活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?

「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?―将来どちらのほうが儲かるかで考える損得学
「値引きして売れるなら捨てるよりマシ」は本当か?―将来どちらのほうが儲かるかで考える損得学
(2010/06/11)
古谷 文太 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:21

ストーリー形式で「損得学」を学ぶ本。

それでは、損得学とは、いったい何か?

あまり聞き慣れない言葉ですが、
学問上では「経済性工学」と呼ばれるようです。

簡単に言うと、将来入ってくるお金によって
意思決定を合理的に行なう方法。

不動産の評価方法は、
原価法や取引事例比較法ではなく、
収益還元法が用いられるケースも増えています。

ビジネスで「損得学」を使って意思決定することは、
将来もたらされるキャッシュフローが判断基準となりますから、
この収益還元法で不動産を評価するのと似ていますね。

本書で使われているのは、次のような「損得計算表」です。

損得計算表廃棄する値引き販売する違い  
将来入ってくるお金通常の販売代金
120円
値引き後の
販売代金20円
▲100円
将来出ていくお金廃棄費用10円
通常販売の
仕入れ代金50円
0円▲60円
差引=将来の儲け60円20円▲40円









古谷文太さんは、実際のビジネス上の場で、
どのように「損得学」を活用するかを
「物語+解説」という形式で分かりやすく解説します。

舞台となるのは、スポーツカジュアルウェアの
製造販売メーカー株式会社クラックス。

次々と起こる難題を、主人公の山口勉が各部門の協力を得ながら、
損得学を判断材料として、意思決定する過程を描きます。

  ケース1.値引き要求、応じるべきか断るべきか?
  ケース2.山積み在庫、「安くても売れるなら捨てるよりマシ」は本当?
  ケース3.簿価400万円、「まだ使えるのにもったいない」は正しい?
  ケース4.新規投資プロジェクト、やるべきかやめるべきか?

物語は、あくまで損得学を学ぶためのものなので、
感動的なストーリーにはなっていませんが、
実際に起こりそうなケースで時系列に沿って、
経済合理的に判断する様子がよく分かるようになっています。

以前紹介した、古谷さんの
コカ・コーラに学ぶ ビッグ・ウォレット戦略」は、
どちらかと言うと、大企業向けの本でした。

しかし、本書の損得学は規模の大小を問わず利用できます。

この本から何を活かすか?

例えば、新しいパソコンを買うかどうか迷った場合。
英語と会計のどちらを先に身につけるか迷った場合。

こういった日常の意思決定の場でも
「損得計算表」を使ってみるのもアリですね。

「将来入ってくるお金」の部分が、
ビジネス上の売上予測と違って
金額表示しにくいかもしれません。

しかし、その部分を、将来もたらされる価値や
効用などの定性的なものに置き換えてしまうと、
経済合理的な判断が下せなくなってしまうので、
この表では、あくまで、定量的な数値を入れて
使うべきなのでしょう。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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