活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ドル凋落

ドル凋落 ―アメリカは破産するのか (宝島社新書 309)
ドル凋落 ―アメリカは破産するのか (宝島社新書 309)
(2010/03/10)
三橋 貴明 商品詳細を見る

満足度★★★

三橋貴明さんの著作は、言葉をしっかり定義し、
根拠となるデータを示し、切れ味鋭く語るのが特徴です。

ですから、誰かが

  「三橋さん、アメリカは破産しますか?」

と聞けば、

  「国家の破産の定義とは、何ですか?」

と切り返されます。

三橋さんは、マスコミで流布される、視聴率を上げるため、
あるいは販売部数を伸ばすための、定義が不明な印象論や、
センセーショナルなキャッチフレーズに嫌悪感を示します。

それでは、なぜ、本書のサブタイトルに、
「アメリカの破産」といったセンセーショナルな
フレーズを使っているのか?

これは、ひとつのトラップです。

「破産」という言葉をあえて使うことで、
これに何の疑問も持たず、煽られる読者を引き寄せておいて、
本書で根拠のない印象論では、何の解決にもならないことを
示そうとしているようです。

ちなみに、三橋さんの国家の破産を

  「政府の負債について、利払いが不可能になるか、
  もしくは返済が不可能になること」

と定義しています。

本書では、アメリカ経済をバランスシートなどを冷静に分析し、
基軸通貨であるドルの行く末をデータに基づき予測します。

  「長期的にドルが“凋落”していくことはあっても、
  近い将来“暴落”し、ドル基軸通貨制度が揺らぐ事態に
  発展するようなことは考えにくいのである。」

また、最終章ではアメリカよりも、
現在の欧州問題に焦点が当てられ、
今後、三橋さんが執筆するであろうユーロ関連の本の
布石が打たれているようにも感じました。

この本から何を活かすか?

個人的には、「米国債暴落の影響を日中比較する」
のパートが非常に興味深いものでした。

よくマスコミや、TV出演するコメンテーターは、
あたかも日本が国として大量の米国債を購入しているかのごとく語り、
「アメリカ政府に貢ぐ行為だ!」などど批判しています。

これを三橋さんは、この主張を一刀両断。

そもそも購入している主役は民間の金融機関であり、
「お金とは運用されなければならない」という、
当たり前の事実を突きつけ、それならば米国債以外の
適切な運用先を示すように迫ります。

このパートでは、2大米国債保有国である、
日本と中国において、その性質の違いや影響度が
計算されていました。

三橋さんのような冷静な視点を持つためには、
本書で展開される三橋さんの主張さえも鵜呑みにせず、
自分でデータを集め、自分で考える習慣が必要だと感じました。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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