活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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忘れられない脳

忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私
忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私
(2009/08/20)
ジル プライス&バート デービス 商品詳細を見る

満足度★★★★

「もっと記憶力が良かったらなぁ~」とは、誰もが一度は考えることですが、
本書の著者、ジル・プライスさんの悩みは全く逆です。

本書は、ハイパーサイメスティック・シンドローム(超記憶症候群)の
40代ユダヤ人女性の特異な半生を綴った自伝。

プライスさんは、8歳の頃から毎日の生活の記憶が
脳に鮮明に保存されている、超人的な「自伝的記憶力」の持ち主です。

本当の“The Total Recall”。

これだけ聞くと、うらやましと思われることが多いようですが、
実際は「記憶力がよすぎて暗記は苦手」とのこと。

彼女の脳には、日常のどんなことでも優劣をつけずに
保存する能力があり、その記憶が自分の意思に関係なく
次々とフラッシュバックして蘇り、自制できずに暴走するようです。

それが障害となり集中することができず、勉強で必要な
いわゆる丸暗記は苦手だったと、プライスさんは回顧しています。

プライスさんの記憶の状態を一般の人にイメージしてもらうために、
本書では、次ぎのように表現しています。

  「あなたは子どものときからくる日もくる日もだれかにあとをつけ回され、
  ビデオカメラで撮られ続けている。その映像が、時系列ではなく、
  すべてアトランダムにつなぎ合わされ、DVDプレーヤーから流れているのを
  じっと見ていなければならない。
  そんなことが私の脳のなかでは日々繰り返されている。」

大量の“きのう”と共に生きる人生。
まるでSFのようですが、すべて実話です。

「忘却」は人が持つ大切な機能と言われますが、
本書を読むと、本当に忘れることの有難さが実感できます。

また、自分と共に楽しい時間を過ごしたことを
相手が忘れていったり、覚えていないことも寂しく思うようです。

これって、自分の時間だけが静止している感覚かもしれません。

浦島太郎のように感じるのか、あるいは自分以外の人が、
全員アルツハイマー病になってしまったように感じるのか分かりませんが、
あまり歓迎したくない状況ですね。

いずれにせよ、プライスさんは自分の超記憶脳を
肯定して受け入れ、人生を歩まなければなりませんし、
同様に私達も、忘却力を備えた自分の脳を肯定的に受け入れ、
人生を歩んでいくしかないようです。

この本から何を活かすか?

過去にはサバン症候群で超人的な暗記力を誇るキム・ピークさんを
モデルにして映画「レインマン」が作られましたが、
プライスさんの特異な能力は、同様に映画の題材になることでしょう。

社会派映画ならバリー・レビンソンさん、SF映画としてなら
リドリー・スコットさんにメガホンをとってもらいたいものですね。

実際の、ジル・プライスさんのインタビュー映像はこちら。
画面右側の大柄な女性がプライスさんです。



Miss a meal if you have to, but don't miss a book.


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