活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2011年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年11月

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「世界標準」の仕事術

「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える
「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える

(2011/09/23)
キャメル・ヤマモト 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

あなたは、「I人材」ですか? それとも「G人材」ですか?

「I人材」とは、島国(Island)人材のこと。

特徴は、はじめに「人」ありきで、協調性を重視し、
まわりの人に合わせる行動をとります。

もう一つの「G人材」とは、グローバル(Global)人材のことで、
こちらは、はじめに「戦略」ありきで、
個人がリードし、構想に基づく行動をとるのが特徴です。

この2つの人材は、どちらが優れていて、
どちらが劣っているというものではありません。

今まで島国の日本では、「I人材」が重宝され、
「I人材」を養成するような、教育がなされてきました。

しかし、近年はボーダレス化が進み、島国の日本企業においても、
生き残りのために「G人材」が求められるようになっています。

それでは、「I人材」が「G人材」になるためには、
いったいどうしたら良いのか?

  「本書は、仕事では海外に一度もいったことがない人、
  ましてや駐在などしたことがない人を念頭において、
  国内にいながらにしてグローバル人材になっていくには
  どうすればいいかについて述べていきます。」

著者のキャメル・ヤマモトさんは、日本、米国、欧州、
中東、中国、東南アジアとさまざまな国で仕事をしてきました。

そこで見てきた、国際的に活躍している人々や、
グローバル企業の仕事ぶりから、世界標準の仕事の仕方を
ルール化して本書で解説しています。

中には成毛眞さんのように、「日本人の9割に英語はいらない
と考える方もいます。

しかし、世界標準とは、何も英語だけの話しではありません。

世界で通用する人材になるためには、
思考法や仕事の仕方についても、
何が標準で、どう行動したらよいかを知り、
スキルを身につけていく必要がありそうです。

私が読んだ限りでは、これからの時代、求められることが、
本書には全部入っている感じがします。

しかも説明される34のルールには、重要度が3段階で表示され、
体系的に学べるようになっています。

  「仕事が来たらすぐ“さっとアウトライン”を書く」

これは、本書に紹介されていたヤマモトさんが実践している
難しい仕事に対処するためのコツです。

「G人材」になることは、簡単なことではありませんが、
本書を読むことで、「G人材」になるための、
アウトラインがさっと書けることは間違いありません。

ヤマモトさんの文章は、押し付けや上から目線ではなく、
非常に聞きやすい語り口で好印象。

本書は、これから社会人になる人にも、
既に社会人になっている人にも読んで欲しい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「知らない人にメールを書くための例文(知的ナンパ術)」

1度しか会ったことがなかったり、まったく面識のない人に、
何か相談したいときは、どうしたらよいか?

人脈の乏しい私は、よく抱える問題です。

ヤマモトさんは、そういった場合にメールでコンタクトを
とるための例文を本書で紹介しています。
(例文は本書を参照してください)

1度も会ったことのない人だと、決してヒット率は高くないそうですが、
それでもたまにアポは取れるとか。

本書の例文、雛形として使わせてもらいます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あっという間に月25万PVをかせぐ人気ブログのつくり方

あっという間に月25万PVをかせぐ人気ブログのつくり方―これだけやれば成功する50の方法
あっという間に月25万PVをかせぐ人気ブログのつくり方―これだけやれば成功する50の方法

(2011/09)
OZPA 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「誰でも、ブログを開設して半年で月間25万PVを達成できる」

こう言われても、実際にブログを書いたことがある方なら、
そう簡単には信じられない人も多いでしょう。

なにせ、それを実現したご本人、
本書の著者OZPA(おっぱ)さんでさえ、次のように書いています。

  「ブログを開設した当初、つまり半年前の自分に、
  次のように言いに行けるとしても、
  半年前の私は、そんな話は信じることはないでしょう。

  君は半年後、最近はじめたブログがきっかけで、とある出版社さんから
  “本を出しませんか?”というお話しをいただくよ。
  そんで締め切りに追われてヒイヒイ言うことになるよ。」

しかし実際に、MAC、iPhoneアプリ、Evernoteの使用法などを
紹介するOZPAさんのブログ「OZPAの表4」は、2010年の12月に開設し、
翌年5月には月間25万PVを獲得するまでに急成長しました。

ちなみにPV(ページビュー)とは、閲覧回数。
俗に言うアクセス数です。

参考までに私のブログは、開設して4年半、投稿記事数1300本で、
ここ最近の月間PVは3万~4万程度ですから、
それと比較するとOZPAさんのブログが、
どれだけ急激にアクセスを増やしたかがわかると思います。

いかにしてOZPAさんは、短期間で人気ブログを作ったのか?

簡単にできる裏技的な方法を期待した方には申し訳ありませんが、
本書が教えるのは、正統的なアクセスアップの方法です。

最大のポイントは、良質な記事を自分が楽しんで書くこと。

本書の文体は、ずいぶんおちゃらけていますが、
OZPAさんは、アクセスアップだけや小銭稼ぎなどを目的とせず、
「自分の書きたいこと」と「人の役に立ちそうな記事」を
丁寧に書くことを心がけています。

更には、ブログを通じてOZPAさん自身を知ってもらおうと、
自分の魅力も伝えるつもりで記事を書いているのが、
読者を集めている大きな要因なのだと思います。

もちろん、ゲストライターとして書いた記事が
「はてなブックマーク」のバイラルループを起こしたり、
アクセスアップのために行った戦略も紹介されていますが、
本書から伝わってくるのは、ブログを書く楽しさです。

正しいことを、適切な方法と、適切なタイミングで行うことで、
誰でも人気ブログを作ることができると実感させる、
読んでいて気持ちの良い一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「@Sayobs氏の17の戦略」

OZPAさんは、ブログ「Last Day.jp」主宰の@Sayobsさんが
2010年11月にエントリーした記事
ブログを短期間で月間10万PVにする方法を公開します?
私の17の戦略

を参考にしたそうです。

  1. タイトル、タイトルそしてタイトルだ。
  2. 見やすいブログデザインにしよう
  3. 改行をいれてブログをすっきり見せる
  4. 最初の一文で読者の心を掴む!
  5. 誤字脱字のチェック
  6. 人気記事をサイドバーに見せる
  7. 記事の最後には関連記事を表示!
  8. WordPressでアクセスアップ&SEO対策
  9. はてブボタンとTweetボタンを作る。
  10 .RSS配信の文を最後にいれる。
  11. ブログ更新の時間を考える
  12. ブログの更新頻度
  13. プロフィールをしっかり書こう。
  14. ソーシャルメディアを駆使する
  15. 情報を出し惜しみしない
  16. ゲストライターになる
  17. HTMLとCSSをちょっと勉強しよう

私もこの記事を参考に、少しブログを変えてみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| IT・ネット | 07:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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敵を味方にする19のテクニック

敵を味方にする19のテクニック
敵を味方にする19のテクニック

(2011/10/01)
デヴィッド・J・リーバーマン 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:11

  「この本が教えるのは、敵を味方に変身させる心理テクニック。
  我慢してつきあうのではなく、
  相手をガラッと変えてしまう方法を解説する。」

こう語るのは、著者の心理学者、デヴィッド・J・リーバーマンさん。

この本の目的は、自分を変えるのではなく、
相手を変えてしまうこと。

果たして、そんなに簡単に相手を変えることなどできるのか?

リーバーマンさんは言います。

相手を変えるのは、自分のためではなく、あくまでその人のため。

誰だって、嫌なヤツにはなりたくない。
誰だって、人とケンカなんかしたくない。

本当は自分の欠点を変えたいと思っているのに、
自分ではなかなか変えられない。

だから、その人がより良く変わるために手を差し伸べる。

それが本書の心理テクニックの根底にある考えです。

  「この本が教えるテクニックは、人のさまざまな面を
  変えるために開発した。ただし、“変える”というのは、
  相手を支配して命令できるようにすることではない。
  目指しているのは、誰かを“いい人に変える”こと。
  その点に注意してほしい。」

本書は、このようなことが前書きで語られた上で、
19の心理テクニックが解説されています。

正直な感想を言うと、私にとっては少々期待はずれの内容でした。

例えば、いつも遅刻をして相手を待たせる友人を変えるテクニック。

  テクニック18-1 代償を払わせる

  「私は時間を守りたい、一緒に行きたいと思っているけど、
  決めたスケジュールを守れないようだったら、
  あなたなしで行かないといけない」

こうあらかじめ宣言して、待ち時間を過ぎたら置いていくというもの。

このテクニック(?)、私にはいたって普通の対応を
しているように感じます。

この方法が効果がないとは言いませんが、
心理学を駆使した、一味違ったような対応を
期待していたので、ちょっと拍子抜けです。

リーバーマンさんの本では、以前、
相手の隠しごとを丸ハダカにする方法」を紹介しましたが、
それに比べると、本書は全体的に説得力に欠ける感じがします。

また、本書の19のテクニックの導入には、
2ページ程のマンガが使われています。

このマンガも微妙。

本文の内容にはつながっているものの、
いまひとつ効果的に使われていない感じがします。

ちなみに、表紙のイラストは三田紀房さんですが、
本文のマンガは関達也さんが描いています。

この本から何を活かすか?

本書が残念なのは、原書の問題か、それとも邦訳の問題か?

この日本語版のアマゾンのカスタマーレビューは
2011年10月28日現在、まだ投稿されていません。

しかし、原書「How to Change Anybody」は、
2005年に出版されたもので、
米アマゾンでは15本ほどのレビューが投稿されていました。

  ・Don't waste your money
  ・Complete waste of time
  ・Common Sense

けっこう手厳しいレビューも、いくつか見られました。

翻訳本の場合は、先に原書の評判を見た方がいいかもしれません。

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| コミュニケーション | 09:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゼロから3年で100億円企業を作った男のガムシャラ仕事術

ゼロから3年で100億円企業を作った男のガムシャラ仕事術
ゼロから3年で100億円企業を作った男のガムシャラ仕事術

(2011/09/21)
森平 茂生 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

一大ブームとなった合成樹脂製のサンダル「クロックス」。

いまや大量の模倣品が出回り、
あの形のものは、すべてクロックスと呼ばれるほどで、
大人から子どもまでに愛用されています。

このブームを日本で仕掛けたのが、本書の著者・森平茂生さん。

クロックスはアメリカで2002年に設立されたブランドです。

森平さんは、2005年にハワイでクロックスと出会いました。

  「そのあまりの履き心地の良さに、ついには自分で
  クロックスを扱う事業をやってみたくなった。」

日本での代理店権を獲得するのではなく、
森平さんは、2005年にクロックス日本法人を設立します。

日本では全くの無名だったころから、決して安売りをせず、
「靴屋に売らない靴メーカー」としてブランディングをすすめます。

そして、全国的なブームを巻き起こし、
森平さんに率いられたクロックス日本法人は、
設立からわずか3年で年商100億円を突破することになります。

森平さんは、クロックスを始めて数年たったころ、
次のようなことを言う、何人かの人に出会ったそうです。

  「丁度、森平さんがクロックスを始める前かな~?
  私もクロックスをハワイで見つけてね。
  あれ絶対に売れると思ったからやろうと思ったんですよ。」

しかし、実際に行動を起こしたのは、森平さんだけでした。

なぜ、森平さんだけが行動を起こせたのか?
その差は一体、なんなのか?

  RISK TAKER

  リスクテイカーとは、困難に果敢にチャレンジし、
  成功を手にする人のことを言う。

森平さんと、気がついても行動できなかった人の差は、
リスクをとって一歩を踏み出したかどうかの差です。

本書では、森平さんが歩んできた道のりを通じて、
リスクをとりながらも、思いっきり情熱を傾けて
何かに打ち込むことの大切さを伝えています。

仕事術というタイトルになっていますが、ノウハウ本ではありません。
また、クロックスのブランドストーリーでもありません。

2008年、森平さんは更なる自分らしさ、新事業を求めて、
クロックス日本法人を退社しています。

本書は、クロックス立ち上げ以前とクロックス退社後も含めた、
森平さんのガムシャラな半生記になっています。

この本から何を活かすか?

本書では、「リスクテイカーの掟」が巻末付録としてまとめられています。

その中の記述に「自分の得意を3つ以上用意しよう」
というのがありました。

例えば、英語を話せる人がはたくさんいます。

また、マッサージ技術を持った人もたくさんいます。

しかし、英語も話せてマッサージができる人はそれほど多くいません。

更に、これに商業施設や流通に詳しいという3つ目の得意を加えると、
競合する人はほとんどいなくなります。

森平さんは、一見バラバラな3つの得意を組み合わせて、
ビジネスチャンスがないか考えるように提案しています。

ちなみに、英語、マッサージ、商業施設の知識の3つを組み合わせて、
森平さんが考えたのが、米国のショッピングモールで、
東洋的なマッサージのサービスを展開するビジネスです。

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| 仕事論 | 12:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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たった一度の人生を記録しなさい

たった一度の人生を記録しなさい  自分を整理・再発見するライフログ入門
たった一度の人生を記録しなさい 自分を整理・再発見するライフログ入門

(2011/09/30)
五藤隆介 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

人生を記録するライフログ。
面白そうだから、やってみたいけど・・・

私は、過去に数回、ライフログにチャレンジするも、
いずれも挫折していました。

私は本書を読んで、ライフログが続かなかった原因は、
「仕組み」がなかったからだと気づきました。

本書は、デジタル版「人生は1冊のノートにまとめなさい」。
ライフログの入門本というか、「Evernote」活用本。

著者は「goryugo, addicted to Evernote」というサイトを
運営する五藤隆介さん。

ライフログは続けることに意味がある。

しかし、最初の興味だけでは、
過去の私のように三日坊主で終わってしまいます。

そこで五藤さんが、本書で紹介するのは、
手間をかけずに続ける「仕組み」を作るコツ。

  1. デジタルの得意なところは、自分でやらない。
  2. 記録を日常生活の一部にしてしまう。
  3. 記録をゲームにする。

このコツを活かして仕組みを作るためには、
デジタルツールが必須です。

  スマートフォン ⇔ Evernote ⇔ PC

本書では、この3つを連携し、Evernoteを母艦とした
ライフログの仕組みを構築します。

ちなみに、Evernoteとは「どこからでも」、「どんな記録でも」
保存できるクラウド系のアプリケーション。

すべてのPC、携帯、スマホなどの端末からアクセスでき、
簡単に検索できるのが特徴のサービスです。

ライフログは、やはり逐一メモをとるのが必須。

私はそんな固定観念をもっていましたが、
本書では、メモをとるのが面倒なら、
気軽に「写真」をとってログを残すことを推奨していました。

  「写真だけでも十分ライフログとして成立する」

まず、スマホで1日の写真を撮りまくる。

日時と場所は自動で残っているので、
負荷をかけないように、無理にタイトルやコメントを
入れることをルール化しないことがポイント。

これなら、手間がかからず、続けられそうです。

ここで心配のなのは、写真ばかりだと、
Evernoteのアップロード制限だったり、
写真をアップロードする手間がかかること。

しかし、これらの問題も「FastEver Snap」や
「PictShare」といったアプリを使うことで解決できるようです。

本書は、Evernoteを使いこなせなかった人や、
私のように何度かライフログで挫折している人にとっても、
今度はできそうに思える入門書でした。

この本から何を活かすか?

  レシートは写真で撮って「家計簿」へ。

家計簿をつける第一歩は、レシートを残すこと。

しかし、レシートで財布が膨れてしまうのはイヤなものです。

そんな方に、五藤さんが提案するのが、
もらったレシートを、その場でパチリと写真に撮る方法。

この写真もEvernoteにアップしておけば、
写真の中の文字検索が可能なので、
後からの整理も簡単のようです。

家計簿に落とし込むのが面倒でも、
レシートを写真で撮って記録しておくだけで、
お金をマネージメントする効果がありそうですね。

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| ノウハウ本 | 09:13 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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スミスの本棚

スミスの本棚 私の人生を変えたこの一冊
スミスの本棚 私の人生を変えたこの一冊

(2011/09/22)
テレビ東京報道局ワールドビジネスサテライト 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:17

本書は、テレビ東京の報道番組「ワールドビジネスサテライト」
の中で2010年4月から放送中の1コーナー、
スミスの本棚」を書籍化したもの。

このコーナーでは、同局のアナウンサー森本智子さんが、
第一線で活躍する多彩なゲストにインタビューし、
視聴者に最もオススメする1冊を紹介します。

2011年10月現在は、隔週水曜日の放送で、
放送時間は約5分間。

この放送時間に対し、毎回のインタビューは1時間以上。

本書では、時間の関係で放送できなかった
インタビュー内容についても紹介されています。

  ・見城徹さん (吉本隆明 定本詩集)
  ・谷川俊太郎さん (ちんろろきしし)
  ・秋元康さん (太陽の季節)
  ・中川翔子さん (懲戒の部屋)
  ・野口聡一さん (宇宙からの帰還)

本書に登場するゲストは、42人。
かなりバラエティに富んだゲストのラインナップです。

実際の放送では、「笑っていいとも」方式で、
ゲストが自分の友達に次のバトンをつなぎますが、
本書では、あえてその順番を変えて掲載しています。

ゲストのつながりよりも、ゲストのメッセージで章分けし、
「困難に挑む人へ」、「発想のヒントが知りたい人へ」といった
カテゴリーに分けて掲載されています。

ちなみに、タイトル「スミスの本棚」の「スミス」には、
2つの意味があるようです。

1つは、経済学者のアダム・スミスさん。

もう1つは、スミスは英語圏では、最もポピュラーな名字なので、
「お隣さんの本棚」といった意味を含んでいるようです。

インタビューにおいて、「本」共通言語。

オススメ本から、ゲストの仕事に対する考え方や
人生観にまで話が及ぶので、インタビューとしても十分に楽しめます。

インタビュアーの森本さんが、ちょっとマジメ過ぎる感じもしますが、
毎回、ゲストの著書を読み込むなど、しっかりとした下準備のもと、
インタビューを行っているのがよくわかります。

このコーナーを担当し、多くの魅力的なゲストに会い、
そのゲストの著書と薦められる本を読む森本さんが
最も自らの成長を実感できていると思います。

私たち読者や視聴者は、少しでも森本さんに負けないよう、
ゲストの方々が発する英知やパッションを吸収したいものです。

この本から何を活かすか?

私は、人のウチへお邪魔すると、
まず本棚にどんな本が並んでいるかに目が行きます。

この「スミスの本棚」に並んだ42冊は、
さすがに42人のゲストで作られたものですから、
なかなか見ないラインナップです。

芸術家や文化人も多く登場するので、
ビジネス書を挙げる方は少数派のようですね。

私がこの42冊中、既に読んでいるのは6冊のみ。
残りの本を読むのが楽しみです。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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もうダマされないための「科学」講義

もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書)
(2011/09/16)
菊池 誠、松永 和紀 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

「キャベツ」には発ガン性物質が含まれています。

こう書いてしまうと、いかにも衝撃的で、
まるでキャベツが悪者のような感じがします。

早まって、ツイッターなどで「キャベツを食べるな」などと、
つぶやかないでくださいね。

実は、私たちが普通に食べる多くの食品には、
発ガン性物質が含まれています。

ポテトチップス、フライドポテト、ビスケット・・・

なぜ、これらの食品が問題にならないかというと、
発ガン性物質が含まれている量に対し、
それ以上のメリットがあるからです。

  「人類は発がん性のある食品を数多く食べてきましたし、
  今でも食べています。天然、自然の食品だから安全、
  リスクゼロというわけではありません。」

つまり、少しでもリスクのある食べ物を排除していくと、
私たちの食べ物はなくなってしまうというわけです。

キャベツに発ガン性物質が含まれていることが事実だとしても、
その部分だけを切り出して伝えるか、
背景も含めて伝えるかで、まったく伝わり方は違います。

その話しが、何を意図して語られているのかを
私たちは考える必要がありますね。

これは「報道と科学」の関係の話しで、
本書の第3章で解説されていました。

さて本書は、2010年よりシノドスが開いた「科学シリーズ」の
セミナーをまとめたもの。

シノドスとは、現代社会を多角的に検討する
「知」の交流スペースとして、芹沢一也さん、荻上チキさんが
立ち上げた集団のようです。

本書のメインテーマの一つは、
科学を装っているけれど、実は科学ではないもの。

それが、ニセ科学。

考えてみると、世の中ではけっこうニセ科学が流行りました。

脳内革命、マイナスイオン、血液型性格診断、
ホメオパシー、ゲーム脳、EM菌、百匹目の猿・・・

これらのように、既に本当の科学でないことが
ハッキリしたものに、今から騙される人は少ないでしょう。

しかし、同じようなニセ科学は、今後も次々と出てきます。

それらに騙されないためにも、
私たちは、科学とニセ科学を見分ける目を養う必要がありますね。

他にも、本書には科学にまつわる諸問題について
講義形式で解説されていました。

  第1章 科学と科学でないもの(菊池誠さん)
  第2章 科学の拡大と科学哲学の使い道(伊勢田哲治さん)
  第3章 報道はどのように科学をゆがめるのか(松永和紀さん)
  第4章 3・11以降の科学技術コミュニケーションの課題(平川秀幸さん)
  付録 放射性物質をめぐるあやしい情報と不安に付け込む人たち
   (片瀬久美子さん)

本書は、けっこうアカデミックな議論の好きな、
堅い本が好きな人向けかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書で意外に良かったのが、付録として掲載されていた、
科学とデマにまつわる片瀬久美子さんの話し。

この付録で片瀬さんは、デマ情報について
注意すべきポイントを解説しています。

ちなみに、片瀬さんのブログはこちら
  ・「warblerの日記

私たちは、もちろんデマに踊らされる側になってはいけません。

しかし、それ以上に私が感じたのは、
不用意にデマを流す側になってしまわないこと。

ブログやツイッターなどで、誰もが発信者になる時代ですから、
情報の出どころや信憑性には、注意を払わなければなりません。

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| 科学・生活 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本人の9割に英語はいらない

日本人の9割に英語はいらない
日本人の9割に英語はいらない

(2011/09/06)
成毛眞 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「現在、世界で起きている問題のほとんどが欧米発である。
  リーマンショックのせいで世界中を不況に陥れ、
  世界一化石燃料を消費して地球環境を破壊し、
  世界一戦争を起こしているのもアメリカである。
  わざわざ、このような英語圏の人と同類になり下がる必要はない。」

元マイクロソフト日本法人、成毛眞さんの英語不要論。

タイトルだけでなく、内容もかなり過激な発言が多い、
成毛さんらしい一冊。

  ・頭の悪い人ほど英語を勉強する
  ・創造力のない人ほど英語を勉強する
  ・早期英語教育は無意味である
  ・英語ができても、バカはやっぱりバカである
  ・帰国子女は不幸である

成毛さんは、英語は身につけなければならないと
固定観念を持っている人、あるいは英語ができないことに
引け目を感じている人に刺激を与え、
本当に自分に必要な教養は何かを考えるように促します。

  「英会話を習うより、本を読め!」

確かに、英語学習は費用対効果がイイとは言えませんから、
英語を捨てて、その分、他の教養を身につけるというのも
ひとつの戦略です。

英語はあくまで道具なので、使ってナンボ。

現在、英語を勉強中の人は、成毛さんの発言に
反応的にならずに、冷静に自分の英語学習の目的を
考えてみるべきだと思います。

月に数回しか車を運転する機会がないなら、
車を購入せずに、レンタカーやタクシーを使った方が、
駐車場代や税金などの維持費がかからなくてお得。

実際にそうしている人も多いでしょう。

道具として使う機会が少ないなら、英語学習についても
そういう選択肢を考えてみる柔軟性は必要かもしれません。

結局、成毛さんが主張したいのは、
思考停止で言われるがままに、英語を勉強するなということ、
もっともっと本を読んで教養を身につけよということです。

この2つが渾然一体として語られていますが、
個人的には、分けて考えた方がいいように思えます。

また、本書では多読家の成毛さんらしく、
英会話の勉強より優先して読むべき12冊の本が紹介されていました。

その内3冊は当ブログでも紹介済み。

  ・グーグル秘録
  ・ぼくらの頭脳の鍛え方
  ・友達の数は何人?

私の読んだ本から推し量ると、残りも本もハズレはなさそうです。

この本から何を活かすか?

私は、なぜ、「NHKラジオ実践ビジネス英語」を聞き続けるのか?

この番組、私にとって英語の勉強のようで、
実際は英語の勉強ではありません。

  「英語はどこまでいっても暗記するしかない科目である」

つまり英語の勉強で、教養は高められないと。

成毛さんのこの考えに立って、
純粋に道具として英語力を身につけたいなら、
もっと違う番組を聴いた方がいいのかもしれません。

しかし、「NHKラジオ実践ビジネス英語」は、
私にとって、英語学習というより、むしろ「教養」。

この番組の面白さは、成毛さんが紹介する本に引けをとりません。

今は、ラジオでなくてもインターネットでも聞けますから、
聞いたことがない方は、是非、聞いてみてください。

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| 勉強法 | 06:52 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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清貧と復興 土光敏夫100の言葉

清貧と復興 土光敏夫100の言葉
清貧と復興 土光敏夫100の言葉

(2011/08/03)
出町 譲 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

日本は、かつてない危機を克服するために新しいリーダーを求めています。

それは昨日の記事で紹介した本、
大前研一さんの『「リーダーの条件」が変わった
でも書かれていました。

大前さんの理想のリーダー像とは、少し違うかもしれませんが、
土光敏夫さんは、まさに有事に力を発揮するリーダーです。

  「総理大臣が毎年のように代わり、リーダーの言葉が信頼できない時代。
  バラマキ政策を吹聴し実現した政権交代。
  そんな中、日本は東日本大震災に見舞われた。
  未曾有の危機の克服、さらに復興が求められている。
  また日本中が原発事故に起因する過酷な節電を強いられている。
  そんな状況だからこそ、土光のような執念をもった生き方、
  そしてその生き方が刻み込まれた土光の言葉の力が必要だと切に思う。」

土光敏夫さんは、エンジニア出身で石川島播磨重工業社長、
東芝社長を歴任し、経済団体連合会の会長も務めた方。

その後、1981年には臨時行政調査会の会長を引き受け、
JR、NTT、JTの民営化を打ち出すなど、「行革の鬼」と呼ばれました。

また、モーレツな経営手腕、厳しい行革への姿勢を持ちながらも、
私生活は清貧そもので、「めざしの土光さん」と呼ばれることもありました。

本書は、そんな土光さんの100の言葉をヒントに、
これからの日本が進むべき道を見つけようとする一冊。

著者はテレビ朝日「報道ステーション」ニュースデスクの出町譲さん。

土光さんの金言と、その人生を振り返りながら、
今、日本には、そして私たちには何が必要なのかを探ります。

  「壁を毎日破れ」
  「自分の火種は、自分で火をつけよ」
  「社員は3倍、役員は10倍働け、僕はそれ以上働く」
  「個人は質素に、社会は豊かに」
  「総理をやる覚悟は、自分の命を捨ててかかる」

私は、「土光臨調」時代のニュースが、
かすかに記憶にある程度だったので、
本書を読むことで、はじめて土光さん知ったようなものです。

活躍した分野や性格こそ違いますが、
私がこのブログで何度も紹介する本多静六さんに
共通したものを感じました。

  「大震災後のニッポンが復興に向かい今こそ、“土光敏夫”のような
  目標を設定して突き進むリーダーが必要だと強く感じた。
  また、節電パニックがこの国を覆っているが、今こそ、
  土光の清貧の精神に光を当てるべきだとも考えた。」

出町さんのこの言葉に、まさに私も同感です。

そして、嬉しいことに出町さんは、
土光さんのDNAを受け継ぐリーダーが今の日本にもいると
本書の最後で言っています。

それは、日本電産の永守重信さん、コマツの坂根正弘さん、
農業を営む岡本重明さん、鹿屋市柳谷の公民館長の豊重哲郎さん、
セブン銀行の安斎隆さんなど。

実は、本書で紹介された5人は岡本重明さん以外は、
皆70歳前後の年齢の方ばかりです。

そのような年齢の方が、日本を引っ張っていく力になるのか?

一瞬、私はそう考えましたが、大丈夫だと確信しました。

なぜなら、土光さんが臨調の会長に就き、
行革の鬼として活躍したのは80歳を超えてからだからです。

この本から何を活かすか?

年齢のことで言うと、土光さんの母親もまた凄い。

土光さんの母親、土光登美さんは、
昭和41年のご主人の一周忌の時、
当時70歳の年齢で「学校を建てたい」と言い出しました。

  「子どもを育てるのは母親。女子教育をしっかりやることが
  国をつくる基礎になる」

この理念の下、お金も土地もない中からスタートし、
その翌年には「橘女学校」を新設しました。

よく遅咲きの起業家として、ケンタッキー・フライドチキンの
カーネルサンダースさんの例が挙げられますが、
時代背景なども考えると、それに勝るとも劣らない偉業ですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 09:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「リーダーの条件」が変わった

「リーダーの条件」が変わった (小学館101新書)
「リーダーの条件」が変わった (小学館101新書)

(2011/09/20)
大前 研一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「そもそもリーダーは万能ではないし、あらゆる知識を
  持っているわけでもない。むしろ自分以上の知識や能力を備えた人材を
  選び抜いてそばに置き、彼らが上司(すなわち自分)の判断に対しても
  異論を唱えられるような有機的なチームを作る能力こそが求められる。
  それら優秀な部下たちをマネージし、彼らの意見を聞いた上で、
  総合的に判断して結論を下す
  -それがリーダーのあるべき姿だと思う。」

本書は、大前研一さんが求めるリーダー像をまとめたもの。

大前さんが連載する雑誌「SAPIO」と「週刊ポスト」(いずれも小学館発行)
に掲載された記事を中心に、加筆・編集したものです。

現在の日本のリーダーの不甲斐なさを見れば、
大前さんでなくても、嘆きたくもなります。

冒頭で紹介した大前さんが考えるリーダー像は、
昔からあった本来のリーダー像であって、
なにも最近になって、条件が変わったわけではないと思います。

ただ、東日本大震災などの有事において、
リーダーの実力が如実に現れました。

そして、現在の日本が置かれている状況は、
少なくとも誰が首相をやっても乗り越えられるような
簡単なものではありません。

ですから、今まで以上に真のリーダーが求められているのです。

未曾有の危機に瀕している日本のリーダーが
喫緊で取り組むべき課題として、大前さんは次の3点を挙げています。

  1つ目は、国家債務危機による日本経済のメルトダウンを防ぐこと。

  2つ目は、21世紀の新しい世界地図に対応した
  新しい外交の座標軸を定めること。

  3つ目は、人材を強化すること。

確かに、大前さんの指摘する課題に対処しなければ、
世界の中での日本の地位が失墜するどころか、
今ギリシャに起こっていることが、明日は我が身となります。

本書では、大前さんらしくグローバルな視点で、
世界の優れたリーダーから学ぶべき点を挙げ、
最後には、「私がリーダーだったら日本の諸課題をこう乗り越える」
という提言が示されています。

学ぶべきリーダーとして、ロシアのメドベージェフ大統領の
例が紹介されていたのが、私には意外でした。

いかし、今の日本においては、どこの国のリーダーからも
真摯に学ぶことが大切なのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「日本の水道水は“塩素”にこだわりすぎているという問題がある。
  (中略)オランダなどでは塩素ではなくフッ素を加えているし、
  アメリカではフッ素と塩素を両方使っている。
  フッ素の利点は虫歯の予防ができることである。
  だからオランダ人やアメリカ人は虫歯が非常に少ない。
  ところが、日本は水道水にフッ素を加えようとすると、
  歯科医師の経営にマイナスの影響が出るといった理由から、
  実現できていない。」

これは、本書の水道事業民営化の提言の中に出てきた話し。

私たちは歯医者を食わせていくために、
本当は予防できるのに、あえて虫歯になり、
延いては保険料の支払いとして
国民の負担を増加させているということでしょうか?

さまざまな思惑や利権が絡む、水道水へのフッ素添加問題。

いろいろと喧伝されている部分もあるようなので、
個人的には、もう少し科学的なデータを調べてみたいと思います。

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| リーダーシップ | 10:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コトラーのイノベーション・マーケティング

コトラーのイノベーション・マーケティング
コトラーのイノベーション・マーケティング

(2011/09/16)
フィリップ・コトラー、フェルナンド・トリアス・デ・ペス 他 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:25

80歳になっても、なお精力的に著作を発表する
マーケティングの大家、フィリップ・コトラーさん。

今回は、「イノベーション」というテーマに正面から取り組みます。

本書は「コトラーのマーケティング思考法」でも共著者だった、
フェルナンド・トリアス・デ・ペスさんとの共著です。

お2人はイノベーティブと見なされる多くの企業を分析しました。

アップル、グーグル、ネットフリックス、3M、P&G、
GE、トヨタ、サウスウエスト航空、スターバックス・・・

その結果生まれたのが、アイディアをイノベーションに変える
「A-Fモデル」です。

これは従来のイノベーション・プロセスが、
ひとつひとつのステップを経る多段階モデルであったのに対し、
先に役割を決めることで、段階のないプロセスのなかで、
協働を生む全く新しいモデルです。

  「段階ではなく役割でとらえるという、パラダイムシフト」

イノベーション・プロセスを、「野球型」から「サッカー型」に
変えたと考えると、分かりやすいかもしれません。

野球では、守備の時は全員で守りますが、
攻撃の時は、一人ひとりバッターボックスに立ちます。

自分の打順(段階)が回ってこなければ、何もできませんし、
敗因を打てなかった人の責任にすることもできます。

一方、サッカーでは全員がそれぞれの役割を果たしながら、
同じフィールドに立っています。

攻撃している場面でも、守っている場面でも
常に同じ段階に参加していることになり、
状況によっては、ディフェンスの選手がゴールを決めることもあります。

コトラーさんが示す、「A-Fモデル」は、
常にゲームに参加しながらも、それぞれの役割が決まった
サッカー型のモデルと言えます。

それでは、このイノベーション・プロセスには、
どのような役割があるのか?

それは、次のAからFまでの6つの役割です。

  A : アクティベータ(イノベーション・プロセスを始動する)
  B : ブラウザ(情報収集を行う)
  C : クリエーター(新しいアイディアを生む人)
  D : デベロッパ(アイディアを製品やサービスに落とし込む)
  E : エグゼキュータ(導入と実行を担当)
  F : ファシリテータ(プロセスが行き詰らないよう後押し)

正直、本書を読んだだけでは、「A-Fモデル」の実用性はわかりません。

しかし、個人的には、イノベーションを生むための
一つのポイントは柔軟性だと思っていますので、
その意味では、優れたモデルのように感じました。

あと、これは出版社の販売戦略ですが、
コトラーさんだからと言って、邦題に何でもかんでも
「マーケティング」と付けるのは、どうかと思います。

この本から何を活かすか?

  アイディア創出の手法「シネティクス」

これは本書で紹介されていた問題解決方法の一つで、
M・プリンスさんとウィリアム・J・ゴードンさんによって
考案された手法。

シネティクスは、既知のものを未知のものへ(訓質異化)、
未知のものを既知のものへ変える(異質訓化)ようです。

1960年代以降、未公開企業から上場企業、公的機関に至るまで、
さまざまな組織で使われている手法だとか。

私は、「シネティクス」は本書で始めて知りましたので、
もう少し具体的な例を詳しく調べてみようと思います。

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| アイディア・発想法・企画 | 09:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マーケターの知らない「95%」

マーケターの知らない「95%」  消費者の「買いたい!」を作り出す実践脳科学
マーケターの知らない「95%」  消費者の「買いたい!」を作り出す実践脳科学

(2011/07/28)
A・K・プラディープ 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

消費者の心理が知りたい。

そう思って今まで多くのマーケターは、アンケートやインタビュー、
その他の市場調査を行ってきました。

しかし、その調査をもとに発売された新製品の8割は失敗に終わります。

なぜ、入念なリサーチをおこなっているにもかかわらず、
消費者の心理を読み違えるのか?

  「人間の脳は様々な感覚器官から入力された情報の
  最大95%を潜在意識のレベルで処理している。」

要するに、消費者が意識している部分はわずか5%であり、
その部分だけに目を向けて調査をしても、
本当に知りたい答えは出てこないということです。

例えばアンケート。

これは、消費者が意識している部分を自己申告してもらうもの。
潜在意識レベルのニーズはなかなか引き出せません。

しかも、アンケートにはもっと根本的な欠陥があります。

  「ある事象にどう反応したかを質問された被験者の脳は、
  回答する際に本来記録してあったデータを書き換えてしまう。」

アンケートは、潜在意識を引き出せないどころか、質問に答えることで、
間違った答えを引き出してしまう可能性があるということです。

さて、本書はニューロマーケティングの入門書。
95%の潜在意識、つまり脳が本当に買いたいものを探る本。

ニューロマーケティングとは、脳科学の立場から、
消費者の脳の反応を測定し、購買心理などを解き明かし、
マーケティングに応用しようとするものです。

  「本書のテーマは、脳がどうやって買うことを決め、
  なぜその決定に至ったかについての理解を深めることだ。」

著者は、世界有数のニューロマーケティング会社、
ニューロフォーカス社のCEO、A・K・プラディープさん。

本書では、ニューロマーケティング会社の保有するデータや
フレームワークが惜しげもなく公開されています。

脳と五感、高齢脳、女性脳、母親脳、共感脳。

それぞれの関係や特徴を解明し、実際にどのように
商品開発やマーケティングに活かすかが解説されています。

パッケージや店舗環境、更にはソーシャルメディアと
脳の関係にまで踏み込んでいるのが特徴的。

過去にもニューロマーケティング関連の本は
何冊か見かけましたが、煽りだけで内容が無い本もありました。

しかし、本書は中身を伴った本格派。
しっかりと腰を据えて読みたい本です。

この本から何を活かすか?

  「ポップアウト現象」

  「ある物体が何らかの形で非常に目立ち、飛び出しているかのように
  知覚される現象を“ポップアウト現象”と呼ぶ。(中略)
  ポップアウトは新奇性の原理の応用例の1つで、
  その効果はずば抜けている。」

本書では、脳神経学的にポップアウトを
どのように組み込めば良いかのヒントが示されています。

何かのレイアウトを考えるときに参考になりそうですね。

  1. ポップアウトは視野のどの部分に登場してもかまわない。
  2. ポップアウトの数は、1つか2つに限定すべきだ。
  3. 画像によるポップアウトは、視野の左側が有効。
  4. 言葉や数字のポップアウトは、視野の右側が有効。

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| | 10:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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伊藤Pのモヤモヤ仕事術

伊藤Pのモヤモヤ仕事術 (集英社新書)
伊藤Pのモヤモヤ仕事術 (集英社新書)

(2011/09/16)
伊藤 隆行 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:13

テレビ東京の名物プロデューサー、伊藤隆行さんが
17年間のサラリーマン生活で培った仕事術を伝授する本。

伊藤さんと言えば、私は見たことがありませんが、
モヤモヤさまぁ~ず2」、「やりすぎコージー」などの
人気のバラエティ番組を手がけたことで有名のようです。

本書のタイトルと「伊藤P」という呼び名も、
「モヤモヤさまぁ~ず2」からきているんですね。

バラエティ後発のテレビ東京で、
いかにして伊藤さんは画期的な番組を生み出したのか?

本書では、その秘密が語られます。

  第1章 最下位局・テレビ東京で育って
  第2章 プロデューサーという仕事
  第3章 企画の考え方
  第4章 サラリーマンとしての仕事術-テクニック編
  第5章 伊藤Pのモヤモヤ仕事術
  第6章 テレビについて考えること-五番勝負

  「私、伊藤隆行は他人の力で生きてます。
  他人の意見に左右されます。でも、それでいい。
  なぜなら、テレビ番組も自分も、
  自分が評価しているのではないから。
  他人の評価が“評価”だから。」

この発言からわかるように、伊藤さんは非常にマジメな方。

担当している番組や本書の語り口はやわらかいものですが、
伊藤さんの仕事振りは、そのイメージとは違います。

また、いわゆる世間のテレビプロデューサーのイメージとも
また違った印象を受けます。

これは、伊藤さんのファンの方からすると、
逆に期待を裏切っているのかもしれませんが、
すごく、真剣に番組を作っている様子がわかります。

そしてもう一つ感じるのは、伊藤さんのテレビ東京への愛。

開局以来、ずっと視聴率最下位をキープしている
唯一無二のテレビ局。

たまにイイ企画の番組があっても、
他局にパクられて終わっていく。

それがテレビ東京。

その中で、他のキー局とどのように戦っていくのか?

伊藤さんは、テレビ東京の置かれている環境を受け入れています。

その上で、「弱者の戦略」をしっかりと考えている。

これは、業界のマイナーなポジションの会社に勤めている
一般のビジネスパーソンにも参考となる仕事の仕方ですね。

  「誰でも自分の中の1%だけは天才です。
  だけど、誰でも自分の中の99%は完全に凡人です。」

これを自分の中に抱いて行動する。
それが伊藤さんの「モヤモヤ仕事術」。

この本から何を活かすか?

我が家にとって、テレビ東京はよく見る局です。

子どもがアニメを見て、妻が旅とグルメ番組を見て、
私が経済ニュースを見る。

いずれもテレビ東京の得意なところにピタリと
はまっている感じです。

しかし、本書を読むまで、正直、テレビ東京のバラエティ番組には
ほとんど注目していませんでした。

「モヤモヤさまぁ~ず2」見てみます。
その上で、もう一度本書を読み直してみたいと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ソーシャルゲームはなぜハマるのか

ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足
ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足

(2011/09/14)
深田 浩嗣 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

  「本書が対象としている読者は次のような方々です。
   □ ソーシャルゲームの面白さが理解できない方
   □ うっかりソーシャルゲームにはまったことを
    周りに打ち明けられない方
 
  おっと・・・世の中そんな方ばかりかもしれません。
  次のような方も対象です。
   □ 顧客ロイヤリティの維持・向上を考えなれればならない立場の方」

私が本書を手にした理由は、最初のソーシャルゲームの
面白さが理解できなかったからです。

ちなみに、ソーシャルゲームとは、GREEやMobage、
あるいはミクシィなどのSNS上で提供されるオンラインゲーム。

最近は従来の携帯電話からだけでなく、
スマートフォンからのアクセスも増えているようです。

本書には、そんなソーシャルゲームに疎い私には
驚くべきデータが示されていました。

2007年4億円→2008年48億円→2009年231億円→2010年1036億円

これ、何の数字かわかりますか?

数字だけ見ても、すごい成長ぶりですね。

この数字は、国内のソーシャルゲーム市場において、
「有料アイテム」単独での売上金額の推移です。

こんなに有料アイテムを買う人が増えていることにも驚きですが、
更に私を驚かせたのは、年代別課金率でした。

どの世代が、有料アイテムを買う率が高いと思いますか?

私はてっきり20代の方が、最も買っている率が高いと
思っていましたが、実際は違いました。

GREEやMobageで若干の差はありますが、
実は、最も課金率が多いのが「50代以降」、
次いで「40代」が多くなっていました。

けっこう、私の年代の40代でもソーシャルゲームに
はまっている方がいるってことですね。

さて、本書の著者、深田浩嗣さんには次のような主張があります。

  「ソーシャルゲームは社会にとって有益である」

それは、単にゲームの中だけの話ではなく、
ソーシャルゲームのはまる仕組みを明らかにすることで、
フレームワークとして企業活動に活かせるからです。

それが本書の副題にもなっている「ゲーミフィケーション」。

語感からすると、ゲーミフィケーションとは、
ゲームをすることと勘違いされがちですが、
正しくは、ゲームの仕組みをゲームでない分野に
応用する概念です。

様々な仕掛けで顧客をひきつけ、持続的にやる気を引き出し、
ロイヤルティを高めてもらう仕組みです。

深田さんは、本書で実際のソーシャルゲームの
フレーワークの分析をしつつ、
ビジネスの仕組みとして応用できるよう丁寧に解説しています。

この本から何を活かすか?

私はソーシャルゲームの面白さが理解できないどころか、
ソーシャルゲームで遊んだことが一度もありません。

  「もしまだソーシャルゲームを遊んだことがなければ、
  この機会にぜひ一度遊んでみてください。」

せっかく、本書を読んだので、娘のiPod Touchに入っている
ソーシャルゲームをやってみよう!

そう思って、久しぶりにiPod Touchを開けてみると、
中には100以上のゲームアプリが・・・

いったい、どれがソーシャルゲームなんだ?

下手にいじると、文句を言われそうなので、
ここは、娘が帰ってきてから、許可を得てからやるほうが賢明かな。

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| IT・ネット | 11:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ブラック・スワンの箴言

ブラック・スワンの箴言
ブラック・スワンの箴言

(2011/09/09)
ナシーム・ニコラス・タレブ 著  望月衛 訳 商品詳細を見る
満足度★★★
付箋数:18

ハッキリ言います。

私は、本書は高く評価され過ぎていると思います。
それはナシーム・ニコラス・タレブさん自身についても言えること。

  「これから書く箴言は、どれもある意味
  プロクルーステースのベッドにかかわるものだ。
  知識の限界、つまり自分には観察できないもの、
  見えないものや知らないものに直面すると、私たち人間は
  人生や世界を、わかりやすくてありふれた考え、
  目立つところだけ焦点を当てた紋切り型、特定の用語、
  出来合いの講釈に押し込もうとする。」

本書は、「ブラック・スワン」がベストセラーになり、
過激な発言で話題の多い、タレブさんの箴言集。

箴言とは、いましめとなる短い句。

  ・対立するのが一番怖い相手は誰かといえば、自分自身だ。

  ・バカを破産させたかったら情報をくれてやればいい。

  ・信仰は「信じること」だと思っている人たちに
   信仰はわからないし、信じることもわからない。

  ・氷と水の中間なんていうものはない。でも、生きていると
   死んでいるのの中間の状態はちゃんとある。雇われの身だ。

  ・だいたいの人は、見えない、あるいは聞こえない状態を怖がる。
   自分で考え、自分で想像すると、
   同じことばかり繰り返してしまうからだ。

本書には、このような箴言が392本掲載されています。

それでは、タレブさんは、一体、何を戒めたいと思っているのか?

それは私たち誰もが、気づかないうちにやっていること。

合理的思考の罠です。

私たちの脳は、多すぎる情報や複雑な事象に対処するときに、
すでにわかっていることに結び付けて、
思考をショートカットしてしまう習性があります。

いわゆるヒューリスティックと呼ばれる認知バイアス。

起きている事象を、自分の知っている枠組みに押し込むときに、
適当なサイズに脚を切って、本当は存在しないものを見てしまう。

この行為が、冒頭に紹介したタレブさんの発言の中にある
「プロクルーステースのベッド」の話につながるわけです。

ちなみに、これはギリシャ神話の一つで、
「プロクルステスの寝台」とも呼ばれます。

ギリシャのアッティカ半島に住んでいた
追いはぎ泥棒プロクルーステース。

彼は旅人を捕まえ、自分の隠れ家に連れていくと、
豪勢な晩餐を与えた後、鉄のベッドに寝かせます。

そして、旅人の身長が寝台よりも長ければ、
はみ出た分だけ脚を切り落とし、
短ければ、綱で引っ張って寝台の長さに合うまで
体を引き伸ばします。

このことから、「プロクルーステースのベッド」とは、
ある基準や約束をこちらの勝手な事情で決めてしまって、
無理矢理それに相手を従わせることを意味する言葉として
使われています。

本書の箴言は、いずれも皮肉たっぷり。
おもいっきりタレブさんの世界に浸ることができます。

これを翻訳した望月衛さんは、やっぱり凄いですね。

さすがに過去にいくつものシニカルな作品を
翻訳しているだけのことはあります。

この本から何を活かすか?

ここで一つ種明かし。

本当は、私はこの記事の冒頭に書いたように、
本書や、タレブさんの評価が高過ぎるとは、
まったく思っていません。

それは、本書の中の次の箴言に従って書いたものでした。

  「人に読んで欲しい本があるなら、
  あの本は高く評価されすぎだと言えばいい。」

効果のほどは、どうでしたか?

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| 経済・行動経済学 | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事ができる社員、できない社員

仕事ができる社員、できない社員
仕事ができる社員、できない社員

(2011/09/02)
吉越 浩一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

  「そもそも、二〇代後半から三〇代半ばまでに
  ヘッドハンターから一度も声がかからないなら、
  その人はビジネスマンとしての実力、社会人としての魅力に
  欠けていると自覚したほうがいいかもしれません。」

元トリンプ・インターナショナル・ジャパン代表取締役
吉越浩一郎さんが、本書で求める人材のレベルは高い。

恐らく、吉越さん自身、ヘッドハンターから
声がかかった経験があるので、このような基準になるのでしょう。

吉越さんは、会社に必要とされる人が2割、
その他大勢が8割と言っています。

しかし、実際にヘッドハンターから声がかかる人は、
もっともっと割合は少ないのではないでしょうか。

それはさておき、吉越さんに求められるような
レベルの高い人材に一足飛びになれなくても、
それを目標に地道に努力していくことは必要です。

それでは、どのような人が手放したくないと思われる人材なのか?

本書で示されるのは、仕事ができる人の48の特徴。

例えば、第1章の「こんな“考え方”ができる人」では、
次の7つの特徴が挙げられています。

  ・「勝ち負け」にこだわる人
  ・「結果がすべて」と考える人
  ・あえて逆境に身を置ける人
  ・運、不運にとらわれない人
  ・「損な役回り」を買って出る人
  ・いつか独立したいと考えている人
  ・バカになれる人

これらは、吉越さん自身が実践してきたこと。

更に吉越さんがトリンプで19年間にわたって経営者として
多くの社員と接する中で、絶対に手放したくないと思った
社員の特徴でもあるようです。

本書では、様々な角度から「仕事ができる人」と「できない人」の
違いを挙げ、どうしたら求められる人材になれるのか、
その方法についても述べられています。

本書の良い点は、「デッドライン」や「早朝会議」といった
ひとつの仕事のやり方に特化した内容ではなく、
どんな職場、どんな職種でも通用する
普遍的な仕事のやり方を扱っていることです。

ただし、吉越さんもトリンプの社長を辞めて既に5年。

個人的には、吉越さんが退任した当初の著書に比べて、
本書は客観的な視点で語られている分、
以前ほどの迫力がなくなったように感じました。

この本から何を活かすか?

  「常に集中力のある人などいません。
  ただ、集中力を上げるための条件や方法はあります。
  まずは、睡眠が十分であること。(中略)
  次に、静かに仕事ができる環境が整っていること。
  最後に、仕事に“デッドライン”が設けられ、
  締め切り間近な状況であることです。」

吉越さんが集中力を上げるためにトリンプの社長時代に
導入したのが「がんばるタイム」。

午後の2時間は、同僚と話をしたり、コピーをとるなど
立って歩くのも禁止して、一斉に仕事に集中する時間を
作ったことは有名です。

私は最近、集中力の欠如を感じるので、
自分で「がんばるタイム」を設定してみようと思います。

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| 仕事論 | 06:19 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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自分を超える法

自分を超える法
自分を超える法

(2011/07/23)
ピーター・セージ 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

人は、多かれ少なかれ誰もが「安定感」を求めます。
これは、人が持っている最も基本的なニーズ。

しかし、安定感を求めすぎるとマイナスの影響が出てしまいます。

私は、今の日本の活力の無さや、閉塞感があるのは、
安定を求めすぎた結果のように感じます。

本書の著者、ピーター・セージさんは言います。

  「人生の質は、あなたが居心地のよさを感じられる、
  不安定感の量に正比例する」

ポイントは、大きすぎる不安定感ではなく、
居心地よいと感じられる程度の
微妙なバランスの不安定感であること。

セージさんが言う不安定感とは、リスクとも解釈できますね。

本書は、成功するためのいわゆる自己啓発本。

ただし、既存の自己啓発本と少し毛色が違います。

それは章立てでもある、次の「5つの法則」を見るとわかります。

  法則1 成功の心理学
  法則2 お金の作り方
  法則3 リーダーシップを高める
  法則4 世界観をつくる
  法則5 10倍強くなる文章術

自己啓発本で心理面を語るのは必須項目ですから、
法則1や法則4が入っているのは当然でしょう。

また、成功法則とお金の関係も同時に語られることが多いですし、
リーダーシップがここに入っていても違和感はありません。

しかし、法則5の「10倍強くなる文章術」が
この法則に入っているのは、かなり変わった感じがします。

なぜ、自己啓発本にコピーライティング術が入っているのか?

その謎は解く鍵は、セージさんのプロフィールにあります。

セージさんの肩書きでは、当時27歳で、
世界No.1コーチであるアンソニー・ロビンズさんの
「史上最年少公式トレーナー」になったことが前面に出ています。

しかし、実際のセージさんは叩き上げの起業家。

むしろ私にとっては、全米NO.1コンサルタントで、
名著「ハイパワー・マーケティング」の著者である、
ジェイ・エイブラハムさんのビジネスパートナーであることの方が
目を引きました。

ですから、本書は自己啓発本でありながら、
根底には、セージさんの起業家スピリットが脈々と流れています。

本書の「自分を越える」とは、ビジネスで成功することであり、
そのためにはマーケティングは重要なテーマ。

そして、マーケティングで欠かせないのが、
コピーライティング術を解説した
法則5の「10倍強くなる文章術」というわけです。

本書は、ビジネスパーソンが読む自己啓発本としては、
実用的な内容になっています。

この本から何を活かすか?

私がセージさんが行っている事業の中で、
最も注目したのが「Space Energy」というプロジェクト。

実現性の度合いはわかりませんが、
宇宙空間で太陽エネルギーを発電し、地球に供給することを
目指しているようです。

こちらが、TEDxでのセージさんの講演内容です。



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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:46 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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最強の人生時間術

最強の人生時間術(祥伝社新書247)
最強の人生時間術(祥伝社新書247)

(2011/09/02)
齋藤 孝 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「本書はよくある時間管理術の本ではありません。
  “人生”を見据えた“最強の時間術”の本です。
  では、どんなところが“最強”なのでしょうか?」

本書のプロローグは、このように始まります。

齋藤孝さんが、本書を「最強」と謳う理由。

それは、本書が「人生」という視点で時間管理を語っているから。

確かに、今を効率良く生きるタイムマネジメントも必要ですが、
一生の人生を振り返ってみて、充足感の高い過ごし方が
できていれば、それは幸せなことですね。

齋藤さんは、人生はギアチェンジすることが
必要だと言っています。

そこで本書ではヒンドゥー教の「四住期」に習って、
人生を4つに区分し、それぞれのライフステージに合った
時間管理の仕方を提案しています。

  第1期 狩猟期 30歳~45歳
    社会的人生の盛りの時期、最優先事項は「向上」
  第2期 ダブルスタンダード期 45歳~60歳
    仕事と余生の準備の2つの価値観を持つ時期
  第3期 円熟期 60歳~75歳
    自分の望む第2の人生を再デザイン
  第4期 ゼロ出力期 75歳以上
    時を過ごすことで悟りに近づく

ちなみに、0歳~30歳までは、齋藤さんの「四住期」に
含まれていません。

それは、20代までは時間について考える前に、
ガムシャラに頑張ってみることの方が大切だから。

齋藤さんは、あえて20代までを外したようです。

また本書では、人生の中には第1期の「一人前山脈」と
第3期の「ゴールデンタイム山脈」という
2つの質の異なるピークがあるとも説明されています。

大切なのは、この2つの山脈をスムーズに移行すること。

既存の時間術の本では、あたかも今が永遠に続くように、
ひたすら時間の効率化を目指しますが、
本書では、終わりを見据えて、
時間の使い方を意識的に変えていくことが新鮮でした。

と言っても、齋藤さん自身が現在50代なので、
四住期の中では、まだ前半の第2期を過ごしているわけです。

ですから、第3期・第4期については、
齋藤さんが目標としている生き方なのだと思います。

この本から何を活かすか?

私は、齋藤さんの四住期で考えると、
丁度、第1期から第2期に移ったところです。

今までは、効率を高める時間術にしか目が行きませんでしたが、
もう少し人生の質を高める時間の使い方に注目したいところです。

本書の中で、私が気になったのは次の2点。

  ・死ぬまでにやっておきたいことを始めよう
    ここでのポイントは、新しく始めることの上達を考えないこと

  ・45歳から始める質の高いダラダラ読書
    速読ではなく、時間をかけてその作家のワールドに浸る

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| 読書法・速読術 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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無料ビジネスの時代

無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書)
無料ビジネスの時代: 消費不況に立ち向かう価格戦略 (ちくま新書)

(2011/09/05)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

 Q1. コーヒー1杯無料の券をあちこちで配布するカフェA。
  2杯目や3杯目を飲もうとすると、それらは有料となります。
  一方、カフェBでは、1杯目のコーヒーは有料ですが、
  おかわりで2杯目や3杯目を飲むときにには無料です。
   
  いまどきの賢いカフェ経営者なら、どちらを選ぶでしょうか?

このクイズは、吉本佳生さんがミスタードーナツでカフェオレを
飲みながら、マクドナルドのコーヒー1杯無料券がついた
雑誌を読んでいて思いついたそうです。

もちろん、カフェAはマクドナルドのことで、
カフェBはミスタードーナツのことです。

一見、コーヒーの無料提供という事実だけを見ると、
どちらも同じような価格戦略のように思えますが、
その裏にある動機や、狙っている顧客層、
他の商品の売り上げへの影響はまったく違います。

本書で「無料ビジネス」として考察されるのはカフェAの価格戦略。

これは、お店や企業が最初になにかを無料で提供して、
全体では利益を増やそうと狙うビジネス手法です。

  第1章 無料ビジネスとは? 2タイプのコーヒー無料から考える
  第2章 共同購入型クーポンVS.無料ビジネス 生き残るのは?
  第3章 TDLとUSJのアトラクション無料 入場料金値上げとの関係
  第4章 予算制約VS.時間制約 消費者のどこをまず狙うのか?
  第5章 ケータイと無料ビジネス 本質は個人向けファイナンス
  第6章 消費不況と無料 無料ビジネスが日本経済を救う?
  第7章 電子書籍と無料ビジネス 期待はずれに終わりやすい理由

ちなみに、吉本さんはミスタードーナツでは
コーヒーが無料でおかわりができて、
マクドナルドではできない前提で話をしていますが、
実際は、マクドナルドでもコーヒーのおかわりは無料です。

ですから、本当にマクドナルドがやっているのは、
1杯目も無料で、かつ、2杯目以降も無料の
「究極の無料戦略」ですね。

それはさておき、本書は吉本さんらしく、
他の無料ビジネスを扱った本とは、一線を画しています。

  「本書は、類書とは異なる視点から無料ビジネスについて考えます。
  推理小説にたとえれば、類書が主題とした“トリック(無料のカラクリ)”
  ではなく、あまり注目されてこなかった“動機”を中心に論じます。」

ここで比較されている類書とは、話題になった
クリス・アンダーソンさんの「フリー」などの本を指します。

なぜ、無料ビジネスの「トリック」より「動機」が大切なのか?

それは無料ビジネスのトリックに惚れ込んで、
動機がないのに、大切な商品を無料で提供してしまうようでは、
失敗が目に見えているからです。

推理小説でも、最初に動機があって、
その上で巧妙なトリックが考えられるからこそ、
その事件の謎を解く醍醐味があります。

本書は吉本佳生さんが、かなりの精力を傾けた意欲的な作品です。

無料ビジネスの本質がわかると、今までそれと気づかなかった
無料ビジネスが私たちの日常に入り込んでいることがわかります。

この本から何を活かすか?

  「たとえば、本書のような新書本の価格は、
  原則としてページ数に応じて決められます。
  少しでもいい内容の本にしようと、出版社も著者も努力するのに、
  内容に応じた価格設定にしないのです。」

たしかに、吉本さんの指摘の通りですね。

だからこそ、価格以上の価値のある本を読んだときに、
著者の努力やその内容の良さを伝えるのに、
このブログが少しでもお手伝いできればと思います。

本書は税込み798円ですが、
私には2倍以上の価値と満足度を感じました。

吉本さんが、本の価格について、電子書籍と出版業界に
問題定義したコラムはこちらで読めます。

  ・電子書籍が出版ビジネスに与えた真の衝撃~問われる価格戦略

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| 経済・行動経済学 | 11:03 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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数字でちゃんと考える日本経済の「未来」

数字でちゃんと考える日本経済の「未来」
数字でちゃんと考える日本経済の「未来」

(2011/08/25)
小宮一慶 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

東日本大震災によって、日本はどれだけの経済的損害を被ったのか?
そして、その影響で日本の未来はどうなってしまうのか?

漠然と考えていても、不安は募るばかりです。

そこで、震災前と震災後の景気指標を比較して、
数値やデータから私たちが置かれている状況を
客観的に把握することが必要です。

  「本書の目的は、読者の皆さんに政治や経済を的確に判断する
  目を養っていただくことです。
  本書では、震災前後の日本経済の状況を、短期的、中期的に
  分析した上で、日本経済に起こる良いシナリオと悪いシナリオを
  解説し、その処方箋を説明しています。」

数字を扱う著書を、過去にも多く執筆している小宮一慶さん。

本書でも数多くのデータをもとに、冷静な経済分析を行っています。

そもそも震災がなくても、日本経済は苦しい状況が続いていました。
失われた20年の中で起こった震災。

小宮さんはこの震災によって、
日本の「予想されていた未来」が早まったと言います。

その早まった未来とは、次の3つのシナリオです。

  1. 大震災によって加速する空洞化
  2. ますます膨らむ財政赤字
  3. 転換を迫られるエネルギー政策

しかし、これらのシナリオも舵取りの仕方によって
日本はピンチを大きなチャンスに変える事が可能です。

つまり、脱原発を果たした日本が世界一のエコ国家となり、
低コストオペレーションを確立し、更には食料自給率のアップ
を実現することなどです。

そして、本書の最終章で小宮さんは、日本が震災から立ち直り、
あるべき姿になるための処方箋を示しています。

その鍵となるのが政治のリーダーシップ。

過去の著書では、経済についての言及に留め、
それほど政治について語るイメージのなかった小宮さんですが、
本書では積極的に政治についても発言してるのが印象的でした。

  「私たち一人ひとりがあるべき日本の姿をしっかりと認識した上で、
  どの政党に、そして誰に、この難局を乗り切りながら
  日本のより良い将来を託すべきかを真剣に考えなければ
  ならないことは言うまでもありません。」

この本から何を活かすか?

本書を読むと、小宮さんもそろそろ政治家への転身も
考えているのではないかと思わせます。

アメリカでは、リボルビング・ドアと呼ばれるくらい、
産業界から政治家、そしてまた産業界へと戻るパターンで、
様々な人材が政界に入ってきます。

個人的には、小宮さんのような人材が、
もっと日本の政界にも入って欲しいと思います。

ただ、大前研一さんの例を考えると、
優秀過ぎる経営コンサルタントの方は、
一般庶民の「情」に訴えることは苦手なのかもしれませんね。

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| 経済・行動経済学 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本でいちばん投資したい会社

外資金融では出会えなかった日本でいちばん投資したい会社
外資金融では出会えなかった日本でいちばん投資したい会社

(2011/07/25)
鎌田恭幸 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:29

橘玲さんは、「大震災の後で人生について語るということ」の中で、
世界の株式市場をまるごと保有する投資法として、
ETFの「上場MSCI世界株」(1554)を紹介していました。

しかし、これはACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックスETF)
から日本市場を除いた株価指数に連動するものでした。

日本株には投資しなくても良いのか?

既に、日本株を持っていたり、あるいは人的資本が日本にあることから、
日本を除いて投資するのが、ポートフォリオ上は最適です。

しかも、日本は簡単には解決できない様々な問題を抱えています。

仮にそれらの問題が解決できたとしても、
成熟した日本市場の成長には、あまり期待できないので、
日本に投資しないのは、賢明な投資判断だと思います。

しかし、日本にも世界に誇れる素晴らしい企業があります。

例えば、坂本光司さんの著書
  ・「日本でいちばん大切にしたい会社
  ・「日本でいちばん大切にしたい会社2
  ・「ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社
で紹介された企業などです。

それでは、日本のマーケット全体に投資するのではなく、
坂本さんの本で紹介された「いい会社」だけに投資したらどうなるのか?

それを実現したのが、本書の著者、鎌田恭幸さん。

  「100年個人投資家に支持される長寿投信を目指し、
  300年社会に貢献する企業を支援し、
  1000年続く持続的な社会を育みます。」

このような理念で、2008年に鎌田さんは3人の同士と共に、
2008年に「鎌倉投信株式会社」を設立しました。

鎌倉投信は、「結い2101」というファンドを2010年に販売開始。

正確には、坂本さんが紹介した企業だけに
投資しているわけではありませんが、鎌倉投信では
同じ目線で「いい会社」を選定し投資を行っています。

2011年5月時点のデータで、「結い2101」の組入れ銘柄は29社。

長期投資と言えば、日本では「さわかみファンド」が
日本では草分け的な存在です。

しかし、運用資金が大きくなった「さわかみファンド」の
パフォーマンスは実際のところ、TOPIXとさほど変わりません。

参考までに、結い2101、さわかみファンド、TOPIXの
基準価格の比較チャートを掲載しておきます。
結い2101 
(青9Q311103:結い2101、赤71311998:さわかみファンド、緑:TOPIX)

本書を読むと、鎌田さんの想いがヒシヒシと伝わってきます。

そして「鎌倉投信」自体が、すさまじい使命感がある、
小さくても投資したい会社だと感じました。

この本から何を活かすか?

私が注目したのは、鎌倉投信が受益者総会を開催していること。

投資信託でこのような場を開催しているという話は、
私は他に聞いたことがありません。

  「受益者総会が、将来はウォーレン・バフェットの
  バークシャー・ハサウェイの株主総会のように、
  受益者の家族全員が1日かけて楽しめる場になれば
  いいと夢見ています。」

この話を聞いているだけで、ワクワクしてきました。

私は、本書を読んで早速、鎌倉投信「結い2101」の
資料請求をしました。

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| 投資 | 09:52 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣

リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣
リッツ・カールトン 一瞬で心が通う「言葉がけ」の習慣
(2011/08/20)
高野 登 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:20

  「この本では、様々な仕事の場面で、ちょっとした心遣いが
  血の通ったあたたかい人間関係を築くということ、
  そのために“ひと手間かけたひと言”をどのように紡ぎだすか
  ということのヒントを提案してみました。」

著者は前リッツ・カールトン日本支社長の高野登さんですから、
紹介されるエピソードは、ほとんどがホテルでの
お客様への「言葉がけ」です。

しかし、高野さんの紹介する「言葉がけ」は、
単なる会話例ではなく、どんな業種の方も参考となる、
感性の刃を研ぐためのヒントとなります。

実際に私は本書を読んでいるだけで
もてなされている感じにさえなります。

仕事を業務としてこなしていては、絶対に出てこない発想。

相手が何を求めているのか、どんなことで困っているのか、
そして何をしたら喜んでもらえるのかを、
イマジネーションを膨らませて、最高の形で提案する。

そんな一流のホスピタリティを、本書で学ぶことができます。

「言葉がけ」とは、ちょっと離れますが
ここでは本書の中から、高野さんがマウイ島のリッツ・カールトンに
務めていたころのエピソードを一つ紹介します。

ある企業のグループが、大手旅行代理店の手配で、
「クルーザーでの釣り」を旅程の目玉として、
リッツ・カールトンに宿泊していたそうです。

その旅行社の担当者から、高野さんに驚くべき相談が持ちかけられました。

  「この3日目の“釣りプログラム”ですが、
  今回の旅行のハイライトなんです」
  「はい、そううかがっています。みなさん楽しみにしているようですね」
  「そうなんです。それで、あの・・・絶対に大漁にして欲しいんです」
  「えっ、大漁に、ですか!」
  「はい、大漁にして欲しいんです」
  「絶対にですか」
  「はい、絶対に、です」

リッツ・カールトンには、「NO」と言わない基本姿勢があります。

もりろん、高野さんはこの依頼に対し、
「なんとかしましょう」と応えてしまいました。

スタッフに相談しても、
「おいおい、ここは太平洋のど真ん中だぜ。
絶対に大漁にするなんてクレージーだよ」といわれる始末。

しかし、結果は本当に大漁となり、お客さまは大喜び。
旅行者の担当者は感激のあまり泣かんばかりだったそうです。

果たして、高野さんはどのようにして、お客様の要望に応えたのか?

その真相は、本書でご確認ください。

ほかにも、数多くのリッツ・カールトンの「ミスティーク」が
紹介されています。

この本から何を活かすか?

  ハウスワインの裏話

高野さんは、初めて行くレストランのハウスワインの価格が、
上・中・下とある場合、まず最も価格の低いワインを注文するそうです。

実は、価格「中」のランクは一番選ばれるので、
一般的に最も原価率が低く、最も利益率が高いワインで、
「上」は原価率が高くなるので、それより利益が下がるとか。

そして、「下」のワインは価格を抑えつつも、
レストランの顔を保たなければならないので、
この価格のワインに、最もレストラン姿勢が表れるそうです。

私は、ワインを飲む機会はあまりありませんが、
この話、会話のネタにできそうですね。

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| コミュニケーション | 09:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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東日本大震災、その時企業は

東日本大震災、その時企業は (日経プレミアシリーズ)
東日本大震災、その時企業は (日経プレミアシリーズ)

(2011/07/09)
日本経済新聞社 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:15

昨日の記事は、橘玲さんが東日本大震災を機に
人生論をどう考えたかの本でした。

本日は、日本の企業が東日本大震災に直面して、
どのように復旧へ向けて戦ったのかの記録。

日本経済新聞及び日経産業新聞に連載されたルポルタージュ
「大震災 企業はどう動いた」、「東日本大震災、その時企業は」、
経営者インタビュー「大震災と企業 復興への道を聞く」
などの記事をもとに再構成されたものです。

紹介される企業は33社、トップインタビューは30人。

ホンダ、トヨタ、新日本製鉄、キヤノン、アルプス電気、
日立製作所、全日空、日本IBM、オリエンタルランド、
太平洋セメント、大和ハウス、グーグル日本法人などなど。

いずれも日本を代表する大企業です。

工場は破損し、システムはダウン。部品や原材料の調達も不能。

サプライチェーンが寸断されるなか、
企業は何を考え、現場ではどのように動いたのか?
そして、トップは何を決断したのか?

震災後の製造業の至上命題が「復旧」であるならば、
新聞社の使命は、未曾有の災害に企業が対応した様を
徹底して「記録」することです。

その意味では、本書のようなルポルタージュは貴重です。

阪神・淡路大震災の経験が、今回生かされたように、
このルポは、必ず次への備えとなります。

ただし、本書は良くも悪くも新聞的。

各企業の初動を追ったレポートは、いずれも数ページの内容で、
サマリーとしてさっと読める程度です。

あまり深く追っていませんし、内容もけっこう断片的。

元が新聞の特集記事だから止むを得ませんが、
現場の緊迫感が、伝わってくるものではありませんでした。

感動の物語を伝えるより、連載の記事にするために、
数多くの被災企業の現場を軽く取材したという感じです。

個人的には、こうして新書で読むには、
もう少し数を絞って詳細にレポートして欲しかったですね。

この本から何を活かすか?

本書には、震災後に賢明な判断と現場の努力で、
見事に混乱から立ち直った企業しかレポートされていませんが、
実際には、いまだに復旧の道が見えない企業もあります。

イザという時の対応で、その企業が本当に大事にしていることや、
本来持っている実力が現れます。

本書にレポートされている緊急時の対応力は、
今後の企業の成長を占う上でのヒントとなります。

震災から半年がたち、各企業の明暗も分かれてきているので、
私は、震災時の対応とその後の株価の動きの相関を
調べてみようと思います。

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| ビジネス一般・ストーリー | 10:06 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大震災の後で人生について語るということ

大震災の後で人生について語るということ
大震災の後で人生について語るということ

(2011/07/30)
橘 玲 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「東日本大震災の後にさまざまなことを考え、一冊の本を構想しました。
  本書はじつはその前半部分で、日本社会を覆ういい知れぬ不安の正体を
  “人生設計のリスク”という観点から説明したものです。
  これまで書いてきた文章と重複する部分もありますが、
  それはこれが私の人生設計論の完成形だからです。」

橘玲さんは、本書のあとがきでこのように書いています。

ここから次の2つのことがわかります。

1つ目は、本書には続編があるということ。

2つ目は、本書は過去の橘さん作品の集大成であること。

本書は、「臆病者のための株入門」、「貧乏はお金持ち」、
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」などの作品で
語られたことが繰り返されていますから、
橘ワールドを初めて体験するには、本書は打って付けの一冊です。

集大成であるが故、過去の作品を読んでいる方には、
正直、新鮮味に欠けるかもしれません。

しかし、これは本書の続編に進む前に、
まずは本書で橘さんの世界観を復習する必要がある
ということなのかもしれません。

  個人の人生は、金融資本と人的資本で構成される。

  金融資本は、少なくとも国家のリスクと切り離しておく。
  人的資本は、伽藍からバザールを目指す。

こらが橘さんの人生設計に関する基本的な考えです。

ちなみに、伽藍とは物理的にも心理的にも閉ざされた世界。
今までの日本的な学校やサラリーマン社会を象徴しています。

それに対し、バザールは開かれた空間で、
参加するのも、参加しないのも自由。
「評判」がその人の価値を決める、今のネット上のような世界です。

橘さんは、人生をバランスシートで考えていますから、
金融資本と人的資本は資産として並列です。

しかし、人的資本面で伽藍を飛び出しバザールを目指すのは、
考え方を一瞬で切替えられたとしても、
それを実現するには、かなり時間がかかります。

一方、金融資本を国家のリスクと切り離しておくのは、
住宅ローンがある人以外には、非常に簡単なことです。

だからこそ、まずは金融資本を磐石な所に置き、
時間をかけて人的資本でバザールを目指すのが、
様々なリスクに晒される私たちにとって、
最適な人生戦略なのだと思います。

この本から何を活かすか?

橘さんは、世界の株式市場をまるごと保有する投資法として、
2011年3月に東証に上場した「上場MSCI世界株」(1554)を
紹介しています。

最近のETFの特徴ですが、この「上場MSCI世界株」も
単元株は10株なので、現在の株価なら手数料を含め
8000円程度で世界の株式を保有することが可能になります。

このように最低単位が8000円ですから、毎月投資金額に応じて、
10株、20株と、定時定数の買付が可能なところが魅力。

これも、金融資本を国家のリスクと切り離すひとつの方法ですね。

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| マネー一般 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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折れない心を育てる 自画自賛力

折れない心を育てる 自画自賛力 (メディアファクトリー新書)
折れない心を育てる 自画自賛力 (メディアファクトリー新書)

(2011/08/29)
原田隆史 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

自画自賛。

あまり良いイメージで使われない言葉ですが、
本来、悪い意味の言葉ではないようです。

元々は日本や中国で、絵を描いた本人が余白に、
絵に関連した詩や歌(賛)を書き添える習慣に由来する言葉。

転じて、今では自分で自分を褒めることの意味で使われます。

自分で自分を褒めるなんて、みっともない・・・

本書は、そう思ったあなたに向けて書かれた本です。

  「まず、その偏見を徹底的に捨てていただきたいと思います。
  自分で自分を褒める行為は、人を劇的に変える力があります。(中略)
  誇り高く生きるために“自画自賛力”は必要不可欠なのです。」

著者は「松虫中の奇跡」を起こしたことで知られる、
元カリスマ体育教師の原田隆史さん。

現在では、松虫中学の教師時代に開発した「原田メソッド」を、
子どもだけでなく、大人にも活用するため、
教師の指導、企業の人材育成、プロスポーツ選手の指導など、
あらゆる業界の教育に携わっています。

「原田メソッド」は、「成功のためのシナリオストーリー」、
「日誌」、「日々のプラスの習慣を形成するルーチンワークチェック表」
の3つのメソッドから成ります。

このメソッドすべてを集約したのが、
本書で紹介される「自画自賛日誌」です。

目的は、セルフイメージを高めて、成果のあがる自分をつくること。

この日誌には、次の6項目を書き込みます。

  1.明日の予定
  2.今日必ずやること
  3.今日の実績
  4.今日のよかったこと・気づいたこと
  5.今日をもう一度やり直せるなら
  6.目的・目標達成に向けて、ヒントとなった言葉や出来事

仮に効果があるとわかっていても、
日誌を書くという新しい習慣を身につけるのは、
けっこう大変なことです。

私も、本書の「自画自賛日誌」の記入例を見て、
一瞬、腰が引けてしまいました。

そんな時は、少しハードルを下げて、
まず始めてみることが勧められています。

3日だけ続けるつもりで始めてみる。

6項目のうち、4番と5番の項目だけで始めてみる。

そして、日誌の効力を実感してから、
本格的な取り組みに移行してもいいようです。

折れない心は、一朝一夕にはできません。

まずは、自分で自分を認め、自画自賛することで、
少しずつセルフイメージを高め、
自立型人間になることが本書の目指すゴールです。

この本から何を活かすか?

  「今日できたこと」をカウントする。

自画自賛日誌をつける前段階として、
自分が今日できたことに気づくことが必要です。

それは、フェイスブックの「いいね!」のように、
自分で自分の「いいね!」を見つけること。

これも1日を振り返って、「いいね!」がいくつあったかなと
後からカウントするより、朝から自分の「いいね!」に注目するよう
意識した方が良さそうです。

私も、今日はいくつの「いいね!」が作れるのか、
朝からカウントしてみたいと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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4%の宇宙

4%の宇宙 宇宙の96%を支配する“見えない物質”と“見えないエネルギー”の正体に迫る
4%の宇宙 宇宙の96%を支配する“見えない物質”と“見えないエネルギー”の正体に迫る

(2011/08/10)
リチャード・パネク、Richard Panek 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:21

タイトルの「4%の宇宙」と聞いて、あなたはピンときましたか?

あ~なるほど、と思った方は、けっこう宇宙に興味がある方ですね。

以前、村山斉さんの「宇宙は本当にひとつなのか」の記事でも
書きましたが、私たちが昔から宇宙と呼んできた
目に見える星や銀河、それを形作るすべての元素エネルギーは、
宇宙のたった「4%」にしか過ぎません。

残りの96%は、正体不明の物質「ダークマター」と
正体不明のエネルギー「ダークエネルギー」です。

ダークマターにしても、ダークエネルギーにしても、
私たちの目で見ることはできません。

それでは、これらの目に見えない物質やエネルギーは、
いったいどのようにして発見されたのか?

わかっていること、わかっていないことの事実だけなら
講談社のブルーバックスで読むことができます。

しかし、それを発見するのは科学者であり、
その発見に至るまでには、科学者たちの人間ドラマがありました。

やはり読んで面白いのは、宇宙の謎の解明に挑む
科学者たちの物語です。

  「本書は暗黒物質、暗黒エネルギー、そして加速膨張する宇宙を
  見抜いた天文学者と物理学者の物語が綴られています。
  研究者の立場で読んでも、本当にスリリングで、
  発見にまつわる人間臭いドラマが克明に描かれています。」

これは、本書の翻訳を担当した谷口義明さんの言葉。

こういった、翻訳本は原書に挑戦してみたいと思うときがあります。

例えば、昨日の記事、ロビン・ダンバーさんの
友達の数は何人?」などはそうでした。

しかし、本書は邦訳本を読む方が、絶対にいい。

なぜなら、谷口さんの訳注が非常に充実していて、
訳注だけでも、かなり読み応えがあるからです。

著者でサイエンスライターのリチャード・パネクさんの
ストーリーテリング力に、研究者である谷口さんの解説が加わって、
本書の質が一段高いところに上がっている感じがします。

2段組で約350ページの宇宙の謎に迫るドキュメンタリーに、
痒いところに手の届いた訳注。

読み切るには、かなり時間がかかりますが、
それだけの価値がある本です。

ちなみに本書の表紙には、宇宙進化サーベイ(通称COSMOSプロジェクト)
で得られた「ダークマターの3Dマップ」が掲載されています。

実はこれ、谷口さんの著書「宇宙進化の謎」の表紙と同じです。

この本から何を活かすか?

以前、子どもと一緒にアニメ「ケロロ軍曹」を見ていると、
「ダークマター」が敵として登場しました。

そこで私が、「ダークマターとはね・・・」と、
親の権威を示すつもりで、子どもに解説をはじめようとすると、
「それ、知ってるよ」との答え。

小学5年生のくせに、ダークマターを知っているとは、
いったい何者だ? と一瞬ひるむ私。

気を取り直して、「どこで知ったの?」と聞くと、
意外な答えがありました。

「トイレ」

我が家のトイレにはダークマターが存在するのか?!

そこで、私がトイレに行ってみると、
そこで目にしたのは、以前私が貼った「一家に1枚 宇宙図」でした。

よく見ると、確かに細かな文字でダークマターのことが書いてある。

けっこう、子どもは親の知らないところで
知識を吸収しているものですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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