伝達力の基本

伝達力の基本
(2011/04/28)
大石 哲之 商品詳細を見る
満足度★★★★
付箋数:24
日本実業出版社、佐藤様より献本いただきました。
ありがとうございます。
本書のテーマは「伝える力」。
著者の大石哲之さんは、伝達力を次のように定義しています。
「自分が伝えたいことを、相手にとってわかりやすく、
正確に、誤解が生まれないように、しかも簡潔に伝えること。」
本書が、まさにその鑑。
200ページ弱の本ですが、伝え方をピンポイントで改善する
57個のルールがシンプルにまとめられています。
簡潔にして必要十分な内容。
本を読む側としては、コラムなどの本題から外れる
遊びの部分がちょっと欲しいと思わせるぐらい、
余分なことは一切書かれていません。
また、本書で特徴的なのは、伝え方の「表現」部分ではなく、
中身の「構成」にフォーカスしていること。
本来、話し方が流暢で、伝える内容も分かりやすいのが理想的。
しかし、どちらかを先に改善するならば、
しゃべりが上手くても、中身のない内容を伝える人よりも、
つたないトークでも、しっかりした内容を伝える人の方がいい。
そんな考えから、本書では特に伝えるコンテンツの
構成そのものを改善するヒントに絞って解説されています。
■Before
「以前ご提案いただいたお話よりも、良い提案をお持ちしました。」
■After
「以前ご提案いただいたお話よりも、価格はそのままで、
人員を10名多く派遣していただけるような提案をお持ちしました。」
例文は、このようにBefore-After形式で示されています。
Beforeにある“良い提案”って具体的に何?
客観的に見ると、ツッコミを入れたくなりますが、
普段は自分でも意識せずに、Beforeのような不明確な表現を
意外と多く使っているものです。
本書に紹介されていることは、言われてみると当たり前の
「基本」的なことがほとんど。
しかし、私も自分の普段の言動や文章をチェックしてみると、
かなりBeforeのような残念な伝え方をしてることが分かりました。
自分は伝え方の基本ができているか?
まずは、それを疑うことが
伝達力を高めるための第一歩になると思います。

「白紙の結論」を避ける
■Before
「各担当者から事故発生原因を聴取した結果、再発防止策を
検討する必要がある、と結論づけられた。」
「白紙の結論」とは、一見、結論になっているように見えて、
実は何も伝えていないもの。
具体的な提言やアクションを伴っていなければ、
本当の結論とは言えないと、大石さんは説明します。
これ、けっこう私はやってしまいがちですね。
自分の出した結論が、「白紙の結論」になっていないか、
チェックする習慣をつけたいものです。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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