活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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数の魔力

数の魔力――数秘術から量子論まで
数の魔力――数秘術から量子論まで
(2010/05/29)
ルドルフ・タシュナー 商品詳細を見る

満足度★★★
付箋数:20

  「ありとあらゆるもの、われわれ自身を含めた
  全宇宙は数である」

このピタゴラスさんの言葉は、ちょっと過激に感じますが、
私たちの生活、そして人類の歴史と発展に
「数」の概念が多大な影響を及ぼしてきたのは確かです。

科学技術の発展のみならず、普段の私たちの日常においても
数は思考を助け、客観性を与えます。

しかし、私たちが、数に支配されていることもまた事実。

私などは、日々、マーケットの数字の上下に
一喜一憂しながら過ごしていますから、
完全に「数の奴隷」になっているかもしれません。

さて本書は、オーストリアの数学者、
ルドルフ・タシュナーさんがミュージアムクォーターゾン・ウィーンの
「数学スペース」で行った連続講演をもとにまとめたもの。

数そのものではなく、数か与える影響、
タシュナーさんの言葉では「数の巨大な影」に
焦点を当てて、人類史上の重要なトピックスを振り返ります。

  「本書では“数とはなにか”ではなくて、
  “数とは何を意味しているか”を語っていきたいと思う。」

採り上げられるのは、以下の歴史上の人物。

  ピタゴラス(数と象徴)、バッハ(数と音楽)、
  ホーフマンスタール(数と時間)、デカルト(数と空間)、
  ライプニッツ(数と論理)、ラプラス(数と政治)、
  ボーア(数と物理)、パスカル(数と精神)

もともと、数や数学がベースになっている物理学や
哲学への影響のについては、ある程度予想ができる分、
比較的読みやすい内容になっています。

しかし、一見、数と遠い関係に見える「数と音楽」章の、
音楽理論を数学的に解釈する試みは、
非常に興味深い考察ですが、反面、難解な内容になっています。

理解するには、音楽的素養と数学的素養の両方が必要でしょう。

本書は、数秘術から量子論まで、数の合理的側面と、
そのパワーに必要以上に影響を受ける人類の姿を
面白い視点で描き出しています。

ただし、読み通すにはけっこうハードルの高い一冊。

本書の謳い文句にある通り、
「ごく初歩の数式のみ」しか使われていませんが、
誰もが手軽に読める本ではありません。

この本から何を活かすか?

ルーレットで10回勝負して、同じ数のところに
球が2度以上止まる確率は?

これは、本書のコラム「直感に反する確率」に
収められていた話し。

ここでは、球が10回すべて別の番号のところに
止まる確率が計算されていて、その確率は約26%。

つまり7割以上の確率で、同じ数字に止まるということです。

確かに、直感に反する意外に高い確率ですね。

だからといって、負の期待値を持つルーレットを
やり続ければ、確実に損をしますのでご用心。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 数学 | 06:33 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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