活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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外国為替はこう動く

外国為替はこう動く
外国為替はこう動く
(2009/09/12)
竹中正治&国際通貨研究所 商品詳細を見る

満足度★★★★

為替相場の中長期的な展望が冷静に書かれている良書。

著者は竹中正治さんら、国際通貨研究所の5名の方の共著です。

ちなみに国際通貨研究所とは、旧東京銀行によって設立された
公益法人で国際金融・国際通貨専門のシンクタンクのようです。

私は以前、中原圭介さんの「サブプライム後の新資産運用」について、
かなり懐疑であると記事を書きましたが、
竹中さんは同書を「事実に基づかないトンデモ論」と一刀両断しています。

同書以外でも、マーケットで喧伝される次の2つの説を
代表的なトンデモ論として糾弾しています。

  1. 高金利通貨は短期では為替差損も生じるが、
    長期では低金利の円よりも高いリターンが得られる

  2. 日本経済は長期で低成長の見込みだから円安が進む

事実の切り取り方によっては、これらの主張が、
一見、もっともらしく見えてしまうのが、非常に厄介なところです。

それでは、本書では何を基準に、
為替の投資基準を考えたら良いというのか?

本書で基準とするのは、PPP。
購買力平価(Purchasing Power Parity:以下PPP)です。

短期の相場変動はではランダムでも、長期相場ではPPPから
上下の乖離を繰り返すというのが、基本となる考えです。

ただし、PPPのもとになる物価指数にはいくつかの種類がありますし、
PPP自体もどこを基準点にするかで、
見方が異なってきますので、注意が必要です。

参考までに、国際通貨研究所が公開する主要通貨PPPチャートはこちら

本書では、1ドル=90円の相場は、
円高バイアスに入っているとの見解です。

第1章で円高について考察した後、
第2章以降は次のようなテーマで、各通貨の将来を占っています。

  第2章 「米ドルが凋落する」というのは本当か?
  第3章 ユーロはドルに代わる基軸通貨に台頭するのか?
  第4章 高金利通貨相場は回復するのか?
  第5章 中国の台頭と人民元の将来
  第6章 オイルマネーは「ドル離れ」をおこすのか?

本書は自分の一過性の実績だけをベースにした
根拠や再現性のない空論ではありません。

巷に溢れる金融セールス本に惑わされないためにも
是非読んでおきたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「“為替予想庁”の予想は、予想が当たると
  信頼されているほど、はずれることになる。
  この逆説を理解できない人は、永遠に相場現象を理解できない。」

天気予報は、人の行動とは独立したもの。
一方、為替予想は、予想して行動する自分自身が未来をつくる。

竹中さんは、当たるといわれるチャートほど外れるという
パラドックスに注目し、チャートによる投資判断には否定的です。

しかし、私自身は根本の同じ考えでも、チャートを見た人の予想が、
未来を作り出す事実の方に注目し、チャートは活用しています。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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