活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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交渉の達人

交渉の達人
交渉の達人
(2010/05/21)
ディーパック・マルホトラ マックス・H・ベイザーマン 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:25

  1912年、セオドア・ルーズベルト元大統領は3期目を目指して
  厳しい大統領選挙を戦っていた。

  そんなとき、誰もが予想しない難題が持ち上がる。
  
  遊説先で配るための写真入ビラ300万枚の印刷を終えたとき、
  選挙対策責任者は大失態に気がついた。
  写真家にルーズベルトの写真の使用許可をとっていなかったのだ。
  
  更に著作権法によれば、写真家は写真1枚に付き
  最大で1ドルの使用料を請求する権利があることが判明した。
  
  1912年当時の300万ドルは、現在の6000万ドルに相当し、
  選挙戦で負担できる額ではなかった。
  また、300万枚のビラを刷り直す代替案もコストがかかり、
  深刻な遅れとなるため現実的な選択ではなかった。
  
  選挙対策責任者は、カギを握る写真家に使用料を
  下げてもらう交渉をするしかない。
   
  一体、どのように交渉したらいいのか?

これは本書に紹介されていた、交渉術の凄さを示す
一つのエピソードです。

選挙対策責任者は、効果的な戦略を使って、
信じられないような取引をまとめましたが、
その内容は後ほど。

本書は、交渉術の基礎から実践までを体系的に学べるテキストです。

350ページ近いハードカバーで、とっつきにくい印象がありますが、
苦労してでも読む価値のある一冊です。

まさに、交渉術の教科書。

内容は、いわゆる「ハーバード流交渉術」で、
第1部では交渉の基本的な枠組み、第2部では交渉における心理学、
第3部では実際の交渉場面での問題がカバーされています。

交渉術は、ビジネス上の取引や裁判といった
限定されたシーンだけで必要な技術ではなく、
日常生活の中でもあらゆる対立を解消するために
不可欠なスキルです。

  「交渉の達人とは、集合が消えた人のことである。」

ここで言う「集合」とは、交渉可能なことの範囲。

つまり本書で交渉術を学んで実践を積んでいくと、
交渉可能な集合は拡大し、やがて「交渉可能なこと」と
「交渉不可能なこと」の区別がなくなるということです。

交渉術の本では、以前記事にした
松浦正浩さんの「実践!交渉学」も良い本でしたが、
本書は、もっとじっくり、深く学びたい人向けに
オススメできる良書です。

この本から何を活かすか?

さて、ルーズベルトの選挙対策責任者は、
実際に、この状況にどう対処したのか?

  選挙対策責任者は、問題を慎重に分析した後、
  次のような電報を写真家に送った。

  「写真付きの遊説用ビラを300万部配布する計画がある。
  写真家にとってまたとない宣伝の機会だと思われる。
  貴殿の写真を使用した場合、いくらなら払う用意があるのか、
  至急連絡されたし」

  この電報を見た写真家は、間髪を入れず回答してきた。

  「ありがたい機会ですが、250ドルまでしか払えません」

これを単なる「妙案のひらめき」による逸話として、
片付けないことが重要です。

本書では、この選挙対策責任者のような交渉解決術を
誰もが戦略的に行なえるよう解説されています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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