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読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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世界の変化を知らない日本人

世界の変化を知らない日本人 アメリカは日本をどう見ているのか
世界の変化を知らない日本人 アメリカは日本をどう見ているのか

(2011/05/31)
日高義樹 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

日本では、東日本大震災での福島第一原発の事故以来、
原発は危ないという認識が高まり、
各メディアでは「脱原発」が叫ばれています。

一方、アメリカ政府は、原子力エネルギーの開発を
これまでと同じように進めることを早々と決めました。

オバマ大統領も2011年3月30日、ジョージタウン大学での、
アメリカの新しいエネルギー政策の発表の中で、
日本の教訓を取り入れた上で、原子力エネルギーの開発を
これからも推し進めていくと述べたそうです。

日米では、信じられないくらい原発に対する温度差が生じています。

なぜ、アメリカは福島の事故後も原子力を推進するのか?

それは、アメリカは今回の事故を技術的な問題ではないと
認識しているからです。

日本の原発技術はアメリカと同程度に高く、十分信頼にできる。

しかし、問題なのは原発そのものではなく、日本政府の危機管理体制。

監督官庁の許認可と、事故後の政府の対応に問題があると
アメリカでは認識されているようです。

本書は、震災後のアメリカ政府の見方を中心とした、
日高義樹さんらしいワシントンリポート。

アメリカの要人へのインタビューを交えながら、
民主党政権への激しい批判が展開されています。

  「岡田元外相や、前原前外相についてのアメリカの外交専門家は
  “子供っぽい”と言っているが、彼らが日本にもたらした災害は、
  外交の観点からすれば東日本大震災による被害よりも大きい。
  悪質な人災である。」

震災を機に、アジアでの覇権を狙おうとする中国。
中国を牽制しつつ、大規模な救援活動を行った米国。
そして、情報開示せず世界中に不安を広げた日本。

本書を読むと、米中がパワーゲームの牽制をし合う中で、
日本だけがあたふたとして、外交力や危機管理能力のなさを
露呈している様子がわかります。

今回の震災での、日本にとってただ1つの良いこと。

それは、日米関係が少なからず修復されたこと。

  「今度の大震災による混乱の結果、日本が中国の影響下に
  置かれるのではないかとアメリカが心配したことによって、
  戦後最悪だった日米関係が、日本にとっては
  好ましい状況になりつつある。

  だが、私が懸念するのは、こういった好ましい変化にもかかわらず、
  民主党政権はこれまでと同じようにアメリカを味方とは思わず、
  せっかくのチャンスを生かそうとしていないことである。」

震災をこうむった人たちの犠牲の上に、やっと改善された日米関係も、
それを政府が生かせないことは、あまりにも悲しいですね。

この本から何を活かすか?

本書のあとがきに、興味深い話しが紹介されていました。

2011年5月9日、日高さんがハドソン研究所の経済研究部長、
アーウィン・ステルツァー博士の事務所を訪れたときのこと。

そこでは、「なぜいまの時期、日本円が高いのか」
という問題が話し合われていました。

そこでのロシアの投資家たちのひと言。

  「日本は最も安全なお金の置き場所だ。利息やもうけは問題ではない。
  安全を考えれば、日本が最も良い場所だ。」

政治や経済がボロボロの日本。

それでも治安や政治的安定を考えると、世界の投資家は、
日本を安全な資産の保管場所と考えているようです。

イタリアにまで飛び火した欧州通貨危機で、
2011年7月14日現在、1ドル78円台まで円高が進んでします。

やはり、有事のドル買いではなく、有事の円買いは、
マーケットのコンセンサスになっているようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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