活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2011年04月 | ARCHIVE-SELECT | 2011年06月

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大震災後の日本経済

大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント
大震災後の日本経済ーー100年に1度のターニングポイント

(2011/05/13)
野口 悠紀雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

震災後の日本経済が直面する問題の基本。
それが「クラウディングアウト」。

本書では、経済学になじみのない方のために、
次のような喩え話で説明されています。(所々省略して引用)

  100室の部屋があるホテルを想像していただきたい。
  客が70組しかいなければ、30室は使われないままだ。(不完全雇用)

  こうした状態で必要なのは、客を勧誘することである。(有効需要の創出)
  空き部屋がある状態では、客が増えれば、ホテルの収入は増える。

  ここ数年、それまでの常連客だった「輸出」という名の客が
  来なくなってしまったので、ホテル支配人は新規客の開拓に必死だった。

  さらに、「国債」という名の客が増えてきた。
  それでも、ホテルが満杯になることはなかった。
  なぜなら、「貸出」という客が減り続けていたからである。

  ところが、ある日地震が発生し、20部屋がつぶれてしまった。

  全壊した他のホテルから客(復興投資)が押し寄せてくると、溢れてしまう。

  ホテルにとっての問題は、いまや「空部屋があって困る」ことではなく、
  「客がつめかけて、部屋が足りない」ことになってしまったのだ。

  これまで減り続けていた「貸出客」が戻ってきた。
  それだけではない。「国債客」も増えた。
  さらに、このところ姿を見せていなかった「住宅客」まで押し寄せてきた。

  ホテルの部屋数は地震で減ってしまったので、
  増加した客をすべて収容することはできない。
  つまり、混乱現象が生じたのだ。

これが、混雑によって押し出されてしまう「クライディングアウト」。

本書で野口悠紀雄さんは、頭を180度切替えるように迫ります。

今までの、「需要不足」から、これからの「供給制約」へと。

今回の震災によって受けたダメージにより、
国内生産はある程度縮小せざるを得ない状況になります。

しかし一方で、復興のための投資を増大しなければならない。

つまり、「電力制約」というボトルネックが生じ、
国内生産を増やせない条件の中で復興投資を増やすには、
他の需要項目を減らす必要があるということ。

先ほどのホテルの喩え話で、押しかけてくる客を処理するための
合理的な方法として野口さんが提案するのは、部屋代を引き上げることです。

具体的に言うと、電気料金の引き上げ、またはそれへの課税。
そして、金利上昇と、それによる円高です。

円高を容認して輸入を増やせば、
間接的に海外の電力を買うこと同じ意味を持つとの主張です。

本書では、マスコミで盛んに煽られる感情論を排し、
マクロ経済の視点で日本の復興方法を論じています。

ただし、本書での主張があまりにも冷静すぎて、
被災者である日本人が、野口さんの提案を受け入れるには、
もう少し時間を要するようにも感じました。

この本から何を活かすか?

  「1ドル=50円台でも揺るがない経済を作る」

野口さんは、日米のインフレ率を考えると、1ドル=57円。
耐久財価格、あるいは金利平価で考えても、
1ドル=80円では、4割ほど円安であるという結論を導いています。

よって、日本に求められるのは産業構造を変え、
1ドル=50円台でもびくともしない経済を作ること。

個人的に考えなくてはならないのは、
1ドル=50円台になったとしても、マーケットから退場しない
ポジションサイジングです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール
ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール

(2011/04/09)
ドナ・ウォン 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:23

  「私は、“よい図表”と“悪い図表”を見分けるための基礎知識を
  できるだけ多くの人に伝えるために、本書を書きました。
  あなたも本書を読み終えるころには、図表を効果的に使いこなすことが
  できるようになっているでしょう。」

こう語るのは、2001年からウォールストリート・ジャーナルで
グラフィック・ディレクターとしてグラフィックスの責任者を務める
ドナ・ウォンさん。

本書は、ウォンさんが培ったシンプルで、
分かりやすく伝えるための図表作成のルールをまとめたもの。

分析内容、使用する表やグラフの種類はもちろん、
デザイン、フォント、色、罫線などかなり細かいところまで、
実用的なガイドラインが示されています。

  Chapter1 読み手にとってわかりやすい図表とは
  Chapter2 データを正しく表現する図表のつくり方
  Chapter3 図表に必要な統計とマーケットの知識
  Chapter4 図表作成で発生する問題の解決方法
  Chapter5 プロジェクト管理に役立つ図表

どのChapterでも、先に「悪い例」が示され、
解説と共に「良い例」が示されているので、
その差が歴然と分かり、すぐに作成のコツがつかめます。

見やすく作ったつもりが、つい色を使いすぎて、
かえって見にくい図表になってしまった。

あるいは、とりあえずグラフを作ってみても、
結局、何が言いたいか分からない図表になってしまった・・・

こうした悩みは、ウォンさんが示す
インフォメーション・グラフィックスの手順を覚えれば、
一気に解消できそうです。

ウォールストリート・ジャーナのディレクターだけあって、
「マーケットの知識」として、世界の主要な株価指数や
パフォーマンスの測定方法などが解説されているのはご愛嬌。

それ以外は、どんな分野やポジションの
ビジネスパーソンでも活用できる
図解表現のノウハウが詰め込まれていますから、
手の届く場所に常において置きたい一冊です。

そして、ウォンさんの実力もさることながら、
訳者の村井瑞枝さん自身が図解表現の第一人者であることも、
本書の質を高めることに、大いに貢献しています。

村井さんの「図で考えるとすべてまとまる」も
なかなか良書だったように私は記憶しています。

この本から何を活かすか?

私は、ウォールストリート・ジャーナルを
ポッドキャストで聞いています。

  ・Wall Street Journal This Morning

真剣に聞くというより、聞き流している感じですが、
聞き取りやすく、時間も約35分と手頃です。

ウォールストリート・ジャーナルの
インターネット・ラジオのサイトでも聞くことができます。

  ・RADIO NETWORK

This Morning以外で私がたまに聞くのは、
「Barron's on Investment」です。

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| ノウハウ本 | 11:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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金の空想科学読本

金の空想科学読本
金の空想科学読本

(2011/03/11)
柳田 理科雄 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

シリーズ累計300万部以上を誇る柳田理科雄さんの「空想科学読本」。

本書は刊行15周年を記念して作られたBEST版。

空想科学読本1~9までに書かれた原稿239本から、
読者の人気投票によって選ばれた、
思わず納得、抱腹絶倒の25本が掲載されています。

みんなが選んだ「空想科学読本」BEST25。

私はこのシリーズ、過去に半分くらいしか読んでいないので、
けっこう知らないネタもありました。

もちろん、読んだことのあるネタを、
あらためて読み直しても、十分に笑えます。

私は、柳田さんのどんな突飛なことでも
科学的に考察しようと試みる姿勢と、
ユーモアあふれる文章が好きですね。

それでは、BSET10の発表です。

  第1位 「お前はすでに死んでいる」って、どんな状態?
     空想科学読本5・「北斗の拳」より。
     過冷却に似た状態、「過死亡」というという理論で解説。

  第2位 ハイジの大ブランコは、ジェットコースターより怖い!
     空想科学読本3・「アルプスの少女ハイジ」より。
     振り子の周期から、ハイジの恐るべき身体能力を明かす。

  第3位 空想科学世界の最強は誰か? 科学が導く驚異の結論。
     空想科学読本2より。
     誰が最強かを解く鍵は、故ジャイアント馬場さんにあった。

  第4位 ウルトラセブンがマッハ7で飛ぶと、たちまち体が裂ける!
     空想科学読本1・「ウルトラセブン」より。
  第5位 ウルトラ兄弟の「成績表」に父の怪しい採点法を見た!
     空想科学読本6.5・「小学3年生」の記事より。
  第6位 キノコを食べて巨大化するマリオ。そんなこと可能?
     空想科学読本6・「スーパーマリオブラザーズ」より。
  第7位 デスノートを使えば、世界中の人間を裁けるか?
     空想科学読本7・「DEATH NOTE」より。
  第8位 ゴジラ2万t、ガメラ80t、科学的に適切な体重はどっち?
     空想科学読本1・「ゴジラ」より。
  第9位 抱腹絶倒!怪獣・怪人たちの、この弱点がすごい!
     空想科学読本4・「怪獣図鑑」より。
  第10位 ウルトラマンは裸か?それとも何か服を着ているの?
     空想科学読本9・「ウルトラマン」シリーズより。

こしてみると、上位にはウルトラマンシリーズのネタが多いですね。
11位以下の方が、もう少しバラエティーに富んでいます。

本書は、本当にオイシイところだけを集めていますから、
このシリーズを読んだことがない方にはオススメの一冊。

柳田さんは、BEST版第2弾の「銀の空想科学読本」の
発売も目論んでいるようです。

ちなみに、「空想科学読本10」も本書と同時刊行で、
こちらには関根勤さんをゲストに迎えた、
「空想白熱教室!」のDVDが付録としてついています。

この本から何を活かすか?

本書は、2011年3月11日が発売日でした。

この日、東日本大震災が起こりました。

本書には、第13位として
「津波から東京を救う代わりに、千葉を滅ぼすウルトラマン!」
の原稿が掲載されています。

事前に決まっていた内容とはいえ、このタイミングで、
本書が発売されたことに心を痛める柳田さんの
お見舞い」文がホームページに掲載されています。

また、同ホームページのコラムには
空想科学シリーズのノリとは異なる、
震災関係のマジメな科学解説が掲載されています。

こちらも必読。

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| 科学・生活 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スターバックス再生物語

スターバックス再生物語 つながりを育む経営
スターバックス再生物語 つながりを育む経営

(2011/04/19)
ハワード・シュルツ、ジョアンヌ・ゴードン 他 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:28

スターバックスは、いかにして復活することができたのか?

スターバックス物語、第2幕。

  「2007年、スターバックスは道を見失った。
  成長に固執するあまり業務から目をそらし、中核となるものから
  離れてしまったのだ。一つの決定や戦略や個人が悪かったのではない。
  セーターの糸が少しずつほつれていくように、
  崩壊はゆっくりと静かで漸進的だった。」

どんな企業でも、成長し規模が拡大するにつれ、
創業時の想いが薄まるジレンマに悩まされます。

それはまさに、グローイングペインズ。
スタバも例外ではありません。

知らず知らずのうちに、コモディティ化が進んでいました。

不幸だったのは、スタバらしさが失われ、
その影響が出始めた時期に、金融危機が起こったこと。

  「そこで2008年1月、多くの人を驚かせて、私はCEOに復帰した。」

スティーブ・ジョブズさんが復帰して、見事にアップルは復活しました。
ユニクロには、柳井正さんが復帰しました。

そして、スターバックスにはハワード・シュルツさんが復帰しました。

本書は、シュルツさんが戻ってからのスタバの改革物語。

外部から見ていると、金融危機後の米国の景気回復と共に
スタバも苦労なく復調してきているように見えましたが、
そんな生易しいものではなかったようです。

全米7100店舗の一時閉鎖、600店の撤退と12000人の解雇。
ソルベットでの失敗。
そして、インスタントコーヒー「VIA」の発売。

実際は、大きな苦悩を抱えながらも、
苦しい決断と実行を繰り返すことで、次の成功の扉が開きました。

それは、市場からの信頼を取り戻すというよりは、
自分との戦いにおいて、本来目指すべき姿、
つながりを育む経営を思い出し、
次第に自信を取り戻していったようにも見受けられます。

この復活劇で、スタバの株価は、2008年12月から
2010年12月の2年間で約400パーセント上昇しました。

本書では、シュルツさんの様々な想いが詰まった
ジェットコースターのような2年間が語られています。

スターバックス成功物語」と共にファンには必読の書です。

この本から何を活かすか?

本書を読むまで、スタバのインスタントコーヒーなんて、
と思っていました。

80年代後半、シュルツさんが、細胞生物学者のドン・バレンシアさんと
出会って始まったスタバのインスタントコーヒー開発。

2007年にバレンシアさんが他界すると同時に完成した、
淹れたてコーヒーのような風味を持ったインスタントコーヒー。

それが、バレンシア(ValencIA)さんにちなんで命名された「VIA」。

インスタントにしては値段が高いようですが、
一度「スターバックス ヴィア」を飲んでみようと思いました。

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| ブランディング | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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こうして会社を強くする

こうして会社を強くする (PHPビジネス新書)
こうして会社を強くする (PHPビジネス新書)

(2011/03/19)
稲盛 和夫 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

1998年に刊行された名著「実践経営問答」の改訂新装版。

稲盛和夫さんが主宰する盛和塾での経営問答をまとめたものです。

経営者の悩みに、稲盛さんが答える
いわゆる経営相談がQ&A形式で掲載されています。

まず驚くのが、経営の本質を突いた問答であるため、
10年以上経っても内容がまったく色褪せていないこと。

それどころか、不透明感の増す今の時代において、
稲盛さんの膝を突き合わせた本気のアドバイスが
より一層、価値を増しているようにさえ思えます。

基本的に、二代目・三代目社長の
経営上の悩みに対する回答がほとんどです。

だからといって、経営者ではない一般のビジネスパーソンに
役立たないかというと、全くそんなことはありません。

例えば、最初の相談者である将来二代目社長になる方には、
次のような葛藤があります。

従業員や幹部に対して、厳しく経営課題の実現を要求すべきか。

それとも、父親の経営方針を踏襲して、
人の弱さを認め、和をもった経営を目指すべきか。

これは、人事のローテーションがある会社では、
経営者でなくても、突き当たる問題です。

特に、前任者がゆるくマネジメントしていて、
高い理想を持った管理職が後任になる場合などでも、
同じような悩みを抱えますね。

この問いに、稲盛さんは答えます。

  「弱さを認め合ったり、慰め合ったりすることが良いとか、
  悪いとかではありません。どういう道を歩きたいか、
  どういう到達点に至りたいかということが、
  まず議論にならなければいけません。」

登る山が決まっているからこそ、そのプロセスが決まるのであって、
条件の異なる山に登るのに、そのプロセスを比べても
意味がないと説明します。

そして、目指す山が決まり、その過程において
厳しいと非難された場合、このように言うべきだと。

  「私自身は弱いし、間違ってもいるし、いい加減だ。
  それを私は直していこうと、心を高めていこうと思っているし、
  皆さんにも良くなってもらいたいと思っているのです。
  それはなぜかというと、うちの会社をこういう会社にしたいからで、
  私の理想とする会社にするためには、
  今私が言っているような生き方が必要なのです。」

本書は、稲盛さんの叡智がみごとに集約されています。

旧版を読んだことのない方はもちろん、
読んだことのある方にも、改めて読むことを
おすすめしたい一冊です。

この本から何を活かすか?

本書が素晴らしいのは、稲盛さんが相談者の悩みを真剣に聞き、
誠心誠意答えていること。

悩みと真剣に格闘したといえば、私が思い出すのは、
北方謙三さんの、ハードボイルドな人生相談「試みの地平線」。

かつてホットドッグ・プレス誌に連載されて、
人気を博したコーナーでした。

私は、20歳前後で読んでいたように記憶しています。

本書を読んで、名著は時代を超えると実感したので、
「試みの地平線」もあらためて読んでみようかな・・・

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| 経営・戦略 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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ホリエモンの宇宙論

ホリエモンの宇宙論
ホリエモンの宇宙論

(2011/04/19)
堀江 貴文 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

  ジェフ・ベゾスさん(アマゾン創業者兼CEO)
  ジョン・カーマックさん(id Softwareの共同設立者)
  イーロン・マスクさん(PayPal社の前身X.comの共同設立者)
  サーゲイ・ブリンさん(Googleの創業者、技術部門担当社長)

  そして堀江貴文さん(元ライブドアCEO)

こららのIT長者に共通することは何か?

年齢は、ベゾスさんが少し上で、他の4人はほぼ同世代。

実はこの5人、宇宙に投資しているという共通点を持ちます。

堀江さんは、共通する理由はよく分からないとしながらも、
次のように推察しています。

アポロ計画が終わって、国が主導する宇宙開発に
夢がなくなった時期に子供時代を過ごしたため、
国なんかに任せていては、自分は宇宙に行けないという思いが、
ITで成功して十分なお金を手に入れた後に、
宇宙への投資を駆り立てたのではないかと。

本書は、民間人の手による民間人のための宇宙開発論。

  「私たちは、宇宙開発は国がやるものだと漠然と思い込んでいる。
  確かに今までの目立つ宇宙計画はほとんどが国の予算で実行されてきた。
  だから私たちは忘れてしまったのだ。
  宇宙開発ができるのは国だけじゃないということを。」

堀江さんは、非常にマジメに宇宙ビジネスについての
想いを語っています。

他の著書がマジメに語っていないという訳ではありませんが、
本書は明らかに違います。

その意味では、いつもの堀江さんを期待して読むと、
ちょっと拍子抜けするかもしれません。

しかし、私にとっては、新たな一面を見たように感じ新鮮でした。

本書で堀江さんは、宇宙開発の歴史を振り返り、
民間の役割と政府の役割を真剣に論じたうえで、
未来の宇宙ビジネスについての夢を語っています。

確かに、専門家からすると、何をバカな、
と思われるようなことも書かれています。

しかし、そこに熱い想いがあり、明確なビジョンが示されているので、
いつものような軽さは感じられません。

  「私たちは知っているものの延長線上に未来を考えがちだ。
  でも実際には、今は存在しないものが未来を作っていく。」

単なる金持ちの道楽じゃないの
といった偏見を一蹴する渾身の一冊。

私が読んだ堀江さんの著作の中では、
本書が一番可能性を感じました。

この本から何を活かすか?

  「必要なのは固定観念を変えることだ。
  人間一般の想像力は意外なくらいに乏しい。(中略)

  だから私たちは、どんなバカげたように聞こえる話でも、
  一応の筋が通っているならば、まずは受け止めてきっちりと考え、
  前に進んでいく必要がある。

  大切なのは、『今はこうだ』という現状ではなく、
  『これからどうしたいか』という希望・野望だ。」

これは本書の中で、私に刺さった言葉です。

刑期を終えた後も、堀江さんの宇宙への想いが
変わらないことを望みます。

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| 科学・生活 | 09:42 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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ニッポンの書評

ニッポンの書評 (光文社新書)
ニッポンの書評 (光文社新書)

(2011/04/15)
豊崎 由美 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

光文社のPR誌「本が好き!」で、
2008年7月号から2009年11月号まで連載された
「ガター&スタンプ屋ですが、なにか? わたしの書評術」を
加筆訂正してまとめた本。

「プロの書評家」としての豊崎由美さんの、
書評への熱き想いが語られています。

豊崎さんは、池袋コミュニティ・カレッジで7年間、
書評講座を開講しているそうです。

その講座を担当するうちに生じた、自らの書評観の揺らぎ。

そして、世間に溢れる素人書評ブロガーや、
アマゾンレビュアーへの憤りなどが綴られています。

  「批判は返り血を浴びる覚悟があって初めて成立するんです。
  的外れなけなし書評を書けば、プロなら“読めないヤツ”という
  致命的な大恥をかきます。でも、匿名のブロガーは?
  言っておきますが、作家はそんな卑怯な“感想文”を今後の執筆活動や
  姿勢の参考になんて絶対にしませんよ。
  そういう人がやっていることは、だから単なる営業妨害です。」

プロ書評家としての意地が、少し前面に出すぎていますが、
それは書評に対する熱い想いがある証し。

いろんな意味で豊崎さんの危機感も伝わってきますね。

また、豊崎さんはプロアマ問わず、
ネタバレ書評を書く人へも攻撃的に批判を行っています。

この点については、私も本についてのブログを書くうえで、
気をつけなければならないと、あらためて感じました。

また、「新聞書評を採点する」とう面白い企画もあります。

豊崎さんは、2009年4月26日に大手新聞6誌に掲載された、
署名入り書評43本を、ズバリ評価しています。

個人的には、豊崎さんからD評価の烙印を押された方より、
特A評価された作家の小野正嗣さんに注目したいところです。

小野さんの書評は、自分が100回生まれ変わっても
書くことのできない傑作書評と、豊崎さんから評されています。

本書には、その書評の全文が引用されていますが、
もっと小野さんの書評を読んでみたくなりました。

この本から何を活かすか?

  「トヨザキ流書評の書き方」

  1.カバーをはずす。
  2.小さく切った付箋を見返し左上部分に貼っておく。
  3.三色ボールペンで気になったところをカギカッコで囲んだり、
    線を引きながら読み、その行の頭に付箋を貼る。
  4.最後まで本を読み終えたら、付箋のところだけ読み返し、
    書評を書くために必要なページに小さな白い紙をはさんでいく。

この作業の過程で、豊崎さんの頭には、
書評の見取り図ができ、あとはパソコンに向かえば、
すぐに書き始めることができるそうです。

あとは、指定文字数の倍以上の分量を書き、
削っていくのがポイント。

このブログは正確には書評ブログではありませんが、
多めに書いて削るという工程は、ぜひ参考にしたいところです。

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| 文章術 | 07:43 | comments:1 | trackbacks:1 | TOP↑

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ウソを見破る統計学

ウソを見破る統計学 (ブルーバックス)
ウソを見破る統計学 (ブルーバックス)

(2011/04/21)
神永 正博 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:28

あるメーカーの顧客サポートセンターがあります。

このサポートセンターには、1時間当たり平均3件の電話相談が入り、
相談員が1時間で処理できる件数は、平均で6件です。

電話相談件数が、処理できる件数より下回っていても、
同じ時間帯に相談が集中すると、待ち時間が発生します。

このサポートセンターの相談員の人数を1人から2人に増やした場合、
お客の待ち時間はどのように変わるでしょうか?

また、1人から4人に増やした場合はどうでしょうか?

直感的には、相談員1人でやっている仕事を2人でやれば、
仕事を終えるまでにかかる時間は半分に、
4人でやれば4分の1になるような気がします。

しかし、実際には相談員を2人にしたときの待ち時間は
3分の1に。同じく4人にしたときは、15分の1になります。

これは、このサポートセンターの仕事が、
「ポアソン到着(ポアソン分布)する」から。

ポアソン到着は、オペレーションリサーチの分野で
有名な「待ち行列理論」を使ったもので、
電話交換機やウェブサイトのサーバー負荷の見積もり、
空港、駅、病院などの窓口設計に利用されています。

このように、わたしたちの身の回りには、
統計学が応用されたものが、けっこう使われているものです。

さて、本書は統計の基礎から、冒頭のサポートセンターのような
応用例までを解説する入門書。

平均、標準偏差、相関、検定、回帰分析、推測統計など、
分かりやすく対話形式で解説します。

主人公・素呂須譲二(ソロスジョウジ)は某国立大学工学部で、
統計を教えています。

その譲二のもとに、経済学部に通う娘や転部を悩む学生、
卒業を心配する学生、IT企業の採用担当者などが、
様々な問題を持ち込んで相談するという設定です。

難しい数式は出てきませんが、まったく統計を
学んだことがない人には、少し難しく感じるかもしれません。

神永正博さんの本は、以前に『食える数学』や
不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を紹介しましたが、
私は本書が一番面白く読むことができました。

この本から何を活かすか?

陸上競技、男子100メートル走と男子マラソン、
今後、世界記録が伸びる可能性があるのはどっち?

私の感覚では、競技時間の長い男子マラソンの方が、
記録が出る条件や構成する要因が多いので、
もっと記録が伸びる可能性があると思っていました。

しかし、統計学的には違うようです。

  男子100メートル走の記録は9秒29まで伸びる可能性があるが、
  男子マラソンは記録の限界に近い。

これはドイツの統計学者ジョン・アインマールさんと
計量経済学者のジャン・マグナスさんが出した結論。

「極値統計」の理論を使って世界記録の限界値を予測したそうです。

2011年8月開催の「世界陸上韓国テグ」も
こういった統計学による予測を知っていると、
またちょっと違った見方ができるかもしれません。

ちなみに、女子マラソンは、まだ8分以上記録が
更新される可能性があるそうです。

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| 数学 | 06:44 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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マッチポンプ売りの少女

マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~
マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~

(2011/04/25)
マネー・ヘッタ・チャン 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:8

  「世の中には浮気している彼氏より、サービス残業だらけの
  ブラック企業よりもコワ~イことがたくさんあって、
  “知らないうちにだまされている”ってことばっかりなの。
  この本は、そんないいようにだまされているあなたを、
  余計なおせっかいで片っ端から現実に引き戻しちゃいます☆」

前作「ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」が
大きな話題になったマネー・ヘッタ・チャンさん。

本書は、その童話風暴露本の第2弾。

今回は金融情報に限らず、「やらせ・出来レース」をテーマに、
広い範囲の黒い噂をネタにしています。

  Story1  ゴーグルをかけた猫 (グーグル検索)
  Story2  コブラの魔法使い (水嶋ヒロさんとポプラ社)
  Story3  マッチポンプ売りの少女 (つくられた流行)
  Story4  アクデスと40人のどろぼう (日本ユニセフ協会)
  Story5  家を買った娘 (新築マンション購入)
  Story6  だんごう3兄弟 (不動産会社の談合)
  Story7  白々しい姫 (生命保険の転換セールス)
  Story8  みにくい天下りの子 (天下り会社)
  Story9  金のゼーリシと銀のゼーリシ (OB税理士と試験合格税理士)
  Special volume  インゴッドは死んだ (預金封鎖と新円切替)

これらの物語は、タイトルだけが童話風になっていて、
マッチを擦ると裏情報が浮かんで見える設定意外は、
特に童話になぞられているわけではありません。

ストーリーの後の解説でも、
更に痛烈な「やらせ」への批判がなされています。

前作もそうでしたが、本作はそれに輪をかけて、
私には読んでいて、あまり気持ちの良いものではありませんでした。

別に現実を見たくないからではありません。

私は基本的にシニカルな語り口や
ブラックジョークなどは大好きです。

橘玲さんの本は欠かさず読みますし、
昔からモンティパイソンの大ファンでもありますから。

しかし、本書はあまり好きになれません。
それは、なぜか?

本書で語られていることが事実であることも多いと思います。

ただ、童話風にしていることから、どこまでが事実で、
どこからが単なる推測なのかの線引きが曖昧。

そのため、すべてが噂の域を出ていない印象を与えています。

また、シニカルに語るには、その裏に知性を感じさせるものが
必要だと思いますが、本書には残念ながら、
それが感じられませんでした。

この本から何を活かすか?

けっこう否定的なことを書きましたが、
特設サイトに掲載されている「あとがき」を読んで、
ヘッタ・チャンさんへの印象が変わりました。

特設サイトはこちら。
マネー・ヘッタ・チャン公式サイト@まだまだ成長中

「あとがき」って大事ですね。

ヘッタ・チャンさんの人柄が出ていて、
これを載せていないのは、ずいぶんもったいない気がします。

更にヘッタ・チャンさんのブログを読むと、
もっと印象が変わるかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| マネー一般 | 06:54 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義

こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義
こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義

(2011/04/16)
内藤 忍 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:12

お金については、常に「王道」を説く
「資産設計塾」シリーズの著者、内藤忍さん。

「ウラお金学」なんて、内藤さんらしくないタイトルだと思って
本書を手に取りましたが、中身はいつもの内藤さんでした。

  「本書は、一攫千金を狙うようなお金のテクニックではなく、
  これから起こる大きな変化の中で、日本人がどのように
  お金と付き合えばいいかをまとめたものです。」

どこが「ウラお金学」かというと、
まだ、多くの人が実践していないことだからです。

それでは、次のチェックリストに、
自分が当てはまるか試してみましょう。

  □ 専門家の考えは、すべて正しいと思っている
  □ テレビで紹介される流行ものが好きだ
  □ ちょっとした節約をするくらいなら、今使ってしまったほうがいい
  □ 宝くじを定期的に買っている
  □ 経済関係の本や雑誌はあまり読まない
  □ 自分の毎月の支出がどれくらいなのか、計算したことがない
  □ 将来は不安だけど、結局はなんとかなると思っている

いかがでしたか?

チェックが多いほど、お金を守れない傾向が強いとのこと。

私は、このチェックリストに1つも当てはまりませんでした。

それは私が特別なのではなく、恐らく、
1つも当てはまらない方は、けっこう多いと思います。

しかし、このリストに当てはまらないからといって、
お金を増やせるわけではありません。

これは、あくまで「お金を失わない」ためのチェックリスト。

内藤さんは、そこまで書いていませんが、
お金を増やす方法は、このリストの外にあります。

お金を失わない人には、意外と簡単になれますが、
お金を増やせる人には、そう簡単になれないと思います。

本書では、日常での思考を含めた、
賢くお金と付き合う方法が、淡々と書かれています。

あまりにもマジメ過ぎて、正直、
読んでいて面白味に欠けます。

しかし、コツコツとお金を増やすためには、
面白味を求めるのではなく、時間を味方につけて、
着実にお金持ちに近づいていくことが大切。

お金と付き合っていくこうえでも、
平凡なことを非凡なくらい続けることが必要なんですね。

この本から何を活かすか?

  「いくらあれば“満腹”になるかを決める」

お金に対する人の欲望には、満腹中枢が働かないので、
いくら稼いでも満足しないと内藤さんは説明します。

だから、お金はあくまでも手段だと意識して、
“満腹”になる額を、あらかじめ決めておいた方がいいと。

個人的には、「ストック」ベースで思考するから、
満足しないのだと思います。

大切なのは、一生続く「フロー」を確保すること。

それができれば、ある程度の「ストック」でも満足でき、
お金の呪縛から開放されるはずです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| マネー一般 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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日本復興計画

日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
日本復興計画 Japan;The Road to Recovery

(2011/04/28)
大前 研一 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  「2011年3月11日、日本を襲ったマグニチュード9.0の地震と
  それに続いた大津波、それによる居住区の破壊、
  工場群の被災、インフラの切断、そして福島第一原発の
  チェルノブイリ原発事故に並ぶレベル7の災害。
  この本は、これらの危機・破壊がなぜ起こったかという
  事実認識と、そのうえにたった短期・長期の復興の道筋を
  考えてみようというものである。」

本書には、特筆すべき点が3つあります。

まず第一に、東日本大震災後の日本復興計画を、
震災が起きてから、わずか1ヶ月半でまとめて刊行したこと。

そんな荒業ができたのは、本書が震災から2日後の
2011年3月13日と、その1週間後の3月19日に放送された
「ビジネス・ブレークスルー 大前研一ライブ」を中心に
書籍化されたものだからです。

しかし、120ページ程度の薄い本であっても、
この期間で出版までこぎつけるのは容易ではありません。

これは、平時から論理的思考力を駆使して、
様々な提言をしている大前さんだからこそなせる技です。

第二に、大前さんの慧眼に、あらためて驚かされます。

震災直後の限られた情報で、事実から論理的に
その影響を予測しています。

今回の原発事故は大前さんの専門(?)分野ですが、
当時、わずかな情報で、ここまで正確に事態の全体像を
把握していた人は、ほとんどいなかったはずです。

YouTubeにアップされた「大前ライブ」は私も見ましたが、
こうして書籍化されてたもので冷静に見直すと、
その分析の正確さと洞察の鋭さには、目を見張るものがあります。

非常時だからこそ、大前さんのコンサルタントとしての
圧倒的な力量が如実に現れている印象です。

そして第三に、大前さんは本書の印税を全額放棄していること。

本書は、売り上げの12%を震災の復興支援に使うことを
版元である文芸春秋との間で合意しているそうです。

  「あなたがこの本を1冊買うと、137円分が震災復興に使われる。
  あなたも日本復興計画に参加することになる。ありがとう!」

大前さんの提言は、実行するにはハードルが高いとの
批判を受けることがありますが、本書の復興支援企画は、
実効性の高いものですね。

この本から何を活かすか?

あまり日本復興と関係ありませんが、
本書の中で、私に刺さった言葉。

  「奥さんに投資いているのかどうか。」

これは自己投資の必要性を説いている一節に
書かれていた言葉です。

最近、私は、妻と共に学ぶことを意識してませんでした。

まずは、4月以降も無料公開された「大前ライブ」が、
YouTubeにアップされているようですので、
妻と一緒に見てみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 07:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーディング3.0

リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術
リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術

(2011/04/22)
本田 直之 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  <電子書籍に向く本>
    ・サクサク気軽に読める本
    ・ひたすら前に読み進められる本
    ・レファレンス用の本
    ・外部情報にアクセスして付加価値を増す本

  <電子書籍に向かない本>
    ・じっくり読む本
    ・考えながら書き込みたくなる本
    ・細かい図表が多い本

本書では、電子書籍と紙の本の読み分けとして、
このように区分されています。

この区分に当てはめると、本書は「電子書籍に向く本」だと思います。

私は本書を紙の書籍で読みましたので、
紙なんかで読まずに、電子書籍で読もうと
勧められている感じがしました。

クラウドサービスが生み出した、「制約のない読書」。

物理的な制約、時間と場所の制約、情報シェアの制約。

これらの制約から解放された読書こそが、
本田直之さんが本書で提案する「リーディング3.0」です。

本田さんは「レバレッジ・リーディング」で
提唱していた読書法をリーディング2.0と位置づけ、
それをバージョンアップしたノマドスタイルの読書法を
リーディング3.0として解説します。

iPhoneなどのモバイルデバイス、エバーノートなどのクラウドサービス、
そしてツイッター、ファエイスブックなどのソーシャル・ネットワーク。

これらのサービスを駆使して、制約のないインプットと、
レバレッジをかけたアウトプットを、次の5つのステップで行います。

  1.良いものを効率的にインプットする
  2.ストックと整理を同時に行う
  3.サーチの発達で整理が不要になる
  4.シェアで多くの人とつながる
  5.フィードバックで自分の情報に磨きをかける

どちらかというとクラウドサービスを使いこなしている人より、
使いこなしていない人に向けて書かれています。

ですから、後半に行くにしたがって、
各サービスの使い方の説明が多くなっています。

欲を言えば、もう少し掘り下げて、
活用面の具体例を説明して欲しかった感じもします。

しかし、まだまだリーディング2.0の真っ只中にいる
私にとっては、参考になるノウハウが紹介されていました。

この本から何を活かすか? 

「制約のない読書」は、理想の読書なのか?

個人的な体験で考えると、何らかの制約の元で、
少し窮屈な環境で読んだ本の方が、
強く印象に残っていることがあります。

それは、制約を振り払ってでも無理して読書することで、
意外とスッと深いところまで入り込めたり、
背景にある厳しい環境と共に記憶に
刻み込まれるからなのかもしれません。

例えば、「国家は破綻する」は、600ページを超える重量本で、
その条件があるからこそ、どの場所でどういう体勢で、
どんな内容を読んだかが、けっこう鮮明に覚えています。

本田さんの提唱するコンセプトも良く分かりますが、
何らかの制約のもとでする読書も、いい面があると思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 読書法・速読術 | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術
すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術

(2011/04/13)
高橋 政史 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

  「整理とは、複雑なものをシンプルにすること」

本書では、7つのフォーマットを使って、
頭の中、プレゼン資料、机の上、仕事の情報などを
「1枚の紙」にまとめる方法が紹介されています。

著者は過去にマインドマップ関連の本を執筆している
高橋政史さん。

以前、高橋さんが勤めていた会社の部署では、
大量の書類があふれていたそうです。

高橋さんは、自分の仕事の引継ぎをするにあたり、
マインドマップを使うことで、大量の書類を一覧性が高く
シンプルな資料にまとめることができたそうです。

  「これをつくるようになった結果、3tトラック1台分の資料を
  畳4畳半分にまとめることができました。」

この喩えは、正直ちょっと分かりにくいですが、
本書での高橋さんの説明は、簡潔でわかりやすくなっています。

整理術の本ですから、ムダな記述も少なく、
本書自体も、シンプルにまとめられている印象です。

紹介されているフォーマットは以下の7つ。

  1. 問題・課題のポイントを3分でまとめる「Sの付箋」
  2. 隙間時間でも資料がつくれる「16分割メモ」
  3. 必要な情報を短時間で抜き出すための「キラー・リーディング」
  4. 身の回りをすっきりさせる「1枚引き継ぎマップ」
  5. 打ち合わせや会議の効果効率を高める「マッピング・コミュニケーション」
  6. 論理的な報告書・企画書ができる「1・2・3マップ」
  7. 報告やプレゼンで説得力を生む「物語プレゼンテーション」

この中で、マインドマップを使うのは「1枚引き継ぎマップ」だけで、
その他は高橋さんオリジナルのフォーマットです。

まとめる紙は付箋、A4の紙、メモ帳など
フォーマットによって異なります。

例えば、「Sの付箋」は、その名の通り、
少し大きめの付箋の中に書き込みますし、
「16分割メモ」は、無地のメモ帳を使います。

以前、小室淑恵さんの「ラクに勝ち続ける働き方」で、
無印良品のコマ割りされたノートが紹介されていて、
私も1冊購入して使ってみましたが、
本書の「16分割メモ」もコンセプトは同じです。

コマ割りされた1区画をプレゼンのスライド1枚と
見立ててアイディアを書き込みます。

「16分割メモ」は、自分でメモ帳に枠を描く手間をかける分、
分割数や枠の形や色などのカスタマイズが可能。

考えようによっては、単に無地のメモ帳を
枠で区切るだけです。

しかし、こうして枠でスペースを制限することで、
新しい発想が出やすくなるのは、新鮮な感動がありますね。

この本から何を活かすか?

「キラー・リーディング」は、本1冊を15分で読み、
さらにその内容を紙1枚に要約、1分で簡潔に説明する方法です。

  STEP1. 本を読む前に「問い」を設定する。
  STEP2. 目次や本の中をパラパラめくりながら、
        キーワードを16個抽出する。
  STEP3. 設定した「問い」と抽出したキーワードに引っかかる箇所を
        10分程度でザーッと探すように読み、16個のキーワードの中で、
        特に重要な3つのキーワードを選び出す。
  STEP4. 「問い」に対する答えを、厳選したキーワードから、
        一言のメッセージに要約する。

この方法やってみました。

使えるかどうかは本の種類によります。

本当に、本の上っ面だけを舐める感じですが、
意外とポイントは外さないものです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| ノウハウ本 | 07:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物

ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物 (NHKブックス)
ノーベル賞でたどる アインシュタインの贈物 (NHKブックス)

(2011/02/24)
小山 慶太 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

1905年、ドイツの物理学雑誌「アナーレン・デル・フィジーク」に
一風変わった論文が掲載されました。

著者はスイスの連邦特許局に務める26歳の若い物理学徒。

論文のタイトルは「運動物体の電気力学について」。

一般的に科学論文には、そこに発表された研究成果が
生まれる下地となった相当数の参考文献が必ず列挙されます。

しかし、驚くべきことにこの論文には、
参考文献が何一つ挙げられていませんでした。

それは、この論文が先人たちが積み上げてきた
既存の物理学の体系を根底から覆すことを意味しています。

この驚異の論文を発表した26歳の若い物理学徒こそが、
現代物理学の父、アルバート・アインシュタインさんです。

本書は、壮大なアインシュタイン・ワールドをまとめた
異色の科学史。

著者は、わかりやすい科学史を書くことで定評のある小山慶太さん。

専門的な知識がなくても、科学研究の魅力や
躍動感が十分に伝えられています。

  「アインシュタインを主役に据え、彼の研究に関連する業績で
  ノーベル賞を受賞した科学者たちを脇役に配し、
  現代物理学で驚きと感動をもたらすダイナミックなドラマを
  できるだけ平易に読み解いていこうと思う。

  また、そこからアインシュタイン理論の汎用性とスケールの大きさに、
  あらためて光を当てるつもりである。」

アインシュタインさんは、直接の師も弟子も持たなかったといいます。

しかも、科学史に燦然と輝く革新的な論文は、
アインシュタインさん1人の手で書き上げられたものばかり。

しかし、その業績は多くの科学者に受け継がれ、
関連した研究から数多くのノーベル賞受賞者が生まれました。

私にとっては、アインシュタインさんといえば、
相対性理論やブラウン運動などの基礎物理学の
イメージが強いものでしたが、その業績はテクノロジーの世界にも
大きな影響を及ぼしているようですね。

現在、様々な分野で応用されるレーザー開発も
アインシュタインさんが1916年に発表した「放射の量子論」という
論文が元になっているそうです。

このレーザー関連だけでも、14人ものノーベル賞受賞者が輩出。

そして、アインシュタインさん遺した業績は、
これから実証や更なる研究が待たれる「贈り物」として、
21世紀以降にも引き継がれています。

アインシュタインさんの宿題を解いた研究者が、
未来のノーベル物理学賞受賞者になることは間違いないと
小山さんは本書で指摘しています。

この本から何を活かすか?

アインシュタインさんといえば、「神はサイコロを振らない」として、
量子が確率論的に振舞うとする量子力学には、
執拗なまでに反対していた事でも知られています。

しかし、「放射の量子論」では、確率的な量を計算し、
理論展開しているので、あたかも「神はサイコロを振る」ことを
容認しているかのような印象を受けるそうです。

量子力学と相対性理論を合わせた理論の記述。

この現代物理学に残された課題もまた、
アインシュタインさんの贈り物と言えそうです。

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| 科学・生活 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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日本人が知らないウィキリークス

日本人が知らないウィキリークス (新書y)
日本人が知らないウィキリークス (新書y)

(2011/02/05)
小林 恭子、白井 聡 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

かつて大前研一さんは、ビル・ゲイツさんがWindowsバージョン1を
世に送り出した1985年を新時代の元年と定義して、
それ以前をビフォー・ゲイツ (BG)、それ以後をアフター・ゲイツ (AG)
と呼びました。

本書を読むと、ウィキリークスの誕生した2006年を境に、
それ以前の世界をビフォー・アサジン(BA)、
それ以降をアフター・アサジン (AA)と
呼んでもよいのではないかとさえ感じました。

ウィキリークスによって、世界は大きく変わりました。
正邪を超えた「リーク時代」へ。

ウィキリークスとは、ジャーナリストでありインターネット活動家の
ジュリアン・アサジンさんが運営する機密情報を公開するサイトです。

「あらゆる地域の政府、企業の非論理的な行為を
暴こうと望むすべての人々に役立ちたい」という趣旨で設立。

2010年11月には、米国外交機密文書約25万件の公開がスタートし、
世界中に衝撃が走りました。

本書は7人の専門家が、それぞれの見地から
ウィキリークスによって起こる現象を多角的にとらえる解説書です。

  第1章 ウィキリークスとは何か(塚越健司さん)
  第2章 ウィキリークス時代のジャーナリズム(小林恭子さん)
  第3章 「ウィキリークス以降」のメディアの10年に向けて(津田大介さん)
  第4章 ウィキリークスを支えた技術と思想(八田真行さん)
  第5章 米公電暴露の衝撃と外交(孫崎享さん)
  第6章 「正義はなされよ、世界は滅びよ」(浜野喬士さん)
  第7章 主権の溶解の時代に(白井聡さん)

わずか200ページ程度の新書本で、概要、ジャーナリズム、
メディア、技術、外交、正義、主権と7つの角度から論じられています。

これ一冊で、複眼的な視点が得られるのが、ありがたいですね。

テレビでしたり顔で語るコメンテーターの
意見に耳を貸すより、本書を読む方がウィキリークスの
本質的なところを理解できると思います。

権力の横暴や不正を暴く正義の味方か?
それとも機密情報を漏洩に加担する犯罪者集団か?

この問いに対しては、編集部まえがきで次のように述べられています。

  「本書の著者たちが繰り返し述べているように、
  表面的な善悪論には意味がない。
  私たちはすでに新たな『リーク』の時代に入っているのだ。
  大切なのは、起こっている現象を理解し、
  その投げかけている問題を冷静に考えることだろう。」

この本から何を活かすか?

第1章で塚越健司さんは、ウィキリークスの革新性を2点挙げています。

  1つ目は、ウィキリークスが既存メディアを効果的に利用していること。
  
  2つ目は、高いレベルの情報源秘匿技術を元に
  安全なリークツールを発明したこと。

確かに、匿名性や自分の身の安全を守れるかが、
内部告発に踏み切るかどうかの判断の分かれ目ですから、
それが担保されるツールがあることは大きいですね。

今回、私は初めてウィキリークスのサイトを実際に見てみました。
私が訪れたミラーサイトはこちら。
  ・http://mirror.wikileaks.info/

ほかにも、ミラーサイトは沢山あるようですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ウェブ×ソーシャル×アメリカ

ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)
ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力 (講談社現代新書)

(2011/03/18)
池田 純一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

  「Apple、Google、Twitter、Facebookは、なぜアメリカで生まれたのか?」

本書の切り口は、「アメリカ」。

単にインターネットやソーシャルメディアについて語るのではなく、
それを生み出したアメリカ社会を論じながら、
本書では、未来を見通す視座を得る試みがなされます。

そして、Appleのスティーブ・ジョブズさん、
Googleのエリック・シュミットさんから
次世代のバトンを受け取るためには、どんな要素が必要なのか?

この疑問に答えるために、本書では多様な視点から、
ウェブに必要とされる構想力の源流を探っていきます。

  第1章 ウェブの現在
  第2章 スチュワート・ブランドとコンピュータ文化
  第3章 Whole Earth Catalogは、なぜWhole Earthと冠したのか
  第4章 東海岸と西海岸
  第5章 Facebookとソーシャル・ネットワーク
  第6章 アメリカのプログラム
  第7章 エンタプライズと全球時代
  第8章 Twitterとソーシャル・メディア
  第9章 機会と人間

これらの章のタイトルを見ただけでも、
本当に多くの視点から論じられていることが分かりますね。

テーマが大きく、話があちこちに飛びながらも、
気がついたら、「だからアメリカなのか」と納得がいきます。

と同時に、Whole Earth=全球の視座が見えてくるという
なんとも不思議な本です。

著者の池田純一さんもあとがきで、次のように述べています。

  「この本はジャンル分けが難しい本だと思う。
  ウェブ、アメリカ、社会、について、基本的には文系的に書かれているが、
  随所で、理系的なことや建築やデザインといったことも記されている。
  社会とウェブの結節点としてはメディア論的な様相も帯びている。
  いつの間にか世界=全球のことにも触れている。」

面白さと読みにくさが渾然一体となった
メディア社会論といった印象です。

そして文章も決して分かりやすく書かれていませんから、
斜め読みするのは難い本だと思います。

しかし、ジックリ噛むように読めば、
全体がスルスルとつながり、面白さがわかるはず。

この本から何を活かすか?

本書は好みの分かれる本だと思います。

自分に合うか合わないかを知るには、
先に池田さんのサイト「FERMAT」を
見ていただいた方がいいかもしれません。

ぱっと見は、読みにくそうな印象を受けますが、
じっくりと中に入って読めば面白い。

それは本書と一緒です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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北海道いい旅研究室 13book2

北海道いい旅研究室 13book2 クンネチュプライを見たか 
北海道いい旅研究室 13book2 クンネチュプライを見たか
(2011/03)
舘浦 あざらし 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

昨日から2日連続で応援紹介中のローカル旅行雑誌
「北海道いい旅研究室」。

本日は第13号・book2クンネチュプライを見たかい?号の紹介です。

まず、Amazonでは入手できないこともよくあるので、
2011/5/12現在で、第13号・book2の在庫がありそうな
他のオンライン書店のリンクを貼っておきます。

  紀伊国屋BookWeb楽天ブックス
  丸善&ジュンク堂書店bk1

送料の問題もありますが、入手可能なところは
いくつかあるものですね。

さて、以前の記事でも書きましたが、
責任編集者の舘浦あざらしさんには確固たるポリシーがあります。

それは、「正しい温泉」を紹介すること。

  「何度でも書くけど、加温するのも、地下水や沢水で割るのも、
  人体にも温泉にも全く問題がないのでこれらは“正しい温泉”ね。
  温泉を殺すのは塩素、循環、濾過と入浴客の多さだ。
  これらはすべて“正しくない温泉”だ。
  源泉かけ流しなんて言葉に騙されちゃいけないぜ。」

あざらしさんのプロパガンダは、「いい旅」読者には
かなり浸透していて、その結果がアンケートにも表れています。

以下、今号の目玉特集である
「いい旅読者が選んだ北海道の露天風呂BEST40」の
結果の一部を紹介します。

  1位 鹿の谷(幌加温泉)
      混浴、素泊まり宿。あざらしさんの1位もここ。
  2位 銀婚湯(上ノ湯温泉)
      趣の違う貸しきり露天風呂が4ケ所あり。
  3位 民宿500マイル(虎杖浜温泉)
      海沿いの露天風呂が気持ちよさそうに見える。
  4位 湯宿だいいち(養老牛温泉)
  5位 熊の湯(羅臼温泉)
  6位 川北温泉(川北温泉)
  7位 黄金温泉(黄金温泉)
  8位 ホテル山水(定山渓温泉)
  9位 鯉川温泉旅館(昆布温泉)
  10位 景福(雌阿寒温泉)

ベスト40のうち混浴が26湯、野露天風呂が14湯もランクイン。

さすがに「いい旅」読者だけあって、同じ北海道の露天風呂でも
大手旅行誌が行うアンケートとは、違った結果となっていますね。

ここで紹介したのは、ごく一部。
できれば写真とあざらしさん&読者のコメントが載った
本誌をお読みください。

コメントを読んでいると、どの露天風呂にも行きたくなります。

この本から何を活かすか?

「いい旅読者が選んだ北海道の露天風呂BEST40」の
トップ3の中で、私がまだ行ったことがないのは、
第3位の「民宿500マイル」。

妻と「行ってみたいね」最初に話してから、早10年。

なぜか行きそびれている温泉です。

行きそびれている温泉、旅行地、
読みそびれている本、見そびれている映画・・・
考えてみるとけっこうありそうです。

一度リスト化して、悔いが残らないようにしたいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 旅行・アウトドア | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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北海道いい旅研究室 13book1

北海道いい旅研究室 13book1 ウパシはウトクイエコロペ 
北海道いい旅研究室 13book1 ウパシはウトクイエコロペ
(2011/03)
舘浦 あざらし 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

廃刊の危機にあった旅行雑誌、
「北海道いい旅研究室」の第13号が刊行されています。

しかも、book1とbook2の業界初の2冊同時刊行。

本日と明日は、それぞれbook1とbook2を応援紹介します。

  「あまりにも儲からないので一度は休刊を決意。
  カフェでも始めようと本気で考えたんだけど、
  心ある人に叱咤され、勇気づけられて専断を改めたのです。」

これは、本誌の責任編集者・舘浦あざらしさんの言葉。

前号が出版されてから、約1年。
これを読んで、少しホッとしました。

次号がいつ出るか分からない「いい旅」ですが、
この雑誌を読むことを本当に心待ちにしていました。

本誌には、温かみがあって素朴な温泉宿が
数多く紹介されています。

しかし、そういった商売っ気のない宿は、
ほとんどボランティアに近い状態で運営され、
経営的に苦しいところが多いもの。

ですから、紹介されている温泉宿が閉鎖する確率は、
ものすごく高い。

おそらく日本一閉鎖確率の高い温泉宿を紹介する旅行誌。

実際に、本誌は刊行までに1年近くかかっているので、
すでに閉鎖済みの温泉宿もいくつか掲載されています。

でも、大手旅行雑誌が相手にしないような、
小さいけど本当に素敵な宿が紹介されているんです。

経営者の心意気を感じ、思わず応援したくなる宿。

それは本誌も同じ。

読者は、味のある温泉宿が続いて欲しいと思うのと同じ気持ちで、
本誌が存続することを応援しています。

さて、今号の特集1「気になる温泉と宿」に
掲載されている北海道の温泉をいくつか紹介します。

  ・磐石温泉
   建物の隙間から虫がはいって、内風呂なのに露天風呂気分を
   味わえる温泉。どんなに冷え症な人でも汗だくになること
   間違いなしの濃厚な湯。

  ・薫別温泉
   クマ鈴、バケツとロープ、飲み物、軍手、虫除けスプレーが
   必需品な温泉。クマ生息地のため宿泊は100%不可。

  ・新登別温泉荘
   営業期間が北海道一短い温泉宿。営業期間は7/1から8/25まで。
   今年営業できるかどうかは、オーナーの体調次第。

あと、今号から「一生モノの勉強法」の著者でもある
京都大学の火山学の教授、鎌田浩毅さんの連載、
「火山があるから温泉があるのだ」がスタートしました。

この本から何を活かすか?

今号の特集2は、「函館の祭りが好きだ」です。

  「何度でも言おう。札幌のヨサコイ死ぬほど嫌いだ。
  札幌で生まれ育った40代の男の中にあんな気持ちの悪い
  祭りモドキが好きな人間なんてひとりもいやしない。」

あざらしさんは、必死に踊るヨサコイを
祭りではなく、欲望渦巻くコンテストと評しています。

私も北海道に住んで、「YOSAKOIソーラン祭り」の
盛り上がりには少し違和感があります。

あざらしさんほど嫌悪していませんが、
その気持ちはよく分かります。

で、その対極の祭りとして今回紹介されていたのが
「函館のいか祭り」。

今年は函館の祭りに行ってみようかな。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 旅行・アウトドア | 07:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生の法則

人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人
人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人

(2011/02/25)
岡田斗司夫 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

岡田斗司夫さんが客員教授を務める大阪芸術大学では、
毎年の学期末に講義に関するアンケートをとっています。

そのアンケートで岡田さんの講義は、
ぶっちぎりで、連続1位をキープしているそうです。

そのなかでも、定員250人の教室が超満員になる
最も反響の大きい講義を書籍化したのが本書です。

ちょっと語弊があるかもしれませんが、
イメージしやすくいうと、「性格分類」の本です。

人間の欲求の偏りによって、4つのタイプに分類します。

ただし、一般的な「性格」と、本書で分類される「4タイプ」は
ちょっと違います。

「性格」は人の内面を決める大きな要素です。

それに対して欲求の偏りによる「4タイプ」は、
もう一段深いところにある、「本能」に近い根源的なものです。

 浅い階層 ← 性格 < 4タイプ < 本能 → 深い階層

岡田さんは、人間の「本能」が個体維持のためにあるのに対し、
「4タイプ」は人間関係維持のために存在する機能である
という仮説を持っています。

さて、本書では32問ほどの「4タイプ判定テスト」が
プロローグに掲載され、その後、タイプ別に解説が加えられています。

分類されるタイプは次の4つ。

  ・司令型 勝つことが至上命題な人 (勝間和代さん)
  ・理想型 結果よりもプロセスを重視する人 (宮崎駿さん)
  ・注目型 自分の情熱が何より大事な人 (明石家さんまさん)
  ・法則型 仮説を立てるのが大好きな人 (森永卓郎さん、池上彰さん)

本書で特徴的なのは、各タイプの解説が
小説形式になっていることです。

4タイプの主人公が、何を考えどう行動するのかが、
ストーリーの中で分かるようになっています。

正直に言って、よくある性格分類の本と、
そんなに違いがないように感じるのは、
私が「理想型」だからなのかもしれません。

このタイプの人は、そもそもこういったタイプ分けに懐疑的のようです。

そう考えると、岡田さんのジェットストリーム計画の
他の2冊(あなたを天才にするスマートノート評価経済社会
に比べて、本書の満足度が少し低く感じたのも納得できます。

この本から何を活かすか?

「4タイプ判定テスト」をやってみると、
私は「理想型」になりました。

このタイプの人と司令型の人は、
互いの欲求が理解できないようです。

つまり、私は勝間和代さんとは分かり合えないということですね。

さらに他タイプとの相関では、次のような関係があります。

理想型は、注目型に憧れ、法則型を軽視する。
逆に法則型から憧れられ、注目型から軽視される。

そして、元気なときは注目型に近づき、
疲れているときは法則型の傾向を持つ。

けっこう当たっているかも。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜリーダーは「失敗」を認められないのか

なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓
なぜリーダーは「失敗」を認められないのか―現実に向き合うための8の教訓

(2011/01/25)
リチャード S テドロー 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

  「否認はあらゆる組織、あらゆる個人に起こり得る。
  ハーバード・ビジネススクールでも、あなたの会社や組織でも、
  よく見られる現象だ。私にもあなたにも起こる。」

私たちが生きている限り、目を背けたい事実に必ず遭遇します。
それはビジネスにおいても、プライベートにおいても。

今までとは違う大きな変化が始まっていても、
私たちは、つい過去の延長線上で都合よく考えてしまいがち。

そして、現実を直視したくないという強烈な誘惑にかられます。

本書の著者リチャード・S・テドローさんは言います。

  「否認しても、現実は変わらない。
  対処するのが、さらに困難になるだけだ。」

本書は、経営史を40年にわたり研究してきたテドローさんが、
否認を回避するための教訓をまとめたものです。

第1部では、現実を直視せずに失敗した
企業や経営者の事例が紹介されています。

ヘンリー・フォードさん、A&P、シアーズ、IBM、コカ・コーラなど。

彼らは、いつ、どの時点で否認に陥ったのか?

そして第2部では、否認に陥りそうになりながらも、
現実を見極め、それを克服した事例が紹介されています。

アンディー・グローブさん、デュポン、ジョンソン&ジョンソンなど。

彼らは、どうやって否認を回避することができたのか?

そしてテドローさんは、本書で次の8つの教訓を示します。

  1.手遅れになるまで危機を待たない
  2.事実を曲解しても、待ち受ける現実は変わらない
  3.権力は人を狂わせる
  4.経営陣は、悪い知らせを聞く耳を持つ
  5.長期的な視野に立つ
  6.バカにしたり、歪曲した言葉遣いには要注意
  7.隠すことなく真実を語る
  8.失敗は、常識に囚われることから始まる

否認回避は、一度で終わる問題ではありません。

何度か否認を回避して成功すると、
逆にその経験が新たな否認につながる可能性もありますから
私たちがずっと付き合っていく問題ですね。

本書は、経営書として優れているだけではなく、
個人にとっても非常に示唆の多い一冊でした。

この本から何を活かすか?

実際に、否認に陥っている状況は、
客観的に見ると誰でも、そりゃマズいよと思える状況です。

しかし、本人はそれが分かりたくない。

それでは、一体どうしたら、他人の視点を持つことができるのか?

それには、本書で紹介されている、
インテルのアンディー・グローブさんとゴードン・ムーアさんの
会話が参考になります。

  1985年当時インテルはDRAM市場では競争力を失い、
  窮地に陥っていました。

  グローブさん 「僕らがお払い箱になって、取締役会が新しいCEOを
            連れてきたら、そいつは何をするだろう?」

  ムーアさん  「メモリから撤退するだろうな」

  グローブさん 「それなら僕らが一度会社を辞めたつもりになって、
            自分たちの手でそれをしたらどうだい?」

その後、インテルがマイクロプロセッサに集中して
成功したのは、周知の通りです。

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| 経営・戦略 | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ライフハッカー

ライフハッカー[日本版] 辛そうで辛くない人生と仕事が少し楽になる本
ライフハッカー[日本版] 辛そうで辛くない人生と仕事が少し楽になる本

(2011/02/18)
ライフハッカー[日本版]編集部 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「ライフハックとは、仕事や生活の問題を
  解決するためのちょっとした方法です。
  これによって、面倒なパソコンの作業が速くなったり、
  仕事がうまく進んだり、人間関係もすこし改善されたり、
  机の周りが整理されたりします。」

これは、本書の編集委員を務める小山龍介さんが、
「まえがき」に書いている言葉。

本書は、2008年7月から株式会社メディアジーンによって
運営が開始されたサイト「ライフハッカー[日本版]」に
掲載された記事をまとめたものです。

ちなみに、本家、米国の「lifehacker」は、
2005年からGAWKER MEDIA社によって運営されています。

日本版オリジナル記事と米国版の翻訳記事をあわせて
日本版サイトのアーカイブは6800を超えるそうですが、
本書では、その中から「時流に流されない」
47個のおすすめハックが選らばれ、掲載されています。

ですから、本書にはPCのテクニック系のハックが
あまり掲載されていません。

生活の質を向上させたり、仕事でのストレスを軽減するような
ハックが多く紹介されています。

  ・テック系のハック → サイトで
  ・ライフ系のハック → 本書で

本書の編集に当たっても、この棲み分けが、
すいぶん意識されたようです。

紹介されるハックは、劇的に生活を変えるものでは
ありませんが、私たちの悩みをちょっとだけ軽くしてくれます。

そのちょっとの積み重ねと、使うときのワクワク感が大事。
自分なりにカスタマイズして使うのも楽しいですね。

また、本書は、デビッド・アレンさんの
はじめてのGTD」のようなシステム化を考えていませんから、
気に入ったものから、手軽にはじめられるのがポイントです。

「ライフハッカー[日本版]」のサイトとはちょっと違って、
紙面ならではの少し落ち着いた雰囲気で
ハックに対するモチベーションも違うように感じました。

この本から何を活かすか?

以下、本書で私が気になったハックです。

3.指を右へずらすだけで、覚えやすく強固なパスワードが作れる!?

   覚えやすいパスワードをキーボード上で、
   右へ1個ずつずらしてパスワードを作る。
   この方法で暗号クイズなんかも作れそうですね。

8. コーヒーの口臭問題とその解決策

   コーヒーを飲むと口臭を起こしやすいそうです。
   知らなかった・・・
   解決策は、水を口に含んで舌の表面をきれいにすること。

12.「ズブ濡れになった本は凍らせると復活する」というハック術

   濡れている間にジップロックに入れ、
   ジッパーを閉めずに垂直立てて冷凍庫に入れる。
   水分が抜けたら冷蔵庫から出し自然解凍。
   あくまで、緊急対策用のハックですね。

41.机の上のケーブルは、歯ブラシホルダーで整理

   100円ショップなどで売っている吸盤付き歯ブラシホルダーで、
   机の上に散らかっているUSBケーブルなどを固定する。
   確かに、見た目も使い勝手も良さそう。

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| ノウハウ本 | 06:46 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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評価経済社会

評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている
評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

(2011/02/25)
岡田 斗司夫 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

岡田斗司夫さんの3社から3冊同時刊行プロジェクト、
別名ジェットストリーム計画のうちの1冊。

以前に紹介した「あなたを天才にするスマートノート」と
あとがきは共通しています。

また本書は、岡田さんが1995年に刊行した
ぼくたちの洗脳社会」の加筆・改定版でもあるようです。

今起きている1000年に一度のパラダイムシフト。

それはネット社会という表面的な変化ではなく、
貨幣経済が終焉し、評価経済社会へと変わる本質的な転換です。

貨幣経済社会では、「貨幣」を仲介にして
「モノ」「サービス」が交換されました。

一方、評価経済社会では、「評価」を仲介にして、
「モノ」「サービス」、そして「カネ」が交換されます。

この評価経済社会で大切なのは、イメージ。

本書では、明暗を分けたSONYとAppleについても、
この切り口で説明されています。

SONYは、評価資本で稼いだお金を、金融資本獲得のために使った。

その結果、持っていたブランドイメージは失墜し、
金融資本すら獲得できなくなりました。

これに対してAppleは、評価資本で稼いだお金を、
更なるイメージアップ、評価資本獲得のために再投資した。

その結果、評価とお金の両方を得ることになりました。

こう考えると、スティーブ・ジョブスさんは、
時代の変化を感じ取る先見の明があり、
逆に、SONYに限らず日本の企業は、この経済の仕組みを
あまり理解していないように思えます。

そんな中で、企業としての活動ではありませんが、
堀江貴文さんは、評価資本の獲得に成功している一人と
考えられますね。

堀江さんが凄いのは、金融資本を集めるとみせかけて、
評価資本を獲得し、結果として金融資本も得ているところです。

まさに評価経済社会の申し子なのでしょう。

ここで興味深いのは、評価経済を提唱する岡田さんは、
「科学は死んだ」として、私たちを幸せにしてくれる技術ではない
と考えているのに対し、堀江さんは、科学は金儲けの道具
儲けたいなら科学なんじゃないの?)として考えているところ。

結局それさえも、堀江さんは評価資本獲得につなげています。

話は逸れましたが、本書は時代の転換点を鋭く読み解き、
私たちの生活の変化にまで言及する現代社会論です。

この本から何を活かすか?

  「素人でも“影響力”さえあればお金を生むことができる。
  素人の“影響力”に金銭的価値が生じている」

岡田さんは、アフィリエイトを評価経済社会における
「影響力」のモノサシであり、換金装置であると評しています。

とすると、アフィリエイトで収入を得るには、
世に溢れるHow To本に従ってテクニックに走るよりは、
本人の「影響力」を高めることにフォーカスした方が、
良いということなのでしょう。

何にせよ、評価経済社会で生きていくためには、
評価を高めるには地道な努力が必要で、
それを失うのは一瞬という、昔ながらのルールが
生きていることを肝に銘じておく必要がありそうです。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:48 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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サムスン栄えて不幸になる韓国経済

サムスン栄えて不幸になる韓国経済
サムスン栄えて不幸になる韓国経済

(2011/03/01)
三橋 貴明 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:30

国際労働機関(ILO)が2010年12月に発表した世界賃金報告書には、
世界各国の「実質賃金」の変動率が掲載されています。

数値が非公表である国を除いて、2009年の実質賃金が
最も下落した先進国はアイスランドで-8.0%した。

さて、アイスランドに次いで、下落幅が大きかった国はどでしょうか?

実は、サムスン電子などが世界的に躍進する「韓国」こそが、
実質賃金下落率-3.3%で、先進国の中で2番目となっているようです。

私も以前に書いた「最強企業のつくり方」記事で、
日本の電機9社(パナ、ソニー、東芝、日立など)の収益が、
サムスン電子1社の収益に遥か遠く及ばないと報道されていることや、
韓国企業の強さについて触れました。

しかし、本書で三橋貴明さんは、
その強さは韓国国民の幸福を犠牲にすることで成り立っていると
説明しています。

本書の目的は、韓国や韓国企業を批判することではありません。

日本は、今後どういう国を目指すべきか?

グローバル化と国内市場の寡占により、
企業収益が拡大している国を目指すのか?

それとも、市場の過当競争で企業収益が拡大しにくい国を目指すのか?

各メディアでは、前者を目指すべきとの論調が強いようですが、
三橋さんは後者を目指すべきと、本書で主張しています。

  「日本のマスコミには“韓国に学べ”などど主張する人が少なくない。
  実は、筆者もその意見に大賛成である。日本は韓国に学ぶべきだ。
  お手本ではなく、反面教師として。
  今後の日本の経済モデルを構築するに際し、
  韓国の現在のモデルは本当に参考になる。
  何しろ、日本は韓国の逆を目指せばいいわけだ。」

確かに、サムスンなのどの企業が世界的に活躍することは、
韓国国民にとって、誇りに思えることだと思います。

しかし、それが国内での雇用や投資につながらず、
単に富が偏在しているだけなら、サムスンに勤める以外の人にとっては、
不幸な事実なのかもしれませんね。

本書は、他の三橋さんの著書同様、
しっかりした数値データを元にした主張が述べられ、
イメージに流されない視点を私たちに与えてくれます。

この本から何を活かすか?

  「リカードの比較優位論」は時代遅れ?

昨日紹介した野口悠紀雄さんの本では、
デヴィッド・リカードさんの比較優位論が、
「モデル思考」の例として採り上げられていましたが、
本書ではこの理論について、次のように説明されてました。

  「この比較優位論は“物が世界的に生産されればされるほど、
  国民の幸福が高まる”という前提のもとで成立しているということだ。
  “世界的に物の生産が増えても国民の幸福は高まらない”
  という環境下では、全く無意味になってしまう。」

ある理論を考えるときに、その論理構成の正しさはもちろんですが、
三橋さんが指摘するように、成立するための「前提条件」を
見落としてはいけませんね。

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| 経済・行動経済学 | 07:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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実力大競争時代の「超」勉強法

実力大競争時代の「超」勉強法
実力大競争時代の「超」勉強法

(2011/04/07)
野口悠紀雄 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:31

かつて、野口悠紀雄さんは受験のための
「超」勉強法』を執筆していますが、
本書は社会人のための「超」勉強法。

パナソニック、東芝、ユニクロなど、
外国人の採用を増やす企業が話題となっています。

こういった例にあるように国境に関係なく、
実力で採用が決まる時代を
野口さんは、「大競争時代」と呼びます。

本書で説かれるのは、大競争時代を生き抜くための勉強法。

それは、学歴を獲得して終わるのではなく、
その後も続ける、仕事に役立つもの。

それでは、いったい何を勉強すればよいのか?

身につけなければならないのは、「伝達力」と「問題解決力」。

本書で面白いのが、野口さんが「伝達力」として、
「英語」だけでなく「数学」を挙げていることです。

コミュニケーションの道具として、数学が必須であると。
分野でいうと、線形代数や確率論が中心のようです。

また、「問題解決力」を身につけるには、
モデルを使って考えを進める「モデル思考」が
必要であると解説されています。

  「マトリックス法、KJ法、関連樹木法などが
  もてはやされたこともある。
  最近では図式化すればよいとも言われる。
  しかし、こうした方法で偉大な理論が発見されてという例を
  聞いたことがないので、使っても大した効果があげられないことは、
  少し考えればすぐに分かると思うのだが・・・。
  “成功法”となると、さらにインチキなものが多い。」

それでは、野口さんの言う「モデル思考」とは、どんなものか?

それは、単純模倣ではなく、現実を抽象化して、
重要な要素相互間の関係を明らかにする思考法。

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、
本書では「リカードの比較生産費理論」を
使った例で説明されていました。

この本から何を活かすか?

「モデル思考」はどうやって身につける?

野口さんは、次の3つの方法を紹介しています。

  1. いずれかの科学を勉強する
  2. ケースメソッドで帰納的な思考をする
  3. 問題発見を常に意識する

どれも簡単にできるものではありませんね。

しかし、3番目の「問題発見を意識する」ことは、
継続の難易度は別にして、今日から始められそうです。

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| 勉強法 | 08:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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伝達力の基本

伝達力の基本
伝達力の基本

(2011/04/28)
大石 哲之 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

日本実業出版社、佐藤様より献本いただきました。
ありがとうございます。

本書のテーマは「伝える力」。

著者の大石哲之さんは、伝達力を次のように定義しています。

  「自分が伝えたいことを、相手にとってわかりやすく、
  正確に、誤解が生まれないように、しかも簡潔に伝えること。」

本書が、まさにその鑑。

200ページ弱の本ですが、伝え方をピンポイントで改善する
57個のルールがシンプルにまとめられています。

簡潔にして必要十分な内容。

本を読む側としては、コラムなどの本題から外れる
遊びの部分がちょっと欲しいと思わせるぐらい、
余分なことは一切書かれていません。

また、本書で特徴的なのは、伝え方の「表現」部分ではなく、
中身の「構成」にフォーカスしていること。

本来、話し方が流暢で、伝える内容も分かりやすいのが理想的。

しかし、どちらかを先に改善するならば、
しゃべりが上手くても、中身のない内容を伝える人よりも、
つたないトークでも、しっかりした内容を伝える人の方がいい。

そんな考えから、本書では特に伝えるコンテンツの
構成そのものを改善するヒントに絞って解説されています。

  ■Before
  「以前ご提案いただいたお話よりも、良い提案をお持ちしました。」

  ■After
  「以前ご提案いただいたお話よりも、価格はそのままで、
  人員を10名多く派遣していただけるような提案をお持ちしました。」

例文は、このようにBefore-After形式で示されています。

Beforeにある“良い提案”って具体的に何?

客観的に見ると、ツッコミを入れたくなりますが、
普段は自分でも意識せずに、Beforeのような不明確な表現を
意外と多く使っているものです。

本書に紹介されていることは、言われてみると当たり前の
「基本」的なことがほとんど。

しかし、私も自分の普段の言動や文章をチェックしてみると、
かなりBeforeのような残念な伝え方をしてることが分かりました。

自分は伝え方の基本ができているか?

まずは、それを疑うことが
伝達力を高めるための第一歩になると思います。

この本から何を活かすか?

  「白紙の結論」を避ける

  ■Before
  「各担当者から事故発生原因を聴取した結果、再発防止策を
  検討する必要がある、と結論づけられた。」

「白紙の結論」とは、一見、結論になっているように見えて、
実は何も伝えていないもの。

具体的な提言やアクションを伴っていなければ、
本当の結論とは言えないと、大石さんは説明します。

これ、けっこう私はやってしまいがちですね。

自分の出した結論が、「白紙の結論」になっていないか、
チェックする習慣をつけたいものです。

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| コミュニケーション | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ガンダムが教えてくれたこと

ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方
ガンダムが教えてくれたこと 一年戦争に学ぶ“勝ち残る組織”のつくり方

(2011/03/19)
鈴木 博毅 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

  「日本は高度成長からバブル、そしてバブル崩壊と、
  デフレを経験してきました。
  しかし、長い不況の中にいる私たちは、過去の成功体験にとらわれ、
  新しい時代の到来を受け入れられない“赤い彗星のジレンマ”に
  陥っているのではないでしょうか。」

著者の鈴木博毅さんは、過去の成功体験にとらわれて、
変化する現実に柔軟に対応できない状況に陥ることを
ガンダムに登場するシャアになぞらえて
「赤い彗星のジレンマ」と呼んでいます。

それは、実績のある優秀な人ほど陥りやすく、
気づかぬうちに進行する病気。

シャアほど優秀でなくとも、人は過去の経験を元に
現状を判断する傾向がありますから、
誰もが陥る可能性があるジレンマですね。

それでは、「赤い彗星のジレンマ」に陥らないためには
いったいどうしたらよいのか?

鈴木さんは、人の活動を効果的な方法を学ぶ「学習期間」と
学んだことを活かす「実践期間」の2つに区分します。

シャアの不幸は、学習期間を終えて実践期間に突入した直後に、
アムロと出会い、新たな学習期間が始まってしまったこと。

その現実を受け入れることができなかった。

つまり、今の自分を取り巻く環境から、
それが「楽しい実践期間」なのか「新たな学習期間」なのかを
正確に見極め、柔軟に対応する必要があるようです。

ここでは「赤い彗星のジレンマ」を取り上げましたが、
本書では他にも、若手を即戦力に仕立てる秘策、
部下の長所を最大限に引き出す技術など、
組織のマネジメン術がガンダムから学べるように解説されています。

一度でもカンガムを見たことがある方なら、
ガンダムの名シーンが実例として思い浮かぶので、
本書の組織論としての説明がスッと腹に落ちる感じがします。

  「地球での自由競争というやつは、
  言葉でいうほど自由ではないのでな」

また、こういった名セリフをビジネスに置き換えるなど、
遊び心も忘れていないので、いまやビジネス戦士となった
ガンダムファンの方にも、受け入れられる一冊だと思います。

この本から何を活かすか?

  「闘争接点」を奪う

これは、鈴木さんの造語。

何かと闘うときに、努力次第で結果を左右できる接点で、
これさえ奪ってしまえば、相手がどうあがいても
勝てなくなるポイントと定義されています。

ザクの攻撃を受け付けないMSガンダムに搭乗することは、
「闘争接点」を奪った状態。

ビジネスでも、相手の攻撃を無効化する
「闘争接点」を奪う一手がないかを常に探り続けることが
重要だと解説されています。

個人的には、最初から「闘争接点」を奪う凄い一手を探すのではなく、
ほんの僅かな差を戦略的に育てることで、
最後に「闘争接点」を奪った状態にもっていくのが、
現実的のような気がします。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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