活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2011年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年12月

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宇宙の誕生・ビッグバンへの旅

宇宙の誕生・ビッグバンへの旅 (ホーキング博士のスペースアドベンチャー3)
宇宙の誕生・ビッグバンへの旅 (ホーキング博士のスペースアドベンチャー3)

(2011/10/15)
ルーシー&スティーブン ホーキング 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:14

宇宙や科学に興味を持つ子どもに育てたいなら、
こういう本を読ませたい。

本書は宇宙をテーマにした、小学生から読める冒険の物語。

車椅子の天才宇宙物理学者スティーブン・ホーキング博士と、
その娘さんで作家のルーシー・ホーキングさんの共著、
「ホーキング博士のスペース・アドベンチャー」シリーズの第3弾です。

第1弾は、2008年2月刊行の「宇宙への秘密の鍵」、
第2弾は、2009年7月刊行の「宇宙に秘められた謎」、
それに続く本書は、いよいよシリーズ完結編。

いきなり本書から読み始めても、ストーリーはつかめますが、
できれば第1弾から通して読んだ方がいいですね。

主人公のジョージとアニーは、シリーズの当初は小学生でしたが、
本書では中学に進級しています。

今回も、アニーの父で天才科学者のエリック、
スーパーコンピューターのコスモスと共に、
「宇宙はどうやって生まれたのか?」という謎を追い、
ビッグバンまでさかのぼり、手に汗握るアドベンチャーを繰り広げます。

冒険の鍵を握るのは、エリックの昔の研究仲間、
G・リーパーという科学者。

この人物、前作でジョージの小学校の先生として登場した、
メインキャラクターで、今回も敵か味方かわからない、
謎の人物として物語を盛り上げます。

ストーリーもさることながら、このシリーズの魅力は、
「科学コラム」と「最新の科学理論!」の解説があることです。

科学コラムでは、万物の理論、ビッグバン、ふくらむ宇宙、
大型ハドロン衝突型加速器(LHC)、特異点、M理論などの
16項目が掲載されています。

また、最新の科学理論では著名な科学者が解説します。

  ・宇宙の創生(スティーブン・ホーキング博士)
  ・宇宙の暗黒面(マイケル・S・ターナー博士)
  ・数学がわかれば宇宙のこともわかる?(ポール・デイヴィス博士)
  ・ワームホールとタイムとラベル(キップ・S・ソーン博士)

これらの大人でも理解が難しい理論を、
小学生でもわかるように説明しているのが素晴らしいですね。

キライなカラー写真も多数掲載されているので、
それを眺めているだけで、宇宙への想いを駆り立てられます。

子どもに読ませるだけでは、もったいないシリーズです。

この本から何を活かすか?

最近では、ニュートリノが光より速いという実験結果が
発表され話題になっています。

ニュートリノが光より速いかどうかは、
もっと多くの追試の結果を待つしかありません。

ところで、光より速い物質があれば、
本当にタイムマシンはできるのでしょうか?

本書では、2つの理由でタイムマシン作成は不可能としています。

  1. マイナスのエネルギーを一定量以上、集めることはできないこと。
  2. タイムマシンが自滅してしまう可能性が高いこと。

もしニュートリノが光より速いとすると、
現代の物理理論が覆ることになるのかもしれませんが、
それだけでは、ここに挙げられている
タイムマシンが作れない理由まで否定できないような気がしますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 09:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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幸福の商社、不幸のデパート

幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~
幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~

(2011/10/28)
水野 俊哉 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:18

  「実感として、借りている額が大きいほど貸し手が弱くなる傾向がある。
  1千万円以上の負債だと、貸したほうも無闇に追い込めない。
  なぜなら返済不能になった際に被る被害が大きいからだ。」

さすがに、3億円もの借金を背負ったことのある方の言葉は、
説得力があります。

本書は、現在、著述家として活躍する水野俊哉さんの私小説。

水野さんは、27歳ときに会社を興し、2000年代初頭には、
あと一歩で上場というところまで会社を大きくしました。

しかし、事業の拡大と共に会社の負債も増えます。

そして、上場直前に起きたクーデター。

水野さんは、この内紛をきっかけに会社から追放され、
社長として個人保障を入れていた3億円の借金だけが残りました。

人は、億単位の借金をすると、いったいどんな風景が見えるのか?
そして、そのどん底の状態から、どのように復活することができたのか?

実際のところ、億単位の借金をすると、
個人で地道に返済していくことは、ほとんど不可能です。

特に、水野さんのように会社から追い出されて、
仕事もない状態では、月々500万円もの返済ができるわけがありません。

  「水野君。世の中、知っているか知らないかで
  天と地ほどの差が出るよね」

これは、水野さんが借金を背負ったときに相談していた
事業再生コンサルタントの川原愼一さんの言葉。

水野さんは、川原さんに次のようにアドバイスされます。

  「まずはすべての支払いをストップして、少ししてから各金融機関に
  利払いだけの返済にしてもらうように条件変更の交渉をする」

そして、最終的に金融機関はサービサーに債権を譲渡するので、
そこで減額や債権放棄の最終交渉をするという戦略です。

簡単に言うと、踏み倒せるところは、
徹底して踏み倒すという方法。

これが中途半端な金額だったら、簡単に債権放棄はできませんが、
それが億単位の借金になると、逆に債権放棄しやすいようです。

実際に水野さんの負債の多くは、
サービサーに回ってから債権放棄され、
借金も貯金も仕事もない状態で、水野さんは再スタートを切ります。

残されたのは膨大な時間だけ。

そこで、水野さんは以前だったら見向きもしなかった
成功本をむさぼるように読みはじめます。

そして、自らが成功実験のモルモットとして、
成功本に書いてある、成功法則をすべて実践してみました。

その後、『成功本50冊「勝ち抜け」案内』を執筆してからの
水野さんのご活躍は、周知のとおりです。

水野さんの人生は、3億の借金があったどん底の時も、
作家として成功した現在も、一つにつながっています。

それは、その時々の選択が創り上げた人生です。

そして、水野さんは、本書を次のように締めくくっています。

  「世の中には幸せも不幸も存在しないと僕は思っている。
  それを決めているのは結局は君自身の心なのだから。」

この本から何を活かすか?

本書は、堀江貴文さんの「拝金」と、
金森重樹さんの「お金の味」、
それに水野敬也さんの「夢をかなえるゾウ」を
加えたような魅力があります。

今までの著書で明かされていなかった
心の闇の部分も書かれています。

しかし、意外とドライに書かれているという印象があるので、
個人的には、もう少し生々しさを出して欲しかったですね。

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| 成功哲学 | 06:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「銅メダル英語」をめざせ!

「銅メダル英語」をめざせ! 発想を変えれば今すぐ話せる (光文社新書)
「銅メダル英語」をめざせ! 発想を変えれば今すぐ話せる (光文社新書)

(2011/09/16)
林 則行 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:21

  「これまで一度も英語を好きになったことがない」

こう発言するのは、本書の著者、林則行さん。

林さんは、英語の専門家ではありません。
あくまでも、林さんの専門は投資。

それでは、なぜ、林さんが英語学習の本を書いたのか?

名選手が名監督になるとは限らないように、
英語が得意だったり、英語が好きな人が、
英語学習の方法をうまく教えられるとは限りません。

もともと英語が得意ではなかった林さん。

24歳の時に、投資の勉強をするため、
海外留学を目指して英語の勉強を始めます。

しかし、株の研究をしているときは楽しく、
いくらやっても飽きないのに比べ、
英語を勉強するときは、苦痛を感じ、
非常にみじめな気持ちになったそうです。

その頃、林さんは「銅メダル英語」の存在に気づきました。

自分と大差のない語学力にも関わらず、
海外業務でトップレベルの成績を上げている人がいると。

確かに、TOEIC900点以上でもあまり英語を話せない人もいますし、
もっと低い英語力でも、さほど支障なく
英語で仕事をしている人たちもいます。

林さんが本書で伝えるのは、

  「英語が苦手な人でも銅メダル英語の力をつければ
  かなりのことができるし、そのために要する努力は最小限ですむ」

ということです。

具体的に「銅メダル英語」の実力は、
英検では2級レベル、TOEICでは600点程度です。

ネイティブの英語力を100点とすると、
銅メダル英語は20点ぐらいになるようです。

それで、自分の言いたいことが英語で伝えられ、
仕事や留学でそれなりにやっていければ、
英語は十分だと考える人も多いでしょう。

それでは、英語力として「銅メダル英語」は不足はないのか?

もちろん、その上には銀メダル英語や金メダル英語がありますから、
かなり足りないところもあります。

そこで、銅メダル英語で会話を補うのは、
「コミュニケーション力」です。

今までは、英語の実力、1つの軸だけで、
英語が通じる・通じないを考えてきました。

しかし、実際にはコミュニケーション能力が低い人は、
いくら英語能力が高くても、スムーズに会話ができません。

林さんが本書で提唱する銅メダル英語では、
英語力とコミュニケーション力の2軸で考え、
最短距離で通じる英語の習得を目指します。

本書は、まったく英語の勉強をしなくても、
英語ができるようになるわけではありませんが、
やっている割に話せない方には、
ブレイクスルーのきっかけを与えてくれそうな本です。

この本から何を活かすか?

本書で紹介されている、銅メダル英語を目指す人向けの英語教材。

  ・英会話フレーズブック―リアルな日常表現2900 (アスカカルチャー)
  ・日常英会話表現4000―The simplest is the best
  ・CD BOOK 日常英会話パーフェクトブック  
  ・暮らしと仕事の英語表現8000 
  ・英会話日常表現大辞典10000+―言いたい表現はすべてここにある!

残念ながら、私は、これらの教材を試したことは
1度もないので、その良し悪しは判断できません。

私が使っていて、個人的に気に入っている英会話本は、
昔ベストセラーになった井上一馬さんの
話すための英語―日常会話編〈上〉〈下〉」です。

この本、2011年11月28日現在では、
Amazonの中古で送料を除き1円から手に入ります。

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| 勉強法 | 06:40 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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そのかめはめ波は違法です!

そのかめはめ波は違法です!──ワクワクドキドキ大冒険しながら法律武装
そのかめはめ波は違法です!──ワクワクドキドキ大冒険しながら法律武装

(2011/10/28)
間川 清 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「この本は、現代ビジネスマンに必要な法律知識を、
  漫画『DRAGON BALL(ドラゴンボール)』の登場人物や
  数々の名シーンを利用しながらわかりやすく楽しく解説し、
  読み終わった時には、ドラゴンボールの世界を堪能しながら、
  現実の生活に活かせる法律知識を身につけることが
  できるように書いてあります。」

このように説明するのは、本書の著者で弁護士の間川清さん。

本書を執筆するにあたり、間川さんの選択肢は2つあったと思います。

1つは、アニメやドラマを題材に、シリーズで法律本を書くこと。

柳田理科雄さんが「空想科学読本」をシリーズ化しているように、
「空想法律読本」刊行するという試みです。

アニメだけでなく、数々のドラマに登場する人物の行為に、
法律の解釈を加えることができますから、
きっとネタには事欠かないでしょう。

もう1つは、ドラゴンボール愛を前面に押し出し、
ドラゴンボール好きな読者をターゲットに法律本を書くこと。

こちらは題材をドラゴンボール以外には求めない
特化した戦略ですから、シリーズ化はできません。

せいぜい続編が1冊出るかどうかというところでしょう。

間川さんが選んだのは後者です。

個人的には、前者を選んでいろいろなアニメやドラマを題材に、
シリーズ化しても面白いと思いますが、
間川さんのドラゴンボールへの愛情はかなり強いので、
あえてドラゴンボールに絞った内容を選択したのでしょう。

そもそも間川さんは弁護士で、本業が忙しいことでしょうから、
この本をシリーズ化して生活の糧にしようという
発想自体がなかったのかもしれません。

本書は、私のように中途半端にしかドラゴンボールを
読んでいなくても十分楽しめましたから、
ファンの方にとっては、かつてドラゴンボールを
読んでいた頃の感覚が蘇ってくる、たまらない一冊だと思います。

  ・孫悟空の「ぱんぱん」で男女判定は強制わいせつ?
  ・かめはめ波で壊した家の賠償金。支払うのは悟空かピッコロか?
  ・セクハラ亀仙人の責任は重罪
  ・捨て子だった孫悟空。孫悟飯の遺産を相続できるのか
  ・トランクスを「認知」しないベジータ。超サイヤ人でも父親失格

  「孫悟空はワクワクしながら厳しい修行に耐えて、
  強くなっていきました。読者のあなたも、これから始まる
  本書というワクワクドキドキの大冒険にでかけ、
  法律知識を身につけてください。」

この本から何を活かすか?

40代の私にとっては、ドラゴンボールはそれほど
ど真ん中ではありません。

ちゃんと読んでいたのが、恐らく「ピッコロ大魔王編」
ぐらいまでだったと思います。

ですから、本当にドラゴンボールが人気絶頂になった頃には、
たまにしか読んでいない状態で、
最後がどういう終わりかたをしたのかも知らないぐらいです。

間川さんは、少年時代から何十回も読み返してきた
ドラゴンボール1巻~42巻までを、本書の執筆にあたり、
再度、一気に読み通したそうです。

そのワクワク感が、ちゃんと読んでいない私にも伝わってくる・・・

今度、漫画喫茶に行ったら、
ドラゴンボールを最後まで読んでみようと思います。

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| 科学・生活 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ザ・ラストバンカー

ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録
ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録

(2011/10/14)
西川 善文 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

「ラストバンカー」とは、ある雑誌が西川善文さんを評して使った言葉。

顔が見える最後のバンカーと評して、このように表現したようです。

本当に西川さんが最後のバンカーになるかどうはか、
後に続く銀行業界の方々の頑張り次第なので、
西川さんが決めることではありません。

しかし、西川さんは、時代の大きなうねりの中で、
時には悪役となり、節目節目で重要な決断を下してきました。

そして、どんな難題からも逃げずに、
これがラストと思えるような、苦闘を繰り返してきました。

その意味では、西川さんには自分が最後のバンカーである
という気概があったのかもしれません。

本書は、激動のバンカー人生を歩んだ西川善文さんの回顧録。

銀行の元頭取が、公に過去を語る機会は少ないので、
本書は金融史を振り返るうえで貴重な証言になります。

  「この本を読んでくだされば痛感されることと思うが、
  実は日本はずっと危機の時代にいたのだ。
  まさに私の銀行員人生そのものがそうで、
  平時であったことのほうがはるかに少ないのである。」

安宅産業処理、イトマン事件、磯田一郎氏追放劇、不良債権処理、
UFJ争奪戦、郵政公社総裁就任、鳩山大臣との対決・・・

事件と呼ばれるようなものも含め、
よくこれだけの出来事に遭遇したなと思えるほど、
興味深いエピソードが満載の半生記です。

それでは、西川さんのバンカー人生に、
これだけのことが起こったのは、偶然なのでしょうか?

それは運命であり、タイミングが合わなければ、
起こり得なかったこともあるでしょう。

しかし、私は西川さん自身が、引き寄せたように思えます。

どんな困難とも、常に正面から戦う西川さんの姿勢が、
業界の地殻変動をも呼び起こし、
そして時代もまた西川さんを求めた結果、
これだけの史実に遭遇することができたのだと。

本書の読みどころは、
やはりイトマン事件からの、磯田一郎氏の追放劇と、
後半の郵政公社総裁に就任してからの苦闘でしょうか。

文体からは、あまり感情を表に出さず書いている感じですが、
西川さんの内に秘めた想いは十分に伝わってきました。

この本から何を活かすか?

  「リーダーシップとは、直面する難題から逃げないことである。
  リーダーが逃げないから部下も逃げないし、前のめりで戦う。
  経営者の責任とは、そういうものではないだろうか。」

本書は、まさにリーダーシップのケーススタディが
詰まった本と考えることもできます。

私は昨日の記事で、過去にブログで紹介した
リーダーシップに関する良書を振り返りました。

せっかくなので、それらの本で指摘されていた
リーダーシップの条件と、西川さんが下した判断や行動が
一致するかどうか確認してみたいと思います。

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| 経営・戦略 | 09:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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誰でもリーダーになれる3つの約束

誰でもリーダーになれる3つの約束
誰でもリーダーになれる3つの約束

(2011/10/27)
和田 裕美 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

和田裕美さん、初のリーダーシップ本。

和田さんは、ブリタニカの営業時代、
世界142か国にいる営業マンの中で2位の成績を残しました。

個人として結果が出ると、次のステージは人や組織を育てること。

和田さんは25歳の時に、リーダーに昇格。

しかし、いくら世界NO.2の営業成績をあげても、
リーダーとして人の上に立つのは、また勝手が違います。

本書は、数多くの失敗や人間関係に悪戦苦闘しながらも、
和田さんが試行錯誤の末に見つけた、人を育てるコツ、
リーダーシップの3つの柱について伝える本です。

  1. 自分と約束する

  真のリーダーになるには、自分が変わらなければなりません。
  まずは自分自身との約束が必要になります。

  2. 部下と約束する

  変わるのは、リーダーだけでなく部下も変わる必要があります。
  そのために、一緒に変わる約束をします。

  3. 環境整備をする

  リーダーは組織全体にマイナスの感情が流れないよう、
  同僚同士が尊重しあえる環境を作ることも大切です。

そして、これら3つの柱を支えるための土台として
リーダーに求められるのが、「愛情」です。

  「人を愛せない人に人を育てることはできません。
  人を愛せない人は人から愛されることがありません。
  人を愛せない人は人を許しません。
  人を愛せない人は人を認めません。」

愛情の土台の上に立つ、リーダーシップの3つの柱。

ただし、和田さんの本の良いところは、
このフレームワークではありません。

この本に限らず、和田さんの本を読んでいて良いと思うのは、
数多く紹介される人間的なエピソード。

どの話しも、スマートなものではなく、
和田さんの失敗や欠点が明かされています。

どんな失敗をしても、諦めず常に前を向いて進む和田さん。

その姿は、読んでいて自分もできると、勇気づけられます。

本書も、他のリーダーシップ本にないような
暖かさで読者を包み込み、陽転思考に感化する
和田さんの力が存分に発揮されています。

本書は部下のことで悩んだり、リーダーとして自身を失った時に、
あなたの気持ちを切替えてくれる一冊です。

この本から何を活かすか?

このブログを始めて4年以上が経ちました。

それから読んだリーダーシップ関係の本も20冊以上。

その中で、満足度の高かった本をピックアップしてみました。

  ・清貧と復興 土光敏夫100の言葉
  ・日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人
  ・本物のリーダーとは何か
  ・ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術
  ・リーダーシップでいちばん大切なこと
  ・イノベーションの知恵
  ・「チーム脳」のつくり方
  ・リーダーの教科書
  ・最前線のリーダーシップ

この中で、もう一度読み返したいのは、
イノベーションの知恵」、「最前線のリーダーシップ」の2冊。

また、他の本とは毛色が違い、かなり異色なのは
日本一のクレーマー地帯で働く日本一の支配人」ですね。

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| リーダーシップ | 06:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「苦しい」が「楽しい」に変わる本

「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~
「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ~ 「つらい」を科学的になくす7つの方法~

(2011/10/11)
樺沢 紫苑 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

「苦しい」とき、「つらい」と感じるとき、
この本を読んでみてください。

きっと、その痛みが緩和されるはずです。

そもそも、「苦しい」状態と「楽しい」状態では、
いったい何が違うのか?

私たちは、「苦しい」や「楽しい」を心の状態と考えがちです。

しかし、実際には脳内物質やホルモンの分泌で、
私たちは「苦しい」と感じたり、「楽しい」と感じるようです。

「苦しい」ときは、ノルアドレナリン、アドレナリン、
コーチゾール、セロトニンなどが分泌された状態。

「楽しい」ときは、ドーパミン、エンドルフィン、
セロトニンなどが分泌された状態。

ですから、どんなに精神的につらくても、
しょせん脳内物質の分泌と考え、
考え方や受け止め方を少し変えるだけで、
ぐっと気持ちを楽にすることができるようです。

特に、苦しくなると、視野狭窄に陥り、
目の前の苦しい状態しか見えなくなります。

でも客観視して全体像を見ると、必ずポジティブな面もあるはずです。

苦しいときに、今はノルアドレナリンが出ているだけで、
これをドーパミンに変えれば楽になれると考えると、
少し客観的に状況をとらえる余裕が出るかもしれません。

本書はツイッターやGmailの著書でも知られる樺沢紫苑さんが、
精神科医である本業をもとに書いた本です。

  「最近の脳科学、心理学研究のなかから、科学的な裏づけが
  しっかりしたものを選りすぐり、誰でも簡単に取り組むことができて、
  すぐに結果を出せる“苦しい”が“楽しい”に変わる方法を
  本書にまとめました。」

本書は、今まで経験論からポジティブシンキングが良いと
考えていたことに、科学的な根拠を与えてくれます。

掲載されてる「苦しい」を「楽しい」に変える方法は、
いずれも簡単にできる実用的なものばかりで、
他にも興味深い話がたくさん紹介されていました。

イソップ童話「王様の耳はロバの耳」にでてくる床屋は、
なぜ、井戸に向かって「王様の耳は、ロバの耳!」と叫んでしまったのか?

それは、私がこうしてブログを書く理由と同じ。

表現することには、癒しの効果があります。

実はブログやツイッターに書くことも、井戸に向かって叫ぶことも、
それだけで気持ちが癒されると感じ、ストレスが軽減されるようです。

また、本書には樺沢さんの好きな映画を例にした解説も
数多く登場しますから、その一場面をイメージして、
楽しく読むことができます。

一家に一冊、家庭の「精神医学」として常備しておきたい本です。

この本から何を活かすか?

  人間関係を劇的に改善する方法

誰でも、相性のいい人と、相性の悪い人がいます。

しかし、多くの場合その好き嫌いは、
初対面の時に持ってしまった「先入観」によるもの。

人間は初対面の人に対し、無意識のうちに
「好き」か「嫌い」、二者択一のラベルを貼ってしまうそうです。

一度「嫌い」のラベルを貼ってしまった人は、
後々までその先入観から簡単には抜け出せません。

そこで、樺沢さんが本書で紹介する、
「嫌い」のラベルを貼る人を少なくする方法。

初対面のときに、二者択一を意識的に「三分法」にする。

つまり、「嫌い」の選択肢を2つに分け、
「好き」、「ふつう」、「大嫌い」の三択にします。

すると今までは「好きではない」人は、
自動的に「嫌いに」振り分けられていましたが、
三択では「ふつう」と「大嫌い」に振り分けられるので、
なんとなく「嫌い」と思われていた人が激減します。

初対面で「大嫌い」と感じる人は少ないですから、
無意識に苦手意識を持つことが減らせそうです。

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日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門

日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません
日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門 もう代案はありません

(2011/10/15)
藤沢数希 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「経済学をまったく勉強したことがない人に、
  今、日本や世界で話題になっている重要な経済問題を
  腹の底から理解してもらいたいと考え、この本を書きはじめました。」

本書の著者は、ブログ「金融日記」で有名な藤沢数希さん。
ファンの方には待望の新作です。

最近では、ツイッター上での発言、
「ソーラーなんて女子供のエネルギー。男は黙って原子力。」
などが話題になっていましたね。

また、藤沢さんは言論サイト「アゴラ」への寄稿も
よくされていたので、私はあまり意識していませんでしたが、
前作「なぜ投資のプロはサルに負けるのか?」からは、
実に5年振りの新作となりました。

  「1冊で重要な経済問題を網羅できて、本質的なことを理解できて、
  かつ、やさしく読める本でなくてはいけません。
  そのためには、経済学の教科書に載っているけど、
  現実の世界では重要でないことをそぎ落とし、
  また現実の世界では重要だけれど教科書にはあまり載っていないことを
  ていねいに説明する必要があります。
  また、専門用語を使わずに、直感的な説明を心がけました。」

本書は、内容で分けると3部構成になります。

  第1部-金融コラム
  第2部-経済学の基礎知識
  第3部-政策提言

本書のページの大部分を占め、メインとなるのは、
第2部の経済学を解説するパートです。

しかし、ここは諸説ある中から、どのテーマを選ぶかが鍵となり、
それほど藤沢さんのオリジナル性が発揮できる部分ではありません。

ページ数は少ないながらも、藤沢さんらしさが出ているのが、
第1部の金融コラムと第3部の政策提言のパートです。

特に、世界同時金融危機と福島原発の類似点を挙げたり、
日本の年金システムをバーナード・マドフ事件になぞらえて
説明している部分などは、独自の視点で興味深いものがありました。

ただ、第3部の政策提言は「もう代案はありません」という
タイトルがついていますが、
そこまで煮詰めているような印象を受けませんでした。

ピークエンドの法則で言うと、本書のピークは最初の章にあり、
エンドはそれほどインパクトがなかったため、
本書全体を読ん残る印象は、それ程強いものではありませんでした。

それは、私の藤沢さんに対しての期待値が
高すぎたからなのかもしれません。

この本から何を活かすか?

藤沢さんは、本書について、
ブログの記事の中で、ある告白をしています。

  「副島隆彦(そえじまたかひこ)さん、ごめんなさい

本書で副島さんの翻訳本から引用があったにもかかわらず、
参考文献に記載しなかったと。

  「どうしても“副島隆彦”という文字列を書きたくなかった。
  どうしても。それは何か汚らわしいことのように思えたし、
  恥ずかしいことのようにも思えた。
  “副島隆彦”という4文字、たった4文字を僕の本の片隅に
  少しでも書くことにより、僕の本が呪われてしまい、
  その他大勢のトンデモ本の仲間入りを宣告されてしまうように思えたのだ。」

分からないでもないですね、この感覚。

しかし、この藤沢さんのエントリーで、
私は副島さんの原発事故後の驚くべき行動を知りました。

副島隆彦さん、いろんな意味でタダモノではないんですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中

プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中
プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中

(2011/09/29)
藤井 一郎 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

企業の合併や買収を専門に仲介する、交渉のプロがいます。

そのM&Aの仲介・アドバイザリー業界の
1人あたりの年間平均成約件数は約1件。

M&Aが日常的になったとは言え、意外と少ないものですね。

しかし、本書の著者、藤井一郎さんはその業界平均を大きく上回る、
年間で5件ものM&Aを成約に導くそうです。

現在、日本で最もM&Aを成約に導く
プロフェッショナル・ネゴシエーターのひとりです。

それでは、交渉のプロ中のプロである藤井さんは、
何を考え、どのようなプロセスで交渉しているのか?

本書は、その藤井さんの頭の中を公開したもの。

プロの交渉術が体系的にまとめられ、
効果的なビジネス交渉のノウハウが解説されています。

本書で挙げられる、「交渉力の7つの要素」とは次のとおりです。

  1. 合意をしたいと思う温度差(惚れたほうが弱い)
  2. 他の選択(結婚前はひとりに絞るな)
  3. 時間(結婚をあせってはダメ)
  4. 情報(本当に彼女または彼氏のことを理解している?)
  5. 演技力(ウソはダメだか、思わせぶりはOK)
  6. 客観的状況(親は友達は何て言っている?)
  7. 人間力(最後は男として、女としての魅力)

交渉を男女の恋愛に喩えているの分かりやすいですね。

そして、実践的な交渉術としては、「チャルディーニの法則」や
「行動経済学」を利用したテクニックが解説されています。

ただし、本書が伝えるのは、自分だけに有利な条件を
勝ち取るためのテクニックではありません。

根底にあるのは、自他共栄の精神。

交渉プロセスの中で、双方の信頼感を醸成し、
取り決めた合意事項が問題なく履行されることまで考えます。

そして、自分だけでなく相手にもメリットがあり、
更には社会に対しても価値をもたらす交渉を目指します。

M&Aのプロが書いた本だと思うと敷居が高そうですが、
本書の説明は非常に分かりやすいので、
ビジネスからプライベートまで様々なシーンで使えそうです。

この本から何を活かすか?

  「相手の言うことを素直に受け入れられない理由」

交渉の中では、自分の主張を通すだけでなく、
ときには相手の主張を聞き入れることも必要です。

しかし、これが素直にできないことがありますね。

そんな時は、次の3つのバイアスに囚われているようです。

  1. フォール・コンセンサス効果
   自分の考えは正しく常識的で、相手も自分と同じように
   考えるべきだと思ってしまうこと。

  2.反射的低評価
   立場の違う人の提案だからという理由だけで反対したくなる心理。

  3.帰属のエラー
   他人には人柄や性格をもとに判断し、自分には置かれた状況や
   外的環境で判断しがちになってしまうこと。

言われてみると、私は3番目の「帰属のエラー」に
陥ることがあるかもしれません。

気をつけなくては・・・

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アメリカの歴史的危機で円・ドルはどうなる

アメリカの歴史的危機で円・ドルはどうなる
アメリカの歴史的危機で円・ドルはどうなる

(2011/10/08)
日高義樹 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

2012年は米国の大統領選挙の年です。

就任時に支持率が70%近かった、バラク・オバマ大統領も
2011年8月の調査では、支持率が40%を切ったとの報道がありました。

就任当初は、日本でもオバマ大統領ブームとなり、
たくさんのオバマさん関連本が出版されていたのが懐かしいですね。

本書の著者、日高義樹さんはオバマ政権の3年間を次のように総括します。

  「オバマ大統領の演説は口先だけに終わり、
  三年たったアメリカの財政金融危機はさらに悪化した。
  赤字は住宅関係などもふくめると、すでに百兆ドルに達している。
  そのうえオバマ大統領の赤字にもとづく経済回復政策が失敗し、
  アメリカ経済は拡大の見通しが全く立っていない。」

日高さんは本書で、大統領選まで残り1年と迫った段階で考えられる、
米大統領選の行方、今後の米国経済とドル円のシナリオを示します。

今後の経済や為替を予想する本の多くは、
過去経済指標の分析をもとに語られます。

しかし、本書の内容は、日高さんの豊富な「人脈」がもたらす情報が根拠。

本書でも、歴代の米財務長官やその他の要人へのインタビューが
いくつも掲載されています。

ですから、数字をもとにした冷静な予測ではなく、
ワシントンの空気感が伝わってくる感じの本となっています。

本書で考えられているシナリオは2つ。

1つ目は、2012年の大統領選で共和党が勝った場合。

  「金融引き締めと借金で成り立っているアメリカ財政を
  急いで是正しようとする結果クラッシュが起こり、
  アメリカ経済が1929年から始まった大恐慌と同じ状態になる」

もう1つは、オバマ大統領が再選した場合。

  「オバマ政権の借金政策を支援するウォール街の資金で
  オバマ大統領が再選され、経済回復のないまま
  赤字を増やしつづける結果ドルがさらに安くなり、
  金の値段が暴騰する」

できればどちらのシナリオも選択したくありませんが、
いずれにしても歴史的な危機になる可能性があるということです。

ちなみに2つ目のシナリオで為替は、
1ドル50円程度になると予想されています。

個人的には、オバマ大統領を推すウォール街と、
反オバマで共和党側についているティーパーティー
(増税なき「小さな政府」を掲げる保守系の市民運動)が、
激突する構図の解説が興味深かったですね。

この本から何を活かすか?

過去の大統領選を、日高さんの視点でざっくり振り返る。

  ・カーター大統領は全く無名だったが、ウォーターゲート事件を
   背景に若者を結集し、歴史的な勝利を勝ち取った。

  ・レーガン大統領は、カーター大統領があまりにも無能で
   経済が壊滅的な状況になったため、人々が現職の大統領を見限った。

  ・第41代ブッシュ大統領は、レーガン大統領の残像が輝いている中で、
   副大統領からなんとなく大統領になってしまった。

  ・クリントン大統領も全く無名だったが、後に映画になるほど
   巧妙な選挙作戦を展開してブッシュ大統領を破り、
   ホワイトハウスを勝ち取ってしまった。

  ・第43代ブッシュ大統領は、クリントン大統領の
   セックス・スキャンダルでいや気のさしていた人々が、
   ゴア副大統領を選ばなかったので、接戦でホワイトハウス入りした。

  ・オバマ大統領は、ウォール街が全力をあげ、
   その資金の力で若者を動員して、ホワイトハウス入りさせた。

今週末は、映画「クリントンを大統領にした男」でも見てみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 12:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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数字のカラクリを見抜け!

数字のカラクリを見抜け! (PHPビジネス新書)
数字のカラクリを見抜け! (PHPビジネス新書)

(2011/09/17)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

ちょっとした頭の体操です。次の問題を考えてみてください。

1. あるスーパーで、4割引のセールを行っています。
  同時に会員カードを提示すると1割引になります。
  先に4割引を適用して後から1割引するのと、
  先に1割引を適用して後から4割引するのでは、どちらが得でしょうか?

2. 同じ株価のA社とB社があります。
  A社の株価は、これから40%アップしてから、そこから40%ダウンします。
  B社の株価は、これから40%ダウンしてから、そこから40%アップします。
  このようの未来が分かるなら、どちらの株を買ったほうが得でしょうか?

3. ある会社の売上げが前年の200%アップになりました。
  これは前年の売上げの何倍でしょうか?
  また、ある会社の売上げが前年の30倍になりました。
  これは前年の売上げの何パーセントアップでしょうか?

4. ある有名私立小学校のお受験では、女の子なら、
  髪の毛を三つ編みにすると合格しやすいという話を聞きました。
  実際に女の子の合格者の8割は、三つ編みにしていたそうです。
  あなたの子どもが女の子で、この小学校を受験するなら
  受験日に髪の毛を三つ編みにしますか?

これらは、本書で紹介されていた問題やエピソードに
私が少し手を加えたものです。

吉本佳生さんが講演会でクイズとしてし出題すると、
意外とまちがえる人が多いそうです。

吉本さんは、本書で誰もが思わずひっかかってしまいがちな、
数字に関する19のポイントから、
数字のカラクリを見抜くコツを伝授します。

吉本さんの講演のネタのなかでは、
数字やデータについての話しが、一番ウケるそうです。

ですから、もしかすると本書は吉本さん自身が書きたくて
選んだテーマではないのかもしれません。

しかし、一番ウケるということは、
講演を聞く側からすると最も聞きたくて、
満足感の高い話しだということです。

それだけ、ビジネスパーソンの間では、
数字やデータに強くなりたいとか、
グラフを読みこなしたいというニーズが高いということですね。

本書は、19のテーマについて、数字に強い上司と、
数字に弱い部下の2人会話が導入として使われ、
その後に吉本さんの解説が続くという構成です。

吉本さんは、表面から見えにくい裏側のカラクリを
説明するのが得意ですから、本書でもデータやグラフの
読み解き方を非常に分かりやすく解説しています。

数字に苦手意識がある方には、ぜひ読んで欲しい一冊。

ダルフ・ハフさんの名著「統計でウソをつく法」を
あわせて読むと、もっといいですね。

この本から何を活かすか?

さて冒頭のクイズの回答です。

1. 掛け算は、順番を変えても答えは変わりません。

  0.6×0.9でも0.9×0.6でも結果は同じなので、
  どちらの割引が先でも結果は同じです。

2. これもA社の株価もB社の株価も同じになります。

  例えば元の株価を100円とすると、
  A社は100×1.4×0.6=84円
  B社は100×0.6×1.4=84円

  ただし、元の株価より0.4の2乗だけ安くなるので、
  未来が分かるなら、どちらも買わない方が得ですね。

3. 200%アップは、元の売上げ100%に200%上乗せされますから、
  合計300%、つまり3倍です。

  30倍は3000%ですが、そこから元の売上げ100%を引くので
  2900%アップです。

4. これは三つ編みにすると合格するという噂を聞きつけ、
  8割の女の子は三つ編みにして受験したという話し。

  プラシーボ効果はあるのかもしれませんが、
  それを除けば、不合格の女の子も8割は、
  三つ編みにしていたということです。

  これは、「よく当たる宝くじ売り場」と同じカラクリ。

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| 数学 | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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まじめの罠

まじめの罠 (光文社新書)
まじめの罠 (光文社新書)

(2011/10/18)
勝間和代 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

最近の勝間和代さんの本には、必ず大きな付録がついてきます。

それは、アマゾンのカスタマーレビューをはじめとする、
ネット上で語られる賛否両論。

カツマーの方は、こんなところに共感し、
アンチカツマーの方は、こんなところを突っ込むのか・・・

このように私は毎回数多くのレビュー感心し、
勝間さん書く本文を読む以上に、視野が広がっています。

本書も、そんな大きな付録がついた一冊。

  「この本は、“まじめな人”に捧げる本です。
  “まじめな人”とは、ある目標に向かって一生懸命に
  突き進んでしまう人。“まじめ”は日本では褒め言葉ですが、
  本当に褒め言葉に値するものなのでしょうか。
  そのことを疑ってほしい、というのが本書の考え方です。」

結局、女はキレイが勝ち」や「恋愛経済学」の時もそうでしたが、
これはどう考えても「おまえが書くな」とツッコまれることを
期待して書いたようなテーマです。

そう感じるほどに、私が勝間さんに抱くイメージはマジメそのもの。

今回も秋元康さんに、このテーマで本を書くことを
薦められたのかもしれませんね。

さて、本書のキーワードは「まじめの罠」。

  「これは、何かに対して、まじめに、まじめに努力した結果、
  自分を、あるいは社会を悪い方向に導いてしまうリスクのことを指します」

これは、勝間さんを例に考えると分かりやすい。

勝間さんは、まじめに、まじめにアンチカツマーの方への
反論を試みます。

これだけ人気があると、行き過ぎた批判や、
根拠のない誹謗中傷まで、数多く受けるので、
かなり精神的に苦しいのでしょう。

ふまじめな人だったら、「うるせー、バカヤロー」と怒鳴ったり、
一切無視することもできますが、まじめな勝間さんはそれができません。

  「私は“勝間和代を嫌う人たち”のプロファイリングを
  だいぶしてきましたが、その過程でとても興味深い事実を見つけています。
  それは、私を嫌う人の典型的なパターンの一つが、
  “まじめに仕事をしているわりには成果が出ていない人”
  という事実です。」

こんなことをまじめに分析し、しかも「事実」とまで言い切って
しまいますから、かえって自分を悪い立場へ導いています。

これこそ、まさに「まじめの罠」。

勝間さんが、アンチカツマーの方だけでなく、
カツマーの方のプロファイリングをしたかどうかは不明ですが、
私から見ると、カツマーの人ほど、
“まじめに仕事をしているわりには成果が出ていない”から、
勝間さんに頼っているような印象を受けます。

勝間さんは、「まじめの罠」を脱するために、
クリティカルシンキングを薦めています。

本書は、クリティカルリーディングをするには、
うってつけの本だと思います。

この本から何を活かすか?

  「転職や離婚は、ふまじめなヤツのやること?」

勝間さんは、離婚を2回、転職は何度もしています。

そのことを批判されるのに対し、
それは「まじめの罠」にはまっていると勝間さんは反論しています。

  「まじめな人は、結婚や仕事といったことにすら無謬性を
  求めてしまいます。一度選んだ会社とか、一度選んだ結婚というのは
  正しくなければならないわけです。」

同じように批判されているので、
勝間さんは、離婚も転職も一緒くたにしていますが、
私は分けて考えるべきだと思います。

就職は、一生添いとげますと宣誓するわけではないので、
もっと良い条件の会社があれば、転職もありえること。

一方、結婚は、もっといい人が見つかれば、
次々と乗り換えますという前提にはなっていません。

もっと自分に合った人に乗り換える場合もありますが、
通常は今の結婚生活が難しくなって、「離婚」するわけです。

どうしても一緒に考えたいなら、「転婚」と「転職」、
あるいは「離婚」と「離職」という組み合わせだと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パワポで極めるフレームワーク

パワポで極めるフレームワーク ロジカルに落とすプレゼン資料作成の秘訣 (ビジネス極意シリーズ)
パワポで極めるフレームワーク ロジカルに落とすプレゼン資料作成の秘訣 (ビジネス極意シリーズ)

(2011/11/03)
大石哲之 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

アスキー・メディアワークス木下さんより献本いただきました。
ありがとうございます。

実は、最初にぱっと見た段階では、
パワーポイントのマニュアル本的な印象があったので、
本書を誰か欲しい人に譲ろうかと考えました。

これからパワーポイントの使い方を覚えたい人の方が、
本書を有効活用できる思ったからです。

実際に、本書の第1章はパワポの基本的な操作の解説です。

しかし、第2章以降にページを進めて、私は考えを改めました。

この本を人に譲るのはもったいない、
やっぱり手元に置いておこうと。

では、いったい本書の何が、私の考えを変えさせたのか?

私は今まで、数多くのロジカルシンキングの本を読んで、
フレームワークについて学んできました。

しかし、いざフレームワークを使って、
1枚のペーパーにまとめようとすると、
途中で手が止まってしまうことが多々ありました。

私に足りなかったのは、フレームワークを活用して作られた、
報告書などの実例をたくさん見ること。

できれば、プロが作ったリアルなものを見ることができれば最高です。

そうすれば、机上で学んだフレームワークと、
実践の間にあった大きな溝の橋渡しができる。

そんな私のニーズにしっかり答えてくれたのが本書です。

  「本書は、“プロのコンサルタントが実際に報告書や提案書で
  具体的にどのよにフレームワークを利用しているのか
  実例をお見せしたい”というコンセプトで書きました。」

しかも、著者の大石哲之さんは、次のことを意識して
本書を執筆したようです。

  ・コンサルタントの報告書のページから
   そのまま抜き出したような臨場感

  ・プロのレベルで作りこまれたクオリティのも

  ・分析やグラフも例示や枠組みだけではなく、実際には報告書では
   こう書く、こう作りこむ、というものがわかるもの

  ・数値、グラフ、マトリックスなども丸めたりごまかさず
   プロが使っているレベル

あのフレームワークは、こうやって使うのか、
このまとめ方はウマイな、と何度も感心しました。

本書は、きっとあなたのプレゼン資料作成の幅を広げてくれます。

■関連書籍-今まで紹介した大石さんの本
  ・ロジカルシンキング・リーディング
  ・3分でわかる問題解決の基本
  ・伝達力の基本

この本から何を活かすか?

本書で紹介された事例は73パターン。

イシューツリー、ピラミッドストラクチャー、プロコンチャート、
時間×効果マトリックス、PPMマトリックス、コーザリティー分析、
SMART、4P×4C、SWOT、AIDMA、5フォースなどなど。

かなり有名なフレームワークから、
いくつかのフレームを組み合わせたものまで、
バラエティに富んでいます。

本書は、これらすべての事例が、
アスキー社のサイトからダウンロードできる特典付き。

これは本当にありがたいですね。

早速、全パターンをダウンロードしようと思います。

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| ノウハウ本 | 09:35 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本企業が欲しがる「グロ-バル人材」の必須スキル

日本企業が欲しがる「グロ-バル人材」の必須スキル
日本企業が欲しがる「グロ-バル人材」の必須スキル

(2011/09/07)
内永ゆか子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

今や、伝統的な日本企業でも世界に打って出なければ、
生き残れない時代になりました。

それでは、ドメスティックな日本企業が
世界と戦うには、何が必要なのか?

やはり企業が最も必要としているのは「人材」。

それも国際社会で仕事をしていくうえで、
不可欠なスキルを持った「グローバル人材」です。

本書は、世界と渡り合う人材となるための
必須スキルの身につけ方を解説する本です。

著者は、日本IBMで女性初の取締役を務め、
現在はベルリッツコーポレーションのCEOと
ベネッセホールディングスの取締役副社長を兼務する
内永ゆか子さん。

内永さんは、グローバルスキルを身につける前の土台として、
本書で、次の6つの条件を挙げています。

  1. 「論理力」
    -「英語」を超える世界最強のツール
  2. ゼロベース・コミュニケーション
    -脱「あうんの呼吸」
  3. 「違い」を理解する力
  4. 「そこそこ」の英語力
  5. 「自分」を語る力
  6. 名刺なしで付き合える人脈

この前提とされる条件がけっこう高め。

実際には、本書のスキルを学ぶうちに、
この土台が完成するのかもしれません。

本書では、3ステップで世界に通用するスキルを具体的に学びます。

  ステップ1. マインドをローカル仕様からグローバル仕様にリセットする
  ステップ2. コミュニケーションにおける「国際ルール」を学ぶ
  ステップ3. シチュエーション別に実践テクニックを身につける

そこそこの英語力と言いながらも、
さすがに内永さんはベルリッツのCEOを務めているだけあって、
後半は英語コミュニケーションにおけるコツに関する
話題が多くなっています。

個人的な好みで言うと、グローバルに通用するスキルを
実際に身につける点では、以前の記事で紹介した
キャメル・ヤマモトさんの『「世界標準」の仕事術』の方が、
私には合っているように感じました。

ただし、本書は付録APPENDIXが非常に充実しています。

  ・会議で扱いにくい参加者のタイプと、その対処法
  ・電話会議(テレカンファレンス)のDOs&DON'Tsリスト
  ・プレゼンテーションで必ず役立つキーフレーズ

など全部で9つの付録が40ページ以上のボリュームで掲載されています。

この付録だけでも、けっこう役立ちそうなものがあります。

この本から何を活かすか?

  「世界中どこにいても会話が弾む11のコツ」

これも本書の付録APPENDIXの中のひとつ。

一番目のコツは、相手の文化に積極的に興味を示すことです。
もし、知らないことがあれば謙虚な姿勢で質問するのが正解。

  What sports do you enjoy in your country?

といった具合に尋ねるといいようです。

まあ、逆に考えると、外国人と話す場合は、
日本の文化に興味を持って質問してくる可能性があるということですね。

現在、NHK教育テレビでは、江口裕之さんが講師を務める
「トラッドジャパン」という語学講座を放送しています。

日本の文化を英語で伝える教養型英語番組のようですね。

今度、録画して見てみようと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:24 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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明日のコミュニケーション

明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)
明日のコミュニケーション 「関与する生活者」に愛される方法 (アスキー新書)

(2011/10/11)
佐藤尚之 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

企業は、苦労してソーシャルメディアを使って
キャンペーンをする価値が本当にあるのか?

この問いに対し、本書の著者、佐藤尚之さんは次のように答えます。

  「確かに(ソーシャルメディアは)普及率は低いし、ノイズも多い。
  そのうえ広告効果もわかりにくいだろう。
  でも、ソーシャルメディアにはそれらを補って余りある
  大きな特徴があるのである。」

それはいったい、どんな特徴なのか?

そして、企業はツイッターのフォローされる人を増やしたり、
フェイスブックページの登録者を増やしたからといってどうなるのか?

  「ソーシャルメディアは、社会や文化、流行、購買などに
  大きく影響を与える“関与する生活者”をつなげ、強く結びつけ、
  その行動を加速させるプラットフォームなのだ。」

そう、ソーシャルメディアは目先のマーケティングツールではなく、
情報を拡散し、ハイパークチコミを生むプラットフォーム。

「関与する生活者」は、マキコミを起こし、
社会や文化、流行などに影響を与え、世の中を動かします。

本書では、ソーシャルメディア時代の生活者購買行動モデルとして、
「AIDMA」や「AISIS」と共存する「SIPS」というモデルが提案されます。

  ・Sympathize : 共感する
  ・Identify : 確認する
  ・Participate : 参加する
  ・Share&Spread : 共有&拡散する

このモデルの大きな特徴は、入り口が「注意(Attention)」から
「共感(Sympathize)」に変わり、「購入(Action)」がなくなり、
「参加する(Participate)」が加わったことです。

正直、まだまだ、企業がソーシャルメディアを使って
成功した事例は少ないと思います。

特に日本においては。

しかし、震災時にソーシャルメディアは大きな存在感を示しました。

それは、単なる連絡ツールではなく、
大きなうねりを生むプラットフォームとしてです。

佐藤さんは、震災の起こった日の夜、熱意ある友人や見知らぬ人々と
何かできることはないかと、ツイッター上で話し合いました。

そして、翌々日には3つのプロジェクトを立ち上げたそうです。
それは、ソーシャルメディア上で起こった奇跡。

圧倒的なスピードで多くの個人を連鎖的に巻き込んで、
いくつかのプロジェクトが立ち上がった一連の事例は、
読んでいて鳥肌ものです。

本当にソーシャルメディアを通して、
コミュニケーション明日が見えた感じがしました。

企業がソーシャルメディアを活かすのはこれからですが、
本書はソーシャルメディアの持つ本当の価値を明らかにしてくれます。

この本から何を活かすか?

私は、堀江貴文さんの「稼げる 超ソーシャルフィルタリング」を
読んでツイッターを始めました。

しかし、実態はブログをアップした後、
毎回ひとこと書いているだけで、
あまりツイッターを使っているとは言えません。

やはり、大きなうねりを感じるには、
もう少し流れの中に身をおいて、
他の人の発言に共感する必要がありそうです。

今後は、もう少しツイッターのフォローする人を増やしたいと思います。

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| マーケティング・営業 | 07:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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危機を超える経営

危機を超える経営―不測の事態、激変する市場にどう対応するか
危機を超える経営―不測の事態、激変する市場にどう対応するか

(2011/09/23)
伊藤 邦雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

  「危機は人や企業の能力を冷酷に試す。困難を極めた状況下では、
  企業やそこに所属する人々の強さや脆さ、本性が露わとなる。
  危機は、企業にその“耐性力”を問う試練でもある。」

未曾有の危機は何度でも繰り返されます。
それは過去においても、未来においても。

それでは、どうすれば企業は危機を越えられるのか?

このテーマに挑んだ本書は、私が予想した内容とは違いましたが、
緻密に事例を分析した非常に良い本でした。

何が予想と違ったかと言うと、メインで扱う危機。

私は勝手に「東日本大震災」の事例を扱った本かと思っていましたが、
本書で中心となるのは「リーマンショック」でした。

今となっては、リーマンショックも
ずいぶん昔の出来事のように感じます。

しかし、本書のように危機に直面した企業のコスト構造や
行動原則などを徹底して分析を行い、
それを危機を超える戦略にまで昇華させるには時間がかかります。

実際に読んでみると、本書に時機を逸した感じは微塵もなく、
十分に読む価値のある本でした。

事例として登場する企業は、サムスン、キヤノン電子、日東電工、
日本電産、スズキ、ユニチャーム、コマツなど。

著者の伊藤邦雄さんは、『ゼミナール現代会計入門』などで
知られる会計の専門家。

伊藤さんは、かねてから「日本企業の競争力が危うい状況にある」
という問題意識を持っていたそうです。

しかし、日本企業の中にも危機をチャンスに変えた
優れた企業がありました。

その企業の行動原則を解き明かし、日本が未来へ再飛躍するための
シナリオを提示するために執筆したのが本書です。

私が、本書で注目したのは企業の「感知力」。

これは、次の3つの力で構成されます。

  ・危機の兆しを嗅ぎとる力
  ・危機のインパクトを嗅ぎとる力
  ・危機の時期を嗅ぎとる力

危機が起こることを予兆し、それがどの程度の規模で、
いつ起こるかが精度高く予想できれば、打ち手も決まってきます。

本書では、この感知力をいかにして高めるかというところまで、
踏み込んで考察しています。

本書の分析は、過去の危機を単なる教訓で終わらせていません。
日本企業の未来へ活す知恵として共有すべきだと思います。

この本から何を活かすか?

企業もそうですが、個人としても「危機感知力」を身につけたいですね。

特に投資やトレードをやっている方なら、なおさらです。

「危機の兆し」は、経済指標の定点観測をおこなうことで、
ある程度見えてきます。

しかし、「危機のインパクト」や「危機の時期」を
正確に予想することは、かなり難しい。

ですから、投資においてもコンティンジェンシープランを決め、
リスクコントロールを厳格に行う必要があると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スティーブ・ジョブズ I

スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I

(2011/10/25)
ウォルター・アイザックソン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

  「ジョブズは上司としても人間としてもモデルになるような
  人間ではない。
  わかりやすくて皆がまねしたいと思うような人物でもない。
  悪鬼につかれているかのように、周囲の人間を怒らせ、
  絶望させるのだ。しかし、彼の個性と情熱と製品は
  全体がひとつのシステムであるかのように絡み合っている

  -アップルのハードウェアとソフトウェアが
  そうなっていることが多いように。

  だからこそ彼の物語には示唆に富む部分と
  注意しなければならない部分の両面があり、
  そして、イノベーション、キャラクター、リーダーシップ、
  価値についての教訓があふれているのだ。」

「伝記」が面白くなるための要素は3つあります。

1つ目は、題材となる人物の個性。

その個性がもたらすエピソードの豊富さにおいて、
スティーブ・ジョブズさんほどの人物はなかなかいません。

本書では、天才経営者のジョブズさん一面だけでなく、
欠陥のある人間としての様が克明に描かれています。

あまりの奇人ぶりに、引いてしまう人もいるかもしれませんね。

2つ目は、その人物が歩んだ人生のストーリー。

ジョブズさんの人生は、養子に出されるところから始まります。

恵まれた才能でアップルを立ち上げて一度目の成功。
しかし、その後会社から追放され、大きな挫折を味わいます。

その苦難を乗り越えて、アップルの危機に復帰してからの、
新たな成功のステージへ。

2011年8月には時価総額世界1位に
なりましたから、ストーリーとしても申し分ありません。

3つ目は、書き手のストーリーテラーとしての能力。

著者のウォルター・アイザックソンさんは、
ジョブズさんから見込まれ、何度も伝記を書くように依頼されて、
本書を執筆しています。

アイザックソンさんは、過去にもベンジャミン・フランクリンさんや、
アインシュタインさんの伝記を書いてベストセラーに
なっていますから、その実力は折り紙つき。

この3つの要素が揃った本書が、面白くないわけがありません。

日本語版の本書は上下巻の2分冊となっていて、
上巻の内容は、子ども時代から、ピクサーで成功したころまで。

スティーブ・ウォズニアックさんとの出会い、アップルの設立、
アップルⅡの成功、マック誕生、ジョン・スカリーさんとの関係、
ビル・ゲイツさんとの確執、アップル追放などが描かれています。

私は、本書を読んで疑問に感じたことがあります。

何でも病的なまでに自分でコントロールしなければ気のすまない
ジョブズさんが、なぜ伝記の内容には口出ししなかったのか?

40回もの取材にも応じ、内容への注文も一切つけず、
出版前に原稿を見せてほしいとの要求さえしなかったそうです。

アイザックソンさんに伝記を頼んだ時点で、
ジョブズさんは自分の死期が見えていましたから、
最後はありのままの真実を書いてほしいと思ったのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「現実歪曲フィールド」

  「スティーブには、現実歪曲フィールドがあるんだ。
  彼の周囲では現実が柔軟性を持つんだ。
  誰が相手でも、どんなことでも、彼は納得させてしまう。
  本人がいなくなるとその効果も消えるけど、でも、そんなわけで
  現実的なスケジュールなんて夢なのさ」

これは、アップの仲間だったバド・トリブルさんが、
「スター・トレック」から引用して、
ジョブズさんの特殊能力を評したもの。

つまり、今のアップルからは現実歪曲フィールドが
消えてしまったということですね。

イノベーションを研究する場合、最近では、ジョブズさんが
題材として用いられることがよくあります。

しかし、私が本書を読む限りでは、ジョブズさんのイノベーションは
科学ではなく、むしろ芸術に近い感じがします。

ですから、いくらジョブズさんのイノベーションを研究しても
再現することは難しいように思えます。

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| ビジネス一般・ストーリー | 10:33 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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日本経済の奇妙な常識

日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)
日本経済の奇妙な常識 (講談社現代新書)

(2011/10/18)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

次の文章が「本当」か「ウソ」か考えてみてください。

  1. 円の実力からみて、1ドル=80円を切る円相場は“超円高”だ
  2. 日本や中国が保有する米国債を大量に売れば、
    米国債も米ドルも暴落する
  3. 資源価格の高騰は、日本のモノやサービスの価格に大きく影響する
  4. 消費税は一気に10%増税するより、
    段階的に2%ずつ上げるほうが悪影響は小さい
  5. 日本政府の財政破綻は、なんとしても避けるべきだ
  6. 国際分散投資をおこなえば、大損の危険性を避けて資産運用できる
  7. 日本国内は以前、貯蓄過剰だったが、
    家計の貯蓄率が大幅に下がったので、国内の貯蓄率は減った

ニュースをよく見たり、新聞をシッカリ読む人ほど、
ほとんど全てを「本当」と答えたのではないでしょうか。

マスコミは、こららを「経済の常識」として報道しています。

しかし本書の著者、吉本佳生さんは、
これらの経済常識は、いずれも「ウソ」だと主張します。

  「本書は、日本とアメリカの経済をめぐる大きな謎を追いかけるなかで、
  金融や経済の専門家もふくむ多くの人が“常識”としている
  経済理論を、ひっくり返してしまうことを狙ったものです。」

世間の間違った常識や、経済的なカラクリを指摘させたら、
吉本さんは天下一品。

本書でも図を多用しながら、数多くの日本経済の奇妙な常識を
正しい経済理論で考えた「本当の常識」へと転換します。

本書の大きな論点は3つあります。

1つ目は、米国債の謎を追いかけながら世界経済を解き明かすこと。
2つ目は、円相場を中心に日本経済をみること。
3つ目は、資源の国際価格と日本の国内物価の関係を分析すること。

私が最も注目したのは、3つ目の論点です。

確かに、国際的に資源価格が高騰するなかでも、
日本国内ではインフレになるどころか、
相変わらずデフレの状態が続いていました。

それでは、資源価格が高騰した分のコストは、
一体、どこに転嫁されているのでしょうか?

吉本さんが導き出した答えは、「賃金デフレ」でした。

つまり、日本の企業は資源価格の高騰を製造コストに転嫁できず、
労働者の給料を下げて吸収してしまった。

それどころか、賃金を下げることを恒常化し、
資源価格の上昇以上に、立場の弱い人の給料を低く抑えている。

実際に安い給料で働いている人から見ると、ヤリ切れないですね。

本書には、他にも驚きの事実が満載。

デリバティブ汚染を逆利用した東日本大震災の復興財源を得るための
「復興連動債」の提案も非常に面白いです。

本書は、正しい経済常識を理解するための必読の書だと思います。

この本から何を活かすか?

一般に公表されている経済データの分析で、
世間の常識を覆すことでは、三橋貴明さんも有名です。

でも語り口では、私は吉本さんの方が好きですね。

「吉本佳生さんの新書にハズレなし」

これは私の正しい常識。

そういえば、吉本さんの新書で一冊未読の本がありました。

  「数字のカラクリを見抜け!

近日中に読みたいと思います。

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| 経済・行動経済学 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

「ザ・マネーゲーム」から脱出する法
「ザ・マネーゲーム」から脱出する法

(2011/10/01)
ロバート・シャインフェルド 商品詳細を見る
満足度★★
付箋数:14

  「映画館に座って、ホラー、悲劇、あるいは感動的なドラマを
  見ているとします。登場人物に悪いことが起こり、
  あなたは“うわ、これはひどい!”と判断します。
  でも、映画を創った人だったら、できあがった映画を見て
  何を感じるでしょうか?
  喜び、感謝、満足感などですよね?
  その人たちにとって、それは一生忘れられない経験です!」

著者のロバート・シャインフェルドさんは、
私たちの見ている世界はすべて幻影、ホログラムだと言います。

私たちが常識だと思っているお金のルールは、
決して誰も勝つことがない創られたゲーム。

話しは、お金だけに限ったことではなく、
私たちが見ている人生も、「完全没頭型」の映画のように、
誰かが精巧に創り上げたルール上の世界。

映画の「観客」と「創り手」の間には、
同じ映画を見ても感じ方がまったく違います。

私たちが観客でいる限り、創り手の感動は決して得られません。

シャインフェルドさんは、「人間ゲーム」も「マネーゲーム」も
それがホログラムであると気づかずに観客(第一段階)でいる限りは、
そのルールから逃れることはできず、
どこまで行っても満足した結果にはならないと言います。

そこから脱出し、真の豊かさを得るためには、
世界の創り手(第二段階)になるしかないようです。

本書は、マネー本ではなくスピリチュアル本に分類されます。

書いてある内容から、精神世界のことに
結び付けて考えると納得がいくのでしょう。

しかし、私のような現実派の人にとっては、
少々辛い内容でした。

そうかもしれないなと感じる点もありますが、
読んでも、いまひとつ行動が喚起されない感じでした。

  「私も最初に読んだときには、“???”と疑問符が
  いっぱい頭に浮かびました。
  何度か読み返していくうちに、今までの自分のいろいろな経験が
  次から次へと記憶の底からよみがえってきました。」

これは、本書の翻訳にあたった本田健さんのあとがきの言葉。

私には、この本を何度も読み返すことはできなさそうです。

この本から何を活かすか?

以前はあまり自覚がなかったのですが、
私は、スピリチュアル系の本が苦手だということが
だんだんわかってきました。

本書は本田さんの翻訳ということで注文しましたが、
私は「VOICE」から出版される本との相性も悪いようです。

ダリル・アンカさんの「未来は、えらべる!」もそうでした。

売れていても、手を出さない本のリストに加えなくては・・・

ちなみに、以前に何冊か読んで、
最近は手を出さないようにしているのは、
浅井隆さんの本、副島隆彦さんの本、苫米地英人さんの本、
フォレスト出版の本などです。

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| 成功哲学 | 10:23 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ちょっとした言葉グセを直すだけで、あなたの人生は変えられる!

ちょっとした言葉グセを直すだけで、あなたの人生は変えられる!
ちょっとした言葉グセを直すだけで、あなたの人生は変えられる!

(2011/08/25)
内田和俊 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

著者の内田和俊さんから献本いただきました。ありがとうございます。

もっと、いい人生を送るために、自分の「性格」を変えたい。

そう考えている人も、少なくありません。

しかし、なかなか「性格」は変えられませんね。

私も、年を重ねるごとに、本来持っていた性格が、
より濃く表に出てきている感じがします。

ところで「性格」とは、いったい何なのでしょうか?

本書の冒頭で、内田さんは、
とらえどころのない「性格」を見える化しています。

  性格=思考+感情+行動

性格とは、その人が持つ「思考」・「感情」・「行動」の
パターンの組み合わせ。

そして、この3つは常に連動しています。

この3つの中で、一番コントロールが難しいのが「感情」です。

感情を表に出さないことはできても、
感じ方を根本から変えることはできません。

次にコントロールが難しいのが「思考」です。

例えば、私たちはものごとを肯定的にとらえる
ポジティブシンキングが良いことを知っていますが、
それがなかな続きません。

それは、人間が動物の生存本能として、
ネガティブな発想を心の奥底に持っているからのようです。

3つの中で、比較的コントロールし易いのが「行動」です。

それでも、習慣を変えることが難しいように、
行動すら変えることは容易ではありません。

だから、行動の中でも自分が使う「言葉」に的を絞って変えていく。

それがポジティブトーキング。

言葉を変えることによって、思考が変わり、感情も変わる。

内田さんは本書で「言葉グセ」を直すことで、
人生をより良く変えることをすすめます。

  「“言葉”を変えれば、必ず私たちの“性格”を
  変えることができます。
  “性格”が変われば、当然のことながら“人生”も変わります。」

本書では、次の4つの口グセに分類して、
具体例を数多く挙げ解説しています。

  ・やめた方がいい口グセ
  ・変えたほうがいい口グセ
  ・続けたい口グセ
  ・新しく始める、または加える口グセ

中でも、フィギュアスケートの浅田真央さんと村上佳菜子さんの
口グセに注目する例などは、なるほどなと思いました。

本書は、最初の理論で納得させ、
中盤の具体例で実践的にアプローチし、
後半の心温まるエピソードで感情的な満足感を与えます。

自己啓発書を読んでも、なかなか自分を変えられなかった人は、
本書のポジティブトーキングから始めるのがいいと思います。

この本から何を活かすか?

自分の口グセは、意外と自分では気づいていませんから、
周りの人に聞いてみるといいかもしれませんね。

それが、やめた方がいい口グセや変えたほうがいい口グセに、
分類されていないかチェックする。

あと、新しく始める口グセも、それを使うと周りの人に宣言する。

口グセが良い影響、あるいは悪い影響を及ぼすのは、
自分だけではありませんから、
周りも巻き込んで、ポジティブトーキングに変えたいと思います。

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| コミュニケーション | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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イノベーションとは何か

イノベーションとは何か
イノベーションとは何か

(2011/09/29)
池田 信夫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

イノベーションは、必ずしも技術革新を必要としません。

例えば、イノベーションを起こした企業の例として挙げられる、
アップルの製品でも、既存の技術を組み合わせたものに過ぎません。

  「イノベーションとは既存のフレームを疑い、
  新しいフレームを発見することと定義できる」

これは、名著「アイデアのつくり方」の中で、
「アイディアとは既存の要素の新しい組合せにしか過ぎない」
と言ったジェームス・ウェブ・ヤングさんの考えにも似ています。

それでは、どうしたらイノベーションが起こせるのか?

残念ながら、この問いに関する明快な答えは、
本書の著者、池田信夫さんでさえ示すことはできません。

  「イノベーションに物理学のような意味での法則はないが、
  明らかに失敗するものは事前にわかるし、
  成功したものにも一定のパターンがある。
  それを分析すれば、少なくとも何をしてはいけないかはわかるだろう。
  そこから、イノベーションが起こるための必要条件を
  導くことができるかもしれない。」

そう、わかるのは必要条件だけ。
イノベーションを起こすための十分条件はわかりません。

アップルの故スティーブ・ジョブズさんは、
変人として知られていましたが、変人になったからといって、
イノベーションを起こせるわけではありません。

それでは、イノベーションを起こした企業の事例を集め、
帰納的に成功の秘訣を導き出すことができるのか?

否。それが可能であれば、今までに行われた事例研究によって、
とっくに成功の方程式が導かれているはずです。

  「大事なのは、成功するかどうかわからないとき何を予想し、
  何をしていたかであり、それはイノベーションを同時進行で
  みてみないとわからない。」

だから、本書で池田さんが行うのは、
イノベーションの仮説についての検証なのです。

本書では、イノベーションに関する10の仮説を挙げ、
行動経済学をツールとして用い検証を行います。

イノベーションの源泉を探るために、脳科学についても言及され
池田さんらしい、博学才穎ぶりが発揮されていますね。

本書の考察でイノベーションを起こすための、
Not To Doが明らかにされていますが、
果たして、これで、イノベーションに近づくことができるのでしょうか?

この本から何を活かすか?

  「ソニー最大の失敗は、大賀典雄社長の後継者に出井伸之氏を
  選んだことである。彼は大賀氏が“消去法で選んだ”と
  口をすべらしたように、取締役の中でも末席で、
  ソニー本流の技術系でもなく、
  とりたてて実績があったわけでもなかった。」

これは、本書のケース分析で、「ソニーの挫折」として
取り上げられていたところの一節。

ダメなものを消していく、消去法。

やってはダメなことを明らかにするのは、消去法そのもの。

イノベーションもNot To Doが分かるだけでは、
まだまだ道のりは遠い感じがしますね。

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| 経営・戦略 | 11:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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部下を育てる「ものの言い方」

部下を育てる「ものの言い方」 ―人を変える組織を変えるリーダー必須の条件
部下を育てる「ものの言い方」 ―人を変える組織を変えるリーダー必須の条件

(2011/09/26)
井上 健一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

本当に言いたいことが、なかなか伝わらない。

これは、1人でも部下を持つ人なら、誰でも一度は持つ悩み。

上司の考えが、部下にうまく伝わらない原因は、2つあります。

最も大きな理由は上司の「ものの言い方」。

実は、ちょっと言い方を変えるだけで、
ずいぶん思ったことが部下に伝わるようになります。

そのコツを伝えるために井上健一郎さんが著したのが本書です。

そして、もう一つの原因、
それは聞き手である部下の心理状態。

同じことを部下に伝えても、その心理状態によって、
受け止められ方は、全く違ったものになります。

ですから、上司は部下の心理状態を考えて、
「やる気」のスイッチを押すような言い方をする必要があります。

井上さんは、「やる気」のスイッチの入れ方で、
上司は3つのタイプに分かれると説明します。

1つ目のタイプは、「ダメダメ上司」。

これは、自分自身は仕事のできる人に多く、
部下の気持ちを理解せず、やる気を削いでしまうタイプです。

2つ目のタイプは、「ダメ上司」。

このタイプの上司は、自分の意見を押し付けず、
部下の意見を尊重するイイ人だけど、
明確な意図を持って部下を指導できません。

3つ目のタイプは、「イイ上司」。

これが本書の目指すところで、視野が広く、妥協を許さず、
仕事感をしっかり持ち、部下の成長を真剣に考えている。

ダメダメ上司やダメ上司が一瞬にしてイイ上司に
変身することはありませんが、
まずは「ものの言い方」から変えることからスタートします。

本書には、良い言い方、悪い言い方を含め、
123の会話例が紹介されています。

普段何気なく自分が使っている言い回しが、
悪い会話例に入っていたりするとドキッとします。

たいがいの場合、本人はそこまで意識していないので、
自分の悪い言い方には、なかなか気づかないもの。

だからこそ、本書で自分の「ものの言い方を」チェックする
必要があるのでしょう。

言葉の力は大きい。

ほんの少し言い方を変えるだけで、部下を失望させることも
部下を育てることも可能になります。

本書は、そんなことに気づかせてくれる本です。

この本から何を活かすか?

会話のすれ違いは、なにも職場だけに限らず、
もっと距離が近い、家族や友達、恋人といった関係でも起こります。

本書が伝えているのは、伝える側の想いと、
伝えられる側の想いにギャップがあるということ。

私は、本書の分類に従うと、「ダメダメ上司」ならぬ、
「ダメダメ父親」になっているかもしれません。

本書の会話例を家庭でも参考にし、家族の聞きたいことは何なのか、
どう言ったら伝わるのかを考えて、言葉に選びたいと思います。

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| コミュニケーション | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ペンギン、カフェをつくる

ペンギン、カフェをつくる
ペンギン、カフェをつくる

(2011/08/11)
三谷宏治 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

表紙に大きなペンギンのイラスト。

そして、タイトルも「ペンギン、カフェをつくる」と
ちょっとファンタジーな感じがするので、
本書は、一見、若い人向けのビジネス書のような印象を受けます。

しかし、実際は中堅やベテランと呼ばれる
ビジネスパーソンほど、本書が必要なのかもしれません。

なぜなら、ヒトは学べば学ぶほどつまらなくなるから。

よく、大人よりも子どもの方が発想が豊かだと言われます。

また、社会人になっても入社したての人の方が、
その会社では常識となっている非常識に気がつきます。

つまり、私たちは、学べば学ぶほど、
常識と知識の呪縛から逃れられなくなっているのです。

だから、出てくる発想は月並みなものばかり。

そこで「発想力」を鍛えるために三谷宏治さんが著したのが本書です。

イワトビペンギンのルークが日本でカフェを作る。

そんな非現実的なストーリーだからこそ、
発想力を身につけるには丁度いいのでしょう。

ちなみに、ルークは小学生から読める科学的思考トレーニングブック
ルークの冒険~カタチのフシギ~」で登場したキャラクター。

三谷さんは、「発想力」向上に必要なファクターとして、
次の4点を選びました。

  1. 常識離脱
  2. 非常識な視点
  3. 異分野の深い学び
  4. 言葉へのこだわり

そして、この4点と簡単な掛け算と足し算を使った式で、
発想力向上のメカニズムを考えました。

  「発想力」向上に必要なメカニズム=
  常識離脱×(非常識な視点+異分野の深い学び+言葉へのこだわり)

更に、このメカニズムをルークというキャラクターを登場させた
ストーリーで楽しく学べるよう構成したのが本書です。

本書の元になっているのは、ダイヤモンドオンラインに連載の
三谷流構造的やわらか発想法」です。

  ・なぜ、普通の鉛筆は6角形の軸なのに、色鉛筆は丸いのか?
  ・なぜ、恐竜が絶滅した理由を考えるためには、
   恐竜「だけ」が「大繁殖」した理由を問う必要があるのか?

新しい視点が身につけられるだけでなく、
興味深い話が満載の三谷さんらしい一冊です。

この本から何を活かすか?

「寒い」という単語の裏にあるもの。

11月に入り、私の住む北海道では、冬に向かって真っしぐら。
日に日に寒さを感じています。

今朝も、目が覚めて最初に感じたことは「寒い」でした。

「寒い」とは、いったいどういことか?

こんな当たり前に使っている言葉だからこそ、
その裏に隠されている大切な意味を考えてみる必要があります。

  「そのヒトにとって、“体感温度”が“低い”ことが、
  寒いことなのです。15℃であろううが5℃であろうが、
  そのヒトにとって、気温が低いと感じれば、寒い、なのです。
  でもそれだけではありません。“寒い”という単語には、
  もっと大切な意味が潜んでいます。わかるでしょうか。」

この意味を調べるために、三谷さんは、
体感温度とは別の軸をとって比べています。
   
↑ 高い
体感温度
 ↓ 低い
暖かい暑 い
涼しい寒 い
快 ← 快不快  → 不快

体感温度が低く感じても、気持ちのいいときは、
「涼しい」という表現を使います。

つまり、「寒い」とは「体感温度が低く」、
かつ、「不快に感じる」ことなんですね。

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| アイディア・発想法・企画 | 09:58 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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武器としての決断思考

武器としての決断思考 (星海社新書)
武器としての決断思考 (星海社新書)

(2011/09/22)
瀧本 哲史 商品詳細を見る

満足度★★★★★
付箋数:29

瀧本哲史さんの「武器としての決断思考」を読むべきか、否か。

<読むべきという賛成派の主張>

1.内因性
  変化が激しい今の時代、これまでの価値観や方法、
  人生のルールは、意味をなさなくなってきた。

2.重要性
  過去の正解が通用しない時代には、自分で考えて今の最善解を
  導き出す「意思決定の方法」を身につける必要がある。

3.解決性
  本書を読むと、賛否両面から客観的に判断するツール
  「ディベート思考」が意思決定の方法として身につけられる。
  したがって、本書を読むべきである。

<賛成派の主張への反論>

1.内因性への反論
  時代の変化は今に始まった話ではなく、
  長い歴史の中では、常に価値観やルールの変更はあった。
  そもそも、変化があることには何の問題もないのではないか?

2.重要性への反論
  過去の正解が通用しないのは、一部であって、
  まだまだ過去の正解を踏襲した方が良い場合が多い。
  また、過去の正解が通用しない場合であっても、
  それは最も重要な問題であることは少ない。

3.解決性への反論
  仮に、「意思決定の方法」を身につける必要があっても、
  本書を読んだだけでその手法が身につくとは考えにくい。
  更に、「意思決定の方法」は「ディベート思考」でなくても、
  ロジカルシンキングを学べば身につけることはできる。

このように「ディベート思考」では、二者択一で結論が出るものを
論題に選び、メリットとデメリットを3つの条件で考え、
論理的にツッコミを入れて、主張が正しいかどうかを検討します。

ここではメリットの3条件に1度の反論しかしかしていませんが、
本当は更に反論に反論を加え、議論を深めます。

反対派の主張でやめてしまったので、
本書に読む価値がないよな印象を与えてしまったかもしれませんが、
本当はその逆です。

私は、今までディーベートの本を何冊か読みましたが、
いまひとつ、議論の場以外のビジネスや実生活では、
それをどう活かしたらよいのかが見えてきませんでした。

しかし、本書は知識・判断・行動の3つをつなげる
実学としての「ディベート思考」が学べます。

著者は、京都大学客員准教授の瀧本哲史さん。

本書は、瀧本さんが京都大学の「意思決定の授業」で
教えている内容を7つの講義としてまとめたものです。

講義の中で瀧本さんは、例として世間にはびこる
デタラメ論に客観的にツッコミを入れています。

それを読むだけでも、ディベート思考は、
強引に主張を通そうとする人にダマされないための
武器であることがわかります。

この本から何を活かすか?

ディベート思考を使って大前研一さんへツッコミを入れてみる。

「リーダーの条件」が変わった』に、以下のような記述がありました。

  1.フッ素は虫歯の予防になる。
  2.オランダやアメリカでは水道水に塩素の代わりにフッ素を入れている。
  3.だからオランダ人やアメリカ人には虫歯が少ない。
  4.しかし、日本では歯科医の既得権を守るために、
   水道水にフッ素を入れないという政治的判断がなされている。

私は、最初に大前さんの本を読んだときには、
さほどこの主張に違和感を覚えませんでした。

しかし、本書を読んだ後では、次に挙げるような反論に耐えられる
主張かどうかを検討する必要があると感じました。

・どの程度フッ素を使うと、虫歯予防に効果があるのか
・オランダやアメリカでは、どの程度の濃度でフッ素を混入しているのか
・水道水へのフッ素混入と虫歯の少なさは、本当に因果関係にあるのか
・オランダ人とアメリカ人の虫歯が少ない理由は他にはないのか
・水道水への塩素混入とフッ素混入のデメリットは比較されているのか
・日本が水道水にフッ素を入れない理由は歯科医を守るためなのか
・少数の歯科医の利益を守ることで、政府が得られるメリットは何か

大前さんの発言だからといって、鵜呑みにせず、
しっかりと反論を加えたうえで、主張を信じることが必要ですね。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 13:59 | comments:3 | trackbacks:3 | TOP↑

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エクセレントな仕事人になれ!

エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163
エクセレントな仕事人になれ! 「抜群力」を発揮する自分づくりのためのヒント163

(2011/09/29)
トム・ピーターズ 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:23

著者名だけで、読みたくなる本はそれ程多くありません。

しかし、トム・ピーターズさんの名前を見ると、
私のように思わず、手にとってしまう方も多いのではないでしょうか。

ピーターズさんは、米国のカリスマ経営コンサルタント。

私の中では、米国版の大前研一さんという位置付けです。

著書では、今から約30年前に刊行されベストセラーになった、
エクセレント・カンパニー」が最も有名。

この本は、大前さんが翻訳していました。
また、大前さん同様にピーターズさんもマッキンゼー出身です。

更に、ピーターズさんは「サラリーマン大逆襲作戦」シリーズ
という本を書いていましたが、
大前さんも「サラリーマン・サバイバル」のシリーズを出していました。

そんな訳で、私の中ではピーターズさんと
大前さんのイメージが重なっているようです。

さて、本書の原題は「The Little Big Things」。

ピーターズさんが、ビジネス上の小さなヒントを紹介します。

それらは、ごく些細なことに感じるかもしれませんが、
実は大きな意味を持つ小さなアイディアです。

  ・チャンスはトイレにあり!
  ・終身雇用は死んだが、あなたのキャリアは終わらない
  ・「自分という商品」を開発しよう
  ・「ベストを尽くす」だけでは足りない
  ・偶然が支配する日常で成功する方法とは

紹介される、アイディアは全部で163個。

  「この本は、トイレの中で座りながら読むことを想定している。
  逆に言えば、最初のページから最後のページまで
  息もつかせず読むことは基本的に想定していない。
  むしろ本の中のアイディアやヒントを見て、
  その一部をあなたが実行に移し、“小さくても大きなこと”を
  試してもらいたいと思っている。」

ピーターズさんが言っているとおり、
1つ1つのヒントは、ビジネスコラムで紹介されるような手軽さです。

だからこそ、すぐに実行することは可能。
しかも長期で考えると、大きなことを成し遂げる手助けとなる。

本書は、そんなアイディアが詰まっている本です。

元々はピーターズさんのブログで紹介された、
「成功のヒント」の記事が本書のベースとなっているようですね。

この本から何を活かすか?

  「アマゾンはネットショッピングで世界を変えた。
  イーベイはネットオークションで世界を変えた。
  
  そして地域情報サイトのクレイグスリストも世界を変えた。
  新聞業界に大打撃を与えるなど、多くの地殻変動を起こした。
  
  クレイグスリストのユーザー数は、アマゾンやイーベイより多い。

  アマゾンの従業員は2万人。
  イーベイは1万6千人。
  クレイグスリストは・・・たった30人だ。」

私は、アマゾンやイーベイは使っていますが、
クレイグスリスト」は使ったことがありません。

日本版は充実していないのかもしれませんが、
どんなサイトなのか詳しく調べてみたいと思います。

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ご機嫌な職場

ご機嫌な職場
ご機嫌な職場

(2011/08/26)
酒井穣 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

2008年1月に刊行され話題になった本、「不機嫌な職場」。

この本では、ギスギスした雰囲気の職場の事例を挙げ、
同時に解決策が示されていました。

  「恐ろしいと感じるのは、この本が出版され、
  たくさんの処方箋(解決策)がメディアを賑わせたにも関わらず、
  いまだに多くの職場が同じ問題に悩んでいるということです。
  いや、むしろ悪化しているというのが、読者の実感ではないでしょうか。」

世の中の多くの職場は、より不機嫌な方向へ進んでいるようです。
しかも、職場のコミュニティーは、猛烈な速度で弱体化しつつある。

いったい、なぜ、この問題は解決しないのか?

この点について酒井穣さんは、過去に示されていた処方箋は、
問題の根本的な原因の特定に失敗している可能性が高いと指摘します。

それでは、職場が不機嫌になる真の原因は何なのか?

本書では、次の3点を根本原因として捉えています。

  1. 時代背景から個人の安全が脅かされており、
    他人を気にしていられない
  2. インターネット登場により、
    職場外にコミュニティーが形成されはじめている
  3. 業績へのフォーカスが強まり、
    非公式なコミュニケーションが悪者にされている

この3つの職場コミュニティー弱体化の原因に対して、
本書では、酒井さんの会社、フリービット株式会社で
実践している9つの具体策が紹介されています。

この中には、簡単に真似できそうな施策もありますが、
根本原因や背景の理論を理解したうえで、
職場の状況に合わせて実践するのが効果的だと思います。

ところで、そもそも職場を「不機嫌」ではなく、
「ご機嫌な職場」にする必要はあるのでしょうか?

  「絶対に明るい職場をつくる必要があるのです」

明るい職場は、企業の収益と密接に結びついています。

そして、世の中が「不機嫌な職場」が増える中、
「ご機嫌な職場」をつくることに成功すれば、
それ自体が経営の差別化にもなる。

つまり、「ご機嫌な職場」づくりは、立派な企業戦略ということです。

本書は、この問題に非常にマジメに取り組んでいますので、
読むだけで、ご機嫌な気分になれる軽い本ではありません。

この本から何を活かすか?

  「ピークエンドの法則を使って、懇親会をデザインする」

ピークエンドの法則とは、ダニエル・カーネマンさんが
発表した、人間はほとんど過去の経験を
「ピーク」と「エンド」によって判断するという理論です。

本書では、この法則を使い、同時に懇親会をモジュール化して
優れた懇親会をデザインしています。

ここまで大げさにしなくても、ちょっとした飲み会レベルで、
「ピーク」の演出と、「エンド」のしめを考えるだけで、
印象の良い集まりにできるかもしれません。

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