活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2009年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年12月

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生命保険のカラクリ

生命保険のカラクリ (文春新書)
生命保険のカラクリ (文春新書)
(2009/10/17)
岩瀬 大輔 商品詳細を見る

満足度★★★★

確実にお金を儲ける方法があります。

それは、ギャンブルの胴元になること。

胴元がどれだけ儲けるかは、控除率で決まります。
はじめから決まっている、賭ける人に分配しない割合。
いわゆる「テラ銭」です。

要するに、テラ銭の割合が高いほど、胴元は儲かります。

一般的にテラ銭は、パチンコで1割強、競輪・競馬は2割5分、
宝くじは5割というのが、よく知られたところ。

つまり、宝くじの胴元になるのが一番儲かる。

1枚300円で売って、その内、150円だけを払い戻すように
商品設計されていますから、これ程リスクを取らずに
儲けられる商売は他にありません。

しかし、残念ながら宝くじを勝手に作って販売することは
法律で禁止されています。

それでは、どうするか?

法律で禁止されていない宝くじを販売すればよい。

それが宝くじ同様に、控除率が5割に達する「生命保険」です。

橘玲さんの言葉を借りると、
「生命保険は損することに意味のある宝くじ」。

そして、生命保険会社を自分の会社の中核事業としているのが、
世界一のお金持ち、ウォーレン・バフェットさんです。

さて、前置きがかなり長くなりましたが、
本書は、生命保険と生命保険事業の実態を
わかりやすく説明する「生命保険の入門書」。

著者は、 出口治明さんと共にネット生保、
ライフネット生命保険を2008年に立ち上げた岩瀬大輔さん。

岩瀬さんが、生命保険会社を作ることを米国の友人に話すと、
「日本のバフェットを目指すんだね!」と言われたそうです。

ライフネットは、業界でタブーだった手数料(付加保険料)を開示し、
「どこよりも正直な経営を行い、どこよりもわかりやすく、
シンプルで便利で安い商品・サービスの提供を追求する」
という経営理念が共感を呼び、加入者が順調に増加しているようですね。

本書で説明される内容は、岩瀬さんとて、
生保会社を経営する身ですから、
ポジショントークがゼロではありません。

しかし、一般消費者に正しい生命保険についての考え方や、
選び方を伝えたいという、岩瀬さんの想いが伝わる良書になっています。

独立系ファイナンシャルプランナーの方が書く
生命保険の評論本とは一線を画します。

これは、志を持って、生命保険業界の古い慣習と戦いながら
ネット生保を設立した、岩瀬さんだからこそ書ける内容です。

この本から何を活かすか?

証券業界は、多くのネット証券が参入したことにより、
手数料が引き下げられ、あたらに投資を始める人が増え、
市場が活性化されました。

現在は、大手証券会社とネット証券会社の棲み分けが進んでいます。

生保業界の今後はどうでしょうか?

証券業界と異なり、既に生命保険の世帯加入率は9割。
ですから、新たな加入者を引き込むのではなく、
ネット生保の参入で起こるのは、加入者のシフトでしょう。

今後は大手生保のシェアが徐々に低下し、
大手・共済・ネット生保の加入者数が拮抗するのも
そう遠いことではないかもしれません。

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| マネー一般 | 06:29 | comments:2 | trackbacks:2 | TOP↑

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藤巻健史の「金融情報」はこう読め!

藤巻健史の「金融情報」はこう読め!
藤巻健史の「金融情報」はこう読め!
(2009/10/17)
藤巻 健史 商品詳細を見る

満足度★★★

  「上質な情報を使って、自分なりの経済予測力を養うこと」

これが本書の目標です。

そのためには、2つのことが必要です。

1つ目は、経済やマーケットの基本的なメカニズムを学ぶこと。

残念ながら、本書ではこの点について、
それほど詳しく解説されていません。

藤巻健史の実践・金融マーケット集中講義」が素晴らしいので
そちらを参照した方がいいでしょう。

2つ目は、何が上質な情報かを見極めること。

本書で多くのページが割かれているのが、こちらです。

評論家ではなく、実際に自分のお金で大きく勝負している人
(ポジションテイカー)の話しに耳を傾けよ。
但し、その人がポジショントークをしていることを前提に。

これって、つまり藤巻健史さんのことです。

本書の前半では、マーケットで喧伝される
50以上の「誤解」について指摘しています。

  ・「アメリカの経済回復には10年かかる」という誤解
  ・「リスクは低いほどいい」という誤解
  ・「ドルが基軸通貨の地位を失い、暴落する」という誤解
  ・「途中解約をするとペナルティを取る銀行はがめつい」という誤解
  ・「デリバティブ取引は悪魔の取引だ」という誤解

後半では、その「誤解」に基づき、どのようにお金を守り、
更に増やしていくかが解説されています。

ちなみに、本書が執筆された2009年8月時点での
藤巻さんのポジションは、日米株の買い持ち、円ロング、
国債先物売り、借金をしての不動産買いなどのようです。

しかし、実際には藤巻さんの話を聞いて推奨された通り投資して、
儲かっている方もいますし、損をしている方もいます。

重要なのはタイミングと投資期間。

それを自分で判断するための基礎的な知識や
スキルを身につける必要があるということです。

また、藤巻さんが本を書いた後は、
マーケットが反対方向に動くことは通例で、
2009年11月28日時点では、日経平均は9000円割れ目前、
ドル円は86円台で推移しています。

藤巻ファンの方なら、これも想定の範囲内ですね。

藤巻さんの本は、単行本で刊行された後、
非常に高い確率で文庫化・新書化されます。

これは長期の出版に耐えうる内容が、書かれているという証拠。
本書も文庫化されてから買うというのも1つの方法です。

参考までに、私が藤巻さんのファンになったきっかけの、
外資の常識」も文庫化もされています。

この本から何を活かすか?

鳩山首相は「国債発行額は44兆円に抑える」と発言をしました。
実際には、50兆円を超えるとも目されています。

世論調査ではありませんが、あなたはこれをどう思いますか?

1. 特に何も感じないし、自分には関係ない
2. 民主党政権は素晴らしいと思う
3. 民主党政権はトンデモないと思う
4. とりあえず日本国債先物ミニを売る

本書の後半では、「国債売り」が推奨されています。
ひまわり証券のCFDなら、日本国債先物ミニの売買が可能ですね。

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| 投資 | 06:50 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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空気を読むな、本を読め。

空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)
空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法 (East Press Business)
(2009/10/22)
小飼 弾 商品詳細を見る

満足度★★★

読書の達人として知られる小飼弾さん。

なぜ、そんなに速く本を読めるのか?
なぜ、独自の切り口で書評できるのか?

小飼さんの秘密を知りたくて、本書を手に取った方も多いはずです。

本書で公開されるのは、小飼弾流の読書術。
何か特別な方法があるのではないか?

しかし、その期待は見事に裏切られます。

結局のところ、今まで読んだ本の蓄積が、
速さの秘密であり、鋭い視点を持つ鍵のようです。

まずは、本を読む「速さ」について。

過去に同じような内容の本を読んでいればいるほど、
少し見ただけで、その本に書かれている内容は想像がつきます。

小飼さんは小学校入学前から図書館に通い、
1日の読書量が50冊を切ると、「ああ今日は本を読まなかった」
という感覚になったそうです。

おまけに、中学以降はほとんど学校に行かず、
溺れるように本を読んでいたようですから
普通の人が読む本の量とは、桁が全然違うわけです。

どんな分野でも、その道の達人になるには
“1万時間”がひとつの目安。

小飼さんは、1日平均6時間を読書に費やしていたそうですから、
少なく見積もっても小学5年生の時には、
この1万時間の壁を突破し、読書の達人になっていた計算です。

そう考えると、今の驚異的な本を読むスピードも納得。

次に、小飼さん流の「独自の視点」について。

  「私が本に付箋を貼らないいちばんの理由は、“マインドマップ”を
  脳内でつくってしまっているからです。」

小飼さんが脳内で行なっているのは、
恐らく「抽象化」と「具体化」の作業です。

まず本を読んで、その内容の抽象度を上げます。
これが考えて理解する作業。

その次に、抽象度を上げたレベルにおいて、
既に抽象化されている過去に読んだ本の情報を参照します。

そうすると、その本の主張と本質的に同じことを言っている
脳内データ探し出すことができます。

そして、元の内容とは違うルートで抽象度を下げ、
別の言葉で具体化する。

この作業も、脳内で参照できる抽象化されたデータ量が
重要ですから、過去の読書量が決め手となります。

ところで、私は本書を読んで
実は、小飼さん、あまり本を書きたくないんじゃないの?
という印象を私は持ちました。

皆さんは、いかがでしょうか?

この本から何を活かすか?

  「フィクションはリスクが高いからこそ、
  若いうちに読んでおくべきなんです。」

本書では、SFを中心としたフィクションの推薦本が紹介されています。

その中でも小飼さんが一押しするのが、星新一さんの作品。

私が、星さんの作品を読んだのは、もう30年近く前です。
それ以来、遠ざかっていますね。

そろそろ、ウチの子も星さんのショートショートを
読める年齢になってきたので、
今度、一緒に読んでみようと思います。

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| 読書法・速読術 | 06:22 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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希望を捨てる勇気

希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学
希望を捨てる勇気―停滞と成長の経済学
(2009/10/09)
池田 信夫 商品詳細を見る

満足度★★★

  「1990年代から続いている経済の停滞は、
  まもなく“失われた20年”になろうとしているが、
  その終わりは見えない」

本書は、アルファ・ブロガーでもある池田信夫さんが、
ブログや雑誌に書いてきた内容を統合して、
「日本経済論」として全面的に書き直したもの。

マスコミで喧伝される、もっともらしい常識のウソを見破り、
今の日本経済の課題とその原因を見事にあぶり出しています。

相変わらずの鋭い語り口で、
語られるテーマは、次の9項目。

格差の正体、ノンワーキング・リッチ、終身雇用の神話、
長期停滞への道、失われた20年、景気対策の限界、日本株式会社の終焉、
「ものづくり立国」の神話、イノベーションと成長戦略

経済学の常識を世に伝える、いい意味でのパンフレットを
目指して書かれたようです。

非常に密度の濃い本で、池田さんのブログで断片的に
記事を読むよりも、全体構造が分かるように
その背景などが詳しく解説されています。

各章末「コラム」にまとめられたテクニカルな話題も充実。

ただし、内容自体は分かりやすいのですが、
これを為政者が読んで、受入れられるかというと
少々疑問が残ります。

正論で、問題の核心を衝き過ぎている分、
為政者は逃げ場を失いますから、
最初から聞く耳をもたないことを選択するかもしれません。

また、タイトルが「希望を捨てる勇気」なので止むを得ませんが、
本書で取り上げられている日本が抱える問題は、
説明を聞けば聞くほど、私には解決不可能に思えます。

更に、日本の政治や経済にダメ出しをしているだけでなく、
読んでいる私自身も、勉強不足を指摘されているような
印象を受けるので、いまひとつ読後感が優れません。

必要ですが、あまり続けて読む気になれないのが、
私の正直な感想です。

この本から何を活かすか?

  「経済危機の打撃をもっとも受けたのは、
  意外なことに危機を報じた新聞だった」

これは、本書の「シュンペーターの逆説」のくだりで
書かれていた内容です。

今後、新聞の発行部数が徐々に下がっていくことは、
誰もが予想するところですね。

そんな中、全米の「ジャーナリズム学部」の
入学志望者や在籍者数が増加していると、
経済誌Forbsは2009年4月6日付電子版で報じました。
(NHK実践ビジネス英語11月号より)

  「ジャーナリズムの衰退とジャーナリズム学部の繁栄」

一見、矛盾しているように見えるこの現象は、
ジャーナリズム学部で高度なコミュニケーション能力を
身につけると、どのような分野に進んでも活用できるという
インセンティブが働いているからとか。

調べてはいませんが、日本で不況時に、
文学部の志望者が増えることは、あまり想像できません。

この辺が、日本人と米国人の気質の違いの1つなのでしょう。

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:41 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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負けない議論術

世界の凄腕ビジネスマンと渡り合う日本人弁護士の 負けない議論術
世界の凄腕ビジネスマンと渡り合う日本人弁護士の 負けない議論術
(2009/11/13)
大橋 弘昌 商品詳細を見る

満足度★★★★

アップルシード・エージェンシーさんより、献本いただきました。
ありがとうございます。

大橋弘昌さんの、3年ぶりとなる「負けない」シリーズ第2弾!

「議論」というと、私たち日本人が苦手とする
喧々諤々と主張をぶつけ合うイメージでがありますが、
本書では、意見や主張の応酬などを幅広く扱います。

例えば、会議で自分の出した意見が批判を受けたとします。

議論下手な私などは、「そんなことはありません」と
正面から反論してしまいがち。

しかし、一旦、相手の主張に賛成しておいて、
その主張の「根拠」を逆手とってに「だからこそ・・・なのだ」と
議論を導いていくのがスマートな反論の仕方のようです。

  「相手は自らが述べた理由には反論することができない。」

この辺りは、大橋さんがニューヨーク州の弁護士として、
議論好きのアメリカ人と伍していく中で培った、
負けないためのノウハウです。

しかし、大切なのは相手に勝つことではなく、自分が負けないこと。

そもそも、議論において勝ち負けを考えている時点で
本来の目的から外れているのかもしれません。

自分の意見を主張しながらも、お互いにWin-Winの関係を
築くことが「議論」の本当のゴールです。

自分のことばかりでなく、相手の立場や相手の利益についても
考えを巡らせながら、議論を行なう必要があるということ。
これは、アサーティブな態度で議論を行なうということですね。

本書の帯には、次のようなコピーがあります。

  「会議や商談で相手に“Yes!”と言わせる説得ノウハウを初公開」

このコピーに偽りはありません。
ただ、本書の内容にはもっと深いものを感じます。

相手に無理やり“Yes!”と言わせるのではなく、
十分に納得した上で喜んで“Yes!”と言わせる状況を
作ることが、大橋流議論術の真髄と言えます。

この本から何を活かすか?

  「三段論法の前提をくつがえす」

1. すべての人間は、いつか死ぬ。〔大前提〕
2. ソクラテスは、人間だ。〔小前提〕
3. よって、ソクラテスはいつか死ぬ。〔結論〕

アリストテレスさんによってまとめられたという、
有名な三段論法。演繹法の1つですね。

議論の中でもよく使われます。

しかし、三段論法が常に論理的に正しいとは限らず、
それが成立しているか冷静に見極めることが大切であると、
大橋さんは説明します。

ポイントは、そもそもの前提にムリがないかを確認すること。

そこに間違いさえ見つければ、簡単に崩れてしまうのが、
三段論法の弱点でもあります。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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話は5行でまとめなさい

話は5行でまとめなさい―書く・話す・要約する すべてに使える必勝のストラクチャー
  話は5行でまとめなさい―書く・話す・要約する すべてに使える必勝のストラクチャー
(2009/09/17)
横江 公美 商品詳細を見る

満足度★★★★

ビックリするほど簡単で、効果的な文章術の本です。

著者の横江公美さんは、もともと文章を書くことが苦手。

文章で苦労したからこそに、一度コツをつかんでしまうと

  「なんだ、こんな簡単なことだったんだ」

と思えたそうです。

そのコツとは、基本の「サンドイッチ構造」に文を流し込むだけ。

これはアメリカで小学校の頃から徹底的に教え込まれる
「5段エッセイ」と同じ構造です。

この「サンドイッチ構造」は、次の5層から成り立ちます。

  1. パン  つかみ  言いたいこと・背景
  2. ハム  ボディ1 言いたいことの内容・理由
  3. 卵    ボディ2 言いたいことの内容・理由
  4. 野菜  ボディ3 言いたいことの内容・理由
  5. パン  言いたいこと

後は、この型に文章を流し込みます。

ただし、流し込む前に、そのテーマについて「脳内熟成」が必要と
横江さんは説明します。

これは、「リサーチ(メモ)」 → 「3つにグルーピング」 → 「文章化」
のサイクルで、脳が文章を書きたい状態まで熟成させること。

私も文章を書くとき、かななか思うように書き進められない時があります。
それは、この脳内熟成が進んでいないからなのでしょう。

脳は知らないことに、拒否反応を示すので、
リサーチが足りないまま文章を書こうとすると、苦しく感じるようです。

少しずつリサーチを続けると、点として得た知識が、
線となり、やがて面、あるいは立体的な知識となる。

そして、リサーチが楽しくなって、すぐにでも文章が書きたい状態に
なっているのが脳内熟成ができているサイン。

本書の文章術は、非常に単純に思えるかもかも知れません。

しかし、基本構造がシンプルだからこそ、
いろいろな場面で応用可能で、効果を発揮するのでしょう。

文章を書くのが苦手な方には、まさに救いの一冊ですね。

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実は今日の記事、本書の応用編に出ていた
「6段エッセイ」に流し込んで、書いてみました。

6段エッセイは、5段エッセイの結論の前に「プチ反論」をはさみます。

自ら小さな問題点を挙げることで、
賢そうに見えて、批判をかわすという一石二鳥の効果があるとか。

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この本から何を活かすか?

文章の最終チェックは音読で。

本書には、以下のような音読時のチェック項目が紹介されていました。

□ 1文1意味
□ 自分の言葉で書く
□ ファクトの引用元は正しいか
□ 嫌気な表現を削る
□ くどい表現を削る
□ 見栄っ張りな表現をしない
□ 慇懃無礼な言葉は使わない

あと、私が普段気をつけているのは、文章のリズムと、
同じような表現を何度も使わないようにすることです。

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| 文章術 | 06:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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社会主義化するアメリカ

社会主義化するアメリカ―米中「G2」時代の幕開け (宝島社新書 300)
社会主義化するアメリカ―米中「G2」時代の幕開け (宝島社新書 300)
(2009/10/10)
春山 昇華 商品詳細を見る

満足度★★★★

本書のプロローグから問題です。

次の中から、日本・アメリカ・中国の貯蓄率を、それぞれ選んでください?

   A) 28.4%
   B) 6.2%
   C) 2.2%

ちなみに貯蓄率とは、貯蓄額を可処分所得で割った比率。

「日本人は貯蓄好き」と言われてきましたが、
最近はどうやら、事情が違うようです。

引用元の資料に、少し年度のズレがあるようですが、
答えは、中国=A)28.4%、アメリカ=B)6.2%、日本=C)2.2%。

あの浪費国家アメリカの貯蓄率が、
いつのまにか5%を超えていることも驚きですが、
それにも増して、日本の貯蓄率低下は衝撃的。

今後、急速に高齢化が進む日本。

更に貯蓄率が低下し、0%で定着したり、
あるいはマイナスに転じる可能さえありますね。

実はこの貯蓄率の変化、世界で起こっている大きな地殻変動がもたらす
一つの現象に過ぎません。

起こっているのは、米中「G2」時代へ突入というパラダイムの転換。

本書では、バラク・オバマさんと胡錦濤さんが牽引する
G2時代の世界情勢を分析し、今後、日本が進むべき道を示唆します。

著者は、「サブプライム問題とは何か」や
サブプライム後に何が起きているのか」が好評だった春山昇華さん。

ブログ「おかねのこねた」も有名です。

本書が執筆された過程は、春山さんの過去2作品とは違ったようです。

最初にパワーポイントで436枚のスライドを作成し、
そこから700ページの文章を起こし、200ページに精製する。

  「700ページを200ページに蒸留する過程で生まれた
  “そうだったのか”という思いは前2冊より大きかった。」

今後の世界経済を占う意欲作に仕上がっていますね。

私が本書を読んで、“そうだったのか”という感じが強かったのは、
オバマさんと胡錦濤さんの共通点。

世界のキーパーソンの2人に間違いはありませんが、
「同じDNAを持つ2人」とする春山さんの分析は、
なかなか興味深いものでした。

この本から何を活かすか?

2009年は、日本が「世界第2位の経済大国」という
枕詞が使えなくなった、大きな転換点となりました。

GDPで日本の背後に中国が迫っていると思ったら、
あっという間に追いつかれ、
予想よりも早く抜かれてしまったようです。

これは、あがいても仕方のないこと。

後は、せっかく隣にある中国経済をいかに取り込んでいくかが
日本の考えるべき大きな国家戦略です。

しかし、そういった視点を政府が持っているかどうかが、
全く見えてこないことが、非常に不安なところですね。

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| 社会・国家・国際情勢 | 08:40 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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出社が楽しい経済学 2

出社が楽しい経済学 2
出社が楽しい経済学 2
(2009/10/10)
吉本佳生&NHK「出社が楽しい経済学」制作班 編 商品詳細を見る

満足度★★★

  「この番組は貴重です。きっともう二度とないでしょうから」

経済学者・吉本佳生さんにして、こう言わしめた「出社が楽しい経済学」。
2009年1月から、NHK教育テレビで全12回で放送された経済ドラマです。

同番組が反響を呼び、急遽、第2シーズンの制作が決定し、
2009年10月から全8回の予定で放送中です。(2009年11月現在)

放送時間は相変わらず23時からですが、
教育テレビから、NHK総合へと大出世。

今回も劇団SETの役者さんの超ベタなコント(?)は健在のようです。

さて、本書は同番組の第2シーズンを書籍化したもの。
第1シリーズの記事はこちらです)

本書では、番組と同じ8つの経済用語が、
日常生活の例に当てはめて解説されています。

  ロックイン、コミットメント、ウェブレン効果、心の会計、
  スクリーニング、勝者の呪い、レントシーキング、規模の経済性

これらのテーマは、

  ・ミクロ経済学とゲーム理論の重なり合う部分
  ・日々の暮らしに役立つテーマである
  ・居酒屋で話したくなるようなテーマである

などを選定基準に、番組スタッフと監修の吉本さんで
話し合って選ばれたようです。

見方によっては、私たちが日常生活で陥りやすいトラブルや
囚われがちな心理状況に、経済のキーワードを当てはめ
「それって、“勝者の呪い”だよね」と言っているだけのように
感じるかもしれません。

しかし、そもそも根本的な解決方法が無い問題も多いので、
経済の考え方を楽しく覚えて、そういう状況にならないように
予防するのが現実的なところでしょうか。

吉本さんと言えば世間的には「スタバはグランデを買え!」の
イメージが強かったと思いますが、
この番組への参加で、一気に「吉本さん=出社が楽しい経済学」という
ブランドが確立された感がありますね。

書店の流通経路にのせることで「規模の経済性」を活かし、
低価格に抑えたDVDブックやコミックも発売中です。

「出社が楽しい経済学」DVDブック第1巻
「出社が楽しい経済学」DVDブック第2巻
「出社が楽しい経済学」DVDブック 第3巻
「出社が楽しい経済学」DVDブック 第4巻
マンガでわかる! 出社が楽しい経済学 (別冊宝島 1606 スタディー)

この本から何を活かすか?

ポイントカードは顧客の囲い込みをしたい企業の「ロックイン戦略」

本書の第1章では、スイッチングコストを高めて顧客の乗換えを抑えたい
企業側の視点を交えて、この用語が解説されていました。

以下、ポイント還元についての個人的な見解です。

1. そもそも貨幣・紙幣とポイントを同列で論じることが間違い
2. 例えば、同じ10%でも実質割引率に差がある
3. 使える時期に差があるので割引現在価値が異なる
4. ポイントには様々なリスク要因があるので、プレミアムが必要

しかし実際のところ、現金割引かポイント還元か、
あるいはどこの店で購入するのが得かと、考えれば考えるほど、
一番貴重な財産である「時間」をコストとして支払っている点に
気をつけなくてはなりませんね。

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| 経済・行動経済学 | 06:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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職場スイッチ

職場スイッチ―ひとりでもできる会社の空気の入れ換え方
職場スイッチ―ひとりでもできる会社の空気の入れ換え方
(2009/09/18)
鈴木 義幸 商品詳細を見る

満足度★★★

ビジネスパーソンが最も多くの時間を過ごす場所が「職場」。

その職場がよどんだ空気だったら最悪です。

よどんだ空気を作る原因は、上司であることが多いのですが、
そういう上司に限って、自分が空気を作っていることに気づかず
部下のせいにしていることさえあります。

空気を入れ替えるために、換気扇のスイッチを押しましょう。

実はこのスイッチ、上司の席の後にある訳ですが、
ポッチっと押すのは、誰でもできること。

そんなコンセプトで書かれた本書は、鈴木義幸さんが
日経ビジネスオンラインに2008年7月から2009年3月まで連載していた
コラム「風通しのいい職場作り」が元になっています。

ベースが連載記事なので、全体的に軽いタッチで
読みやすく書かれています。

その中にも、空気を変えるコミュニケーションのヒントが
数多く散りばめられているのが本書の特徴。

現在(2009年11月)、同サイトでは鈴木さんの新シリーズとして
リーダーシップは磨くもの、磨けるもの」が連載中です。

このコラムも、もう少しまとまったら
本として出版されることが期待できますね。

さて、本書はスイッチを4つの種類(章)に分けています。

  第1章 まずは自分を変える! 自分スイッチ
  第2章 人の中の空気を変える! 相手スイッチ
  第3章 部内の空気を浄化する! チームスイッチ
  第4章 組織の空気を総入れ替え! 会社スイッチ

本書の中で、一番、私に刺さったのは
「2000人が祝福する誕生日」というエピソード。

これは、カナダで行なわれた国際コーチング大会に
鈴木さんが参加して体験した話しです。

詳しい内容は、本書か、日経ビジネスオンラインの
「風通しのいい職場作り」の2008年9月8日の記事をご覧ください。
(※会員登録すると2ページ目以降もアクセス可能。登録は無料。)

誕生日とは、その人が生まれた奇跡、無事に育ってきた奇跡、
そして今日出会えた奇跡と、数々の奇跡が積み重なった結果、
迎えることができた日。

私は今まで、人の誕生日をなんとなく祝ってきたところがありますが、
いろいろな奇跡が重なった結果と考えると、
本当に心の底から、その人の誕生日を祝うことができそうです。

この本から何を活かすか?

  「だから、いいんじゃないですか!」

これは、本書に紹介されていた伝説の営業マンの口癖。

どんなことを言われても、どんな状況に陥っても
この言葉で切り替えし、逆説のエネルギーで乗り切ってしまう。

確かに、このフレーズを一旦、声に出すと、
勝手に良い面を探す思考が働くようです。

この口癖、いただきました。

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| コミュニケーション | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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行動力・力

行動力・力
行動力・力
(2009/07/24)
大橋禅太郎 商品詳細を見る

満足度★★★★★

「やりたい方」を選ぶか、「平凡で無難な方」を選ぶか?

誰だって「やりたい方」を選びたいと思いますが、
この選択は「やりたい=面倒なこと」と「平凡で無難=楽ちんなこと」
の選択でもあるので、常に「やりたい方」を選び続けるのは
かなり難しいことです。

自分が「やりたい方」を選び続けるために、
大橋禅太郎さんが考えた仕組みは「マイ・クレド」を作ること。

これは、自分自身に対する宣言でもあり、
自分の中のモノサシになるもの。

本書で紹介される大橋さんの「マイ・クレド」は次の3つ。

  ・わくわくする方を選ぶ
  ・手間を惜しまない
  ・遊び心を忘れない

大橋さんは、「わくわくする方」を選び続けた結果、
イイことがいっぱい起きて、今では自分でも納得できる
素敵な場所にたどり着いたそうです。

私自身を振り返ってみると、「やりたい方」を選んだのは3割ぐらいで、
7割は「平凡で無難な方」を選択してきていますね。

本書では冒頭の30ページ目で、課題だ出されます。

  「考えない。手だけを動かす。
  3分以内にマイ・クレドを書いてみる。」

ここで、素晴らしいクレドを書こうとすると行き詰って、
結局は何も書けずに終わってしまいます。

  「再利用しろ。」

すでに世の中にある、他人のモットーやポリシー、
または好きなフレーズを、まずはパクってしまえばいい。

気が変わったら変更してもいい。

極端な話し、当面は大橋さんのクレドをそっくりそのまま
自分のクレドにしちゃってもいい訳です。

そう考えると、マイ・クレドを作るハードルがぐっと低くなりますね。

大橋さんと言えば「すごい会議」のイメージが強かったので、
今回は会議のノウハウ以外の、大橋さんのモノの考え方や生き方が
全編にわたり語られていたので、非常に刺激的でした。

時間マトリックスの大橋さんバージョンも素敵です。

本書は、サンクチュアリ出版の
「ファンキー・ビジネス・ブック」シリーズ。

当ブログでは同シリーズから、
山崎拓巳さんの「人生のプロジェクト」や
ポール・アーデンさんの「プレイ・ジョブ」を過去に紹介しました。

このシリーズは、文章が少なく、印象的な写真と刺さるメッセージの
組み合わせで構成されているのが特徴です。

本書もその形態をある程度踏襲していますが、
決して写真と大文字だけを眺める本ではなく、
読ませる文章が魂を込めて書かれているので、
同シリーズの中でも秀逸です。

  「この本が究極のナビになることを願って!」

大橋さんのこの願いは、私の中では実現しています。

この本から何を活かすか?

3分という時間の中で、私も「マイ・クレド」を考えてみました。

思い浮かんだのは、少し大橋さんのテイストを真似しつつ
名言からパクること。

これが、現時点での私のクレドです。

・Live as you will have wished to have lived when you are dying.
・我以外皆我師
・どんな状況でも楽しむ

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アニマルスピリット

アニマルスピリット
アニマルスピリット
(2009/05/29)
ジョージ・A・アカロフ & ロバート・シラー 商品詳細を見る

満足度★★★

自己の利益のみに従って完全に合理的に行動する
ホモ・エコノミクスなんて市場にはいないし、
経済は人の感情によって大きく動かされる。

行動経済学においては、ごく当たり前の考えですが、
同じ意見でも、誰が語っているで影響力は違います。

本書は、そう思わせる経済界の大御所二名の共著です。

一人は、ピーター・バーンスタインさんの「アルファを求める男たち
でも紹介されていた、ロバート・シラーさん。
投機バブル 根拠なき熱狂」の著者としても有名です。

そしてもう一人は、、情報の非対称性に関する研究で2001年に
ノーベル経済学賞を受賞したジョージ・アカロフさん。

お二人は、既存のマクロ経済学理論の限界を指摘し、
人間の心理が大きく作用する行動経済学で
本当の経済の仕組みを読み解きます。

そのポイントとなるのは、「アニマルスピリット」。

アニマルスピリットとは、日々の経済の中に存在し、
不合理な行動をとってしまう感情。

これはジョン・メイナード・ケインズさんが
「一般理論」の中で使った言葉で、邦訳では「血気」という
訳語が当てられていたそうです。

本書の第Ⅰ部では、アニマルスピリットの
安心、公平さ、腐敗と背信、貨幣錯覚、物語という
5つの側面が経済的意思決定にどう影響するかが語られます。

第Ⅱ部では、アニマルスピリットが次の8つの質問に答えるうえで
いかに重要な役割を果たすかが明かされます。

  1. なぜ経済は不況に陥るのか?
  2. なぜ中央銀行は経済に対して(持つ場合には)力を持つのか?
  3. なぜ仕事を見つけられない人がいるのか?
  4. なぜ長期的にはインフレと失業はトレードオフの関係にあるのか?
  5. なぜ未来のための貯蓄はこれほどいい加減なのか?
  6. なぜ金融価格と企業投資はこんなに変動が激しいのか?
  7. なぜ不動産価格には周期性があるのか?
  8. なぜ貧困は条件の悪い黒人の間で何世代も続いてしまうのか?

決して意外性のあることが語られているわけではありませんが、
ケインズさんのキーワードを行動経済学に持ち込み、
現実の経済の動きを解説する、非常に読み応えのある一冊です。

この本から何を活かすか?

私は、ロバート・シラーさんの
投機バブル 根拠なき熱狂」を読んでいません。

いくつかの本で紹介されていたので、
気にはなっていましたが、読むタイミングを逃していました。

そこで、Amazonを見てみましたが、残念なことに
現在はマーケットプレイスでしか扱いがないようです。

ところで、この本の訳者の中に懐かしい名前がありました。

植草一秀さん。

今はどうしているのでしょうか?

あの一連の事件さえなければ、今の民主党政権の中で、
竹中平蔵さんが小泉政権で担ったような役割を得たはず。

理路整然で、ホモ・エコノミクスにさえ見える植草さんも、
自分の中にあるアニマルスピリットには、
逆らえなかったということなのでしょう。

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| 経済・行動経済学 | 04:56 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デリバティブ汚染

デリバティブ汚染――金融詐術の暴走 (講談社BIZ)
デリバティブ汚染――金融詐術の暴走 (講談社BIZ)
(2009/07/30)
吉本 佳生 商品詳細を見る

満足度★★★★

NHK「出社が楽しい経済学」で監修を務める吉本佳生さんが
「どんなに忙しくても、この本だけは書きたい」と言った一冊。

メガバンクなどの金融機関を敵に回し、
日本のデリバティブ汚染の現状を過激に告発しています。

本書によると、現在は多くの大学や地方公共団体が
デリバティブ商品で基金などを運用しているようです。

2008年末で、実際にデリバティブ商品を利用している
地方公共団体は17団体で、総額約4200億円。

あなたの住んでいる自治体は大丈夫でしょうか?

具体的に投資したとされる金融商品は、
「PRDC債(パワーリバースデュアルカレンシー債」と
「FXターン債」と呼ばれる仕組債。

これらの商品は、「表面」と「実態」で
次のような大きなギャップがあると、吉本さんは指摘しています。

   <表面上では>           <実態は>
・優れた金融商品に投資した  ⇔ ・怪しい投資話しにひっかかった
・元本は安全                     ⇔ ・ほぼ全額損失
・高度な運用                      ⇔ ・無責任な運用
・金融機関の手数料はゼロ    ⇔ ・金融機関は契約時に巨額の利益

  「デリバティブ=利益先食い+損失先送り+責任逃れ」

警告の意味を込め、ワーストケースシナリオが用いられているので、
かなり極端に感じるかもしれません。

しかし、投資で大切なことは、最悪のケースを常に想定しておくことですから、
こういった認識を持つことは必要です。

私は、吉本さんほど「デリバティブ=詐欺」といった、
強い思いはありませんが、
最大の問題は、そのリスク認識がしにくい点だと思います。

ですから焦点となるのは、デリバティブに投資している地方自治体が、
どの程度のリスク認識で、どの程度の割合で組み込んでいるかということ。

金融リテラシーが高い地方の首長というのも、
あまり想像できませんから、吉本さんが指摘するように
「国債より高利回りで元本保証」という金融機関の甘いセールストークを
鵜呑みにしている地方自治体も十分にありそうです。

フリーになって制約がなくなり、
言いたい事を言っている感じがする吉本さん。

ただ、ここまで書くと、私は吉本さんの身を案じざるを得ません。

【関連著作】
本書は、金融商品自体の説明にあまり多くのページを割いていないので、
同じ吉本さんの著作では

金融商品にだまされるな!
金融機関のカモにならない! おカネの練習問題50
金融広告を読め

などと併せて読むと良いでしょう。

この本から何を活かすか?

  「“満期についての選択権”を奪われる金融商品は、明らかに欠陥商品」

これは、吉本さんがPRDC債やFXターン債の
「最も毒性の強い部分」として指摘している事項です。

私が投資で、一番重視している点は「流動性」。

流動性を軽視して、過去に痛い目にあったことがありますから、
これは身に染みて分かっていて、以来、自分の掟としています。

売りたい時に売れる。

これはリスク管理をする上での大前提ですね。

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| 投資 | 06:28 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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脳の中にいる天才

脳の中にいる天才
脳の中にいる天才
(2009/09/03)
所眞理雄×茂木健一郎[編]、竹内薫[訳] 商品詳細を見る

満足度★★★

私は、てっきり茂木健一郎さんと所眞理雄さんの対談を
サイエンスライターの竹内薫さんがまとめた本かと思っていましたが
まったく違っていました。

確かに、そう考えると竹内さんが「翻訳」と
クレジットされているのが解せません。

実は、本書は次のような経緯で出版されています。

2004年4月にイタリアのボローニャに近いベルチノロという
小さな村の古城で、様々な分野で活躍する科学者が集まる
シンポジウムが開催されました。

テーマは「脳の創造性」。

会合は比較的小さなもので、7人のパネリストが
順に「講義」をする形で進行しました。
もちろん講義は英語です。

竹内さんはサイエンスライターとしてこの会合に同行し、
この「クリエイティブな脳」についての英語の議事録をまとめ、
海外で出版したそうです。

数年が経過し、それを日本語訳として出版したのが本書です。

以下、7人のパネリストとその講義内容を簡単に紹介します。

  1. 脳の中にいる天才 : アラン・スナイダー教授
     脳のアルゴリズムへ直接アクセスする「天才マシーン」

  2. 脳の不思議な3秒ルール : エルンスト・ペッペル教授
     脳の中のメトロノームと、3秒間持続する「今」という感覚

  3. アキレス腱と創造性 : 北野宏明博士
     強靭さと脆弱性のトレードオフの関係から創造性を探る

  4. 赤ちゃんは創造的か? : フィリップ・ロシャ教授
     赤ちゃんから幼年期の認知状態と創造性の育て方

  5. ベイビー・トーク : 正高信男博士
     言語と創造性の始まり

  6. ジキル博士とハイド氏とクオリア : 茂木健一郎博士
     脳の中に住むホムンクルスと感情システム

  7 .天才は孤独ではない : ルック・スティール博士
     社会性の文脈の中で発見した天才たち

7人それぞれの立場があるので、一方向からだけの視点ではなく、
ある面においては反対の意見が述べられているのが
なかなか興味深いところです。

この本から何を活かすか?

  「創造的な学習を阻んでいるのは、何が新しいことなのかに
  気づかず、何を学ぶべきなのかがわからないことです。」

これはアラン・スナイダー教授の言葉ですが、
その原因として挙げられているのが、私たちが持つ「マインドセット」です。

マインドセットとは、思考をショートカットするためのテンプレート。
過去の経験によって蓄積された「思い込み」。

私たちは、スナイダー教授の作った「考える帽子」を
かぶってマインドセットをなくすわけにいきませんが、
良くも悪くも、自分がマインドセットを通して世の中を見ているという
認識は持っていたほうが良さそうです。

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| | 06:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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恐慌は日本の大チャンス

恐慌は日本の大チャンス  官僚が隠す75兆円を国民の手に
恐慌は日本の大チャンス 官僚が隠す75兆円を国民の手に
(2009/09/30)
高橋 洋一 商品詳細を見る

満足度★★★

竹内薫さんとの共著、「バカヤロー経済学」が出版された時は、
2009年3月に発生した「事件」直後で、名前が伏せられていた
高橋洋一さんですが、やっと表舞台に戻ってきたようです。

ちなみに、高橋さんは政府の埋蔵金を暴き、
竹中平蔵さんのブレーンを務めた元内閣参事官。

本書の冒頭では、事件についての弁明が書かれています。

サウナでの高級時計等の窃盗容疑で書類送検、その後、不起訴処分。

高橋さんの話では、ロッカーで忘れ物を発見したが、
マッサージを受け寝込んでしまったので、そのことを忘れて
施設をを出てしまった。
すると、外では警察が待ち受けていたと。

いろいろな意味で不自然な事件で、霞ヶ関に刃向かったために、
嵌められたとの噂もありますが、
高橋さんは一応、自分の落ち度を認めています。

さて本書は、基本的に「この金融政策が日本を救う」で書かれた
主張と大筋では変わっていません。

事件前に原稿は書き上がっていたようで、高橋さんが批判する相手は、
当時の麻生政権、与謝野馨さん、そして官僚です。

表舞台から消えている間に、鳩山民主党に政権交代してしまったので、
若干の加筆が行なわれています。

高橋さんは、いわゆるリフレ派。
要するに、軽めのインフレを目指す金融緩和派です。

政府紙幣の発行とインフレターゲットのセットで
通貨膨張による景気回復を訴えます。

ミルトン・フリードマンさんや、ベン・バーナンキさんらが
主張していた「ヘリコプターマネー論」ですね。

高橋さんは、財源が心配される今の鳩山政権には、
埋蔵金を財源に充てることで、それなりに期待している様子です。

私が、今の民主党政権で心配な点は2つ。

1つ目は、民主党が日銀を擁護する体制だったこと。
2つ目は、国債の発行額。

国債は44兆円以下にしますって言われても、いくらなんでも多すぎ。
ヘリコプターでお金をばら撒く前からこの発行高ですから、
さすがに政治に関心が薄い私でも、ちょっと待てと言いたくなります。

この本から何を活かすか?

リフレ派といえば、最近、勝間和代さんの「リフレ論」が
ネット上で話題になっているようです。

勝間さんって、リフレ派でしたっけ?

きっと、リフレ派には手厳しい池田信夫さんが
激しく非難しているのではないでしょうか。

私は、この「勝間リフレ騒動」に完全に乗り遅れているので、
たまには勝間さんのサイトを覗いて見ます。

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| 経済・行動経済学 | 05:53 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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ジグ・ジグラーのポジティブ思考

ジグ・ジグラーのポジティブ思考―可能性を開く6つのステップ
ジグ・ジグラーのポジティブ思考―可能性を開く6つのステップ
(2009/08/28)
ジグ・ジグラー 商品詳細を見る

満足度★★★

2000年に刊行された、ジグ・ジグラーさんの
See You at the Top」の25周年記念版の邦訳本。

日本語版が出るまで、10年近くも経ってしまうと、
25周年版のハズが、もうちょっとで35周年になってしまうのが
少し悲しいところでしょうか。

監訳は金森重樹さんです。

ジグラーさんは、アメリカで最も成功したセールスマンとして知られ、
30年以上にわたりトップモチベーターとして活躍するカリスマ講演家。

本書は、自己啓発本の古典として売れ続ける名作です。

健全なセルフイメージをつくり、
ポジティブな人生のための姿勢を養います。

そして、 6つのステップで階段を登り、
その先にある成功への扉を開きます。

  1. 健全なセルフイメージ
  2. 良好な人間関係
  3. 目標設定
  4. 正しい心構え
  5. 働くこと
  6. 熱望すること

ジグラーさん自身がセールスマンとして成功したのは、
ある講習で、講師から声をかけられたのがキッカケです。

  「君は大物になれる」

尊敬する講師からのひと言で、
ジグラーさんのセルフイメージは劇的に変わります。

自信を持って、チャンピオンのように考えて行動できるようになった
ジグラーさんが、売れないセールスマンからトップセールスマンへ
変身をとげるには、1年もかかりませんでした。

  「あなたが当然得るべきであり、得る能力もあるものを
  手に入れられるように手助けすることが、本書の目的だ。」

ジグラーさんは、馬を水のみ場に連れて行くだけでなく、
水を飲ませる方法も知っています。

それは、馬に塩のかたまりなめさせてやること。
そうすると、やがて喉が渇いて水を飲みたくなる。

  「この本があなたの“塩のかたまり”になるだろうと信じている。」

本書に詰め込まれた数々のエピソードには、
まさに25年以上経っても風化しない、塩のかたまりのようです。

今年(2009年)の11月6日にジグラーさんは
83歳の誕生日を迎えましたが、まだまだ、精力的に活動中。

直接、ジグラーさんの声を聞きたい方は、
podcastも配信中ですから、こちらのサイトからどうぞ

この本から何を活かすか?

監訳の金森さんも触れていますが、
本書には、成功哲学書で語られることの少ない、
夫婦のあり方についての記述があります。

夫婦生活の問題となる3つの原因。

  一つ目は、時間と共に相手の存在に慣れてしまうこと。
  二つ目は、私たちの暮らしている環境が問題を増大させていること。
  三つ目は、道徳観念の変化。

私も、ちょっと思い当たることがありますね。

ジグラーさんは、夫と妻に向け・夫向け・妻向け、
それぞれにアドバイスを書いていますが、
私はその中でも、次のアドバイスを肝に銘じておきたいと思います。

  「あなたの愛情をめぐって、配偶者と子供と争わせてはならない。
  配偶者だけに充てる時間を取っておこう。」

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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アルファを求める男たち

アルファを求める男たち――金融理論を投資戦略に進化させた17人の物語
アルファを求める男たち――金融理論を投資戦略に進化させた17人の物語
(2009/09/25)
ピーター・バーンスタイン 商品詳細を見る

満足度★★★★

リスク―神々への反逆」の著者として知られる、
ピーター・L・バーンスタインさんの遺作。

1993年に出版された「証券投資の思想革命」の続編です。

ちなみに、私が以前に読んだのは初版ではなく、
2006年に東洋経済新報社から刊行された同書の普及版です。

「思想革命」では、1950年代~1980年代までに築かれた
現代の投資理論体系(キャピタルアイディア)が生み出された
経緯を軸に、リスク指標の「ベータ」をメインテーマとしていました。

それに対して本書では、キャピタルアイディアがその後、
どのように商業的な成功に結びつき、「アルファ(超過収益)」を
生み出しているかが中心に語られています。

20年の歳月を経て、投資理論は象牙の塔からコンピューター・ルームへ
その活動の場を移したようです。

本書で、アルファを求める男たちとして描かれるのが、
ポール・サミュエルソン、ロバート・マートン、ウィリアム・シャープ、
ハリー・マーコビッツ、マイロン・ショールズ、ユージン・ファーマ、
ビル・グロース、マーティン・リーボヴィッツ(以上敬称略)など
その多くが前著にも登場したお馴染みの面々。

実際に投資の世界に身を置き、自らファンドを設立・運用して、
理論の有効性を実証している方が多いのが、日本の学者との違いですね。

本書は、登場人物だけでなく、内容も「思想革命」とのつながりが多いので、
こちらを最初に読んでしまうと、ちょっと辛いかもしれません。

マーケットは、自らの行動がマーケット自体にも影響を与える
因果応報の世界です。
存在が大きくなればなるほど、自分の首を絞めることにもなります。

そして、いくら完璧なキャピタルアイディアを構築し、
マーケットで有効に機能することが立証されても、
そのアイディアに優位性があればあるほど、
すぐに多くの投資機関でのプロセスに組み込まれ、
アルファはあっという間に逃げていく。

その極端な例が、裁定機会の消滅です。

本書に登場するような投資理論は、一般の個人投資が
簡単には活用できないほど、最近は高度化されています。

しかし、このアルファのパラドックスがあるために、
キャピタルアイディアを駆使した投資と、一般の個人投資家の間には、
実際のところ、それほどパフォーマンスの差がないのかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「どうやらリーボヴィッツは虹を追いかけていって、
  ついにその端に黄金の壺を発見したようだ。」

これはバーンスタインさんが、マーティン・リーボヴィッツさんの
実績を評した言葉。

よく英語の表現(諺?)では、欲しくても手が届かないものとして、
“a pot of gold at the end of the rainbow ”という表現を目にしますね。

アルファを求める旅を続けると、The Holy Grail(聖杯)は発見できなくても、
黄金の壺は見つけることができるということでしょうか。

いずれにせよ、大切なのは、旅を続けるということです。

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| 投資 | 11:02 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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村上式シンプル仕事術

村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則
村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則
(2009/10/02)
村上 憲郎 商品詳細を見る

満足度★★★★

正直に言って、あまり仕事術の本ではありません。
書かれているのは原理原則。

村上式シンプル英語勉強法」がベストセラーになり、
その中での「今の時代、英語ができなきゃ話しにならない!」
という発言が誤解を招き、村上憲郎さんが伝えたことが
あまり伝わらなかったようです。

村上さんが、誤解を解くために改めて本書で伝えているのは、
「英語以前に、仕事ができなきゃ話しにならない!」ということ。

しかし、本書の内容を見る限り、
村上さんの本音は、もう1つ深いところにあり、
「仕事以前に、教養をつけなきゃ話しにならない!」
と言いたげな感じです。

実際のところ、全体の1/3のページ数を割き、
“仕事における7つの原理原則”が書かれていますが、
これは、本を売るために戦略的に設けられたパート。

村上さんが本当に書きたかったのは、残り2/3のページで
力強く語られている、国際社会で欧米人に伍していくための
教養力の身につけ方。

ですから、本書は既存の仕事術の本とは異なり
次のような特徴があります。

  1. 仕事術は、あまり語られていない
  2. 30分で教養を底上げできる
  3. 理系の人をひいきした内容になっている

メインで語られるのは、キリスト教、仏教、西洋哲学、
アメリカ史、マンキュー経済学、ハイエクの自生的秩序。

村上さんが40年の仕事人生の中で必要性を感じた
これらのテーマの概要が説明され、
本当の教養を高めるための道しるべが示されています。

キリスト教は、垂直の軸であり、形而上学であり、トンデモ話しである。

かなり村上さんの独断が入っていて面白いですね。

また、本書を文系の方が読むと気を悪くするかもしれません。

村上さんは、大卒の初任給が理系も文系も同じことを
「不当な扱い」とし、各企業が初任給を「理系は文系のせめて30%増し」
にすることを提案しています。

そして、本書の第4部はを「理系諸君へ」と題し、
量子力学を学ぶことの重要性が、熱く語られていました。

この本から何を活かすか?

昨日の記事で、日本の理系離れを食い止めるために、
私が提案したのが、科学者の学習マンガをもっと多く出版すること。

一方、村上さんが理系離れの食い止め策として
本書で提案するのは、量子力学を学ぶこと。
特に教育者が、量子力学を最終目標に教えることが大切だと語られています。

しかし、私には、量子力学に興味を持つ前の段階で、
すでに理系離れが進んでいるイメージがあります。

ですから、もっと前の段階で、パズルやマンガ、
あるいは台所にあるモノを使っての簡単な実験や観察など、
もっと日常で理科や数学の面白さを体感できる機会を増やすことを
量子力学に興味を持たせる前にすべきだと思います。

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| 仕事術・スキルアップ・キャリア | 06:40 | comments:0 | trackbacks:3 | TOP↑

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生命の謎は「タンパク質」で読み解ける!

生命の謎は「タンパク質」で読み解ける!(ナレッジエンタ読本25) (ナレッジエンタ読本 25)
生命の謎は「タンパク質」で読み解ける!(ナレッジエンタ読本25) (ナレッジエンタ読本 25)
(2009/10/03)
白木賢太郎(タンパク質学者) 商品詳細を見る

満足度★★★

ゆで卵は、決して元の生卵に戻ることはないのか?

そもそも、なぜ、生卵をゆでると、
まったく性質の異なるゆで卵になるかというと、
主な要素であるタンパク質の構造が変わってしまうから。

加熱すると、もともとタンパク質が持っていた
それぞれの働きを担うことができる折りたたまれた構造
(ネイティブ構造)から、伸びてゲル化した構造になってしまう。

冒頭の問いに対して、著者の白木賢太郎さんは、
次ぎのように回答しています。

  「実は、熱によって変性したタンパク質を元の形に戻すことは、
  不可能ではない。タンパク質が変性した構造をネイティブ構造に
  戻す過程を“タンパク質フォールディング”という。」

但し、100%不可能ではなくとも、現在の技術では
簡単にできることではないという「オチ」はつきますが。

本書では、タンパク質をキーワードに生命の謎に迫ります。

  第1章 生命や意識とは何か
  第2章 子どもはなぜ親に似るのか
  第3章 生きるとは何か
  第4章 生物はなぜ死ぬのか
  第5章 人工生命をつくれるのか

イスとイヌの見分け方、ご飯の行方、インフルエンザとワクチンなど
日常の身近なテーマで、タンパク質の働きが説明されているので、
非常に分かりやすい生物化学の入門本書となっています。

この分野の本は、「生物と無生物のあいだ」などで有名な
福岡伸一さんとの本と、どうしても比較してしまいます。

福岡さんの本は、ドラマティックな描写で読み物として興奮を味わえます。
科学者としてよりも作家としての才能がが前面に出ています。

一方、白木さんは、専門の研究を一般の人にも分かる言葉で伝える
科学者という立ち位置で、本書を執筆しています。
ですから、これから生物を学ぶ人の副読本的なイメージでしょうか。

本書が講談社のブルーバックスの1冊として並んでいても、
まったく違和感がないように思えます。

構造式などが全く出てこないわけではありませんが、
用語解説も充実しているので、
興味さえあれば、難しく感じることなく読める本です。

この本から何を活かすか?

本書では、アメリカの分子生物学者クレイグ・ベンダーさんの自伝、
ヒトゲノムを解読した男」が、21世紀の科学者像を予感させる
名著として紹介されていました。

私は、未読なので、今度読んでみようと思います。

ところで、昨日の記事でウチの子のお気に入りとして
紹介した「小学館版学習まんが人物館シリーズ」。

これは小学館版だけの話ではありませんが、
近年の科学者が、こういった学習マンガに登場することは
ほとんどありません。

心配される理系離れをくい止めるためには、
もっと新しい科学者の学習マンガを、どんどん刊行してほしいものです。

ノイマンさん、ワトソンさんとクリックさん、ホーキングさん・・・
もちろんベンダーさんの学習マンガも読んでみたいですね。

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| 科学・生活 | 06:37 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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3秒間! 脳内整理術

モヤモヤ頭をスッキリ頭に変える 3秒間! 脳内整理術 「にこまる」で超図解すればらくちん問題解決
モヤモヤ頭をスッキリ頭に変える 3秒間! 脳内整理術 「にこまる」で超図解すればらくちん問題解決
(2009/10/31)
茂野太陽 商品詳細を見る

満足度★★

以前、紹介した松宮義仁さんの
A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい」の記事では、
献本いただいたにも関わらず、
私は満足度★★として記事を書きました。

その時は、Amazon出版キャンペーンのリンクすら貼らなかった。

本音の感想を書いて、あまり賞賛するような記事ではありませんでしたが、
今回は松宮さんと同じグループの茂野太陽さんの本を献本いただきました。
しゅっぱん2.0の齋藤さん、ありがとうございます。

さて、前置きが長くなりましたが、本書の狙いは
簡単な図を描いて、思考を整理すること。

図のパターンは3つ。

  1. にこまる基本図
  2. にこまる時間図
  3. にこまるらせん図

本書では、特に「にこまる基本図」を多用しながら、
一見複雑なことをシンプルに考える方法が説明されています。

この基本図は、数学の「集合」時に使った、2個の〇が部分的に重なる
「ベン図」を描いて、上方向に2本の矢印を伸ばし、
更に、上方にもう1つ小さな〇を加えたもの。

実際の図は、茂野さんのサイトキャンペーンサイトをご覧ください。

この図を見て私が思い出したのは、「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス」で
エリヤフ・ゴールドラットさんが使っていた対立解消図の「雲」。

「にこまる基本図」とは全く形が違いますが、
対になっていたり、対立する2つの考えから、
新たな方策を探るという点では、同じように使うのでしょう。

本書で興味深かったのは、茂野さんが3つの図を考えついた原点。

にこまる基本図は、「南方熊楠さん」から。
にこまる時間図は、「ブラックホールとホワイトホール」から。
そして、にこまるらせん図は「弁証法」から。

時間図とらせん図は、十分にイメージが湧きますが、
異才の民俗学者、博物学者として知られる南方熊楠さんの関連書籍から
基本図を発想したのが面白いところ。

  「(南方熊楠さんの関連の本を読んで)
  物事をいろいろな角度から俯瞰し、1点に交わるところ(翠点)を
  探るという手法、そして翠点付近では、物事があいまいな状況で
  存在しているという発見が、私が好きな物理学の原理である
  “不確定性原理”と通じるものを感じ、より強くひきつけられました。」

茂野さんは、知の巨人から時代を超えてインスパイアされ、
新しい発想を生み出したということですね。

この本から何を活かすか?

最近、うちの子供は「学習まんが」にハマっています。

王道の世界史モノや日本史モノには、まだ興味はないようですが、
「小学館版学習まんが人物館シリーズ」や
科学偉人伝―まんが 発明発見の科学史」などがお気に入り。

マンガといっても侮れず、私も今さらながら読んで、
かなり勉強になるところがあります。

南方熊楠さんについても、小学館の人物館シリーズから
出ていますので、子どもと一緒に読んでみようと思います。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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| 問題解決・ロジカルシンキング・思考法 | 06:40 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」

勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」~自分ブランドで課題克服(NHK出版生活人新書)
勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」~自分ブランドで課題克服
(2009/10/10)
勝間和代&藤巻幸夫 商品詳細を見る

満足度★★★

NHK教育テレビ「知る楽」シリーズで木曜日に放送中(2009年11月現在)の
インタビュー番組「仕事学のすすめ」から書籍化された本です。

この番組では、ゲストにインタビューし、番組をナビゲートする役を
トランスレーター(翻訳家)と呼んでいます。

偶数月のトランスレーターが、主に勝間和代さん。
奇数月のトランスレーターが、主に藤巻幸夫さん。

本書は、第1章がゲスト:藤巻さん、トランスレーター:勝間さんで
「人心巻き込み力」と題して2009年4月に放送された回の内容。

第2章がゲスト:勝間さん、トランスレーター:藤巻さんで
「働く女性 課題克服仕事論」と題して2009年8月に放送された回の内容。

第3章が番組では放送されていない、勝間さんと藤巻さんの
対談が収録されています。

各放送回のテキストも発売となっていますが、
対談が収録されているので、本書の方がお得感がありますね。
  ・仕事学のすすめ 2009年4-5月(藤巻さんの回のテキスト)
  ・仕事学のすすめ 2009年8-9月(勝間さんの回のテキスト)

と言っても、主に第1・2章で語られるのは、
お2人が自分を成長させてきたきた歴史。

藤巻さんは、伊勢丹、福助、イトーヨーカドーでの挫折と成功体験。
勝間さんは、アーサー・アンダーセンとマッキンゼー時代の課題克服方法。

過去にお2人が書いた本の要約版のようなイメージですから、
お2人のフォロワーの方にとっては、およそ聞いたことのある話が
多いかもしれません。

ただし、勝間さんも藤巻さんも聞き役として上手なので、
お2人のいつもとは違った一面も引き出されているのも事実です。

また、勝間さんも藤巻さんも、突出した能力を持っていますが、
スーパーマンではありませんから、当然、欠けている面もあります。

しかし、この2人がコラボすると、お互いの欠点を補い合い、
1+1=2になるではなく、1×1=100になるくらい相性の良い、
強力のタッグといった感じがします。

私にとって印象的だったのは、本書に掲載されている
わずか数点のモノクロ写真。

勝間さんの表情がとても柔らかい。
いつもの威圧する怖さ(?)がありません。

これも藤巻さんとのコラボが成せる業なのでしょう。

この本から何を活かすか?

藤巻さんが面接などで使うという「人材マトリクス」

縦軸が、情熱的な人か冷静な人か、
横軸が、単純系の人か複雑系の人か。

←単純系      ↑情熱的     複雑系→

単純系/情熱的

複雑系/情熱的

単純系/冷静

複雑系/冷静

           ↓冷静

このマトリクスに本書のお2人を配置してみると、
藤巻さんは「単純系/情熱的」になると思いますが、
勝間さんは「複雑系/情熱的」か「単純系/冷静」か迷うところです。

こうして使ってみると、このマトリクス、
縦軸と横軸の要素があまり独立していないような気がします。

面接などで使うなら、横軸を「協調系・独立系」に
変えてもいいかもしれません。

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| 仕事論 | 06:41 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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ゲーム理論の思考法

ゲーム理論の思考法
ゲーム理論の思考法
(2009/09/01)
川西 諭 商品詳細を見る

満足度★★★★

さて、本書から1問出題です。

  ある砂浜にA店、B店という2つのアイスクリーム屋が
  出店しようとしています。砂浜の幅は100メートルあり、
  海水浴客はほぼ均等に散らばっています。
  さて、それぞれの店主はどこに出店するでしょうか?

     a)2店とも中央に出店する
        〈----------------AB----------------〉
     b)砂浜の両端にそれぞれ出店する
        〈A--------------------------------B〉
     c)お互いが両端から25メートルの位置に出店する
        〈-------A------------------B-------〉

これは、「ホテリング・ゲーム」と呼ばれるもの。
ここまで単純な例は珍しくても、こういった出店をめぐる
テリトリー争いは現実の世界でも、よくありますね。

この問題では、「a)の2店とも中央に出店する」が
ナッシュ均衡、つまりお互いに相手の戦略に対して
最良の行動を取り合っている状態です。

実際に、同種の競合店が近接している状況はよく見かけますから、
私たちの生活の中でも、ゲーム理論が働いているということでしょう。

著者の川西諭さんは、本書の目的を
ゲーム理論特有の「戦略的思考」を身につけることとしています。

囚人のジレンマ、コーディネーション・ゲーム、
チキンゲーム、マッチング・ゲーム、ホテリング・ゲーム、
エスカレーション・オークション、最後通牒ゲームといった
代表的なゲーム理論が、じっくり学べます。

  1. ゲームの構造を把握する
  2. 起こりうる未来を予測する
  3. 適切な解決策を見つける

本書では、この3つの視点からゲーム理論を学び、
実際の現場で活かすための思考法を身につけます。

また、ゲーム理論で大切なのは、
相手の立場も含め全体の構造を俯瞰すること。

全体を俯瞰した時に、現在のゲーム構造において、
良い解決法が得られない場合は、
「ゲームを支配しているルールを変える」発想を持つことも
重要だと、西川さんは語っています。

ゲーム理論本の中には、理論と現実との結びつけが
あまりうまくいっていない本もありますが、
その点も本書はスムーズ。

当ブログでも、過去にも何冊かゲーム理論関連の本を
紹介していますが、分かりやすさでは本書が一番。

特にはじめてゲーム理論を学ぶ方には最適な一冊です。

<参考:過去のゲーム理論関連の本>
・クルマは家電量販店で買え!
・じゃんけんはパーを出せ!
・もっとも美しい数学 ゲーム理論
・経済は感情で動く
・オークションの人間行動学

この本から何を活かすか?

エスカレーション・オークションとは、
1ドル札や1000円札そのものをオークションにかけ、
入札者は、落札しなくても入札額を支払うルールです。

川西さんは、このオークションはバブルと似たところがあり、
ゲーム理論の3つのポイントで、次ぎのように解説します。

  1. ゲームの構造
     → いずれは損をする(得をする人はいない)
  2. 未来の予測
     → 落札できるのは1人で、支払う金額は商品の価値を超える
  3. 解決策
     → はじめから参加しない

この構造は、バブルでなくても常にマーケットには存在します。
そのルールを知って、あえて参加するのがトレンドフォロー型。

但し、3番目の解決策だけが違いますね。

  3. 解決策
     → ストップロスを必ず置き、厳格に管理する。

この解決策を持たなければ、長くマーケットで生き残ることはできません。

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| 経済・行動経済学 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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分類思考の世界

分類思考の世界 (講談社現代新書)
分類思考の世界 (講談社現代新書)
(2009/09/17)
三中 信宏 商品詳細を見る

満足度★★★

  「分類するのは人の常(To classify is human)」

私たちは、日常の中でいろいろなものを分類します。

私が少し前に悩んだのは、このブログのサイドバーにある
記事の「カテゴリー」をどう設定するか? について。

グルーピングの大きさをどうするか。階層をつくるか。

考えるほどに細分化され、やっと落着いたと思っても、
必ずどのカテゴリーにも属さない本が登場します。

分け方に正解はありませんが、分ける側の視点と、
使う側の視点の両方で、使い易くなくてはなりません。

最終的に、納得した分類はできず、
ある程度のところで妥協することにしました。

本書を読むと、私のこの悩みは、
いろいろなものを分類しようとしてきた人類が
ずっと付き合い、格闘してきた悩みでもあることが分かります。

整理するため。記録するため。
人は昔から分類せずにはいられなかったようです。

本書では、生物学上の分類の歴史を中心に、
様々なトピックを扱いながら、人間の根源的な欲求としての
分類とは何かを論じます。

また、分類をテーマにした本だけあって、
巻末の文献リストも、独自のこだわりで分類(?)されているのが、
非常に興味深いところです。

生物に、そもそも切り分けられる「種」は存在するのか?
それとも人が都合のいいようにカテゴライズしているだけなのか?

生物学者は、この「種の問題」を何世紀にも渡って、
議論していますが、いまだに解決の目処はたっていないとか。

著者の三中信宏さんは、前著「系統樹思考の世界」で示した考えを
「つなぐ」ことで体系化した「タテ思考」、
本書の「分類思考」を「わける」ことで体系化した「ヨコ思考」とし、
この2つの思考は、複雑な要素が絡み合う世界を
読み解くための重要な「車の両輪」であると述べています。

本書で取り上げられるトピックは「モーニング娘」などの
一般の人でもイメージできる分かりやすい例もありますが、
生物学の専門的な話しや哲学をテーマにした話しなど、
ちょっと難しいものが多い印象です。

あまりこの手の話しに興味のない方は、
ちょっと敷居が高いと感じる本かもしれません。

この本から何を活かすか?

分類すると、どんなメリットがあるのか?

端的に言うと、思考の節約。

パターン認識により時間を使わずに判断できる反面、
認知バイアスの影響を受ける欠点があります。

私は日常的に、株や為替のチャートを眺める機会が多いのですが、
トレンドラインを引く行為も、言わばひとつの分類です。

トレードにおいても、このヒューリスティックの罠に
足元をすくわれないよう、うまく付き合っていく必要があります。

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| 科学・生活 | 06:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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目立つ力

目立つ力 (小学館101新書 49)
目立つ力 (小学館101新書 49)
(2009/10/01)
勝間 和代 商品詳細を見る

満足度★★★

「人気ブログの作り方」を解説した本です。
ただし、それは手段であって目的ではありません。

目的は、ブログを中心としたインターネット・メディアで目立ち、
メジャー化することで発言力を身につけ、
自分の夢を実現しやすい環境を作ること。

ちなみに、勝間和代さんは自分の目的を次のように語っています。

  ひとりでも多くの日本人に自立に必要なスキルを届け、
  日本全体の生産性向上を図り、男女共同参画を推進させ、
  若年層の閉塞感を打破し、少子化問題の解決を図ることが
  ミッションです。

大きな人生戦略があって、それを実現する手段として
ブログなどを有効に使うのが理想かもしれませんが、
誰もがそんなビックピクチャーを持っている訳ではありません。

単純に「伝えたい」という欲求だけで、
始められるのが、ブログの良いところ。

始めるのも簡単、やめるのも簡単。
ただし、ずっと続けるのはそれなりに難しい。

しかし、難しいながらも続けていると、
ブログに自分が育てられるというのも大きな特徴ですね。

あまりハードルを高くしてブログを書き始めるても、
エントリーが難しくなり、長続しませんから、
興味あるテーマに絞って、気負わず始めるのが
最も現実的なところでしょうか。

さて、本書では勝間さんが培ったブログ作りのノウハウが
分かりやすく解説されています。

以下、「面白いブログ・コンテンツを書くための20のルール」から
個人的に、参考になったものをいくつか抜粋。

  1. スクロールせずに読める長さで週1回は書く
  6. 最初の2行を選ぶ
  8. 「わかる、わかる」という内容で
  9. 「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
  10. 「私の代わりに〇〇してくれて、ありがとう」ブログを目ざす
  20. 読んでくださっている人への、感謝の気持ちを忘れない

20項目がキッチリ実践されていれば、
ブログに一定の人気は出そうな感じがします。

本書の最後は、村山らむねさんと、小飼弾さんとの対談です。
勝間・藤巻に聞け!「仕事学のすすめ」もそうですが、
勝間さんも最近コラボ率が増えていますね。

この本から何を活かすか?

2009年11月現在、このブログのアクセス数は、
1日ユニークユーザー数で500~700程度、
月間のページビュー数は30,000に少し届かない程度です。

これは、当初よりある数字に比例して、一貫して伸びてきています。

その数字とは、「記事の投稿本数」。
およそ投稿本数±100で、ずっと推移しています。

このブログでは、1日に何本も記事を投稿することはないので、
ひょっとすると、更新日数に比例しているのかもしれません。

勝間さんが本書で公開していたノウハウを積極的に活用すると、
もっとアクセス数が増えるのかもしれませんが、
その辺は気にせず、私は休む時は休みながらも、
地道に更新を続けて生きたいと思います。

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| ノウハウ本 | 05:44 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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コンサルタントの「解答力」

コンサルタントの「解答力」 (PHPビジネス新書)
コンサルタントの「解答力」 (PHPビジネス新書)
(2009/09/19)
野口 吉昭 商品詳細を見る

満足度★★★

大好評だった『コンサルタントの「質問力」』を受け、
今度は、「質問」に対し「解答」をテーマにしたのかと思いましたが、
そんな単純な私の考えは完全に見透かされていました。

野口吉昭さんは、「まえがき」で次のように書いています。

  本書は一見、それと(質問力)と対になる「解答力」というテーマだが、
  決して「質問力」の続編というわけではない。本書で扱うのは、
  「質問にどう答えるか?」というだけの解答ではないからだ。

単純に正解を教えても、人は動きません。

ましてや、相手の期待とズレていては聞く耳をもたれませんし、
それでいて、当たり前すぎる解答では何のインパクトもありません。

大切なのは、相手軸にありながらも、
相手が気づいていない視点を示すこと。

これは、少し前の記事で紹介した岩瀬大輔さんが、
ベイカー・スカラーを獲得した秘訣として語っていた内容と同じです。

本書では、野口さんがコンサルタントとして培った
次の3つのスキルが、いろいろなエピソードを交えながら解説されます。

  1. 期待値を読む
  2. 本質を彫りだす
  3. ロジックとパッションで人を動かす

私が本書の中で面白かったのは、お釈迦様のエピソード。

お釈迦様、つまりブッダですが、
その教えは様々な形で経典として残っています。

しかし、これらはすべて、ブッダの死後、弟子たちがまとめたもの。

ブッダは生前、自分の考えを文字に書き表すことをしなかったそうです。

それは、なぜか?

ブッダの説法は「対機説法」あるいは「応病与薬」と呼ばれます。
これらは、相手によって説法の内容や、話し方を変える対話法。

つまり、ブッダは目の前にいる人に最も適した話をして、
その場の人の心を動かすことに一番の重きを置いていた。

それゆえ、目の前の人が想定できない文字には、
教えを残さなかったようです。

野口さんは、ブッダを「相手軸に立った究極の解答力を備えた人」
と評しています。

一方、野口さん自身はコンサルティングを依頼してくる
相手の期待値を調整する目的で、
ブッタとは逆に、多くの本を出版するようにしているそうです。

この本から何を活かすか?

  「ストロークを意識する」

ストロークとは、相手の存在を確認するための言葉掛け。

無条件・条件付、肯定的・否定的の組み合わせで、
4種類のストロークがあります。

例えば、子どもが算数のテストで30点を取ったときのストロークの違い。

  ・無条件肯定的 : 30点取ろうと、100点取ろうと、A子は私の子どもだよ。
              私はA子のことが大好きだよ。
  ・条件付肯定的 : A子は算数さえできるようになれば、いい子なんだけどね。
  ・条件付否定的 : 算数のテストもできないA子は、ダメな子ね。
  ・無条件否定的 : テストの成績が良くても悪くても、A子はダメな子よ。

自分のエゴで、つい条件付肯定的や条件付否定的な
ストロークを使いがちになりますが、
できる限り無条件肯定的ストロークを使いたいものです。

これは、子どもに限らず全ての人間関係について言えることですね。

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| コミュニケーション | 12:26 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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ザグを探せ!

ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために
ザグを探せ! 最強のブランドをつくるために
(2009/09/17)
マーティ・ニューマイヤー 商品詳細を見る

満足度★★★

タイトルにある「ザグ」とは何か?

これは、「ジグザグ」のザグ。

著者のマーティ・ニューマイヤーさんは言います。

  みんなが「ジグ」なら、あなたは「ザグ」。
  つまり競合相手とはまったく違う方向へ進み、
  まったく違うものを見つけ、形にすればいい。

ちなみに、英和辞典で確認してみると、

  zig : ジグザグに進む過程の中で、zagに対して最初の動き
  zag : ジグザグに進む過程の中で、zigのあとに続く変化

それぞれ独立した(?)意味もあるようですね。

今まで、ユニーク・セリング・プロポジション(USP)は、
独自の売りとして、マーケティングで必須とされてきました。

しかし、「USPは通用しなくなった」とニューマイヤーさんは言います。

なぜなら、消費者は買わされるのを嫌がっているから。

私たちを取り巻く環境には、「商品」・「機能」・「広告」・
「メッセージ」・「メディア」の5つの氾濫(クラッター)があり、
企業が戦うべき相手は、消費者が氾濫から身を守るために作った
「心の壁」になっているようです。

その壁を突き破るために、必要とされるのが「ザグ」。

これは「過激な差別化」。

「良さ」と「違い」を兼ね備えたアイディアをみつけることが、
ザグ探しのコツのようです。

本書の前半は、理論編でザグ探しのヒントが説明され、
後半では、ワークを行ないながらザグを探すプロセスを学びます。

この後半の演習で、17ステップでザグをデザインする過程が
体験できるので、うまく理論から実践への橋渡しが、
できている感じがしますね。

正味150ページの内容に、ポイント集やオススメ本、用語解説が
付録として記載されているので、
かなりコンパクトにブランディングが学べる本になっています。

自らザグを実践する、ニューマイヤーさんが経営する
ブランディング専門のシンクタンク、ニュートロン社のサイトはこちら

この本から何を活かすか?

  「私たちのブランドは、(         )、
  唯一の(    )である」

1つ目の空欄では、ザグの内容を説明します。
2つ目の空欄には、カテゴリーの名前を入れます。

簡潔に表現できなかったり、「唯一」という言葉が使えなかったり
する場合は、ザグがないことになるようです。

当ブログについて、空欄を埋めてみました。

「このブログは、本を読んだ後のアクションを示す
唯一のビジネス書ブログである。」

看板に偽りがないように、頑張らなくては・・・

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| ブランディング | 06:19 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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