活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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古典で読み解く現代経済

古典で読み解く現代経済 (PHPビジネス新書)
古典で読み解く現代経済 (PHPビジネス新書)

(2011/05/26)
池田 信夫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「本書は2010年1月から2月にかけて行った
  “アゴラ連続セミナー”の記録に手を加えたものですが、
  自分の話に加筆していると、全体を通したテーマが
  “不確実性”だったことに気づきます。
  アダム・スミスやマルクスの時代から、
  資本主義は大きなリスクをはらんだシステムでした。」

本書は経済書の古典に新解釈を与え、
大きな転換期を迎える現代に生かすという
池田信夫さんの意欲作。

池田さんのブログ読者からすると、本書の古典の解釈も、
まさに池田さん的といった感じでしょうか。

本書には、そんな切り方をするのか、
と思わせるような、独自の視点が随所に見られます。

良くも悪くも、今まで持っていた古典的経済書への
イメージが見事に覆されています。

  第一講 既得権を考える
        アダム・スミス「国富論」
  第二講 金融危機を考える
        カール・マルクス「資本論」
  第三講 イノベーションを考える
        フランク・ナイト「リスク・不確実性・利潤」
  第四講 大不況を考える
        ジョン・メイナード・ケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論」
  第五講 自由主義を考える
        フリードリヒ・ハイエク「個人主義と経済秩序」
  第六講 財政危機を考える
        ミルトン・フリードマン「資本主義と自由」

この中で、私が注目したのは、グリーン・スパン元FRB議長が
2004年のスピーチでも使った「ナイトの不確実性」。

フランク・ナイトさんは、市場主義を信奉する
シカゴ学派の創始者の1人。

ナイトさんは「リスク」と「不確実性」を違うものと考えています。

それを池田さんは、次のようの説明します。

まずは、リスクの説明。

  「リスクというのは、サイコロとかコイン投げのように、
  母集団がたくさんあって、どういう確率で何が起こるかが
  よくわかっている事象です。これは事象の数を母集団で割るだけで、
  簡単にリスクの確率は計算できます。客観的に確率がわかっているので、
  保険とか金融商品でヘッジすることができます。」

そして、不確実性の説明。

  「これに対して不確実性というのは、同じことが二度と起こらない。
  たとえば北朝鮮からミサイルが飛んでくるかどうかとか、
  新商品がヒットするかどうかというのは、前例がないのでわからない。」

要するに、不確実性は備えることはできても、
予測することはできないということ。

良い方向へ不確実性が起これば、イノベーションとなり、
悪い方向に起これば金融危機となるようです。

そして、日本的な全一致の経営判断は、
不確実性が入り込む余地が少なくなり、
つまりはイノベーションを阻むとも池田さんは指摘しています。

この本から何を活かすか?

ナイトさんの「リスク・不確実性・利潤」は、
かつて邦訳本があったそうですが、現在は絶版でないそうです。

しかし、原書はウェブ上で読めると紹介されていました。

  ・Risk, Uncertainty, and Profit

これ、全部を読む気にはなれませんが、
前書きぐらいは読んでみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 09:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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