活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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破壊する創造者

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた
破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

(2011/01/21)
フランク ライアン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

ウィルスは敵か味方か?

ウィルスと聞くと、一般的に恐ろしいイメージを抱く人も多いでしょう。
事実、死にいたる感染症を引き起こすウィルスも存在します。

しかし、本書ではそのウィルスに対する見方を一変させます。

今日、わたしたちが、こうして存在できたのはウィルスのおかげ。

ウィルスには寄生するための宿主が必要です。

つまり、ウィルスが生きながらえるためには、
その宿主が生き続ける必要があります。

だからこそ、どんなに環境が変わろうとも、
ウィルスには私たち人類に生き続けてもらう必要があった。

人間とウィルスとの間には、
好むと好まざると「共生」関係があります。

そして、共に進化してきた。

  「ウィルスは長らく、進化が突然変異と自然選択の組み合わせによって
  起きることを証明する格好の例とみなされてきた。
  だが、私は同時に、ウィルスは“宿主の進化を促進させる最大の原動力”
  であるとも考えている。ウィルスは“共生発生”によって
  宿主の進化を推し進めているとも考えており、それを証明したいのだ。」

私たちを人間に進化させたのはウィルスだった。

もちろん、これは「ゲノム」レベルの話で、
ヒトゲノムの約3分の1はレトロウィルス由来であることが、
解読されているようです。

本書で語られるのは、チャールズ・ダーウィンさんでさえ
想像しえなかった「新しい進化論」。

著者のフランク・ライアンさんは進化生物学者であり医師でもあります。
そのこともあって、本書ではかなり詳しく症例が示されています。

また、本書後半で紹介されている、遺伝子配列を変化させることなく、
その発現に変更を加える「エピジェネティクス」に関する記述も
かなり興味深いものです。

ウィルスが生物か無生物かという考察については、
福岡伸一さんがミステリーとして物語を紡ぎ出し、
生物と無生物のあいだ」という傑作を世に送り出しました。

一方、本書はウィルスに対する考え方を変えるにとどまらず、
私たちの進化や生命観さえも根底から覆します。

  「この本で、私は読者を旅に招待したいと思う。
  それは少々、変わった旅だ。
  “ヒトゲノムは、一体、どんな力によって今のように進化したのか”
  を探る旅である。」

400ページ超の大作ですが、私にとっては、
知的好奇心を刺激する本当に素晴らしい旅になりました。

この本から何を活かすか?

本書の原題は「Virolution」。

こんな単語は聞いたことがないので、英和辞典で調べてみました。

しかし、出ていない。

本書を読んだ意味からすると
「ウィルスvirus」+「進化evolution」
を合わせたライアンさんの造語でしょうか。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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