活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2011年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年08月

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夏期休暇のお知らせ

7/28(木)~8/2(火)の6日間、家族旅行のため
ブログの更新を休止させていただきます。

今回の旅先は澎湖島(ポンフー)。

旅行期間中は、普段、あまり読まない小説を
のんびりと読む予定です。

それでは、また8月にお会いしましょう。


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| お知らせ | 05:47 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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柳井正の希望を持とう

柳井正の希望を持とう (朝日新書)
柳井正の希望を持とう (朝日新書)
(2011/06/13)
柳井 正 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「我々はビジネスマンだ。
  ビジネスマンがやることは、すなわち働いて金を稼ぐことだ。
  仕事は我々の飯の種なのだから。
  店を開け、お客様を迎え、商品を売る。
  あるいは営業に出かけて、商品やサービスを提供し、金を稼ぐ。
  そうして手にした金をふたたび社会へ送り出し、
  世の中の景気を良くしていく。それが我々の使命だ。
  そうすることで、世の中は回っていく。」

この文章から分かる通り、本書は柳井正さんの
「商人気質」が溢れた本です。

本書は、2010年4月から1年間、朝日新聞土曜版「be」に掲載された
コラム「柳井正の希望を持とう」をベースにまとまられました。

何の分野でもそうですが、確固たる信念を持ち、
徹底的にこだわって、その分野で突き抜けて行動する姿は、
人々に感動を与えます。

やはり柳井さんは、商売人として、経営者として突き抜けています。

実は、私はフリースがヒットし、ファースト・リテーリングが
急成長していた頃、ユニクロに対しても、柳井さんに対しても、
あまり良い印象を持っていませんでした。

しかし、今やユニクロは大好きですし、
柳井さんのファンにもなりました。

それは、目先の戦術は変わっても、
柳井さんの商売人としての徹底したこだわりが分かり、
その突き抜け度がだんだん感じられるようになったからです。

震災後だからといって、中途半端に自粛をせず、
自らの使命を全うすることで、日本を元気にする
柳井さんの考えに、私は賛同します。

本書では、自分に期待し、得意な部分を懸命に磨けば、
必ず活路が開けるという、柳井さん流の仕事論が展開されています。

  第1章 自己改革を急げ
  第2章 経済敗戦からの出発
  第3章 私の修行時代
  第4章 基礎的仕事力の身につけ方
  第5章 自己改革の処方箋
  第6書 希望を持とう

中には柳井さんに独善性や冷徹さを感じる方も
いるかもしれませんが、現在の日本には欠かせない個性であり、
真のカリスマ経営者だと、私は思います。

本書は、明るい希望が持てる本というよりは、
沈滞ムードの日本に、強烈な刺激を与える一冊です。

この本から何を活かすか?

柳井さんは上場した頃から、「プロフェッショナルマネジャー」や、
レイ・ロックさんの自伝、ドラッカーさんの著書を
読み直すことが多くなったと言います。

また本書では、柳井さんがビジネスマンに推薦する
ビジネス書も8冊ほど挙げられていました。

  「いずれも、ちゃんと読むには集中力がいる。
  深く理解するには他の本を調べて勉強しなくてはならないことも
  あるだろう。しかし、本を読むとはそういうことだ。
  脳から汗が出るくらい、うんうんうなりながら読むことだ。」

最近、うなりながら読書してないな。
月に一冊くらいは、そういう本を読まなければ・・・

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事論 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一と考える 営業学

大前研一と考える 営業学
大前研一と考える 営業学
(2011/06/17)
ビジネス・ブレークスルー大学大学院 ビジネススクール教授陣 
大前 研一、斎藤 顕一 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

  「私の考える定義に照らす限り、営業を生業としている人たちの
  ほとんどすべてが、(いまのところは)プロフェッショナルとはいえません。
  ですが、私はこうも思っているのです。
  【営業こそ、プロフェッショナルを目指さなければならない】」

現在、営業職についている人にとっては、
なかなか厳しい大前研一さんのお言葉です。

それでは、大前さんが考える営業のプロフェッショナルとは、
いったいどんな姿なのか?

それは、自社の商品を販売するだけの
単なる営業のスペシャリストではありません。

顧客の抱える問題・課題に対して、自社商品を絡めながら
ソリューションを提供できるのが営業のプロフェッショナル。

顧客との関係も、売った買ったの短期的なつきあいではなく、
期待を上回るレベルで問題解決を提案し続け、
顧客のパートナー、あるいは顧客のエージェントとなる関係を築きます。

イメージとしては、コンサルタントに近いかもしれません。

目的は問題解決。

営業のプロフェッショナルとコンサルタントの違いは、
問題解決の手段として、自社商品を使うかどうかの1点だけです。

ですから、営業のプロフェッショナルに求められる
知識やスキルは、コミュニケーションスキルだけではなく、
非常に多岐にわたります。

そこで、大前さんが学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学大学院
(BBT)の教授陣の協力を得て、営業のプロフェッショナルになるために
必要な知識をまとめたのが本書です。

  第1章 営業のプロフェッショナル化(大前研一さん)
  第2章 問題解決型営業のすすめ(斎藤顕一さん)
  第3章 営業のマーケティング・マインド(須藤実和さん)
  第4章 営業のセルフ・マネジメント力(川上真史さん)
  第5章 営業のチーム力の向上(後正武さん)

さすがに、大前さんが指揮を執り、従来の営業像とは異なる
営業のプロフェッショナル養成を目指すだけあって、
BBTが誇る豪華な執筆陣が顔を揃えています。

本書のテーマは、理由の後付けができる
戦略やマーケティングではありませんから、
大前さんにとってもチャレンジングな試みだったようです。

タイトルが「大前研一が考える営業術」ではなく、
「大前研一と考える営業学」になっているのも納得。

巷に溢れる「営業本」とは一線を画す、今までにない営業本。
まさに、大前さんらしい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「営業のプロフェショナル化において、
  まず身につけるべき基本スキルは次の二つです。

  ●マーケティング・リテラシー(マーケティングに関する体系的な知識)
  ●ロジカル・コミュニケーション(論理的に考え、伝達する力)」

うがった見方をすれば、本書はBBTが営業マンを対象に
「営業プロフェッショナル講座」を開講するための宣伝。

従来の営業のスキルアップ研修とは異なり、
営業マンにマーケティングやロジカルシンキングの
講座を行なうイメージでしょうか。

自社の持つ資産を、別のターゲットへ提供する。
これも、BBTの一つの戦略ですね。

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| マーケティング・営業 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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究極の判断力を身につけるインバスケット思考

究極の判断力を身につけるインバスケット思考
究極の判断力を身につけるインバスケット思考
(2011/06/01)
鳥原隆志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

課長の机の上にある、未決と既決に分かれた決済箱。

その未決箱の方に20の案件が積み上がっています。

この案件を処理するために与えられた時間は60分間。

課長のあなたは、どのようにして、
60分で20案件に適切な判断を下すのか?

こんな条件設定で、判断力を試すのが「インバスケット」試験。

インバスケットとは、未処理箱のこと。

  「“インバスケット”は、アメリカの空軍で生まれた
  トレーニングツールで、制限時間内に架空の役職・人物になりきり、
  多くの未処理案件の処理をおこなうビジネスゲームです。
  現在、日本では一流と呼ばれる大手企業の多くが、
  管理職の教育や選抜用のテストとして活用しています。」

現代のビジネス環境にすると、未読のメールボックスに
20通の未読メールがあり、それらすべてに1時間以内に
返信するという状況です。

本書は、インバスケットのHow To本ではなく、体験本。

鳥原隆志さんの会社、株式会社インバスケット研究所で販売する
「インバスケット問題集J」とほぼ同じ内容が掲載されているようです。

多摩洋菓子店、三ツ谷店・洋菓子部門の
チーフを務める23歳の青山あみ。

クリスマス商戦を控えた12月の中旬に、突然、
あみは、同社東京中央店の店長となる辞令を受けます。

しかも、明日から1週間は海外研修の予定が入っているため、
今から東京中央店に立ち寄って、メールや手紙、連絡ノートなどにある
20案件を60分以内に対応するという設定です。

あくまで体験を目的としたインバスケット入門編ということで、
実際に使われているインバスケット問題よりも、
難易度は低く、設定はストーリー仕立てになっています。

また解説は、新米店長の青山あみの判断に、
東京中央店を含むエリアを取り仕切る販売指導員が
アドバイスを与えるという形で書かれています。

2011年7月25日現在のアマゾンのレビューを見ると、
本書の回答が4択式になっていることに、
ダメ出しをしているコメントがあります。

しかし、最初に20案件がまとめて掲載されている問題編に、
選択肢が書かれている訳ではないので、
自分で体験する分には、さほど気にならないと思います。

ただし、本書のタイトル「インバスケット思考」から、
新しい「思考法」を身につける本だと思って読むと、
少し期待外れになるかもしれません。

この本から何を活かすか?

実際に短時間で、多くの案件を処理しなければならない状況は、
ビジネスではよくあること。

と言うより、その状態が標準である人も多いでしょう。

更に、突発的な問題が発生したり、思考を中断させられることも
日常茶飯事ではないでしょうか。

その中で大切なことは、緊急度と重要度を判断し、
いかに人を使うかということです。

これは問題集を解いて身につく能力ではなく、
日々の仕事の中で実践により養うしかないように思えます。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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創発的破壊

創発的破壊 未来をつくるイノベーション
創発的破壊 未来をつくるイノベーション

(2011/06/09)
米倉誠一郎 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  「東日本大震災直後である現在であっても、
  いずれ元の経済に戻ると疑っていない人がいる。
  しかし、この経済はもう元には戻らないし、戻してもいけないと思う。」

本書の著者、米倉誠一郎さんは、地球の資源をいたずらに浪費し、
成長だけを追い続ける社会へは、戻してはいけないと言います。

日本の未来は、これまでの延長線上にない。

未来は、旧体制を「創発的」に破壊した先に生まれる。

本書で言う「創発」とは、1人1人が小さな行動を起こし、
その総和が大きなパワーや結果を生むという意味で使われています。

今必要なのは、パラダイム・チェンジ。

日本は過去にも、パラダイム・チェンジで大きな飛躍を遂げました。

その代表的な例は、太平洋戦争。

日本が戦争に行き着いた前提として、3つの物理的要因がありました。

  1.日本には天然資源がない、特に石油に恵まれていない
  2.四方を海に囲まれた耕作面積の少ない島国である
  3.その狭い島国に1億人に迫る人口がひしめき、過剰人口をかかえる

これらの問題を解決すべく、日本は戦争に突き進みましたが、敗戦。

しかし戦後、日本は世界第2位の経済大国へと
奇跡的な発展をとげました。

実は、戦前と戦後で物理的3条件は何ひとつ変化はありませんでした。
変わったのは、国のあり方、つまり考え方です。

  1.資源がないので輸入による加工貿易立国
  2.四方を海に囲まれた島国は、海洋貿易にとって最適地
  3.人口過剰ではなく、1億人近い豊富な労働力と巨大内需

そして今、日本がかかえる問題も同じように
パラダイムの転換が必要だと米倉さんは言います。

  1.脱原発・脱炭素化社会におけるエネルギー開発のリーダーへ
  2.これまでの東京一極集中から分権化社会へ
  3.世界で進む少子高齢化問題の先進的解決国へ

本書では、日本が直面しているパラダイム・チェンジを、
戦後復興の視点だけでなく、ソーシャル・イノベーションの視点、
高校生教育の視点、世界から学ぶという視点、
明治初年度の国創りの根幹という視点から、多面的に検討しています。

  「不思議なことに僕には日本の未来が見える。
  世界が羨むその未来が見える。」

私は、本書を読むまでは、正直、明るい日本の未来の姿が
イメージできていませんでした。

しかし、本書のおかげで、日本の未来をつくるかもしれない
「静かなるジャスミン革命」を鮮明にイメージすることができました。

この本から何を活かすか?

  「見慣れた現象を新しく見る力」

スタンフォード・ビジネススクールのロバート・サットン教授は、
イノベーションにとって最も重要なことは、
見慣れた現象を新しく見る力だと言っています。

これを既視感「デジャブ」の反対語として、
「ブジャデ」と表現しているそうです。

ブジャデを身につけるには、見たままに受け入れるのではなく、
視点を変えて、あるいはその奥にあるものを想像する
習慣をもつことが第一歩となるでしょう。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:22 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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プロフェッショナルコンサルティング

プロフェッショナルコンサルティング
プロフェッショナルコンサルティング

(2011/05/27)
波頭 亮、冨山 和彦 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

ファッションコンサルタントやカラーコンサルタントといった
特殊な分野のコンサルタントを除いて、ビジネス系だけに絞っても、
コンサルタントと名乗って仕事をしている人が、
日本には3万人くらいいるそうです。

その中で、一流企業の管理職と対等にビジネスの話ができ、
有効なアドバイスができるコンサルタントは、1割の3000人。

この3000人の中で、経営や事業オペレーションに対して、
付加価値あるクリエイティブな提案ができる、
プロフェッショナルなコンサルタントは300人。

更にその中で、大企業のトップから相談を受けるに足るだけの
経験や実績があるトップコンサルタントは、
日本には30人くらいしかいないそうです。

本書は、そのコンサルタントの上位0.1%に入る
現役トップコンサルタントによる対談本。

1人はマッキンゼーを経て、XEEDを設立し、
戦略系コンサルティングの第一人者として活躍する波頭亮さん。

もう1人は、BCGを経て産業再生機構の設立に参画し、
その後も企業再生で実績を上げる冨山和彦さん。

お2人は、かなり波長が合うようで、意見のぶつけ合いというより、
互いに考えていることを確かめ合うように、
密度の高い対談がなされています。

俗に言う戦略系コンサルティングが、かつてのように
簡単には成立しなくなった時代。

企業のマネジメントの仕事が、高度化・複雑化して、
コンサルタントにも「執行力」が求められるようになりました。

若手コンサルタントやコンサルタント志望者は、
何を身につけ、 いかに行動すべきか?

お2人の過去の経験から、これからコンサルタントが
活躍していくために必要な心構えや仕事のあり方を示しています。

もちろんコンサルタント以外の、一般のビジネスパーソンが読んでも
有用なアドバイスが多く含まれています。

  「くどいようですが、まずは、とにかく一生懸命に勉強してほしい。
  (中略)コンサルティングファームでエースになろうと思ったら、
  あるいは将来“300人”の中に入ろうと思ったら、
  3ヶ月に1個ずつマスター(修士号)を取るぐらいの気持ちが
  欲しいと私は思っている。」

そして、20代ならどんなにハードワークをしても、
人間には過労に対するビルトイン・スタビライザーが入っているので、
死ぬ前に、ちゃんと倒れたり気が遠くなったりして、
死なないようにできているとも語られています。

厳しいアドバイスが多いですが、お堅い話だけでなく、
ぶっちゃけトークや、古きよき時代を懐かしむトークもあり、
意外とさらさらと読むことができます。

個人的には、東京デジタルフォン VS. NTTドコモの
コンサルティングのケーススタディの内容が面白かったですね。

この本から何を活かすか?

  「論理的思考はスキルではなく筋力」

波頭さんはロジカルシンキングの力を身につけるのは、
腹筋を割るのと一緒と考え、次のように説明しています。

  「一晩だけ腹筋してそれでおしまいじゃ、腹筋が割れるはずがない。
  毎日毎日、繰り返してやり続けないと決して筋力はつかない。
  でも面白いことに、(ロジカルシンキングが)筋力と
  同じだな思うのは、40歳過ぎたら腹筋を割るのは大変ですが、
  30代なら半年で腹筋が割れるということです。
  20代なら3ヶ月で割れます。」

40代の私にとっては、論理的思考力を向上させるのも、
腹筋を割るのも、容易ではないということです。

覚悟してやらなければなりませんね。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 09:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「通貨」を知れば世界が読める

「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)
「通貨」を知れば世界が読める (PHPビジネス新書)

(2011/05/26)
浜 矩子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  「通貨の歴史について言えば、金本位制の崩壊も“まさか”であった。
  (中略)“1ドル50円”も同じである。
  多くの人が“まさか”と思っているかもしれないが、
  “まさか”は常に起こりうる。」

1ドル50円時代の到来を予測して、話題を呼んでいる浜矩子さん。

本書では、基軸通貨を巡る各国の争いの歴史を振り返り、
そのうえで、今通貨に何が起こっているのか、
そしてこれから何が起こるのかを考察しています。

  第1章 我々はなぜ、通貨の動きに一喜一憂するのか?
  第2章 基軸通貨を巡る国家の興亡
  第3章 通貨の「神々の黄昏」
  第4章 こらからのドル、ユーロ、そして円と日本
  終 章 来るべき「二十一世紀的通貨」のあり方とは?

注目を集めるのは、他の著書でも言及がある
「1ドル50円」ですが、本書の一番面白いところは、
通貨の覇権を争って織りなされる壮大な大河ドラマ。

ダイマミックに動いた歴史を、通貨という切り口で
見事に描写しています。

そして、「1ドル50円」の根拠として挙げているのは次の2点。

ひとつはドル側の要因として、基軸通貨としての価値が低下し、
ドル安が進行していること。

もうひとつは円側の要因として、グローバル金融市場で
円は基軸ではないものの、持っておかなければならない通貨として
位置づけられているということ。

その上で、かつて1ドル360円だったレートが、
現在1ドル80円前後に円高が進行しているので、
今後1ドル50円になる「まさか」も起こりえるという
論理展開です。

ですから、1ドル50円という水準についての
はっきりした根拠は、特に述べられていません。

40円や60円よりも、切のいい数字で「50円」という
レートが示されている印象がありますね。

また、今後の通貨の行方としては、「地域通貨」が復権し、
これを最下層とし、その上に「国内通貨」、
更にその上に「共通通貨」が存在する
通貨体制の三層構造化が目指すべき姿として語られています。

この点については、イメージとしては伝わってきますが、
まだまだ議論の余地が残されているように感じました。

この本から何を活かすか?

2011年7月21日現在、1ドル78円台後半。

将来的に50円になるのか、200円になるのかは分かりませんが、
目下のところ、震災後につけた史上最高値の76円後半は
意識したいところですね。

歴史が分かっても、目先の予想ができないのが、
為替の面白いところです。

できるのは、50円になっても200円になっても
マーケットから退場しない運用体制を作ることです。

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| マネー一般 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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夢をかなえる10の質問にあなたは「YES」で答えられるか?

夢をかなえる10の質問にあなたは「YES」で答えられるか?
夢をかなえる10の質問にあなたは「YES」で答えられるか?

(2011/05/31)
ジョン・C.マクスウェル 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

ほとんどの人には、「夢」があります。

しかし、その夢の大小に関わらず、
自分の夢の向けて真剣に行動している人は
以外に少ないものです。

本書の著者、ジョン・C・マクスウェルさんは言います。

次の10の質問に、すべてYESと答えることができれば、
その夢が実現する可能性が極めて高いと。

  1.その夢は本当に私の夢か?(主体性を問う)
  2.私は自分の夢がはっきりと見えているか?(明確さを問う)
  3.その夢は自分の力で実現できるか?(現実性を問う)
  4.その夢は私を駆り立てるだけの魅力があるか?(情熱を問う)
  5.夢をつかむための戦略があるか?(プロセスを問う)
  6.夢を達成するために手を借りるべき人を想定できているか?(人脈を問う)
  7.夢のために対価を支払う意思はあるか?(対価を問う)
  8.夢のために前進を続けているか?(粘り強さを問う)
  9.夢に向けた努力は満足をもたらしているか?(充足感を問う)
  10.その夢は人の役に立つか?(意義を問う)

最初に、それが本当に“あなたの”夢か?
という覚悟を問われますが、すべての始まりはここから。

本書では、この10の質問を軸に、
実際に夢を追い、それぞれの質問に肯定で答えてきた人々の
エピソードを紹介しながら、あなたの夢実現をサポートします。

  「他人の人生にプラスの変化をもたらす一助になりたい」

マクスウェルさん自身が、このような夢を持ったのは1969年のこと。

マクスウェルさんは、その後10年間は、この夢を追いながらも、
果たして自分は前進しているのかと、悩み続けたそうです。

しかし、ある時、マクスウェルさんは気づきました。

  「人を助けたいという夢が私自身を助けていた」

夢があったからこそ、ぶれない視点を持つことができ、
自分の伸びしろを伸ばすことができ、続けることができた。

つまり、夢がマクスウェルさんを支え、
これまでの人生をも形づくってきました。

マクスウェルさんの場合、リーダーシップの世界的権威と呼ばれ、
多くのベストセラーも世に送り出していますから、
1969年に抱いた夢は、ほぼ実現したと言ってもよいでしょう。

  「本書で紹介した10の質問にYESで答えられる場合のみ、
  夢があなたを支えてくれるのである。」

この本から何を活かすか?

  「本書を、私の夢の女性、マーガレット・マクスウェルに捧げる。
  1969年6月14日に結婚した日から、ずっと一緒に夢を生きてきた。
  君なしの人生は考えられない。
  60年の人生のうち、40年をわかちあってくれて、ありがとう!」

これは本書の献辞です。

私も、もう少し人生を重ねてから、
こんな素敵な言葉を妻に送ってみたいですね。

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| 成功哲学 | 09:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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本番力

本番力 ~ 本番に強い人が必ずやっている26の習慣
本番力 ~ 本番に強い人が必ずやっている26の習慣

(2011/06/16)
和田裕美 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「一般的には、仕事で成功したり人生を充実させるには、
  自分の欠点を克服して、自分自身を根こそぎ変えないといけない
  と思っている人が多いのではないでしょうか?

  けれど、私は、そうではないと思うのです。

  わずか数分、あるいは1~2時間の“本番”の間だけ、
  いつもより力を発揮できればいいのです。
  自分を根本的に変える必要などないし、
  そんなことがそう簡単にできるはずもありません。」

和田裕美さんは、営業コンサルタントとして、
多くの人前でスピーチをしたり、講演をして活躍されていますが、
実際は人見知りで、人と関わるのが苦手だそうです。

しかし、本番のときだけ別人に変わる。

ここぞという本番のときだけ、いつも以上の力を発揮する能力を
本書では「本番力」と呼びます。

確かに、自分すべては変えられなくても、
大事なポイントの時だけ、力が発揮できればいいと
考えると気が楽ですね。

和田さんは講演をする場合、自然体では行いません。

緊張したり、アガってしまったら、むしろ「もっとアゲてやる」と
気分を高揚させ、スイッチを入れて本番のときだけの、
もう一人の自分を呼び出します。

本書では、第1部で和田さんが本番力を身につけるまでの経緯を
振り返り、第2部と第3部で「26の習慣」として、
本番力を身につける方法を解説します。

  第1部 人見知りの私が、数千人の前で話せるようになった理由
  第2部 本番力を身につけるための13の習慣
  第3部 本番力を発揮するための13の習慣

和田さんは、最初から元気があって、アグレッシブな人では
ありませんでした。

辞めたい逃げたいの繰り返しだった弱い人間と
自身を振り返ります。

でも、逃げなかった。

  「本番から逃げずに、どうにかそれを続けていくと、
  いつのまにか、そこで生きる方法を
  見つけることができるのだと思います。」

本書で紹介されているエピソードは、
他の著書でも書かれているものもが多くあります。

しかし、和田さんの本は、読むだけで元気が出るので、
あまり内容の重複は気にならないと思います。

この本から何を活かすか?

講演の時の和田さんのスイッチの入れ方。

  ① 資料を演台に置く
  ② 深呼吸する
  ③ 笑顔で会場を見渡す
  ④ 大きな声で「こんいちは」と挨拶する
  ⑤ お辞儀する
  ⑥ もう一度、笑顔

この間、わずか数十秒。

この基本動作をすることで、和田さんは決意し、
もう一人の自分に切替えているそうです。

私も集中力を高めるときの、自分のスイッチ=基本動作を
決めて、ONとOFFを切り替えられるように練習してみます。

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| 心に効く本 | 06:25 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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本物のリーダーとは何か

本物のリーダーとは何か
本物のリーダーとは何か

(2011/05/26)
ウォレン・ベニス、バート・ナナス 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

リーダーシップの研究は、この1冊から始まりました。

本書は1985年に刊行された「Leaders」の第2版翻訳本。

原書は第1版が出てから12年後の1996年に刊行されています。

日本では、第1版が「リーダーシップの王道」として
1987年に新潮社から出版されていました。

著者は、リーダーシップ研究の第1人者であるウォレン・ベニスさんと、
リーダーシップに関する著書が多数あるバート・ナナスさん。

それまで、誰もが存在を知っていながらも定義しえなかった
リーダーシップを、はじめて定義した記念碑的な一冊。

名著「リーダーになる」も本書があってこそ生まれました。

  「マネジャーはものごとを正しく行い、
  リーダーは正しいことをする。」

第1版が刊行された当時、リーダーシップとマネジメントの役割は
混同されていたため、本書はその違いを明確に示しました。

マネージするとは、何かを引き起こし、成し遂げ、
義務や責任を引き受け、実行すること。

それに対して、リードするとは、人を感化し、
方向や進路、行動、意見などを導くこと。

つまり、マネジャーは実務思考であり、
リーダーはビジョン思考であるという違いです。

本書では90人のリーダーにインタビューを行い、
優れたリーダーに必要な4つの戦略をまとめました。

  戦略1. 人を引きつけるビジョンを描く
  戦略2. あらゆる方法で「意味」を伝える
  戦略3. 「ポジショニング」で信頼を勝ち取る
  戦略4. 自己を創造的に活かす

本書が示すリーダー像は、人の行動を促し、
フォロアーをリーダーに変えるだけでなく、
リーダーを変化の媒体にします。

これを本書では、「変革的リーダーシップ」と呼びます。

第2版では、新しい情報を盛り込んで改訂を行い、
最終章には新しいセクションが加えられ、
「これからのリーダーに求められること」として、
リーダーシップの未来についても語られています。

この本から何を活かすか?

本書の核となるのは、90人のリーダーへのインタビューです。

内訳は成功している企業経営者60人と、
公共セクターの卓越したリーダー30人。

有名どころでは、マクドナルド創始者のレイ・ロックさんや、
月面に降り立った初の人類であるアメリカの英雄、
ニール・アームストロングさんなどがいます。

ところで、企業経営者の60人は、ほとんどが白人男性でした。

この点については、第1版の1985年当時だけでなく、
1996年前後の第2版の執筆時点においても、
実業界で女性や黒人のリーダーを見つけるのは、
かなり苦労したと述べられています。

それから10年、アメリカでは黒人が大統領に就任し、
女性も大統領選を戦う時代になりました。

本書の第3版が執筆される頃には、インタビューを受ける
女性や白人以外のリーダーも、もっと増えることでしょう。

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| リーダーシップ | 07:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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絶対にゆるまないネジ

絶対にゆるまないネジ―小さな会社が「世界一」になる方法
絶対にゆるまないネジ―小さな会社が「世界一」になる方法

(2011/03/01)
若林 克彦 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

ネジは、外したい時には外すことができ、
それ以外の時はゆるまないことで価値を生みます。

ネジは外すことができるゆえ、激しい振動を与えると、
ゆるみやすいかゆるみにくいかは別にして、
その機構上、必ずゆるむというのが常識でした。

ところが、東大阪にある中小企業、ハードロック工業は、
この常識を覆す、「ハードロックナット」を作ります。

一見、何の変哲もないネジ(正確にはナット)。

ハードロック工業は、アイディアひとつで、
永遠のテーマだった「絶対にゆるまないネジ」を実現させました。

本書は、ハードロック工業の社長で東大阪のエジソンと呼ばれる
若林克彦さんのモノづくりの姿勢と経営哲学が語られています。

ネジやナットは、あまり表舞台に出てきませんが、
私たちの暮らしには、なくてはならない工業製品。

鉄橋、高速鉄道、原子力発電所など、
安全性の面から絶対にゆるんではいけない場所でも
たくさんのネジが使われています。

そういう場所でこそ、「絶対にゆるまないネジ」が、
絶大な信頼を得て、支持されているというわけです。

サイズの違い以外は、どれも似たように見えるネジ。

そんなネジを差別化することで、日本の中小企業が世界一になる。

若林さんの、妥協せず考え抜いて、モノづくりをする姿勢は、
日本の中小企業に前に進む力を与えてくれます。

若林さんが、本書で明かすオンリーワン商品を
生み出す心がけは次の3つ。

  心がけ1. すべてのものに好奇心をもち、見て、触れて、感じる。
  心がけ2. 世の中の商品はすべて未完成(60%~70%)である。
        どうすればもっと便利になるかを常に考える。
  心がけ3. 世の中ものは、すべて組み合わせで成り立つと考える。

3つ目の心がけは、ジェームス・W・ヤングさんが、
名著「アイデアのつくり方」の中で述べた考え、
「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外のなにものでもない」
と同じことですね。

ハードロック工業は、モノづくりの会社ですが、
世の中のすべてのサービスやアイディアは未完成と考えると、
どんな業種でも、あるいは個人でも本書の考えは参考になります。

 この本から何を活かすか?

  「私の場合、会社もそうですが、自宅の至るところに
  メモを置いています。そしてアイディアがひらめいたら、
  すぐにスケッチを残しておくんですね。」

実際に、「ハードロックナット」は、若林さんが
住吉大社の鳥居に「クサビ」が使われているのを見て、
着想したそうです。

考え続けること、好奇心を持つこと、メモをとること。

この3つは、個人的には見習いたいところです。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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古典で読み解く現代経済

古典で読み解く現代経済 (PHPビジネス新書)
古典で読み解く現代経済 (PHPビジネス新書)

(2011/05/26)
池田 信夫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「本書は2010年1月から2月にかけて行った
  “アゴラ連続セミナー”の記録に手を加えたものですが、
  自分の話に加筆していると、全体を通したテーマが
  “不確実性”だったことに気づきます。
  アダム・スミスやマルクスの時代から、
  資本主義は大きなリスクをはらんだシステムでした。」

本書は経済書の古典に新解釈を与え、
大きな転換期を迎える現代に生かすという
池田信夫さんの意欲作。

池田さんのブログ読者からすると、本書の古典の解釈も、
まさに池田さん的といった感じでしょうか。

本書には、そんな切り方をするのか、
と思わせるような、独自の視点が随所に見られます。

良くも悪くも、今まで持っていた古典的経済書への
イメージが見事に覆されています。

  第一講 既得権を考える
        アダム・スミス「国富論」
  第二講 金融危機を考える
        カール・マルクス「資本論」
  第三講 イノベーションを考える
        フランク・ナイト「リスク・不確実性・利潤」
  第四講 大不況を考える
        ジョン・メイナード・ケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論」
  第五講 自由主義を考える
        フリードリヒ・ハイエク「個人主義と経済秩序」
  第六講 財政危機を考える
        ミルトン・フリードマン「資本主義と自由」

この中で、私が注目したのは、グリーン・スパン元FRB議長が
2004年のスピーチでも使った「ナイトの不確実性」。

フランク・ナイトさんは、市場主義を信奉する
シカゴ学派の創始者の1人。

ナイトさんは「リスク」と「不確実性」を違うものと考えています。

それを池田さんは、次のようの説明します。

まずは、リスクの説明。

  「リスクというのは、サイコロとかコイン投げのように、
  母集団がたくさんあって、どういう確率で何が起こるかが
  よくわかっている事象です。これは事象の数を母集団で割るだけで、
  簡単にリスクの確率は計算できます。客観的に確率がわかっているので、
  保険とか金融商品でヘッジすることができます。」

そして、不確実性の説明。

  「これに対して不確実性というのは、同じことが二度と起こらない。
  たとえば北朝鮮からミサイルが飛んでくるかどうかとか、
  新商品がヒットするかどうかというのは、前例がないのでわからない。」

要するに、不確実性は備えることはできても、
予測することはできないということ。

良い方向へ不確実性が起これば、イノベーションとなり、
悪い方向に起これば金融危機となるようです。

そして、日本的な全一致の経営判断は、
不確実性が入り込む余地が少なくなり、
つまりはイノベーションを阻むとも池田さんは指摘しています。

この本から何を活かすか?

ナイトさんの「リスク・不確実性・利潤」は、
かつて邦訳本があったそうですが、現在は絶版でないそうです。

しかし、原書はウェブ上で読めると紹介されていました。

  ・Risk, Uncertainty, and Profit

これ、全部を読む気にはなれませんが、
前書きぐらいは読んでみようと思います。

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| 経済・行動経済学 | 09:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界の変化を知らない日本人

世界の変化を知らない日本人 アメリカは日本をどう見ているのか
世界の変化を知らない日本人 アメリカは日本をどう見ているのか

(2011/05/31)
日高義樹 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

日本では、東日本大震災での福島第一原発の事故以来、
原発は危ないという認識が高まり、
各メディアでは「脱原発」が叫ばれています。

一方、アメリカ政府は、原子力エネルギーの開発を
これまでと同じように進めることを早々と決めました。

オバマ大統領も2011年3月30日、ジョージタウン大学での、
アメリカの新しいエネルギー政策の発表の中で、
日本の教訓を取り入れた上で、原子力エネルギーの開発を
これからも推し進めていくと述べたそうです。

日米では、信じられないくらい原発に対する温度差が生じています。

なぜ、アメリカは福島の事故後も原子力を推進するのか?

それは、アメリカは今回の事故を技術的な問題ではないと
認識しているからです。

日本の原発技術はアメリカと同程度に高く、十分信頼にできる。

しかし、問題なのは原発そのものではなく、日本政府の危機管理体制。

監督官庁の許認可と、事故後の政府の対応に問題があると
アメリカでは認識されているようです。

本書は、震災後のアメリカ政府の見方を中心とした、
日高義樹さんらしいワシントンリポート。

アメリカの要人へのインタビューを交えながら、
民主党政権への激しい批判が展開されています。

  「岡田元外相や、前原前外相についてのアメリカの外交専門家は
  “子供っぽい”と言っているが、彼らが日本にもたらした災害は、
  外交の観点からすれば東日本大震災による被害よりも大きい。
  悪質な人災である。」

震災を機に、アジアでの覇権を狙おうとする中国。
中国を牽制しつつ、大規模な救援活動を行った米国。
そして、情報開示せず世界中に不安を広げた日本。

本書を読むと、米中がパワーゲームの牽制をし合う中で、
日本だけがあたふたとして、外交力や危機管理能力のなさを
露呈している様子がわかります。

今回の震災での、日本にとってただ1つの良いこと。

それは、日米関係が少なからず修復されたこと。

  「今度の大震災による混乱の結果、日本が中国の影響下に
  置かれるのではないかとアメリカが心配したことによって、
  戦後最悪だった日米関係が、日本にとっては
  好ましい状況になりつつある。

  だが、私が懸念するのは、こういった好ましい変化にもかかわらず、
  民主党政権はこれまでと同じようにアメリカを味方とは思わず、
  せっかくのチャンスを生かそうとしていないことである。」

震災をこうむった人たちの犠牲の上に、やっと改善された日米関係も、
それを政府が生かせないことは、あまりにも悲しいですね。

この本から何を活かすか?

本書のあとがきに、興味深い話しが紹介されていました。

2011年5月9日、日高さんがハドソン研究所の経済研究部長、
アーウィン・ステルツァー博士の事務所を訪れたときのこと。

そこでは、「なぜいまの時期、日本円が高いのか」
という問題が話し合われていました。

そこでのロシアの投資家たちのひと言。

  「日本は最も安全なお金の置き場所だ。利息やもうけは問題ではない。
  安全を考えれば、日本が最も良い場所だ。」

政治や経済がボロボロの日本。

それでも治安や政治的安定を考えると、世界の投資家は、
日本を安全な資産の保管場所と考えているようです。

イタリアにまで飛び火した欧州通貨危機で、
2011年7月14日現在、1ドル78円台まで円高が進んでします。

やはり、有事のドル買いではなく、有事の円買いは、
マーケットのコンセンサスになっているようですね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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華僑流おカネと人生の管理術

華僑流おカネと人生の管理術
華僑流おカネと人生の管理術

(2011/05/20)
宋 文洲 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「華僑とは、国外にチャンスを求めて、また戦乱や文化大革命などで
  やむなく、母国・中国を離れ、海外で暮らしている中国人のこと。」

華僑の人たちは、異国の地で暮らしますから、
自国では遭遇しないような様々な困難に直面します。

しかし、それはチャンスを広げるために、
自らの判断で選択したリスクです。

彼らは、リスクの中で生き抜く術を見つけ、
そのノウハウを代々言い伝えていく。

  「本書では、そんな華僑のノウハウの一端を、
  宋文州という一人の人間の体験を通した形ではありますが、
  できる限り伝えていきたいと思います。」

宋さんは、ソフトブレーンの創業者で、
現在は同社マネージメント・アドバイザーを務めています。

発行するメルマガの登録者が9万人もいますから、
ご存知の方も多いでしょう。

人気の秘密は、起業して成功したからというよりも、
日本人の経営者とは少し違う視点を持っているからだと思います。

その根底にあるのが、本書で紹介される華僑の考え。

リスクを負うようなチャレンジをするが、
まずは現実的なところから始めて、資金を貯めながら
チャンスを探していく。

仮に失敗しても、それを生きる力として身につける。

そして、リスクをとる裏側では、
二重三重にリスク対策を行っていく。

実際に海外に出るか出ないかは別にして、
宋さんが本書で勧めるのは、そんな「華僑的な生き方」です。

  「あなたには、ぜひ華僑ならぬ“和僑”を
  目指していただきたいのです。」

個人的に、考えさせられたのは、
宋さんが、日本を離れ北京で暮らすようになった理由。

それは、お子さん(小学3年生と小学2年生)の子育てを、
あえて競争の過酷な中国で行おうと決意したから。

生活環境は、日本と比べて決して良いとはいえません。

それでいて、受験競争は激しい。

しかし、だからこそ子供の将来を考え、
生きる力を鍛え上げるために中国での生活を選んだようです。

私は、子供をぬるく緩く育てていますから、
見習うべき点がありました。

この本から何を活かすか?

  「家書抵万金(ジィア・シュウ・ディ・ワン・ジン)」

家書とは、その家に代々伝わる門外不出のノウハウで、
万金とは、たくさんの富という意味のようです。

  「代々伝わるノウハウは巨額の富に値する」

門外不出ではありませんが、自分がこれまで読んできた本で、
代々読み継いで欲しい「家書」を選定するのは、
面白い試みかもしれません。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 07:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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7つの法則 ― ビジネスを成功させる正しいコツ

7つの法則 ― ビジネスを成功させる正しいコツ
7つの法則 ― ビジネスを成功させる正しいコツ

(2011/05/31)
マーク・トンプソン、ブライアン・トレーシー 他 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:21

  1.リーダーとして成し遂げたことで、
   最も誇りに思うことは何か。三つ挙げよう。

  2.これまでの失敗の中で、最も教訓になったものは何か。
   その経験を自分のビジネスにどうやって生かそうと思うか。

  3.前に進むことが困難で、先の見通しも不確かな時、
   道を曲げない勇気をどのようにして他者に示すか。

  4.自分のリーダーとしての有効性を測る最も重要な尺度は何か。
   自分はなぜ給料をもらっているのだと思うか。

  5.今してることの中で、今分かっていることを知ったうえで
   もう一度はじめからやり直すとすれば、「今度はしない」と
   思うことはあるか。
   リーダーとして、今日、「するのをやめよう」と思うことは何か。

  6.社員、得意先、そして自分の家族にとって3つのP
   (目的、情熱、成果)は何か。

  7.自分のリーダーシップと仕事の状況が最高の状態を
   イメージしよう。それは現在とどこがどのように違っているか。

これは、本書、第1章末に書かれている
「素晴らしいリーダーになるための」7つの質問。

本書の監訳者である渡邉美樹さんは、本書の読み方として、
全体を読む前に、各章の最終ページにある「7つの質問」に
答えてみるように勧めています。

そして、全体を精読した後、再度、この質問に答えてみる。

いったい、どのような変化があるのか?

渡邉さんは、何度も本書を読み込み、
期間をおいてチェックを重ねることで、
さまざまな事柄が見えてくるようになると解説しています。

さて、本書は素晴らしいビジネスを築くための
7つのステップを具体的に示した本です。

著者は、「ビジョナリー・ピープル」の共著者である
マーク・トンプソンさんと、成功哲学の第一人者の
ブライアン・トレーシーさん

ビックネーム2人の強力タッグで書かれています。

  第1章 素晴らしいリーダーになる
  第2章 素晴らしいビジネスプランを立てる
  第3章 素晴らしい人材で周りを固める
  第4章 素晴らしい製品やサービスを提供する
  第5章 素晴らしいマーケティング・プランを立てる
  第6章 素晴らしいセールスの方法をマスターする
  第7章 素晴らしい顧客体験を提供する

実際に読んでみると、非常に分かりやすく説明されていますが、
意外とさらっと書かれている感じです。

トンプソンさんとトレーシーさんの共著で、
カバーされる範囲は広くなっているものの、
深く入り込むようには書かれていないのかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書には付録として、ビジネスから離れて、
「素晴らしい人生を生きる」ためのポイントが、15ページ程度の
文章にまとめられ、掲載されています。

その中では、理想の未来を実現のために必要な、
貯蓄額の計算方法が示されています。

  「毎月の必要額に240を掛ければ、経済的自立のために
  蓄えるべき目標金額がわかる。」

私が、以前このブログで試算した、経済的自立のための
必要元本額は、「毎月の必要額×100」
(月30万必要な人は、3000万の元本があればよい)でしたから、
本書の考えとけっこう大きな開きがありますね。

やはり、消費するためのストックと考えるか、
フローを生むためのストックと考えるかで、
大きな違いになるのだと思います。

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| 経営・戦略 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「伸び悩み」を脱出する3つのスイッチ

時間・習慣・人脈 「伸び悩み」を脱出する3つのスイッチ
時間・習慣・人脈 「伸び悩み」を脱出する3つのスイッチ

(2011/06/04)
山田 玲子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

あなたは、昨日、どれだけの時間を「浪費」しましたか?

この問いには、次の2点をクリアしていなければ、
答えることができません。

1つは、浪費の定義。

何をもって浪費とするかが決まっていなければ、
カウントすることができません。

本書ではスティーブン・コヴィーさんの
7つの習慣」の時間管理マトリックスをカスタマイズして、
4つに分類しています。

  Ⅰ 仕事の時間(緊急かつ重要)
      仕事、打ち合わせ、仕事上のメールなど
  Ⅱ 日課の時間(緊急だが重要でない)
      通勤時間、身支度、食事、風呂など
  Ⅲ 投資の時間(緊急でなく重要)
      自己投資の時間、家族団らん、健康のための運動など
  Ⅳ 浪費の時間(緊急でなく重要でない)
      暇つぶし、テレビ、ネットサーフィン、愚痴ばかりの飲み会など

そして、もう1つは、タイムログをつけていること。

自分がどう過ごしたかは、記録をとっていないと、
どんどん忘れてしまいます。

レコーディングダイエットと同じように、
時間の浪費を防ぐ第一歩は記録することから始まります。

  「お金の管理をしたい時には、まず家計簿をつけるように
  言われます。何にいくら使っているのか、自分で把握するためです。
  時間も同じです。まずは“時間のどんぶり勘定”をやめて、
  家計簿ならぬ“時間簿”をつけることからスタートしましょう。」

さて、本書は人気の4コマ書評ブログ
女子勉」の管理人・勉子さんこと、山田玲子さんの2作目の本。

今回は、山田さんがビジネス書を読んで実践し、
大きく人生を変えるほどの効果があったものを
「3つのスイッチ」として紹介します。

その3つのスイッチとは、「時間」、「習慣」、「人脈」。

山田さんが、伸び悩みのために
ビジネス書を読み始めたのが2007年。

そして読んだ内容を実践しながら書評ブログを始め、
瞬く間に著名ブロガーになりました。

2010年には「世界一分かりやすい4コマビジネス書ガイド」を
刊行しましたから、その効果は折り紙つき。

  「書評ブログをやっていて、何より驚いたのが、
  本を読んでも実際に実行する人がとても少ないことです。
  “伸び悩みを脱出するスイッチ”は、当たり前ですが、
  行動しないと入りません。ぜひ、読んだだけでなく、
  何か一つでも行動することで“スイッチ”をONにしてくださいね。」

この本から何を活かすか?

私も、本書の定義で7/10(日)のタイムログをつけてみました。
(時間は30分単位で記録)

4:30 起床
4:30~5:00 身支度、シャワー[日課]
5:00~5:30 スケジュール確認[仕事]
5:30~7:00 読書[投資]
7:00~8:00 朝食[日課]
8:00~9:00 ネットサーフィン[浪費]
9:00~10:30 借りてきたDVDで映画鑑賞[浪費]
10:30~14:30 子供のバスケの試合応援[投資]
           この内、昼食30分[日課]
14:30~17:30 買い物[日課]
17:30~18:30 子供の勉強を見る[日課]
18:30~19:30 夕食[日課]
19:30~20:00 だらだら[浪費]
20:00~20:30 風呂[日課]
20:30~21:30 録画のTVを見る[浪費]
21:30~22:00 就寝準備[日課]
22:00 就寝

締めて[浪費]4時間、[投資]4時間なので、
[投資]-[浪費]=0

これが毎日プラスになるようにしたいものです。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コナーズの短期売買実践

コナーズの短期売買実践 (ウィザードブックシリーズ)
コナーズの短期売買実践 (ウィザードブックシリーズ)

(2011/05/13)
ローレンス・A・コナーズ 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

本書の定価は「8,190円(税込み)」です。

  安くなったなぁ・・・

これが、私が本書を手に取ったときの感想です。

なぜ、8,190円もの値段の本が安いのか?

それは、本書が「魔術師リンダ・ラリーの短期売買入門」の
続編と考えてもいい内容だから。

本書の著者、ローレンス・A・コナーズさんは、
「魔術師リンダ」の共著者。

実はこの本、名著が並ぶパンローリング社の
トレード本シリーズである「ウィザードブック」の
記念すべき第1号として10年以上前に刊行されたものです。

なんと定価は、税込み29,400円。(原書の定価は175ドル)

この価格が、私にとってはけっこう衝撃的で、
それから比べると、本書は安いという感想になった訳です。

本書は、混じりっ気なしの100%トレード戦略本。
システムトレードのアイディア集です。

監修者のまえがきが1ページ半ある以外は、
ほぼトレード戦略だけが紹介されています。

コナーズの短期売買入門」にあったような、
相場での心構えや心理についてのレクチャーはありません。

紹介されるのは、27個のトレード戦略。

余計なことは書かれず、各戦略について、
「戦略の背景」、「売買ルール」、「チャート事例」、「まとめ」
の4項目がシンプルに説明されています。

例えば、冒頭で紹介される「CBP戦略」の売買ルールは、
以下の通りです。

  1. 週足でのADXが60よりも高い株を見つける。
  2. 株価は20ドル以上でなければならない。
  3. 週足でのADXが60に達し、その後ADXが下向きになるのを待つ。
  4. 上の3つのルールが満たされたら、空売りする。
     15%の位置にストップを置く。
  5. 20%の利益が出た時点でポジションの半分を利食い、
     残り半分に対してはトレーリングストップを置く。

各トレードアイディアは1996年~1998年までに
「プロフェッショナル・トレーダーズ・ジャーナル」に
コナーズさんが発表したものです。

つまり本書の内容は、10年以上前に考えられたものです。

10年以上前のトレード戦略なので、今は使い物にならないのか?
それとも、10年後の今の相場でも機能するなら、本物なのか?

日米で多少条件が違う部分を読み替えたり、
時間軸のカスタマイズは必要ですが、
検証してみる価値はありそうです。

その結果、本書の8,190円が、高いか安いかが決まります。

この本から何を活かすか?

  補助的ツールとしてのVIX指数(恐怖指数)戦略

コナーズさんは、VIX指数を使った戦略をいくつか紹介しています。

ただし、これらの戦略はメカニカルなシステムとして
使うことは推奨されず、コナーズさん自身も、
目先天井と目先底を見つけるために使っているそうです。

確かに、単独で使うのは難しいかもしれませんが、
市場の反転を見極める補助ツールとして、
他のシステムにプラスで使うにはいいかもしれません。

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| トレード | 06:51 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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やりきる

やりきる
やりきる

(2011/06/25)
上村春樹 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

ユナイテッド・ブックス松尾さんより、献本いただきました。
ありがとうございます。

最初に著者名を見たときに、一瞬、村上春樹さんかと思いましたが、
そんな訳がないと思って見直すと、上村春樹さんでした。

つまり、私は本書を読むまで上村さんのことを
まったく知らなかったということです。

上村さんは、1976年モントリオールオリンピック、
男子柔道・無差別級の金メダリスト。

現在は全日本柔道連盟会長にして、講道館の第5代館長を務めます。

ちなみに、講道館は1882年に嘉納治五郎師範によって
創設された柔道の総本山。

4代にわたり嘉納家の血筋の方が館長を務め、
嘉納家以外の人が館長を務めるのは上村さんが初とのことです。

ここまで書くと、上村さんは柔道会では、
ずいぶん輝かしい経歴をお持ちのように感じます。

それでは、なぜ、私は上村さんのことを知らなかったのか?

柔道をやっている人ならいざしらず、
失礼ながら一般の方では、私のように上村さんを
知らない人も多いのではないでしょうか。

上村さんの一般的知名度が、あまり高くない理由は、
少し下の世代の天才柔道家の陰に隠れていたから。

その天才柔道家とは、山下泰裕さん。

本書は、1978年の第1回嘉納治五郎杯決勝で、
上村さんが6歳下の山下さんに屈辱的な負け方をして、
引退を決意した回想シーンから始まります。

  「大切なのは、勝つしろ、負けるにしろ、“やりきる”
  という点です。負けるときも言い訳ができないほど
  “負けきった”とき、必ず後に続く道が生まれます。」

柔道選手としては、あまり恵まれた才能がなかった上村さん。

それでも、オリンピックで金メダルを獲得し、
引退してからも後進の指導に当たり、
日本柔道会のトップにまで上り詰めました。

それを可能にしたのは、常に「やりきる」ことを目指していたから。

  「本書は、私のこれまでの人生を振り返りながら、
  柔道を通して培ってきた私なりの思いや考えをお伝えします。
  試合で無様な負け方も多々経験していますが、
  やりきり、考えきったという点だけは自分でも誇りに思います。」

最近は、サッカーの長谷部誠選手の「心を整える。」が
ベストセラーになっているように、本書からもスポーツ選手の
心の鍛錬法などが参考にできると思います。

この本から何を活かすか?

  「春樹、人並みにやっていたら人並みにしかならんぞ。
  まして素質のないものは人の2倍、3倍やらなきゃ
  チャンピオンになれないんだ」

これは、上村さんが明治大学の柔道部に入って、
最初の大会で“気絶して”負けるという、
大きな屈辱を味わった時に、師匠にかけられた言葉。

そこで、上村さんはどうしたのか?

上村さんは2つのことを考えました。

1つは、2倍、3倍努力すれば、チャンスがあるということ。

もう1つは、、2倍、3倍の稽古を続けることは、ムリだということ。

そこで、上村さんが実際に行ったのが、
1日20分長く稽古すること。
そして、それを絶対に続けること。

この現実的な調整力こそが、上村さんの強みですね。

できる努力に調整してから長く続ける。
それが、成功を収める秘訣なのでしょう。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 10:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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コンサルタントの「ひと言」力

コンサルタントの「ひと言」力 (PHPビジネス新書)
コンサルタントの「ひと言」力 (PHPビジネス新書)

(2011/05/26)
野口 吉昭 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

  「“ひと言”の言葉、放つタイミングとニュアンスで、
  その場の空気を一変させることは可能だ。
  そして、たった“ひと言”で相手の考え方や行動を
  大きく変えることもできる。」

本書は、野口吉昭さんの「コンサルタント」シリーズの一冊。

このシリーズは、過去に何冊か紹介しましたが、
個人的には、本書が最高傑作だと思います。

エレベーターに乗っている約30秒の時間で、
わかりやすく簡潔に説明する「エレベーター・ステイトメント」
という言葉がありますが、本書が目指すのはその上。

10秒、ワンフレーズで相手を動かします。

紹介される“ひと言”は全部で45個。
いずれもメッセージが凝縮されたものばかり。

本書では、野口さんが厳選した流れを変えるひと言が、
以下の4つのカテゴリーに分けて紹介されています。

  ・目的を確認する「ひと言」
  ・相手に覚悟を促す「ひと言」
  ・相手の考えを整理させる「ひと言」
  ・自分の「ぶれない軸」とするための「ひと言」

例えば、わかりやすく説明してもらうためのひと言。

  「まず、全体像から説明してもらっていいですか?」

    [場面] 話がわかりにくい人との会話時
    [効果] 相手の話が整理できる

野口さんによると、話がわかりにくい人は2種類います。

1つは、話すことが整理されていても、スキルが不足している人。

そういった人は、このひと言で、意識が切り替わり、
わかりやすく説明してくれるそうです。

もう1つは、自分の中でも話が整理できていない人。

このタイプの人には、このひと言で、一旦、話を封じ、
考えを促すことができるようです。

また、本書には、名言的な“ひと言”もいくつか紹介されています。

通常、そういった名フレーズは、
日常の中では、あまり使う場面が少ないものです。

しかし、本書は実際に野口さんが日頃から、
口グセとして使っているフレーズですから、
いずれも使えるものばかり。

何気ない“ひと言”、どこかで聞いたことがある“ひと言”でも、
適切なタイミングで使うと、刺さる言葉になります。

本書は、“ひと言”のパワーを感じさせる一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「口グセ化」のすすめ

その場を変えるひと言を、タイミングよく発するためには、
これだと思った言葉を、「口グセ化」しておくと良いようです。

大事な場面で、普段口にしないひと言を使おうとしても、
いかにも借りてきたような感じになってしまいますから、
「口グセ化」して、口に馴染ませることが必要なのでしょう。

まずは、自分の口グセを一度棚卸しして、
本書から5つほど口グセ化してみたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 06:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術

日本一の「実行力」部隊 ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術
日本一の「実行力」部隊 ユニクロで学んだ「巻き込み」仕事術

(2011/05/27)
田中雅子 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:22

一人で、できることには限界があります。

ならば、周りを巻き込んで、チームで成果を出す。

巻き込みができると、
  ・リーダーシップや時間など、ないないづくしでも大丈夫
  ・今いるメンバーで結果が出せる
  ・自主性が生まれ、全員のモチベーションが上がる
  ・自分の力以上の成果が出せる

本書で披露されるのは、外資系企業からユニクロに転職し、
女性マネジャーとして、現場実践マネジメント術を学んだ
田中雅子さんの「巻き込み」仕事術。

  「巻き込みとは、自分以外のメンバーを徐々に増やしながら、
  彼らに無理やりやらせるのではなく、
  彼らのモチベーションに火をつけながら、
  自発的に動いてもうことを意味します。」

巻き込んでいく中心は、現場のマネジャー。
だからマネジャーは中間管理職ではなく、「中心管理職」。

マネジャーが台風の目となって、プロジェクトメンバーはもちろん、
部下、上司、他部署のメンバー、役員、社長までを
徐々に巻き込んで、大きな成果を出します。

巻き込む手順は、次の5ステップ。

  ステップ1. 「データベース」を整理する
  ステップ2. 口説く相手を分析して「戦略」を立てる
  ステップ3. 口説き方の「戦術」を練る
  ステップ4. 「コミット&期限」の確認
  ステップ5. 議事録にかぶせた「リマインドメール」の活用

田中さんもユニクロに転職した当初は、
外資系から来た女性マネジャーとして、
既存の社員からは、かなり警戒心をもたれたようです。

しかし、本書の巻き込み術で、徐々に協力する仲間を増やし、
ユニクロがV字回復する原動力となった
「ダイバーシティ・プロジェクト」を成功させたようです。

通常、この手の本は、ノウハウをベースに
事例を紹介するケースが多いと思います。

しかし本書は、田中さんのユニクロでの苦闘のストーリーの中に、
うまくノウハウ解説が組み込まれているので、
どのような変化が起こり、どんな成果が出るのかが、
非常にイメージしやすく、また、共感できる内容になっています。

この本から何を活かすか?

私が本書で興味を持ったのは、
最初に巻き込む相手の「データベース」を作ること。

ここのステップをしっかり行うことで、
その人の得意なことや強みを活かした
適材適所の協力体制が築けるようです。

ここでのポイントは、噂やステレオタイプな見方を
いったん削除して、自分の判断や直感をもとに
データベースを整理していくことです。

当然のことかもしれませんが、田中さんは、
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の
柳井正さんのデータベースも作っているようです。

仕事だけでなく、プライベートな人脈の
データベースを整理するのも面白いかもしれませんね。

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| リーダーシップ | 09:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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秋元康の仕事学

秋元康の仕事学
秋元康の仕事学
(2011/05/24)
NHK「仕事学のすすめ」制作班 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

秋元康さんは、「企画」のために、あえてリサーチをしません。

それは、なぜか?

特別なリサーチや専門的な知識を集めてキャッチした情報は、
一般の人には理解されにくいことが多いからです。

それよりも大切なのは、みんなが思っている、
「あるある話」を探して企画にすること。

  「企画のネタとうのは、実は、日常の中にあるのです。」

それでは、どうしたら、日常の中から、
企画のネタを見つけることができるのか?

  「企画の入り口というものは気づくことから始まるのです」

秋元さんは、日常的にさまざまな気づきを
記憶のリュックサックにどんどん入れて、
必要なときに取り出す作業を行っているそうです。

具体的には、日々の生活の中で、
自分が「おや?」と思ったことに対して、想像力を働かせ、
心の中で付箋をつける作業から始まります。

本書は、NHK教育テレビ「仕事学のすすめ」収録のために行われた
2回のトークセッションをまとめたもの。

1回目は、番組テキスト作成のための、
取材班に対する4時間にわたる語り下ろし。

2回目は、勝間和代さんとの対談です。

本書は、取材班へのトークセッションを軸に構成され、
勝間さんとの対談は、各章の最後に4分割して掲載されています。

基本的には、取材班へ話していることも、
勝間さんへ話していることも内容は同じです。

しかし、勝間さんとの対談で、
秋元さんの考え方の違いが、より鮮明になります。

かなり極端な例ではありますが、一応、勝間さんを
一般のビジネスパーソンの代表と考えると、
その思考のプロセスは、まさに正反対。

勝間さんを秀才型とすると、
秋元さんは天才型と考えることもできます。

ビジネス上のノウハウを学ぶなら、
やはり秀才型の勝間さんの方法論の方が、
学びやすいのかもしれません。

対談の中で、秋元さんは勝間さんに
「ゴルフの本」と「恋愛本」を執筆するように
アドバイスしています。

その助言を素直に実行したのが、
勝間さんの「恋愛経済学」だったようです。

天才型である秋元さんの企画も、
外れることがあるということでしょうか。

この本から何を活かすか?

  「魅力的な人の多くは“初めて”をつくるのが上手なんですよ。」

好奇心を持つ秘訣は、「初めて」をつくること。

年を取っていろいろと経験しても、少し視点を変えるだけで、
いくらでも「初めて」は見つけられと、秋元さんは説明します。

そういえば最近、私は、あまり「初めて」の経験がありませんでした。

少し意識を変えて、毎日、「初めて」が1つでもあるように
生活してみようと思います。

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| アイディア・発想法・企画 | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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孫の二乗の法則

孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学 (PHP文庫)
孫の二乗の法則 孫正義の成功哲学 (PHP文庫)

(2011/04/09)
板垣 英憲 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:23

  「いままで僕は何千冊の本を読んで、あらゆる体験、試練を受けて、
  この二十五文字で、これを達成すれば、到達すれば、
  僕はリーダーシップを発揮できる。後継者になれる、
  本当の統治者になれるというふうに心底思っている、
  その二十五文字です。」

それが、本書が解説する孫正義さんの「孫の二乗の法則」。

孫さんが20代の頃から、人生・経営の指針としてきた
横5文字×縦5文字=25文字の漢字からなる法則。

孫さんの業績から考えると、現在進行形の
日本屈指の成功法則といえます。

著者の板垣英憲さんは、20年以上前にこの法則に出会い、
2007年にサンガより「孫の二乗の法則」を出版しました。

ところが、2010年のソフトバンクアカデミアの開校式で、
孫さんは「孫の二乗の兵法」として、
この法則のバージョンアップを発表。

本書はそのバージョンアップに合わせて、
大幅に加筆・修正して文庫化したものです。

さて、「孫の二乗の法則」は、孫さんが慢性肝炎で入院した
20代中盤で「孫子の兵法」と出会った事をきっかけに作られました。

「孫子」の孫と、自らの「孫」を
掛け合わせたので、「孫の二乗の法則」。

その25文字は、「孫子の兵法」からの引用の14文字と、
孫さんがオリジナルで加えた11文字からなります。

  道天地将法 (どうてんちしょうほう) ・・・ 理念
  頂情略七闘 (ちょうじょうりゃくしちとう) ・・・ ビジョン
  一流攻守群 (いちりゅうこうしゅぐん )・・・ 戦略
  智信仁勇厳 (ちしんじんゆうげん) ・・・ 将の心得
  風林火山海 (ふうりんかざんかい) ・・・ 戦術

孫さんは、経営の岐路に立ったとき、
常にこの25文字を頭に想い浮かべ、何度も自問自答を
繰り返しながらチェックし、進むべき道と
ビジネスのありようを決断してきたようです。

本書では、この25文字の解説にあわせて、
孫さんのこれまでの人生と事業歴を振り返り、
いかにして孫さんが「孫の二乗の法則」を実践してきたかを、
ケーススタディとして学ぶことができます。

この本から何を活かすか?

ソフトバンクアカデミアとは、孫さんが校長を務める
孫さんの後継者発掘・育成を目的とした学校。

201年7月28日に開校されました。

ソフトバンクグループ内の社員はもちろん、
グループ外からも入校者を公募しています。

こちらのソフトバンクアカデミアのサイトでは、
孫さんが講義する次の2本の動画がアップされています。

  ・開校式 戦略特別講義「孫の二乗の兵法」
  ・第2回 戦略特別講義「意思決定の極意」

どちらも2時間以上ありますから、時間のある時にどうぞ。
私も、本書を片手に、ジックリと見てみます。

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| 成功哲学 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ほんとうに使える論理思考の技術

ほんとうに使える論理思考の技術
ほんとうに使える論理思考の技術

(2011/05/10)
木田 知廣 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  「自分の論理思考の力が上がれば上がるほど、
  仕事がうまくいかなくなりました。」

こらから、論理思考力を鍛えようと思っている方には、
ちょっと衝撃的な発言ですが、本書の著者、木田知廣さんは、
かつての自分をこのように振り返っています。

あなたは、ロジックを学ぶあまり、
「イタい」論理思考に陥っていませんか?

  ・会議で相手を言い負かすが、まわりはどんビキ
  ・評論家気どりで信頼を失う
  ・犯人探しで組織を腐らせる

これらは、論理思考を学んだがゆえに
職場で「イタい」人になってしまった例です。

そして、木田さんは気づきました。

結局、論理思考「だけ」じゃ、ダメだということに。

本書は、論理でツカんで、心理で動かす技術をまとめた本。

ロジックだけで人は動きませんし、
心理で人を動かそうとしても、
その根拠がなければ、説得力に欠けます。

論理と心理はビジネスで必要な両輪。

それぞれを別々に専門書で学ぶことはできますが、
どうせなら、論理と心理の融合を着地点と考えて、
体系的にマスターした方がイイですね。

実際のところ、200ページ程度の本で、
論理と心理の両方が完全に満たされているわけではありません。

しかし、本書で全体図を見通してから、
各専門書で不足を補った方が効率的だと思います。

野口悠紀雄さんが『「超」勉強法』で説いていた、
パラシュート勉強法です。

本書の構成は以下の通り。

[論理でツカむ!]
 第1章 論理思考のコツ
     ①主張と根拠を分ける
     ②ピラミッド・ストラクチャで論を構築する
     ③3大ポイントでチェックする

[心理で動かす!]
 第2章 CRICSSの法則
 第3章 明日から使える5つの心理テクニック

[論理と心理のドッキング]
 第4章 ほんとうに使える論理思考の技術
     4つのタイプ別に論理と心理で人を動かす

この本から何を活かすか?

  「あなたが仕事で一番大切にしていることは?」

この質問で、その人のモチベーションの源泉が分かるようです。

木田さんが分類する4つのタイプと
そのタイプの答えは、次の通りです。

  損得勘定型 : 「儲かるかどうか!」
  規範意識型 : 「会社にとっても、社会にとっても
            ためになることが一番大切です」
  承認欲求型 : 「誰かに喜んでもらうことが大切です」
  好悪感情型 : 「特にないです。好きな仕事をするのが一番」

また、木田さんのサイトでは、イタい論理思考度が
簡易チェックできるテストが用意されています。

  ・イタい論理思考 動物占い
  ・イタい論理思考検定

私は、「仕切り屋ボスザル」タイプで、
イタい論理思考度合は「4イタ」でした。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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グーグル 10の黄金律

グーグル 10の黄金律 (PHP新書)
グーグル 10の黄金律 (PHP新書)

(2011/04/21)
桑原 晃弥 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:16

検索といえば、グーグル。

Gメールなどのサービスを使っている人も多いので、
今やグーグルを知らないほとんど人はいません。

それほど、圧倒的な知名度を誇るグーグルですが、
企業としての実態は意外なほど知られていません。

なぜなら、グーグルのトップは三頭体制で、
その3人ともが、あまり表舞台に立つのを好まず、
発言が断片的だからです。

本書の著者、桑原晃弥さんはグーグルについて
分かっていることが3つあると指摘します。

1つ目は、グーグルという会社がビジネスよりも
ビジョンからスタートしたこと。

2つ目は、ラリー・ペイジさんとサーゲイ・ブリンさんが
開発した検索技術が世界一優れていること。

そして、3つ目は、現会長のエリック・シュミットさんが、
示した人材育成の十か条。

これは、2005年12月、ニューズウィーク誌に
「グーグル10の黄金律」という記事で掲載されました。

本書では、この10の黄金律に、
これまでのグーグル幹部の発言を当てはめ、
具体的にグーグルがどのようなシステムで、
創造的な仕事をしているかを解き明かします。

  黄金律1 採用は全員で
  黄金律2 あらゆる必要を満たせ
  黄金律3 一ヶ所に詰め込め
  黄金律4 調整が容易な環境を
  黄金律5 自社製品を使わせろ
  黄金律6 創造性を奨励せよ
  黄金律7 合意の形成に努めろ
  黄金律8 邪悪になるな
  黄金律9 データが判断をもたらす
  黄金律10 効果的なコミュニケーションを

ペイジさん、ブリンさん、シュミットさんら経営幹部が、
それぞれの想いで発してきた言葉を、
この黄金律を元に再構成するというのは、面白い試み。

三頭体制でありながら、1人の強力なリーダーシップで
牽引されている企業のように、その軸が微塵もブレていないところが、
グーグルの強みと言えますね。

本書の元ネタになっている「ザ・サーチ」、
グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」、
グーグル秘録」、「Google誕生」、などを読んでいる方には、
よく知られたエピソードが多いので、
少し新鮮味を欠く内容かもしれません。

この本から何を活かすか?

グーグルで最近話題になっているといえば、「Google+」。

グーグルが提供する、フェイスブックに対抗するSNSです。

これまで、三度SNSでは失敗しているグーグルですが、
果たして4度目の正直となるのでしょうか。

2011年7月1日現在、Google+はまだトライアル版で、
招待制になっています。

そういえば、Gメールが始まったときも招待制でしたね。

とりあえず、「連絡を希望」に登録。

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| IT・ネット | 06:26 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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