活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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年末年始の休載について

年内の記事更新は本日で終了です。

2011年も、多くの皆様にお越し頂きまして、
本当にありがとうございました。

年明けは、1月4日からの再開を予定しています。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、みなさま、よい年をお迎えください。

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| お知らせ | 07:27 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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経済情報の裏読み先読み

経済情報の裏読み先読み 超円高、国の大借金、赤字決算、年金はどうなる!?
経済情報の裏読み先読み 超円高、国の大借金、赤字決算、年金はどうなる!?
(2011/12/07)
有森 隆 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

できたばかりの新しい出版社、さくら舎さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

  「本書では、経済や統計の数字のウソを検証する。
  数字は、天から降ってきたものでも、
  地から湧いてきたものでもない。人が作ったものだ。
  人の手になるものである以上、数字は最初からバイアスがかかったもの、
  偏りや歪みのあるものにならざるを得ない。」

私たちは、プレゼンのスライドを作るときに「数字」を用います。

なぜなら、数字には説得力があるからです。
統計の数字を用いると客観性が増すので、主張が通りやすくなります。

数字の背後には、必ずそれを使う人の思惑があるものです。

それは私たちが目にする、新聞やテレビの報道も同じこと。

日々流される経済ニュースの中にも、
主張を通すための、もっともらしいウソが数多く含まれています。

それでは私たちは、どのように経済ニュースに接したらよいのか?

本書の著者、経済ジャーナリストの有森隆さんは、
次のようにアドバイスしています。

  「数字の背後には必ず人が存在する。
  誰が、何を意図して、この数字を作ったのかを考える。
  数字のウソに惑わされない視点は唯一、これしかない。」

しかし、そう言われても、最初からこれが簡単にはできません。

ですから、実例として、現在流されている経済ニュースの
どこに、どんなウソが含まれているかを見てみるのが、
数字に惑わされない抵抗力を身につける近道なのです。

本書では、タイトルの通り、実際に報道された経済情報を使い
その裏事情を読み解くと同時に、これからの成り行きを先読みします。

本書が扱うトピックは、驚くべき広範囲。

年金問題、東電問題、外貨準備高、ユニクロのビジネス、
格安航空券、水ビジネス、外貨預金、景気回復、日本の借金問題、
孫正義さん、超円高、クリーンエネルギー、メガバンク、
国債暴落、トヨタの問題、ソニーの失敗、日産の真実、産業の空洞化、
老後の資産、土地公示価格、GDP調査法、中国の経済統計・・・

これだけを押さえておけば、困らないというぐらい
広く解説されています。

ただし、これだけのトピックを扱っていますから、
どうしても1つ1つの掘り下げ方は浅めになってしまいます。

裏読みや先読みの根拠が乏しいと感じるところが多少ありますが、
それは止むを得ないところでしょうか。

本書はあくまでも、自分で経済情報を読み解くための、
ヒントとして使うのがいいのかもしれません。

この本から何を活かすか?

誰が得をするのかを考える。

例えば、国債暴落。

三橋貴明さんなどは、国債暴落など起こらないと主張していますが、
実際に暴落で得をする人たちがいることを忘れてはいけません。

それは、ヘッジファンドなどの投機筋。

彼らにとっては、日本が破綻しようがしまいが関係ありません。
別に暴落でなく、暴騰でも構いません。

巨大なマネーを巻き込む急激な流れさえできれは、
そこで大きな利益を上げるチャンスがやってくるわけです。

個人的には、起こる起こらないの確率を考えるより、
起こったときに、何をすべきかを考えておく必要があると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 経済・行動経済学 | 07:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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料理のマネジメント

料理のマネジメント キッチンを制する者がビジネスを制す!
料理のマネジメント キッチンを制する者がビジネスを制す!

(2011/11/11)
酒井 穣 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

本書は料理の本ですが、レシピ本ではありません。
一般的な料理本とは異なった視点を提供します。

いったい、何が他の料理本とは違うのか?

本書には、他の料理本にはないものがあります。

それは、美味しい料理を作るための戦略。
本書は、他に類を見ない「経営学」を料理に活かした本です。

著者は、人事と経営戦略が専門の酒井譲さん。

なぜ、酒井さんが料理本?と思いつつ、
あまり期待せずに、本書を手に取りましたが、
いい意味で完全に期待を裏切られました。

ビジネス以外でも経営学の理論が応用できるんですね。

さて本書では、最初に一流シェフ(プロ)と
私たち(アマチュア)の違いを科学的に考察しています。

プロとアマが料理の勝負すると、たった1回の勝負なら、
アマが偶然勝つこともありえます。

しかし、当然のことですが、勝負を繰り返せば、
圧倒的な勝率でにプロが勝つはずです。

その差は、「平均値」と「バラツキ」。

プロは技術がありますから、料理の平均値が高く、
食材や厨房が変わっても、それほど味にバラツキを出さず、
高い再現性を示すことができます。

この2点違いから、酒井さんは私たちが一流シェフに負けない
合理的な戦略を考えました。

  戦略1 測定によってバラツキを回避
  戦略2 弱者必勝の戦略を採用する

最初の戦略は、容易に理解できます。

料理のプロであるシェフに近づくために、計量カップなどで
小まめに測定し再現性を高めるということです。

しかし、これだけではプロに勝つことはできません。
勝てるかどうかのポイントは2つ目の戦略にあります。

その戦略とは「ランチェスター戦略」。

これは軍事力に差があるときの、弱者がとるべき戦い方。

ランチェスターの法則によると、
接近戦では、戦力に差があっても双方の損害は等しくなり、
長距離戦では、双方の戦力は戦力差の二乗に比例します。

つまり、弱者が強者に勝つための戦略は、
「狭いところを選び、かつ、敵よりも良い武器を持つ」こと。

それでは、具体的に料理ではどうするのか?

酒井さんは、本書で次の5つのポイントを示しています。

  1.料理のレパートリーを極端に限定する
   (レパートリー限定により接近戦を挑む)
  2.できるだけ簡単な料理を選ぶ
   (難易度限定による接近戦を挑む)
  3.食べてくれる人の好みを理解する
   (顧客理解による接近戦を挑む)
  4.食材にこだわる
   (できるだけ「敵よりも良い武器」を選ぶ)
  5.食べてくれる人を料理に参加させる
   (「敵の持っていない武器」を使う)

そもそも、本書では料理を食べてくれる家族や友人を
喜ばすための手段と考えています。

ですから、食べてくれる人を料理に参加させて、
満足度を高めるといった手段を使うのです。

この本から何を活かすか?

私は、普段、ほとんど料理をしません。

たまに料理をするのは、キャンプのときと、
妻がいないときぐらいです。

しかし、料理をする機会が少ないからこそ、
本書の戦略を採用する必要がありそうです。

本書で作り方が紹介されているのは、
カレーと餃子、そしてバーニャカウダの3種類。

私は、この中で食べる人が料理に参加しやすい
餃子(炊き餃子)にチャレンジしてみようと思います。

そのためにまず、中華スープの素「味覇(ウェイパー)」と
辛味調味料の「ローカンマ(老干媽)」を入手します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 06:58 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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僕は君たちに武器を配りたい

僕は君たちに武器を配りたい
僕は君たちに武器を配りたい

(2011/09/22)
瀧本 哲史 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

  「“コモディティ化”の潮流が、世界中のあらゆる産業で
  同時に進行している。その流れから逃れることは、
  現代社会に生きる限り、誰にもできない。
  これからの時代、すべての企業、個人にとって重要なのは、
  “コモディティにならないようにすること”なのだ。」

瀧本哲史さんの「武器としての決断思考」が、
あまりにも衝撃的だったので、
同時刊行されたこちらの本も読んでみました。

さすがに、2冊目となると内容の重複があったり、
インパクトも多少薄らぎます。

しかし、これからの時代を生き抜くための
知恵(瀧本さんの言葉を使うと武器)を得るための本として、
必読の一冊だと思います。

どうやら瀧本さんには、厳しい現実を伝えながらも、
読む人を扇動する力があるようですね。

長らく候補者さえ見当たらなかった、
大前研一さんの次を担う人は、瀧本さんなのかもしれません。

さて、本書のテーマは、いかに「コモディティ化」を避けるかということ。

人も企業も、一旦、コモディティ化してしまうと、
過当競争が延々と繰り返され、
結果として収入や利益が限界まで下がってしまいます。

ですから、世界的な投資家であるウォーレン・バフェットさんも、
コモディティ企業には絶対に投資しないことで知られていますね。

それでは、コモディティ化を避けるためには、どしたらよいのか?

今まで、私たちは、人より勉強するとか、
スキルや資格を身につけるなどして、この流れに逆らってきました。

しかし瀧本さんは、今の時代、英語が堪能だったり、
医者や弁護士という資格を得たとしても、
やはりコモディティ化は避けられないと言います。

唯一、コモディティ化しない方法は、
他とは代替できないスペシャリティになること。

瀧本さんは稼ぐことができるタイプを次の6タイプに分類し、
その中でも、今後はコモディティ化して価値を失う
2つのタイプがいることを指摘しています。

  1. 商品を遠くに運んで売る「トレーダー」
  2. 専門性を高めて仕事をする「エキスパート」
  3. 商品に付加価値をるけて売る「マーケター」
  4. まったく新しい仕組みを作る「イノベーター」
  5. みんなをマネージて利益を得る「リーダー」
  6. 投資家として市場に参加する「インベスター」

この中で、今後生き残っていくのが難しいのは、
「トレーダー」と「エキスパート」。

そして、残りの4つのタイプの中でも、瀧本さん実践してきた
投資家的な生き方「インベスター」が最も推奨されています。

本書は高学歴ワーキングプアにならないよう、
学生や社会に出たばかりの若者向けに書かれています。

しかし、コモディティ化は、現役である以上、
どの世代にも起こる問題です。

私は若者よりも、もっと上の世代こそ、
本書の武器を手に入れる必要があると感じました。

この本から何を活かすか?

  「英語・IT・会計」よりも「リベラル・アーツ」を学べ

瀧本さんは、本書の締めくくりとして、
「リベラル・アーツ」を学ぶことの重要性を強調しています。

  「英語・IT・会計」は人に使われるための、「奴隷の学問」。
  
  「リベラル・アーツ」は人類の歴史や、哲学、芸術、
  文化、自然科学全体について勉強する。
  言わば、生きていく上での教訓を学ぶ、「自由人の学問」。

私も、だんだん年を取ってきて、
スキルがないことよりも、教養がないことの方が、
人間としての深みや質に、大きく影響していると感じています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:25 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?

社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?―イエスマンこそが会社を救う
社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?―イエスマンこそが会社を救う

(2011/11)
小山 昇 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「今、あなたが手に取ったこの本は“魔法の書”です。
  それは、本書に記してあることを1つずつ確実に実行していくだけで、
  部下を成長させることができるようになり、
  しかも悪魔のごとく自在に采配できるようになり、
  結果として大きな成果を上げることができるようになり、
  当然社長の覚えもめでたくなり、
  ひいてはあなた自身も大きく成長できるからです。」

本書は、株式会社武蔵野社長の小山昇さんが、
管理職向けに書いた本です。

社長が管理職に言いたいけど、言えなかった本音が書かれています。

  ・社長の決定に不満があるなら会社を辞めよ
  ・イエスマンが会社を強くする
  ・間違った決定でもすぐに実行する管理職が正しい

このように書かれている本書は、かなり刺激的。

社長の決定に従って、スピーディーに動ける管理職を目指します。

それでは、社長の判断が間違った場合はどうなるのか?

小山さんは、社長である自分も、
しょちゅう間違った決定を下すと言います。

社長が明らかに間違った決定をした場合でも、
管理職は即座に実行した方がいい。

なぜなら、即座に実行されれば、失敗するのも早いから。

すると社長も早い段階で自分の判断ミスに気づき、
被害の軽微なうちに、次の手が打てるそうです。

少なくとも、株式会社武蔵野では、この方法で成功してきたと。

私はこの話しを読んで、いくつかの会社の例を想像してみました。

もし、アップルの管理職や役員がスティーブ・ジョブズさんの
決定に100%従っていたら?

スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ」を読む限り、
幹部がジョブズさんをなんとか説得して、成功した例もあります。

一方、ジョブズさんが他の幹部と対立することで、
アップルは窮地に陥ったのも事実。

誰も反対せず、100%ジョブズさんの考えに従っていたら、
アップルはどんな製品を世に送り出していたのか、
見てみたかったですね。

また、オリンパスや大王製紙が、誰も社長に反対しなかったら?

小山さんは、なにも社長を性善説で考えているわけではありません。

社長だって間違うけれど、間違った場合はすぐに
失敗に気づくと言っています。

仮に、社長が犯罪に手を染めるような人物なら、
社長自身は考えを改めないことでしょう。

すると社長は暴走し、ますます犯罪を重ねる。

しかし、この場合も犯罪が明るみに出るのが早くなり、
社長が逮捕されたり、市場から制裁を受けるなどして、
正しい方向に修正されるのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「社員の実力を簡単に見分ける方法」

  「最も適しているのは、シュレッダーを使った作業です。
  部下に1人ずつ同じ量の紙束を渡して、シュレッダーで裁断させます。
  このとき、始まりと終わりの時間をチェックするのを
  忘れないようにしてください。」

社員の実力を測るには、単純作業をやらせるといいようです。

最初からゆっくりと、一定のペースで
淡々とシュレッダーするのはダメ社員。

一方、すぐに紙を詰まらせてしまうのは優秀な社員。

優秀な社員は、すぐに仕事を終わらせようと
紙を入れ過ぎ、詰まらせます。

しかしその後、差し込み方などを工夫し、
少しでも改善しながら作業を続けるそうです。

どんな単純な作業でも漫然と取り組まず、
常に改善の方法を探っているかが差になるということですね。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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未来が輝く魔法の言葉100

未来が輝く魔法の言葉100
未来が輝く魔法の言葉100

(2011/11/18)
福島正伸 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「ある日、知人の紹介で写真家の野寺治孝さんが会社にこられました。
  その際、野寺さんは、小さな冊子を持っていました。
  なんとそれは、野寺さんが撮った素敵な写真集に、
  私が毎日メルマガで送っている言葉が添えてあるものでした。」

本書の前書きには、こんな福島正伸さんの
驚きの言葉が綴られています。

本書は、福島さんのメルマガ「夢を実現する今日の一言」の
読者だった、写真家の野寺治孝さんの希望によって実現したコラボ本。

もともとは、野寺さんが息子さんの中学の卒業記念に贈るために、
自分の撮った写真と福島さんの言葉を組み合わせて作った、
世界でただ一冊の写真文集でした。

しかし、出来上がった手製の写真文集を見て、
野寺さんは思いました。

  「これは息子だけに贈るのはもったいない。
  もっと多くの人に見てもらいたい!」

その想いを伝えるために、当初、面識がなかった福島さんに、
直談判に行って実現したのが本書です。

ですから、本書の写真にも言葉にも、
ものすごく強い意志が感じられます。

その後、福島さん、野寺さん、出版社の方で相談し、
100の言葉を選び出し、福島さんが少しでもイメージが広がるように、
それぞれの言葉に短いコメントを加えて本書は完成しました。

  Chapter.1 仕事
  Chapter.2 夢
  Chapter.3 絆
  Chapter.4 勇気

このブログでは、過去にも「言葉+写真」の
タイプの本を紹介したことがあります。

山崎拓巳さんの「人生のプロジェクト」や、
ポール・アーデンさんの「PLAY・JOB」などがそうです。

これらの本は、言葉も短いですし、
なにより写真が大きな役割を果たしているので、
ブログ記事の文章だけで、その良さを伝えるのは
なかなか難しいものがありました。

本書はそれらの本より、文章だけで素晴らしさを伝えるのは
もっと難しく感じます。

それは、言葉と写真が表現する力強い生命力があるからです。

また、この種類の本で採用されるイメージ写真は、
通常、ほとんどが外国人や異国の風景です。

しかし、本書で使われている写真には、
外国ものもありますが、私たちが普段目にする、
日本人や日本の風景も多く含まれています。

それは、私たちが忘れていた一瞬を思い出させ、
福島さんの言葉と共に、非常に勇気づけられるものです。

この本から何を活かすか?

本書には、野寺さんが息子さんの高校入学祝いとして
贈った私家版のあとがきも掲載されていて、
これがまた素敵でした。

息子さんが、今すぐこの本を開かなくても、
将来本当の困難にぶつかったときに、
この本を開いて欲しいとメッセージが書かれています。

親として、少しだけ力になれるような写真や言葉を
子どものために選んでおくのは、いいことですよね。

私には、野寺さんのような写真は撮れませんから、
子どもが大きな問題にぶつかったときに
助けになるような「本」を選んでおきたいと思います。

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| 心に効く本 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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何でもわかりやすくする技術、伝える技術

何でもわかりやすくする技術、伝える技術
何でもわかりやすくする技術、伝える技術
(2011/11/15)
安田 正 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:14

  ・「何が言いたいのかわからない!」と上司に言われる
  ・何度説明してもわかってもらえない
  ・文章の意味が通っていないと指摘される
  ・本を読んでも全然理解できない
  ・アイディアがまとまらない
  ・聞き出したいことをうまく聞き出せない

本書は、こういった悩みがある人の大きな助けになります。

著者の安田正さんが本書で伝えるのは、
「わかりやすくする」技術。

これは、類書にある「わかりやすく伝える」技術と少し違います。

もちろん、「わかりやすくする」中に「わかりやすく伝える」も
含まれますが、コミュニケーションは常に双方向。

話を「わかりやすくする」のは、伝える側だけでなく、
聞く側にも技術が必要です。

例えば、「笑っていいとも!」などで司会を務める、
タレントのタモリさん。

安田さんは、タモリさんの相づちのうまさは日本一として、
その「聞く技術」を次のようにまとめています。

  1.相手がストレスを感じない程度に、目を合わせること
  2.背もたれなどにもたれず、心持ち前傾姿勢をとること
  3.あいづちは多く打ちすぎないこと
  4.あいづちの中にときおり簡単な質問を挟むこと
  5.話をよく理解し、話に対して感じた感情・意見を簡単にコメントすること

タモリさんが司会する番組では、ゲストの方が
ずいぶんリラックスしているような印象を受けます。

多くのゲストの方達が、気持ち良さそうにう話すのは
こういったタモリさんの技術があってこそなんですね。

実際に私たちは、タモリさんのように司会をする機会は、
それほど多くないかもしれません。

しかし、ビジネスでもプライベートでも、
コミュニケーションの半分は聞く側の立場ですから、
伝える技術だけでなく、伝えられる技術を身につけてもいいハズです。

本書では聞く側ができることとして、
質問を使って話し手を助けたり、
質問で話の流れをコントロールするなどの技術が紹介されています。

また、「わかりやすくする」技術は、文章の場合も同じ。

本書は「話し方」、「書き方」、「聞き方」、「読み方」の
4つのパートから構成されています。

安田さんは、書き手として、本書の「わかりやすくする」技術を
使っていますから、私たちは読み手として、
本書の技術を使って読めば、より理解が深まると思います。

本書は190ページの薄めの本で、行間も広く、イラストも多いので、
この手の本に慣れていない人にはちょうど良い入門書。

かなり平易に書かれているので、ビジネス書をよく読む人にとっては、
物足りなく感じるかもしれません。

この本から何を活かすか?

安田さんは本書で、タモリさんの聞く技術について解説していましたが、
他のTV番組でMCを務めるタレントさんが、
どんな能力が秀でているかを分析してみるのも面白うそうです。

今年は、島田紳介さんという大物司会者がTVから姿を消し、
その後の番組を誰が引き継ぐのかと話題になりました。

ワイドショー的にポスト島田紳介さんを予想をするより、
これから司会者として台頭しそうなタレントさん達が、
技術的にどう優れているかという視点で見た方が、
同じバラエティ番組を見ても、自分のためになると思います。

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| コミュニケーション | 08:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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プロの知的生産術

プロの知的生産術 (PHPビジネス新書)
プロの知的生産術 (PHPビジネス新書)

(2011/11/19)
内田 和成 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

情報収集や情報整理では差がつかない時代になりました。

かつては、情報を持っていることが大きなアドバンテージであり、
それを効率よく整理することが、ひとつの技術でした。

しかし今の時代、誰でもネット上にある
大量の情報にアクセスできます。

しかも、その情報を取ってきて、
わざわざ整理しなくても、一発で検索できたり、
他の人がつけたタグさえ簡単に利用できるようになりました。

それでは、いったい何で差別化を図るのか?

ボストン・コンサルティング・グループ元日本代表の
内田和成さんが本書で提案するのは、
アウトプット・情報の活用で差別化すること。

本書が目指すのは、たとえ情報整理ができなくても、
情報活用ができるようになることです。

内田さんが考える、情報活用の目的は3つあります。

  1. 意思決定の助けとなる情報
  2. アイディアの元になる情報
  3. コミュニケーションの手段としての情報

内田さんが本書で解説するのは、
最初に、この3つの中から情報活用の目的を定め、
次にどんな情報をどうやって集めるかを決める、
言わばゴールから逆算するアプローチです。

目的もなく、情報を集めても効率が悪いですから、
必要な情報を見極め、整理には時間をかけないのは合理的。

そして、集めた情報を独自の視点で料理すると、
他の人とは違うアイディアや企画が生み出せるようです。

ただし、本書は肝心の情報活用の部分は、
あまり詳しく解説されておらず、
ノウハウ本としては、ちょっと物足りない感じもします。

また、内田さんは、新しいヒラメキを得るために
「情報をスパークさせる」とも説明します。

前著「スパークする思考」に詳しく書かれているようですが、
一見関係なさそうな情報同士を問題意識と結びつけて、
あたらなヒラメキを得るアプローチです。

そのためには、使える情報より、面白いという視点で、
興味の赴くままに情報を集めたほうがいいとも。

これって、内田さんが本書全体で訴えている、
目的を定めて情報を集めて活用するのと、
ちょっと矛盾するように思えます。

この本から何を活かすか?

  「頭の中に仮想の引き出しを20個作る」

これは内田さんが情報を活用するための
秘蔵ノウハウとして紹介している方法です。

ファイルボックスに関連情報を投げ込んでいくイメージで、
頭の中に作った仮想の引き出しに情報を整理するそうです。

  「実際に私はそうやってきているし、
  誰にでもできる有効な方法だと自負している」

内田さんは、誰にでもできるとサラッと書いていますが、
私にはかなりハードルが高そうです。

だいたい頭の中に仮想引き出しが20個もあると、
どんなタイトルの引き出しがあったかさえ、
思い出せないような気がします。

とりあえず、引き出しの数を3つに絞って、
チャレンジしてみます。

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| ノウハウ本 | 05:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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資産フライト

資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)
資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

(2011/10/19)
山田 順 商品詳細を見る

満足度★
付箋数:13

  「ここ数年、この国では大きな変化が起こっている。
  それは、普通に暮らす人々には目に見えないため、
  ほとんど意識されていない。しかし、場合によっては、
  この国のあり方を変えてしまうかもしれない大きな変化である。」

著者の山田順さんが、言う大きな変化とは、
富裕層から一般の人までが、海外に資産を移す、
キャピタルフライトならぬ、「資産(アセット)フライト」。

2011年の東日本大震災以降、この動きは加速しているとのこと。

過去のレートと比較しても、現在は歴史的な円高ですから、
海外投資をする人が多くなっても不思議ではありません。

山田さんによると、富裕層や小金持ちに限らず、
一般のサラリーマンからOLまで、海外の銀行に口座を開き、
資産を移す人が増えているそうです。

そして本書の第1章は、香港の銀行HSBCに不法に
現金を持ち込む夫婦のルポで始まります。

夫婦でそれぞれ500万円ずつ機内に持ち込む様子から、
現地で入金するまでの様子が詳細にレポートされています。

実際に、海外の口座に現金持ち込みを考えている人にとっては、
参考になる内容だと思います。

また、偏りはあるものの、多くの取材をした上で、
山田さんが本書を執筆していることもよくわかります。

しかし、資産フライトが日本にとって大問題であると指摘しながらも、
山田さん自身は資産フライトを推奨しています。

これは、本書のサブタイトルを「増税日本から脱出する方法」と
していることからも分かるでしょう。

日本の税制や金融制度には問題がある。
だから、日本にとってはダメージになるけれど、
あなたも早く資産フライトしないと危ないですよ、という論調です。

そして、何より問題なのが、山田さんが考えている
経済の前提が間違っていること。

山田さんは、為替レートは国力やGDPを反映したもなので、
下り坂の日本の通貨は、安くなると考えているようです。

山田さんは経済の専門家でもありませんし、
実際にマーケットに参加しているわけでもありません。

すべて取材や人から聞いた話をもとに本書をまとめているので、
こういった誤解が生じてしまったのでしょう。

本書はけっこう売れているようなので、
これから手にとる方も多いかもしれません。

しかし、そういった点を踏まえて、
本書にあまり踊らされてはいけないと思います。

この本から何を活かすか?

本書でも、海外投資の分野で誰よりも信頼できると
紹介されていた橘玲さん。

かつて橘さんが「海外投資を楽しむ会」で、
ゴミ投資家シリーズを執筆していた頃、
海外の口座を開設することは、未知の世界に踏み出すような
ワクワク感がありました。

まだ、20世紀だった頃の話です。

しかし、現在の橘さんは、トーンダウンして
一般の人にまで海外口座の開設をすすめていません。

それは、日本にいながらも海外のETFが
手軽に買えるようになったからです。

本書でも、一応、ETFについて触れていますが、
これは橘さんの「古い本」の受け売りのようです。

どうせ、受け売りするなら、橘さんの新しい本
大震災の後で人生について語るということ」を参照して、
誤った情報を伝えないようにして欲しかったすね。

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がんばる人ほど老化する

がんばる人ほど老化する―ストレスをかわす技術
がんばる人ほど老化する―ストレスをかわす技術

(2011/11/15)
竹内 薫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

  「サイエンス作家という職業柄、ボクはいろいろな専門家に
  取材したり、彼らとマスメディアでご一緒したりする機会が多い。
  そこで、これまで私が出会った無数の専門家のなかから、
  本書では4人の賢者に白羽の矢を立てて、現代日本人が抱える
  “ストレス”とどう付き合えばいいのか、教えを乞うことにした。」

本書は竹内薫さんが、現代人の誰もが悩まされる
ストレスへの対処法について、4人の専門家にインタビューして
まとめた本です。

  第1章 自然な笑いが病を跳ね返す
     ~健康の遺伝子をONにする~(村上和雄さん)
  第2章 男性ホルモンが老化を防ぐ
     ~35歳からの更年期に備える~(堀江重郎さん)
  第3章 慢性ストレスを運動で分断する
     ~脳とエクササイズの関係~(生田哲さん)
  第4章 怒りと上手な付き合い方
     ~負の感情を連鎖させない~(名越康文さん)

このインタビューの中で、私が興味を持ったのは、
第2章の堀江重郎さんの話し。

長生きの秘密を探る研究プロジェクトで、明らかになってきたこと。

  「長生きしている人は、どうやら体内のテストステロン値が
  高いようなんです」

テストステロンとは、男性ホルモンの一種。
筋肉や骨の増強、あるいは体毛の増加に関わりを持つホルモンです。

一般には、男性よりも女性の方が長寿ですから、
男性ホルモンが多いと長寿というのは、ちょっと意外でした。

実際、テストステロンは女性にもありますから、
それぞれの性別において、テストステロンが高い方が
長寿ということなのかも知れません。

ところで、テストステロンが高いかどうかを
簡単に見分ける方法があります。

  「“おーい、お茶”と言って、奥さんが“はーい、ただいま”と
  かいがいしく持ってくるようなら、ご主人のテストステロンは
  相当高いです。“たまには自分で入れなさいよ”というときは、
  かなり接近しているか奥さんのほうが高い。
  ご主人のほうが“お茶入れたけど飲む?”という場合は、
  確実に逆転しています(笑)。」

冗談っぽく語られていますが、テストステロンは性格や行動様式、
社会性に影響を与えるので、こういった現象が現れるそうです。

私たちの寿命は時代と共に伸びていますから、
いかにも昭和的な男性像の方が、寿命が長くなるというのも、
ちょっとイメージと合いませんね。

私の知っている、「おーい、お茶」と言っている男性は、
サザエさんの波平さんぐらいです。

波平さんも、外見は全く若々しく見えません。

しかし、私が子どもの頃からあの容姿で、
40年以上経った今でも変わりませんから、
これもテストステロンが高いから・・・・・
なんてことはありませんね。

この本から何を活かすか?

  「強すぎるストレスを遮断し、負の連鎖を起こさない方法」

名越康文さんによると、短い現実逃避を繰り返すのが、
ストレス解消に有効とのこと。

おすすめは、深呼吸、瞑想、仕事に打ち込む、本やマンガを読むなど。

竹内さんも、さほどマンガが好きではなかったのに、
ストレスが増えたせいからか、東日本大震災以降、
急にマンガを読むようになったそうです。

我が家には、あまりマンガ本はありませんが、
たまたま今年のクリスマスプレゼントとして、
ウチの子は、「ONE PIECE(ワンピース)」全巻を希望しています。

ストレス解消という名目で、今年の年末年始は、
子どもと一緒に、ワンピースを読もうかな。

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| 科学・生活 | 08:07 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビッグデータビジネスの時代

ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略
ビッグデータビジネスの時代 堅実にイノベーションを生み出すポスト・クラウドの戦略

(2011/11/09)
鈴木 良介 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  「もしも、あなたの会社にスティーブ・ジョブズのような経営者や
  スタンフォード大学卒の意欲と能力に富んだ従業員がいないのであれば、
  “ビッグデータ”の活用を考えた方が良い。
  ビッグデータの活用は、一部の天才のみに依存することなく、
  確実にイノベーションを実現するための方法となるからだ。」

天才たちが起こしたイノベーションは、
顧客の声を聞いて、実現したものではありません。

T型フォードにしても、iPodにしても、
初めから市場にニーズがあったわけではなく、
製品が世に出てから消費者が追いかけてきたものです。

顧客の声を聞いていただけでは、
これらの商品は開発されなかったでしょう。

しかし、普通の企業がイノベーションを起こすために、
経営者がスティーブ・ジョブスさんになることはできません。

マネしようと思っても、簡単にマネできないのがカリスマですから。

ならば、普通の企業がイノベーションを起こすにはどうしたらよいのか?

そのひとつの方法が、「ビッグデータ」の活用であると
本書の著者、鈴木良介さんは答えます。

ビッグデータは、イノベーションの底上げを行うための武器になる。

ビッグデータとは、大量のデータのことを意味しますが、
それは単に量だけに注目したものではありません。

本書では、事業に役立つ知見を導き出すための、
「高解像」「高頻度生成」「多様」なデータと定義しています。

  第1章 ビッグデータビジネスとは何か?
  第2章 ビッグデータビジネスの効用と活用事例
  第3章 主要陣営の戦略とビッグデータ活用を支える技術
  第4章 ビッグデータ活用に向けた3つの阻害要因
  第5章 ビッグデータビジネスの将来予測

今までも、何度となくこういったデータ処理や分析から、
付加価値を生む取り組みはなされてきました。

それでは、なぜ、このタイミングでビッグデータなのか?

それは、今までにない環境が整ったから。

鈴木さんは、2001年以降の10年間で、IT活用における
電子化・自動化が大きく進展し、処理・分析に利用できる
データの蓄積が進んだことを理由に挙げています。

本書は、国内外のビッグデータ活用の事例を数多く紹介し、
ビッグデータを活用する際の課題と、将来像を提示しています。

技術的な話しも多いのですが、興味深い事例が多いので、
私のような素人でも、このビッグデータビジネスの
全容がイメージできました。

ただし、この手の技術ベースの本は、
あっという間に賞味期限が来てしまいまいますから、
できるだけ早く読む必要があると思います。

この本から何を活かすか?

  「消費者のストリッパー化」

消費者が対価によってはプライバシーの公開も厭わないと
考える傾向を、「消費者のストリッパー化」と呼ぶそうです。

別にプライバシーを知られても減るもんじゃなしに、
それでメリットを得られれば良いと考える人もいるのでしょう。

この事例として紹介されていたのが、
チェコの売春宿「ビッグ・シスター」。

  「ある36歳の男性は、フランスのメッツにある自宅から、
  約8時間かけてチェコのプラハにある売春宿ビッグ・シスターに通う。
  ここでは、無料でセックスすることができるからだ。
  そのかわり行為は50台のカメラで撮影され、
  インターネットで配信されることに同意しなければいけない。」

これは、本当の意味でストリッパー化です。
ここへ行けば、誰でもAV男優になれるというわけですね。

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| IT・ネット | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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MBAの誓い

MBAの誓い‐ハーバードビジネススクールから始まる若きビジネスリーダーたちの誓い
MBAの誓い‐ハーバードビジネススクールから始まる若きビジネスリーダーたちの誓い

(2011/11/07)
マックス・アンダーソン、ピーター・エッシャー 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「私はなしうるかぎり誠実に行動し、倫理にかなった形で仕事を行う。
  自分自身の行動が誠実さの規範となるようにし、
  公に支持した価値観にふさわしいものにする。」

この誓約の他に、8つの誓約からなる「MBAの誓い(The MBA Oath)」。

「MBAの誓い」は、2009年5月にマックス・アンダーソンさんや、
ピーター・エッシャーさんらの学生達が中心となって、
ハーバード・ビジネス・スクールで立ち上げたプロジェクトです。

彼らは、卒業を間近に控え、大きな不安を抱えていました。

それはMBAに向けられる、世間からの非難の目。

エンロンやワールドコムの不正事件からはじまり、
リーマンショックにバーナード・マドフ事件・・・

一連の事件や金融危機を引き起こした犯人として、
MBAは悪の権化のように言われることさえありました。

  「たとえ善意や拠りどころとなるモラルがあろうとも、
  卒業証書をもらった瞬間、ビジネスの世界では
  ダース・ベイダーの役を割り振られるとわかっていたからだ。」

著者達のグループは考えました。

MBAが自らのあるべき姿や責任に対する見方を
変えることはできないだろうかと。

そして、スタートしたのが本書の「MBAの誓い」を立てるプロジェクト。

ハーバード・ビジネス・スクールで必須科目となる
「リーダーシップと倫理」の授業をベースに、
医者が立てるヒポクラテスの誓いや、法律に関する誓い、
大統領の就任宣誓といった他の誓いと比較して作られました。

本書はそのプロジェクトと、その背景にある考え方をまとめたものです。

こういった倫理を問うものは、普段読むと、
当たり前過ぎるほど、当たり前のことが書かれています。

問題は、危機的な状況や、厳しい経営判断を迫られる時に、
判断軸として、「誓い」が使われるかどうかです。

欧州には、ノブレス・オブリージュの文化があると言われますが、
そういった文化的背景のない米国では、
「MBAの誓い」が必要だったのかもしれません。

これは日本のビジネスリーダーにも言えることですが・・・

本書は、自分がビジネスリーダーの立場でなくとも、
自分の拠って立つ行動指針は何かを考えさせられます。

この本から何を活かすか?

  「公正さのテスト」

  「金物店がシャベルを15ドルで売っていた。
  猛吹雪の翌朝、20ドルに値上げした。
  この行動をどう思うか。」

このテストを一般の人々に行うと、「完全に公正である」または、
「許容できる」と答えた人の割合は18%だったそうです。

いかにも、足元を見るような行動ですから、大半の人は
この金物店の行動を公正だと感じなかったのでしょう。

一方、MBAで「完全に公正である」または、「許容できる」と
答えた人は75%にも達したそうです。

これは、どちらが良く、どちらが悪いということではありません。

一般の人は「消費者」視点でモノゴトを考え、
MBAは「経営者」視点でモノゴトを考えると、
本書では解説されています。

この視点、1人の中で「消費者」と「経営者」の両方を持ち、
自在に切り替えられるようにしたいものですね。

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| 仕事論 | 10:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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稼ぐ人100人に聞いた「儲け」のネタ帳

稼ぐ人100人に聞いた「儲け」のネタ帳
稼ぐ人100人に聞いた「儲け」のネタ帳

(2011/11/29)
岩波 貴士 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

著者の岩波貴士さんより、献本いただきました。
ありがとうございます。

あなたは、稼ぐための秘訣を知っていますか?

もし知らないなら、実際に稼いでいる人に、
その秘訣を聞いてみるのが一番早い。

でも、そんなに稼いでいる人なんて周りにいないし、
稼ぐ方法なんて、業種によっても違う。

そんな自分では簡単に聞けない人のために、
いろいろな業種から、稼ぐ人の儲けのネタを集めて、
まとめたが本書です。

元になっているのは、岩波さんが以前出した文庫本、
人にはちょっと教えたくない「儲け」のネタ帳』と
人にはぜったい教えたくない「儲け」の裏知恵』。

この2冊から、戦略・企画・集客・営業の4つの分野を
再編集・加筆修正し、B5サイズに大型化して
図解を入れたのが本書です。

本書の儲けのアイディアは、
日常生活でわたしたちが利用者として、
よく目にするものが数多く紹介されています。

しかし、自分がよく利用するサービスでも、
かなり意識していないと、それをビジネスのアイディアとして
捉えることはできません。

まして、それを自分の仕事で転用しようとは、
なかなか気づかないものです。

本書は、サービスを受ける側から、
サービスを提供する側へと視点を移し、
アイディアのヒントを得るネタ帳として活用できます。

私は、この本の元になった2冊の本を読んでいませんが、
以前献本いただいた『「問題解決」のネタ帳』を読んでいます。

それと本書を比べると、大型図解化されたこともあって、
ずいぶん垢抜けた感じがしました。

本書はガチガチなビジネス書を求めている人の
ニーズには合いませんが、ビジネス書慣れしていない人には、
イラストも多いので、非常に読みやすい本となっています。

本書は、そういった読者層のことも考えて、
販売先を全国の書店と、セブンイレブンとしているのでしょう。

本を買うつもりがなく、コンビニに立ち寄った人が、
思わず手に取ってしまう仕掛けも、
岩波さんが集めた儲けのネタのひとつなのかもしれません。

なお、本書の巻末の「ビジネス書【書評ナビ】」として
掲載された40の読書系ブログの中に、
当ブログもご紹介いただいていおります。

この本から何を活かすか?

この本は違いますが、
コンビニだけでしか見かけない本ってありますよね。

本としては、ちょっとチープな感じの。

なぜ、そういった本は、一般の書店では見かけないのか?

調べてみると、どうやら取次が違うようです。

一般の書籍は、日販やトーハンが取次として間に入ります。

しかし、コンビニでしか見かけない本は、
独自の流通でコンビニだけに入荷するようです。

しかも、書籍ではなく、「情報雑貨」として。

実は、コンビニでしか見かけない本は、
扱いが「本ではない」そうです。

(放送作家イズミイチローさんのブログ、
おもろいことがめっちゃ好きですねん!』の記事より)

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| マーケティング・営業 | 13:24 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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一瞬で大切なことを伝える技術

一瞬で大切なことを伝える技術
一瞬で大切なことを伝える技術

(2011/11/11)
三谷 宏治 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:30

あなたは、ロジカルシンキングの本を読んで、
論理的に話せるようになりましたか?

いくら本を読んだり、セミナーに参加しても、
なかなかロジカルに大切なことを伝える力は身につきません。

なぜなら、ロジカルシンキングは難しいからです。

報告書やプレゼン資料を使ってならともかく、
会話の中で、マトリックスやピラミッドストラクチャーといった
フレームは使いこなせません。

むしろ、自分の頭の中だけにマトリックがあって、
それを言葉だけで相手に伝えようとすると、
かえって伝わりにくくなる場合もあります。

三谷宏治さんは、もっと簡単に論理スキルを
向上させる方法がないかを考えました。

それは、図などを描かなくても、
もっと普段の会話の中で、使えるスキルとして。

そして、出した答えが2つ。

  1. スキルは同じことを繰り返さないと身につかない。
    だから使うフレームワークは1つか2つに絞る。

  2. 一般のロジカルシンキングは複雑すぎる。
    もっと単純でないと使えない。

この2つの結論から生まれたのが、本書で紹介される「重要思考」。

現在、三谷さんが教える研修コンテンツの中で、
最も基本的で、かつ最強のスキルであると説明されています。

重要思考では、まず、言いたいことを
「塊」と「つながり」に分けます。

そして、いくつかの「塊」と「つながり」に分かれたら、
その中で、一番ダイジなことは何なのかという「重み」と、
他との「差」は何かをハッキリさせて相手に伝えます。

大切なのは、「差」だけに注目して終わらないように、
最初に「ダイジなコト」から考えはじめること。

いくら他との差があっても、それがダイジでなければ、
どうでもいいことだからです。

伝わらない話は、「それで、結局、何がいいたいの?」と
と相手に思われてしまいます。

しかし、ダイジなことからブレずに話す重要思考は、
シンプルですが、言いたいことを確実に相手に伝える技術です。

もちろん重要思考は、自分が相手に伝える場合だけでなく、
相手の話を聴く場合や、話し合う場合も使えます。

相手の言っていることで、一番ダイジなコトは何?
と考えて聴けばいいんです。

簡単だけど、意外とできていないし、奥が深い。

重要思考は、ロジカルシンキングが
なかなか身につかなかった人でも使える、
ビジネスの現場で活用度の高い技術だと思います。

この本から何を活かすか?

  ダイジなことを相手に決めてもらう究極技

特に、次から次へと、いろんなことを
しゃべり過ぎてしまう人に有効な技が、
本書に紹介されていました。

話し終わった後に、最後に相手に聞きます。

  「今俺が話した中で、一番ダイジなのは何だと思う?」

すると、相手は何がダイジか自分で考えるし、
自分で考えたことは、実行に移しやすい。

この技、立場が上じゃないと使い難そうですが、
今度使ってみようと思います。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 08:16 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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「日本経済ダメ論」のウソ

「日本経済ダメ論」のウソ - 日本が絶対に破産しない、これだけの理由 (知的発見!BOOKS)
「日本経済ダメ論」のウソ - 日本が絶対に破産しない、これだけの理由 (知的発見!BOOKS)

(2011/10/28)
三橋貴明、上念司 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「一部というか、全般的に過激で、ややエキセントリックな
  表現が多かったことについて、不快に思われた方もいると思います。
  その点については、何とぞご容赦ください。
  むしろ、それほど怒りをこめて糾弾しなければならない“敵”が、
  この国を滅ぼそうとしている現状について、
  危機感を共有していただけるとうれしいです。」

本書は、データ分析に定評のある三橋貴明さんと、
勝間和代さんのブレーンを務める上念司さんの対談本。

日本経済のダメ論さえ撃退すれば、日本は復活するという主張です。

いわく、日本は2011年6月末時点で341.4兆円の対外負債があり、
594.7兆円の対外資産がある。

つまりこの差の253.3兆円が日本の対外「純」資産で、
これだけの資産を持つ国は他にないので、
日本は世界一のお金持ち国家とのことです。

しかし、マスコミで流布される日本経済の悲観論により、
国民の社会的認識が歪められ、結果としてデフレの深刻化と、
経済の低成長をもたらしていると書かれています。

  第1章 経済ニュースの「ウソ」を見破れ!
  第2章 これが、本当に正しい「経済常識」だ!
  第3章 ギリシャが破産しても、日本経済は破産しない!
  第4章 この政策で、日本は復興する!

お2人の主張では、日本経済が低迷する最大の原因は、
悲観論を撒き散らすマスコミや識者がいること。

ですから、本書の目的は、冒頭に引用した上念さんの言葉にある通り、
この国を滅ぼそうとする「敵」を叩くことです。

それでは、この国を滅ぼそうとしている敵とは、誰を指すのか?

本書では、実名を挙げて批判が繰り返されます。

与謝野馨さん、藤巻健史さん、辛坊治郎さん、浜矩子さん、
野口悠紀雄さん、伊藤元重さん、川本裕子さん、
竹中平蔵さん、藻谷浩介さん、大前研一さんなどなど。

特に、与謝野馨さんに対して三橋さんは、
「さん」づけしないと公言し、呼び捨てで批判しています。

気の合うお2人の対談で盛り上がるのはいいのですが、
私には、ちょっと放言が過ぎるように感じました。

こういった傍若無人な発言が、
お2人のファンには支持されるのかもしれません。

しかし、私にはネットの掲示板的なノリのように感じ、
せっかくまともな議論をしていても、
発言の趣旨より、批判の方が気になってしまいました。

日本経済の楽観論が語られているはずなのに、
本書を読んでも、あまり前向きな気持ちになれない感じがします。

この本から何を活かすか?

私は、本書ではじめて上念さんを知りました。

勝間さんと共同で株式会社「監査と分析」
設立している方なんですね。

この会社のサイトを見る限り、勝間さんのブランドを
うまくビジネスに利用している感じがします。

それはさておき、本書では三橋さんと話しが盛り上がりすぎて、
いまひとつ上念さん自身の主張が見えてきませんでした。

上念さんの単著も読んでみようと思います。

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| 経済・行動経済学 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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アイデアの99%

アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力
アイデアの99% ―― 「1%のひらめき」を形にする3つの力

(2011/10/25)
スコット ベルスキ、Scott Belsky 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

アイディアの発想法を語らない、ちょっと変わったアイディア本。

  「この本では創造的なひらめきやアイディアについては
  読者のみなさんにお任せすることにします。」

それでは、本書ではいったい何が語られているのか?

すばらしいアイディアがひらめいたとしても、
それが実現できるとは限りません。

むしろ、本当はすごいアイディアなのに、
実現できないまま、忘れられてしまうことの方が多いのかもしれません。

“天才とは1%のひらめきと99%の努力である”
とは、有名なトーマス・エジソンさんの言葉。

この言葉が本当は言われていないとか、
エジソンさんの意味するところは違うとか諸説ありますが、
偉大な成功を収めるためには、ひらめいた後の
実現へ向けた努力が重要であることは間違いありません。

  「クリエイティブな人たちにとって、ひらめきを生むのは
  それほど難しいことではありません。
  ですが、それを実現する99%とは、いったいどんなことなのでしょうか?
  答えは、この本の中にあります。」

本書の著者、スコット・ベルキスさんがこの本で示すのは、
アイディアを実現する方法。

ベルキスさんは、コンスタントにアイディアを世に送り出している
クリエーターに次の3つの共通点を見つけました。

  1. 物事をきちんと整理し、次々と片づける。
  2. 仲間を引き込み、コミュニティの力を利用する。
  3. プロジェクトを率いる戦略がある。

つまり、アイディア実現力は、次の式で表されます。

  アイディア実現力=発想力+整理力+仲間力+統率力

本書では、この式の中の発想力以外の3つの力について説明されます。

整理力を身につければ、アイディアを管理・実行できます。
仲間力は1人ではできないアイディアを実現します。
そして、仲間を率いてイノベーションを起こすには、
リーダーとしての統率力が必要です。

1%のひらめきを実現するのは、この3つの力をうまくバランスさせること。

このブログでも紹介した、クリス・アンダーソンさんや、
ザッポスなどが成功事例として紹介されていました。

アイディアを実現するというほど、大げさでなくても、
やろうと考えたことを、なかなか実行に移せない人には、
本書の第1章「整理力」のパートだけでも、
読む価値はあると思います。

この本から何を活かすか?

本書では、些細なことから、大きなアイディアまで、
実現したいことすべてを「プロジェクト」と考えます。

そしてプロジェクトを、次の3つの要素に分解します。

  1. アクション・ステップ(やるべきこと)
  2. レファレンス(参考資料)
  3. バックバーナー(後回しにすること)

  「身の周りのことすべてをプロジェクトと考え、
  それを分解するところからはじまります。」

私は、このブログのテンプレートをずっと変えたいと考えながらも
それが実現できないでいました。

まずは、アクション・ステップ書き出してみたいと思います。

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| アイディア・発想法・企画 | 09:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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訣別―大前研一の新・国家戦略論

訣別―大前研一の新・国家戦略論
訣別―大前研一の新・国家戦略論

(2011/11/04)
大前研一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

  「ゼロベース改革とは過去にあったものを手直ししたり、
  それまでの延長線上で悪いところを部分修正したりすることではない。
  新しい時代に合うようにまったく新しく設計する、ということだ。
  つまり過去の“否定”ではなく、過去との“訣別”である。」

大前研一さんは、否定ではなく訣別と力説していますが、
いったい、どんな過去と訣別すべきなのでしょうか?

大前さんは本書で、陳腐化し、硬直化した今の日本の状況を
抜け出すために、次の3つの訣別が必要だと訴えています。

  1. 江戸時代からの訣別
  2. 明治時代からの訣別
  3. 戦後体制からの訣別

正直、私たちが普段生活をしていて、江戸時代や明治時代に
縛られているという意識はありません。

しかし、当時作られた自治体の単位としての都道府県や、
ツギハギの戸籍制度が日本の生産性を大きく低下させていますから、
過去の体制と訣別し、時代にあった新しい制度を
導入する必要があるというわけです。

また、戦後の成長モデルは既に通用しないので、
経済面でも、世界中からホームレスマネーを呼び込むような
国家戦略が必要だと、大前さんは説明します。

大前さんは、平成元年4月に発表した「平成維新」以来、
日本のゼロベース改革を訴えてきました。

平成23年となった現在、日本のゼロベース改革に必要な
基本的なフレームワーク(国家戦略)は、
大前さんが当時考えた、「2005年ビジョン」と変わりません。

しかし、1989年当時には想定できなかったスピードで、
BRICSや他の新興国が台頭してきたことや、
既に少子高齢化が現実のものとなったことなどが理由で、
フレームワークのの「改訂版」は必要になったと言います。

その改訂版こそが、本書の新・国家戦略論です。

そして、本書では「2025年ビジョン」として、
国民データベース化、18歳成人、高校義務教育化、
道州制、税制改革、移民受け入れなどが提言されています。

これらの提言は、常に大前さんをフォローしている方にとっては、
特に目新しいものはありません。

また、第1章から第3章までの前半は、国家戦略論というより、
コラムの寄せ集め的な印象も受けます。

しかし、大前さんが警告する未来は着実に迫っていて、
大前さん以上の国家ビジョンを描く人がいないのも
また事実だと思います。

この本から何を活かすか?

大前さんのBBT大学では、2011年度の学生募集に際して、
入試問題ネット投稿事件の予備校生を受け入れることを
教授会で決定し、プレスリリースを出したそうです。

カンニングした予備校生は、倫理の問題はあるにせよ、
人のやっていないことをやったという点で
パイオニア的なものをもっていると判断したとのこと。

ものは言いようだし、話題づくりがウマイですね。

そもそも、カンニングが通用するような問題を
入試問題として出題すること自体が大学の怠慢だとも。

カンニングが通用しない、BBT大学の過去の入試問題はこちら。

  ・BBT大学2010年春期入試問題

面白そうなので、私もチャレンジしてみます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる

統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書)
統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書)

(2011/10/18)
高橋洋一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「病気にかかっている人」に検査法Tを適用すると、
  98%の確率で、病気であると正しく診断されます。

  「病気にかかっていない人」に検査法Tを適用すると、
  5%の確率で、病気であると誤って診断されます。

  病気にかかっている人の割合は3%、
  かかっていない人の割合は97%です。

  この検査法Tを適用して病気だと診断されたとき、
  本当に病気にかかっている確率はどのくらいでしょうか?

これは、本書に紹介されていた日本のある大学の入試問題。

実は、スパムメールはじくフィルタリングも
この入試問題と同じ条件付確率の考えが用いられています。

その同じ考えとは、ベイズ統計。

本書の著者、高橋洋一さんが30年前に統計を学んだ頃、
ベイズ統計は人に説明するのもはばかるような、
異端の学問と呼ばれていたそうです。

しかし、現在ではビジネスの世界で実用化がすすみ、
ベイズこそが“使える確率”となっています。

本書は、確率・統計の基本を学びながら、
世の中のカラクリを見抜く力を身につける本です。

  「数学はかならずしも必須とはいえませんが、
  統計はそうはいきません。統計はそうはいきません。
  必ず必要になります。しかも確率や統計を学ぶことで
  数字の扱い方や単位のとり方に慣れ、
  数字に対するリテラシーが身につくのです。」

高橋さんが挙げる、統計の目的は2つあります。

1つ目は、人々の経験を要約して、それによって人々が
その本質を理解できるようにすること。

つまり、物事を数量的に考えることです。

2つ目は、その要約された事実に基づき、将来どのような結果が
得られるかを推計・予測すること。

身近なものでは、天気予報、渋滞予測などがあります。

本書では、これらの統計の目的を押さえつつ、
現実問題として、どのように統計思考をツールとして使うかが
最新のトピックスを題材にして解説されています。

  第1章 統計・確率思考で世の中のカラクリを見破る
  第2章 バランス思考で考える東電問題
  第3章 シンプル・ロジカル思考で考える復興政策
  補講  よくある誤解と間違い

純粋に確率・統計の入門本を想定していると、
本書の政治色の濃さに、ちょっと引いてしまうかもしれません。

しかし、今さら数学を勉強したいと考えていない人にとっては、
東電問題や復興政策を検討しながら、
統計思考を身につけられるお得な本だと思います。

この本から何を活かすか?

冒頭の検査法Tの答えは、「38%」です。

ちなみにこの問題、旭川医科大学の入試問題だったそうです。

98%の人が病気と診断されることに注目しすぎると、
意外な感じがするかもしれません。

そこがベイズ統計の面白さ。

計算は、次のようになります。

  P(病|病診断)=P(病診断|病)P(病)/P(病診断)

P(病診断)=P(病診断|病)P(病)+P(病診断|健康)P(健康)
       =0.98×0.03+0.05×0.97
       =0.0779

P(病|病診断)=0.98×0.03/0.0779
         =0.3774 → 38%

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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Toyland Express (Can You See What I See?)

Toyland Express (Can You See What I See?)
Toyland Express (Can You See What I See?)

(2011/10)
Walter Wick 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:-

クリスマスのプレゼントは決まりましたか?

この本は、クリスマスや誕生日の
ちょっとしたプレゼントに最適。

特に、小学生の子どものいる家庭には喜ばれるでしょう。

本書は、写真家ウォルター・ウィックさんの
「Can You See What I See?」の第8作目。

その原書、英語版です。

日本でも「チャレンジミッケ!」として刊行される、
写真の中から、アイテムを探すピクチャーパズルです。

このシリーズ、当初はだいたい1年に1冊のペースで
刊行されていましたが、最近は少しペースが落ち、
1年半に1冊のペースで刊行されています。

ウィックさんは、凝りに凝ってハンドメイドで
作品の世界を作り上げるので、
新しい本が出るまで、少し時間がかかっても、
仕方がないところです。

それとは逆に、日本語版が刊行されるスピードが上がっています。

以前は原書が刊行されてから日本語版が出るまで
1年以上がかかっていましたが、
本書の日本語版は、わずか1ヶ月で出ています。

それだけ、このシリーズの売上げが期待できるのでしょうか?

それとも、翻訳を担当する糸井重里さんが
単に暇があったということでしょうか?

さて、本書はのテーマは「Toyland Express(おもちゃ とっきゅう)」。

木製のおもちゃ列車の一生が描かれています。

おもちゃ列車は、工房で木から削りだされ、
赤、青、黄色でキレイにペイントされて、
子どもたちの憧れのおもちゃとしてショーウィンドに並びます。

箱入りで包装された、新品のおもちゃ列車は、
子どもの誕生プレゼントとして贈られ、
何シーズンもお気に入りのおもちゃとして大活躍します。

しかし、時の流れは残酷なもので、
あれだけ愛されたおもちゃ列車も、
子どもの成長と共に、誰からも忘れられた存在となり、
ホコリだらけの屋根裏部屋へ追いやられます。

ある時、屋根裏部屋にあったガラクタは、
ヤードセールに出されます。

その中に、あのおもちゃ列車もありました。

新しいオーナーの手に渡り、きれいにリペアるおもちゃ列車。

そして、かつての輝きを取り戻し、
おもちゃの国で、おもちゃ列車はふたたび走り出します。

こんなストーリーをベースに、
本書は12のシーンのピクチャーパズルで構成されています。

本書は、今までの作品ほど大掛かりではありませんが、
手作り感があり、心温まる作品となっています。

こちらは、本書のコマーシャル映像。


このブログで紹介した、ウィックさんの過去の作品はこちら。
  ・Treasure Ship
  ・On a Scary Scary Night
  ・Once upon a Time

この本から何を活かすか?

Find Seymour !

「Can You See What I See?」シリーズのもう一つのお楽しみは、
各ページに隠れている、ウィックさんオリジナルのキャラクター
「シーモア(Seymour)」を探すこと。

私の娘も、このシリーズを手にすると、
真っ先にシーモアを探します。

ツリーに飾り付けをしている、彼がシーモアです。
Seymour Christmas 

本書を手に取ったら、まず「表紙」の中に隠れた
シーモアを探してみてください。

難しいですよ。

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| パズル・DIY | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ホウレンソウはいらない!

ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則
ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則

(2011/11/10)
本田 直之 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:14

メールによる仕事術は、レガシーになりつつある。

ホウレンソウに時間をかけることも、
ものすごくレガシーな仕事になってしまった。

そして、大きな時代の変化に気づかず、
従来の方法でマネジメントしている上司も、
レガシーな上司、すなわちガラパゴス化してしまった。

本田直之さんが、本書でキーワードとして多用する
「レガシー」とは、過去の遺産、つまり時代遅れな
仕事のやり方という意味です。

本田さんの説明の通り、レガシーは「遺物」という意味ですが、
私はつい最近まで、スバル自動車のレガシィを愛用していたので、
この意味での使われ方に、ちょっと抵抗がありますね。

それはさておき、それではなぜ、
従来のマネジメント方法は時代遅れになってしまったのか?

本田さんは、本書でその原因を2つ挙げています。

1つ目は、若手社員の思考の変化。

現在30代のプレイングマネジャーは
異なる二つの世代の板ばさみになっています。

自分の上司に当たる40代は肉食系。
一方、自分の部下に当たる20代は草食系。

30代のプレイングマネジャーは、
肉食系の上司から受け継いだ仕事術が、
草食系の部下には通用しないという
大きなジェネレーションギャップに悩まされているようです。

そして、2つ目の理由はITの進化。

ITの進化によって、仕事の効率化が進みましたが、
最近では、ITがあるがゆえに、
逆に非効率化になっている部分も生じています。

それが冒頭のメールによる仕事術がレガシーになったという
本田さんの主張です。

そして、これらの問題を解決し、新時代のマネジメント方法として
本田さんが紹介するのが、クラウドベースの仕事術です。

本書の後半では、クラウドアプリケーションを導入た
仕事の方法が解説されています。

本田さんの問題の提起は、よく分かります。

しかし、そのソリューションとして示されているのが、
個人のクラウド活用ではなく、
組織へのクラウドアプリケーション導入ですから、
立場上実践できる人は、かなり限定されていると思います。

この本から何を活かすか?

本田直之さんが、本を書くときにいちばん気をつけていること。

  「私が本を書くときにいちばん気をつけているのも、
  体系立たせるということです。
  本で読んだことを真似しようと思ったとき、体系立てて
  “1、これをやる。2、これをやる。3、これをやる”
  という枠組みがないと、真似するのがすごく難しくなるからです。」

さすがに本田さんは、本を読んで利用する立場の考えが
よく分かっていますね。

ただし、この本で示された「3、これをやる」だけは、
いくら体系立てて書かれていても、話しが大がかりなので、
真似するは難しいでしょう。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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書くことが思いつかない人のための文章教室

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)
書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)

(2011/09/29)
近藤 勝重 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

そうか、文章ってこうやって書くのか。

  ・何を書けばいいの分からず、何も浮かんでこない。
  ・書いていても、すぐに文章が詰まってしまう。
  ・使い古された言葉ばかり浮かび、いい言葉が思いつかない。
  ・どう書き出して、どう終わればよいかわからない。
  ・思う、考える、感じるを多用してしまう。

本書を読むと、今まで文章を書くと時に抱いていた
こういった悩みやモヤモヤが、みごとに解消されます。

本書はコラムニストの近藤勝重さんが出講する、
早稲田大学大学院の「文章表現」の授業のなかで、
学生とのやりとりされた内容をもとに作られた本です。

まさに「文章教室」のタイトルにふさわしい一冊。

  第1章 記憶を描写してみよう
  第2章 伝わる文章の秘密
  第3章 そもそも書く手順とは?
  第4章 文章はこう直す

考えてみると、私たちは学生時代に文章の書き方を教わりません。

私も自分の記憶をたどってみると、小中高生の頃は、
書けと言われて、やみくもに感想文などを書いていました。

文章の上手な同級生がいて、感心したことはありますが、
それが習得できる技術だとは、
学生時代には考えたこともありませんでした。

私が、かろうじて文章の書き方を示されたのは、
大学の卒論を書くときぐらいでした。

これとて木下是雄さんの名著「理科系の作文技術」を
読めと言われただけでしたが・・・

私のように、文章の書き方を教わらないまま大人になってしまうと、
どこか自分の書く文章に自信が持てないものです。

しかし、こんな私でも本書の技術を身につけると、
自信が持てるようになるかもしれません。

本書では、文章に関する「よくある質問」に近藤さんが答える形式で、
文章を書く上での基本的なルールや表現方法が解説されています。

また、随所に「問題」が設けられているので、
自分の頭で考えながら、文章術を身につけることができます。

本書が扱うのは、どこでも通用する一般的な文章なので、
レポートやビジネス文書と違って、
型に流し込んで終わりというわけにはいきません。

ですから、簡単にマネできない部分もありますが、
何を意識して書けば良いのか、
文章の勘所はよくわかるように解説されています。

この本から何を活かすか?

  <よくある質問>
  「見方のユニークな作文は点数も高いと聞きます。
  独自の見方を身につけるノウハウはあるのでしょうか。」

この質問に対し近藤さんは、他の人と違う視点を持つには、
できるだけ社会通念にまつわる既成概念や固定観念を
自分の中から追い払う必要があると答えています。

そのために近藤さんがやっているのは、次のような方法です。

  「①納得」、「②共感」、「③驚き・不思議」の
  3つのファイルに分け、新聞や雑誌、本に登場する人の話しで
  それらに該当するものがあれば、切り抜くなどしてファイルに収める。

この作業をすると、一層記憶に残り、
こういう見方があるのかと受け止めることで、
物事のとらえ方のコツを学べるそうです。

ネットで見つけた記事も、この3つの分類で、
タグ付けやブックマークをするといいかもしれませんね。

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| 文章術 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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思考ツールの教科書

思考ツールの教科書
思考ツールの教科書

(2011/09/23)
下村芳弘 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

最近は、ビジネス書や雑誌などで、
思考ツールの使い方を目にする機会が多くなりました。

ロジックツリー、マトリックス、MECE、SWOT・・・

しかし、実際にビジネスの現場で使ってみようとすると、
本で読んだ通りには使えなかったり、
どんな場面で使ったら良いかさえ、分からない人も多いようです。

なぜ、思考ツールが使いこなせないのか?

その理由を、本書の著者下村芳弘さんは、次のように指摘します。

  「それは、これらの思考ツールを単なるテンプレートとして
  箱を埋めることが目的になって、
  本当に考えることをしていないからです。」

確かに、本当に思考ツールを使いこなしている人は、
フレームワークを小手先で利用しているのではなく、
考えを広げたり、深めたりするために、
思考ツールでアウトプットしている感じがします。

本書では、思考のプロセスを大きく2つに分けて考えます。

  1つは、考えるときは「言葉」にすること。
  もう1つは、理解するときは「絵」にすること。

左脳の得意な言語化と右脳の得意なイメージ化を
交互に使うことで、思考の質を高めていきます。

更に本書では、この2つの思考プロセスを
具体的な次の4ステップで解説します。

  1. テーマに網をかけて「違和感」を作り出す
  2. 違和感を「言葉」に発して考える
  3. 考えや事実を「絵」に描いて理解する
  4. プレゼンフォームにまとめ、分かりやすく伝える

実際に本書で紹介される思考ツールは、
類書でよく見かけるものばかりです。

しかし、下村さんの説明にはコンサル系の本のような
敷居の高さはありません。

難しい例をほとんど使わず、読者に歩み寄って、
かなり親しみやすく書かれています。

そこが簡単と感じてしまう人もいるかもしれませんが、
今までのフレームワーク本を読んでも、
身につかなかった人には、再入門書としていいかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「ある値を意味のある2つの要素のかけ算に分解する」

本書では、陸上競技の100メートル走を使って解説していました。

  走力=ストライド(歩幅)×ピッチ(脚の回転の速さ)

2009年のベルリン世界陸上でのタイソン・ゲイ選手と、
ウサイン・ボルト選手の比較です。

  ゲイ選手は、ストライド2.2mでピッチ4.65回/秒で、
  タイム9.71秒の2着でした。

  ボルト選手は、ストライド2.45mでピッチ4.3回/秒で、
  タイム9.58秒の世界記録を出し優勝しました。

ゲイ選手は脚の回転数で稼ぎ、
一方、ボルト選手は歩幅で稼いでいるようです。

下村さんの試算では、仮に、ボルト選手が今のストライドで、
ゲイ選手並みのピッチで走ると、
8.81秒という驚異的なタイムが生まれるそうです。

スポーツも、こういった視点で見ると面白いですね。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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弱い日本の強い円

弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
弱い日本の強い円 (日経プレミアシリーズ)
(2011/10/12)
佐々木 融 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

1990年以降、過去21年間で世界で最も強い通貨は何か?

1990年以降といえば、日本にとっては、
失われた10年とも、20年とも呼ばれる時代です。

しかし、この期間で世界で最も強い通貨は「日本円」。

あれ?

日本は高齢化が進み、しかも人口も 減り始めているんじゃないの?
日本の「国力」ってそんなに強かったっけ?
GDPだって、ほとんど伸びていないのに。

世間では、このような誤解が蔓延しています。

どうしても、「国力」が高い国の通貨が強くなる
という イメージがあるのかもしれません。

その誤解を逆手にとってつけたタイトルが、
本書の「弱い日本の強い円」です。

それでは、国力でなければ、
いったい何が通貨の強さに影響するのでしょうか?

それは、1990年以降の日本が他の先進国と比べ、
経済的に何が違っていたかを考えればわかるでしょう。

日本が過去21年間見舞われているのはデフレ。

つまり、日本が主要国中で最もインフレ率が低かったことが、
円が最強通貨となった要因なのです。

本書は、為替相場変動のメカニズムを
わかりやすく解説した本です。

著者は、日本銀行時代には介入の実務を担当し、
現在はJPモルガン・チェース銀行で
マネジングディレクターを務める佐々木融さん。

為替相場は、株式相場などよりも
予測不可能と言われることがあります。

佐々木さんは、為替が難しく感じられる原因は
2つあると説明しています。

1つ目は、為替は表面的には簡単に見えてしまうこと。

そのため、変動の理由や背景が単純に語られ、
それがもっともらしく聞こえてしまいます。

しかし、実際のメカニズムは、これだけを見れば、
為替の動きがわかるといった単純なものではありません。

その見た目とのギャップがかえって、
為替を難しく感じさせてしまうようです。

2つ目の原因は、一般的に言われる為替変動の要因が
的外れなものが多いということ。

冒頭に挙げた、国力と通貨の関係はその最たるものです。

実際に、国力と為替相場の関係は希薄。

この間違った常識が、イメージ的に
すんなりと 受け入れられてしまうので、
かえって、為替の動きが予想がつかないと思わせるようです。

本書は、こういった誤解を解き、
為替相場を正しく理解するための良書です。

この本から何を活かすか?

20年後のドル/円のレートはどうなるのでしょうか?
 
日本の物価上昇率が今後も、
これまでと同様に 米国より2~3%程度下回り続けるなら、
1ドル50円前後となるのがレートとしては適正のようです。
 
しかし、佐々木さんは必ずしも実際に50円台に
下落するとは考えていません。

それは、前提となる日米の物価上昇率格差が、
これまでと同様とならない可能性もあるからです。
 
佐々木さんは、将来的にはむしろ日本の物価上昇率が
米国の物価上昇率を上回る可能性もゼロではないと考えているようです。

ただし、私たちとしては、仮に1ドル50円台に突入しても
いいように準備はしておく必要がありますね。

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| 投資 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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スティーブ・ジョブズ II

スティーブ・ジョブズ II
スティーブ・ジョブズ II

(2011/11/02)
ウォルター・アイザックソン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

本書のように上下巻に分かれている場合、
たいてい上巻の方が下巻より売れるものです。

上巻から読み初めて、それが期待したほど面白くなかったり、
途中で挫折したり、時間やお金がないなどの理由で、
下巻に進まない人もいるからです。

本書「スティーブ・ジョブズ」は、「」がかなり面白いので、
他の上下分冊本より、「Ⅱ」に進まない人は少ないと思います。

それでも、やはり「Ⅱ」に進まない人はいるはずです。

これは非常にもったいない。

だって、本書は「」より「Ⅱ」の方が面白いから。

もし、2冊も読む時間がないとか、2冊も買うお金がないと
考えている人がいたら、「Ⅱ」だけを読むことをすすめます。

常識では測れない、ジョブズさんの伝記を読むわけですから、
「Ⅱ」を先に読んで、余裕があれば「」に進むという
非常識な読み方もありだと思います。

」はジョブズさんが、幼少の頃に何を体験して、
どのように人格形成されかたという点で興味深いですし、
アップルの創成期からジョブズさんが追放されるまでが
描かれているので、もちろん読み応えは十分です。

しかし、「Ⅱ」はジョブズさんがアップルに復帰して、
ボロボロだったアップルをiMacで建て直し、
iPodで音楽に革命を起こしたかと思うと、
今度はiPhoneで携帯電話でも革命を起こすなど、
まさにアップルが天下を取る時代が描かれていますから、
古くからのマックファンでなければ、こちらの方が楽しめる内容です。

ジョブズさんがいつも同じハイネックを着るようになったきっかけは?
ジョブズさんは、なぜ、車のナンバーをつけないのか?
そして、どのような考えで障害者スペースに駐車するのか?
ジョブズさんのiPodには、どんな曲が入っているのか?

こういった奇行も含めた、ジョブズさんに関わる噂の真相も
本書「Ⅱ」で明らかにされています。

もちろん、時間やお金に余裕のある方は、
普通に「」を読んでから「Ⅱ」に進んだ方がイイに決まっています。

順に読むと、ジョブズさんの宿敵だったビル・ゲイツさんが、
次第に戦友に変わり、新たな敵としてグーグルが浮上するといった、
大きな時代の流れも感じられるからです。

また、英語に抵抗がない方は、原書「Steve Jobs」は、
上下分冊になっていませんし、定価も二千数百円ですから、
これを読むのが一番いいようですね。

  「ヒューレットとパッカードはすごい会社を作り、
  それを信頼できる人に任せたと思ったんだ。
  それがいま、バラバラになとうとしている。
  これは哀しいことだよ。アップルもそうならないよう、
  もっとしっかりしたものを残せたらいいんだけどな」

これは、ジョブズさんがCEOを退任するときの言葉。

ジョブズさんのDNAはアップル社で継がれていくのでしょうか?

これから、アップルの真価が問われます。

この本から何を活かすか?

最初にiPodを手にしたとき、オン・オフのスイッチがないことに
私は一瞬、戸惑いを感じました。

でも、それは今までの常識に囚われていたからで、
実際はスイッチがなくても何も困らず、
逆にない方がシンプルでイイことに気づきました。

でもスイッチがない理由は、それだけではなかったようです。

  「だからなのかもしれないね。アップル製品にオン・オフの
  スイッチをつけたくないと思ったのは」

この言葉で、本書は締められています。

スイッチがないもう一つの理由は、何なのか?

その隠れた理由は、本書でご確認ください。

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| ビジネス一般・ストーリー | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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営業部は今日で解散します。

営業部は今日で解散します。 ~「伝える力」のアイデア帳 ~
営業部は今日で解散します。 ~「伝える力」のアイデア帳 ~

(2011/10/23)
村尾 隆介 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

米サウスウエスト航空は、ユーモア溢れる機内放送で有名です。

ジョークを交えたアナウンスはもちろん、
中にはラップのリズムでアナウンスされたこともあったとか。

とにかく、サウスウエスト航空の乗務員は底抜けに明るい人たちばかり。

なぜ、サウスウエスト航空のスタッフはユニークな人ばかりなのか?

その秘密は、採用方法にあるようです。

  サウスウエストの採用試験は、数十人の応募者を1つの部屋に集めて、
  試験を始めますが、会社側は開始時間をわざと少しだけ遅らせます。

  そしてスタッフが入ってきて、次のように伝えます。

  「ごめんなさい。ちょっとスタート時間が遅れそうです。
  でも、お待たせしてしまうのも悪いので、この中で歌を歌えるような
  人がいたら、ぜひみんなの前に出てきて、少しの間、
  歌ってくれませんか?」

  これから採用試験が始まろうとする状況で、
  日本人ならまず手を挙げる人はいませんが、そこはさすがアメリカ人、
  数十人いれば、ひとりくらいはこんなシチュエーションでも
  前に出て歌を披露する人がいるものです。

  実は、これが既に採用試験。

  この待っている間の様子が、カメラを通して観察されています。

私は、てっきり前に出て、積極的に歌を披露した人が
採用されると思いましたが、サウスウエスト航空の求める人材は
ちょっと違うようです。

  前に出て、歌う人は素人ですから、大抵の場合ヘタクソ。

  サウスウエスト航空が欲しいのは、この下手な歌にも、
  ずっと笑顔を絶やさず、ノリノリで聴いているような人。

  そんな人をカメラでチェックして、採用しているので、
  この会社には、明るくていい人ばかりがそろっているそうです。

このエピソードは本書のプロローグで紹介されていました。

本書は、サブタイトルにある通り、「伝える力」のアイディア帳。

営業の本ではなく、マーケティングの本です。

本書の目的は、営業しなくても買ってもらえること。

そのために「広げるアイディア」が事例と共に紹介されています。

国内外の「思わず24時間以内に誰かに話したくなってしまう
インパクトのあるストーリー」が満載。

その証拠に私も、本書を読んで誰かに伝えたくなって、
13時間後に冒頭のサウスウエスト航空の話しを
ブログの記事として書いてしまいました。

私は過去に村尾隆介さんの本を2冊紹介しています。

  ・「ビジネスは、毎日がプレゼン。
  ・「だれかに話したくなる小さな会社

大変失礼ながら、これらの本の内容はあまり覚えておらず、
村尾さんの名前さえ、はっきり記憶していなかったほどです。

しかし、本書で村尾さんの名前は、
私の中にはっきりと刻み込まれました。

そして次に村尾さんの著書を目にしたときは、
間違いなくまた手に取ることでしょう。

この本から何を活かすか?

アーススタンプって、ご存知でしょうか?

アーススタンプとは、ビーチやゴルフ場のバンカーなど、
砂の上に押す大判のスタンプ広告。

 

これも本書で紹介されてた事例のひとつ。

これを専門に作る会社が、アメリカにあるアーススタンプ社

私はこれを見て、北海道なら、砂だけでなく雪の上に押す
スタンプ広告で商売できるかもと考えました。

しかし、本家のサイトをよく見てみると、
既にスノースタンプも紹介されていましたね。

でも、素敵なアイディアです。

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| マーケティング・営業 | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界史をつくった最強の三〇〇人

世界史をつくった最強の三〇〇人 (星海社新書)
世界史をつくった最強の三〇〇人 (星海社新書)

(2011/09/22)
小前 亮 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

面白いし、一読の価値はある。
ただし、フラストレーションは残りました。

本書は、歴史小説家・小前亮さんの作った人物列伝。

歴史の教科書には載らない切り口で、
324人もの偉人を紹介したユニークな人物事典です。

  「本書は高尚な人物事典ではないので、人物の事績よりも、
  性格やエピソードやゴシップに重きをおいています。
  なにしろ性格が悪いと評判の著者ですから、あら探しだったり、
  揚げ足取りだったり、偉人を揶揄するような記述が
  多くなります。たまに嘘を書くかもしれません。」

いくら尊敬される歴史上の人物といっても、
やはりひとりの人間です。

偉大な功績の影には、あまり知られていない欠点があるもの。

功績と欠点の両面を知ってこそ、人間性が伝わり、
年号と一緒に暗記しただけの人物名から、
生きたキャラクターへ変わるというものです。

例えば、本書で「野口英世」は次のように紹介されています。

  「野口英世(1876~1928 日本)
    いろいろな意味でゴッドハンド 

  こんな人物の伝記を子供に読ませていいのだろうか。 
  借金をして女遊びを繰り返す。約束は守らない。すぐ嘘をつく。
  勤勉な努力家という面は確かにあったが、その背景には
  極端な名誉欲があった。医学者としての実績のいくつかは
  現在でも評価されているが、多くは否定されている。
  ほとんどは「病原体発見」→「追試不能、後に否定
  (実はウィルスで、当時の技術では見えない)」のパターンであり、
  性急に結果を追い求める姿勢が招いたミスだと思いたい。」

この例は、少し極端ですが、
小前さんは、どんな人物の紹介であっても、
少なからず毒を吐いていますから、
読んでいて、1ページごとにニヤリとさせられる文章があります。

しかし、新書280ページの本で、324人を掲載しているので、
1人分の紹介は5~10行程度の分量なのが少し残念。

歴史小説家の小前さんの狙いとしては、
本書の人物伝を読んで、気に入った偉人がいたら、
歴史小説に手を伸ばして欲しいと考えているようですが、
それにしても1人分の内容が少なすぎるように感じました。

できれば、1冊で紹介する人物は30人程度に絞って、
1人当たり10ページ前後のエピソードを紹介して欲しかったですね。

そうすると、シリーズ化も可能だと思います。

この本から何を活かすか?

本書を読んで、私が興味を持った人物は「武則天」。

小前さんの解説は、以下の通りです。

  「美貌と権謀術数を駆使して唐の高宗の皇后となり、
  政治の実権を握ると、ついにはみずから即位して
  中国史上唯一の女帝となった。残忍で疑い深い性格であり、
  苛烈な粛清をおこなったため、悪女と称される。
  しかし、高い政治力とバランス感覚の持ち主でもあり、
  すぐれた人物を登用し、国を富ませたのは確かである。
  後の玄宗の治世の繁栄は、彼女の遺産によるところも大きい。」

調べてみると、けっこう前の本ですが、
原百代さんの「武則天」という歴史小説がありました。

年末にでも、ゆっくり読んでみようと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 10:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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自分のアタマで考えよう

自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう

(2011/10/28)
ちきりん 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

  「自分の頭だけで考えていると、最初は泣きたくなるくらい
  幼稚な考えしか浮かんできません。ついつい答えを見たくなって
  しまいます。考えの深い人や博識な人が近くにいれば、
  すぐその人の意見を聞きたくなってしまいます。
  でも、そこをグッとこらえて自分で考えるんです。」

今の時代、分からないことがあれば、
インターネットで検索すると、たいていの事がわかります。

しかし、何でも簡単に答えが分かってしまうと、
自分の頭で考える習慣がなくなってしまいます。

実際に私は、完全にこの病気に罹っています。

ついつい、何でも検索してしまいます。

果ては、子どもから出題された、
「なぞなぞ」の答えまで、ネット検索する始末です。

一度、楽なことを覚えてしまうと、
簡単にはその習慣から抜け出せません。

そして、ネットで見つけた無難な答えに満足し、
自分の頭で考えることが確実にできなくなりつつあります。

本書は、そんな私にグサッとくる一冊。

著者は、「Chikirinの日記」で絶大な人気を誇り、
“おちゃらけ社会派”ブロガーとして有名なちきりんさん。

実は、私は本書を読むまで、ちきりんさんの存在を知らず、
ブログも一度も読んだことがありませんでした。

ちきりんさんのブログでは、政治、経済、マネー、国際関係などの
社会問題を独自の視点で語り、人気を博しているようです。

本書では、そのちきりんさん独自の視点を生み出す
「思考法の方法論」が解説されています。

平たく言うと、ロジカルシンキングの本で、
ちきりんさんは、コンサルタント的な用語を使わず、
思考の技術を分かりやすく説明しています。

個人的には、その技術のノウハウよりも、
私が普段の生活の中で、いかに自分の頭を使っていないかを
本書を読んで思い知らされました。

  「私たちはしばしば他人の考えをまるで自分の考えで
  あるかのように錯覚します。(中略)
  自分の頭で考えること、それは“知識と思考を
  はっきりと区別する”ことからはじまります。
  “自分で考えなさい!”と言われたら、
  頭の中から知識を取り出してくるのではなく、
  むしろ知識をいったん“思考の舞台の外”に
  分離することが重要です。」

確かに、私が毎日、こうやって本を読むことでさえ、
知識が増えたことと思考したことを混同し、
自分の頭で考えることの邪魔になっています。

重要なのは、本を閉じた後、
著者が何と言っていたかを正確になぞることではなく、
そこから自分で何を生み出すかということ。

1時間かけて本を読んだら、3時間かけて自分の頭で考える。

そこまで時間がとれなければ、10分本を読んで、
30分自分の頭で考えることを習慣にすべきなんですね。

この本から何を活かすか?

  考える時間を「見える化」する!

「考える力をつけるには、どうしたらよいですか?」
と質問を受けると、ちきりんさんは、
「考える時間を増やしましょう」と答えているそうです。

そのために必要なのが、1日のスケジュールの中で、
「考える時間」を見える化すること。

実際に私の1日のスケジュールを見直してみると、
考えている時間は、1時間にも満たない状態でした。

習慣を変えるには、まずは記録することから。

レコーディング・ダイエットならぬ、レコーディング・シンキング。

毎日の思考に当てた時間を記録することから始めてみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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