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これからの「正義」の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
(2010/05/22)
マイケル・サンデルMichael J. Sandel 商品詳細を見る

満足度★★★★
付箋数:26

  1884年の夏、4人のイギリス人船乗りが、
  南大西洋沖合いを小さな救命ボートで漂流していた。

  ボートに乗っていたのは、ダドリー船長、スティーブンズ一等航海士、
  甲板員のブルック、そして17歳の雑用係のパーカーの4名。

  持っていた食料は缶詰2個だけで、飲み水はなかった。
  
  漂流8日目で、ついに食料は尽きた。
  そのころ、パーカーは他の者の忠告を聞かず、
  海水をがぶ飲みして、体調を崩し、死にかけていた。
  
  漂流19日目、船長は生き延びるために、誰か一人がクジ引きで
  死ぬべきだと提案したが、ブルックが反対した。
  翌日、船長はブルックに目をそらしているように言い、
  スティーブンズと共に、死にかけているパーカーを殺害した。
  
  漂流24日目、ついにボートが救助されるまで、
  3人の男は、雑用係の少年の肉と血で命をつないだ。
  
  イギリスに戻ると3人はただちに逮捕され起訴された。
  
  船長とスティーブンズは、パーカーを殺して食べたと
  臆することなく証言した。
  
  あなたは裁判官だとしよう。どう裁くだろうか?

これは、本書に掲載されている「ミニョネット号事件」のエピソードを
抜粋要約したものです。

本書では、この事例を元に、哲学者ジェレミー・ベンサムの
功利主義「最大多数の最大幸福」について考察します。

著者のマイケル・サンデルさんは、机上の空論とも
見なされがちな哲学の問題を、現実の問題を引き合いに出し、
正義とは何なのか、正しい行いとはいったい何なのかを、
私たちに問います。

本書の元になっているのは、ハーバード大学でサンデルさんが
指導する「Justice(正義)」と銘打った講義です。

あまりの人気ぶりで、あのハーバード大学が、
ついに公開授業に踏み切ったという伝説の講義です。

本書は、その講義を書籍化したもの。
  
  ・原書はこちら、「Justice: What\'s the Right Thing to Do?
  ・テキストはこちら、「Justice: A Reader

私は見ていませんが、NHKでもこの講義を
ハーバード白熱教室」として、2010年4月4日から
全12回で放送していたようです。

残念ながら既に放送が終わっていますが、
「ハーバード白熱教室 in JAPAN」が2010年8月25日に
開催される予定で、特別番組として放送される予定ですね。 

実際の講義は、対話によって議論を深めていく形式で、
さすがにその議論の様子は本書では再現されていませんが、
読み物として非常に高い完成度い本となっています。

本書は、間違いなく、読者の知的好奇心を刺激し、
道徳と政治をめぐる深い考察の旅に誘ってくれるでしょう。

この本から何を活かすか?

NHKでの「ハーバード白熱教室」の放送は終わり、
YouTubeの映像も既に削除されています。

しかし、この講義の様子は本家・ハーバード大学の
Justice with Michael Sandel」のサイトで見ることができます。

もちろん英語ですが、12本すべてのエピソードがUPされています。

サマリーも掲載され、意見も投票できるし、
参考文献も紹介されているという充実ぶり。

英語が厳しい方は、先に本書を読んでから
このサイトで講義を見ると理解が深まるのではないでしょうか。

私も、今週末、エピソードを順次見ていく予定です。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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