活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2010年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2010年12月

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これからの思考の教科書

これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~
これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~
(2010/09/28)
酒井 穣 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:30

  「インテグレーティブ・シンキングのエッセンスは、
  対立する2つのアイディアを同時に検討する力であり、
  2つのアイディアのうちの一方をすんなりと選んだりせず、
  2つのアイディアが持つポイントを同時に受け入れるような、
  より優れた第3のアイディアを生み出すというものです。」

本書は、酒井譲さんの教科書シリーズ第3弾ですが、
既刊の「はじめての課長の教科書」や
あたらしい戦略の教科書」とは趣が違います。

それは、どんな人にとっても常につきまとう「思考」を
テーマにしたものだからかもしれません。

本書には、3つの柱があります。

1つ目の柱は、ロジカル・シンキング(垂直思考)。
2つ目の柱は、ラテラル・シンキング(水平思考)。

そして3つ目の柱が、冒頭で酒井さんの説明を引用した
インテグレーティブ・シンキング(統合思考)です。

酒井さんは、本書に目新しいことがあるとすれば、
それはインテグレーティブ・シンキングの提示であると
述べています。

しかし、なかなかどうして、類書が多く出版される
ロジカル・シンキングやラテラル・シンキングについても
かなり斬新な解説になっています。

思考法と言いながら、単にフレームワークを
提示しているだけの本とはまったく異なります。

ロジカルだけで終わらない。
ラテラルだけでも終わらない。

だからこそ、本書が「これからの」思考の教科書と
謳う所以なのでしょう。

  「相反する二つの考えを同時に受け入れながら、
  なおかつそれぞれの機能を発揮させる能力があるかどうか」

とは、スコット・フィッツジェラルドさんが指摘した
第1級の知性の持ち主の特徴だそうです。

トレードオフを超えたところにあるのが、
インテグレーティブ・シンキングということです。

今までも、酒井さんは質の高い本を執筆されてきましたが、
本書は更にもう一つ突き抜けたという印象ですね。

この本から何を活かすか?

ラテラル・シンキングの思考ツール「マンダラート」。

私も加藤昌治さんの「考具」を読んでから、
たびたび使っています。

酒井さんが本書でイチオシするのが、
iphoneのアプリ「iMandalArt」です。

各セルに写真や音声も配置することができるので、
通常のマンダラートより、発想を刺激されるそうです。

ちょっと、購入を検討。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 09:49 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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お金儲けのトリセツ

徹底網羅! お金儲けのトリセツ
徹底網羅! お金儲けのトリセツ
(2010/10/23)
水野 俊哉 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  「本書は、最強の金融資産であるあなた自身への自己投資から
  スタートし、株、外貨、不動産投資や起業など、
  あなたにあった方法で“お金儲け(リターンの増大)”をするための
  羅針盤となることを目指している。」

本書は、水野俊哉さんのトリセツシリーズ第3弾。

また、トリセツシリーズではありませんが、
お金持ちになるマネー本厳選50冊」の実践編ともいうべき
内容になっています。

もちろん、本書を読んで簡単にお金儲けができるほど、
世の中は甘くありませんが、水野さんの教えに従っていれば、
少なくとも大きく道を踏み外すことはないでしょう。

実際に安定的にお金を増やすためには、株式投資をするとか、
不動産投資をするといった、運用先の選定は2の次です。

いかなる投資をしようとも、お金持ちになるための「体質」を
身につけないと、バブルに乗って一時的に儲けることはあっても、
その成功が続くことはありえません。

  【常識】世の中にローリスク・ハイリターンの儲け話は存在しない
  【常識】今日使ったお金を記録しないさい
  【常識】月にいくらあったら生きていけるか計算しろ!

本書の第1章、「お金持ちになる投資の常識、非常識」で
説明されている内容が、何よりも重要なことだと思います。

まずは、リスクとリターンの関係を理解し、
お金の流れを記録する。

この当たり前のことができてはじめて、
自分に合った投資方法を選ぶ段階に移ります。

あと一つ、水野さんの説明に付け加えるなら、
お金を儲けるには、それなりのリスクをとる必要があるので、
リスクに向き合いながらも、それをコントロールする術を
身につける必要があるということでしょうか。

また、本書の面白いところは、一般の投資本と異なり、
お金儲けの手段として、「独立・起業」や「ネットビジネス」について
書かれている点です。

確かに、投資やトレードだけがお金儲けの手段ではありませんから、
「徹底網羅」を謳うためには、欠かせない分野なのでしょう。

私の読んだ印象では、むしろこの分野の方が、
水野さんの豊富な経験が反映され、
リアルな知恵が紹介されている感じがしました。

この本から何を活かすか?

世の中には、本当にローリスク・ハイリターンの商品はないのか?

金融商品では、水野さんが書いている通り存在しません。

しかし、金融商品以外に目を移すと、
例えば、「本」の中には、
ローリスク・ハイリターンのものが存在します。

かくいう本書も、たった1200円の投資で
それ以上のリターンが得られる可能性があります。

実際にどれくらいのリターンが得られるかは、
あなた自身が、本書に何倍のレバレッジをかけるかで決まります。

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| マネー一般 | 06:23 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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RELAX HACKS!

RELAX HACKS!
RELAX HACKS!
(2010/09/09)
小山 龍介、小室 淑恵 他 商品詳細を見る

満足度★★
付箋数:17

  「新しいものを生み出さなければならない時代には、
  リラックスは創造性を引き出すために不可欠です。
  リラックスする時間を持つために、仕事と生活を調和させる。
  ワーク・ライフバランスは、仕事の創造性を高めるための
  方法でもあるのです。」

ということで、小山龍介さんの「ハック!」シリーズも
今回は、小室淑恵さんとの共著です。

「モーニングハック」、「アフタヌーンハック(環境編、仕事編)」、
「ナイトハック」、「休日ハック」と時間帯別に、
5章立てで、89個のハックを紹介しています。

  ・朝、コップ1杯の水で目を覚まそう
  ・twitterで起床報告をしよう
  ・色で気分を入れ替えよう
  ・ランチのあとは散歩をしよう
  ・バスソルトを入れて疲れを取ろう
  ・プロボノをやろう

それぞれのハックについては、小山さんと小室さんが
自分の例を紹介しながら交互に説明する形式です。

著書からはあまり生活感を出さない小山さんと、
家族や家事の話しも例に出す小室さん。

そして、男性と女性の共著ということもあり、
独身・既婚、性別を問わず参考にできる内容がカバーされています。

ただ私としては、小山さんと小室さんのコラボということで、
期待感が高かっただけに、読んでみると普通にお2人のライフスタイルを
紹介しているだけという感じがしました。

読んでいて、私はリラックスを求めていないのか?
と一瞬考えてしまったのは、
商品紹介系ハックが多かったからかもしれません。

リラックスするために奇抜なことをやっても
仕方ありませんし、前のめりで読む本でもありませんから、
ゆったり読むには、無難なところでしょうか。

あと、小室さんは個人のリラックスを
仕事のチームワークの信頼関係につなげる内容の
「あとがき」で本書を締めていますが、
各ハックが、チームに活かすことにつながるイメージが
持てなかったのも、ちょっと残念なところでした。

この本から何を活かすか?

本書の中で、私が試してみようと思うのは次の2つ。

  ・無理な注文には「なるほど」と言ってみよう

どんな無理難題がやってきても、まず「なるほど~」という
第一声から始めると、その裏には何か理由があるんだろうと、
前向きな思考からスタートすることができるそうです。

  ・朝はシャトルシェフで野菜スープを味わおう

シャトルシェフ」とは、小室さんご愛用の
サーモス社の真空保温調理器です。

私はちょうど、妻への誕生プレゼント考えていたので、
これイイかもしれませんね。

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| ノウハウ本 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ポールソン回顧録

ポールソン回顧録
ポールソン回顧録
(2010/10/21)
ヘンリー ポールソン 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:24

  この狂騒のさなか、午前三時半前後に
  ブッシュ大統領からわたしに電話が入った。
  
  「リーマンはなぜベアーと異なる道すじをたどったのか、
  説明がつくのか」
  
  「はい、大統領。リーマンは救済のしようがありませんでした。
  諸金融機関の支援を受けてもなお、買い手を見つけられなかったのです。
  とにかくこの困難を乗り越える努力をするしかありません」

ジョージ・W・ブッシュ元大統領の問いに答えるのは、
第74代アメリカ財務長官を務めたヘンリー・ポールソンさん。

本書は、金融危機前後の記録を綴ったポールソンさんの回顧録。

その渦中にあって、どのような会話がなされ、
どのような決断が下されたのかが、日記形式で書かれています。

2008年9月4日から12月17日までの記録が中心で、
600ページ近い大作。

前半のリーマンブラザーズの破産が決定的となるまでで
約300ページを要し、後半は金融システムのメルトダウンを
回避するために奔走する様子が描かれています。

  「このストーリーの真髄は、ベン・バーナンキ、
  ティモシー・ガイトナーとわたしが、
  大恐慌以来最悪の金融危機のさなかに、
  チームとしていかに職務にい臨んだかだと思う。」

確かに、FRB議長のバーナンキさん、ニューヨーク連銀総裁の
ガイトナーさんとの連携は素晴らしく、
米国版金融三銃士と呼ばれただけのことはあります。

しかし、なぜ、リーマンを潰し、AIGを救済したのかという
読者が知りたい一番の疑問に対しては、
いまひとつ腑に落ちる答えは示されていません。

AIGの問題は流動性だけで、リーマンは流動性だけでなく
資本にも問題があったという、ありきたりの答えだけでは
あの恐怖の決断を下した理由として、納得できない人も多いはずです。

ポールソンさんの立場からすると、身を削って危機に対応しながら、
多くの批判を浴びたことには、黙っていられない気持ちもわかります。

実際に、三銃士の連携により最悪の事態から、
いち早く米国経済を立て直した一面もありますから。

本書は、ポールソンさんの自己弁護的な内容を含みつつも、
歴史的金融危機の貴重な証言となる一冊です。

この本から何を活かすか?

  「わたしは記憶力に恵まれているため、
  メモを取る必要にはまず迫られない。電子メールは使わない。
  会議に資料を携えて臨むことも稀である。
  ブリーフィング・メモを作成してくれてもほとんど見ないため、
  財務省スタッフを苛立たせたものだ。」

ポールソンさんが、自らこう語るからには、
本当に驚異的な記憶力の持ち主なのでしょう。

本書は、1年以上前の出来事を
1日1日思い出して書いた日記のようなもの。

財務長官当時のスケジュール表などから
記憶をたどっているのでしょうが、本当に凄いことですね。

私も記憶力の衰えを阻止することを、何か考えなくては・・・

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| マネー一般 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(2010/09/28)
橘玲 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:36

  「この本は、自己啓発のイデオロギーへの違和感から生まれた。」

「やればできる」という自己啓発系の教えに対し、
「やってもできない(ことも多々ある)」という事実を突きつけ、
進化と幸福をめぐる風変わりな旅にいざなう本書。

コアなファンの多い、橘玲さんの新作です。

ひとつひとつの話しは相変わらず面白い、けど・・・
というのが正直な感想です。

橘さんの違和感から生まれた本を読んで、
逆に違和感を持つ人も多いかもしれません。

マネーロンダリング」を期待して読んだら
亜玖夢博士」だったという感じでしょうか。

それは、「はじめに」で提示された結論に、
うまく話しが収束していっていないからかもしれません。

広げた風呂敷がうまく畳まれないというのはよくある話ですが、
シニカルな視点を好む橘さんのファンが、
それを無批判に許容できるとも思えません。

ちなみに、本書の結論とは次の2つ。

  ・伽藍を捨ててバザールへ向かえ
  ・恐竜の尻尾のなかに頭を探せ

この謎めいた2つの結論について、ここで詳しく解説してしまうと、
本書を読む楽しみがなくなってしまうのであえて書きませんが、
伽藍とバザールについては「The Cathedral and the Bazaar」が
元ネタのようですね。

最終的に橘さんは、私たちは「評判社会」の中で
生きていくしかないとし、「貧乏はお金持ち」で解説していた
フリーエージェントとマイクロ法人の話しにつなげていきます。

フリー経済が生んだ、「お金」よりも「評価」が価値を持つ時代。

それはまるで、価値あるサイトからの被リンクによって
重要度を決めるグーグルのアルゴリズム「PageRank」のようです。

こう考えると、橘さんは「評判をめぐるゲームに序列はない」と
言っていますが、評価に序列をつけることこそがフリー経済での
富の源泉となるような気がします。

この本から何を活かすか?

本書の中で、橘さんがタイムシェア方式の
リゾート・コンドミニアムの説明会に参加した話しがありました。

チャルディーニさんの「影響力の武器」の見本のような
マーケティング手法と、橘さんは評しています。

私の周りにも、この販売手法にのって
タイムシェアの権利を買った友人がいます。

割高な買い物をした友人に対して、その投資判断は
経済合理的でないと告げても意味がありません。

人は誰でも、自分の行った投資判断が
肯定されるような情報にしか耳を貸しませんから。

次のタイムシェア物件の購入を検討しているこの友人に対し、
せいぜい私ができることは、「影響力の武器」か本書を
何も言わず、プレゼントすることでしょうか。

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| 成功哲学 | 06:30 | comments:0 | trackbacks:3 | TOP↑

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「つながり」を突き止めろ

「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)
「つながり」を突き止めろ 入門!ネットワーク・サイエンス (光文社新書)

(2010/10/15)
安田 雪 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:24

  「彼氏の元カノの元カレ・・・をたどっていったら、
  その連鎖はどこまで広がっていくのだろうか。」

これはAC公共広告機構の、エイズ検査を推奨する広告に
インスパイアされ、本書の著者である安田雪さんが
行ったネットワーク分析。

この分析は、ある女性をスタートとして、
彼氏へ、元カノへ、その元カレへと3ステップで遡り、
ネットワークにつながっている人数を数えあげます。

果たして、3ステップで何人につながっているのか?

非常に興味ある分析ですが、言うは易し行うは難し。

当の安田さん自身も次のように語っています。

  「私だってこんな調査以来が来たら回答しない。
  淑女として断固拒否する。冗談ではない。」

そこで、安田さんらが行ったのは、
過去のデータをもとにしたシミュレーション。

その結果、5人と付き合えば連鎖は数千人規模へ・・・

  「さて、この見えない連鎖をどう評価するか。
  自分の胸に手をあてて、かつての交際相手たちを思い浮かべて、
  その広がりに大海原を感じるか、“色即是空”と思うかは
  あなた次第である。
  個人の小さな選択は、全体に大きな影響を及ぼす。」

ネットワークは、ありとあらゆる事象の背後に潜んでいます。

本書は、人間のネットワークに限定して書かれていますが、
ネットワークの持つ「強さ、怖さ、魅力」を余すところなく
伝えています。

  「企業でも産業でも国家でも、データさえあれば、
  それこそ疾病、自殺、天下り、
  何だってネットワークとして分析してみせる。」

世の中には、突き止められたくない「つながり」も
たくさんあるので、安田さんのこの気迫には、
ちょっと、たじろいでしまう人もいるかもしれません。

学術的な内容でありながらも、
安田さんのネットワークに対する情念を感じさせる、
不思議な魅力を持つ一冊です。

この本から何を活かすか?

人のつながりを調べる検索エンジンとして「SPYSEE」があります。

せっかくなので、安田さんの相関図を見てみました。

つながっている89%が、学者・研究者で占められています。

安田さんと直接つながっているのは、
松尾豊さん、大向一輝さん、栗田宣義さんなど、
私にとっては、名前も知らない方々ばかり。

しかし、「六次の隔たり」で世界中の人々と間接的に
つながってしまうくらいですから、
相関図の先を、あと数ステップ進むことで、
安田さんから私まで、つながっているのでしょう。

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| 科学・生活 | 06:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アウトプット・リーディング

アウトプット・リーディング
アウトプット・リーディング
(2010/10/21)
小林 亮介 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

ツイッターを中心としたアウトプット読書術。

著者の小林亮介さんは、読んだ本のアウトプット方法として、
ノートやブログにチャレンジし、挫折した経験があるそうです。

そして行き着いたのが、ツイッターでのアウトプット。

最大の魅力は、その手軽さと意見交換の活発さ。

確かに、明らかにツイッターより
ブログの方が手間がかかります。

始めるときのハードルの低さと、
続けやすさは、ツイッターの方が優れていますね。

本は毎日読んでいても、アウトプットする時間までは
確保できないという人には、最適な方法かもしれません。

昨日紹介した池上彰さんの本では、
「フロー情報とストック情報を使い分けること」の
重要性が述べられていました。

池上さんの定義とは若干異なりますが、
私のイメージでは、ツイッターがまさにフロー情報で、
ブログがストック情報でした。

ツイッターは今を基点に流れ、どんどん人とつながっていく。
一方、ブログは日々の積み重ねで、情報をストックしていく。

それでは、読書のアウトプットとしてツイッターを利用した場合、
その情報はストックとはならないのか?

ストックとなるかどうかは、その情報か後から使えるかどうか。
そして、その情報の引き出しやすさが鍵となります。

私は、あまりツイッターを使い込んでいないので、
勝手にストックとならないと思っていましたが、
どうやら私の思い違いのようでした。

本書で紹介されている利用方法や検索方法で、
ツイッターへの読書記録でも、
ストックとして十分に活用すことができるようです。

小林さんが、読書のアウトプットとして勧めるのは、
ツイッターが中心ですが、もちろんブログへのアウトプットを
否定しているわけではありません。

応用例としてツイッターとブログの連携方法についても
本書で詳しく解説しています。

ツイッターを使いこなしていない私にとっては、
今後の課題がいろいろと見えてきました。

その他、本書では、アウトプット・リーディングのための
モバイル機器の利用法や、本を読む習慣を
仕組み化する方法なども紹介されています。

この本から何を活かすか?

  「こんなにあった!ツイートの検索方法」

  1. 公式サイトでツイート
  2. 「Google」でツイート検索
    「検索語 半角スペース site:twitter.com」
  3. ツイッター用のオンラインサービスやでツイート検索
    「HootSuite」、「me you
  4. ツイッター用のソフトウェアでツイート検索
  5. ツイッター用の検索サイトでツイート検索
    「twitter検索」、「Twitter検索」、「Twitter Search」

本書に紹介されていたツイッターの検索方法は、
私はどれも使ったことはありません。

これから、ひとつひとつ試してみたいと思います。

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| 読書法・速読術 | 13:15 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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<わかりやすさ>の勉強法

<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)
<わかりやすさ>の勉強法 (講談社現代新書)
(2010/06/17)
池上 彰 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

そもそも、なぜ、池上彰さんの説明はわかりやすいのか?

それは、単にNHK「週刊こどもニュース」の
経験があるからという訳ではありません。

池上さんは、話す場合でも、文を書く場合でも、
「何がキモなのか」を必ず考えるようにしています。

話しのキモを見つけるために必要なことが、
常に根本的な疑問を持つこと。

そのためには、自分に質問してみることです。

「そもそも、なぜ、~なのか?」と。

本書は、「わかりやすさを考える」三部作として書かれた最終巻。

相手に「伝わる」話し方』と『わかりやすく〈伝える〉技術』に続く、
「具体的な勉強編」にあたります。

わかりやすく伝えるために、池上さんには2つの柱があります。

ひとつめは、自分は何が分からないのかを知ること。

「知るを知るとなし、知らざるを知らずとなす、これ知るなり」

もう一つの柱は、フロー情報とストック情報を使い分けること。

フロー情報とは、テレビや新聞などで日々流れるニュースや情報。
それに対し、ストック情報とは、

本や辞典などの形で保存されているものを指します。

フロー情報で自分が分からない部分を見つけ、
意識してストック情報で勉強する。

わかりやすい説明をするためには、
これを普段から繰り返す習慣として、身につける必要があるようです。

本書では、新聞の読み方、ネットの使い方、本の読み方、
クリアファイルでの情報整理術、ノートの取り方、
見本の見つけ方、話の聞き方、時間の使い方など、
池上さん流の勉強方法が説明されています。

もちろん、本書の文章も、そうだったのかと、
思わず膝を打つような、わかりやすい内容になっています。

この本から何を活かすか?

池上さんがお父さん役で出演し、1994年から始まった
NHK「週刊こどもニュース」が、2010年12月19日の放送をもって
終了することとなりました。

今年4月から日曜朝の放送に移り、視聴率が振るわなかったことと、
当初想定した子供でなく、高齢の視聴者が大半を占めるようになった
ことが終了の理由のようです。

個人的には、子供の視聴者と高齢者の視聴者の「割合」を比べても
あまり意味がないと思います。

あくまでも、子供に役に立っているかどうかは、
視聴している子供の実数で見るべきです。

この番組の良さは、わかりやすさもさることながら、
子供を含めた家族で一緒に視聴できるということ。

そして、実際に小学生や中学生の子供たちが出演し、
タイトルに「こども」とついていることで、
子供の視聴者も抵抗なく入っていけた点です。

確かに、今年4月の改編から出演している、
光浦靖子さんのお母さん役はイマイチという感じがしました。

しかし、子供と一緒に見られる質の高さは維持されていたので、
この番組の終了は、非常に残念なことです。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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イノベーションの知恵

イノベーションの知恵
イノベーションの知恵
(2010/10/21)
野中 郁次郎、勝見 明 他 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:38

  「本書でこれから始まるのは、著者らがたどった
  日本におけるイノベーションを訪ね歩く旅を
  再び読者と歩む“知の旅路”です。」

ついに出ました。

野中郁次郎さんと勝見明さんのコンビによる
イノベーションの本質」、「イノベーションの作法」に続く
シリーズ第3弾。

  「イノベーション(変革)によって大きな成果を導き出すことの
  できるリーダーは、どのようにものごとを見て、
  どんなふうに考え、いかに行動しているのでしょうか。」

この問いに答えるべく、本書では変革するリーダーに
焦点を合わせ、実際に野中さんと勝見さんが全国を回って集めた、
9つの奇跡的な成功例を収めました。

  ケース1 動物園の奇跡 旭川市立旭山動物園
  ケース2 学校の奇跡 京都市立堀川高等学校
  ケース3 エキナカの奇跡 JR東日本・エキュート
  ケース4 トヨタの奇跡 トヨタ自動車・iQ
  ケース5 霞ヶ浦の奇跡 アサザプロジェクト
  ケース6 障害者福祉の奇跡 社会福祉法人・むそう
  ケース7 オフィス空間の奇跡 再春館製薬所
  ケース8 過疎の町の奇跡 いろどり
  ケース9 都市の奇跡 銀座ミツバチプロジェクト

タイトルだけ見ると、既に有名になっていて、
いまさらと感じさせるケースもあります。

特に旭山動物園の事例は、北海道在住の私にとっては、
ちょっと食傷気味。

本書が、単に成功のストーリーを伝えるだけなら、
平凡な一冊で終わっていたかもしれませんが、
やはり、さすが野中さんと勝見さん。

期待を決して裏切りません。

本書のケースは、物語編と解釈編に分かれています。

まず、ジャーナリストである勝見さんが物語編を担当し、
成功の背景にある暗黙知を伝えます。

そして、研究者である野中さんが解釈編で、
真の改革を実現するリーダーが持つべき作法を抽出します。

まさに、2人のプロフェッショナルによる
最強のコラボレーション。

このコラボにより、私にとっては何度となく話を聞いた
旭山動物園のケースでさえ、新たな発見がありました。

この本から何を活かすか?

イノベーションはいつ生まれるのか?

本書に紹介されるどの事例を見ても、
最初からスムーズに成功しているケースはありません。

必ず、大きな壁にぶち当たります。

それは二律背反、一方をとると他方を犠牲にせざるを得ないような
一見、トレードオフに見える大きな障害です。

しかし、そういった場面でこそ、イノベーションは生まれます。

本書は、イノベーションを見える化しています。

コンフリクトが起きている場面で、
対立事項を統合する第3の道を見つけ出すヒントが
本書には記されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| リーダーシップ | 13:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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決闘 ネット「光の道」革命

決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書)
決闘 ネット「光の道」革命 (文春新書)
(2010/10/19)
孫 正義、佐々木 俊尚 他 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:28

  孫    約束どおり、遅れてまいりました。

  佐々木 狙ってらしたんですか、宮本武蔵を(笑)

  孫    いやいや(笑)、どうもはじめまして。
       早速ですが、話しを始めましょうか。

  佐々木 始めましょう。

こんな挨拶から始まった、5時間にも及ぶ対談。

本書は、Ustreamで中継された孫正義さんと佐々木俊尚さんの
とにかく面白い対談本。

テーマは、「光の道」構想は是か非か。

光の道とは、民主党の原口総務大臣(当時)が提唱した、
ブロードバンドを2015年までに全世帯に普及させるという構想。

孫さんは、この構想を全面的に支持し、
しかも国費を1円も使わずに、日本中のメタル回線を
100%光に変えることができると、
総務省のタスクフォースの会でプレゼンしました。

これに対し、ブログ上で反論したのが佐々木さんでした。

その後、ツイッター上で孫さんが呼びかけ、
佐々木さんが答える形で決まったのがこの対談です。

対談までの経緯を記した「まえがきにかえて」は、
Amazonで全18ページが公開(2010年11月現在)されているので、
ぜひ購入の前に、そちらをご覧ください。

ちなみに、文芸春秋のサイトでは、8ページのみの公開です。

さて、巌流島の決闘に喩えられた今回の対談ですが、
時間無制限ということもあって、とにかく孫さんが熱く語ります。

そのパワーは圧倒的。

佐々木さんの主張は、現在の状況において、
「光の道」を政府が力を入れてやるべきことかという点と、
インフラよりプラットフォームを優先すべきという点です。

プラットフォームが先と主張する佐々木さんに対し、
インフラもプラットフォームも同時にやるという孫さん。

つまり、お2人とも最終的なゴールは同じでも、
そこに至る過程での、優先順位の違いが対談の争点。

実際、孫さんが用意した資料は量も多く質も高いので、
佐々木さんは、あまり反論する余地はなかったような印象です。

個人的には、100%光が必要かどうかについては、
TVのハイビジョン放送が必要かどうか程度にしか
考えていませんでしたが、この対談を読んで
孫さんのビジョンの強さがビシビシと伝わってきました。

  「アップルのスティーブ・ジョブズなんて、恐ろしいぐらいの、
  もういやになるぐらい強烈な思い込みの男ですよ。」

これは、プラットフォームを作るときには、
強烈なリーダーが必要と説いた孫さんの言葉。

私は本書を読んで、孫さんがジョブズさんに
勝るとも劣らない強烈な思い込みの男だと実感しました。

この本から何を活かすか?

私はUstreamの中継を、ほとんど見ることはありません。

TVの放送も100%録画だけを見る状況において、
どうもリアルタイム視聴には乗れません。

というより、面白そうな放送があっても、
いつもかなり後になって知るので、
ライブには間に合わないのが本当のところ。

結局、YouTubeなどにアップされた映像を探すことになります。

この対談もYouTube映像を探して鑑賞します。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| IT・ネット | 06:39 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件

ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件
ドラッカーが教える 営業プロフェッショナルの条件
(2010/10/21)
長田 周三 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「何とも衝撃的なことは、マネジメントについて
  書かれているはずなのに、何に当てはめても気づきを得られることです。
  マネージャーとしての仕事はもとより、部下の指導にも
  自分自身の研鑽にも、子育てにも、そして人生においても、です。」

P・F・ドラッカーさんは、経営者に向けて本を書いている
イメージが持たれているかもしれませんが、
実際にはもっと多くの人に参考となる言葉を残しています。

それは、どんな役職や職種、またはビジネス以外のシーンでも、
「マネジメント」の要素が必要だからだと思います。

本書の著者、長田周三さんは「営業」を専門とするコンサルタント。

長田さんは、ドラッカーさんの著作の中から、
「営業」のヒントとなる名言を選び出し、
自らの経験を元に、本書で解説を加えました。

正直に言って、昨今の「ドラッカー本ブーム」に
便乗した本と言えなくもありません。

しかし、本書を読んだ後、ドラッカーさんの本よりも、
私は長田さんの他の著書を読んでみたくなりました。

これは、単なる便乗本ではない、営業本としての中身がある証し。

ドラッカーさんの言葉があってもなくても、
本書では営業のプロフェッショナルを目指すために
必要な要素とその身につけ方が、分かりやすく解説されています。

ブームが上り坂の時はいいですが、
下り坂にさしかかると、「ドラッカー本だから」ということで、
逆に手に取らない人が増えてくるリスクが、本書にはあります。

それもひとつの、トレード・オフ。

  イントロダクション 本書を理解するための2大原則
  序章 営業パーソンへのドラッカーからのメッセージ
  第1章 貢献と成果の章
  第2章 時間管理の章
  第3章 計画・行動の章
  第4章 能力の章
  第5章 成長の章
  第6章 コミュニケーションの章

本書はドラッカーさんの入門本ではなく、
純粋に営業指南本として読むべき本だと思います。

そして、本書を元に営業経験を積み、ドラッカーさんの本を読む。

それを何度も繰り返すうちに、ドラッカーさんの言葉が
自分のものとなり、より一層理解が深まると思います。

この本から何を活かすか?

長田さんのプロフィールの中に
「ドラッカー学会会員」という肩書がありました。

この学会は、ドラッカーさんの思想全般や経営理論に関して、
学界、ジャーナリズムおよび産業界等の連絡と協力に基づいて、
学術的、実務的交流を推進し、その深化、継続、啓蒙、発展を
はかることを目的とする学術団体のようです。

2010年11月現在の代表は上田惇生さん。

ドラッカー学会のwebサイトにある「入会資格」には
次のように書かれています。

  「難しい資格や条件はありません。
  これからピーター・F・ドラッカーの勉強を始めたい人も大歓迎です。」

つまり、入会金さえ払えば誰でも入会できるということ。
ちょっと肩書を付けたいときにはイイかもしれません。

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| マーケティング・営業 | 06:11 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ザ・クオンツ

ザ・クオンツ  世界経済を破壊した天才たち
ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち
(2010/08/28)
スコット・パタースン 商品詳細を見る

満足度★★★★★
付箋数:36

クオンツたちを主人公にした、ノンフィクション。

まさに、ウォールストリート版「ラス・ヴェガスをブッつぶせ!」。

クオンツとは、金融機関やファンドにおいて、
株や債券その他の金融商品を数理的に研究・分析して、
デリバティブや数理モデルを開発するスペシャリスト。

かつて、ウォールストリートでは彼らを
ロケットサイエンティストと呼んでいました。

彼らは市場の歪みを突き、ランダムの陰に隠れている
確実性やゆらぎを見つけ出し、信じられないような利益を上げます。

本書は天才的なクオンツたちの栄枯盛衰の物語。

主人公はピーター・ミュラーさん、ケン・グリフィンさん、
クリス・アスネスさん、ボアズ・ワインシュタインさんの4人。

それに、クオンツの実質的創始者エド・ソープさんが脇を固めます。

天才たちは、何を間違えて金融危機の引き金を引いてしまったのか?

グッド・ウィル・ハンティング、ビューティフル・マインド
などもそうですが、天才を題材にした物語には魅力があります。

才能への気づき、覚醒し、莫大な利益を上げ絶頂を向かえる。
そして突然訪れる危機、追い詰められる天才たち。

それはジョン・メリウェザーさんが率いた
LTCMの崩壊のデジャヴを見ているようでもあります。

凡人からすると、そんな才能があったらいいなと憧れもあり、
その天才的頭脳に反し、些細なミスを犯し苦悩する姿が、
私たちを魅了するのかもしれません。

本書の中では、「ブラック・スワン」の著者であり
反クオンツ派のナシーム・タレブさんとの対決も見もの。

サブプライム関連の本はいくつもありますが、
本書はその中でも、「クオンツ」の視点から描いた、
傑作のドキュメンタリーです。

  「グリフィン、ミュラー、アスネス、ワインシュタイン、
  彼らは皆、再び舞台に戻る日に向かって燃えていた。」

  「見ていてほしい。世界中で取引を行うために作られた
  高レバレッジのビークル、リターンを追及し続けるヘッジファンド、
  電光石火のシステム取引ロボット、流動性を求めてダークプールに
  うごめくニンジャ・アルゴリズム・・・・を。

  再びクオンツの時代がやってきたのだ。」

この本から何を活かすか?

クオンツは、ものとも数学的理論を用いた
ギャンブルの必勝法をベースに誕生しました。

本書でも、ポーカーの場面が何度も登場します。

その元になっているのが、本書にも描かれている
エド・ソープさんの「ディーラーをやっつけろ!」。

カードカウンティングができるかどうかは別として、
確率論の本として興味があるので、読んでみたいと思います。

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| マネー一般 | 09:53 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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外国語の壁は理系思考で壊す

外国語の壁は理系思考で壊す (集英社新書)
外国語の壁は理系思考で壊す (集英社新書)

(2010/10/15)
杉本 大一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:13

英語の先生がたに相談しても、同意を得られなかった勉強法。

著者の杉本大一郎さんは宇宙物理学者。

本書では、杉本さん自身が長年「道具」として使ってきた
外国語について、その習得法が解説されています。

  「ここでは発想を根本から変えて、現実を見ながら、
  英語の先生の固定観念にはとらわれないで、
  科学的に考え直してみよう。しかも楽しく。」

話の中心は「英語」ですが、タイトルが「外国語」となっている通り、
本書の方法論は、英語学習に限ったものではありません。

と同時に、杉本さんが持つ各言語についての広い知識が
本書のベースになっている部分もあるので、
誰もが杉本さんと同じ方法で効果があるとも言えません。

ロシア語の知識はあるけど、英語が苦手という人は
日本には多くないないはずですから。

本書で示される、外国語習得のコツは以下の3つ。

  ・発音は気にしない(それぞれのお国なまりの発音で、
   結構通じている)。

  ・翻訳しないでそのまま理解する(語順が異なる言語を
   翻訳していると、ついていけない)。

  ・語彙を増やす(その際、日本語と外国語では単語が直接の
   対応はしないので、外国語の概念構成で身につける)。

杉本さんは、「語彙」を重視していて、
外国語の造語法を知れば、語彙は芋ずる式に増えると
考えているようです。

具体的には、誤読すると辻褄が合わなくなる
やさしい英語の文章をたくさん読むことがすすめられています。

コンピュータやソフトのマニュアル、数学や定量的科学の本、
経済学の本、確定申告の書き方、料理本などなど。

確かにこれらの本は、一定の専門用語さえ押さえてしまえば、
文法的にはそれほど難しくないですね。

更に、凝った表現も出てきませんから、
文学作品を読むより、英語に馴染むには良いかもしれません。

リスニングでも、映画やドラマより、
ニュース英語を教材にするほうが簡単と感じるのも
同じ理由からなのでしょう。

この本から何を活かすか?

私は、「外国株投資」が英語学習の助けになると思います。

投資する前も、投資した後も、企業のアニュアルレポートなどに
目を通すのは必須ですし、ニュースなどにも目を通さなければ、
適切な投資判断はできません。

これらは、杉本さんの言う、
「誤読すると辻褄が合わなくなるやさしい英語」
に該当します。

実際に投資していて、万一誤読すると、
自分のお金を失うリスクがありますから、
真剣に読まざるを得ない状況に、自分を追い込むことができます。

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| 勉強法 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ヒトはどうして死ぬのか

ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書)
ヒトはどうして死ぬのか―死の遺伝子の謎 (幻冬舎新書)
(2010/07)
田沼 靖一 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:27

私の身体の中では、日々、ガン細胞ができています。

しかし、幸いなことに病気としてのガンは発症していません。

ガン細胞が生まれるのは、私に限ったことではなく、
誰の身体にも起こっている生体現象。

なぜ、ガン細胞が生まれているのに、ガンが発症しないのか?

それは、「アポトーシス」のおかげ。

アポトーシスとは、細胞の死に方のひとつです。

打撲や火傷など、外部からの力によって細胞が死ぬ
ネクローシス(壊死)とは区別される細胞死。

アポトーシスは、プログラムされた「細胞の自殺」です。

健康な人の身体は、ガン細胞が生まれても、
免疫細胞によってアポトーシスが起こされ、
通常はガン細胞が消去されるので、簡単には発病しないようです。

また、アポトーシスは、その他にも生物をかたちづくるうえで、
重要な役割を果たしています。

例えば、オタマジャクシからカエルへの変態。
イモムシがサナギになり、チョウへの羽化。

これらは、アポトーシスによって不要な細胞を削り、
必要な器官だけを残して、形を変えているそうです。

もっと身近な例では、私たちの「手の指」も
アポトーシスによってかたちづくられたもの。

最初は、ドラえもんのような指のない細胞の塊から始まり、
指の間の細胞が、徐々にアポトーシスによって死滅することで、
私たちの指は、彫刻のようにできあがるそうです。

私の中では、指はニョキニョキと生えるように、
成長するイメージでしたが、本当は違うんですね。

本書はアポトーシスを中心に、細胞死のプログラムの謎を追い、
それを応用した治療薬開発の最前線を解説します。

著者は、爆笑問題との対談でも知られる田沼靖一さん。

とにかく、分かりやくて面白い一冊。

専門的になり過ぎず、170ページの薄さで、
誰でも気軽に読めるの点も、ポイントが高いところ。

この本から何を活かすか?

アポトーシスとは、「多めにつくって消去する」戦略。

生物が、環境の変化やリスクに対処して、生き延びるための術。

この方法論を、ビジネスで応用できないか?

かつて、本田直之さんは金融の世界で使われていた、
「レバレッジ」をビジネス書に持ち込み、有名になりました。

同じように、生物用語のアポトーシスを用いた
シリーズはどうでしょう。

例えば、「アポトーシス仕事術」、「アポトーシス時間術」、
「アポトーシス勉強法」、「アポトーシス人脈術」、
「アポトーシス読書法」、「アポトーシス経営術」などなど。

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| 科学・生活 | 12:08 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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起業のファイナンス

起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと
(2010/09/30)
磯崎 哲也 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:32

起業する予定のない方にも、オススメできる本。

単なる起業のための手続きや会計やを
解説する本ではありません。

私も、本書のタイトルだけ見て、二の足を踏みそうでしたが、
読んで正解でした。

  「ベンチャー企業はなぜ株式を使うのでしょうか?

  借入で調達しても株式で調達しても、お金はお金です。
  ですから、たとえば1千万円必要なら、別に株式ではなくて、
  銀行から借り入れてもいいのではないでしょうか?

  ダメです。

  イノベーティブなことをやる場合に、銀行からの借入を
  あてにしてはいけません。」

さすが、人気ブログ&メルマガの「isologue」を
執筆する磯崎哲也さんだけのことはあります。

語り口も軽快ですね。

本書には、カブドットコム証券、ミクシィ、はてな等、
多くのベンチャーに関わってきた磯崎さんの
お金では買えない経験が反映されています。

例えば、ベンチャーにとって大きなテーマの資金調達。

本書では、起業する側と投資する側の
両方の考え方や心理を具体的に解説しています。

これにより、どんな方法で、どんな決意で、そしてどんなタイミングで
資金調達を行うべきかが、立体的にイメージできます。

まさに、「知識・わかりやすさ・マインド」の三拍子が揃った内容。

本書を執筆した磯崎さんには、
日本にもベンチャーの「生態系」を
作り上げたいという想いがあります。

それは、成功するベンチャーを見て、
人もお金も流れてきて、次のベンチャーが
続々と登場する好循環。

この「生態系」がうまく機能すると、
ベンチャーという限られた市場だけでなく、
国全体に活力を与える可能性があります。

私も、この「生態系」の有無が、現在の日米の
経済格差につながっているように感じますから、
本書が多くの人に読まれるによって、
磯崎さんの理想に少しでも近づくことを願います。

この本から何を活かすか?

本書からの小ネタをひとつ。

実は「ベンチャー企業」とか「ベンチャービジネス」
といった用語は和製英語。

アメリカでは、日本で言うベンチャー企業のことを
「Start-Up」と呼ぶようです。

ちなみに、ベンチャーキャピタルは、真っ当な英語です。

私の感覚では、Start-Upという表現だと、
始めたばかりの起業というイメージがあるので、
何年目までをそう呼ぶのかが、ちょっと気になるところ。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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終末期患者からの3つのメッセージ

終末期患者からの3つのメッセージ
終末期患者からの3つのメッセージ
(2010/11/11)
大津秀一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:23

私は、「世界一わかりやすい4コマビジネス書ガイド」の記事で、
大津秀一さんの「死ぬときに後悔すること25」を読みたいと書きました。

すると、ちょうど良いタイミングで、ユナイテッドブックスさんより
大津さんの新作を献本いただきました。ありがとうございます。

大津さんは、主に末期のがん患者さんとその家族の
心身の苦痛を取り除くことを仕事とする緩和医療医。

今まで1000人以上の終末期の患者さんのケアに当たりました。

その経験の中で、特に印象に残った患者さんが3名いるそうです。

3名の方たちは、生活環境も性別も違い、
ただ1点を除いて共通点は特にありません。

それでは、その3名の方の共通点とは、いったい何か?

医療現場で働く大津さんだからこそ、
そのすごさを心底実感しているようです。

それは、死をまったく恐れないこと。

3名の患者さんだけが、
死に際して生への執着を示さなかったそうです。

本書には、その3名の方の最期の人生が記録されています。

言葉ではなく、生と死へ正面から向きあった、
最期の人生の過ごし方そのものが、
強いメッセージとして伝わってきます。

すべてを受け入れる姿は、清々しささえ感じさせますね。

自分の人生の最期も、あるがまま、
平静保った心の在り方でいたいとも思いますが、
現実的にそうできないのが、人間らしさなのかもしれません。

本書は、その3名の患者さんのメッセージと、
30本ほどの生と死を題材にしたエッセイで構成されています。

  「人は必ず死ぬ。これは現状、避けることができない
  人の定めである。“絶対”がほとんどない世の中において、
  100%の力を持っているのが死である。」

だからこそ、大津さんは本書の中で、
「自分の死を考えること」をすすめます。

死を敗北として捉えず、しっかりと向き合うことで思考が広がる。

ですから本書は、単に死をテーマにした泣ける本ではなく、
これからの人生を、どう生きれば後悔しないのか、
しっかりと考えさせられる一冊となっています。

この本から何を活かすか?

  「60歳を迎えた親と別居している場合に、
  一緒にすごせる時間はあと55日なのだ。
  予想よりもかなり少ないのではないか。」

私は、自分の親とは別居。
親の年齢も60歳どころか、既に70代半ば。

とすると、親と共に過ごせる時間は20日前後でしょうか。

次の里帰りのときは、もう少しゆっくりと
語り合う時間を持ちたいと思います。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 08:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「システム思考」教本

もっと使いこなす!「システム思考」教本
もっと使いこなす!「システム思考」教本
(2010/09/23)
枝廣 淳子 小田 理一郎 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:27

2007年に刊行された、「システム思考」の入門編である
なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」の続編。

といっても、私は前著を読んでいないので、
この本で初めて「システム思考」を知りました。

システム思考とは、見えている部分だけでなく、
要素のつながりをたどって全体の構造を見ることで、
真の解決策を見つけるための考え方。

そのために、最も重要なことが視点を変えること。

自分の固定された視点から抜け出し、
全体像を把握することで、問題の原因を探ります。

驚くべきことに、本書ではプライベートな個人の問題から始まり、
組織の問題、事業戦略の問題、そして社会の問題まで、
30以上のシステム思考の事例が紹介されています。

これは、その問題がどういう範囲で起きているかに係わらず、
解決の根本は一緒ということです。

本書では、扱う範囲が広いので、
個々の問題の具体的な解決方法までは踏み込まず、
あくまでも思考法を取り入れるということで、
解決のヒントを提示するに留めています。

ですから、たまたま採り上げられてたケースが、
自分の抱える悩みと一致した場合は、
もっと詳しく聞きたいと思うかも知れません。

また、システム思考では、視点を変えるためにツールを使います。

氷山モデル、時系列変化パターングラフ、ループ図、
ストック/フロー図、システム原型、推論のはしご、左側の台詞、
関係性マップ、ダイアログ、U理論、学習する組織

本書で紹介されているのは以上の11ツール。

端的に言って、これらのツールは
問題の因果関係を読み解くために図解するものです。

シンプルで分かりやすい図なので、
これだけをプレゼン資料などで活用することもできそうです。

本書でちょっと残念なのは、表紙のデザイン。

意味不明な表紙のおかげで、何か違う分野の本だと思い
手にしない方も多いのではないでしょうか。

この本から何を活かすか?

本書の事例から1つ紹介。

1980年代、タイのバンコクでは増え続ける「野良犬」の
一掃を図るため、大量に捕獲しては避妊手術を施す政策を実施しました。

この避妊大作戦により、繁殖率は死亡率より低く抑えられましたが、
野良犬の数は一向に減りませんでした。

一体、それはどうしてか?

実は、野良犬の増加は、繁殖率以外にも原因がありました。

それは、バンコクの周辺地域からの流入。

そもそも、野良犬が増えた原因は、
バンコクでは食堂の食べ残しを野良犬に振る舞う習慣があったから。

それゆえバンコクは、野良犬にとっては絶好の生息地となり、
避妊手術によっていくら自然増加数を抑えても、
それ以上に他の地区からの流入があったようです。

本書では、システム思考で潜在的な構造にメスを入れる事例として、
テロ組織の撲滅の事例と共に解説されています。

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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドラッカーの講義

ドラッカーの講義(1991-2003)~マネジメント・経済・未来について話そう~
ドラッカーの講義(1991-2003)~マネジメント・経済・未来について話そう~
(2010/09/30)
P.F.ドラッカー 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:26

故ピーター・ドラッカーさんの講義録。

もしドラ」を読んで、ドラッカーさんの著書を
読もうと思っても、敷居が高く感じて手が出なかった方に
ちょうどいいかもしれません。

硬い文語体でなはく、話し言葉で書かれていますから、
非常になじみやすく、いつものドラッカーさんとは
違った一面も垣間見ることができます。

講義の中で、家族の話しを例に出すことも多く、
ドラッカーさんの人間味も表れています。

しかし、やさしい語り口と言っても、
その中で本質をズバリと突いてくるので、
ドラッカーさんの慧眼には、やはり感心させられますね。

表紙の写真から、大学での「講義」を中心に収めているイメージですが、
ドラッカーさんが教鞭をとったクレアモント大学院での講義は、
収録された17本中、6本に留まります。

残りは各地での「講演」の内容を収めていますから、
本書に関しては、「ドラッカーの講義」と言うより
「ドラッカーの講演」と言った方が実態に近いかもしれません。

編集者のリック・ワイツマンさんはクレアモント大学院大学
ドラッカー・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター。

ワイツマンさんは、ドラッカーさんが残した講演や講義の内容のうち、
できるだけ書物として出版されていないものを選び、
かつ、それぞれの講義内容は重複しないように編集し
本書をまとめあげました。

1940年代から1990年までの講義と、
1991年から2003年までの講義の2分冊で刊行される予定で、
本書はその後半の本に当たります。

ちなみに、2010年11月10日現在、まだ前半の本は
刊行されていない模様で、刊行予定も記されていません。

この本から何を活かすか?

  「私は帰国すると、みんなに日本は次の世代の経済大国に
  なるだろうと説いて回りました。1950年代のことですから、
  誰もが私の頭はどうかしていると思ったものです。」

かつて、ドラッカーさんは日本の中に何を見たのか?

統計数値から読み取ったものではありません。

ドラッカーさんは、日本人の中にある精神を見ました。
それは、「目に物見せてやる」というコミットメント。

1994年の東京でのシンポジウムでドラッカーさんは、
「今ではそのコミットメントが見当たりません」と
発言しています。

それから15年以上経過して、ますます日本全体から
「目に物見せてやる」というコミットメントは
失われている感じがします。

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| ビジネス一般・ストーリー | 10:00 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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大いなる不安定

大いなる不安定
大いなる不安定
(2010/10/01)
ヌリエル・ルービニ  スティーブン・ミーム 商品詳細を見る
 
満足度★★★★
付箋数:29

  「危機は例外ではなく、常態である」

こう語るのは、先の金融危機をいち早く予測し、
警鐘を鳴らしたことでも知られるヌリエル・ルービニさん。

以前紹介した『「下げ相場」はこうして儲けなさい 』の
ピーター・シフさんが投資家のMr.Doom(悲観博士)なら、
ルービニさんは経済学者のMr.Doomと呼ばれる方。

本書は、歴史学者のスティーブン・ミームさんとの共著です。

原題の「Crisis Economics」の通り、
「危機経済学」をテーマにした本です。

危機経済学とは、市場の失敗がなぜ起こるのか?
どのように起こるのか? そのメカニズムを研究する失敗学。

今までもあったし、今後も必ず訪れる経済危機。

そのために、歴史を振り返りながら
今回の金融危機の根源を探り、今後再来する危機のために、
政治や金融システムの改革を論じます。

  「現代経済学の見方では、危機は変わった出来事なのだと
  思えるし、他の論者の主張ではめったにない
  “黒い白鳥(ブラック・スワン)”だとされている。
  だが、実際には普通に起こる出来事であり、
  比較的簡単に予想できる“白い白鳥(ホワイト・スワン)”
  と呼ぶべきだ。」

つまり、金融危機はハリケーンのように、
同じパターンを繰り返すもの。

ルービニさんの見解が他の識者と大きく違うのは、
危機をめったに起こらない現象として捉えるのではなく、
当たり前に繰り返すものと考えている点です。

その前提に立つことで、見えている世界も違うのでしょう。

今回の金融危機の影響を考える上でも、
また、今後の危機に備える上でも示唆に富む一冊です。

ちなみに、本書の中で日本については、
完全に過去の国として扱われていました。

  「日本はきわめて危険な立場に立つことになろう。
  財政赤字の急増と経済の硬直化で想像を絶する事態、
  つまり、政府債務危機やインフレ率の急騰、
  そして、かつては世界経済を支配すると思われていた国の
  決定的な衰退を招きかねないからだ。」

この本から何を活かすか?

2010年6月、1人の女性スパイのニュースが話題になりました。

ロシアの諜報員で、名前はアンナ・チャップマン(28)さん。

かなりの美人スパイということもあり、
SNSのフェースブックに自身の写真を掲載して、
諜報活動を行っていたことも注目を集めました。

そのフェースブック上に、チャップマンさんのお友達として
登録されているのが、ルービニさん。

The financial Timesのブログに掲載された記事はこちら。

  ・From Roubini, to Russia, with love

ルービニさんも、危機が常態であると言っても、
これはちょっとヤバかったのでは。

また、チャップマンさんのYouTube映像はこちら。


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| 経済・行動経済学 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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BCG流 競争戦略

BCG流 競争戦略 加速経営のための条件
BCG流 競争戦略 加速経営のための条件
(2010/10/07)
デビッド・ローズ ダニエル・ステルター 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

2010年11月7日現在、アメリカNYダウ株価は11,444ドル台と、
リーマンショックが起きる直前の水準を回復しています。

実態はともかく、指標の数字だけを追うと、
日本を除く世界経済は、緩やかながら回復基調にあるように思えます。

しかし、BCG(ボストンコンサルティンググループ)の
シニア・パートナーのテッド・ローズさんと
ダニエル・ステルターさんのお二人は、それは盲信であり、
世界経済は長引く低成長時代に入ったと確信しているようです。

低成長の時代に、企業はいかに行動すべきか?

その答えは歴史の中にあります。

  「景気後退は、勝者と敗者を分ける」

ローズさんとステルターさんは、過去の経済危機でも
同業他社を上回る業績を残した企業を選び出し、
そこに共通する戦略を分析し、本書にまとめあげました。

ちなみに、分析のために選ばれた過去の経済危機とは、
米国の1930年代の大恐慌、
同じく米国70年代~80年代のスタグフレーション期、
そして日本の90年代~2000年代の「失われた10年」です。

これらの不況期に、競争優位を構築した企業として
取り上げられるのは、GE、IBM、デュポン、P&G、マクドナルド、
信越化学、日東電工、アサヒビールなどの日米の企業。

こういった企業は、まず守りの基盤を固めたうえで、
逆境の中でイノベーションを起こし、攻めに転じているようです。

不況時にしっかりと足固めをして、
景気が上向いたときには、一気に攻めるのが加速経営。

本書が、他の企業戦略本と異なるのは、
過去の危機時の経済分析を詳細に行い、
そのパートにかなりの紙面を割いているところです。

読んでいても、「あれ、これって経済分析本だっけ?」
と錯覚してしまうほどです。

この点は、経済分析本+経営戦略本として、
2つの味を楽しめるという意味では良いですが、
競争戦略を知りたい人にとっては、
少し冗長に感じるかもしれません。

この本から何を活かすか?

本書で分析に用いられた3つの不況期。

米国の大恐慌とスタグフレーション期の以降には、
はっきりとした好景気の時期がありました。

しかし、日本の「失われた10年」の後はどうか?

一時期、景気拡大が「いざなぎ景気を超えた」という
大本営発表もありましたが、多くの人が実感をともなった
ものではありませんでした。

現在の米国の景気回復も、この日本のパターンと同じで
実態として雇用は回復せず、消費が回復しない。

また、住宅を買いたい人はローンが組めず、
売りたい人は売れないので、住宅価格が上がらない。

こんな悪循環が、まだまだ続く可能性がありますから、
もう少し用心していく必要はありそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経営・戦略 | 06:32 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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残念な人の仕事の習慣

残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS)
残念な人の仕事の習慣 (アスコムBOOKS)
(2010/09/20)
山崎将志 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:33

  「1年前と違う仕事をしていますか?

  (中略)1年前と同じ仕事をしている人は、残念な人だ。
  もしそういう人がいれば、“そんな仕事をしていて楽しいですか?”
  と聞いてみたい」

この1年前と違うかどうかとは、
仕事の内容を聞いているのではありません。

たとえ、同じ内容の仕事をしていても、
その仕事への関わり方が進化し、
新たな付加価値を生むようになっていれば良いということです。

私は、冒頭の問いを少し変えてみました。

  「1年前と違う読書をしていますか?
  1年前と同じ読書をしている人は、残念な人だ」

このように自問してみると、
私は、確かにこの1年で300冊以上の本を読み、
知識としての蓄積はあったかもしれませんが、
読書の関わりとしては、あまり進歩していないと実感しました。

それはさておき、本書は大ヒットした山崎将志さんの
残念な人の思考法」続編です。

本書では、山崎さんの周りに起こった
「残念な人」のエピソードを集め、
仮説検証型の仕事をするためのヒントが示されています。

なぜ、餃子の王将が半額サービスをするのか?

それは、単に集客のためではありません。

実は、半額サービスの裏には、
セントラルキッチンを廃止したことと同じ理由が
隠されているようです。

この他にも、様々な仕掛けの裏にある本当の狙いや、
「あるある」と思える事例が数多く示されています。

  ・「朝食無料サービス」で利益が増えたゴルフ場
  ・ビジネスホテルに「大浴場」がある本当のワケ
  ・ダメ上司ほど「帰り際」の部下を呼びとめる
  ・残念な人には「たとえば」がない
  ・もしも書店から会計レジがなくなったら・・・

本書は、全体的に具体的なHowToは
それ程ハッキリ書かれいません。

しかし、その分、一歩踏み込んで自分では何ができるかを
十分に考えさせられ、良い刺激を与えてくれる本となっています。

また、これこそ残念なことですが、2010年11月現在、
本書のアマゾンでのレビューは、★1つが7割以上を占め
かなり劣悪な評価となっています。

それでも、私は本書を支持します。
本書は、前作「残念な人の思考法」以上に面白いと思います。

この本から何を活かすか?

  「仕事のスピードを劇的に上げるには、
  同じ量を半分の時間で仕上げる、あるいは同じ時間で倍の量を
  こなそうとしてみればよいのである」

  「(仕事が早く終わらない人は)早く終わらせる
  インセンティブがないのである」

これらは、いずれも「仕事」についての山崎さんの言及です。

私はこの考えが「お金」についても当てはまると思います。

生活費を今の半分にする。収入を今の2倍にする。
こう考えることで、新たな境地が開けます。

そして、それを実現するには、「お金を作ってしたいこと」
の強力なインセンティブが欠かせません。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 07:03 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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数学で読み解くあなたの一日

数学で読み解くあなたの一日
数学で読み解くあなたの一日
(2010/09/22)
ジェイソン・I・ブラウンJason I. Brown 商品詳細を見る
 
満足度★★★
付箋数:17

  「ビートルズが好きだ。特にその数学が」

こう言われても、当のビートルズの元メンバー達も
ちょっと困惑するかもしれませんね。

本書は数学と音楽をこよなく愛する
ジェイソン・I・ブラウンさんの日常数学の入門書。

ブラウンさんは、グラフ理論を専門とする
カナダのダルハウジー大学の数学の教授。

と同時に、学生時代には、プロとして演奏していたことが
あるほどの熱烈な音楽ファン。

長年謎だった、ビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」の
冒頭のコードを数学的に解読して話題になったそうです。

更に、米アマゾンでは、「Songs In the Key of Pi」という
ブラウンさん自身のMP3のアルバムも発売中。

  「少し数学の知識があれば、遠くまで行ける。
  そして、役に立つのは計算や概念だけでなく、
  数学が与えてくれる観点まで役に立つ。」

ブラウンさんは、数学者の視点でユーモアたっぷりに語り、
私たちの日常がいかに数字や数学に支えれているかを
気づかせてくれます。

数学を普段ほとんど意識しない人にとっては、
確率、統計、効用関数、ゲーム理論、幾何学、
無限級数、グラフ理論、整数論、フラクタルなど
およそ自分には無縁のものだと思うでしょう。

しかし本書では、身の回りの事例を用いて
これらの理論が親しみやすく説明されています。

また、多少なりとも数学好きの人には、
ほとんど知っている話題の可能性もありますが、
音楽を数学的に解析するパートは新鮮に感じるはずです。

ところで、摂氏と華氏の換算って、みなさんどうしていますか?

本書では、摂氏を華氏にする場合は、「F=9/5C+32」で求め、
華氏を摂氏にする場合は、上の式を変形して「C=5(F-32)/9」
に代入して求めると、普通に解説されています。

確かに正しい計算ですが、どっちの換算にせよ面倒です。

私は、かなり大雑把ですが、華氏70°≒摂氏20°とし、
華氏10°ごとに摂氏5°動くとして概算しています。

例えば、華氏80°を摂氏に換算。

ちゃんと計算すると、C=5(80-32)/9=26.6°

一方、概算法では、華氏80°=70°+10°で、
華氏10°≒摂氏5°と考えて、20°+5°で、およそ摂氏25°

これぐらいの誤差は、許容範囲内だと思いますし、
ずっと簡単に換算できます。

この本から何を活かすか?

  「ドッツ・アンド・ボックッスイズ」

本書では、ブラウンさんが子供のころよく遊んだ
陣取りゲームが紹介されていました。

紙と鉛筆だけで遊べるので、旅行のときなど重宝します。

以下、その遊び方です。

  1.縦に5つ、横4つ、合計20個の点を長方形状に並べる。
  2.それぞれのプレーヤーが順番に、
   水平か垂直に隣り合う点をつなぐ。
  3.四辺をつなぎボックスが完成したら、
   自分のイニシャルを中に書き、もう1回できる。
  4.ボックスにならないときは、相手の番になる。
  5.つなげる点がなくなったら、ゲームは終了。
  6.多くのボックスに印をつけたプレーヤーが勝ち。

私は、このゲームを知らなかったので、
次の旅行のとき、家族でやってみたいと思います。

実は、本書にはこのゲームの必勝法も
紹介されていますが、それは家族には内緒。

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| 数学 | 10:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドケチ道

ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方
ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方
(2010/09/28)
山田 昭男 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

  名前のタグがぶら下がった引きひもスイッチ式の蛍光灯、
  コピー機は社員330人の本社に1台、ドアノブなし、
  「さわるなバカ!!」と貼り紙された蛍光灯スイッチ・・・

こういった「ドケチ」ぶりが注目されて、未来工業株式会社は
すでにテレビへの登場回数が45回にもなるそうです。

しかし、この会社の本当に凄いところは「反ドケチ」なところ。

  派遣やパートでの採用をせず全員が正社員、
  1日の就業時間は7時間15分で一切の残業禁止、
  年間休日は140日+有給40日、育児休暇3年、
  趣向あふれる海外への社員旅行、
  70歳まで定年延長可能で64歳年収700万円・・・

これだけ、お金をかけるところの
強弱がハッキリしている会社もありませんね。

すべては、創業者で元社長(現取締役相談役)である
山田昭男さんの強烈な個性が反映された結果です。

一連のムダ金には「ドケチ」を徹底し、
人件費には「反ドケチ」を貫いています。

  「ドケチと反ドケチのバランス感覚こそが、
  経営者に最も求められる」

これこそが、選択と集中の経営戦略。

それでは、日本一労働時間が少ない未来工業が、
どうして200億円以上もの売上高を誇り、
高い利益率を維持できるのか?

それは、ドケチや短い労働時間という縛りによって、
「常に考えるクセ」が全社員に浸透しているから。

実際に7時間程度の労働時間で、
残業も仕事の持ち帰りも一切禁止されていますから、
工夫するしか道は残されていないようです。

その証拠に、未来工業の意匠登録数は、
何万人もの社員を抱えるソニーや東芝を抑え全国8位。

  「他人が考えつかないアイディアを生むには、
  他人とは違う体験や時間の過ごし方、あるいは、
  誰も真似できない着眼点や感受性が必要」

本書には、山田さんの「横並び」に断固反対する
経営哲学が色濃く現れています。

差別化に悩む経営者には、まさに目から鱗の一冊。

この本から何を活かすか?

  「普段見過ごしている小さなムダを、
  ひとつずつなくしていくこと。“ドケチの道”に王道はない」

私もドケチ度には自信がありますが、
山田さんの徹底振りを見ると、
まだまだ修行が足りないと感じました。

今一度、私も山田さんになったつもりで、
我が家のムダを見直し、反ドケチの部分にも
徹底的にこだわりたいと思います。

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| 経営・戦略 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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この国を出よ

この国を出よ
この国を出よ
(2010/09/29)
大前 研一  柳井 正 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:32

説明不要のお二人、大前研一さんと柳井正さんが
"斜陽"するニッポンへの処方箋を語る本。

純粋な対談形式ではなく、大前さんと柳井さんが
節ごとに交代して語り、論を重ねます。

本書のメッセージは、タイトルの通り、
日本人よ野心を持って海外に出て、
強くなって日本に戻れというもの。

実際に、日本以外のアジア諸国が実践し、
急成長していますから、その提言に異論はありません。

ただし、いくら大前さんや柳井さんに檄を飛ばされても、
そう簡単に日本人のマインドは変わりません。

柳井さんが、日本が立ち直れない原因は、
バブルの後遺症による自信喪失ではなく、
世界2位のGDPだったという慢心だと指摘するように、
現状に満足している人も多いはず。

いくら先行きが見えないといっても
今のところ、安全で、それなりに幸せに暮らしていける
環境が日本にはありますから。

個人的には、日本が中途半端に良い教育環境を
整備し過ぎたのも、日本人が海外に出ない原因だと考えます。

極論ですが、国内の大学への助成金を大幅にカットし、
その分を留学支援奨学金にでも振り当てれば、
海外に出るインセンティブが働くと思います。

また、本書の中でファーストリテイリングの
後継者育成についての話題がありました。

柳井さんは、2度の失敗を経験し、2010年4月に
経営幹部養成機関FR-MICを立ち上げたそうです。

これはGEの企業内ビジネススクール「クロトンビル」を
参考にしたリーダー育成機関。

私のイメージでは、こういった企業による養成機関で
企業の枠を超えるリーダーが養成できるかどうかは、
少し疑問がありますが、柳井さんの3度目の正直になるか
注目したいところです。

どちらかと言うと、私にとっては
一企業のファーストリテイリングの後継者よりも、
ビジネス界のグル、大前さんに替わる人材が
日本のビジネスシーンに登場しないことの方が、
将来的には不安です。

この本から何を活かすか?

大前さんは以前、処女作の「企業参謀」について、
すでに時代遅れのフレームワークで、
もはや使えないというニュアンスの発言をしていました。

しかし、本書では「もしドラ」ブームでも、
本当のドラッカーさんの著者が読まれない現状を憂い、
古典を読む重要性を説き、自らの「企業参謀」についても
再評価しています。

私は、大前さん自身が「企業参謀」は古いと言っていた時でも、
外せないビジネス書の1冊として一押ししていましたから、
それが再評価されて、ちょっとうれしい感じがしました。

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| リーダーシップ | 14:09 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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集団感染マーケティング

1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染マーケティング
1通のちょっと変わった手紙で、新規客が殺到する! 集団感染マーケティング
(2010/10/29)
杉村 晶孝 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:22

著者の杉村晶孝さんから献本いただきました。
ありがとうございます。

従来のマーケティング手法では、「別々の独立した個人」を
ターゲットと考えてきました。

しかし、杉村さんが本書で説明するマーケティング手法の
ターゲットは、同じ個人でもちょっと違います。

狙うのは、「群れや集団の中の個人」。

そして、ターゲットを見つけた後は、
その人を内部協力者として組織の中に入り込み、
集団をまるごと一網打尽にしてしまう。

ですから、本当の狙いは10人前後のコミュニティから、
いわゆる「職域」と呼ばれる集団になります。

それが「集団感染マーケティング」。

外からB to Bとしてセールスするのではなく、
個人をたどり集団内部に潜入し、
組織の力学を利用して効率よく売り込む
ゲリラ・ダイレクトマーケティングです。

その効果は歴然。

杉村さんが実際に行った住宅ローンの新商品の
マーケティング効果は、以下の通り。

 [従来型のマーケティング]
  予算2100万円で反応件数54件、
  反応1件当たりのコスト38万円、持続日数2~3日

 [集団感染マーケティング]
  予算280万円で反応件数1539件、
  反応1件当たりのコスト1819円、持続日数90日

従来型のマーケティング手法では、本部、広告代理店、
一流のコピーライターなどが関わって一大プロモーションを
行ったのに対し、集団感染マーケティングでは、
杉村さんがたった1人でDMやチラシをまいた結果です。

  「小難しいMBA流ビジネスを嘲笑うような
  強烈な商売人の実証済みの成功ノウハウ」

確かに、本書で紹介されているのは
机上で考えられたスマートな戦略でなはく、
非常に泥臭いところがあります。

しかし、実践的。

ピンクの表紙や、書かれている文体からも
かつての神田昌典さんを彷彿させますね。

ただ本書では、一般的な売れる言葉の見つけ方や
権威作りの方法などの解説もあることが、
逆に本書の個性を薄めている印象があります。

できれは、他のマーケティング本や
ブランディング本でも読める内容は割愛して、
杉村さんならではの集団感染マーケティングに、
もう少し紙面を割いて欲しい感じがしました。

この本から何を活かすか?

マーケティングとは全然関係ありませんが、
「集団感染」つながりで、最近、私がはまっている
ボードゲームがあるのでご紹介。

  ・パンデミック

我が家に初導入の「協力型」ボードゲーム。

誰が勝者になるのかを争うのではなく、
プレーヤー全員が協力して、ウィルスの世界的拡散を
阻止するゲームです。

ちょっと作戦を誤ると、アウトブレイクが始まり、
各地がウィルスで侵されてしまうのでスリル満点。

秋の夜長を楽しませてくれる秀逸なゲームです。

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| マーケティング・営業 | 06:31 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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ルリボシカミキリの青

ルリボシカミキリの青
ルリボシカミキリの青

(2010/04/23)
福岡 伸一 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:17

  「ルリボシカミキリの青。
  その青に震えた瞬間が、私自身のセンス・オブ・ワンダーだった。
  そして、その青に息をのんだ瞬間が、まぎれもなく私の原点である。」

センス・オブ・ワンダーとは、自然などからある種の不思議さを
感じ取る感性を説明する為の語。(ウィキペディアより)

本書は、2010年11月現在も週刊文春に連載中の
福岡伸一さんのコラム「福岡ハカセのパラレルターン・パラドックス」
をまとめたもの。

2ページ半ほどのエッセイが、70本近く収められていますが、
いずれも福岡さんの文才が光っています。

週刊誌への連載ということもあり、
一つのテーマを深く掘り下げた内容ではなく、
福岡さんが日常生活で感じた、
ちょっとしたセンス・オブ・ワンダーが綴られています。

動的平衡のことから、科学者としての研究生活、
少年時代の思い出、大学教授としての憂鬱、ロハス・スパイラル、
プリウスの購入、「1Q84」についての解釈などなど。

福岡さんの斬新な視点に刺激されると同時に、
文章の小気味よさを楽しむことができますね。

本書の隠しテーマは、「教育論」とのことですが、
個人的には、週刊文春のコラムのタイトルになっている、
「パラレルターン・パラドックス」的な考えが、
やはり根底に脈々と流れていると感じました。

パラレルターンは、「スキー」のターンの種類。

速度に満ち、限りなく無駄のないものに見えるパラレル・ターン。

しかし、その華麗さは、逆説的ながら
地道な努力の果てにしか実現できないというのが、
パラレルターン・パラドックス。

これはきっと、福岡さんの造語なのでしょう。

日々、地道な研究生活を続ける福岡さんだからこそ、
その先にしか見えない世界があるという意味で、
考えた言葉なのかもしれません。

また、面白かったのは、福岡さんの
生物と無生物のあいだ」での記述間違えについてのコラム。

ブラウン運動の誤解に関するする内容が書かれていて、
ウィキペディア上で、同書の間違いが指摘されています。

それを発見した福岡さんが、本書のコラムで
「次にもし重版されることがあれば必ず訂正いたします」
と書くと、そのことがまたウィキペディアに追加記載される・・・

まるで、福岡さんとウィキペディアのコラボレーションのようです。

この本から何を活かすか?

冷蔵しなくても、熱処理しなくても、防腐剤を一切使わなくても、
ほぼ永遠に腐らない不思議な食品があるのを知っていますか?

普通、食品を腐らせないためには、
冷凍して細菌の繁殖を抑えたり、加熱して殺菌する必要があります。

しかし、そんなことは一切不要の誰もが知っている食品。

それはハチミツ。

私は、ハチミツがそんな偉大な食品だとは
本書を読むまで知りませんでした。

今朝は、福岡さんのコラムにも登場した
ハチはなぜ大量死したのか」を再読しながら、
朝食には「はちみつパン」を食べようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 科学・生活 | 06:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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