活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2011年12月 | ARCHIVE-SELECT | 2012年02月

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心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法
心を上手に透視する方法

(2011/08/25)
トルステン・ハーフェナー 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

「この本は読まない方がいいだろう。
この本はあなたにとって、あまり面白くないからだ。」

これは、本書で紹介されていた、
好奇心をかき立てる“否定の言葉”を効果的に使うテクニックの
例文をちょっと変えたもの。

最初の否定的な2行を読んで、好奇心をくすぐられたとしたら、
本書に書いていることは本当です。

  「このような文を僕が提示すれば、書いてあることとは
  正反対の効果があり、読者はむしろ好奇心をそそられる。
  違いますか?」

本書はマインド・リーダーのトルステン・ハーフェナーさんによる、
人を観察する力を磨くための本です。

マインド・リーダーとは読心術師。

マインド・リーディングでは、相手の表情や仕草、
行動、身につけているものから、相手の心理を読解します。

実際のところ、いくら観察力を磨いても、
当然それだけでは読み取れないこともあります。

読み取れなかったとき、あるいは相手の心理を間違って
読解したときにマインド・リーダーとして最も大切なことが、
外れたと悟られないこと。

ですからマインド・リーダーは、占い師などが使う、
誰にでも当たっていると思わせるトークのテクニックや
暗示の技術を組み合わせて使います。

ハーフェナーさん自身は、マインド・リーダーになる前は、
マジックを勉強していたそうです。

YouTubeでのハーフェナーさんのショーの映像を見る限り、
ドイツ語だったので、細かいところはよくわかりませんが、
マジックのショーと見分けが使いものもありました。

もし、次のような宣伝文句があったらどうでしょうか?

「このメガネをかけたら、相手の心が透けて見える!」

そんな商品が売られていても
信用するのは、せいぜい小学生まででしょう。
まともな大人が聞くと、胡散臭さしか感じません。

本書も、「心を上手に透視する」というタイトルで、
逆に損をしている印象を受けます。

「一言も話さなくても、相手の考えていることがわかる」
などと煽らずに、もっとおとなしく、
観察力を磨く本として売り出した方が、
日本では受けが良かったかもしれません。

冷静に読めば、本書は心理学やNLP(神経言語プログラミング)の
知識を紹介した、日常生活をちょと豊かにさせてくれる
本だということがわかります。

この本から何を活かすか?

私が本書で最も気に入ったのは、次のエピソードです。

  コペンハーゲン大学での物理学の試験で、
  「気圧計を一台使って、一棟の高層ビルの高さを算出する方法を
  説明しなさい」という問題が出されました。

  ある学生はこう答えました。

  「気圧計に長いひもを結びつけて、高層ビルの屋上から地上に垂らす。
  ひもの長さが高層ビルの高さである」

  試験管はこの独創的な答えに立腹し、学生を落第させましたが、
  学生はこの解答は正しいと異議を唱えました。

  結局、大学側は、この学生が物理の基礎知識を習得しているかを
  確認するために、同じ問題での6分間の口述試験を
  追加で行うことにしました。

ここからの口述試験の様子が、秀逸。

そして、この独創的な解答をした学生とは・・・・

私はこのエピソードだけで、本書を読む価値がありました。
続きは是非、本書でお読みください。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 09:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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伝える力2

伝える力2 (PHPビジネス新書)
伝える力2 (PHPビジネス新書)

(2011/12/15)
池上彰 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

私たちは、ビジネスでもプライベートでも、
なんとなく分かったつもりになっていることがたくさんあります。

中には、今さら、こんなこと聞けないと感じていることも。

池上彰さんは、多くの人のそういう部分を感じ、
そこで流さず、キチンと立ち止まって意味を説明します。

更に一歩踏み込んで、もっと深い知識をエピソードとして語るので、
話しが分かりやすいと多くの人に支持されるのでしょう。

  「豊後水道というのは、水道なのですか?」

これは池上さんが「週刊こどもニュース」をやっていたときに、
番組に寄せられた質問です。

これを聞いて、小学生だからこんなことも知らないのかと
終わらせてしまうのと、「水道」の意味を国語辞典で確認し、
「海峡」と同じ意味があるのを確認するのでは大違いです。

池上さんは、ここから更に掘り下げます。

それではなぜ、津軽海峡などの「海峡」を使う名称と、
豊後水道などの「水道」を使う名称があるのか?

そこまで調べて、「へー、そうなんだ」というところまで
伝えるのが池上流です。

本書は、ベストセラーになった「伝える力」の第2弾。

池上さんは前作を20代~40代までのビジネスパーソンを
想定読者として書いたようですが、いざふたを開けてみると、
小学生から90代の方までに読まれる大ヒット作になりました。

そこで本作は、同じく幅広い層の方が手に取ることを想定して、
多めにルビをふったそうです。

  「多くの方が手に取ってくださった『伝える力』では、
  私が日々考え、実践している“伝えるための方法や
  コミュニケーションについての考え方”を紹介しました。
  しかし、もちろんそれらのすべてではありません。
  書ききれなかったことも、たくさんあります。
  この『伝える力2』では、その書ききれなかったことを
  数多く盛り込みました。」

非常に悪い言い方をすると、本書はボツになったネタの寄せ集め。

しかし、そんなことをまったく感じさせず、
一気に読ませてしまうところが、
池上さんの持つ「伝える力」なのでしょう。

本書は、「伝える力」を体系立てて学べるわけではありませんが、
「なるほど」と思えることが満載の、読んで面白い本です。

この本から何を活かすか?

  「“いけしゃあしゃあ”ってどういう意味?」

これを小学生にわかるように、簡単に説明できますか?

実はこれ、昨日、私が小学生の娘に聞かれたことです。

こういう質問をされた瞬間、私はいつも脳をフル回転させ、
ズバッと一言で説明し、その後で例を挙げるように心掛けています。

本当は、自分で辞書を引かせた方が、
子どものためにはいいのでしょう。

しかし、こんな質問を親にするのも今のウチだけ。

だったら、私の「伝える力」を訓練するために、
活用しようと、今のところは考えています。

日常の中で、子どもから学ぶべきことはたくさんあります。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:43 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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グローバル恐慌の真相

グローバル恐慌の真相 (集英社新書)グローバル恐慌の真相 (集英社新書)
(2011/12/16)
中野 剛志、柴山 桂太 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

日本では民主党政権が迷走し、経済が悪化する中で、
東日本大震災が起こりました。

ヨーロッパではギリシャ危機をきっかけに、
EU内諸国での国家債務危が飛び火し、
EU自体の存在意義が問われています。

そして、世界経済を牽引していたアメリカでも、
オバマ政権は有効な経済政策が打てず、行き詰まりを見せています。

それでも世界経済は、一時的に低迷しているだけで、
これからもグローバル化は順調に進み、
いずれ好調に戻るのでしょうか?

それとも、米経済学者のポール・クルーグマンさんが、
リーマン・ショック後に言ったような
「今の世界は鏡の国のアリスのような状況」が、
今後も続くのでしょうか?

「鏡の国」とは、それは今まで良かったことが悪くなり、
悪かったことが良くなる、考え方がすべて逆転した世界。

本書の著者、中野剛志さんと柴山桂太さんは、
共に後者の考えです。

中野さん「リーマン・ショックを引き起こしたグローバル化や
     新自由主義的な考え方で、問題を解決することは
     できないのです。」

柴山さん「グローバル化は経済危機の原因であって、グローバル化を
     経済危機の処方箋とすることはできない、というわけですね。」

本書は「TPP亡国論」で注目された中野さんと、
その盟友であり気鋭の経済思想家の柴山さんの熱き対談本。

これまでの主流派経済学には、解決の処方箋は無いとして、
過去の経済思想家の考えを引き合いに出しながら、
これまでの通俗観念を覆すような議論が展開されます。

  第1章 グローバル化の罠に落ちたアメリカと世界
  第2章 デフレで「未来」を手放す日本
  第3章 格差と分裂で破綻する中国とEU
  第4章 冬の時代のための経済ナショナリズム

お2人とも考えが近いので、反TPPはもとより、
現在の世界経済の危機は過度なグローバル化がもたらしたものであり、
完全な反グローバル化で意見が一致しています。

中野さんが、自身の主張を政治経済思想の観点からも
強化するために柴山さんを呼んだような印象です。

ですから、意見を戦わせることはほとんどなく、
共通認識を確かめながら、深く語り合うような対談になっています。

中野さん「日本も世界もここまで滅茶苦茶をやれば、
     こうすればバラ色になるなんという処方箋なんて、
     もうあり得ないですよ。今、必要なのは、
     事態がもっと悪化するのを食いとめるという敗戦処理、
     ダメージ・コントロールです。」

柴山さん「僕が思うのは、これからは消耗戦なんですよね。
     日本だけでなくすべての先進国が、グローバル競争のなかで、
     せっかく蓄積してきたナショナル・キャピタルを
     減らし続けている。これ以上、消耗しないように
     なんとか踏みとどまるというのが、
     強いて言えば方針になるかな、と。」

分かり合っているお2人ですから、話もかみ合い、
非常に質の高い対談になっていると思います。

この本から何を活かすか?

今までは、世界経済の成長に長期投資するのが、
投資の王道でした。

なぜなら、景気の波や地域によって好不調はあっても、
人の欲望をエンジンとして、常に拡大していくことが
資本主義の本質だからです。

それでは、リーマン・ショック後に、
「鏡の国」に入ってしまった私たちは、世界への株式投資は控えて、
できるだけ現金で資産を持っていた方が良いのでしょうか?

私は、そうは思いません。

中野さんと柴山さんからは、批判を受けるかもしれませんが、
これからますます不安定な世界の経済状況が続くなら、
ボラティリティによって儲けることも考えるべきだと思います。

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| 経済・行動経済学 | 07:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「IT断食」のすすめ

「IT断食」のすすめ (日経プレミアシリーズ)
「IT断食」のすすめ (日経プレミアシリーズ)

(2011/11/10)
遠藤 功、山本 孝昭 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

「topless meeting」という言葉をご存知でしょうか?

私は、NHKラジオ「実践ビジネス英語」2011年12月28日の放送で
この言葉を知りました。

ビニエットには次のようなセリフがありました。

  「Great Lakes is going “topless”
  in all corporate meeting rooms from now on.
  (グレイトレイクスでは今後、社内のすべての会議室で
  トップレスになります)」
  (グレイトレイクスとは、舞台となっている会社の名前)

会議室で、ト、ト、ト、トップレスになる!?

私の頭の中では、当然のごとく良からぬ妄想が膨らみましたが、
天下のNHKの放送で、そんな話が出てくるわけがありません。

その回のテーマは「Ban on Laptops(ラップトップの禁止)」。

社内の会議や大学の授業で、ノートPCやスマートフォンなどの
デジタル機器の使用を禁止するという内容の話しでした。

「topless meeting」とは、もちろんオッパイ丸出しで
会議をするのではなく、ラップトップやスマホの使用が
禁止された会議のことを指します。

英オックスフォード大学の出版局が発表する
2008年のWord of the Yearにも選ばれた言葉のようです。

それだけ、ラップトップやスマホから離れられない人が多くなり、
世界的にも「IT中毒」が広がっているということなのでしょう。

さて、かなり前置きが長くなりましたが、
本書は、過度なIT依存へ警鐘を鳴らし、
職場での適正なITとの付き合い方を促す本です。

著者は、「見える化」の発明者である遠藤功さんと、
IT企業・ドリーム・アーツ社長の山本孝昭さん。

遠藤さんがこの本を書くのは分かります。

しかし、IT業界に身をおく山本さんが、
自らの商売を否定しかねない、こういった本を書いたことは驚きです。

山本さんは、本書の前書きで次のように書いています。

  「IT業界のプロが、多くの企業とそこで働くほとんどの人たちが、
  すでに“IT中毒”状態であることを問題提起する決断をし、
  この本を執筆するに至った。その理由は単純明快。
  ITによって得られるメリットとデメリットが一部で
  逆転してきたからだ。」

本書では、過度にITに依存することにより発生した
情報の洪水(ICF)とバカのロングテール(BLT)が、
かえって仕事の邪魔になっていることを指摘し、
依存克服への処方箋を示します。

それが、本書のタイトルである「IT断食」。

本書を読むと、ITに頼りすぎることで、私たちに本来必要な
コミュニケーションが不足していたことが自覚できます。

職場に活気を取り戻すためには、ある程度ITを断って、
振れ過ぎていた針を反対側に戻す必要がありますね。

現在の何でもかんでもITに頼った仕事のやり方に、
違和感があった人には、共感がもてる内容だと思います。

この本から何を活かすか?

私は、ここ数日、右目のまぶたが何度もピクピクと痙攣します。

私も立派なIT中毒者。

きっと目の使い過ぎか、睡眠不足が原因なのでしょう。

身体が発した危険信号には、素直に従った方がいいのかもしれません。

当面の間、IT断食として、ブログの更新をしない日曜日は
一切パソコンに触らないようにしたいと思います。

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| IT・ネット | 06:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人前で話すのがラクになる!5つの魔法

人前で話すのがラクになる!5つの魔法
人前で話すのがラクになる!5つの魔法

(2011/11/26)
金光 サリィ 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

昨日の記事「IDEA HACKS!2.0」で紹介されていたハック、
「最初の10ページで著者になりきるスキーマ読書術」を
試してみようと思って、初めて手にしたのが本書。

  「こんにちは! メンタルコミュニケーショントレーナーの
  金光サリィ(かねみつさりぃ)と申します。
  魔法使いサリーちゃんの“サリィ”です。
  ぜひお気軽に“サリィちゃん”と呼んでくださいね。
  呼ばれるほどテンションが高まる仕組みになっております。
  ちょっと今、呼んでみてもらえませんか? せーの・・・・
  “サリィちゃ~ん♪”
  ちゃんと声に出して呼んでもらえました? ありがとうございます!」

表紙が魔法の杖を持っているような、
あまりにも明るい金光さんの写真だったので、
その時点で、私は一歩引いていました。

で、この高いテンションの出だし。

私は圧倒され、心の中で「いいね!」ボタンを
押しながら読むというハックを実践できませんでした。

著者になりきるスキーマ読書術は、とりあえず今日は止めておこう・・・・
最初の10ページを読んで、私はそう思いました。

さて、誤解のないように言っておきますと、
本書の内容が悪いわけでは決してありません。

私のキャラからして、最初から“サリィちゃん”に
なりきれなかっただけのことです。

悪いわけではないどころか、本書は難しい内容でも、
その難しさを微塵も感じさせないくらい、
わかりやすく「あがり症」を克服する方法が書かれています。

本書で紹介される、人前で話すのがラクになる魔法とは、
次の5つです。

  言葉の魔法 言葉で脳をコントロールする!
  態度の魔法 態度を変えれば自信が生まれる!
  行動の魔法 行動を変えると人生が変わる!
  イメージの魔法 成功しているイメージを脳に上書きする!
  1枚の魔法 話す内容をワンシートにまとめるマンダラボックス法

内容はNLPの理論に基づいていますが、そんな言葉は一切使わず、
小中学生が読んで理解できるくらい簡単な言葉で説明されています。

そして、終始軽快で明るいトーンで書かれています。

完全な「おじさん」であるがゆえに、“サリィちゃん”に
なりきって読むことを諦めた私も、本書を一通り読み終えてみると、
かなり気持ちが“サリィちゃん”に近くなっていました。

個人的にすぐに使ってみようと思ったのは、
1枚の魔法で紹介されていた「マンダラボックス法」。

スピーチの際、原稿を書かず、1枚にまとめられた、
マンダラボックスのキーワードに沿って話を進める方法です。

書き方は「マンダラート」と同じように、
3×3の9マスの真ん中のボックスにタイトルを書き、
周りのボックスに話す内容の主要キーワードを書き込みます。

原稿をつくると、どうしても「読む」ようになってしまいますから、
キーワードをもとに「じゃべる」方が、届く言葉になりますね。

この本から何を活かすか?

金光さんは、USTREAMで「金光サリィのハッピーエクスプレスⅡ
 という対談番組を配信しています。

ゲストを迎え、幸せの特急列車に乗車できる人の
思考と行動を伝える内容のようです。



私は、もう少し金光さんのことを知るために、
この番組のアーカイブから、何本か見てみようと思います。

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| コミュニケーション | 06:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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IDEA HACKS!2.0

IDEA HACKS!2.0
IDEA HACKS!2.0

(2011/12/09)
小山 龍介、原尻 淳一 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「仕事で成功するために必要なものは、スキルではなく運です。
  (中略)運を大事にしなさい、という話しであれば、
  できの悪い自己啓発書になってしまいます。
  ライフハックでは、この運さえもハックする。
  そこにハックシリーズのハックシリーズたるゆえんがあります。」

運をつかむために必要なのは、贈与を優先する思想。

自分の利益のためではなく、
場を豊かにする献身的な行動が求められます。

ハックと聞くと、効率的に仕事を進めるヒントといった
イメージがありますが、本書の求めるところは違います。

2006年に原尻淳一さんと小山龍介さんによって書かれた
IDEA HACKS!」では、楽しく、クリエイティブに
仕事をすることがテーマでした。

今回の続編である「2.0」では、もう一歩進めて、
「仕事を豊かにする」ハックがテーマとなっています。

  Chapter1 天才的アプトプットハック
        (フロー体験と直観力)
  Chapter2 超大量インプットハック
        (場からの学びと多様なスキーマ)
  Chapter3 オリジナルを育むフィールドワーク
        (身体の拡張とアイディアの発芽)
  Chapter4 未来を創るデザイン思考ハック
        (サイエンス思考とアート思考)
  Chapter5 自立力を高める個人ブランドハック
        (自営と自衛のマネジメント)
  Chapter6 人生を豊かにする複線キャリアハック
        (シナジーとエナジーの螺旋)

本書では、仕事を通じて、経済的にも豊かになり、
更に精神的に豊かになることも目指します。

  「究極の目標は、スティーブ・ジョブズになることです。」

個人的には、お手軽なハックからジョブズさんは生まれないと思います。

ジョブズさんはクリエイティブなだけの人ではありません。

もっと、執念というか情念の部分で、
内側にマグマのようなエネルギーを抱えていました。

そのエネルギーは、時にはジョブズさんの人格を破綻させ、
周囲を恐怖に陥れるほどのパワーを持ったものだったと思います。

本書のハックでは、良くも悪くもジョブズさんに
完全になるのは難しいでしょう。

しかし、発想のコツをつみ、「場」を豊かにすることはできそうです。

ハックシリーズは、よくもこれだけの面白いハックを集めたなと、
毎回、感心しますが、今回も試してみたくなるハックが満載。

全部で89個のハックが紹介されています。

一つのハックを切り取ってみると、一見、今までのハック本と、
さほど変わらないような印象を受けますが、
よく見るとその裏で「場を豊かにする」というテーマと
しっかりつながっていることがわかります。

この本から何を活かすか?

本書で私が試してみようと思ったハックをいくつか挙げてみます。

  ハック02 半日断食で聡明な頭を手に入れる
    お手軽な断食。集中できる時間が増え読書スピードも上がる。
  
  ハック06 脳と手を直結させる「プライベート・ライティング」
    文章を書くなどのアウトプットスピードが2倍以上に。

  ハック20 最初の10ページで著者になりきるスキーマ読書術
    心の中で「いいね!」ボタンを押しながら読む。

ここでは、あえて私がブログを書く上で
活かせそうなハックを選んでみました。

著者になりきって本を深く読み込み、読書スピードもアップし、
記事を書く時間は今までの半分以下になる。

そんな理想的な状態になるかどうかは分かりませんが、
試してみる価値はありそうです。

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| ノウハウ本 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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動的平衡2

動的平衡2 生命は自由になれるのか
動的平衡2 生命は自由になれるのか

(2011/12/10)
福岡伸一 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

ヒトとチンパンジーのゲノムを比較すると、
98%以上が相同で、ほとんど差がありません。

この2%足らずの遺伝子情報の違いも、
質を決める決定的なものではなく、
「てにをは」レベルの微細な差です。

仮に遺伝子操作によって、2%の差をヒトの遺伝子に書き換えても、
チンパンジーはヒトにはならないそうです。

それでは、いったい何が、ヒトとチンパンジーの
差になっているのでしょうか?

  「それはおそらく遺伝子のスイッチがオン・オフされる
  タイミングの差ではないか」

本書の著者、福岡伸一さんはこのように予想します。

遺伝子は確かにタンパク質の設計図だけれど、
オン・オフのスイッチとボリュームのつまみも付いている。

  「たぶん、遺伝子は音楽における楽譜と同じ役割を
  果たしているにすぎない。記された音符の一つ一つは同じでも、
  誰がどのように演奏するかで違う音楽になる。」

今から30年前に英国の動物行動学者、リチャード・ドーキンスさんは、
著書「利己的な遺伝子The Selfish Gene)」の中で言いました。

生物の唯一無二の目的は、子孫を残すために自己複製することであり、
私たち生物は遺伝子が自己複製するための乗り物に過ぎないと。

これが、現代まで主流となっている遺伝子原理主義です。

福岡さんは、利己的な遺伝子をあまり美しくないと感じています。

そして、生命を動かしている遺伝子以外の何かがあると考え
遺伝子原理主義に異論を唱えます。

そこで注目したのが、「エピジェネティクス」という考え。

「エピ」は外側、「ジェネティクス」は遺伝子の意味。

つまり、エピジェネティクスは遺伝子の外側で起きていることを指します。

これが、福岡さんが生命の本質は、絶え間ない流れと考える、
「動的平衡」と非常にマッチします。

本書は、生命が遺伝子から自由になれるのかを求める壮大な旅。

日本経済新聞や、ソトコトなどいくつかの雑誌に
連載したエッセイを集めて、加筆しているので、
部分によっては若干トーンが違い、不自然さを感じるところもあります。

しかし、そこは福岡さんの筆力によって十分にカバーされていますし、
あたかも本書自体が多様性を保全するための、
「動的平衡」によって上手くバランスしているようでもあります。

本書は、芸術色の濃い出だしでしたが、
福岡さんファンの期待を裏切らない一冊でした。

この本から何を活かすか?

  日本全国で咲く桜、「ソメイヨシノ」はクローン?

春になると美しく咲くソメイヨシノは、一代雑種。

これは異なる系統をかけ合わせた交配種で、
子孫を残す能力がほとんどないそうです。

ソメイヨシノは、天然の交配か発見されたか、
人為的に作り出されてかは定かではありませんが、
起源は江戸時代後期まで遡ります。

その後、明治期に入り、染井村の造園業者によって育成され、
全国に広がったそうです。

ソメイヨシノは子孫を残せないのに、
どのようにして、日本中に広がったのか?

それは、クローン技術。

ただし、そんな高度なものではなく、
昔から行われていた「挿し木」とう技術です。

なんと、日本中で咲くソメイヨシノは、
もともとたった1本のソメイヨシノを挿し木して増やしたもの。

ですから、北海道のソメイヨシノも九州のソメイヨシノも、
また、江戸時代のソメイヨシノもみな同じDNA指紋を持つそうです。

春になり、桜を見たときには、この話を思い出し、
江戸時代からの脈々とした生命の流れに思いを馳せたいものです。

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| 科学・生活 | 08:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーダーの値打ち

リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか? (アスキー新書)
リーダーの値打ち 日本ではなぜバカだけが出世するのか? (アスキー新書)

(2011/12/10)
山本一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

私が子どもの頃、「末は博士か、大臣か」という言葉がありました。

今よりも、博士にしても大臣にしても、
もっともっと価値があり、尊敬される存在だったからこそ、
将来有望な子どもに対し、このような言葉を使ったのでしょう。

しかし、時代は変わりました。

かつて知の象徴だった博士は、意外と簡単になれるようになりました。
デフレ状態に陥って、昔ほど価値がなくなってしまった博士。

事実、私の同級生にも何人もの博士がいます。

一方、さすがに大臣になった知り合いはいませんが、
こちらも昔ほど、尊敬される存在とは言えません。

猫の目のように変わる日本の大臣。

特に内閣総理大臣は、国民の期待を背負って就任しても、
そのほとんどが、期待外れで終わります。

期待が外れるだけならまだしも、博士にも大臣にもなれなかった
私たちから見ても、明らかに誤った判断をしていたり、
驚くぐらいリーダーシップを発揮せず、その迷走ぶりが白日の下に晒され、
ますます尊敬の念が薄らいでいきます。

  「どうして日本では、有能である人物がトップになった瞬間に
  無能さを感じるのだろう」

本書の著者、山本一郎さんは、この疑問を出発点として、
馬鹿なリーダーを生む組織構造の問題点を解き明かします。

山本さんといえば、かつて「斬込隊長」というハンドルネームで
活躍していたカリスマブロガー。

今は実名を明かし、「やまもといちろうBLOG」で舌鋒鋭く、
世の中を斬っていますが、本書でもその切れ味は健在。

独自のロジックで、リーダーシップ論を展開しています。

本書のテーマは2つ。

  「どうして、こんな馬鹿な人が組織のリーダーになっているのだろう?」

  「私たちはこんなに頑張っているのに、なぜ成果に結びつかないんだろう?」

一見、無関係に思えるこの2つのテーマ。

しかし、リーダー不在で閉塞感が漂う日本と、
その日本において先が見えず、努力をしても先に進んでいると
なかなか実感できない私たち。

根底のところでは、この2つのテーマはつながっています。

個人的に、気に入ったのは山本さんの「あとがき」のこの言葉です。

  「先が見えない世界であるからこそ、不安だけでなく希望があります。
  不確実な世の中だからこそ、いまが不満足で不条理な状況であったとしても、
  未来に展望を描くことができます。
  そして、この世に正解などない、正しいと考えたことに
  自分を導いていくのだという努力を惜しまないことこそが、
  リーダーシップの源泉なのです。状況を一歩一歩改善していくために、
  突き詰めて考えていく姿勢が、いまの日本人に求められていること
  そのものではないでしょうか。」

投資家の山本さんらしい一言ですね。

リスクはリターンの源泉。

リスクを取らなければリターンは得られないという
投資原則にも通じる考え方だと思います。

この本から何を活かすか?

  「組織において有能な個人は出世して、階層を一段ずつ上がっていく。
  そして彼(彼女)は、自分がもはや有能でないレベルに達すると、
  それ以上は出世できない。したがって、組織の中のポストは次第に、
  無能な人間によってすべて埋まっていく。
  だから大きな組織は、たいてい全体として無能になっていくのだ」

これは本書の中でも引用されていた、
教育学者ローレンス・J・ピーターさんの「ピーターの法則」。

このピーターの法則を打ち破るために、山本さんは、
一人ひとりが考えて判断し、組織でいうと人が能力に見合った
地位につくことが重要と述べています。

一方、組織の中で役割を上げていかないと、
人は成長できない面もありますから、
やはりこれは簡単に解決できる問題ではないのかもしれません。

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クラウド「超」仕事法

クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する
クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する

(2011/11/25)
野口 悠紀雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

スマートフォンの活用本や、クラウドの仕事術に関する本は、
既に数多く出版されています。

恐らく、そういった本の著者は好奇心が旺盛で、
新しい技術やガジェットが世に出たら、すぐに自分で試すのでしょう。

そして見つけたノウハウを、誰よりも早く世間に発表することで
活用本として刊行しているわけです。

これらの本の著者は、ほとんどが年齢20代~40代まで。

それでは、「超」シリーズで有名な野口悠紀雄さんが書いたとはいえ、
今さらスマホやクラウドの活用術の本を、読む価値があるのか?

しかも、野口さんは、御年71歳。

野口さんには失礼ですが、そんな高齢の方が書いた本が、
当たり前のように最新のデバイスを使いこなす
デジタルネイティブの世代が書いた本を上回る価値を示せるのか?

本書を読む前に、私はそんな不安が一瞬よぎりました。

しかし、不安は杞憂に終わりました。

いくらお年を取ったとはいえ、やはり野口さん。

既存のスマホ・クラウド本とは、ひと味もふた味も違いました。

  序章 クラウドが開く魔法の世界
  第1章 クラウドの魔法を誰でも使える時代が来た
  第2章 ため込むな クラウドに上げよ
  第3章 クラウドを用いて時間を有効に使う
  第4章 考える環境を作る
  第5章 クラウド時代に生き残るメティアは何か?

  「“何ができるか”ではなく、“何をやりたいのか”が問題」

野口さんは、この手の本には2種類あると言います。

1つは「機器、あるいは機能の側からの使い方」を解説した本。

そしてもう1つは、「仕事上でどう使ったらよいか」という
ノウハウを提供する本。

この2つの違いは、欲求の違いです。

前者の本は、目の前に機器があって、それを使いこなしたい
という欲求を満たします。

既存のノウハウ解説本は、ほとんどがこちらに属します。

後者の本は、そもそもそんな機器が登場する前から、
今の仕事のやり方に不満があり、それをなんとか解消したかった
という欲求を満たします。

本書は、後者です。

  「ずいぶんお待ちしました。デジタルオフィスさま」

童話「眠れる森の美女」のセリフを模するように、
現在のクラウド環境は、野口さんが永く待ち望んだ状態。

野口さんには、こういう状態で仕事をしたいという、
強烈な欲求がありました。

ですから本書では、水を得た魚のように
野口さんは「仕事上でどう使ったらよいか」を解説します。

また、本書ではクラウドの背景にある社会構造や、
「ものごとの考え方」の問題も重視しています。

ITの本質的な価値を考え、私たちの生活や仕事を
どう変えるかが考えられていますから、
既存のスマホ活用本とは深さが違い、
また、インテリジェンスが感じられる本になっています。

この本から何を活かすか?

  「一生時計」

「一生時計」とは、一生を80歳として、一周24時間とする時計。

デジタル版より、アナログ版の方が、
よりリアルに残り時間を意識でき、時計の文字盤には、
自分の歴史と、世間の出来事が刻まれています。

クラウド版の「超」整理手帳に入れる予定とのことです。

野口さんの一生時計の針は22時半頃の位置まで進んでいます。

私も一生時計で考えてみると、
時計の針は、現在13時半を指していました。

これは、まだ時間があると考えるか、
もう時間がないと考えるかの問題ではなく、
残り時間を意識た方がよさそうです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ハーバードビジネススクールが 教えてくれたこと、教えてくれなかったこと

ハーバードビジネススクールが 教えてくれたこと、教えてくれなかったこと 起業した卒業生3人の10年間
ハーバードビジネススクールが 教えてくれたこと、教えてくれなかったこと 起業した卒業生3人の10年間

(2011/12/01)
ビル・マーフィー・ジュニア 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:20

ベンチャー企業を興して成功する秘訣。

それは、既に成功した起業家から学ぶこと。

しかし、意外なほどベンチャー企業を研究した事例は少ないようです。

なぜなら、駆け出しのベンチャー企業は株式をを公開していないので、
企業情報が公開されていません。

さらに、株式を公開している会社でも、
IPOの時点で創業者が辞めてしまっていることも少なくありません。

ですから、ハーバードビジネススクール(以下HBS)で学んでも、
ベンチャーの創業者が直面する問題や決断を具体的に知ることは
できないようです。

そこで、本書の著者ビル・マーフィー・ジュニアさんは、
起業のベストプラクティスを見つけるために、
HBSの1997年、1998年、1999年の卒業生で、
実際に起業した100人以上を対象にインタビューを始めました。

そして、次の3つの基準で本書の主人公となる起業家を絞り込みました。

  1. 成功していること(年商5000万ドル以上)
  2. 長期間続いていること(5~10年以上の継続)
  3. 正直であること(いいことも悪いことも話してくれること)

選ばれたのが、HBS卒の3人の起業家。

高級小売店を起業し、11年全米チェーンに育てたマーラさん。
インターネット関連企業を2社立ち上げたクリスさん。
5年の歳月をかけ計画を練り会社を設立、成功させたマークさん。

この3人はHBS卒業後、まっさらな状態から会社を興し、
つまずき、転び、苦しみながらも、起業家として成長し、
10年間で会社も大きな利益を上げ、多くの雇用を生み出しました。

本書はマーラさん、クリスさん、マークさんの
試行錯誤の10年間を追った、壮大なケーススタディです。

そして、著者のマーフィーさんは、この3人の軌跡を追って、
「起業に成功するための10のルール」を導きだしました。

  1. 成功を固く決意する
  2. まず問題を見つけ、それから解決策を考える
  3. 大きく考える、新しく考える、もう一度考える
  4. 1人ではできない
  5. 1人でやらなくてはいけない
  6. リスクを管理する
  7. リーダーシップを学ぶ
  8. 売り込み方を学ぶ
  9. 粘って、辛抱して、勝つ
  10. 一生続ける

本書の3人の主人公は、もの凄く著名な起業家ではないものの、
いずれも個性豊かでバイタリティの溢れる方たち。

その10年間を描いていますから、ビジネスストーリーとしても楽しめる
読み応えが十分な作品になっています。

ただし、面白い作品ではあるものの、
3人の主人公はもともと優秀で、HBSに入学する時点から、
尋常ではない行動力がありますから、一般のビジネスパーソン人が、
参考にできるかどうかは微妙なところかもしれません。

この本から何を活かすか?

HBSの「組織行動」の授業では、
マイヤーズ・ブリッグス・タイプ指標(MBTI)という
性格テストを実施するそうです。

これは16タイプに分ける性格検査。

HBSの学生は、率直で決断力があり、進んでリーダーシップを取る
「ENTJ」型と診断されることが多いようです。

私もこの性格検査の簡易版テストができるサイトで試してみました。

結果は、「INTP」タイプ。

「考えにふけってうわの空の大学教授を絵に描いたようなタイプ」
のようで、どうやら起業家タイプではないようです。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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孫正義 奇跡のプレゼン

孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則
孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則
(2011/12/01)
三木 雄信 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

本書は、日本を代表するプレゼンテーションの名手、
孫正義さんのプレゼン手法を解説する本です。

  第1章 孫正義のプレゼンテーションの本質
  第2章 孫正義流 プレゼンテーションの作り方
  第3章 プレゼンテーションの効果を劇的に高める10の方法
  第4章 プレゼンテーションの成功を左右する4つの準備

著者は、当ブログでも過去に『「A4一枚」仕事術』や、
A4一枚勉強法』などを紹介したことがある三木雄信さん。

三木さんは、元ソフトバンクの社長室長を務めた方だけあって、
プレゼン手法の解説と共に、孫さんの過去のプレゼンの裏側や
様々なエピソードを紹介しています。

ですから、本書は読み物として非常に面白いし、
プレゼン手法としても参考になる部分はたくさんあります。

しかし、やはり孫さんのプレゼンは奇跡。

本書を読んでも、孫さんのようなプレゼンはできません。

  「一般的にプレゼンテーションする人は、リハーサルを入念に
  するべきだという。しかし、孫正義はリハーサルをすることはない。
  スライドを作る段階から何度も見直してその内容を
  深く理解しているからだ。」

あのスティーブ・ジョブズさんでさえ、
入念にプレゼンのリハーサルを行ったと言います。

しかし、孫さんはスライドを作る段階で、
徹底してその内容を掘り下げているので、
リハーサルなしでも、凝縮したメッセージを伝えられるようです。

そして、孫さんのプレゼンでは、
「歴史的必然性」と「社会的な価値」を訴え、共感を呼びます。

その背景にあるのは、孫さんの「志」。

仮に孫さんと同レベルのプレゼンスキルを身につけたとしても、
社会を動かすような共感を呼ぶプレゼンはできません。

今の孫さんのプレゼンから、テクニックの部分をなくしても、
やはりメッセージは、それなりに伝わってくるでしょう。

しかし、根底にある「志」をなくしてテクニックだけになると、
伝わるもののないプレゼンになってしまいます。

これは、孫さん以外のプレゼンの名手と呼ばれる方にも
共通して言えることですね。

三木さんは、本書で単なるプレゼン技術の解説にとどまらず、
世界を変えるための、メッセージを伝える手段として
プレゼンを伝えようとしています。

それが、三木さん自身の「志」なのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  孫正義流・プレゼンテーションのコツ(メタファーのつくり方)

  1.複雑な事象の本質をつかみ取る。事象の本質については、
   もう一段深く考えることが重要。同時に事象の本質だけでなく、
   本質間の関係も捉えること。

  2.その本質を反映したメタファー(暗喩)に置き換えて、
   可能な限りシンプルに表現する。メタファーは可能な限り
   誰もが知っている身近なものにする。

  3.メタファーを具体的なビジュアルでも示すこと。
   より一層聞き手にメタファーが強烈に印象付けられる。

メタファーのあるプレゼンは、
聴衆の心の奥底までメッセージを伝えます。

なかなか難しいことですが、プレゼンの際は、
メタファーを入れることも考えたいですね。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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高城剛と未来を創る10人

高城剛と未来を創る10人 対話から見えた、その先の世界 (アスキー新書)
高城剛と未来を創る10人 対話から見えた、その先の世界 (アスキー新書)

(2011/12/10)
高城剛 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

週刊アスキーで、進藤晶子さん、神足裕司さん、福岡俊弘さん、
そして高城剛さんの4 人が聞き手として持ち回りで連載中する、
対談コーナー「え、それってどういうこと?」。

このコーナーには、話題となっている旬の方から、
一般には有名ではないものの、一部で圧倒的に支持される方まで、
個性豊かなゲストが登場します。

本書は、2008年1月から2011年10月までの連載で、
高城剛さんがホストを務め、特に読者から要望の高かった
9人の方との対談を再構成し、まとめたものです。

登場するゲストは、文化起業家の藤田志穂さん、マンガ家寺沢武一さん、
合気道家整体師三枝龍生さん、経済学教授金子勝さん、
ミュージシャン中田ヤスタカさん、G-SHOCK開発者伊部菊雄さん、
編集者米原康正さん、社団法人代表紅音ほたるさん、
インタビュアー吉田豪さん。

これらの対談に加え、本書のために行った、
テリー伊藤さんとの特別対談が掲載されています。

各対談で、高城さん自身は聞き手に徹していますから、
それほど個性を発揮していません。

ですから、高城さんの発言を聞くために本書の対談を読むと、
最初はちょっと肩透かしを食らったように感じるかもしれません。

しかし、ゲストの方はいずれも負けず劣らずユニークですし、
各対談後には高城さんの書き下ろしで、
「高城の未来展望」が加えられているので、
十分に楽しめる本に仕上がっています。

私が本書で気になったのは、寺沢武一さんとの対談の後に
書かれていた高城さんの「未来展望」の中の次の一節。

  「また僕自身、日々iPadで読書をしていると、
  早くも電子書籍時代に向けた感覚の変化がありまして、
  それは“発光体でなければ書物のメッセージが僕の心に届かない”
  ようになってきたことです。」

高城さんは、同じ内容の本でも、紙で読むと心に届かず、
それを電子書籍のような後ろが光っているバックライトの書物だと
心に届くように感じるそうです。

この感覚を、高城さんは自分の脳の変化ととらえ、
“光っている”情報の方が、速くて新しいと
本能的に脳が理解しているからだと解釈しています。

これは単なる高城さんの思い込みなのか、
本当に起きている現象なのかはっきりしません。

また、高城さん独自の現象なのか、誰でも電子書籍で読む割合が
増えると起こりえることなのかも分かりません。

これが事実かどうかは、今後、科学的に検証される機会を
待ちたいと思います。

ただ、個人的には、今後、電子書籍を読む機会が増えても、
自分にはあまり起きてほしくない現象ですね。

この本から何を活かすか?

  「もし1929年の世界恐慌を、2008年のリーマン・ショックに
  対比させれば、第二次世界大戦が始まったのが1939年で、
  世界恐慌の十年後と置き換えられ、これから7年間で
  各国あらゆる手を尽くしますが、世界経済の状況は日に日に悪化し、
  2018年に、大きな戦争が起こる事は十分に考えられます。」

歴史は繰り返す。

高城さんは、大きな戦争が起こることも想定しているようです。

平和な日本で暮らす今の私たちには、想像しにくいことですが、
可能性の高低は別にして、こうしたワーストケースシナリオを
考えておくのは重要かもしれません。

有り得なさそうな事まで想定することで、
そこからどんどん発想を広げることができます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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夢をかなえる脳

夢をかなえる脳
夢をかなえる脳

(2011/12/01)
澤口俊之 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

  「私は成功・不成功は結局、脳の働き、
  つまりは“脳力”に左右されると考えています。
  ですから、脳力を向上させることができれば、
  人生だって変えられると考えています。
  ごく単純にいえば、自分の脳を知り、
  脳の使い方を変えたり、脳力を適切に向上させたりすれば、
  誰もが夢をかなえることができるはずです。」

このように話すのは、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」で、
独特のキャラクターで人気の脳科学者、澤口俊之さん。

では、いったいどうしたら、自分の脳力を知ることができるのか?

そして、仮に自分の脳力がわかったとしても、
それを向上させることができるのか?

この問いを考えるときに、私たちが思い出すのは、
少し前にあった「脳トレ」ブームです。

2010年4月に科学ジャーナルNatureに掲載された論文では、
「脳トレにはなんの効果もない」と発表されました。

澤口さんは、「脳トレ」は、筋トレによって筋肉が鍛えられるように、
脳が鍛えられると誤解を与えたと指摘しつつも、
一部の脳力は、負荷をかけると向上させることができるので、
「脳トレ」が完全に無意味なわけではないと説明しています。

澤口さんは、自身が提唱するの脳機能から導いた知能「HQ論」を基に、
夢をかなえられる程度を予測できる「成功脳指数SQ」を導き出しました。

本書には、簡単な質問項目に答えるだけで、
自分の「成功脳指数SQ」を測れるテストが掲載されています。

このテストで、自分の脳力を知ることができます。

そして、澤口さんは成功に不可欠な脳力を「未来志向的行動力」、
「社会関係力」、「流動性脳力」、「結晶性脳力」の4つに分け、
脳力向上のための処方箋を示しています。

実は、本書にはもう一つ別のテストが掲載されています。

それは自分のこれまでの行き方から脳力を診断する「生活史」テスト。

メインではない、こちらのテストも解説を読むと、
説得力があり、個人的にはけっこう気に入りました。

また、本書では脳力テストが前面に出ていますが、
その背後にある澤口さんの研究に賭ける想いや、
人間性がにじみ出ていて、なかなか良かったですね。

最初に本書を手にしたときは、
行間も広く、あまり文字数も多くないので、
タレント学者の人気を当て込んだだけの本かと思いましたが、
いい意味で期待を裏切られました。

脳に関する一般向けの本は、マユツバものが多いので、
私は最近避けていましたが、本書は読んで良かったと思います。

この本から何を活かすか?

澤口さんのサイトでは、自著に対する本人の注釈と、
お勧め度(5段階評価)が掲載されています。

本書の澤口さん自身によるお勧め度は★★★★。

私は、もし、澤口さんは今の人気に乗じて、
似たような内容の本をいろいろな出版社から、
次から次へと量産するようになれば、
信用できなくなると思います。

しかし、現在のように澤口さん自身が納得して
書きたい本を1年に1冊ぐらいのペースで、
執筆しているうちは、今後も読みたいと思います。

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| | 06:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる

伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる
伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる

(2011/11/30)
ジョン・C.マクスウェル 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

  「よいリーダーになるには、電子レンジ的な考えを
  捨てなければいけません。焦らずに、いく晩もかけてじっくりと
  スープを煮込むような気持ちで取り組むのです。
  個人の成長には時間が不可欠です。
  料理と同じで、たっぷりと時間を取り、少しずつ熱を加えることで、
  深い味わいが出てくるのです。」

本書は、「リーダーシップ」というスープの
味わいを深める調味料のようなもの。

著者は、リーダーシップ論の世界的な権威、
ジョン・C.マクスウェルさん。

マクスウェルさんは、これまで200万人以上のリーダー育成に携わり、
米士官学校、NFL、フォーチュン500に数えられる大手企業、
世界各国の政府機関などで指導しています。

そして、過去のリーダーシップに関る書籍の
累積販売数は1600万部を超えています。

本書は、マクスウェルさんのリーダーシップ論の集大成。

以下の過去の著作の中から、選りすぐりのエッセイがまとめられています。
(他に日本で刊行されていない本からのエッセイもあり)

  ・夢を実現する戦略ノート
  ・求心力―人を動かす10の鉄則
  ・その他大勢を味方につける25の方法  
  ・「勝負強さ」を鍛える本
  ・この人についていきたい、と思わせる21の法則
  ・「戦う自分」をつくる13の成功戦略
  ・あなたがリーダーに生まれ変わるとき

マクスウェルさんは、リーダーシップは一朝一夕で身につくものでなく、
時間をかけて育むものと考えています。

ですから本書は、26週間かけて、月曜から金曜まで毎日1テーマずつ、
読み進めるように構成されています。

そして、各週毎のテーマと、その日の課題が設定されています。

1日分は、わずか1ページなので、
3分でも時間があれば読むことができます。

朝起きて、1日分にさっと目を通す。
そして、「今日の課題」を1日を通して意識しながら過ごします。

例えば、第1週の月曜日の課題。

  「ともに働く人を、単なるチームメンバーではなく、友人と考えよう」

このように、とりわけ、ものすごく難しい課題ではありませんが、
意識しないとできないことが設定されています。

本書は、じっくりと時間をかけてリーダーとして成長したいと
考えている人には、取り組みやすい本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「出版業界の事情に詳しくない人は、本のタイトルは常に
  著者が決めていると考えているかもしれない。
  実際、そういう著者もいるだろう。
  しかし私は違う。40冊ほどの著作のうち、
  自分でタイトルを決めたのは10冊ほどしかない。」

マクスウェルさんはさんは、
リーダーは、 自分の考えに固執せず、
組織として最善の選択をすべきという意味で、
この例を挙げています。

しかし、本書の邦題は、組織として最善の選択が
できたかどうか微妙なところ。

タイトルが、本書の内容を表しているとは言えず、
かと言って、思わずてにとりたくなるようなタイトルでもないので、
ちょっともったいない気がしますね。

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| リーダーシップ | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人を引きつけ、人を動かす

人を引きつけ、人を動かす きらりと輝く人になるコミュニケーション・テクニック70
人を引きつけ、人を動かす きらりと輝く人になるコミュニケーション・テクニック70

(2011/12/01)
レイル・ラウンデス 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「成功者の多くはあなたより賢いわけじゃない。
  教育水準が高いわけでもない。見た目だって大して変わらない!
  なのに、どうして?」

人は「成功者」と「それ以外」に分かれます。

何が、この2つを分けるのでしょうか?

ただ運が良くて成功したように見える人もいるかもしれません。

しかし、本書の著者、レイル・ラウンデスさんは言います。

  「運がいいという意見もあるが、そんなことはない。
  結局は人との付き合い方がうまいからだ。
  自分独りの力でトップに上り詰める人はいない。
  “何でも持っている”ように見える人は、
  実は何年もかけて多くの人の心をつかみ、そうした人たちの後押しを
  受けて企業や社会で出世の階段を一段ずつ上がってきた。」

本書が教えるのは、人を引きつけるコミュニケーションのテクニック。
成功者が日頃使っている70のコツを紹介します。

古今東西、人を引きつけるための研究や著作物は、
1936年に出版されたデール・カーネギーさんの
古典的名著がもとになっています。

しかし、ラウンデスさんは、現代において、
カーネギーさんのコミュニケーションは時代遅れだと言います。

だから、本書が目指したのは、
デール・カーネギーさんの「人を動かす」の刷新版。

ラウンデスさんは、「人を動かす」をリニューアルする
理由を2つ挙げています。

1つ目の理由は、カーネギーさんをはじめ
多くのコミュニケーションの専門家は、
何をすべきかは教えても、どうすべきかは教えてこなかったから。

2つ目の理由は、1936年と現代ではずいぶん世のかなかも変わり、
それに対応した新しい成功するためのコツが必要となったから。

例えば、カーネギーさんの「人に好かれる六原則」の
1つに挙げられている「笑顔」。

  「1936年式の笑顔の安売りはいつまでもうまくいくとは限らない。
  最近はなおさらだ。時代遅れのとってつけた笑顔は、
  今どきの世慣れた人々には通用しない。」

現代に生きる私たちは、相手が張り付いたような笑顔だったり、
あまりにも愛想が良すぎたりすると、
逆に何か裏があるのではないかと、警戒することを学んでいます。

だから、いかにも作ったような笑顔にならないために、
少しだけ笑顔を手直しする必要があります。

具体的にはどうするのか?

まず、大切なのは、軽々しく笑顔を見せにこと。

そして、微笑むときは、相手を見てから唇をゆっくり開くようにして、
こぼれるような笑顔を作ること。

確かし、自分の方を向いてゆっくりと微笑まれると、
包み込むような温かさが伝わってきますね。

本書には、このようなほんの少しで効果を発揮する
コミュニケーションの工夫がエピソードを交えて紹介されています。

この本から何を活かすか?

  「会話で実際以上に賢いと思わせる方法」

世間では語彙が豊富な人ほど、独創的、知的とみなされるようです。

ラウンデスさんによると、尊敬される語彙と
平凡な語彙の差は、たった50語しかないとのこと。

身につける方法は簡単。

自分が普段よく口にする「素敵」、「かわいい」、「すごい」などを
書き出し、類語辞典や同義語辞典で調べる。

調べた同義語を1つずつ声に出して読み、
自分の個性に合うものを見つけ、自然と口をつくようになるまで、
声に出して言ってみる。

私は、話し言葉もそうですが、文章でもありきたりの表現しか
使っていないので、少し類語辞典を活用してみようと思います。

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| コミュニケーション | 06:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「やめること」からはじめなさい

「やめること」からはじめなさい (星海社新書)
「やめること」からはじめなさい (星海社新書)

(2011/11/25)
千田 琢哉 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  「がんばっているのに報われない人生を、
  報われる人生へと一変させる方法は一つしかない。

  手放すことだ。(中略)
 
  あれもこれもとしがみついていた、
  あなたの人生の第2志望から第100志望を手放すのだ。
  1つずつでいい。」

本書で千田琢哉さんが説くのは、1点に集中するために、
その他の中途半端なことを「やめてしまう」特化した人生戦略。

それはコモディティを脱してスペシャリティを目指すこと。

千田さんが「やめる」ことを勧めるのは、
私たちが仕事やプライベートで、欠かせない、
あるいはそう簡単にやめられないと思っているものばかりです。

全部で51項目ありますが、その中からいくつか取り上げてみましょう。

  「ツイッターをやめる。」

いまや、猫も杓子もツイッター。
世間では、やって当たり前のような扱いになっていますし、
私もブログの記事を書いた後にツイートしています。

しかし、千田さんはそのツイッターも一刀両断。

  「影響力のある人は、ツイッターをやったから
  影響力があるのではない。
  影響力のある人が、たまたまツイッターという道具を
  使ってみただけの話しだ。」

千田さんは、ツイッターでゆるい人脈を作るよりも、
リアルな世界で本物の仲間を見つけることを勧めています。

  「夢を語るのをやめる。」

一般的に、夢を語ることは、良いことと考えられています。

しかし、現実に夢を語っただけで、それが実現するのなら、
夜の居酒屋で夢を語るサラリーマンたちは、
全員英雄になっているはずだと千田さんは指摘します。

  「“こうなったらいいな”と夢を語る人は、語り続けて一生を終える。
  夢なんて叶わない。
  叶うのは常軌を逸した勘違いだけだ。」

千田さんの言葉は、非常に刺激的。

しかし、それぐらい過激な言われ方をしないと、
私たちの持つ、しがらみや強力な固定観念から、
脱することはできないのかもしれません。

私は紹介されている51項目、すべてをやめようとは思いませんが、
1つでも、2つでもやめることで、
人生が大きく変わる可能性があると感じました。

この本から何を活かすか?

数えてみると、千田さんが「やめる」ように勧める51項目中、
私は既に19項目やめていました。

私が「やめている」ことの中で、最も驚かれるのが、
「携帯に出るのをやめる」こと。

正確に言うと、私は「携帯を持つことをやめて」います。

人からは、「よく携帯なしで、やっていけるね」と言われます。

確かに携帯を持たないデメリットはいくつもあります。

しかし、それ以上に、私にとっては携帯を持たないことで、
たくさんの時間を生み出せていると思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プレイング・マネジャー最強の仕事術

プレイング・マネジャー最強の仕事術
プレイング・マネジャー最強の仕事術

(2011/10/28)
高島健二 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

  「はっきり言っておこう。
  マネジャーの仕事は、基本的に割りに合わない。
  実はこの手のことは、マネジャー向けのハウツー本には
  あまり書かれていない。しかし、落ち着いて考えれば、
  誰にでも分かることだ。手柄は部下のもの。
  ただし、有事のクレームや業績の責任はマネジャーが
  負わなければならない。他人の利益を優先する利他主義。
  これがマネジャーの原則だ。」

私もかつてサラリーマンとして働いていたころ、
自分がマネジャーになって初めて、その割の合わなさに気づきました。

ちょっと手当てをもらっただけで、こんなに何でもかんでも
責任を負わされたら、やってられない。

最初は、そんな風に感じました。

しかし、それはあくまでも給与や待遇面での話し。

私はマネジャーの経験を少しずつ積むにつけ、
「経験」こそがマネジャーの報酬、
マネジャーにならないと経験できないことを考えると、
十分すぎるくらい割に合っているということに気づきました。

話しが逸れてしまいましたが、
本書はプレイング・マネジャーの仕事のヒントがまとめられた本です。

著者はタナベ経営の沖縄支社長である高島健二さん。

プレイング・マネジャーは、その名の通り、
プレイヤーとマネジャーの2つの役割を求められますから、
仕事上の悩みが尽きません。

特にプレイヤーとして優秀だった人ほど、
マネジメントの部分で壁にぶつかることが多いようです。

本書では、プレイング・マネジャーに、企業経営者、部門長、
幹部候補生、事業を継承する後継者および後継者候補までを
含めて考えます。

経営者をプレイング・マネジャーに含めないのが一般認識ですが、
日本企業の9割超は中小企業であり、現実的にそのほとんどが
プレーヤーとしての役割も担っていることから、
高島さんはあえて経営者も対象に考えたようです。

本書で紹介される仕事のヒントは100項目。

高島さんがタナベ経営で新人の頃に学んだことから、
支社長になって経験したこと、そしてコンサルティング先の
企業で得た知恵がベースになっています。

  第1章 現場で見るリーダーシップの誤解
  第2章 成功するマネジャーの条件
  第3章 コミュニケーション向上プログラム
  第4章 プレイング・マネジャーの現場力
  第5章 プロフェッショナル・マネジャーへの道

紹介される仕事の100のヒントは、いずれも均等に
2ページにまとめられているので、もしかすると
どこに重点が置かれているかが分かりにくいかもしれません。

その反面、本書にはどこから読んでも
スッと入っていける良さがあります。

この本から何を活かすか?

  「なんくるないさ」の本当の意味

高島さんは沖縄に赴任して、10年以上経つだけあって、
本書には類書にない「沖縄色」が出ています。

一般的に沖縄の方言、「なんくるないさ」は、
「いろいろあるけどなんとかなるさ」という
楽観的な意味と思われています。

しかし、高島さんは沖縄県内の企業経営者と一緒に仕事をして、
「なんくるないさ」の本当の意味を知ったそうです。

本来は「自分がやれることをやり尽くした結果、
あとは野となれ、山となれ」という意味だと。

「人事を尽くして、天命を待つ」と同じ意味を持つそうです。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生で本当に大切なこと

人生で本当に大切なこと 壁にぶつかっている君たちへ (幻冬舎新書)
人生で本当に大切なこと 壁にぶつかっている君たちへ (幻冬舎新書)

(2011/11/29)
王 貞治、岡田 武史 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

  「今回、サッカー日本代表などの監督を務めた岡田武史さんと
  対談したのは、中学生や高校生などの若い世代の君たちに、
  僕たちがこれまで考え、行動し、経験する中で見つけた
  “人生で本当に大切なこと”をぜひ伝えたいと思ったからです。」

本書は、日本野球界を代表する王貞治さんと、
日本サッカー界を代表する岡田武史さんの対談本。

冒頭で紹介した王さんの「はじめに」の言葉にある通り、
本書は、中高生に読んでもらうことを想定して、
企画されたようです。

そのため、文字は少し大きめで、行間は広めの体裁になっています。

お2人は、野球とサッカーと、それぞれ活躍した世界も
世代も違いますが、もともと親交はあったようなので、
終始なごやかに対談は進みます。

  「いまでも憶えているのは、僕が成績不振の責任をとって、
  横浜F・マリノスというチームの監督をシーズン途中で
  辞めたときのことです。突然、自宅に大きな花束が届き、
  “誰からだろう”と思って見たら、
  送り主に“王貞治”と書いてありました。」

お互いの実績を認め合い、尊敬する仲であることが、
お2人が交わす言葉からも感じ取ることができますね。

話の中心は、悩み、壁にぶつかっているときに、
どうやってそれを乗り越えていくか。

偉大な実績を残したお2人でも、
人知れず、たくさんの不安や悔しさを味わってきたようです。

ですから、一旦は、若い世代の方が抱く悩みを、
それが飛躍のためのチャンスだと受け止めます。

その一方で、プロとして活躍するための厳しさも伝えています。

  「僕は、練習でも試合でも常に“自分のため”と考えてきました。
  “自分のため”といってやっていれば、結果はすべて自分の責任です。
  だから真剣になるし、そう簡単に諦めたりするわけにはいきません。」

本書を、もっと上の世代の方が読めば、
お2人が活躍した当時の裏話も披露されていますから、
また別の意味で楽しむことができます。

  ・監督やコーチから二本足への変更を迫られても、
  なぜ王さんは一本足打法にこだわったのか?

  ・王さんは、第1回WBCの監督をどのように考え引き受けたのか?
  
  ・1998年のW杯フランス大会で、岡田さんはどのようにして
  カズさんと北澤さんをメンバーから外すと決断したのか?
  
  ・オシム監督が脳梗塞で倒れた後、岡田さんはどんな気持ちで
  日本代表の監督を再び引き受たのか?

あの場面の裏側にあった、当時の「決断」の真相を知ることができます。

お2人が受けたプレッシャーは想像を絶するものです。

そのプレッシャーに打ち克ち、壁を乗り越えるために必要な心構えは、
どんな世代の方が読んでも参考になると思います。

この本から何を活かすか?

  「身体」は一生裏切らない

永く活躍するために必要なのは、食事・睡眠・身体作りの
3点であると、王さんも岡田さんも口を揃えています。

この3つを怠っていると、年齢が進むに従って、
頑張りが利かなくなってきますね。

私は、今年の冬、あまり下半身のトレーニングをしないまま、
スキーシーズンに突入しました。

案の定、思ったような滑りができていません。

私は本書を読んだことをきっかに、
毎日、下半身を鍛える時間を取りたいと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

実戦ボトムアップ・マーケティング戦略
実戦ボトムアップ・マーケティング戦略

(2011/11/23)
ジャック・トラウト、アル・ライズ 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

「戦略」と「戦術」。

この2つは、どちらが上位にある概念でしょうか?

こんな質問に答えるのもバカバカしいと思うくらい、
私たちは、最初に何をしたいのか(戦略)を決め、
次にどのようにするか(戦術)を決めるものだと
思い込んでいます。

しかし、本書が提案するのは思考のプロセスを逆にする、
戦術が戦略を決めるアプローチ。

  「戦術とは、顧客の心の中で競合に対して
  優位性と知覚される斬新な切り口である。」

現場に足を運び得た斬新な切り口の戦術から、
戦略を構築するのが、本書のボトムアップ・マーケティング。

著者は、マーケティング界では、フィリップ・コトラーさんと
並び称される巨匠のアル・ライズさんとジャック・トラウトさん。

彼らの名著「ポジショニング戦略」や「マーケティング戦争」を
教科書としてマーケティングを学んだ方も多いでしょう。

本書は彼らの三冊目の著作。

  「本書『実践ボトムアップ・マーケティング戦略』は
  最初の二冊と異なり、テキストではない。
  第一線で活躍したいビジネスパーソンを対象にした
  現場で使うための実践書と言える。」

原書が書かれたのは、実は今から10年以上前。

その日本語版が満を持して刊行されました。

従来、この手の海外の巨匠の書く本には欠点がありました。

それは、紹介される事例のほとんどが海外のものなので、
私たち日本人には、分かりにくいということです。

しかし、本書ではトラウトさんが、親交のあった訳者の
丸山謙治さんに日本の事例を加えて翻訳することを提案。

その結果、丸山さんの手によって、
日清食品、本田技研工業、アサヒビールなどの
15の日本の事例が追加され、
私たち日本人にも理解しやすい本に仕上がっています。

これらの事例は、本文中にある米国の事例を削って加えたのではなく、
各章末にコンパクトに追加されていますから、
原書の持つ流れを乱すことなく、読み進めることができます。

また、この日本のマーケティング事例の追加は、
「国」という枠を超えるだけでなく、
同時に「時間」の枠も超えていますから、
原書が10年以上前に書かれたことを忘れさせて、
今読んでも古さを感じさせない本になっています。

この本から何を活かすか?

  「プロセスを逆にしてみると重要な発見ができることがある。」

本書の戦術から戦略を構築するのは、まさにその実例。

他にも、プロセスを逆にすることで、
今までにないアプローチができるものがあるかもしれません。

例えば、教育。

これも全体のカリキュラムがあって、
各段階で学ぶべき内容を決めていますが、
発想を逆にしてみる。

そうすることで、今までの平均的な日本人ではなく、
世界に通用する尖がった人材が生み出されるかもしれません。

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| マーケティング・営業 | 06:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術

ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術
ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術

(2011/11/24)
永田 豊志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「絵文字を使ったノートは、イメージがリアルになり、
  記憶に残り、新しいアイディアがどんどん浮かぶようになります。」

そうかもしれませんが、
気の利いた絵文字やアイコンは、
なかなか描けるものではありまん。

がんばってアイディアを絵文字を使って描こうとして、
うまくいかず、肝心のアイディアが何だったか
分からなくなってしまうことさえあります。

そんなことを何度も経験するうちに、
私は気づいたら絵文字を描くことを諦め、
いろいろなメモは無難な箇条書きで書くようになっていました。

本書は、そんな私でさえ、少し練習したら、
絵文字か描けるようになるかも、と思わせる一冊。

著者は過去にこのブログでも、
プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』などを
紹介した永田豊志さん。

永田さんは、「絵文字ノート」のメリットとして次の5点を挙げています。

  1. 書いてあることが一目瞭然!
  2. 概要がひと目でわかる!伝わる!
  3. 図式化されているから、問題点がすぐわかる!
  4. 絵のイメージだけだから、記憶しやすい!
  5. パワポに転用すれば、報告書の出来上がり!

報告書がこれだけで出来てしまうかどうか別にして、
絵文字の効用は誰もが認めるところです。

最近、更新がストップしてしまって残念ですが、
ビジネス書を紹介するブログの中でも勉子さんの
女子勉」が人気を博したのも絵文字効果とも言えますよね。

問題は、その絵文字をどうやったら描けるようになるか?

本書を読んで私が考えたポイントは3つ。

1つ目は、絵文字を描くときのコツをつかむこと。

この点については本書のアドバイスが参考になります。

  「なるべく少ない線や単純な図形の組み合わせで、
  “輪郭”と“特徴的なパーツを1つか2つ”だけ残して描くこと」

2つ目は、よい手本を真似ること。

本書には巻末の付録として、81個の絵文字がまとめられていますから、
真似して描くにはうってつけ。

また、WEBのアイコンのまとめサイトなども参考にすると良いようです。

3つ目は、描く機会を増やすこと。

これだけは、いくら本書を読んだかたといって、
練習なしでうまく描けるようになることはありません。

本書では、絵文字のクラウド化するツールとして、
「Airpen Lite」、「SHOTNOTE」、「CamiApps」、「JotNot」
などが紹介されていました。

新しいツールを手に入れることで、
絵文字を描く機会を増やすのも一つの手段ですね。

この本から何を活かすか?

私は過去に何冊か図解系の本を読んでいて、
その都度、絵文字を真似てみるものの、
気がつくと、絵文字を描かなくなっています。

ダン・ロームさんの「4日で使える 実践!超ビジュアルシンキング
を読んだ後も、1枚のホワイトボードを絵専用にしましたが、
5ヵ月後の今では、そこには文字だけが並んでいます。

習慣化する方法を考えないと、描くようにはなりません。

習慣化するための定番は、
今ある習慣に、新しい習慣を融合すること。

私の場合、毎日、読んだ本の読書ノートをつける習慣がありますから、
そこに絵文字を描くようにしたいと思います。

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| ノウハウ本 | 11:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜ日本は変われないのか

なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造
なぜ日本は変われないのか 日本型民主主義の構造

(2011/12/07)
山本 七平 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

さくら舎さんから献本いただきました。ありがとうございます。

  「日本人は安全と水は無料だと思っている」

このフレーズを聞いたことがある方も多いですよね。

これは本書の著者である山本七平さんが、
300万部の大ベストセラーとなった「日本人とユダヤ人
の中で使った言葉。

この本は、神戸生まれのユダヤ人イザヤ・ベンダサンさん著
ということになっていますが、本当は山本さんを含む
3名の方の合同ペンネームで書かれたことはよく知られています。

山本さんは、「日本人論」を語るうえでは欠かせないほど
大きな影響を与えた方で、1991年に逝去。

本書は1975年から1976年にかけて「季刊 歴史と文学」に
連載された「日本型民主主義の構造」をまとめたものです。

なぜ、35年前に書かれたものが、今になって刊行されたのか?

それは政権交代しても変われない日本の
構造的な欠陥を知るためです。

民主党政権に変わっても迷走する現在の日本の様子は、
山本さんが35年前にすでに予見していたことでした。

それが、本書が解き明かす日本型民主主義の構造です。

  第1章 「民主的」か「非民主的」かを超えて
  第2章 「天皇機関説排撃運動」に見る歴史の繰り返し
  第3章 十五年周期で循環する日本人の政治意識
  第4章 変革なき組織的家族社会の深層

日本の改革を阻む「官憲主義」。
その実態は、システムなき集団。

それは自らの崩壊を防ぐのが第一目的である「家族」である。

つまり日本型民主主義は、組織的家族集団であると
山本さんは指摘しています。

本書を冷静に見ると、確かに30年以上前に書かれた
ものであることはわかります。

しかし、日本社会の本質についての言及や、個々の考察を見る限り、
そんな昔に書かれた本であることは忘れ、
今の日本の問題点を指摘しているようにも思えます。

それは、この30年間本当に日本が変わっていないことであり、
当時の山本さんが問題提起が正しかったという証でもあります。

本書は、普段、私があまり読まない種類の本でしたが、
だからこそ思考の幅を広げられたと実感できました。

この本から何を活かすか?

  「忘年」するのは日本人だけ?

西欧には、「歴史的な事件の日」の祭りが数多くあるそうです。
そこには今までの歴史を消さずに、対面するという意識があります。

一方、日本では「歴史的な事件の日」の祭りはなく、
「忘年」という考え方があります。

これは今までの苦労を忘れ、新しい別の年を迎えるということ。

確かに日本では、「東日本大震災祭り」なんて
絶対にできないでしょう。

その代わり、1年の労をねぎらう忘年会や、
年忘れのイベントはいろいろと開催されていますね。

そう言えば、忘年会は英語で“year-end party”と言いますから、
年を忘れる“forget-the-year party”じゃないんですね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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絶対達成する部下の育て方

絶対達成する部下の育て方―稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」―
絶対達成する部下の育て方―稼ぐチームに一気に変わる新手法「予材管理」―

(2011/12/02)
横山 信弘 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

世の中に「100%」や「絶対」なんてありえない。

そう考えている方も多いでしょう。

特に厳しいビジネスの現場で、思うような結果が出ない人ほど、
「絶対」なんてないと、強く思っているかもしれません。

現場コンサルタントの横山信弘さんが本書で紹介するのは、
「絶対」に目標予算を達成するマネジメント手法。

これは、「目標達成を目指す」のではなく、
「どんなに悪くても目標達成」する方法です。

そんな魔法を使うようなことが、本当にできるのか?

私は、本書の「はじめに」を読んだときに、
横山さんの「絶対」という言葉を疑っていました。

しかし、本書を読み終えたときには、簡単ではないものの、
組織全体の考え方と行動を変えれば、
「どんなに悪くても目標達成」は可能であると感じました。

横山さんは、セミナーで次のAとBの営業スタイルのうち、
どちらを選択するか、参加者に質問するそうです。

  A : 毎日10時間労働、20件のお客様を訪問。
      目標予算100%達成する可能性が高い。

  B : 毎日10時間労働、4件のお客様を訪問。
      目標予算90%達成で終わる可能性が高い。

セミナー参加者の多くは「B」を選択するそうです。

AとBの違いは、訪問件数と目標達成の可能性。

実際に営業を経験したことがある人から考えると、
Bが現実的な選択なのかもしれません。

しかし、横山さんは無条件に「A」を
選択しなければならないと説きます。

なぜなら、「A」には目標達成の可能性が高いと書かれているから。

でも、実際に毎日のお客様の訪問件数が4件程度だとしたら、
それを5倍の20件にすることなど、できるのでしょうか?

営業にとって、お客様の訪問が優先であっても、
訪問したら営業日誌の記入もありますし、
他にも営業会議への出席や、管理資料の作成だってあります。

そのように考えてしまうのが「現状維持バイアス」。

確かに、今の仕事の枠組みで考えては、
お客様の訪問数を5倍に増やすのは不可能に思えます。

横山さんの絶対目標を達成する手法では、
目標予算だけに焦点を絞ります。
と同時に行動量を圧倒的に増やします。

この2点を最優先させるのは、生半可なものではなく、
徹底して行われますから、今までやっていた
目標達成に直結しないムダな仕事ができなくなります。

結果として、営業日誌がなくなり、
営業会議や管理資料が激減するようです。

だから、お客様の訪問数を5倍に増やすことも可能になるのです。

本書の手法はマネジメント手法ですから、
個人のレベルで取り組むのは難しいものの、
組織やチームとして全体で取り組めば、
求める成果が出せるようになると感じました。

この本から何を活かすか?

  「予材」は目標の2倍積むのが基本

本書で紹介されるマネジメント手法を「予材管理」と言います。

「予材」とは、「見込み」と「仕掛り」と「白地」の3つで構成されるもの。

「見込み」は、ほぼ注文になりそうな案件。
「仕掛り」は、ひょっとしたら注文がくるかもしれない交渉中の案件。

まず大切なのは、「見込み」と「仕掛り」だけで、
目標の100%をはるかに超えていること。

そして「白地」とは、まだ仕掛っているとは言えず、
お客様と信頼関係を築いている段階の案件。

「見込み」+「仕掛り」+「白地」=目標200%にするので、
目標の200%から「見込み」と「仕掛り」を引いた残りが「白地」です。

つまりこの「白地」の分だけ行動量を増やすことになります。

この手法、ビジネスでは個人で導入することは難しいと書きましたが、
自分のコントロール下にあるプライベートでは、
いろいろと応用できるかもしれません。

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| マーケティング・営業 | 09:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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この世で一番おもしろいミクロ経済学

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講
この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

(2011/11/26)
ヨラム・バウマン、グレディ・クライン 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

米国版マンガで学ぶミクロ経済学。

経済学者のヨラム・バウマンさんと
漫画家のグレディ・クラインさんの共著です。

米国では、ピンでやるお笑いをスタンダップコメディと呼びますが、
バウマンさんは、自身を世界でただ1人の
「スタンダップエコノミスト(Stand-Up Economoist)」と称しています。

それだけに、本書の中にも多くのアメリカンジョークが
散りばめられていますね。

絵柄は、日本のようなマンガ調ではなく、
まさにアメリカンコミックのような感じ。

万人受けするような絵柄なので、
日本でもクラインさんの絵柄を嫌う人は少ないと思います。

訳者はクセのある本の翻訳で定評のある山形浩生さん。

このブログでも過去に山形さんの翻訳本としては、
アニマルスピリット」、「その数学が戦略を決める
人でなしの経済理論」、「論理で人をだます法
の4冊を紹介していているので、非常に安心感があります。

さて、本書の内容はと言うと、
ミクロ経済学の概要が、ざっくりと学べるようになっています。

  「この本は、ミクロ経済学を考えるのに、
  まず最適化する個人を1人だけ見る。

  そして複数の最適化する個人同士の相互作用を見て・・・

  そして最適化する個人が大量にいる場合の相互作用を見る。」

本書ではこのように、影響を及ぼす人数で章立てをしています。

そして、個人にとっての最適化の結果が、
集団全体にとってもよい結果となるのはどんな場合?
というテーマで追いかけながら、ミクロ経済学全体を俯瞰します。

教科書通りの順番ではなく、切り口を変えているところが、
本書をずいぶんとっつき易い本にしています。

訳者の山形さんの解説によると、
経済学のベストセラー教科書の著者として有名な、
「グレゴリー・マンキューによる経済学の10大原理」のうち、
ミクロに関する7つをおおむねカバーしているとのこと。

個人的には、マンガで説明しているからというより、
取り上げている実例が分かりやすいという印象を受けました。

もちろん本書だけで、ミクロ経済学のすべてが
学べる訳ではありませんが、初めて経済学を学ぶ人には、
ちょうどいい入門書だと思います。

また、これぐらいのレベルの本なら原書を読んで、
ミクロ経済学と英語を同時に学ぶのもいいかもしれません。

ちなみに、2012年1月の時点では日本版の刊行はまだですが、
原書では本書の続編であるマクロ経済学編も出ています。

原書はこちら。
  ・The Cartoon Introduction to Economics(ミクロ経済編)
  ・The Cartoon Introduction to Economics 2(マクロ経済編)

この本から何を活かすか?

バウマンさんのサイトでは、経済原則を一般人の言葉に翻訳した
「Principles of Economics, Translated」の動画が公開されています。

5分半ほどのバウマンさんのスライド映像です。

興味がある方はこちらからどうぞ。


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| 経済・行動経済学 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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藤田晋の成長論

藤田晋の成長論
藤田晋の成長論

(2011/11/21)
藤田晋 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

サイバーエージェント社で面接に受ける方法。

ある時、藤田晋さんは、自社の採用面接で、
面接官である社員が、学生を差し置いてずっと1人で
しゃべっている光景を目にしたそうです。

普通なら、学生が必死に自己アピールする採用面接。

しかし、その学生は面接官に共感し、自分は聞き役に回り、
面接官に気持ちよく語らせたようです。

求められるのは「共感力」。

サイバーエージェント社では、自社のカルチャーに合うかどうか、
一緒に働きたいと思われる人材かどうかが、面接で重視されます。

自分がアピールすることよりも、面接官に気持ちよく話しをさせた
この共感力の高い学生は、当然ながら面接を突破したとか。

これは、採用面接だけでなく、ビジネス全般で言えることですね。

藤田さんは、自身の営業や交渉においても、
聞き役に徹するように意識してから、
交渉の成功率が驚くほど上がったそうです。

  「話したい衝動を歯を食いしばってでも我慢し、聞き役に徹せよ」

さて、本書ではこうしたビジネスでヒントとなる
50のメッセージがまとめられています。

「日経ビジネスアソシエ」に連載された
「渋谷ではたらく社長のキャリアアップ塾」を元に、
加筆修正されたもののようです。

いつまでも成長を続ける人と、成長が止まる人の違いは何なのか?
成長を鈍化させないために、何をすべきなのか?
長いキャリアの中で常に成長を続けるために、何を意識したらよいのか?

  「私は現在38歳ですが、24歳で起業してからこれまで、
  環境変化が激しいネット業界で走り続けてきました。
  自分の成長過程を振り返っても、何が成長のために必要なのか、
  何が成長をさまたげるのかということを“実感値”で理解しています。
  経営者として、若手社員が一気に伸びる様を間近で
  数多く見てきた経験もあります。
  そこで本書では、私が考える『成長論』をまとめてみました。」

私は、最初に藤田さんの「渋谷ではたらく社長の告白」を
読んだ時は大きな衝撃を受けました。

2005年の本ですから、この本が出てから7年が経過しています。
その間、IT業界やベンチャー企業を取り巻く環境では大きな変化がありました。
一瞬、注目を集めても、あっという間に消えていった企業も数知れず。

しかし、その中でも、サイバーエージェントは生き残りました。

そして、今なお自身が成長を続ける藤田さんは、
やはり本物の経営者だと思います。

本書で語られているのは、ビジネスでは王道と言われる内容です。

藤田さんは、どんな困難な状況になっても、
判断の軸を変えずに、その王道を実践してきました。

本書の藤田さんの話しには、静かながらも本物の迫力を感じました。

この本から何を活かすか?

  自分の“心のホーム”を作る

同棲は賃貸マンションに住むようなもので、
結婚はマイホームを持つようなもの。

  「生涯寄り添って生きていける相手と結婚するというのは、
  自分の“ホーム”を作るうえで必要なのかもしれません。」

藤田さんも、かつては女優の奥菜恵さんとの結婚と離婚が
話題を呼んでいましたが、その後、再婚されていたんですね。

普通の家庭を持つことが、藤田さんの支えになっていることが、
本書からも伝わってきます。

私も、新年を迎えて、普通の結婚生活が送れていることに、
改めて妻や子どもに感謝したいと思います。

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| 仕事論 | 07:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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2012謹賀新年

あけましておめでとうございます。

昨年中は大変お世話になりました。

年明けの記事は、「藤田晋の成長論」からスタートします。

本年も、よろしくお願いします。

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| お知らせ | 06:29 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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