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衝撃! EUパワー

衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生
衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生
(2009/11/06)
大前 研一 商品詳細を見る

満足度★★★

  「世界はやがてアメリカでも中国でもインドでもなく、
  EUを中心に回り始めることになるだろう。(中略)
  私は、“21世紀は超国家EUの時代になる”とここに予言する」

本書は、大前研一さんの著作の中でも私の好きな
「国家レポート」シリーズ。

今回はEU(欧州連合)です。

そもそも、EUは国ではありませんが、
単に、単一通貨を持つ経済圏として括るのではなく、
国境・憲法・軍隊を持つことから、
大前さんはEUを「国家」として捉えています。

今後、EUの勢力が強まるとする論拠は8つ。

  1. 超国家の形成が自発的で、参加条件が明文化されている。
  2. 先進国最大のGDPと先進国最大の人口を持ち、65%が域内交易。
  3. 会計基準など、EU基準が世界標準となる可能性がある。
  4. マーストリヒト条約後の経済危機で、制度的欠陥が浮き彫りになった。
  5. 東方展開で資源・人材を確保し、新興国に対抗できる競争力を得た。
  6. ユーロは世界基軸となる可能性がある。
  7. トルコ・ロシアの加盟によりアメリカのシングルヘゲモニーが揺らぐ。
  8. 21世紀型の心理経済学を使い、需要喚起に成功している。

大前さんが考えるEUとは、今後加入する可能性がある
ロシアや東欧諸国などを含めたものです。

ですから、今までの大前さんの著書である「東欧チャンス」や
ロシア・ショック」を「新・資本論」でまとめたような内容です。

先に挙げた8つの理由も、正直に言って根拠が乏しいものもあります。

また、細かいところを見ると、“日本円は見向きもされない通貨”と
言った後に、“日本円は見直された”と書くなど、
多少整合性のない記述もあります。

しかし、EUや東欧諸国に関する書籍が少ない中、
実際に現地に足を運び、肌で感じたことを踏まえて
書かれているレポートは貴重です。
(ちなみに、本書にはルーマニアやウクライナのレポートを含んだDVD版、
衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生 (DVD)」もあります)

本書の結論として、日本がやるべきことは2つ。

一つは、アメリカや中国、インドもさることながら、
EUを最大のお客さんとして、日本の経済戦略を考えること。

もう一つは、欧州のライフスタイルを学ぶこと。

EUのライフスタイルといっても、実際は多様ですし、
日本人の国民性や文化もありますから、
一朝一夕で身につけられるものではありませんが、
学ぶべきとことは大切なのでしょう。

個人的には、今の日本の状態では、
EUの加入要件すら満たしていませんから、
まずは、その足元から整えていくべきだと思います。

この本から何を活かすか?

  「お前は何者だ?」

このよに問われた時に、「俺はフランス人」、「俺はドイツ人」と
返答するのではなく、「私たちはヨーロッパ民族」とう意識で
答える人が、欧州では増えているそうです。

このヨーロッパ人の帰属意識の変化を象徴的に表すのが、
「ジェネレーションE(欧州世代)」というマーケティング用語。

私たちは、マーケティングにおいても、
常にアメリカの方ばかり見てきましたから、
もう少しEUへも注意を払う必要がありそうです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book. 

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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