活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ザ・ベロシティ

ザ・ベロシティ
ザ・ベロシティ
(2010/11/12)
ディー・ジェイコブ、スーザン・バーグランド、ジェフ・コックス 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:30

いまや古典的名作となった「ザ・ゴール」は、
著者のエリヤフ・ゴールドラット博士が、
当時の日本の製造業を脅威と感じていたため、
15年以上も日本での翻訳が認められませんでした。

その日本の製造業とは、トヨタ生産方式のこと。

トヨタ生産方式はMITで研究され、ムダを排除して
品質を上げるリーン生産方式として体系化されました。

またリーンは、バラつきをなくす生産管理手法、
シックスシグマ(6σ)と組み合わせて、
GE社がリーン・シックスシグマ(LSS)として採用しました。

一般的にはゴールドラット博士の提唱する制約理論(TOC)と
LSSは相容れない概念というイメージが持たれています。

果たして、LSSとTOCは融合することができるのか?

それをストーリー仕立てで解説するのが本書です。

本書の理論部分を担当する著者は、
ゴールドラット博士がTOCを普及させるために創設した機関、
AGIゴールドラット・インスティテュートの責任者
デリー・ジェイコブさんとスーザン・バーグランドさん。

ストーリー部分はライターのジェフ・コックスさんが担当し、
500ページを超える大作に仕上がっています。

主人公は夫を亡くし、10歳の娘と13歳の息子を育てながら、
ハイT・コンポジット社の営業マーケティング部長を務める、
エイミー・キーオララ。

彼女は、会社が買収され収益が悪化する中で、
親会社の会長から、突如、暫定社長に任命されます。

改革のために派遣されたLSS派のオペレーション・マネージャーと
叩き上げでTOC派の製造マネージャーの対立。

キーオララは、子どもたちと行う家事の中で、
TOC理論の本質に気づき、
会社でもTOCとLSSの融合を試みるというストーリー。

TOCとLSSを並列させるのではなく、
TOCをベースにLSSを従属させるのがポイントです。

サプライチェーンの話しなので、
興味がない方も多いかもしれませんが、
ストーリーは良く練られていて、読み応え十分。

個人的には、ゴールドラット博士がトヨタ生産方式を
受け入れたということで、どこか感慨深いところがありました。

この本から何を活かすか?

本書は、ゴールドラット博士の作品ではありませんが、
テイストはよく似ています。

翻訳者が三本木亮さんということも、その理由のひとつ。

しかし、一番の理由は、他にあります。

それは、ライターのジェフ・コックスさんが、
本書のストーリー部分を書いているから。

コックスさんは、「ザ・ゴール」の共著者。

しかし、なぜか邦訳版では、
表紙に名前が出ていない不遇の人でした。

本書では、ちゃんと表紙に名前が出ていますから、
あとはこの本さえ売れれば、コックスさんの日本での認知度も、
少し改善されるかもしれません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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