意思決定力

意思決定力
(2009/10/17)
本田 直之 商品詳細を見る
満足度★★★
意思決定力とは、自分で決める力。
社会のシステムが効率化したことで、意思決定する機会そのものが減り、
私たちの日本人の意思決定力は衰えていると、本田直之さんは指摘します。
「アメリカは意思表明しないと察知してもらえない文化がベース」
日本とハワイを行き来する本田さんだからこそ、
意思決定力の日米間格差を痛切に感じるのかもしれません。
アメリカでは、ディシジョン・メイキングすることを重視し、
その機会を、子どもの頃から意識的に与えられることが多いようです。
一方、日本では親が子どものレールを敷きたがる。
この違いは、本田さんが意思決定力の強い人と弱い人の境目は、
「インディペンデント思考であるか否か?」
と説明していることに通じるように思えます。
私たちが、ビジネス上で判断を迫られる場合は、
〇か×かという単純なケースや、正解があるケースは稀。
いろいろな要素が絡み合った中で、合理的な判断をしなければなりません。
そういった状況の中でも、決断する力を身につけるのが本書の目的。
意思決定のセオリーと意思決定力を鍛える習慣づくりが伝えられます。
1. 目的を明確にする
2. 情報のインプット
3. 選択肢の抽出
4. シュミレーション
5. 意思決定し、行動する
6. リカバリー力をつける
7. 常に意思決定力を鍛える
ポイントは、「選択肢の抽出」と「シュミレーション」のステップ。
AかBの2つしか選択肢がなくても、新たにC、D・・・という選択肢を作り出し、
選択しないという選択肢を考えることも重要です。
洗い出された選択肢に対しては、「プロコン」リストなどを使い
紙に書き出して考え、シュミレーションする。
ここで、もう一度、そもそもの目的に立ち返り、
重要思考で選択肢の「重さ」に着目して意思決定する。
本田さんの考えを多少アレンジしましたが、
これが合理的な意思決定をするための基本フローです。
ところで、最近の本田さんはレバレッジシリーズから離れ、
様々なビジネス書を量産していますね。
どの本も本田さん“らしさ”がよく出ていますが、
本書を読むと、どことなくその語り口が
大前研一さんに似てきたような感じがします。

「プロコン」リストとは、pros and cons=賛否リストの略。
紙の真ん中に一本線を引き、左側にメリット、右側にデメリットを
書き出す単純な意思決定のためのリストです。
本田さんも新しいことを始めるにあたっては、
必ずこのリストを使うそうです。
私がこのリストを知ったのは、十数年前に見ていた
アメリカのホームドラマ(NHKで放送されたシットコム)の、
「愉快なシーバー家」です。
自宅で精神科医を営む主人公の父親、ジェイソン・シーバーが、
意思決定をする際に、このリストを使っているシーンがありました。
最終的には、書き出したメリット・デメリットの数ではなく、
「重さ」に着目して意思決定するのが、その回のストーリー。
この放送を見て以来、私もプロコンリストを使うようになりました。
余談ですが、シーバー家は私の大好きなドラマの1つ。
しかし、DVDの発売がファーストシーズンだけで途絶えているのが
非常に残念です。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
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