません。

本書では、いろいろな未来予測が述べられていますから、
それが当たると、また神田さんのカリスマ性が増すと思います。

しかし、その予想が当たる当たらないに関らず、
本書をきっかけに、今までの常識にとらわれず、
自分で考えて行動することこそが大切なのでしょう。

この本から何を活かすか?

本書には、今後の中国について、次のような記述があります。

  「(中国は)一人っ子政策のために男が多く、
  10年後には1000万人の結婚適齢期の男性に、
  女性が見つからないとう。」

神田さんは、これを中国の大きなリスクと捉えていますが、
考えようによってはチャンスかもしれません。

婚活ビジネスなど、歪みがあるからこそニーズがある
業種もあるので、そういった企業への投資は
検討の余地があると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 08:37 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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あんぽん 孫正義伝

あんぽん 孫正義伝
あんぽん 孫正義伝

(2012/01/10)
佐野 眞一 商品詳細を見る

満足度★★★★★
付箋数:31

今までに出版されていた、孫正義さんの評伝のレベルが
決して低かった訳ではありません。

しかし、本書はまったく次元が違います。

本書の中で、孫さんの次のような発言があります。

  「親父は僕が小さい頃から、なんでも相談相手にしていましたからね。
  そんな実地教育を受けてきた僕からすれば、
  ハーバードのビジネススクールも東大も、幼稚だし低脳です。」

この言葉を借りれば、大変失礼な言い方ですが、
本書を読んでしまうと、今までの評伝が、
幼稚だし低脳と思えるぐらい、圧倒的な筆力がありました。

さすが、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した佐野眞一さん。

本書に描かれているのは、決して表面から
眺めているいるだけではわからない、孫さんのルーツ。

  「本書で明らかにされた事実は、どんな孫正義論にも書かれていない。
  これらの真実はおそらく孫自身も半分以上は知らなかったはずである。
  人間を描く場合、その人物が絶対に見ることができない
  背中や内臓から描く。それが私の人物論の基本的流儀である。
  いささかの自負を込めて言えば、孫正義をテーマにして
  これまで書かれたどんな本より、本書は百倍は面白いと確信している。」

それでは、なぜ、佐野さんは今まで描かれたことがない
孫さんの評伝を描くことができたのか?

それには3つの理由があります。

1つ目は、圧倒的な取材数。

佐野さんは、孫さんに帝王学叩き込んだ父親への取材は勿論、
現存する孫さんの父方・母方の親族全員、
小学校の担任から留学先の教授、更にはビジネス上の恩師、
そしてルーツを追って韓国にまで取材の足を伸ばしています。

これだけ、丹念にそして広範囲に取材をして裏を取っていますから、
孫さん自身の記憶違いさえ、指摘しているほどです。

2つ目は、インタビューの巧みさ。

まず、佐野さんは取材の相手が喜ぶような手土産を持っていきます。
それは、相手が思わず自分の原点に返ってしまうようなもの。

そして相手の心がオープンになったところで、
なかなか聞けないような、質問で切り込んでいきます。

ですから、いまで明かさなかったホンネをうまく聞き出しています。

そして3つ目は、人物伝の軸が違います。

  「多くの孫正義伝は、ソフトバンクの成功を起点にして、
  いわば帰納的に青年時代の孫の物語を語っている。」

一方、佐野さんは、孫さんの原点となる血の流れを辿り、
いかにして「人間・孫正義」が作られたかを描き出しています。

本書は週刊ポストに2011年1月7日号から3月25日号まで連載した
「あんぽん」第一部と、2011年7月29日号から9月23日号まで連載した
第二部をあわせ、それに大幅に加筆したものです。

素材である孫さんが凄いのは言うまでもありませんが、
書き手である佐野さんの凄さには、それ以上に圧巻されました。

この本から何を活かすか?

私がこれだけ、佐野さんの凄さを感じたのは、
これまで佐野さんの本を数冊しか読んでいないからなのかもしれません。

特に代表作を読んでいないのがイタイ。

  「旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三
  「甘粕正彦 乱心の曠野
  「巨怪伝

まずは、これら佐野さんの主要作品から読んでみたいと思います。

また、最近の作品の「劇薬時評」も気になるところです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数学を知らずに経済を語るな!

数学を知らずに経済を語るな!
数学を知らずに経済を語るな!

(2011/12/23)
高橋 洋一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「財務官僚が意図的に偏った“解決法”を押し付けようとするのは、
  彼らの私利私欲を満たしたいから。それだけなのである。
  なのに、わが日本国民の多くは、それを唯一の解であるかのように
  信じ込まされてしまう。私は、それが不思議でならなかった。」

東京大学の数学科と経済学科を卒業し、
財務省に入った経歴の高橋洋一さんにとっては、
一般の人がどのように役人のレトリックに
騙されるかが理解できませんでした。

しかし、自称「日本を代表するド文系頭」の編集者Sさんと出合って、
高橋さんは、やっと腑に落ちたと言います。

  「それじゃあ、騙されてしまうわけだ。」

本書は、文系頭のSさんと理系頭の高橋さんの思考を比較し、
一般の人が、官僚に騙されないための数学的思考を
身につけるために書かれた本です。

例えば、2011年9月6日付け読売新聞の復興減税の記事。
「13兆円規模の増税が必要」と書かれていました。

この記事を読んだ文系頭のSさんの思考のフロー。

  1. 記事を見る。
  2. 「復興増税」という言葉に注目する。
  3. 「じょうがない」と思う。
  4. 政府もムダ削減などの努力をしているから、
    やはり「しょうがない」と思う。

確かに、なんとなく新聞記事を読み、自分の頭で整理して考えなければ、
このように受け取る方も、実際に多いのでしょう。

増税に対して、憤りを感じる人でさえ、「復興」という名目で、
納得してしまうのかもしれません。

一方、同じ記事を読んだ高橋さんの思考フローはどうなっているのか?

高橋さんにとっては、文系頭のSさんの思考がわからなかったように、
多くの人たちは、高橋さんと同じように考えることができません。

だからこそ、その思考方法を学ぶ必要があるのです。

  1. 記事を見る。
  2. 数字を見る。
  3. 「歳入=歳出」という恒等式が思い浮かぶ。
  4. この記事は隠された前提にもとづくデタラメ洗脳記事と判断する。

やはり、2.以降の思考がぜんぜん違うようです。

この記事の前提になっているのが、震災からの復興のために
足りない分13兆円を増税でまかなうということ。

高橋さんの頭に浮かんだ恒等式には続きがあります。

  「歳入」=「税収」+「税外収入」+「公債」

この場合、復興に必要な「歳出」=13兆円なので、
13兆円=「税収」+「税外収入」+「公債」となります。

つまり、記事の主張では13兆円足りない分を、
「税外収入」や「公債」をゼロにして、
「税収」だけでまかなうとうことになります。

しかし、この非常時に「公債」を発行しないことはありえませんし、
高橋さんの計算によると3兆円は発行できるようです。

また、「税外収入」は、日銀納付金を増やすことで、
10兆円分はまかなえるとのこと。

高橋さんの考えでは、本当に足りない分が13兆円だけなら、
「税外収入」と「公債」だけでまかなえ、
増税しなくても、調達できるという結論になります。

だから、この記事には、隠された意図を感じると。

本書は高橋さんとSさんの対話形式で進む、
3日間、計7コマの講義(別に補講が3講)が収録されています。

面白いし、非常にわかりやすく解説されていますが、
3日目の「マクロ経済学のイロハを知ろう」は、
ちょっと時間(紙面)が足りなく、
イロハのイだけで終わっている感じがしました。

この本から何を活かすか?

本書の中で推薦されていた「数学入門書」。

リリアン・R・リーバーさんの「数学は世界を変える」。

1942年に米国で刊行され、現在まで読み継がれている
数学入門書の古典ですが、日本で翻訳されたのは最近のようです。

アインシュタインさんも推薦文を書いているとか。

高橋さんも、もともとの素材も和訳もいいと絶賛しています。

面白そうなので、読んでみます。

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| 経済・行動経済学 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イノベーションのDNA

イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)
イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)

(2012/01/18)
クレイトン・クリステンセン、ジェフリー・ダイアー 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  「イノベーティブな企業はほぼ必ず、
  イノベーティブなリーダーが陣頭指揮を執っている。」

アップルの故スティーブ・ジョブズさん、
アマゾンのジェフ・ベゾスさん、
セールスフォースのマーク・ベニオフさん、
イーベイのピエール・オミダイアさん、
インテュイットのスコット・クックさん・・・

確かに、これらのイノベーティブな企業を思い浮かべると、
そのイメージはリーダーのイメージそのもの。

彼らは、誰もが認める破壊的なイノベータです。

しかし、私たちが本当に知りたいは、彼らの実績ではなく、
いかにして彼らがイノベーティブになったかということ。

そして、どうすれば、私たちも彼らのように
イノベーティブになれるかということです。

その私たちが知りたいイノベーティブになるための
秘訣を解き明かしたが、クレイトン・クリステンセンさん。

クリステンセンさんと言えば、「イノベーションのジレンマ」や
イノベーションへの解」が有名ですが、
本書では、企業の戦略を調べるのではなく、
イノベータ自身の思考方式を深く掘り下げています。

今回は、ジェフリー・ダイアーさん、
ハル・グレガーセンさんとの共著です。

クリステンセンさんらは、8年もの歳月を費やし、
著名な100名近くのイノベータと
知名度こそ劣るものの、能力では負けない世界中の
500名を超えるイノベータのインタビューや調査を行ない、
共通する行動パターンである「5つのスキル」を見つけ出しました。

それを本書では、「イノベータDNA」と呼びます。

  1. 関連づける力
  2. 質問力
  3. 観察力
  4. ネットワーク力
  5. 実験力

「こうした大物イノベータが、どのようにして“壮大な構想”を
思いついたかを解き明かし、読者にも模倣できるプロセスを
説明している点が、本書のウリだ。
習得すれば誰でもイノベーティブなアイディアを生み出す能力を
高められる、五つのスキルをこれから詳しく説明する。」

破壊的イノベーションを起こすスキルの分析だけなら、
納得して終わってしまいそうです。

しかし、本書では私たちが5つの力を身につけるために、
どんな活動をしたら良いかヒントが示されているので、
行動に移すことが可能です。

破壊的なイノベータになるためには、
頭の中だけのアイディアで完結するのではなく、
行動に移すことこそが大事なのです。

この本から何を活かすか?

  1位 セールスフォース・ドットコム(73%)
  2位 インテュイティブ・サージカル(64%)
  3位 アマゾン・ドットコム(57%)
  4位 セルジーン(55%)
  5位 アップル(52%)

これは、本書の調査によるイノベーティブ企業のランキング。

カッコ内は時価総額の内、既存事業でのキャッシュフローで
説明できない上乗せ分の「イノベーティブ・プレミアム」です。

このランキングを作ったのは、過去の実績ではなく、
将来のイノベーティブな企業を見極めるためとのこと。

  「いわば自分の財布を使って投票している投資家が、
  新しい製品、サービス、市場を生み出す可能性が最も高いと
  信じている企業を選ぶのが一番だと考えた。」

日本企業では、19位に唯一、日本電産(36%)が入っていました。

本書では、25位までランキングが掲載されていますので、
今後の投資価値があるかどうか、私も検証してみます。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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宇宙は生命でいっぱい?

宇宙は生命でいっぱい?―惑星探査が明らかにする新しい宇宙
宇宙は生命でいっぱい?―惑星探査が明らかにする新しい宇宙

(2012/01/16)
アラン・ボス 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「新たな宇宙戦争が勃発している。と言っても、競いあっているのは
  アメリカとロシアでもなく、アメリカと新参者中国や日本とでもない。
  アメリカ対ヨーロッパである。
  しかも、ヨーロッパが2年以上も先行しているのだ。
  どちらが勝つにしても、銀河系の近くにどれくらいの地球型惑星が
  あるかが突き止められようとしている。」

欧州宇宙機関(ESA)は、2006年に宇宙望遠鏡「コロー衛星(COROT)」
を打ち上げました。

それから約2年遅れて、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、
宇宙望遠鏡の「ケプラー衛星(Kepler)」を打ち上げました。

共に目的とするのは、太陽系外の惑星の観測です。

この2つの望遠鏡は、系外に地球に似た惑星を
見つけることができるのでしょうか?

本書は、系外惑星を探す宇宙科学ドキュメント。

1995年から2009年までの惑星探査をめぐるESAとNASAの、
新たな宇宙戦争の様子が、時系列の日記形式でつづられています。

予算では、ESAはNASAの3分の1しかありませんが、
望遠鏡の打ち上げでは先行しています。

そして、その争いに参加しているのは、一人ひとりの天文学者。

彼らは、何を考え、どう行動したのか。

そこには、惑星探査という崇高な目的以外にも、
人間としてのエゴや欲も見て取れます。

科学者達のリアルな姿がドキュメンタリーとして描かれています。

  「本書で描写されているアメリカとヨーロッパの“地球探し”の
  熾烈な競争は、大航海時代を彷彿とさせる。
  西洋の人々は、今度は、最後のフロンティアを求めて、
  大宇宙に船出しようとしているのかもしれない。」

こう語るのは、本書の翻訳を担当した竹内薫さん。

「訳者あとがき」では、原書「The Crowded Universe
刊行後に発見された実績までフォローされています。

2011年12月5日、NASAはケプラー衛星が、
水が液体で存在し得る惑星を観測したと発表しました。

付けられた名前は「ケプラー22b」。

地表付近の推定平均気温は22℃、大きさは地球の2.4倍の惑星で、
恒星を周回する公転周期は290日とされています。

本当に、「宇宙は生命でいっぱい」という証拠が、
見つかる寸前まで迫っている感じですね。

  「銀河系のどこかに知的生命が存在するならば、
  なぜ、私たちは、いまだに、彼らから連絡をもらっていないのか?」

この物理学者エンリコ・フェルミさんのパラドックスに
今まさに答えが出ようとしています。

この本から何を活かすか?

コロー衛星もケプラー衛星も2012年2月現在、まだ運用中なので、
これからも、新たな観測や発見がまだまだ報告されるでしょう。

公式ページへのリンクを張っておきます。
興味のある方は、こちらからどうぞ。

  ・COROT overview(EAS)
  ・Kepler A Search for habitable Planets(NASA)

ホームページを見ても、予算の違いが伝わってくる感じがしますね。

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| 科学・生活 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバード流ボス養成講座

ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素
ハーバード流ボス養成講座―優れたリーダーの3要素

(2012/01/06)
リンダ・A・ヒル、ケント・ラインバック 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  「平社員時代に高い成果をあげていたなら、
  あなたにとってマネジメントの体得へ向けた旅は
  とりわけ困難なものかもしれない。」

スポーツの世界では、「名選手、名監督にあらず」と言われますが、
それはビジネスの世界でも当てはまります。

ヤリ手として昇進をもたらした成功体験こそが、
上司になってからの足かせになる可能性があるからです。

  「あなたは優れたマネジャーの水準に達しているだろうか?
  部下を率いるためのイロハを十分に習得しただろうか?
  どうすれば部下から最高の成果を引き出せるかを心得ているか?」

本書は、マネジメントの本質は何で、なぜ難しいかを解説しながら、
あなたがマネジメントの旅で目的地にたどり着くための
手助けをします。

著者はハーバード・ビジネススクールの
リーダーシップ講座の主任教授であるリンダ・A・ヒルさんと、
マネジメントの実務家として経験豊富なケント・ラインバックさん。

対象読者は、マネジメントを始めたばかりの
駆け出しのマネジャーから、上級のマネジャーまでです。

それでは、なぜ、マネジメントは難しいのでしょうか?

それは、もともとマネジャーの仕事は
多くの「逆説」を抱えているからと説明されています。

逆説とは、矛盾するいくつもの要素をはらみながらも、
真実を衝いた有用な表現。

  ・マネジャーは他人の行いに責任を負う
  ・人材の育成と評価、両方をしなくてはならない
  ・現在と将来の両方に焦点を合わせなくてはならない
  ・業務遂行とイノベーション、両方を担わなければならない

これらの逆説は、マネジメントをする以上、
決しておおもとから解消されることはありません。

逆説があるからこそ、マネジャーの判断によって、
その結果が大きく違ってくるのです。

本書では、「自分のマネジメント」、「人脈のマネジメント」、
「チームのマネジメント」の3つを、できるマネジャーになるための
柱として採り上げ、マネジメントスキルを磨く方法を伝えます。

また、各章の冒頭ではある教材出版社に勤める
マネジャーが苦闘するミニストーリーが掲載されています。

自分がマネジメントの現場で遭遇する様々な問題を
このストーリーの主人公に重ね合わせて、
それにどう対処するかを考えながら読むことができます。

約400ページのボリュームのある本ですが、
時間をかけて読む価値のある良質な本だと思います。

この本から何を活かすか?

  あなたは信頼に足る人物だろうか?

  「信頼されるとは、まわりから好かれたり、
  “よい人”だと思われたりするのとは違う。
  実のところ、信頼とは以下のふたつの見方にもとづくのだ。

  あなたはマネジャーとしての“手腕”がある。
  あなたは“人徳”がある。」

マネジメントに「人徳」が必要でも、なかなかそこまで踏み込んで
言及しているマネジメント本は少ないと思います。

「手腕」はあくまで仕事上の行動やスキルですが、
「人徳」はマネジャーでなくても、
あるいは仕事に関係なくても高めたい要素です。

私も、少しでも「人徳」を高められるように、
本書の自己評価シートなどを活用したいと思います。

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| リーダーシップ | 09:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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勝ち続ける経営

勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論
勝ち続ける経営 日本マクドナルド原田泳幸の経営改革論

(2011/12/07)
原田泳幸 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

かつて、アップルコンピュータジャパンの社長から、
日本マクドナルドの社長に転身して、
「マックからマックへ」と報道された原田泳幸さん。

原田さんが2004年に社長に就任した当時の
日本マクドナルドは、かなりの低迷期でした。

売上高前年比は1997年から7年連続マイナスを記録。

しかし、原田さんが就任後、すぐに改革に着手すると、
今度は売上高が、2004年から7年連続プラスに転じました。

まさに、絵に描いたようなV字回復ですね。

原田さんは、いったいどのような経営改革を行ったのでしょうか?

本書はマクドナルドの7年の経営改革の軌跡。

  「本書では具体的に私がこの7年間で“どのような状況で、
  何をしたかという話”を詳しく述べていきたいと思います。」

原田さんが社長に就任した当初、管理職や執行役員らは、
低迷の原因を、多店舗展開が急速に進み、
店舗がお互いの客を互いに奪い合った結果と説明していました。

しかし、原田さんが自分で調べ分析したところによると、
原因はもっと単純で違うものでした。

それは、外食産業の基本中の基本である、
クオリティ・サービス・クレンリネス・バリュー(QSC&V)が
提供できていないという事実。

そこで原田さんが行った改革の中で、最も大切にしたことが、
基本に立ち返り、「マクドナルドらしさ」を追求することでした。

  「私が就任してから今日まで、売上高は7年連続マイナスから
  7年連続プラスになりましたが、このときに行ったことを
  ひと言で表すならば、“基本に立ち返れ。基本以外は何もするな”
  だったのです。」

確かに、2010年から実施して好評を得ている
Big Americaキャンペーンもいかにもマクドナルドらしい仕掛けですし、
他のファストフード店ではできないことでしょう。

そして、このデフレの8年の中で、したたかに行った6回もの値上げ。

かつての安売り一辺倒だったマクドナルドとは明らかに違う戦略。

値段ではなく、独自性のある価値あるものを提供することへ
方向転換したことが、マクドナルドの更なる成長につながりました。

本書は2010年12月と2011年6月に行われた「AERAビジネスセミナー」が
ベースになっていて、原田さんの講演をまとめたものが約100ページ、
セミナーの質疑応答をまとめたものが約60ページの構成です。

ページ数はそれほど多くありませんが、
マクドナルドの改革において、原田さんが何を考え、どう行動したのかが
余すところなく伝えられています。

この本から何を活かすか?

  「キャッシュ・カウ」は「プレミアムローストコーヒー」

キャッシュ・カウ(Cash Cow)とは、金のなる木。
売れれば売れるほど、会社の儲けになる商品のことです。

マクドナルドでは、コーヒーが売れるほど、
ビッグマックが売れるそうです。

ですから、マクドナルドがコーヒーに力を入れるのは、
あくまでビッグマックを売るための戦略なのです。

2012年2月9日に、マクドナルドは香りとコクを強化した
プレミアムローストコーヒーのリニューアルが、
全店舗で完了したと発表しました。

この発表を受けて株価は12月末の配当落ち後の相場で高値を更新。

マーケット参加者は、コーヒーがマクドナルドの
キャッシュ・カウであることをちゃんと分かっているようです。

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| 経営・戦略 | 09:57 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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「習慣で買う」のつくり方

「習慣で買う」のつくり方
「習慣で買う」のつくり方

(2011/12/13)
ニール・マーティン、Neale Martin 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:25

業種によって多少は異なるようですが、世に出る商品の80%は、
失敗するか、期待を大幅に下回る結果に終わると言われます。

商品そのものに問題があるのでしょうか?
それとも、企業のプロモーションの仕方に問題があるのでしょうか?

本書の著者、ニール・マーティンさんは、
新商品が失敗する理由を次のように述べています。

  「現状のマーケティングが“顧客との有益な関係を確立し維持すること”
  という本来の目的を果たせていないのは、
  マーケティングの基本原則を守っていないからではない。
  守っているからこそ失敗するのだ。」

マーティンさんは、私たちが常識とする既存のマーケティング理論が
が間違っているから、新商品のほとんどが失敗に終わると主張します。

それでは、いったいどのように既存のマーケティング理論は
間違っているのでしょうか?

マーティンさんは、次の事実に着目します。

  「人間の行動の95%は無意識に操られている」

つまり、既存のマーケティング理論は、
あくまで顕在意識をベースに考えられたもので、
私たちが日常生活のかなりの部分で意識せずに行っている
「無意識」を考慮していないということです。

人類は無意識と顕在意識という2つの意識を発達させ、
過酷な環境を生き延びてきました。

何かを日常的に繰り返し行うと、それは「習慣」となり、
わざわざ意識しなくても自然とできるようになります。

この仕組みのおかげで、私たちは顕在意識を
他の作業へ集中することができるのです。

本書では、脳が知覚したものを認知し、
実行する意識のことを「判断脳」と呼び、
脳が無意識に処理する意識のことを「習慣脳」と呼びます。

  「商品がヒットするかどうかは、消費者の習慣脳にある記憶と
  関連づけられるかどうかにかかっている」

本書が伝えるのは、脳のメカニズム、
特に無意識で行っている「習慣」に働きかけるマーケティング。

認知心理学と脳科学を取り入れたニューロマーケティングです。

  パート1 習慣の威力を知る
  パート2 習慣化につながるマーケティング法
  パート3 習慣をもたらすための具体策

本書は数多くの事例が紹介され、非常に分かりやすく
「習慣化」を目指すマーケティングが解説されています。

ただし、翻訳本のせいなのかもしれませんが、
サラッとした文章で書かれていてるので、
感情に訴える部分が少ないように感じました。

ひょっとすると、本書自体も顕在意識ではなく、
無意識に働きかけるように書かれているのかもしれません。

この本から何を活かすか?

マーティンさんは、もともとはアルコールやドラッグの
依存治療機関で克服プログラムなどを作っていたカウンセラー。

その後、病院経営に携わり、マーケティングおよび
コンサルティング会社を創業した異色の経歴の持ち主です。

そういった経歴があったからこそ、マーケティングにおいて
独自の視点を持てたのかもしれません。

人物としてのマーティンさんに興味が出てきたので、
映像を探してみました。

本書(原題Habit)について語る動画はこちらです。















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| マーケティング・営業 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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杉田敏のグローバル時代の英語

NHK CD BOOK NHKラジオ 実践ビジネス英語 杉田敏のグローバル時代の英語 (NHK CDブック)
NHK CD BOOK NHKラジオ 実践ビジネス英語 杉田敏のグローバル時代の英語 (NHK CDブック)

(2011/12/10)
杉田 敏 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:-

  「このCDブックは、2008年4月から2010年3月の間に放送された
  “NHKラジオ実践ビジネス英語”の中から、リスナーに好評だった
  12レッスンを選んでまとめたもので、今の時代に十分起こりえる
  事例がちりばめられています。」

以前に紹介した「NHKラジオ ビジネス英会話 高橋修三
ワークライフバランスを考える
」以来、約3年ぶりのまとめ本。

今回のシリーズは「志賀洋」編です。

ビニエット(ミニドラマ)の舞台はシカゴに本社を置く
世界的な消費財メーカーGreat Lakes, Incです。

主人公の志賀洋は、日本の大学を卒業して、
Great Lakesの日本法人に入社。

そこで6年間勤務した後に、本社でビジネス経験を積みたいと希望し、
社内の選抜で合格して、晴れてシカゴ本社のCorporate Marketing
Operationsに転属が決まったという設定です。

この講座の特徴は、「ビジネス英会話」と銘打っていますが、
ビニエットの登場人物達の会話は、本当の仕事の話ではなく、
仕事中に交わされた「雑談」であることです。

本書には、クリエイティビティを育む、ボランティア活動、
「子どもを守ろう」キャンペーン、エコな生活、
職場のダイバーシティ、新しいリーダーシップなどが
テーマとして選ばれています。

各ビニエットは、この講座の講師を務める、
杉田敏さんが実際に参加した会話、
あるいは身近で実際に起こった会話を中心に作られています。

単に英語表現を学ぶだけでなく、ビジネスを取り巻く問題や
トレンド、異文化の考え方も学ぶことができます。

実際に私がこの放送を現在も聞いている理由は、
英語の勉強と言うより、それ以外のことを多く学べ、
内容が興味深いからです。

NHKの英語講座の中で、本講座の英語レベルは、
最高ランクのレベル5(総合的に高卒以上のレベル)となっていて、
ハッキリ言って難しいです。

ただし、内容の面白さがあるので、多少レベルが高いと感じても、
それを乗り越えるだけの魅力があります。

ちなみに、実際の放送は、1週間に3レッスン(水・木・金)、
2週間6レッスンで1つのテーマを学習します。

当時の放送では、1~4レッスン目までがビニエットで、
5レッスン目が「Key Phrases to Remember」と「あんな時、こんな時」、
6レッスン目が「Word Watching」のコーナーでしたが、
本書では「あんな時、こんな時」のコーナーは割愛されています。

また各ビニエットとセットになっている単語とフレーズの解説も、
紙面のスペースの関係から、テキスト掲載時よりも少なくなっています。

まじめに放送を聴いていて、本書を復習に使う分には、
まったく支障はないと思います。

この本から何を活かすか?

私は、多少サボることはあるものの、現在でも
「NHKラジオ実践ビジネス英語」を聞いています。

しかし、この記事を書いていて、改めてラジオの放送が、
水・木・金の3日間だということを知りました。

それは、最近では放送をインターネット上で聞いているので、
あまり曜日や時間に縛られていないからです。

ネット上には本放送の翌週の午前10時から1週間掲載されます。

本日(2012年2月20日)10時に掲載されるのは、レッスン22の
「Welcome Mat for Business Travelers(出張者歓迎)」です。

アメリカでは一時期、出張旅行が押さえられていましたが、
再びビジネスパーソンの出張が多くなり、
ホテル業者がここ数十年で最悪の状況から抜け出すことに
期待しているという内容です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 勉強法 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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最高のサービスを実現するリーダーシップ

最高のサービスを実現するリーダーシップ  リッツ・カールトンの流儀

最高のサービスを実現するリーダーシップ  リッツ・カールトンの流儀
(2012/01/06)
エドウィン・D・フラー 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

ジョージ・クルーニーさん主演の映画「マイレージ、マイライフ」で、
主人公のライアン・ビンガムは、1年の内300日以上が出張で、
全米を飛び回るという設定でした。

彼の目標はマイレージを1000万マイル以上貯め、
飛行機に自分の名前を残すこ。

その彼の目標を現実の世界で、達成した方がいます。

その人こそが、本書の著者、エドウィン・D・フラーさん。

ユナイテッド航空のボーイング747型機の機長席のすぐ下に、
「お客さまエド・フラー」という文字が描かれているそうです。

フラーさんは、「マリオット・グループ」の海外展開を担う
マリオット・インターナショナル・ロッジングの
プレジデント兼マネジングディレクター。

マリオットに入社以来40年、6ヶ国16軒しかなかったホテルを
70ヶ国400軒もの一大ホテルチェーンへと育て上げましました。

本書では、そのフラーさんがリーダーシップの原則を語ります。

  「わたし自身の経験をぜひともビジネスの第一線で活躍するリーダー、
  そしてリーダーやマネジャーをめざす人々のために役立てたい
  という思いでこうして1冊の本にまとめたわけだが、
  文化の垣根を越えて人間関係を築くことの価値、
  そのために労力を惜しまず現場に足を運ぶことの
  大切さをつづった本書のメッセージはさらに幅広い分野に
  活かしていただけるものと信じている。」

ここで、あれっ?と思った方もいるかもしれません。

本書のサブタイトルに入っている「リッツ・カールトンの流儀」。

私もこの「リッツ・カールトン」という言葉に引かれて、
本書を読んだくちなので、「マリオット・ホテルの本だっけ?」
という疑問が一瞬浮かびました。

しかし、リッツ・カールトンは、独自のブランドを
確立しているとはいえ、あくまでマリオット・グループの中の
1ブランドです。

本書では全9章の中の最終章で、リッツ・カールトンの
サービスについて語られています。

  「グローバルに展開するマリオットというホテルチェーンについて
  本を書くからには、ザ・リッツ・カールトンというブランドについての
  章を設けなければ完成とはいえない。」

ですから、本書全体でベースになっているのは、
リッツ・カールトンの流儀ではなく、あくまで「マリオット・ウェイ」。

ただし、内容はしっかりしているので、あれっ?騙された?
と思って読み始めても、損をした感じはありません。

原題の「You Can\'t Lead With Your Feet On the Desk」の通り、
机の前を離れて行動する大切さと、文化の違いを乗り越えて
人間関係を築くことの重要性が訴えられています。

この本から何を活かすか?

私がマリオットホテルを利用したことがあるのは、
ずいぶん前に、ハワイのマリオットに泊まったことがあるだけです。

好印象のホテルだったと記憶しています。

本書を読んで、またマリオットに泊まってみたくなりましたね。

とは言っても、そんなに簡単なことではないので、
とりあえずは、「マリオット・ウェイ サービス12の真実」でも
読んで、気分を高めようかと思います。

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| リーダーシップ | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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理系のためのクラウド知的生産術

理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス)
理系のためのクラウド知的生産術 (ブルーバックス)

(2012/01/20)
堀 正岳 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

やはり、タイトルの通り「理系」の研究者向けの内容でした。

  「本書は、インターネットのクラウドサービスを利用することで、
  理系研究者の日常でいかにして時間を生み出すことができるか、
  その活用方法について書いた本です。」

このように説明するのは本書の著者、堀正岳さん。

堀さんは現役の理系研究者で、海洋研究開発機構に所属し、
北極における気候変動などの研究を行うかたわら、
ライフハックや仕事術、ツールなどを「Lifehacking.jp」で
紹介しています。

理系研究者でも、一般のビジネスパーソンであっても、
クラウドの恩恵を受けるのは一緒です。

ですから、Googleのサービス(Gmail、ドキュメント、カレンダー)や、
エバーノート、ドロップボックスなどを使うことで、
どこにいても、どの端末からでもネット上に置かれた
ファイルを利用する方法などは、ビジネスパーソン向けの
クラウド活用術の本と差はありません。

しかし、理系研究者には「論文を管理する」といった
特有の仕事もありますから、通常のクラウド活用術では、
ちょっと物足りないといった感じなのでしょう。

本書では、そんな特有の仕事にも配慮した、
理系のためのクラウド仕事術が披露されています。

  第1章 クラウドサービスを使った仕事環境
  第2章 メールに振り回されない環境をつくる
  第3章 手間をかけない論文管理法
  第4章 アイディアをなくさない情報整理法
  第5章 クラウド上で論文を書く
  第6章 時間も空間も超えるコラボレーション術
  第7章 細かい時間を稼ぐテクニック集

当たり前のことですが、普通のビジネスパーソンは、
一般向けのクラウド活用術の本を読んだ方がいいと思います。

しかし、理系の学生、大学院生、研究者の方にとっては、
本書は、ストレスなく研究に集中できる環境をつくる
ヒントが数多く紹介されているので、一見の価値アリです。

メンデレイ(Mendeley)で論文のデータベースをつくる方法や、
Googleスカラーで最新の論文を探す方法などは、
恐らく一般向けのクラウド本では紹介されていないと思います。

ただし、あくまで本書の仕事術で可能になるのは、時間の節約。

節約した時間を上手く使って、いかに本業の研究を進めるかは、
本書に頼ることはできません。

この本から何を活かすか?

オンラインストレージサービス、
ドロップボックス(Doropbox)に登録して使ってみました。

無料で2Gまで使えるのは、有り難いですね。

そして、なんと言っても同期のスピードが速いのでかなり快適。

今まで、使っていなかったのが悔しいくらいです。

最近、私のパソコンの調子が悪いので、
よく使うファイルは、ドロップボックスに置くようにしました。

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| IT・ネット | 09:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日産 驚異の会議

日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ
日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ

(2011/12/23)
漆原 次郎 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

日産自動車と言えば、2010年12月の発売開始以来、
話題となっているのが、100%電気自動車の「リーフ」。

あまり知られていませんが、電気自動車自体は、
世に出てから180年以上の歴史があります。

しかし、これまでの電気自動車は傍流的存在に過ぎず、
現れては消えることが、何度も繰り返されてきました。

それでは、なぜ、日産リーフが、
新しいタイプの車として注目されているのでしょうか?

私たちは、今まで利用したことのない電気自動車に対して、
さまざまな不安を抱きます。

・渋滞しても電気切れの心配はないのか?
・エアコンを使ったら走れる距離は短くなるのか?
・充電インフラは整うのか?
・ガソリン車よりも修理や整備の費用はかかるのか?

日産リーフが、電気自動車の歴史上、
はじめて傍流から抜け出そうとしているのは、
これらのユーザーの電気自動車に対する不安を
完全に取り除くことに注力したからです。

個人的には、特に、充電インフラを徹底して整備している
日産の姿勢が、リーフに興味を持つ人を
後押ししているように感じます。

この日産が社運をかけて開発した電気自動車「リーフ」は、
実は、「会議」によって起こされたイノベーションでした。

本書は、入念な取材のもとに、「日産の会議」を紹介する本です。

1999年にカルロス・ゴーンさんが日産のトップに就任して以来、
リバイバル・プランの象徴的な存在として取り上げられたのが、
部門横断的な集団である「クロスファンクショナルチーム」でした。

しかし、日産にはそれと双璧をなすもう一つの
企業改革のツールがありました。

それが、「V-up」と呼ばれる課題解決ツールです。

この「V-up」も、ゴーンさんの命によって開発された、
新たな課題解決の手法でした。

本書は、「V-up」をもとにした日産の2つの会議、
「V-FAST」と「DECIDE」を詳細にレポートします。

「V-FAST」は、すぐに対処できる問題に対して、
すばやく解決策を決めるプロセス。

「DECIDE」は、大きな問題に対して、
じっくりと解決策をつくっていくプロセスです。

ちなみに、「リーフ」の開発には、「DECIDE」が使われました。

本書は、日産COOの志賀俊之さんはじめ、
「V-up」推進・改善支援チームの全面協力を得て、
会議の詳細から使用する思考ツールまでが紹介されています。

会議の方法と言うより、イノベーションの手法とも言うべき、
企業にとってはかなりコアとなるノウハウを、
ここまで公開していることは、ちょっと驚きです。

この本から何を活かすか?

「系統図」、「親和図」、「ペイオフ・マトリックス」

この3つが日産の会議における三種の神器です。

本書で紹介される、会議の実況中継を見る限り、
思考ツールが有機的に会議の中に取り入れられているような
印象を受けます。

世に溢れる様々な思考ツール。

個人として使うだけではなく、組織として活用できるようになると、
本当に強力な武器になりますね。

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| 会議術・ファシリテーション | 06:41 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ソーシャルメディアの夜明け

ソーシャルメディアの夜明け―これからの時代を楽しく生きるためのヒント
ソーシャルメディアの夜明け―これからの時代を楽しく生きるためのヒント

(2012/01)
平野 友康 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

ある朝、平野友康さんは、ベッドの中でごろごろしながら、
なんとなくツイッターを眺めていたそうです。

すると、元マイクロソフト会長の古川享さんの
ツイートに目が留まりました。

  「教授のライブ、どうやって中継しようかなぁ」

教授とは、坂本龍一さんのこと。
ライブとは、坂本さんが北米で行うピアノソロ・ツアーのことでした。

このツイートを見た平野さんは勢いでツイートします。

  「手伝いたい!」

すると、20分後に古川さんからのツイートが。

  「いらっしゃい!」

この返事を受けた時点で、平野さんは初めて坂本さんのツアーが、
明後日、シアトルで行われることを知ります。

更に15分後の古川さんからのツイート。

  「明日の夕方のデルタ航空に乗れば本番に間に合うよ~」

そして、平野さんは即座に決意してツイートします。

  「行きます!」

しばらくしてから、坂本さん本人からもツイートがありました。

  「ひえー!!!いらっしゃい!」

このあまりにも短く、簡単なツイートで、
坂本さんが2010年11月に行う北米ピアノソロ・ツアーを
USTREAMで無料中継することが決まりました。

ちょっとしたノリで始まったことが、大きなプロジェクトとして動き出し、
何十万人もの人に感動を与えることになります。

これこそが、ソーシャルメディアの躍動感。

本書は、平野さんが自らの実体験をもとに、
ソーシャルメディアの可能性を語る本です。

  「いつも寄り添っている感じ。それがソーシャル。」

平野さんは、ツイッターのタイムライン上で触れ合うことを、
学校のクラスメイトや隣のクラスの友達のような
距離感だと表現しています。

そして、ブログのように読まれることを意識したり、
番組のような作られたメディアとも違う。

どうでもいいつぶやきの中にこそ、
コミュニケーションの本質があり、
だからこそ寄り添うことができると、平野さんは説明します。

ソーシャルメディアに必要なのは「ラブ度」。

それは、ある物事や事象における愛着の深さと信頼の密度。

パーソナルなメディアだからこそ「ラブ度」を中心に動き、
例え3000人しか集まらなくても、その「ラブ度」の深さによって、
従来のメディアがなし得なかったムーブメントを
起こすことができるようです。

本書の後半では、ソーシャルメディアの話しにとどまらず、
モノづくりや閃きのヒントなどが語られていました。

平野さんは、非常に「語る力」のある方なので、
読んでいて、そのワクワク感が伝わります。

誰もがこれから始まるソーシャルメディアの夜明けを
一緒に体験したくなる本です。

この本から何を活かすか?

  「課金ポイントを後ろにズラす」+ソーシャル

冒頭の坂本さんのピアノソロ・ツアーの無料中継は、
北米ツアーのものでしたが、その翌年、韓国でのツアーも
USTREAMで無料中継されました。

その時は、ツアーから準備・撤収までをすべて無料配信し、
よかったら思い出としてライブ盤や、イベント関連グッズを
買ってくださいという、ビジネスを展開したそうです。

今までもネット上では、最初に無料で提供し、
後からオプション分は課金するというビジネスモデルがありました。

しかし、そこにソーシャルメディアが絡むことで、
単なるお客さんとしてではなく、
プロジェクトを一緒に作り上げる一体感が生まれているんですね。

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| IT・ネット | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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変われる人

変われる人 8000人のキーパーソンと会食してわかったこと
変われる人 8000人のキーパーソンと会食してわかったこと

(2012/01/08)
鮒谷周史 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「ときどき“メールマガジンを毎日、よく続けられますね”
  と言われることがあります。しかし、最初の立ち上がりこそ
  たいへんでしたが、時間の経過とともに無形資産が逓増し、
  そこから有形・無形のさまざまな価値が生まれて報いが
  どんどん大きくなってくると、メールマガジンを書くのが
  楽しくて仕方なくなってきます。
  今ではメールマガジンをやめることなど、考えられません。」

日本最大級のビジネス系メルマガ「平成進化論」を
執筆する鮒谷周史さん。

2003年から毎日休まず発行し、通算3000号を超え、
登録者数も20万人を超える、まさに大御所中の大御所メルマガです。

私もブログを続けている身なので、
冒頭の鮒谷さんの言葉には共感できます。

このブログも今年通算1500記事を越える予定で、
今となっては、ブログをやめることなど考えられません。

時間の経過とともに無形資産が逓増している実感もあります。

ただ、いくら習慣になっていても、
それを長期で続けることは、それなりに大変ですが・・・

さて、本書は実際に「変わることができた」鮒谷さんの、
「変わりたい」と思う人へのヒントが書かれた本です。

  「約9年前に失業者だった私は大きく変わり、
  自分でも信じられないような成果をあげることができました。
  しかも“激変”ともいうべき変化が、
  ある時、突然起きたのです。なぜ起きたのか。
  それはひとえに、人との出会いの大切さに気づいたことにつきます。」

鮒谷さんは、起業家、経営者から各界の専門家まで
会食したキーパーソンは8000人を超えるそうです。

その出会いの場である会食を起点とし、
以下のようなサイクルを回し、好循環を生んでいます。

  1. キーパーソンと会食する
  2. 会った人から知的好奇心が刺激され気づきを得る
  3. 気づきを抽象化し、言語化する
  4. メルマガで、自分の言葉にして発信する
  5. フィードバックが得られる

誰もが鮒谷さんと同じように、会食ができるわけではありません。

しかし、会食でなくても、講演やセミナーに参加することを
出会いの起点にすることもできますし、
本を出会いの起点とすることだって可能です。

大切なのは、そのあとの逓増していくシステムを作ること。

  「システムを作れば確実な成果がもたらせるのはもちろん、
  思考と行動がシンプルになって時間や金銭、思考に余裕が生まれます。」

本書は、鮒谷さんが変わった実体験として語られているので、
平易な言葉を使っていながらも深さを感じさせます。

この本から何を活かすか?

  「効率化の対極にあるオタクの発想が真の革新を生みだす」

本書では、福岡伸一さんのコラムを引用し、
効率至上主義の対極にある、異質なオタク的な発想こそが
真のイノベーションを生むと説明されています。

鮒谷さん自身も、システム化で生まれた余裕を
可能な限り「無用の用」に触れることで、
自らのオタク化を進めているそうです。

私は最近、自分の興味を突き詰めることが
不足していると実感していました。

殻を破るために、たまには無用と思えることに、
おもいっきり投資してみたいと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「先延ばし」にしない技術

「先延ばし」にしない技術
「先延ばし」にしない技術

(2012/01/09)
イ・ミンギュ 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

あるネイティブアメリカンのレインメーカー(雨乞い師)は、
雨乞いの祈りを始めると、必ず雨が降ったといいます。

なぜ、そんなことが、できたのでしょうか?

彼の祈りが、天に通じたのでしょうか。
それとも、一般の人にはない霊力があったのでしょうか。

いいえ、そのどちらでもありません。

実は、彼は失敗しない雨乞いの方法を知っていたのです。

それは、雨乞いをやめないこと。

彼は、一度、雨乞いの儀式を始めたら、
いつも本当に雨が降るまで祈りをやめなかったから、
必ず雨を降らせることができたのです。

これは、本書に紹介されていた、簡単にあきらめいないことの
大切さを伝えるエピソードです。

本書は、韓国の心理学者イ・ミンギュさんによる
「実行力」を身につけるための本です。

イさんは、幸せな人生を手に入れるためには1%だけ変えればいい
という「1%行動心理学」を提唱する韓国では著名な心理学者。

本書では、偉大な人と平凡な人の差は、
知識やアイディアではなく、「実行力」にあるとして、
その実行力を身につける方法を解説します。

実行力は「決心-実行-維持」の3段階からなります。

本書でもこのステップに沿った3つの章で、
それぞれ具体的なケースを紹介し、心理的な問題を分析した後、
解決策を提示します。

紹介される事例は、当然、日本や欧米の著者の本では、
見かけない韓国のものがあり新鮮です。

かといって、韓国一辺倒ではなく、欧米や中国、日本の本からの
引用もあり、非常にバランスがよく読みやすく感じます。

  「小さなことを、ひとつ選ぼう。そして、今日すぐに実行に移そう。
  明日も、あさっても、しあさっても、毎日ひとつだけ実行しよう。」

イさんは、走り出しさえすれば、半分終わったも同然とし、
本書では一貫して、行動への移しやすさを重視しています。

それは、人間の脳は体がいったん動き始めると、
止まるにもエネルギーを消耗するため、していることを続けるのが
合理的だと判断する「作業興奮」と呼ばれる精神現象があるからです。

つまり、意欲がないから先延ばしにしてしまうのではなく、
始めないから意欲がわかないというわけです。

そのためにも、目標を簡単な「小さな単位」に分割して、
まず行動を起こし、それができてから次の単位に移すことが
本書では、徹底して説かれています。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されていた、元グーグル中国地区総裁の
李開復(リーカイフー)さんのエピソード。

李さんは、かつてアップルで働いていた時代がありました。

ある日、李さんは当時のCEOジョン・スカリーさんと一緒に、
アメリカの人気テレビ番組に出演し、
新しく開発された音声認識システムを紹介することになりました。

収録の前日、スカリーさんは李さんに尋ねました。

「成功確率はどのくらいだい?」

それに対する李さんの答えは、「約90%」。

するとスカリーさんは、さらにこう言いました。

「成功確率を99%まで上げてくれ」

翌日、李さんはスカリーさんに実演成功確率は99%だと言い、
実際に実演は成功しました。

スカリーさんは、「ごくろうだった。昨日はシステム変更で
大変だったろう?」と言って李さんをねぎらったそうです。

ところが、李さんはスカリーさんが驚くような返答をします。

「昨日のシステムと今日のシステムは同じです」

それでは、李さんが成功確率99%と言ったのはウソだったのでしょうか?

実は李さんが行ったのは、非常に簡単なこと。

それは、コンピューターを1台追加しただけのことでした。

1台がエラーを起こす確率は10%。
2台が同時にエラーを起こすのは、10%×10%=1%。

つまり李さんは、ただコンピューターを1台追加するだけで、
成功確率を90%から99%へ引き上げたのでした。

  「言い訳する暇があったら、突発的な事態へ備える
  “プランB”を考えなさい」

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タイム・マネジメント4.0

タイム・マネジメント4.0 ― ソーシャル時代の時間管理術
タイム・マネジメント4.0 ― ソーシャル時代の時間管理術

(2011/12/21)
竹村 富士徳 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「仮に1日が24時間ではなく、25時間になったとしたら、
  その追加の1時間で何をしたいと思うでしょうか?
  ただし、“寝る”を除いて考えてみてください。」

本書の著者、竹村富士徳さんは、
研修の時に、いつもこの質問をするそうです。

やりたい事として出てくる答えは、
だいたい3つのカテゴリーに分類されます。

それは仕事関係か、家族関係か、個人的な事柄のいずれか。

やりたいと感じていても、毎日の生活の中では時間が足りず、
できていないことが、答えとして挙がるのでしょう。

しかし、竹村さんは指摘します。

  「私たち自身の時間の使い方が変わらなければ、
  今の時間の使い方がそのまま間延びしてしまうだけで、
  最も大切な事柄、また最も成し遂げたいと思っていることに
  着手するのは難しく、結局、先送りになってしまうということです。」

つまり、仮に1日が30時間に増えてから同じ質問をしても、
やはり今と同じ回答が返ってくると。

ならば、逆に考えてはどうでしょうか。

今の毎日の生活を1日23時間で過ごすと決め、余った1時間で、
最初の質問で考えたやりたい事をやるようにする。

もし、これに本気で取り組むなら、真っ先に追加の1時間で
やりたかったことをやってしまってから、その日1日を過ごすと、
今まで24時間でやっていたことが、強制的に23時間で
やらざるを得ない状況が作り出せますね。

  「時間管理とは出来事管理である」

本書で竹村さんが解説するのは、スティーブン・R・コヴィーさんの
7つの習慣」や「第8の習慣」を基にしたタイム・マネジメント。

竹村さんは、フランクリン・コヴィー・ジャパンの副社長を
務める方ですから、コヴィーさんの教えをベースにするのは、
当然といえば、当然です。

「タイム・マネジメント4.0」は、ソーシャル時代に必要な
時間管理術で、過去の管理術と次のように違います。

  タイム・マネジメント1.0=行動管理
  タイム・マネジメント2.0=1.0+予定管理
  タイム・マネジメント3.0=2.0+目標管理
  タイム・マネジメント4.0=3.0+目的・役割・成長・相乗効果

長期にわたる成果、貢献に基づく信頼関係、相乗効果、
この3点が今までのタイム・マネジメントと
大きく違う点のようです。

タイム・マネジメント4.0のコンセプト自体は、
分かりやすく平易な言葉で解説されています。

ただし、全体的に概念的な話しが多かったので、
もう少し具体例を挙げて欲しい感じがしました。

この本から何を活かすか?

フランクリン・プランナーは生き残っていけるか?

「フランクリン・プランナー」とは、フランクリン・コヴィー社が
販売するタイム・マネジメントツール。

7つの習慣」を実践するための、システム手帳のフォーマットです。

最近のiPhoneをはじめとするのスマートフォン普及で、
かなり利用者が減っているのではないでしょうか。

本書のタイム・マネジメント4.0も、
「ソーシャル時代の」と謳っていながら、
やはり、紙のフランクリン・プランナーで管理するようです。

フランクリン・プランナー自体が練り上げられた
フォーマットであるがゆえに、他のプラットフォームである
グーグルカレンダーとの同期をするといったことは、
許せないのかもしれません。

しかし、これからの時代、他のプラットフォームに乗っかる
したたかさがなければ、生き残りは難しいように思えます。

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| 時間術 | 06:53 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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社畜のススメ

社畜のススメ (新潮新書)
社畜のススメ (新潮新書)

(2011/11)
藤本 篤志 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:27

  「サラリーマンは社畜を目指せ」

社畜とは、もともとある作家が造った言葉を、
評論家の佐高信さんが広めて、使われるようになったそうです。

何とも刺激的で、時代錯誤を感じさせるフレーズですね。

しかし、本書で藤本篤志さんが主張する内容は、至極真っ当。

「守破離」の「守」こそが社畜時代であり、
その段階を飛ばしては、「破」も「離」もあり得ないということです。

藤本さんは、「個性を大切にしろ」、「自分らしく生きろ」、
「自分で考えろ」、「会社の歯車になるな」という、
よく聞く主張をサラリーマンの4大タブーと呼んでいます。

そして、まだ実績の無いサラリーマンの修行時代には、
個性を捨て、自分らしさにこだわらず、自分の脳を過信せず、
歯車になることを厭わずに働くことが必要だと説きます。

それでは、最近のビジネス書でよく見られる、
「会社の歯車になるな」といったアドバイスをどう考えたらいいのか?

  「天才型のアドバイスは凡人には毒にもなります」

藤本さんは、ビジネス書を読むときは著者略歴を見て、
すべてのアドバイスを鵜呑みにしないようにとも言っています。

例えば、『断る力』の勝間和代さん。

「断る」ことを主張する勝間さんは、
学生時代に公認会計士に合格するなど、明らかに天才型。

そんな勝間さんでも、入社してから10年くらいは、
マッキンゼーなどで「守」の修行時代を過ごしています。

更に、『入社1年目の教科書』の岩瀬大輔さん。

岩瀬さんもハーバード経営大学院で、日本人4人目となる
ベイカー・スカラーとなるなど典型的な天才型です。

岩瀬さんも「社内の人と飲むな」と言っていますが、
それは社内で上司とのコミュニケーションが、
十分に取れていることが前提となった話しです。

また、『「残業ゼロ」の仕事力』の吉越浩一郎さんも、
若い頃にずいぶん残業した時代があったからこそ、
トリンプで社長を務めることができたはずです。

要するに、華々しく見える天才型のビジネス書の著者でも、
「歯車」の時代に修行した事実があったり、
その主張の裏には、「守」を大切にする考えがあるということです。

藤本さんが、本書ですすめるのは、「社畜」の中でも
「ダメな社畜」ではなく、「クレバーな社畜」。

思考停止に陥ってしまっては、単なるダメ社畜にばるので、
あくまで将来「破」と「離」の段階に進むために、
会社を徹底的に利用するクレバーな社畜になるべきなのでしょう。

この本から何を活かすか?

次の10項目で、あなたはいくつ当てはまりますか?

  □ 会社の悪評や批判に接したときは、我がことのように腹が立つ
  □ プライベートで先約があっても、仕事が入ったら
   ついつい仕事を優先してしまう
  □ 家族よりも会社の人と顔を合わせている時間が長い
  □ 会社の同僚や先輩に仕事で差をつけられたくないし、
   またその努力をしている
  □ 仕事とプライベートのオンオフを明確に使い分けられない
  □ 寝る前にふと考えることは、仕事のことが多い
  □ 休日でも、仕事関連の本や雑誌をよく読む
  □ 社内の派閥やグループ活動に積極的に参加している
  □ 結婚式に呼ぶ知人は半分以上が会社関連の人たち
  □ 社是、社則などの決まりごとは一字一句覚えている

これは、本書に掲載されていた「社畜度テスト」。

1つでも当てはまれば、社畜の素養が十分にあるそうです。

それは、決して悪いことではなく、
あなたが真面目に仕事に取り組んでいる証です。

もし、当てはまった自分が嫌で嫌で仕方なければ、
さっさとサラリーマンを辞めて、
違う生き方を模索するように藤本さんは勧めています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 08:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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働き方の教科書

伝説の外資トップが説く 働き方の教科書
伝説の外資トップが説く 働き方の教科書

(2011/12/09)
新将命 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「ここ数年の間に、私は何冊かの本を上梓しました。
  なかでも、『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』が
  “人”のマネジメントを、『経営の教科書』が“企業”の
  マネジメントを扱ってきたのに対し、本書は“自分自身”の
  マネジメントについての深堀りを狙いました。」

本書は、新将命(あたらしまさみ)さんの「教科書」シリーズ第3弾。

新さんは、シェル石油、ジョンソン&ジョンソン、フィリップスなど
グローバルカンパニー6社で、社長職を3社、副社長職を1社経験した、
まさに「伝説の外資トップ」の名にふさわしい経歴をお持ちの方です。

しかし、当たり前のことですが、こんなに凄い経歴の新さんでも、
新社会人の時代や中間管理職の時代がありました。

いったい、どのような働き方をすると、
会社のトップまで上り詰めることができるのでしょうか?

まず、最も大切なことは、明確な目標を立て、
その期限を設定することです。

  「45歳までに企業の社長職に就く」

これは、新さんが32歳の時に立てた目標です。

当時、新さんは日本コカ・コーラに務めていたそうですが、
「日本一のマーケティングマン」になるという当面の目標と共に、
社長になるという最終目標も立てました。

そして、社長になるために必要な資質や条件を
紙に書き出したそうです。

新さんがリストに挙げた社長の要件は、全部で14項目。

この内、合格点をつけられたのが「体力」と「英語力」のみで、
「判断力」や「洞察力」、「コミュニケーション能力」など
残り12項目は、合格点には程遠い自己評価となりました。

しかし、新さんは45歳までの13年間で、
残りの12項目を1つずつクリアしていけばよいと考え、
そこで働き方の指針が決まったそうです。

やはりどんなポジションにいても、社長になると明確な目標を
持っていると、仕事上での判断する視点が異なりますし、
プライベートでも時間の使い方が違ってくるのだと思います。

また、新さんは成功の要因を次の式で表しています。

  成功=(情熱+人間力+仕事力)×運

重要度が最も高いのは「運」で、次が「情熱」、
3番目が「人間力」で最後が「仕事力」という順番です。

この中でダントツに重要なのは、掛け算になっている「運」ですが、
新さんは、「運」は向こうから勝手にやって来るものではなく、
自分でリスクを取って「運んで」くるものであると解説しています。

本書は、経営者やリーダー向けではなく、
一般のビジネスパーソン向けに書かれているので、
新さんにしか書けない独自の切り口が少ないように感じますが、
ジックリ読むと、その見識の深さが伝わってきます。

この本から何を活かすか?

新さんの本では、さりげなく英語表現が学べます。

さすがに、元NHKラジオ「やさしいビジネス英語」の
土曜サロンを担当していただけのことはありますね。

本書で印象的だったのは、次の言葉です。

  「Insanity is to continue to do what you are doing today
  and expept better results tomorrow.
  (狂気とは、今日やっていることと同じことをやり続けて、
  明日の結果が今日よりもよくなることを期待することである)」

あなたは、同じことをやり続けていませんか?

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 06:46 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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ズルい仕事術

ズルい仕事術
ズルい仕事術

(2011/12/16)
勝間 和代 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「そういえば、ラジオの収録などに行くと、
  “なぜ勝間さんは、さまざまなバッシングに対して平気なのですか?”
  と聞かれることがありますが、それは単純で、
  “本当に近くつき合っている人からバッシングされるのであれば
  へこむけれども、バッシングをする人たちは幸か不幸か、
  見ず知らずの人たちだから”です。」

きっと質問した人は、勝間和代さんが、ぜんぜん平気そうに
見えていないから、こんな質問をしたのでしょう。

しかし、勝間さんは本当に平気なんだと思います。

なぜなら、バッシングを受けることが、
意図したマーケティング手法だからです。

それは、「炎上マーケティング」とか、
「バッシングマーケティング」と呼ばれる手法です。

この方法は、勝間さんのようにソーシャルメディアに精通し、
かつ、ブランドを確立した著名人がやると効果絶大。

  「ではなぜ、人は悪口や陰口を言いたがるのでしょうか?
  それはやはり、“自尊心を満たす”ためです。
  人の悪いところを見ることによって、
  あるいはそこを誇張することによって、相対的に自分の優位度を
  確認したい、高めたい、と思うからです。」

ここまで分かっていて、本書でもアマゾンのレビュー批判に、
多くのページを割くなど、あえてツッコミどころを用意しているのは、
どう考えても確信犯ですね。

本当に勝間さんが言うように、日本のアマゾンのレビューが、
米アマゾンのように、買った人かどうか、実名かどうかが、
区別されるようになってしまえば、バッシングも減り、
マーケティングの効果は、なくなってしまいます。

さて、本書の内容ですが、ムダな努力をやめ、
結果を出すことにフォーカスした仕事をしましょうという話しです。

日本の生産性は欧米と比べて低いと、よく言われます。

それは、日本人がムダなところまでマジメ過ぎるからであり、
もっと付加価値を高めることだけをズルく考えて、
仕事をしましょうと勝間さんは言っています。

ズルく仕事をするために、柱になるのは、次の3つのスキル。

  1.自分の強み・弱みについての正しい「自己分析力」
  2.不確実な状況でも的確な判断を下せる「論理思考力」
  3.周りへの徹底した「レバレッジ力」

本書では、いろいろな本から引用しながら、
これら3つのスキルを身につける方法を解説し、
「自分をいつも見つめ直し」「常識を疑い」「運のいい人になる」
ことを目指します。

炎上マーケティングの手法を学ぶのが半分、
付加価値を高める仕事術が半分の本といった印象でした。

結果を出すためなら、どんなマーケティング手法でも使う
勝間さんの貪欲さには、脱帽です。

この本から何を活かすか?

私の娘(小学5年生)の同級生に、
1人とても嫌われている、Mちゃんという子がいます。

なぜ、その子が嫌われているかというと、
話し方が常に上から目線だから。

話を聞いているだけでムカつくと、クラスメートからも、
お母さん達からも、すこぶる評判です。

でもよく考えると、ネガティブな話しではありますが、
どんなときでMちゃんの話題がのぼり、常に注目の的です。

このことを思い出し、「炎上マーケティング」は、
人間が本質的に持っている感情に訴える手法なのだと実感しました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| マーケティング・営業 | 06:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

(2011/12/08)
デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

変わり者の変わり者による変わり者のためのマーケティング本。

伝説的ロックバンド、「グレイトフル・デッド」。

1965年にサンフランシスコで結成し、
リーダーのジェリー・ガルシアさんが亡くなる1995年まで活動。

カウンターカルチャーを象徴するようなバンドです。

  「ヒット曲もないし、ジョン・レノンやポール・マッカートニーや
  ミック・ジャガーやキース・リチャーズみたいなスターも在籍していない。
  そんなバンドなのですが、アメリカでとても人気があったのです。」

これは本書を日本に紹介した、監修の糸井重里さんの言葉。

確かに、グレイトフル・デッドはビルボードのヒットチャートを
賑わすことはありませんでしたが、「デッドヘッズ」と呼ばれる、
熱狂的なファンがいることでも有名なバンドです。

ビル・クリントンさんやアル・ゴアさん、ビル・ウォルトンさん
なども、デッドヘッズとして知られています。

もちろん、本書の著者であるデイヴィッド・ミーアマン・スコットさんと
ブライアン・ハリガンさんもデッドヘッズです。

お2人は、グレイトフル・デッドを今最も注目を浴びている
フリーやシェアなどの「ソーシャル・メディア」を使った
マーケティングと同じ手法を、1960年代から活用していたとして
本書で紹介します。

  ・レコードを売るためにライブをするのではなく、
   ライブ自体で設けるビジネスモデルをつくり上げた。

  ・観客がライブ録音するのを許可するどころか、
   良い音で録音できるテーパー・セクションを設けた。
   そのため録音テープを交換し合うネットワークができあがった。

  ・熱心なファンにいち早くツアー情報を知らせるために、
   1960年代からデータベースマーケティングを行った。

  ・ライブのチケット販売は外部に委託せず、直接販売し、
   プロセスを管理した。

  「グレイトフル・デッドはよそとは正反対のことをやる
  “コントラリアン・マーケティング”の壮大なケーススタディなのだ。
  彼らが行った革新的なマーケティングの数々は、
  同時代のロックバンドがやっていることの、まさに正反対だった。」

本書は、デッドヘッズによるグレイトフル・デッドの礼賛本に
留まることなく、そのマーケティング手法を解説し、
現在同じような戦略を使っている企業の最新事例を紹介しています。

マーケティング手法としては、少し後づけ的な感じが
しなくもないですが、ビジネス書としては異質な
「ラブ&ピース」感が漂う、興味深い本になっています。

この本から何を活かすか?

「○○にマーケティングを学ぶ」

この本が売れると、2匹目のドジョウを狙った本が、
どんどん出てくるのでしょうね。

グレイトフル・デッド以外にも、○○の部分に
当てはめることができる著名人や著名な集団は
まだまだ考えらそうです。

学ぶのも、別にマーケティングでなくてもいい。

その業界で、特異なことをやって人気を得たり
頂点を極めた著名人をビジネスモデルとして本を書く。

できれば、大衆化しすぎていないけれど、
それなりに知られている人をモデルにするのがいいでしょう。

学ぶべき教材は、いくらでもありそうです。

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| マーケティング・営業 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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100円のコーラを1000円で売る方法

100円のコーラを1000円で売る方法
100円のコーラを1000円で売る方法

(2011/11/29)
永井 孝尚 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

舞台は会計ソフトウェア専業の駒沢商事。

その商品企画部に、ある女性が異動してきます。

女性は、はじめての顔合わせで次のように挨拶しました。

  「この会社の商品、みんなガラクタです!
  そんなガラクタを押し付けられた現場の営業は、
  ものすごく苦労しています。私が東京に戻ってきたのは、
  この会社のガラクタをちゃんとした商品に変えるためです。
  以上―」

本書は、こんなセリフを吐く、強烈なキャラクター
宮前久美が主人公のビジネスストーリー。

久美は、黒いストレートのロングヘアーが似合うアラサー美人。

商品企画部に異動になる前は営業で、
非常に勝ち気な性格と、強引な手法で実績をあげていました。

顧客の要望に100%応える。

これをモットーとしてきた彼女は、現場での営業経験を活かし、
新しい商品を企画しようとします。

しかし、そこでぶつかったのが、マーケティングの壁。

実は、彼女は顧客の要望に100%応えようとすることで、
カスタマー・マイオピア(顧客近視眼)に陥っていました。

そして、メンターのアドバイスを受け、
顧客の要望に応えるだけでは、事前期待を上回ることは
できないことを知ります。

顧客が望んでいて、競合他社が提供できない、
自社が提供できる価値、「バリュー・プロポジション」。

久美は、そのバリュー・プロポジション徹底的に考え、
少しずつマーケティングを学んでいきます。

通常、この手のビジネスストーリーでは、
主人公の成長を手助けするメンターは、社外にいます。

そしてメンターのアドバイスをヒントに、
社内の敵や顧客の問題に対処するというのが王道です。

しかし、本書に登場するメンターは久美の上司。

しかも、強気な久美を徹底的にコキ下ろします。

  「わかりやくす説明すると、あなたの考えは、
  きわめて、とても、すごく“あ・さ・い”ってことです」

こんなやり取りがあるのが、本書の物語としての面白さ。

コーラの事例自体は、ちょっとしか登場しませんが、
わかりやくすマーケティングの基礎を学ぶことができます。

本書は著者の永井孝尚さんが以前に書いて、絶版となっている
朝のカフェで鍛える実戦的マーケティング力
を全面的に書き直し、新しい物語として再構成したようです。

この本から何を活かすか?

本書のストーリーがベースにしている、
各種のマーケティング理論は、参考文献と共に、
巻末で紹介されています。

物語だけでは、雰囲気しかわかりませんから、
もっと詳しくマーケティング理論を学ぶときに便利です。

この中で、私が読んでみたいと思ったのが、
永井さんの著書である「バリュープロポジション戦略50の作法」。

だた、120ページしかないボリュームが、
ちょっと引っかかります。

1年前の本だし、ここは無難に図書館で借りるのが得策でしょうか。

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| マーケティング・営業 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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世界経済「大動乱」を生きのびよ

世界経済「大動乱」を生きのびよ 預金蒸発を防ぐマネー術
世界経済「大動乱」を生きのびよ 預金蒸発を防ぐマネー術

(2011/12/20)
藤巻健史 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

なぜ、藤巻健史さんの本は売れるのか?

本当は、どれぐらい売れているのか正確にはわかりませんが、
藤巻さんが新刊を出すと、たいていアマゾンでもリアル書店でも
ベストセラーとしてランクインします。

私はいつも、それが不思議でなりません。

確かに、朝日新聞の土曜日版beにて、弟の藤巻幸夫さんと共に、
長年連載していましたから、知名度はあります。

しかし、書いてある内容は、毎回同じこと。

そして、生涯現役トレーダーとして腕の見せ所である、
マーケットの予想は、当たった試しがありません。

藤巻さんが勧める通りに投資をして、
痛い目にあった方もいると思います。

おまけに、三橋貴明さんや上念司さんなどの新しい世代の論客からは、
「マッキーが、またオオカミが来ると叫んでる」と
完全に馬鹿にされる始末です。

それでも、新刊が出る度に多くの人が藤巻さんの本を買い、
読んでしまうんですね。

それは、藤巻さんの講演会でも同じ現象のようで、
藤巻さんの次男ヒロシさんは、次のように語っているます。

  「お父さんの予想は、ずーっと外れているのに、集客力だけは抜群だね」

やはり、家族からこんなことを言われたエピソードを披露し、
その人柄が滲み出ているところが、藤巻さんの最大の魅力。

そんな訳で、私は藤巻さんのファンを長年続けています。

さて、本書は「週刊朝日」に連載されたコラム
「案ずるよりフジマキに聞け」の2011年1月~12月までの記事を引用し、
それに最新の解説と分析を加えた本です。

藤巻さんの主張は、どんなことがあってもブレませんから、
いつもの円安興国論が展開されています。

過去に、藤巻さんの本を読んだことがある方なら、
だいたい想像がつく内容ですね。

本書で、藤巻さんが力を入れて解説していたのが、
国債暴落に備えた「ミニ債券先物」の取引です。

  「東京証券取引所は09年3月23日に“ミニ債券先物”を上場しました。
  しかし、これまでは取り次ぐ証券会社がありませんでした。
  したがって個人では取引ができなかったのです。
  しかし、11年秋、証券会社が何社か取次ぎ業務を開始しました。
  これで個人でも“ミニ債券先物”が取引できるようになりました。
  これは充分、勉強に値する商品です。
  国際暴落が始まるまでにぜひ使いこなせるようにしておいてください。
  自分の財産を守る最高の手段になると思います。」

日本の財政は制御不能(アンコントローラブル)と考える
藤巻さんらしいアドバイスです。

ちなみに、国債暴落を予想して取引するなら、
もっと手軽な「国債先物CFD」という選択肢もあります。

この本から何を活かすか?

藤巻さんは、いつものように米国経済には強気で、
本書でも「米国株」を海外分散投資の手段として勧めています。

私が米国株で最も注目するのは、
2012年2月1日に米証券取引委員会に上場申請したフェイスブック。

最終的にどうなるかはわかりませんが、
フェイスブックのIPO後の初期の値動きも、
グーグル上場時と同じようなマーケットの反応になると
私は予想しています。

10年に1度の一大イベントなので、
私は「記念買い」してもいいと考えています。

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| マネー一般 | 06:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ラッキーな人の法則

ラッキーな人の法則
ラッキーな人の法則

(2011/12/16)
小杉 俊哉 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  Q1 あなたにとってラッキーとは?
  Q2 あなたはラッキーだと思いますか?
  Q3 なぜQ2のように思うのか、
    具体的エピソードがあれば教えてください。

本書の著者、小杉俊哉さんは、このようなラッキー度を測る
アンケート調査を307人を対象に行いました。

質問は2部構成になっていて、第1部は冒頭で紹介した3問で、
回答者にとって、ラッキーとはどういうものかを問う質問。

第2部では、どんな人がラッキーなのかを調べるために、
回答者の行動や思考、習慣の傾向を問う45項目の質問です。

なぜ、小杉さんはこのようなアンケート調査を実施したのか?

それは、小杉さんの経験上、ある仮説があったからです。

  「“ラッキー”がたまたま起こる、自分の力ではどうすることも
  できないものであるとすると、どうして“ラッキーな人”と
  “アンラッキーな人”がいるのかだろうか、ということです。
  やはり、“幸運になる”という自分自身の姿勢や、働きかけが
  大きな影響を与えているのではないか、ということです。」

ラッキーは受動的に起こるものではなく、
能動的につかみとるものだとする仮説です。

実際のところ、この仮説をもとにした「成功本」や「幸運本」は
いままでも数多く出版されてきました。

しかし、既存の本は、著者自らの経験をベースに
書かれたものがほとんどです。

それでは、著者がいかに成功者であっても、
サンプル数が、あまりに少なすぎます。

たまたま、その著者に当てはまっただけのことかもしれません。

その点、本書では300人以上に調査を行ない、
ラッキーな人が共通して持つコンピテンシー(思考・行動特性)を
明らかにしていますから、特定の人だけに当てはまる、
偏った法則にはならないというわけです。

それでは、この調査で明らかになった、ラッキーな人の
典型的な人物像とは、どのようなものだったのか?

  「“自己承認と自己確立”ができていて、“他者支援と感謝”をし、
  “直感と洞察力”を持っている人」

きっと、ラッキーな人も、アンラッキーな人も、
最初の時点で起こっていることは同じなのでしょう。

しかし、アンラッキーな人は、それを否定的にとらえ、
他人のせいにして、更に他人の意見に振り回されてしまう。

一方、ラッキーな人は、同じことが起こっても、
それを肯定的にとらえ、ギブ・アンド・ギブの精神で、
自分の直感を信じて行動する。

その積み重ねが、幸運を引き寄せる差になるようです。

結論だけ見ると、既存の「成功本」や「幸運本」が
言っていることと、あまり変わらないようにも感じます。

しかし、小杉さんにとっては、この調査を行ったことに意義があります。

また、私にとっては、本書を読んだことを
肯定的にとらえるか、あるいは否定的にとらえるかが、
今後に大きく影響するということかもしれません。

この本から何を活かすか?

ルーレットで、あなたは3回連続「赤」に賭けましたが、
残念ながら3回とも「黒」が出てしまいました。

さて、4回目の勝負です。
あなたなら、どう考えますか?

  1. 「黒」が4回連続して出る確率は低いから、「赤」に賭ける
  2. 常に確率は1/2だから、どちらにかけても一緒である
  3. 「黒」が連続しているので、流れのある「黒」に賭ける

これは、植島啓司さんの「偶然のチカラ」に掲載されていた
質問として、本書で紹介されていました。

ビギナーは「1」を選び、ギャンブルをやらない人は「2」を選び、
プロのギャンブラーは「3」を選ぶそうです。

本書でも、ラッキーな人は流れを重視するので、
「3」を選ぶような解説がされていました。

でも、私なら、4つ目の選択肢を勝手に作り、
3回負けた時点で、もう勝負から降りますね。

ルーレットの場合、回数を多くやればやるほど、
「大数の法則」に支配されます。

回数を重ねると、「赤」も「黒」も1/2の確率に近づくのではなく、
「0」や「00」があるので、1/2より小さな確率に近づいていきます。

つまり、やればやるほど、胴元が儲かるということです。

だったら、最初から勝負をするなと言われれば、
身も蓋もありませんが、サンクコストの呪縛から逃れ、
せめて傷の浅いうちに止めるのが賢明だと思います。

また、5つ目の選択肢を作り、胴元になるというのも
いいかもしれませんね。

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| 成功哲学 | 21:04 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!

英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!
英語は恥ずかしいほどゆっくり話しなさい!

(2012/01/27)
長野慶太 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

本書は、アップルシード・エージェンシー深川さんより
献本いただきました。ありがとうございます。

ただ、もし献本頂かなかったとしても、
私は長野慶太さんの本なら、喜んで自腹で購入しますし、
本書は、定価1300円の何倍もの価値を与えてくれます。

本書で得られる価値とは、英会話習得のための「戦略」。

英会話習得と言うと語弊があるかもしれません。

正しくは、英語で相手に自分の言いたいことを
わかってもらうための「戦略」です。

その戦略とは、「スローイングリッシュ」。

  「本書では、恥ずかしいほどゆっくり話すことを
  スローイングリッシュと呼び、その驚異的な効果と具体的な手法を
  いろんな角度から説明する。」

これを聞いて、私が最初にイメージしたのは、
戦場カメラマンの渡部陽一さんの超ゆっくりした喋りです。

渡部さんも、外国に行くようになり、言葉が通じない国で
理解してもらうために、話し方がゆっくりになったと、
インタビューで述べていました。

本書で長野さんが提唱するスローイングリッシュは、
枕詞を使って会話に入る、ディフォルメ抑揚をつける、
ため息のように語尾をのばす、関係代名詞やthat節を多用する
などの戦術を使います。

単純にスピードを遅くして丁寧に話す
渡部さんの超ゆっくりした喋りと少し手法は異なりますが、
目指すゴールは一緒なのです。

それでは、なぜ、スローイングリッシュなのか?

前提になっている考えは、英語脳と話すスピードの関係。

  「あなたの英語の言葉は、あなたの英語脳の回転より早く
  あなたの口から飛び出していくことはない」

つまり、様々な戦術を用いて、ゆっくり話すことで、
私たちの英語脳が働くまでの、時間稼ぎをするわけです。

本書を読むまで、私の中にはペラペラと早く喋ることが
うまい英語という思い込みがありました。

そのおかげで、早く喋ろうと焦って、
逆に言葉に詰まってしまうことがよくありました。

しかし、そんなスピード英語への幻想は捨て、
ひとつのことを表現するのにたっぷり時間をかける英語を
実践することで、心と頭に余裕が生まれます。

本書は、英会話の参考書ではありません。

あくまで、英語で言いたいことを相手に伝えるための
「戦略」を示すビジネス書。

ですから、英語の本としては常識破りの「縦書」です。

そして、いつものように冴える長野節。

本書は、私のような長野さんファンにはもちろん、
そうでない方でも、十分に長野ワールドが堪能でき、
同時に英語で話すための武器を手に入れられる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「会話を始めるのはいい。相手が始めてきた会話でこちらが
  英語がわからず答えられなかったらそれはしょうがない。
  しかし、こちらから始めた会話で相手が自分の英語を
  理解しなかった時に、“自分で終わらせ方”を持たないと
  とても気まずい感じになる」

これ、すごく良くわかります。

「自分で終わらせ方」がわからないと、
どつぼに嵌る恐怖感さえあります。

長野さんは、この「出口」を確保できた時が、
英語を好きになった瞬間だと、本書で振り返っています。

その緊急退避のフレーズとは、「Never mind」。

自分から切り出して、英語が伝わりそうになかったら、
「Never mind」で、その会話はなかったことにしてしまう。

この「出口」を持つだけで、精神的に非常に楽に
英語で会話に入っていけます。

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| 勉強法 | 06:43 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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超光速ニュートリノとタイムマシン

世紀の大発見がもたらす未来 超光速ニュートリノとタイムマシン
世紀の大発見がもたらす未来 超光速ニュートリノとタイムマシン

(2011/11/30)
竹内 薫 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

2011年9月23日、名古屋大などが参加する
日欧国際共同研究グループ(OPERAチーム)は、
物質を構成する素粒子の一種であるニュートリノが、
光の速度より速く飛んでいるとする観測結果を発表しました。

その衝撃的な実験結果は、マスコミでも取り上げられ、
専門家の「これによってタイムマシンが可能になる」といった
発言をとりあげ、過熱報道されました。

本書は、その報道を受けての
サイエンス作家・竹内薫さんの緊急出版。

パート1では、報道の裏にある科学者たちのホンネを明かし、
パート2では、タイムマシン実現の可能性を解説します。

この実験、もともとは一大学院生の博士論文のための
研究テーマだったそうです。

しかし、とんでもない実験結果が出てしまったため、
指導教官がOPERAチームの精鋭に助けを求め、
世界でも優秀な科学者達がよってたかって、
学生実験の結果を、3年かけて精査したようです。

それでも、ニュートリノが光より速いという結果は揺るぎなかった。

そして、OPERAチームはあえて理論的な解釈を加えず、
次のように他の物理学者へ、追試をするように振りました。

  「ものすごく気をつけて実験をやったんだけど、
  やっぱり超光速という結果しか出ませんでした。
  だから、世界中の実験物理学者のみなさん、
  どうか同じような実験をやってみてください。」

事実上、これを厳密に追試できるのは日本とアメリカだけ。

私たちシロウトからすると、早く追試をやって、
もっと研究を進めて欲しいと考えがちすが、
竹内さんが想像する、科学者のホンネは違うようです。

  「でも、ぶちゃけ、この追試って誰もやりたくないんじゃ
  ないでしょうか。多分、追試を“振られた”恰好の
  日本やアメリカの実験チームは、頭にくると思うんですよね。」

なぜ、世紀の大発見の追試を誰もやりたくないのか?

それには次のような理由があります。

まず第一に、追試をするにはお金と時間がかかること。

第二に、追試をやったグループはどんな結果が出たにせよ、
何の功績にもならないから。

きわめて慎重な追試を行ない、OPERAグループと同じ結果が出ても、
相手がノーベル賞を獲るための手伝いにしかならない。

逆に、OPERAグループの発表を否定する結果が出ても、
それはそれでお金と時間の無駄にしかならない。

つまり、追試のためのモチベーションがあがらないようです。

  「今回の超光速の実験結果も最終的に結果が確定するのには
  10年かかるでしょう。」

ニュートリノが光より速いという実験結果は、
物理学の根底を覆す発見かもしれませんが、
完全に決着するのは、かなり先のことになりそうです。

この本から何を活かすか?

ニュートリノが、本当に光より速くても、
タイムマシンが簡単に作れるようになるわけではありません。

しかし、理論的にも実用的にも、
物理学者がまじめに取り組むタイムマシンがあります。

ワーム・ホールを使ったタイムマシン、
宇宙ひもを使ったタイムマシン、
時空の歪みを作り出すタイムマシン・・・

これらのタイムマシンが、本書のパート2で紹介されていました。

私たちが、SFの中でよく見るタイムマシンは、
自由に時間旅行を楽しめるイメージがありますが、
理論上できる可能性があるタイムマシンには、
ある重大な制約があります。

それは、「タイムマシンとは、そのタイムマシンを稼動させた
時間までしか戻れない」ということです。

ちなみに、未来に行くタイムマシンは、
相対性理論で考えると、今でもできちゃうようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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