活かす読書

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TPP亡国論

TPP亡国論 (集英社新書)
TPP亡国論 (集英社新書)

(2011/03/17)
中野 剛志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:27

国民を思考停止にし、通したい結論があるときは、
単純な対立する図式を用意すればよい。

現在の民主党政権は、かつて小泉純一郎元首相がよく使った
この手法の強力さを嫌というほど味わい、学んだのでしょう。

「開国か?鎖国か?」

日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加議論は
見事に図式が単純化され、TPPに参加して開国するのが善、
参加せずに鎖国するのが悪というイメージを与えています。

ちなみにTPPとは、2015年までに加盟国間の貿易において、
工業品、農業品、金融サービスなどをはじめ、全品目の関税を
全面撤廃し、貿易自由化の実現を目指す協定。

  「TPPへの参加など、論外です。
  この本で申し上げたかったことは、
  結局のところ、その一言に尽きます。」

本書は、日本のTPP参加に正面から反対しています。
しかも、その主張は論理的。

著者の中野剛志さんは、京都大学に出向中ですが、
経済産業省に籍を置く現役の官僚です。

経済産業省の方が、このような過激な本を書くのは
けっこう衝撃的ですね。

  ・TPP参加は本当に開国で、不参加は鎖国なのか?
  ・本当にTPPはアジア太平洋の成長を取り込むことが可能なのか?
  ・中国や韓国はなぜ、TPP参加を表明しないのか?
  ・日本のTPP参加で、一番得をするのは誰か?

政府、産業界、大手新聞社やテレビが
TPP参加には、もろ手を挙げて賛成しています。

その中で、日本の国益の面から冷静に
参加の是非を考えるのは難しいかもしれません。

しかし、本書のような事実を基にした論理的な主張を読んで、
自分の頭で考えることは必要だと思います。

TPPに参加することで、小村寿太郎さんらが
心血を注いで回復した「関税自主権」を放棄して良いのか?

私も自分なりに賛成派、反対派の主張をまとめ、
論理的に考えてみたいと思います。

この本から何を活かすか?

為替政策の有無がTPP参加後の運命を握る!

TPPといっても、その実態は日米におけるFTA。
つまり日米両国の関税が同じように引き下げられます。

関税というフィルターがなくなった後、
輸出入をコントロールできるのは「為替」のみとなります。

為替は、浸透圧で低濃度溶液から高濃度溶液へ
移動が起るように輸出入に作用します。

つまり自国通貨安政策をとる国から、
通貨政策を持たない国へと商品やサービスは
流れるということを意味します。

本書を読んだからかもしれませんが、
この点だけを考えても、日本は丸腰のまま
TPPに参加することは、非常に危険だと思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 07:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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