活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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破壊する創造者

破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた
破壊する創造者―ウイルスがヒトを進化させた

(2011/01/21)
フランク ライアン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

ウィルスは敵か味方か?

ウィルスと聞くと、一般的に恐ろしいイメージを抱く人も多いでしょう。
事実、死にいたる感染症を引き起こすウィルスも存在します。

しかし、本書ではそのウィルスに対する見方を一変させます。

今日、わたしたちが、こうして存在できたのはウィルスのおかげ。

ウィルスには寄生するための宿主が必要です。

つまり、ウィルスが生きながらえるためには、
その宿主が生き続ける必要があります。

だからこそ、どんなに環境が変わろうとも、
ウィルスには私たち人類に生き続けてもらう必要があった。

人間とウィルスとの間には、
好むと好まざると「共生」関係があります。

そして、共に進化してきた。

  「ウィルスは長らく、進化が突然変異と自然選択の組み合わせによって
  起きることを証明する格好の例とみなされてきた。
  だが、私は同時に、ウィルスは“宿主の進化を促進させる最大の原動力”
  であるとも考えている。ウィルスは“共生発生”によって
  宿主の進化を推し進めているとも考えており、それを証明したいのだ。」

私たちを人間に進化させたのはウィルスだった。

もちろん、これは「ゲノム」レベルの話で、
ヒトゲノムの約3分の1はレトロウィルス由来であることが、
解読されているようです。

本書で語られるのは、チャールズ・ダーウィンさんでさえ
想像しえなかった「新しい進化論」。

著者のフランク・ライアンさんは進化生物学者であり医師でもあります。
そのこともあって、本書ではかなり詳しく症例が示されています。

また、本書後半で紹介されている、遺伝子配列を変化させることなく、
その発現に変更を加える「エピジェネティクス」に関する記述も
かなり興味深いものです。

ウィルスが生物か無生物かという考察については、
福岡伸一さんがミステリーとして物語を紡ぎ出し、
生物と無生物のあいだ」という傑作を世に送り出しました。

一方、本書はウィルスに対する考え方を変えるにとどまらず、
私たちの進化や生命観さえも根底から覆します。

  「この本で、私は読者を旅に招待したいと思う。
  それは少々、変わった旅だ。
  “ヒトゲノムは、一体、どんな力によって今のように進化したのか”
  を探る旅である。」

400ページ超の大作ですが、私にとっては、
知的好奇心を刺激する本当に素晴らしい旅になりました。

この本から何を活かすか?

本書の原題は「Virolution」。

こんな単語は聞いたことがないので、英和辞典で調べてみました。

しかし、出ていない。

本書を読んだ意味からすると
「ウィルスvirus」+「進化evolution」
を合わせたライアンさんの造語でしょうか。

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| 科学・生活 | 06:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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中国、インドなしでもびくともしない日本経済

中国、インドなしでもびくともしない日本経済
中国、インドなしでもびくともしない日本経済

(2011/03/23)
増田 悦佐 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「さてそのBRICs諸国だが、本当に経済的な離陸を果たして、
  国民の生活水準が着実に上昇をつづける国になりおおせるのだろうか。
  私は、不可能ではないが、奇跡に近い変化が起きなければ
  だめだろうと見ている。」

著者の増田悦佐さんは、米国の大学で助教授を務めた後、
日本に帰国して証券アナリストに転向した異色の経歴の持ち主。

現在は、金鉱山会社経営の松藤民輔さんとタッグを組んでいます。

完全に日本経済を礼賛するところで、松藤さんと馬が合っているのでしょう。

本書では、サブタイトルに「新興国市場の虚構を暴く」とある通り、
中国、インド、ロシア、ブラジルの持つネガティブな部分に注目し、
徹底的にこき下ろします。

しかし、増田さんが本当に批判したい相手は、BRICs諸国ではありません。

  「本当の敵は、すぐにケツの割れる張りぼてサイボーグ体型を
  ひけらかしながら、虚勢を張って肩で風切ってのし歩いている
  アンちゃんたちではない。
  一見ジェントルマン風のものごしで、二枚舌をあやつる
  先進国の知的エリートたちだ。」

なんとも激しい表現ですね。

増田さんは知的エリートに権力が集中する欧米諸国を
これでもかというぐらいに批判しています。

彼らが、「日本没落」を喧伝していると。

それでは、なぜ、欧米の知的エリート達は、
日本を陥れようとしているのか?

日本を肯定することは、自身の存在意義を否定するものだから。

日本は知的エリートが弱く、大衆が主導する国。

つまり、知的エリートが国を導かなくても、
大衆主導でより良い国が築けることが知れ渡ると、
各国で大衆社会への転換を起こす革命が起きかねないと。

だからこそ、欧米のエリート達は、
大衆主導の日本は没落する運命だと、必死に洗脳しているそうです。

ここまで極端だと、逆に冷静に読むことができますね。

思考の幅を広げるには、両極端まで一度振り切ることが
必要ですから、その意味では、最適の本かもしれません。

この本から何を活かすか?

  「NY金、最高値更新

これは、2011年4月28日の時事ドットコムの記事より。

増田さんが所属する株式会社ジパング・ホールディングス
松藤民輔さんが経営する金鉱山をビジネスとする会社。

金価格がどんどん高値を更新しているので、
さぞかし会社の経営状況も良いのかと思いきや、
現実はそう簡単にはいかないようです。

松藤民輔より皆様へ(UPDATE 2011.02.09)
当社の大株主所有株式の状況について(2011年2月8日)

最近、松藤さんの著書が冴えないのは、このせいでしょうか?

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| 経済・行動経済学 | 11:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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時代の“先”を読む経済学

時代の“先”を読む経済学 (PHPビジネス新書)
時代の“先”を読む経済学 (PHPビジネス新書)

(2011/03/19)
伊藤 元重 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

日経MJに2008年3月~2010年12月までに連載された
「伊藤元重のニュースな見方」から70本の記事を厳選し、
加筆・修正してまとめた本です。

伊藤元重さんと言えば、「ゼミナール国際経済入門」や
テレビで分かりやすく経済を解説することで有名な
日本を代表するエコノミスト。

その伊藤さんが、日々のニュースの中で注目すべき
トピックを経済学的な視点で読み解き、解説を加えています。

  ・LCC(ローコスト・キャリア)の成功の条件とは?
  ・東芝の事業選別と原子力の可能性
  ・ギリシャ金融危機問題の教訓
  ・事業仕分けの落とし穴
  ・TPPは農業に打撃を与えるか?

先日、TPP参加に断固反対する中野剛志さんの
TPP亡国論」を紹介しましたが、
本書を読む限り伊藤さんは賛成の立場です。

過去2年間の出来事を基にしているので、
今読んでみると、当時とは経済環境も変わり、
そのトピック自体が陳腐化していたり、
違う未来が確定したものもあります。

それは、旬な素材を使った本の宿命。

しかし、私たちが学ぶべき点は、伊藤さんのような視点を持って
日々のニュースを経済の流れの中で、自分で考え整理すること。

やはりそのベースには、経済学の基本的な知識が
必要であると感じさせます。

  「好むと好まざると、日本はいろいろな分野で
  創造的な破壊を経験することになるだろう。
  そうした変化の時代だからこそ、人からの受け売りではなく、
  自分の目で経済の流れを読む力をつけておかなければならない。」

伊藤さんのこの言葉とは、ちょっと違う未来として、
日本は甚大な破壊を経験しました。

この破壊を単に復旧で終わらせず、
これを機に先を見据えた創造的な復興できるかが、
日本の将来を大きく左右するように思えます。

ちなみに、本書に掲載された以降の
「伊藤元重のニュースな見方」は
こちらのサイトで読むことができます。

  ・伊藤元重のメディア寄稿

この本から何を活かすか?

伊藤さんの取り上げたテーマで、私が気になったのは
次の2つのトピックです。

  ・行動経済学の視点から見る為替レート
    米国の消費者物価が15年前と比べて約40%上昇しているため、
    1ドル80円でも15年前のレートから比べると、まだ円安である。

  ・財政支える国債バブル
    銀行や保険会社が国債を買い続けている今の状況が続くのは、
    あまりに異常で、いずれバブルが破裂すると思ったほうがいい。

実際に為替は、一時1ドル80円を大きく割り込みました。

国債バブルの破裂についても、十分に備えておきたいところです。

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| 経済・行動経済学 | 06:17 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ジェームズ・ボンド 仕事の流儀

ジェームズ・ボンド 仕事の流儀 (講談社プラスアルファ新書)
ジェームズ・ボンド 仕事の流儀 (講談社プラスアルファ新書)

(2011/02/22)
田窪 寿保 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「最初にお断りしておこう。本書は、あまりにも有名な
  英国諜報部員、ジェームズ・ボンドのライフスタイルを礼賛し、
  単にそれを模倣することを目的にしていない。
  イギリスに関わる仕事にたずさわっている私の、
  あくまで私的なジェームズ・ボンド論である。」

著者の田窪寿保さんが冒頭で説明している通り、
本書は、ジェームズ・ボンドの行動やスタイルを徹底研究し、
仕事に活かすといった種類の本ではありません。

「英国紳士」の流儀をジェームズ・ボンドを通して読み解き、
人生で使える知恵として伝えています。

実際に田窪さんが出会った英国紳士として、
本書に最も多く登場するのは、
ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソンさん。

人を驚かすような破天荒な行動の裏に
ブリティッシュ・ジェントルマンの血が流れいる点が、
ジェームズ・ボンドと共通しています。

ですから本書で紹介されるエピソードは、
ジェームズ・ボンド、ブランソンさん、田窪さんの経験が
それぞれ1/3ずつぐらいの割合で書かれている印象です。

  第1章 ジェームズ・ボンドが教えてくれること
  第2章 ジェームズ・ボンドの考え方
  第3章 ジェームズ・ボンドの仕事術
  第4章 ジェームズ・ボンドのファッション術

内容から考えると、ジェームズ・ボンドという所を
すべて英国紳士と置き換えて考えてもいいでしょう。

ボンド映画の大ファンの方が、過剰な期待を持って読むと、
期待外れかもしれませんが、今後、英国とビジネスで
関係を持つ方には、得がたい知恵が詰まっていると思います。

私自身はジェームズ・ボンドの大ファンではないので、
英国紳士の流儀という、知らない世界を垣間見て、
意外に新鮮でした。

  「ジェームズ・ボンドという存在は、ひとつの具現化された
  偶像ではないこと、そして単純にそのスタイルやファッションを
  コピーすれば男前が上がるというものではないということを
  ご理解いただきたい。」

この本から何を活かすか?

英国紳士は基本的にジョークが好きで、
ボンド映画にも数多くの言葉遊びがあるそうです。

その中で、最たるものは「007/オクトパシー」。

  「言葉遊びとはいえ、こんなタイトルで、
  よく公開できたものだ!」

と田窪さんも驚きの声を上げています。

日本語では、巨大なタコ「オクトパス」のイメージで
伝わっていますが、スペルは「Octopussy」。

私も言われるまで気付きませんでしたが、
8人のボンドガールが登場して「octo」+「pussy」って、
本当に凄いタイトルですね。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 09:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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変化を生み出すモチベーション・マネジメント

変化を生み出すモチベーション・マネジメント (PHPビジネス新書)
変化を生み出すモチベーション・マネジメント (PHPビジネス新書)

(2011/03/19)
小笹 芳央 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:18

モチベーションといってもいろいろありますが、
本書は「変化に対するモチベーション」を高めるための本。

変わりたいと思ってる人は多いけれど、
実際に変われる人はごくわずか。

なぜなら、私たち人間は強力な現状維持バイアスに
支配されている動物だからです。

本書のモチベーション・マネジメントでは、
いきなり変化を促しません。

最初から変化を迫ることは、「現状」か「変化」かの
2択を迫ることに等しく、その結果、現状に固執して
変化しない道を選ぶことが多くなってしまうからです。

そこで本書では、変化を生み出すために
次の3つのステップを踏みます。

  1.アンフリーズ(解凍)
    これまでの自分の考え方・やり方が最善であると
    絶対化している現状を「他の考え方・やり方もあるよ」と
    別の方法を見せて相対化する。

  2.チェンジ(変化)
    変化の方向性の魅力を高め、その達成は可能であるという
    安心感を与えながら、新しい行動を引き出す。

  3.リフリーズ(再解凍)
    その変化が正しかったと確信させ、後戻りしないように
    習慣化することで、新しい行動を固定化する。

この中で、特に重要なのが最初のアンフリーズのステップ。

凝り固まった現状に揺らぎを与え、客観的な視点を得ることで、
その後の変化をスムーズにします。

本書では、モチベーション・マネジメントの方法論、
変化を生み出す3つのステップ、それを促す
時間・空間・目標・安心・習慣・集団の6つのマジック(コツ)が
紹介されています。

最後は、ミニストーリーで全体の流れをおさらいし、
具体的な施策例を見ていくという構成。

社会や経済の環境が激変している今の時代においては、
柔軟に変化できないと、即退場となってしまう可能性があります。

逆に、一度、変化する能力を身につけてしまえば、
どんな時代になっても生き残っていくことが可能です。

その意味で、本書はこれからの時代を
生きていくために必要な本だと思います。

この本から何を活かすか?

私にとっては、「自分は評価されていないと思ったら読む本
以来の小笹芳央さんの本でした。

今回は、以前の本で、どんなことが言われていたかを
思い出してから本書を読み始めました。

前回学んだのは、「木のイメージで知識を体系化していく」こと。

その甲斐があってか、本書の内容は、
スッと頭の中に入ってくる感じがしました。

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| 組織・社内教育・コーチング | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事が速い人の文章術

仕事が速い人の文章術 ムダなくしっかり書くための40のコツ
仕事が速い人の文章術 ムダなくしっかり書くための40のコツ

(2011/03/25)
鶴野 充茂 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

ストーリー形式のビジネス書などでは、
「紙ナプキン」にアイディアを書き出す光景をよく目にします。

ストーリー形式の本以外でも、以前紹介した
描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング」は、
原題が「The Back of the Napkin」というぐらいで、
紙ナプキンに図を書いていましたね。

では、なぜ、紙ナプキンなのか?

食事をしていて、ひらめいたアイディアを書き込むのに、
最も入手しやすいのが紙ナプキンだからか?

私は、この考えにどこか腑に落ちないところがありました。

しかし、本書が私のモヤモヤを解決してくれました。

  「一見、たとえば大判の白紙のほうが、のびのびと発想を
  広げられそうですが、あえて物理的に小さく、
  狭いスペースに書き込みを制限するのです。
  その制限された狭いスペースに書くと、たくさん書き出しやすいのです。
  逆ではありません。実際に試してみればわかりますが、
  大きな紙を使うと、余白がたくさんある分、書き出した時点で
  体系化や全体性を気にしてしまいがちになります。」

つまり、紙ナプキンは紙面が限られているから、
余計なことを気にせず、アイディアを吐き出せると。

本書では、アイディア出しのために使う紙は、
「小さな紙は1人ブレスト向き、大きな紙は誰かに説明する時向き」
と役割を分けるよう説明されています。

さて本書は、仕事を速く進めるための文章術。

文章を書くことは、手段であって目的ではありません。
あくまで目的は、仕事を速くスムーズに進めること。

ですから、本書では書くことに時間をかけないと先に決め、
場合によっては、書かないことも選択肢として考えます。

あまりページ数も文字数も多くない本ですが、
文章を書くための40ものコツがまとめられています。

サラっと読める割に、見た目以上に得られるものが多い。

これは、著者である鶴野充茂さんが、
ムダな言葉や回りくどい表現をしっかりと削った証。

さすがに、人に伝えるプロが書いた文章という感じがします。

この本から何を活かすか?

  「話は結論から」には条件が付いている。

ビジネスでは、結論を先に言うことがセオリーとなっていますが、
これには「結論が予想外の時は」という条件がついているようです。

もし、結論が「よくある話」なら、最初に結論を書かない。
というか、そもそも文章そのものを書く必要さえあまりない。

  「すいません、どれだけ調べても考えても私の結論は
  ○○なんですが、それを1枚、紙にまとめた方がいいでしょうか?」

こう聞くことで、3回中2回は書かなくてよくなると
鶴野さんは説明しています。

それでも、よくある結論を書かなければならない時は、
エピソードを添えてストーリーとして読ませ、
最後に当たり前の結論を持ってくると良いようです。

言われてみると、当たり前のことが最初に書いてる文章は
そこから先に読み進める気になれませんね。

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| 文章術 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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遠足型消費の時代

遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか? (朝日新書)
遠足型消費の時代 なぜ妻はコストコに行きたがるのか? (朝日新書)

(2011/03/11)
中沢明子、古市憲寿 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  「本書は“お父さん”にとってはマーケティング本テイスト
  でありながら、未知の野遭遇のような異世界体験記。
  もしかすると、救世主となるかもしれません。」

デフレ不況の中でも支持される
IKEA、コストコ、ルクエ、H&M、DEAN&DELUCAなどから
時代の消費動向を読み解く本。

女性誌のライターである中沢明子さんと
社会学を専攻する大学院生の古市憲寿さんの共著。

  「ハワイのオアフ島ではなく、
  車でいけるスーパー温泉やショッピングモール。
  高級レストランのフレンチではなくて、
  ちょっと素敵なキッチン道具を使っての、おうちご飯。」

そこにあるのは、日常から地続きのちょっとした非日常感。

キーワードは「キラキラ」。

海外旅行型の「ギラギラ」した消費ではなく、
日帰りの遠足型の「キラキラ」した消費が受ける時代。

主役は「お父さん」ではなく「女こども」。

  「この“女こども”だけが知っている“キラキラ消費”を
  とらえることが、“モノが売れない時代”に
  “モノを売る”秘訣だと“お父さん”も思えるはずです。」

そして、本書では日本社会そのものが、
徐々に「女こども」化しつつあるとも指摘されています。

それは、退屈な日常をささやかな幸せと共に
しぶとく生き抜く知恵のようです。

確かに時代はそうなっているのかもしれません。

しかし、個人的にはそれがあまりイイとも思えません。

別に豪遊するつもりはないけれど、
IKEAに行くより、やっぱりハワイに行く方がいいけどな。

ちょっと、論点がズレてる?

でも、それはきっと、私が「お父さん」である証。

だからこそ、私にとっては、読む価値のある本でした。

この本から何を活かすか?

我が家には「お父さん」が3人?!

本書の冒頭にある「お父さんのためのチェックリスト」です。

  あなたは次のキーワード10個のうち、いくつ知っていますか?

  □ 日本経済新聞を読んでいるおじさんより街で見つけやすい、
   「DEAN&DELUCA」のトートバッグ

  □ 蒸し器「ルクエ」が起こした空前の蒸し料理ブーム
 
  □ 小瓶で400円もする!と当初見向きもされなかった
   「辛そうで辛くない少し辛いラー油」

  □ 年会費が4200円もするのに、会員数が右肩上がりの
   倉庫型スーパー「Costoco」

  □ 洗いあがってもザ・アメリカンな匂いがガンガン香る
   柔軟剤「Downy」

  □ 日常の中でのちょっとした幸せ消費を特集する
   雑誌「Mart」

  □ 6000個が販売目標のはずが、17万個も売れた
   「スーホルム」のトートバッグ

  □ ガタガタする本棚が飛ぶように売れる
   北欧インテリアショップ「IKEA」

  □ 女性通販サイト「リーマルシェ」で売れている、
   “雑貨”問屋「松野屋」のヒット商品「針葉樹洗濯板」

  □ グッドデザイン賞を受賞した
   蚊帳生地の台ふきん「花ふきん」

5つ以下かしか知らない人を、家族のあるなし、性別を問わず、
本書では「お父さん」と呼びます。

ちなみに、本書を読む前から私が知っていたのは4つ。
私の妻は5つ、娘は2つ。

つまり、トレンドに疎い我が家は
3人とも「お父さん」になってしまいました。

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| マーケティング・営業 | 14:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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会社でパッとしない人の「うだつ」の上げ方

会社でパッとしない人の「うだつ」の上げ方
会社でパッとしない人の「うだつ」の上げ方

(2011/03/11)
小関 敦之 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

てっきり、今の会社の中で「うだつ」を上げるのかと
思いましたが、会社以外の“自分の好きなこと”で
「うだつ」を上げるための本でした。

著者は「築地王」として知られる小関敦之さん

小関さんは、30代になりたてのころ異業種へ転職し、
新しい会社の中で、なかなか「うだつ」の上がらない
自分の不甲斐なさに悶々としてしたそうです。

そんなときに、テレビ東京系列の「TVチャンピオン」に出場。
2003年4月に放送された「築地王選手権」で優勝しました。

その後、2004年1月に出版した「築地で食べる」で大ブレイク。
今や築地の第一人者として、様々なメディアで活躍しています。

もちろん、小関さんが何の努力もなく、
簡単に築地王になったわけではありませんが、
大切なのは、仕事にはまったく関係のない
「好き」なことを極めて「うだつ」を上げたこと。

本書では、小関さん以外の方の例も挙げながら、
好きなことでブランド化した個人になる方法が解説されています。

ステップは4つ。

  1. 好きなことを続け、ひたすら「記録」する。
  2. ブログなどで「コンテンツ」化し、情報発信する。
  3. 編集者を攻略し、「本」を出版する。
  4. 「マスメディア」などに露出し、活躍の場を広げる。

もし、自分の好きなことがメジャーな分野だった場合は、
カテゴリーを細分化し「差別化」すること。

書評ブログ界からは、「女性」と「4コマまんが」で差別化し、
ブログ開設から2年を待たずして、
世界一わかりやすい4コマビジネス書ガイド」で
著者デビューした女子勉さんが紹介されていました。

他にもこのブログで紹介した方では、
勝間和代さん美崎栄一郎さん池田千恵さん
取り上げられていましたね。

私には、ステップ2から3へのハードルが
けっこう高いように思えます。

しかし、小関さんはそんなヘタレ虫に対し、
ありがたい言葉を紹介してくれています。

  「図々しさは才能だ!」

小関さんにとっても、大きな壁を突き抜けるために
必要だったのは、図々しさだったと自身を振り返っています。

この本から何を活かすか?

本書では、頭の中から溢れるアイディアを受け止める方法と、
頭の中から情報を引っ張り出す方法が紹介されていました。

  ユビキタス・キャプチャー

Lifehacking.jpを主催する堀正岳さんの提唱する、
自分の行動、ふと頭に湧いた考えなど、
とにかく自分に起こったすべてのことを記録するライフハック。

  プライベート・ライティング

書きながら考えるとうまくいく!」の著者、マーク・リービーさんの
テーマと時間を決めて、ひたすら頭に浮かんだことを書き続ける
アイディアを搾り出す方法。

私は、プライベート・ライティングと岡田斗司夫さんの
スマートノートと組み合わせてみようと思います。

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| ブランディング | 06:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ソーシャルメディアマーケター美咲

ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳
ソーシャルメディアマーケター美咲 新人担当者 美咲の仕事帳

(2011/03/16)
池田 紀行 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

ツイッターやフェイスブックを使って
何かやらなければならない。

今の時代、そんなプレッシャーを感じている
マーケティング担当者も多いのではないでしょうか?

ソーシャルメディアマーケティング(以下SMM)では、
一体、何ができて、何ができないのか?

本書は、ストーリー形式でSMMを活用する現場の姿を伝える本。

ともすると、ツイッターを使わなければならない、
フェイスブックを使わなければならないと、
手段が目的化しがちです。

本書のストーリーでは、コミュニケーションゴールを達成するための
手段としてのSMMの正しい活用方法がリアルに描かれています。

主人公の遠藤美咲は社会人4年目の27歳。

メーカーの営業部からネット系広告代理店に転職し、
SMM専任チームに配属されました。

同じ部署に異動になった27歳の伊藤拓也とチームを組み、
波乱に満ちた悪戦苦闘の1年を送りながらも、
ソーシャルメディアマーケターとして成長する姿が描かれています。

  序 章 はじめての転職。
       私がソーシャルメディアマーケティングの担当者?

  指令1 お金をかけずにバズを広げ、認知を向上させろ!

  指令2 ソーシャルメディアを使って
       オンラインショップへの流入を増やしたい!

  指令3 フェイスブックでファンを囲い込みたい!

  指令4 ソーシャルメディアマーケティングのROIを
       明確に測りたい!

  終 章 駆け出しソーシャルメディアマーケター美咲、誕生!

ストーリーとしては、メンターとなるコンサルタントが登場し、
要所要所で美咲にアドバイスやヒントを与え、
それを元に突破口を見つけ、問題を解決していくとう
よくあるパターンの話です。

しかし、SMMが目的ではなくて手段であるのと同様、
本書においてもストーリーは手段であって目的ではありません。

美咲や拓也が遭遇するシチュエーションが、
実際のSMMの現場で生きた教科書として活用できますから、
読んでおきたい一冊です。

また、本書の中で使われる図表も秀逸。

表紙のイラストだけで判断して、ちょっと恥ずかしいから
手に取らないと考えるのは損かもしれません。

この本から何を活かすか?

本書の主人公、遠藤美咲がツイッター
日々の想いを綴っているようです。

一応、期間限定みたいですね。

本に登場するキャラクターのアカウントを作り、
ツイッターやフェイスブックでプロモーションするのも、
ソーシャルメディアマーケティング。

誰が遠藤美咲になっているのか知りませんが、
他人の人格、しかも有名人になりきってつぶやくのは、
どんな感じがするのでしょうか?

後ろめたさを感じず、キャラになりきるのがポイント。

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| IT・ネット | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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リーダーシップでいちばん大切なこと

リーダーシップでいちばん大切なこと
リーダーシップでいちばん大切なこと

(2011/03/16)
酒井 穣 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

かなり違った切り口のリーダーシップ論。

著者は、「はじめての課長の教科書」などで
おなじみの酒井穣さんです。

さすがに、他の人の同じことは書きませんね。

  「一般に、リーダーシップとは“価値観を示し、人を巻き込む力”
  のこと。リーダーとは、そうした力を持った人のことです。」

私たちが、今までイメージするリーダーシップの要素は、
後半の「巻き込む力」が中心です。

他人に対してどう振る舞うか、いわゆる「統率力」
という言葉で語られるものでした。

しかし、酒井さんの考えるリーダーシップとは、
前半の「価値観を示す」ことに重きを置いています。

  「リーダーシップとは、自らの価値観どおりに行動する力」

他者と関わることで発揮するものではないので、
リーダーとは、フォロアーなどいない孤独な存在という考えです。

それは、人間が幸福を獲得するための必要条件であり、
今の時代、生きるための手段であると酒井さんは説明します。

既存のリーダーシップ論は、ベクトルが外向きであるのに対し、
酒井さんのリーダーシップ論は、
自分の内側にベクトルが向いています。

  「自分のリーダーシップを必要としているのは、
  どこかの誰かという“他者”ではなくて、
  たった一度の人生を、自分の価値観に従って生き抜こうとする
  “自分自身”なのです。」

それでは、価値観どおりに行動することは、
自分の問題であって、他者には影響を与えないのか?

本書の考えでは、直接、他者に働きかけませんから、
タイムリーに他者からの反応が返ってくることは
少ないかもしれません。

しかし、リーダーシップの背景には、常に「勇気」があり、
勇気を示すことこそが、リーダーシップの社会的意義だと、
酒井さんは語っています。

本書は、静かに静かに語られています。

だからこそ、その裏にある酒井さんの
リーダーシップに対する熱い想いが伝わってきます。

そして、他者とは違うリーダーシップ論を語ることが、
酒井さんが価値観を示す行動ですから、
本書を執筆する行為自体が、
酒井さんのリーダーシップの表れと考えられますね。

この本から何を活かすか?

酒井さんは、本を執筆するとき
「将来、なにか困ったときの娘」に向けて書くことを
信条としているそうです。

そういえば、ジム・ロジャーズさんの
人生と投資で成功するために 娘に贈る12の言葉
という本もありました。

私も、そんなに凄いことは書けませんが、
少なくとも、このブログは私の生きている記録ですから、
将来、娘が読んでも恥ずかしくないような内容を
残したいと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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TPP亡国論

TPP亡国論 (集英社新書)
TPP亡国論 (集英社新書)

(2011/03/17)
中野 剛志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:27

国民を思考停止にし、通したい結論があるときは、
単純な対立する図式を用意すればよい。

現在の民主党政権は、かつて小泉純一郎元首相がよく使った
この手法の強力さを嫌というほど味わい、学んだのでしょう。

「開国か?鎖国か?」

日本のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加議論は
見事に図式が単純化され、TPPに参加して開国するのが善、
参加せずに鎖国するのが悪というイメージを与えています。

ちなみにTPPとは、2015年までに加盟国間の貿易において、
工業品、農業品、金融サービスなどをはじめ、全品目の関税を
全面撤廃し、貿易自由化の実現を目指す協定。

  「TPPへの参加など、論外です。
  この本で申し上げたかったことは、
  結局のところ、その一言に尽きます。」

本書は、日本のTPP参加に正面から反対しています。
しかも、その主張は論理的。

著者の中野剛志さんは、京都大学に出向中ですが、
経済産業省に籍を置く現役の官僚です。

経済産業省の方が、このような過激な本を書くのは
けっこう衝撃的ですね。

  ・TPP参加は本当に開国で、不参加は鎖国なのか?
  ・本当にTPPはアジア太平洋の成長を取り込むことが可能なのか?
  ・中国や韓国はなぜ、TPP参加を表明しないのか?
  ・日本のTPP参加で、一番得をするのは誰か?

政府、産業界、大手新聞社やテレビが
TPP参加には、もろ手を挙げて賛成しています。

その中で、日本の国益の面から冷静に
参加の是非を考えるのは難しいかもしれません。

しかし、本書のような事実を基にした論理的な主張を読んで、
自分の頭で考えることは必要だと思います。

TPPに参加することで、小村寿太郎さんらが
心血を注いで回復した「関税自主権」を放棄して良いのか?

私も自分なりに賛成派、反対派の主張をまとめ、
論理的に考えてみたいと思います。

この本から何を活かすか?

為替政策の有無がTPP参加後の運命を握る!

TPPといっても、その実態は日米におけるFTA。
つまり日米両国の関税が同じように引き下げられます。

関税というフィルターがなくなった後、
輸出入をコントロールできるのは「為替」のみとなります。

為替は、浸透圧で低濃度溶液から高濃度溶液へ
移動が起るように輸出入に作用します。

つまり自国通貨安政策をとる国から、
通貨政策を持たない国へと商品やサービスは
流れるということを意味します。

本書を読んだからかもしれませんが、
この点だけを考えても、日本は丸腰のまま
TPPに参加することは、非常に危険だと思えます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 社会・国家・国際情勢 | 07:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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恋愛経済学

恋愛経済学 
恋愛経済学
(2011/02/18)
勝間 和代 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:12

勝間和代さんが、恋愛を経済学用語で語るエッセイ。

  「この本は、私がもっとも苦手な“恋愛”を、
  もっとも得意な“経済学”で読み解けないかと
  考えたところからスタートしました。」

勝間さんは、離婚歴が2回。

自身を極端に「システム化能力」は高いが、
「共感能力」は低いと分析しています。

つまり、人の気持ちが分からないと。

そこで、恋愛の理論や、人の気持ちの理論を
しつこく、徹底して、システム化能力で
読み解こうとしたのが本書というわけです。

勝間和代さんが世に出始めたころ、その経歴から、
なんて能力の高い人だろうと思いましたが、
本書を読むと、能力の高さの代償として
勝間さんが犠牲にしていたものが分かります。

ちょっと見方を変えると、勝間さんの感覚のズレを
楽しみながら、読むことができます。

本書の巻末には、秋元康さんとの対談があり、
次のような会話が収録されています。

  秋元 : カツマって男にこんなところへ連れて行ってもらいたいとか、
       こんなふうに抱きしめられたらどうしようとか、
       考えないでしょう?

  勝間 : それよりは、どう生きていったらうまくいくのかとか、
       いま恋愛のどの段階にあって、これからどういう展開が
       あるんだろうとか、ここは前に計算しなかったから、
       ちゃんと学習しておこうとか、そういうことのほうに
       関心がありますね。
  (中略)

  秋元 : 恋愛経済学も、カツマカズヨも、恐るべしだね。

秋元さんの最後の言葉が、すべてを語っています。

確かに、「経済」も「恋愛」も、その根底にあるのは、
人の感情ですから、共通しているところもあるでしょう。

しかし、人の気持ちが分からないのに恋愛本を書き、
この本を参考にできる人がいると考えているところが、
勝間さんの凄いところです。

その凄さは「結局、女はキレイが勝ち」を上回っているかも。

怖いもの見たさで、本書を買わずとも、
書店でパラパラとページをめくってみる価値は
あると思います。

この本から何を活かすか?

勝間さんは、自分を「恋愛が苦手」と考えていますが、
それは違うと思います。

なぜななら、2回の離婚歴というのは、
2回結婚できたということ。

それ以外にも男性と付き合ったことがあるでしょうから、
本人はそう感じていなくても、
それなりに恋愛はできていると思います。

本当にできないのは、結婚生活などの
親密で期間の長い人間関係を築くこと。

離婚の原因は、人の気持ちが分からないのに、
普通の人と結婚してしまったことにあるのではないでしょうか。

勝間さんが選ぶべきは、人の価値をお金に換算して判断する相手。

お互いに経済合理性を重視した関係なら、
勝間さんがお金を生む能力がある限り、
その関係は続くはずです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| コミュニケーション | 06:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?

なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか? ―『会社四季報』で読み解くビジネス数字の秘密
なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか? ―『会社四季報』で読み解くビジネス数字の秘密

(2011/03/01)
長谷川 正人 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

誰もが知っているライバル会社の財務データを
7つの観点で比較する本。

その7つの観点とは、規模、成長性、収益性、
セグメント情報、安全性、キャッシュフロー、時価総額。

  第1章 なぜアップルの時価総額はソニーの8倍になったのか?
       ソニー VS アップル
  第2章 会社の「底力」と「勢い」は数字にどう反映されるのか?
       NTTドコモ VS ソフトバンク
  第3章 規模だけではない?世界最大とコンパクトメーカーとの違い
       トヨタ自動車 VS スズキ
  第4章 4年間で数字が激変したのはどちら?
       キリンホールディングス VS アサヒビール
  第5章 ブランドイメージは違うが、実はライバル?
       資生堂 VS 花王
  第6章 ガリバーを無料サービスが追う
       マイクロソフト VS グーグル

著者の長谷川正人さんは2002年から2006年まで、
約1600人のビジネスパーソンに財務研修を行いました。

現在は所属するコンサルティング会社、
客員教授を勤める滋賀大学において同様の講義を
続けているそうです。

その財務研修講座のエッセンスをまとめたのが本書です。

ただし、本書は貸借対照表や損益計算書の見方を中心に解説する
既存の会計や財務の入門本と大きく異なります。

異なる点は、次の2つ。

1つ目は、マーケティングの視点での分析があること。

本書では、7つの視点で財務状況の比較を行いますが、
その前提にあるのは業界を取り巻くビジネス環境であり、
各社のマーケティング戦略です。

財務諸表に現れた数字を読み解くだけでなく、
マーケティング戦略を併せて分析することで、
各社の実力を総合的に評価しています。

2つ目は、「会社四季報」を使って財務分析を行っていること。

本書には、教科書的な勘定科目の説明はあまり出てきません。

四季報から数字を拾い、バランスシートを図示するので、
財務を初めて勉強をするときに、挫折しそうな箇所を
うまくかわしている感じがします。

ちなみに、米企業のアップル、マイクロソフト、グーグルは
四季報に掲載されていませんから、
各社のIR情報から必要な数字を持ってきて使っています。

今まで、ファイナンスを勉強しようと思っていても、
入り口でつまずいていた人には、ありがたい一冊。

しかも、マーケティングも学べて一挙両得です。

この本から何を活かすか?

そう言えば、四季報を買わなくなって何年も経ちます。

かつて「投資のバイブル」と言われた四季報ですが、
最近の販売部数はどうなんでしょうか?

四季報を買う目的は、端的に言うと「銘柄探し」。

しかし、その目的はネット証券各社が提供する情報で
満たされるようになりました。

根本的なところでは、私の投資スタンスが、
銘柄探しをしなくなったことが原因です。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 06:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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儲けたいなら科学なんじゃないの?

儲けたいなら科学なんじゃないの?
儲けたいなら科学なんじゃないの?

(2011/03/18)
堀江貴文、成毛 眞 他 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

科学の専門家ではない、堀江貴文さんと成毛眞さんの
お2人だからこそできる科学放談。

メインは堀江さんの宇宙旅行計画ですが、
他にも科学のいろいろなトピックについて、
ちょとずつ対談されています。

ロケット開発、スペースコロニー、人工冬眠、キャパシター、
iPhone、脳と意識、癌、肥満治療薬、遺伝子組み換え、
エネルギー問題、宇宙エレベーター、核融合、豊胸手術・・・

専門家の対談なら、もっと正確に実現性を検討する方向で
話が進むのかもしれませんが、
お2人の対談では、ダイナミックに話が展開します。

純粋に理系の人の科学本だと、マジメすぎるきらいがあるので、
これぐらいの掘り下げで、様々な話に飛んだ方が、
興味を持って読まれるのかもしれません。

「儲けたいなら」とタイトルにあるとおり、
元経営者であるお2人のフィルターを通して見ると、
科学がとたんに儲かる技術に見えてきます。

実際に、最先端の研究をするにはお金がかかりますから、
科学の発展のためには、お金の匂いをかぎつける才能のある
経営者の協力が必要であるように感じます。

  「(堀江さん)でもそれは、サイエンス系の知識がないというよりは、
  単純に自分でものを考える力がないということなんじゃないかと。
  いろいろな情報をもとにして、自分なりに考えて、
  疑問を持つべきところには疑問を持つ。疑問を持ったら議論する。」

本書の対談を読むと、一見、お2人ともかなり広い知識を
持っているような印象を受けます。

それはそれで、間違いのないことですが、
この堀江さんの発言のとおり、知識の広さよりも、
普段から自分でものを考える習慣があるからこそ、
本書のような対談ができるのではないでしょうか。

この本から何を活かすか?

本書で薦められている番組や科学読み物

堀江さん推薦
  ・ナショナル ジオグラフィックチャンネル
  ・ディスカバリーチャンネル
  ・WIRED

成毛さん推薦
  ・ご冗談でしょう、ファインマンさん(私も強く推薦)
  ・チェンジング・ブルー―気候変動の謎に迫る
  ・ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係
  ・カラー図解でわかるブラックホール宇宙
  ・眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎
  ・ハチはなぜ大量死したのか(当ブログでも紹介)
  ・ペニシリンはクシャミが生んだ大発見

私は、成毛さんが「日本人が書いた科学読み物史上最高の本」と
賞賛する「チェンジング・ブルー」を読んでいないので、
早速読んでみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 06:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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百年たっても後悔しない仕事のやり方

百年たっても後悔しない仕事のやり方
百年たっても後悔しない仕事のやり方

(2011/03/11)
出口 治明 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

  「“プロクルステスの寝台”に仕事の相手を寝かせないこと」

ギリシャ神話に「プロクルステスの寝台」
という話があるそうです。

ギリシャのアッティカ半島にプロクルステスという
追いはぎ泥棒が住んでいました。

彼は旅人を襲い、持ち物を奪った後、
自分の隠れ家に連れていくと、鉄の寝台に寝かせます。

そして、旅人の身長が寝台よりも長ければ、
はみ出た分だけ足を切り落とし、
短ければ、綱で引っ張って寝台の長さに合うまで
体を引き伸ばす行為を繰り返したそうです。

このことから、「プロクルステスの寝台」とは、
ある基準や約束をこちらの勝手な事情で決めてしまって、
無理矢理それに相手を従わせることを意味する言葉として
使われるそうです。

恥ずかしながら、私は本書で「プロクルステスの寝台」を
初めて聞きました。

これは、本書の第5章「仕事には必ず相手が存在する」
の中での説明です。

こんな古今東西の古典からの引用が、自然に出てくるのが
教養深い出口治明さんらしいところ。

本書は、ラフネット生命社長として全国を奔走する
出口さんの仕事の流儀が語られています。

ノウハウというより、心掛けについて書かれています。

  「“百年たっても後悔しない”という言葉は、
  “明日になって後悔しない仕事を今日実行すること”と同義です。
  済んだことは振り返らず、今日できることにベストを尽くす。
  そのことが積み重なっていけば、“百年たっても後悔しない”
  人生や会社が残るのではないでしょうか。」

これは、どこの会社に勤めていても、
どんな仕事をしていても当てはまること。

つまり、出口さんの仕事のやり方は、
誰でも心掛け次第で実践できるということです。

この本から何を活かすか?

出口さんといえば、「人脈」と「本」と「旅行」。

本と旅行については、前著「常識破りの思考法」に詳しいので、
ここでは、出口さんが実践している人脈作りについて紹介します。

出口さんは、日本生命時代から夜の時間は人に会うことに集中して使い、
次の3つのことを実践しているそうです。

  ・会いたいと思った人にはすぐに会いに行く
  ・食事やお酒に誘われたら、誰であろうと断らない
  ・呼ばれたらどこへでも行く

これを30年以上続けているから、すごい。

しかも、どんなに夜遅く帰っても必ず1時間は
読書をすることを習慣として続けているそうです。

まさに、習慣は人を作るというお手本ですね。

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| 仕事論 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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国家は破綻する

国家は破綻する――金融危機の800年
国家は破綻する――金融危機の800年

(2011/03/03)
カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴフ 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:30

  この世の中に新しいものなど存在しない。
  新しく見えるのは、忘れているからだ。
                ― ローズ・ベルダン

本書は、世界中で過去に起きた金融危機を
数字で綴る歴史の本。

66カ国、800年におよぶ世界の金融危機が
体系的かつ定量的に分析されています。

素晴らしい大著です。

でも、実物を見ないでオンラインで注文するのは、
ちょっと待ったほうがイイ。

まずは、この情報を知ってから。

本書は圧倒的な分厚さで、
一般的なビジネス書の約3倍ものページ数があります。

トータル608ページ。

巻末資料、参考文献、索引だけでも100ページ超。

通勤や通学時など、机のないところで読むのは至難の業です。

重さを量ったら、840グラムありました。

私は、外出するときは必ず本を1、2冊持っていきますが、
この本が読みかけでも、さすがに持っていきたくはないですね。

しかし、見た目の威圧感とは異なり、
本書は意外なほどサクサク読めてしまいます。

文字がそれほど小さくないことと、
村井彰子さんの日本語訳が読みやすいからでしょう。

本書の原題は「This Time Is Different(今回は違う)」。

これは、金融危機が起こるたびに政府や投資家が、
今の環境においては、過去のルールは当てはまらないと
主張してきたこと。

しかし、本書のように長期間、広範囲のデータを
分析して分かることは、毎回の金融危機が、
「これはいつか来た道」だということ。

  「“今回は違う”シンドロームの本質は、ごく単純である。
  この症状は、金融危機はいつかどこかで誰かに起きるもので、
  いまここで自分の身に降りかかるものではない、
  という強固な思い込みに根ざしている。」

私たちは、本書のような労作があるおかげで、
金融危機の前例や類似性を知ることができます。

そして、「めったに起きないこと」が、
実は、しょっちゅう起きていることも。

本書は、冷静で客観的な視野を私たちに与えてくれます。

この本から何を活かすか? 

600ページ超もあり、4200円もするので、
本書を買うかどうか迷っている方は、
原書「This Time Is Different」を読んでみてはいかがでしょうか。

こちらは、496ページで価格は2,634円(2011年4月13日現在)。

まずは「なか見!検索」でご覧ください。

最近は、「サプライズミー」という、クリックするたびに
違うページが表示される ランダム表示機能もありますから、
けっこうたくさんのページを確認することができますね。

ちなみに、オーディオブックも出ているようです。
This Time is Different (Audiobook,CD)

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| 経済・行動経済学 | 07:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ビジネスは、毎日がプレゼン。

ビジネスは、毎日がプレゼン。 (DO BOOKS)
ビジネスは、毎日がプレゼン。 (DO BOOKS)

(2011/02/26)
村尾 隆介 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:18

  「プレゼンテーションは、コミュニケーション活動そのものです。
  プレゼンに磨きをかければ、おのずとコミュニケーション力は上がるし、
  普段のコミュニケーション活動にブラッシュアップをかけていけば、
  それは“プレゼン上手への道”につながります。

  つまり、働く社会人にとっては、まさに毎日がプレゼン。
  こう発想していった方が、日々の仕事も、これからのキャリアも、
  もっとうまくいくのではないか、と考えています。」

ビジネス以外でも、私たちは毎日、
何かしらを「伝える」行為をしていますから、
日常的なコミュニケーション力を高めることで、
プレゼン上手へ、近づけるかもしれません。

少々オーバーな言い方をすると、人生そのものがプレゼン。

本書の著者、村尾隆介さんは年間100回以上もの
講演会やセミナーの講師を務める、まさにプレゼンの達人。

  「すべてのプレゼンテーションは、エンタテイメントであるべき」

この言葉通り、村尾さんはエンタテイメント性の高いプレゼンで、
ファンやリピーターを増やしているそうです。

その姿勢は、本書からもうかがえます。

村尾さんは、この本を書くことも、
ひとつのプレゼンと考えているでしょうから、
読者を最後まで飽きさせずに、楽しませようとする
気持ちが伝わってきます。

  PART1 プレゼンにまつわる、新しい発想
  PART2 「見た目」そのものがメッセージ
  PART3 プレゼン力は、準備次第でまだまだ伸びる
  PART4 大切なのは、最初の5分
  PART5 トークの技術に磨きをかける、ちょっとしたアイディア
  PART6 スライドづくりを研ぎ澄ます
  PART7 プレゼン上手になるための、毎日の練習
  PART8 プレゼン終了間際と、その後

本書は、数多くあるプレゼン本の中でも、
技術的な面より、プレゼンへの「心がけ」が中心に語られています。

特に、毎日の生活の中で、プレゼン力を鍛えるという発想が特徴的。

あまりプレゼンを担当する機会が少ない人でも、
日頃から本書の練習を積むことで、イザという時のために、
プレゼン力に磨きをかけておくことができそうです。

この本から何を活かすか? 

  「毎日の会話でアドリブ力を鍛える」

ほとんどの日本人は真面目なので、聞かれたことに対して、
素直に答えてしまいます。

しかし、ビジネスの現場ではユーモアを交えて返すことも
重要な能力であると、村尾さんは指摘します。

時と場合を選ぶ必要はありますが、
「何か聞かれたら、それにまともに答えない」ようにする。

これで、ユーモアやアドリブのセンスが強化されるようです。

私は、つまらないコメントをしていまう場合が多いので、
「まともに答えない」ことを、意識した方がイイかも。

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| コミュニケーション | 06:19 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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巨大翼竜は飛べたのか

巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)
巨大翼竜は飛べたのか-スケールと行動の動物学 (平凡社新書)

(2011/01/15)
佐藤 克文 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:29

子どもの頃に見た、恐竜の絵本や図鑑の中には、
地上をのし歩く恐竜と共に、
空には巨大翼竜が滑空する姿が描かれていました。

  ・ケツァルコアトルス(最大の翼竜)
    推定翼開長10メートル、推定体重70キログラム
  ・プテラノドン(一番よく知られた翼竜)
    推定翼開長7メートル、推定体重17キログラム

あれ?
翼開長はそんな長さとして、なんで体重はそんなに軽いの?

きっと、私の他にも翼竜の体重の軽さに
違和感を覚える人も多いはずです。

しかし、この推定体重の軽さこそが、
現在主流となっている説において、
翼竜が空を飛べたとされる理由のひとつになっています。

さて、本書の著者、佐藤克文さんは2009年4月に、
巨大翼竜の飛翔能力に疑問を呈する論文を発表しました。

その結果、世の中の翼竜ファンの逆鱗に触れ、
罵詈雑言を浴びせられたようです。

本書は、その論文にいたる過程を説明したもの。

といっても、佐藤さんは古生物学者ではなく、
バイオロギングサイエンス(動物が記録する科学)の
パイオニアとして有名な研究者。

研究の対象は、ウミガメ、ペンギン、アザラシ、
ミズナギドリ目鳥類などの水圏に暮らす生物。

  「海に住むこれらの動物は日々どのように暮らしているのだろうか?
  現場で彼らを直接観察するのは難しい。
  そこで、小型の記録計“データロガー”を動物に直接とりつけ、
  動物自身にデータをとってきてもらうやり方が生まれた。」

これがバイオロギングサイエンス。

そして、オオミズナギドリの羽ばたく周波数と体重の
相関を調べるうちに、巨大翼竜について、
いままでの常識に反する、古生物学者を唖然とさせるような
仮説を思いついたそうです。

  「それは、あくまで現生鳥類の比較研究から得られた
  実測データに基づいて、論理的な過程を経て
  たどり着いたものだ。」

本書は、翼竜ファンをガッカリさせるかもしれませんが、
それ以外の方にとっては、知的好奇心を刺激する
素晴らしい一冊。

前著「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ」も抜群でしたが、
本書もそれに匹敵する面白さ。

実は、翼竜について書かれているのは、
全6章中、最終章だけです。

しかし、前著の部分否定から始まり、
カメやマンボウ、ヒメウ、オオミズナギドリを追いかけ、
最後に翼竜の仮説に各章の知識が見事につながっていくのは、
読んでいても気持ちいい。

この本から何を活かすか? 

佐藤さんが所属する「東京大学大気海洋研究所
国際沿岸海洋研究センター
」は岩手県大槌町にあります。

同町は東北地方太平洋沖地震、
およびそれに伴い生じた津波によって被災しました。

現在、佐藤さんは研究活動を進める際にお世話になった
大槌町の皆さんを支援するために、個人的に募金を行っています。

本書や「「ペンギンもクジラも」を読んだ方なら、
その趣旨に賛同できるかと思います。

まずは、こちらのページの佐藤さんの文章を読んでいただき、
その用途などを理解したうえで、ご協力をお願いいたします。

募金のお願い
大槌便り(3/30~4/1)

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| 科学・生活 | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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仕事オンチな働き者

仕事オンチな働き者(日経プレミアシリーズ)
仕事オンチな働き者(日経プレミアシリーズ)

(2011/03/09)
山崎 将志 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

残念な人」から「仕事オンチ」へ。

キーワードは変わりましたが、基本的なコンセプトは変わりません。

山崎将志さんは、本書の中で、
仕事の成果を中学校で習う、ある数式で表しています。

その数式とは、「y=ax」。

「a」は定数なので、自分では変えられないこと。
与件とか前提条件。

変数「x」は自分で変えられること。

つまり「y=ax」とは、アウトプットされる「y」は、
与えられた環境「a」の中で、自分が何をするか「x」によって
得られた成果物と考えられます。

そこで、タイトルの「仕事オンチな働き者」とは、
「a」に対する正しい理解がないため、
いくら一生懸命働いて「x」を入力しても、
欲しい成果「y」が得られない人のことを言っています。

本書は、そういった事例を集めているかと思いきや、
プロローグこそ、山崎さんがファッションオンチだった
エピソードで始まりますが、あまりテーマに縛られず、
思いついたこと、気になったことが書かれている印象です。

雑誌のコラムのイメージで読むのがいいかもしれません。

各トピックは独自の視点で語られているので、
面白いものがあります。

例えば、洗濯機から得る仕事のヒントの話。

洗濯機は、ガタガタとすごい音がする
タイミングがあるそうです。

それは、洗濯機の調子が悪いのでもなく、
洗うものを詰め過ぎたからでもでもありません。

原因は「固有振動」。

あらゆる物体には固有の振動数があって、
その振動数で揺らすとその物体は強く反応して激しく揺れます。

これを「共振」と呼ぶそうです。

つまり、洗濯機のガタガタは、
洗濯機がもともと持っている固有振動数に
洗濯槽の回転周期が一致したときに鳴るということ。

山崎さんは、この話から、人間の頭や心にも固有振動数があり、
客の固有振動数を見つけると、共感が生まれ、
その商品やサービスがヒットすると説明しています。

じゃあ、どうしたら固有振動数を見つけられるの?
というところまで、本書は踏み込んで語られていませんが、
喩えとして興味深いですね。

この本から何を活かすか?

  「話を短くまとめるのは二種類ある。
  それらは『あらすじ』と『メッセージ』である。」

本書の第5章で、山崎さんは、
面白い話とはどういうものなのかを考察しています。

人は、「あらすじ」よりも「メッセージ」に興味をひかれます。
しかし、「メッセージ」だけでも届かない。

つまりストーリーの中に、メッセージを織り込むのが、
効果的に伝える方法。

で、いったい何が言いたいの?と思われないためには、
やはりメッセージが必要です。

これは、岡田斗司夫さんが、
あなたを天才にするスマートノート」で書かいていた、
面白い仮説や意見がない限り、ブログは書いてはいけない
という主張に通じるところがありますね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| ビジネス一般・ストーリー | 06:57 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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トム・バッソの禅トレード

トム・バッソの禅トレード (ウィザードブックシリーズ)
トム・バッソの禅トレード (ウィザードブックシリーズ)

(2011/01/21)
トム・バッソ 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:22

  「フラストレーションなしの資産運用に向けての
  第一歩を歩み出したいと思っているすべての投資家に
  本書をささげたい」

著者のトム・バッソさんは、「新マーケットの魔術師」や
魔術師たちの心理学」にも登場する著名トレーダー。

「トレーダーの鑑」とか「ミスター冷静沈着」とも称されています。

コイントスで買いか売りを決めるランダムな投資であっても、
手仕舞いのタイミングとポジションサイジングだけで
利益を上げれることを証明したエピソードでも有名。

本書は、バッソさんが「投資の心構え」について語った本です。

かなり平易に書かれていますから、投資心理学の本の中では
非常に読みやすい本となっています。

タイトルに「トレード」とついているので、
“投資”ではなく“投機”について書かれていると思われがちですが、
原題「Panic-Proof Investing」の通り、
平静を保ってイライラすることなく投資するための
メンタル面の話が中心です。

バッソさんが考える、「投資で成功する条件」は3つ。

  1つ目は、投資を始めるときとやめるときに関して
  戦略を持っていること。

  2つ目は、うまくいくだろうと思っていた投資がうまくいかないときに
  自分の資産を守るリスク管理や資金管理の対策を講じていること。

  3つ目は、自分のことをよく理解し、自分の置かれている状態、
  使えるリソース、そして自分の性格に合った投資戦略を
  組み立てていること。

この中で、バッソさんは3つ目が、投資で成功するために、
最も重要な鍵になると説明しています。

インデックスファンドを買って資産運用する場合も
短期でトレーディングを行う場合であっても、
結局は投資する人の心の持ちようがパフォーマンスに
大きな影響を与えます。

ですから、本書には投資でもトレードでも、
マーケットに参加するすべての人に必要な心の鍛錬方法が
書かれていると言えます。

ちなみに本書は、2000年に日本短波放送から刊行された
成功者への道―ウォール街実践投資マニュアル」の復刻版。

翻訳者も出版社も異なるので、再翻訳版と言うべきでしょうか。

この本から何を活かすか?

  「わたしは12歳のときから投資をしているが、
  すべては新聞配達をして稼いだお金で投資信託を買うことから始まった。
  それから30年たつが、わたしはまだ自分の技能を磨いている。
  完璧な投資家には絶対になれないことを知っているからだ。
  ただ、投資の腕を磨くプロセスを楽しむことはできる。」

私は、最近、投資に限らずどの分野においても
自分の腕を磨くという意識が欠如していました。

「腕を磨くプロセスを楽しむ」ことを再開したいと思います。

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| 投資 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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リーダーは話を1分以内にまとめなさい

リーダーは話を1分以内にまとめなさい
リーダーは話を1分以内にまとめなさい

(2011/02/24)
沖本 るり子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

  「“話が長くて、何が言いたいのかわからない。
  いいかげんもう話をやめて”(中略)
  リーダーの話を聞きながら、心の中でこのようにつぶやいている部下は、
  実は以外に多いのではないかと思ったのです。
  かつての私がそうであったように・・・」

こう語るのは、著者の沖本るり子さん。

長すぎる話は、相手に伝わらない。

だから聞く側が集中できる「1分以内」で、
相手に伝わる話し方にまとめるのが本書のコンセプト。

35のシーン別に、沖本さんがイケてない上司だった時代の
体験談を交えながら、信頼されるリーダーとしての
話し方が紹介されています。  

  ・ネガティブな人の「ネガティブな考え方」に感動する
  ・「ごまかし」のないコミュニケーションをつくる
  ・残業を頼む前に、「本当に必要な残業か」を吟味する
  ・慶弔関係の対応に、リーダーの人間性が出る
  ・「長い話の上司」に巻き込まれない必勝法

どう話せば相手に聞いてもらえるのか、
その伝え方、話し方が解説されています。

ただし、本書から本当に伝わってくるのは、
単なる話方ではなく、リーダーとしての在り方です。

見方を変えると、話し方という切り口でまとめられた
「リーダーシップ論」です。

本書で紹介されるケースの1つ1つは、
リーダーとしては当然知っていることかもしれません。

しかし、頭では分かっていても、実際にできている人は少ないもの。

現在リーダーの人も、これからリーダーになる人にとっても
本書は理想的な上司のベンチマークとして使えます。

更に、話し方を学ぶつもりで読んでも、
気づいたらリーダーとしての自覚が鮮明になり、
モチベーションがアップするという
副産物も得られのが本書の凄いところ。

上司から部下へ、十分に配慮しながらも簡潔に伝える。

このコンセプト通り、本書自体も沖本さんから読者へ、
言いたいことが伝わる良書となっています。

この本から何を活かすか?

本書は、会社や組織のリーダーの話し方について
解説されていますが、その根底にあるのは、
人としてのコミュニケーション方法です。

ですから、ちょっとアレンジするだけで、
上司と部下というシチュエーション以外でも
本書のノウハウは、応用が利きそうです。

他の場面での応用を想定しながら、
本書の「1 MUNITE POINT」を
もう一度、読み返してみたいと思います。

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| コミュニケーション | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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あなたを天才にするスマートノート

あなたを天才にするスマートノート
あなたを天才にするスマートノート

(2011/02/25)
岡田 斗司夫 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:30

  「ブログは表現の場であって、基本、面白いことしか
  書いちゃいけないんですよ。
  SN比の問題になりますが、面白いことを週1回書いても、
  週に6日面白くないことを書いちゃったら、
  そこは面白くない場所と思われてしまいます。
  だから、ブログはできるだけ面白いこと『だけ』を
  書くようにした方がいい。」

ほぼ、週6日更新している私としては
ちょっと衝撃的な岡田斗司夫さんのこの発言。

でも、確かにそうですね。

私も読み続けているブログは、更新頻度が高いことより、
情報の質が高く、面白い視点を持っているものだけですから。

さて、本書はアイディアを量産するためのノートを使った発想術。

岡田さんが提唱する「スマートノート」は、
スケジュール管理や効率化を重視しません。

それは、天才を作るものではなく、秀才を作るものだから。

「スマートノート」を実践すると、
発想力・表現力・論理力が養われ天才になれる・・・

スマートノートは、以下の7段階からなっています。
各フェーズをクリアすると次のフェーズに進みます。

  1. 5行日記(行動記録)・・・基礎
  2. 今日はどんな日?(行動採点)・・・基礎
  3. 毎日いち見開き(理論訓練)・・・論理力・表現力
  4. 見せてお話(表現訓練)・・・表現力
  5. 臨海突破(脳内リンク開始)・・・発想力
  6. 知識→教養→見識(統合)・・・統合的人格
  7. 世に出る(私によれば世界は)・・・自覚と覚悟

岡田さんのベストセラーとなったダイエット本、
いつまでもデブと思うなよ」と同様に、
最初はハードルを低くして始め、
各フェーズを経ることでモチベーションを維持し、
徐々に目標とするレベルに引き上げるよう設計されています。

それでは、スマートノートの目標とは何か?

同じものを見ていても、他の人とは違う視点を持ち、
オリジナリティある面白い意見が出せるようになること。

それは、「意見や仮説」を大量に生み出すことです。

本書は、今までのノート術の本とは一線を画します。

読んでいるだけでも、アイディアが発酵し、
思考が加速する様子が目に浮かびなすから、
すぐにでも試してみたくなります。

この本から何を活かすか?

スマートノートでは、見開きで、右側のページから使います。

なぜ、右側からなのか?

それは空いているスペースを敢えて作るため。

右ページには、行動記録と行動採点が書き込み、
左ページに何も書かないと、居心地が悪い感じがします。

人間の心理として空いているページを埋めたくなる。

そこに感じたこと、考えたことなどを書くようにするそうです。

私も、読書メモをもう少し自由な発想が出るように
スマートノート形式に変更してみます。

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| ノウハウ本 | 07:02 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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小学生からのロジカルシンキング

小学生からのロジカルシンキング
小学生からのロジカルシンキング

(2011/03/03)
苅野 進 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:24

ビジネスの現場では、未知の問題を解決するために
「ロジカルシンキング」が必要だと、最近よく言われるようになりました。

ところで、私たちはロジカルシンキングを、
いつ習ったのでしょうか?

学生時代に、論理的思考力を鍛える中心となる教科は、
もちろん算数・数学です。

しかし、算数や数学は積み上げ科目なので、
前に学習した知識が身についていないと先に進めない一面があり、
論理力を鍛える前に、数学嫌いになってしまうことがあります。

三平方の定理を知らないと、ロジカルシンキングは学べないのか?

そんなことはありません。

純粋に、仮説を構築する力、分類・分解する力など
ロジカルシンキングを支える力は、
方程式を習っていない、小学生だって習得することができます。

むしろ、大人になってから勉強するよりも、
早い段階でロジカルシンキングを身につけたほうが、
人生のさまざまな場面で論理的に判断が下せるようになります。

以前、経営コンサルティング会社に勤め、
ロジカルシンキング講座の講師をしていた、本書の著者・苅野進さんは、
「ロジカルシンキングの習得は大人になってからでは遅いのではないか」
と感じたそうです。

そこで苅野さんが2004年に立ち上げたのが、
小学生向けにロジカルシンキングを指導する日本初の塾、
学習塾ロジム」です。

本書は、学習塾ロジムで小学生が受講している「ロジカルシンキング」
の授業で取り上げられた問題を集めたものです。

ビジネスパーソン向けのロジカルシンキング本を読んでも、
いまひとつ論理的思考力が身につく実感のない方は、
本書からはじめると良いと思います。

もちろん、タイトル通り本書は小学生から学べますから、
親子で一緒にロジカルシンキングを学ぶことも可能です。

私も、子供と一緒に「論理パズル101」などをやっていましたが、
もう少し実用的で様々なバリエーションに対応する、
その次のステップの教材がないと思っていました。

本書は、そんな要望にピッタリです。

ただし、解説は大人向けになっていますし、
漢字にはルビが振られていませんから、
本書は小学生だけで解き進める体裁にはなっていません。

この本から何を活かすか?

それでは、本書から小学校4・5年生向けの問題を1問。
論理の穴を見つける問題です。

  ホウレンソウはなぜ甘い?

  (1)野菜は、気温が0℃以下になっても凍ってしまわないように、
   自分で努力します。凍ってしまうと細胞がこわれて
   死んでしまうからです。

  (2)砂糖水は0℃以下になっても凍りません。それと同じように、
   野菜は凍らないために自分で糖分を増やします。

  (3)糖分を増やした野菜は、砂糖をまぶしたのではないかと
   思うほどの甘みがあります。
  
  ですから、

  (4)甘いホウレンソウは、寒い冬を乗り越えた強い野菜なのです。

  上の文章で、(1)~(3)の記述から(4)の結論を引き出すことは、
  必ずしも正しいとは言えません。その理由を考えてください。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:21 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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節約せずに年間200万円貯める方法

夫婦同時失業から復活したFPが教える、節約せずに年間200万円貯める方法
夫婦同時失業から復活したFPが教える、節約せずに年間200万円貯める方法

(2011/02/26)
花輪 陽子 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:9

せこせこと節約するよりは、固定費を大胆にカットして、
ラクして支出を減らしましょうという、
いかにもファイナンシャルプランナーの方らしい節約指南本。

著者の花輪陽子さんは、外資系の投資銀行に勤めていたそうですが、
2008年に起こったリーマンショックの煽りを受け、夫婦同時に失業。

それをきっかけに年間の支出を200万円カットし、
その後の節約と自己投資&金融投資により、
無収入から夫婦で年収600万円までの復活を果たしたそうです。

現在は、独立系FPとして本の執筆、
講演やセミナーを行うなどして、ご活躍のようです。

支出のカットについては、保険料・自動車代・住宅費・教育費の
4大固定費を抑えましょうというFPの方らしい提案がなされています。

その中で本書の特徴は、夫婦で協力して資産形成を目指すことと、
「こずかい」という自己投資を大切にしている点です。

実際に花輪さんは、失業時代にあっても自己投資を惜しまず、
努力を続けた結果、FP資格を獲得して独立し、
更には「夫婦で年収600万円をめざす!」で、
作家デビューを果たしましたから、自信を持って、
「こずかい=自己投資」をケチらないように勧めています。

ですから、夫婦で資産形成を考える向上心の強い方は
本書に共感し、参考にできる部分が多くあると思います。

ただし、これは本書に限ったことではありませんが、
収入を増やす方法への具体的なアドバイスが手薄です。

資産運用については、インデックス型の投資信託とETF投資、
副収入を得るにはネットでの副業など、
一般的なことをサラッと書いている程度です。

○○費を削って、これだけ固定費を削減しましたと書くように、
○○に投資して、これだけ資産が増えましたという実績も
併せて載せる方が、もっと説得力を持つと思います。

支出の削減については「~すべき」と強いトーンですが、
収入を得る面については「~するのもよいでしょう」とトーンが弱いのは、
投資助言についてのガイドラインというより、
資産を増やした実績が、ないからのような印象を受けます。

この本から何を活かすか?

花輪さんは、本多静六さんの「1/4貯金法」を
両親に教わったとして、本書で紹介しています。

私が感銘を受けた本多静六さんについて書かれているのは、
非常にうれしいことですが、
「1/4貯金法」という上っ面しか触れられていません。

小手先ではなく、真の資産形成を行いたい方は、
本多さんの「私の財産告白」をぜひお読みください。

人生においてのOSがインストールできますから、
どんな状況に陥っても、資産形成が可能になると思います。

特に、夫婦で資産形成を目指す場合も
本多さんの考えが共通の指針となるはずです。

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| マネー一般 | 07:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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メッシュ

メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる
メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる

(2011/02/17)
リサ・ ガンスキー 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:19

共有(シェア)する方が、イイものがある。

本書が提案するのは、新しいシェアのかたち。

  「基本的に、メッシュはネットワーク対応のシェアリングを
  基盤に置く-モノやサービスを所有するためではなく、
  モノやサービスにアクセスする手段を提供する
  ビジネスを指す。」

こう説明するのは、著者のリサ・ガンスキーさん。

デール・ドハーティさん、ティム・オライリーさんと共に、
写真共有サイト「Ofoto」を立ち上げた
シリコンバレーの名物起業家です。
(Ofotoは、後にイーストマン・コダックが買収)

なぜ、ガンスキーさんは、シェアリングサービスを
あえて「メッシュ」と呼ぶのか?

それは、メッシュ=網というイメージが
このビジネスにぴったりだから。

  「網の結び目からさまざまな方向に糸が伸びて行くように、
  ネットワークがほかのネットワークと結びついて
  どんどん広がっていく、というのがメッシュ・ビジネスの
  イメージである。」

メッシュ・ビジネスの特徴は4つ。

  1. シェアする
  2. ウェブとモバイル情報ネットワークを駆使する
  3. 有形のモノや具体的なサービスを扱う
  4. 顧客との接点がソーシャルネットワーク上である

そして、メッシュ・ビジネスにとって最もおいしい市場は、
「高価で使用頻度の少ない」モノやサービスの提供すること。

確かに、時代は所有から共有へと流れています。

本書は「メッシュ」という新しいキーワードこそ
登場しますが、結局、シェアリングサービスのこと。

私のようにレイチェル・ボッツマンさんらの
シェア」を読んでいる人にとっては、
あまり目新しさを感じないかもしれません。

また、本書のイントロダクションで紹介される事例は、
クリスマスツリーの「レンタル」の話です。

目の付け所によって、購入し消費するのが習慣となっている
モノでさえ、シェア型のビジネスへ転換できるという意味で
紹介されています。

しかし、「この本ってレンタルの話なの?」と思わせる面があり、
ガンスキーさんが本当に伝えたいことと、
少しズレている印象を与えています。

この本から何を活かすか?

子供に見る「シェア」。

私の小学生の娘は「ちゃお」という月刊のマンガ雑誌を購入しています。

娘には、2人の仲の良い友達がいるのですが、
1人には「なかよし」、もう一人には「りぼん」という
自分とは別のマンガを買うようにすすめました。

3人で貸し借りをすれば、毎月3冊の新しいマンガが読めるよと。

シェアに巻き込まれた友達の方はどう思っているわかりませんが、
娘は自分の考えたこのシステムに非常に満足しているようです。

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| IT・ネット | 06:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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大前研一 洞察力の原点

大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉
大前研一 洞察力の原点 プロフェッショナルに贈る言葉

(2011/02/24)
大前研一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:21

  「本書は、洞察のヒントになるであろう言葉を
  私の主要な著作から選び出した、
  プロフェッショナルへのメッセージ集である。」

大前さんの経営するビジネス・ブレイクスルーの
スタッフがはじめたツイッター(@ohmaebot)が反響を呼び、
それがきっかけでまとめられた、大前さんの名言集。

大前さんの過去の著作、あるいは雑誌等での発言から
選りすぐった言葉を体系的に整理し、まとめています。

1ページに1フレーズが掲載され、
収録された名言は200以上。

私は熱狂的な信者ではありませんが、
その慧眼に注目し、大前さんの多くの著書を読んでいます。

すると、本書のたった数行のフレーズを読んだだけで、
当時、大前さんがどういう文脈で語っていたかが、
パッと記憶がよみがえりました。

よく、むかし聞いていた音楽を耳にすると、
当時の情景が鮮やかに蘇ることがありますが、
大前さんの言葉は、同じように当時の記憶を呼び起こします。

それだけ、大前さんの発言が本質を突き、
私にとっては鮮烈だったというとです。

中には、こんな懐かしい言葉もありました。

  「日本全体のこととか、世界経済だとか、東京全体の問題とかは、
  一生懸命考えてきたけれど、下町の風景のなかで
  おじいちゃん、おばあちゃんと世間話ができない。
  日本改造から自分はスタートしたが、
  まずは自分の改造が先だということに気がついたのだった。」

これは、1995年に私財を投じ東京都知事選挙に立候補したものの、
惨敗した後に書かれた「大前研一 敗戦記」からの言葉。

この本には、いつもの自信に満ち溢れた姿とは違う、
大前さんがいます。

大前さんのプライドが踏みにじられ、
心情を吐露する面も見られる異色作です。

ある意味、今の大前さんの原動力ともなっている名著。

興味のある方は、当時の本は入手し難いかもしれませんので、
図書館で探してみてください。(図書館検索:カーリル

大前さんのことをあまり好きでない方も、
ちょっと見方が変わるかもしれません。

この本から何を活かすか?

@ohmaebotによると、「大前研一ライブ」より
福島原発関連の動画がYouTubeにアップされているようです。

期間限定のようですから、見ていない方はお早めに。

 ・大前研一のBBT757ch

今回の危機について、かつて原子力のエンジニアだった
大前さんがどのような考えを持っているか、
あるいは、どんな解決策を提示しているかは、
非常に興味があるところです。

1時間以上の映像もありますが、私も時間を作って見てみます。

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| 仕事論 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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