活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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日本経済の奇妙な常識

日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)
日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)

(2011/10/18)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

次の文章が「本当」か「ウソ」か考えてみてください。

  1. 円の実力からみて、1ドル=80円を切る円相場は“超円高”だ
  2. 日本や中国が保有する米国債を大量に売れば、
    米国債も米ドルも暴落する
  3. 資源価格の高騰は、日本のモノやサービスの価格に大きく影響する
  4. 消費税は一気に10%増税するより、
    段階的に2%ずつ上げるほうが悪影響は小さい
  5. 日本政府の財政破綻は、なんとしても避けるべきだ
  6. 国際分散投資をおこなえば、大損の危険性を避けて資産運用できる
  7. 日本国内は以前、貯蓄過剰だったが、
    家計の貯蓄率が大幅に下がったので、国内の貯蓄率は減った

ニュースをよく見たり、新聞をシッカリ読む人ほど、
ほとんど全てを「本当」と答えたのではないでしょうか。

マスコミは、こららを「経済の常識」として報道しています。

しかし本書の著者、吉本佳生さんは、
これらの経済常識は、いずれも「ウソ」だと主張します。

  「本書は、日本とアメリカの経済をめぐる大きな謎を追いかけるなかで、
  金融や経済の専門家もふくむ多くの人が“常識”としている
  経済理論を、ひっくり返してしまうことを狙ったものです。」

世間の間違った常識や、経済的なカラクリを指摘させたら、
吉本さんは天下一品。

本書でも図を多用しながら、数多くの日本経済の奇妙な常識を
正しい経済理論で考えた「本当の常識」へと転換します。

本書の大きな論点は3つあります。

1つ目は、米国債の謎を追いかけながら世界経済を解き明かすこと。
2つ目は、円相場を中心に日本経済をみること。
3つ目は、資源の国際価格と日本の国内物価の関係を分析すること。

私が最も注目したのは、3つ目の論点です。

確かに、国際的に資源価格が高騰するなかでも、
日本国内ではインフレになるどころか、
相変わらずデフレの状態が続いていました。

それでは、資源価格が高騰した分のコストは、
一体、どこに転嫁されているのでしょうか?

吉本さんが導き出した答えは、「賃金デフレ」でした。

つまり、日本の企業は資源価格の高騰を製造コストに転嫁できず、
労働者の給料を下げて吸収してしまった。

それどころか、賃金を下げることを恒常化し、
資源価格の上昇以上に、立場の弱い人の給料を低く抑えている。

実際に安い給料で働いている人から見ると、ヤリ切れないですね。

本書には、他にも驚きの事実が満載。

デリバティブ汚染を逆利用した東日本大震災の復興財源を得るための
「復興連動債」の提案も非常に面白いです。

本書は、正しい経済常識を理解するための必読の書だと思います。

この本から何を活かすか?

一般に公表されている経済データの分析で、
世間の常識を覆すことでは、三橋貴明さんも有名です。

でも語り口では、私は吉本さんの方が好きですね。

「吉本佳生さんの新書にハズレなし」

これは私の正しい常識。

そういえば、吉本さんの新書で一冊未読の本がありました。

  「数字のカラクリを見抜け!

近日中に読みたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 経済・行動経済学 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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