活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2009年09月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年11月

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凄い時代

凄い時代 勝負は二〇一一年
凄い時代 勝負は二〇一一年
(2009/09/02)
堺屋 太一 商品詳細を見る

満足度★★★

堺屋太一さんは、何を「凄い」といっているのか?

2008年7月の北海道洞爺湖サミットで主要8カ国の首脳は
インフレ対策について話し合いました。

2009年7月のイタリアのラクライで開催された首脳会議では
国際金融の建て直しと不況対策が論じられました。

堺屋さんは、この1年での振幅の幅、大きな変化に対して
「凄い」と表現し、今後、「二番底」が到来することを予測します。

そして革命的改革期が2011年に始まる。

その背景にあるのは「知価革命」。

知価革命とは、豊かさの基準が大きく変わること。
財物の豊かさから、満足の大きさへ。

この時、日本のとるべき道は?

可能性としてありうるのは、次の3本の道のようです。

  1. アルゼンチン化-改革が行なわれず、発展途上国に逆戻り
  2. 中国を中心としたアジア共同体をつくる
  3. 官僚主導とモノ造り依存を捨てる知価革命の道

堺屋さんが期待するのは、3番目の明治維新的改革です。

公務員を「身分」から「職業」へ、地域主権型道州制、財政改革、
教育の目的を変える、積極的な開国、世界へ先駆けた好老文化の構築。

これらの政策の中で、堺屋さんがメインと考えるのが、
公務員改革とシルバー・ニューディール政策です。

本書では、世界の変化の流れを読みつつ、
堺屋さんらしい、日本への提言がなされています。

本書の中心となるキーワードは、脱工業化社会を表すコンセプトとして、
堺屋さんが20年近く前から唱えている「知価革命」。

アメリカやイギリスでは、1980年代から知価社会化が進み、
日本は工業化社会から脱していないとの話しでした。

個人的な見解では、消費社会のアメリカが財物志向から脱し、
「知価革命」が実現されたとも思えませんし、
仮に「知価革命」を行なった後の姿がアメリカだとすると、
日本がそれを手本にするべきかどうかは、疑問が残ります。

この本から何を活かすか?

先日紹介した、ジャック・アタリさんもそうですが、
堺屋さんも、これから更に世界経済は悪くなると見ています。

短期トレードとしては、マーケットの方向についていく。
長期投資としては、誰もが逃げ出したタイミングで仕込んでいく。

どちらの戦略が良いかは、その人との相性です。

いずれにせよ、自分で決めた指数の定点観測を怠ってはいけません。
ちなみに、以下、私が毎週末にチェックするVIX指数です

VIX

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| 社会・国家・国際情勢 | 06:12 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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たまたま

たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する
(2009/09/18)
レナード・ムロディナウ 商品詳細を見る

満足度★★★★

本書に出ていた、設定が面白い確率の初歩の問題をひとつ。

  デューク大の2人の学生が、遊んでいて化学の期末試験に遅れました。
  2人は、担当教官に一緒に乗っていた車のタイヤが1つパンクしたと
  ウソの説明をして、再試験をしてもらうよう頼みました。
  教官は同意し、2人を別々の部屋に入れ受験させました。
  表に書かれた最初の問題は5点満点。裏をめくると2問目は95点満点で、
  「パンクしたのはどのタイヤだったか?」という問題。
  ウソをついた2人の学生が同じ答えを書く確率はいくらでしょうか?

出典は「モンティ・ホール問題」で有名な、IQ228を誇る
マリリン・ヴォス・サヴァントさんのコラム「マリリンに聞け(Ask Marilyn)
からのようです。答えは後ほど。

本書の原題は「The Drunkard's Walk(酔っ払いの千鳥足)」。

なぜ、私たちは「たまたま」を「やっぱり」と勘違いしてしまうのか?

本書では、身のまわりの世界における「偶然(ランダムネス)」の
役割や作用を様々な具体例を用いて説明します。

著者のレナード・ムロディナウさんは、理論物理学者で、
あのリチャード・ファインマンさんに直接教えを受けていたそうです。

大ヒット映画もコイン投げと同じ、DNA鑑定の本当の精度、
宝くじを買占めた投資集団、統計でパン屋のいかさまを見破ったポアンカレ、
ワイン格付けの信頼性、O.Jシンプソン裁判の弁護側戦略、
11年連続市場を正しく予測した男、ビル・ケイツの幸運・・・

確率・統計の歴史をたどりながら、日常に潜むランダムネスの
トピックが広い範囲で扱われています。

本書を読むと、私たちがいかに「たまたま」に左右され、
誤った認識や判断をしているかがよく分かります。

邦題や装丁からすると、同じダイヤモンド社から出版されている
ナシーム・ニコラス・タレブさんの「まぐれ」を意識した作り。

テーマも似ているので、二番煎じを心配しましたが、
読んでいるうちにそんなことは忘れ、
ムロディナウさんの独特の世界に引き込まれていました。

この手の本を読みなれない方には、少々読みにくいかも知れませんが、
ランダムネスの振る舞いを理解すると、
いろいろなものの見方が違ってくるかもしれません。

ホーキング博士が本書を絶賛しているのがよく分かります。

この本から何を活かすか?

さて、冒頭の確率の問題ですが、答えは1/4。
可能性の一覧に分解する練習です。

本書の巻末の解答をそのまま記載すると、

  右の前タイヤを「RF」、右後タイヤを「RR」・・・などと記述すると、
  2人の学生の答えの組み合わせは、
  (RF,RF)(RF,RR)(RF,LF)(RF,LR)(RR,RF)(RR,RR)
  (RR,LF)(RR,LR)(LF,RF)(LF,RR)(LF,LF)(LF,LR)
  (LR,RF)(LR,RR)(LR,LF)(LR,LR)
  の16通りで、この内一致しているのは4通り。
  したがって確率は16分の4、すなわち4分の1。

さて、軽くウォーミングアップができたところで、
ご存じない方のために、一大論争を巻き起こした、
「モンティ・ホール問題」を紹介しておきましょう。

  テレビのゲーム番組で、競技者が3つのドアの選択権を得られるとします。
  1つのドアの後には車が、残りのドアの後にはヤギがいます。
  競技者が1つのドアを選択したあと、すべてのドアの後に何があるかを
  知っている司会者が、選ばれなかった2つのドアのうち1つを開けます。
  そして競技者にこう言います。「開いていないもう一つのドアに選択を
  変えますか?」選択を変更することは競技者にとって得策でしょうか?

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| 数学 | 09:27 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法

東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法
東大×ハーバードの岩瀬式!加速勉強法
(2009/08/21)
岩瀬 大輔 商品詳細を見る

満足度★★★

現役で東大法学部に進み、在学中に司法試験に合格、
卒業後はボストン・コンサルティング・グループ(BCG)を経て、
ハーバード・ビジネススクール(HGS)に留学してからは、
ベイカー・スカラーを獲得。

本書は、その最強の学歴を誇る岩瀬大輔さんの
勉強法の秘密を公開した本です。

ちなみに、ベイカー・スカラーとはHBSの上位5%の
成績優秀者に与えられる称号。

岩瀬さん以外の日本人で、過去に受賞したのは、
堀紘一さん、御立尚資さん、名和高司さんだけ。

さて、本書で紹介される勉強法は、
「スロー・イン/ファースト・アウトの学び方」。

準備にたっぷり時間をかけ、構造を見切り、肌感覚を養いながら、
十分に助走をとったうえで、一点突破を図る。

ポイントは、最初は成果が出なくても、後から巻き返せるので
あせらず入念な準備を行なうことのようです。

岩瀬さんの努力の量が分からないので、誰がやっても同じように
成果が出るかどうかは不明ですが、参考になる点は多くあります。

HBSベイカー・スカラーの秘密。

  1. 時間をかけて予習をすること
  2. 対象から離れた別の視点をもって発言する
  3. 目の前のタスクを全力で素早くこなす

  岩瀬さんはHBS卒業後しばらくしてから、世界各国で活躍する
  当時の仲間と、スカイプで電話会議をして盛り上がったそうです。

  その翌日、スロバキアの仲間から、
  「1年目のマーケティングでやったフォルクスワーゲン・ビートルの
  ケースのメモ持ってない?」とメールがみんなに送られました。

  岩瀬さんは、10分後に当時の手書きメモ5枚をスキャンして
  電話会議に参加していた仲間に一斉送信。

  するとアメリカの別の仲間から、メールが届いたそうです。

  「昔のメモがこんなにすぐ出てくるなんてすごいなぁ。
  みんな、これがベイカー・スカラーの秘密だ!」

なかなか、真似することのできないエピソードですが、
できることにを全力で即座にやるのが、一転突破の秘訣のようです。

個人的には、本書で紹介されていたBCGの鉄則、
「30分考えて答えが出なかったら、誰かに議論をふっかけろ」
が参考になりました。

<参考>
岩瀬さんの背中を押したキャリア理論「プランド・ハプタンス」の記事
その幸運は偶然ではないんです!(J.D.クランボルツさん)

この本から何を活かすか?

岩瀬さんは司法試験の勉強をしていた時代、
伊藤真さんの授業のテープを擦り切れるほど何度も聞いたそうです。

どんな時も1.5倍速で徹底的に聞き続け反復することで、
知識や考え方を身体に染み込ませたとか。

私がトータルで一番聞いているのは、
NHKラジオ「実践ビジネス英会話」の杉田敏さんの声だと思いますが、
岩瀬さんの聞き方には遠く及びません。

それでも、今日もこれから、
「実践ビジネス英会話」の放送を聞きたいと思います。

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| 勉強法 | 10:40 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

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1時間で御社の売上を伸ばす 販促鉄板ワザ40

1時間で御社の売上を伸ばす 販促鉄板ワザ40
1時間で御社の売上を伸ばす 販促鉄板ワザ40
(2009/09/11)
竹内 謙礼 商品詳細を見る

満足度★★★

本書の目的は、読後「1時間以内」に売上をUPさせること。

そのためにマーケティングの難しい理論などは一切書かれていません。

著者は「会計天国」が素晴らしかった、
経営コンサルタントの竹内謙礼さん。

  「最初に断っておくが、本書はあまり深く考えて読む本ではない。
  “売上が伸びないなぁ”と頭を抱えている時に、“手っ取り早く
  売上を伸ばす方法はないかなぁ”と思って、さっと手を伸ばして読む
  “ネタ帳”みたいなものである。」

この割り切ったコンセプトが、非常に小気味イイ感じがします。

  第1章 「スピード改善」ベスト10
  第2章 「売れる商品・サービス企画」ベスト10
  第3章 「激売れネーミング・キャッチコピー改善」ベスト10
  第4章 「爆発集客テクニック」ベスト10

「簡単」・「わかりやすい」・「スピーディー」をモットーとした
40個の販促アイディアが紹介されています。

また、各アイディアには実践に移すための5ステップが示された
「アクションシート」が掲載されているので、それだけ読めば
1時間といわず、わずか5分で売上を伸ばすための行動が起こせます。

実際に書かれている内容を見てみると、「鉄板」だけあって、
はじめて聞くような奇抜なアイディアはありません。

  ・「電話番号」を大きく載せなさい
  ・チラシやホームページに「携帯番号」を載せなさい
  ・営業時間をずらしなさい
  ・「はじめてセット」をつくりなさい
  ・イベントは「こじつけ」から考えなさい

小回りの効く中小企業で効果を発揮しそうなアイディアが多い感じです。
いずれも、聞いたことがあるものばかりかも知れません。

しかし、いざ実行に移そうとすると、
当たり前すぎて、意外と思い出せなかったりします。

ですから、まず本書の目次で「当たり前チェック」を行い、
できていない項目がないかを確認し、
その項目だけ読んで、即実行するのが本書の有効な使い方。

  「ネットビジネスに見切りをつけなさい」

竹内さんのプロフィールに書かれている
楽天やビッターズでの輝かしい実績からすると、
この発言はちょっと意外な感じがします。

しかし、ネットショップのノウハウを知り尽くしているからこそ、
費用対効果を考えて、こんな大胆な提案ができるのでしょう。

少し話しはそれますが、個人では
身につけるのが当然視されている「英語能力」についても、
私は同じように感じることがあります。

実用レベルになるには、かなりの時間投資が必要ですから、
人によっては、英語の勉強に早々に見切りをつけて、
他の能力を磨くために、その時間を割り当てるといった
選択もアリのように思えます。

この本から何を活かすか?

販促といえば、当ブログではAmazonのアフィリエイトに登録しています。
その点について、ちょっと考察。

そもそものアクセスを増やすための工夫は別にして、
ブログで本を売るための「鉄板」は

  ・ブログ記事のネーミングの工夫する
  ・売れ筋本ランキングの掲載
  ・振り返り記事の掲載
  ・「〇〇するための10冊」的なまとめ記事の掲載
  ・イメージ写真の多様

などが思いつきます。

あまり、このブログでは力を入れていないことばかり。

やればもっと本が売れるようになると思いますが、
このブログの本筋から外れるような気がするので、
多分、今後も積極的には行なわないと思います。

それでも、このブログを経由してAmazonで本を
買っていただだく方も多いので、日々、感謝をしております。

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| マーケティング・営業 | 06:37 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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外国為替はこう動く

外国為替はこう動く
外国為替はこう動く
(2009/09/12)
竹中正治&国際通貨研究所 商品詳細を見る

満足度★★★★

為替相場の中長期的な展望が冷静に書かれている良書。

著者は竹中正治さんら、国際通貨研究所の5名の方の共著です。

ちなみに国際通貨研究所とは、旧東京銀行によって設立された
公益法人で国際金融・国際通貨専門のシンクタンクのようです。

私は以前、中原圭介さんの「サブプライム後の新資産運用」について、
かなり懐疑であると記事を書きましたが、
竹中さんは同書を「事実に基づかないトンデモ論」と一刀両断しています。

同書以外でも、マーケットで喧伝される次の2つの説を
代表的なトンデモ論として糾弾しています。

  1. 高金利通貨は短期では為替差損も生じるが、
    長期では低金利の円よりも高いリターンが得られる

  2. 日本経済は長期で低成長の見込みだから円安が進む

事実の切り取り方によっては、これらの主張が、
一見、もっともらしく見えてしまうのが、非常に厄介なところです。

それでは、本書では何を基準に、
為替の投資基準を考えたら良いというのか?

本書で基準とするのは、PPP。
購買力平価(Purchasing Power Parity:以下PPP)です。

短期の相場変動はではランダムでも、長期相場ではPPPから
上下の乖離を繰り返すというのが、基本となる考えです。

ただし、PPPのもとになる物価指数にはいくつかの種類がありますし、
PPP自体もどこを基準点にするかで、
見方が異なってきますので、注意が必要です。

参考までに、国際通貨研究所が公開する主要通貨PPPチャートはこちら

本書では、1ドル=90円の相場は、
円高バイアスに入っているとの見解です。

第1章で円高について考察した後、
第2章以降は次のようなテーマで、各通貨の将来を占っています。

  第2章 「米ドルが凋落する」というのは本当か?
  第3章 ユーロはドルに代わる基軸通貨に台頭するのか?
  第4章 高金利通貨相場は回復するのか?
  第5章 中国の台頭と人民元の将来
  第6章 オイルマネーは「ドル離れ」をおこすのか?

本書は自分の一過性の実績だけをベースにした
根拠や再現性のない空論ではありません。

巷に溢れる金融セールス本に惑わされないためにも
是非読んでおきたい一冊です。

この本から何を活かすか?

  「“為替予想庁”の予想は、予想が当たると
  信頼されているほど、はずれることになる。
  この逆説を理解できない人は、永遠に相場現象を理解できない。」

天気予報は、人の行動とは独立したもの。
一方、為替予想は、予想して行動する自分自身が未来をつくる。

竹中さんは、当たるといわれるチャートほど外れるという
パラドックスに注目し、チャートによる投資判断には否定的です。

しかし、私自身は根本の同じ考えでも、チャートを見た人の予想が、
未来を作り出す事実の方に注目し、チャートは活用しています。

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| 投資 | 08:18 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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フォーカル・ポイント

フォーカル・ポイント
フォーカル・ポイント
(2009/10/03)
ブライアン・トレーシー 商品詳細を見る

満足度★★★★

私は、本書を「本田直之さんの監訳者のまえがき」と
目次や全体をパラパラと立読みした程度です。

実は、いま私の手元にあるのは、
2002年に主婦の友社から出版された旧版。
フォーカル・ポイント―仕事の「その一点」に気づく人、気づかない人

7年ぶりに読み返しました。

旧版では、ピーター・ドラッカーさんはまだ生きていますし、
アンドリュー・グローブさんはまだインテルの会長を務めているので、
時代の流れを感じます。

さて本書は、ピーター・モントヤさんの「パーソナルブランディング
と共に、本田直之さんのレバレッジ・シリーズの源流になった本です。

著者は、米有名コンサルタント兼スピーカーの
ブライアン・トレーシーさん。

目標を達成するための自己管理法が書かれた本で、
中心となる考えは、「80:20の法則」。
優先順位をつけて重要なものだけに焦点(フォーカル・ポイント)を合わせ
取り組むように勧められています。

ポイントは、「問題の核心となる一点」を突くこと。

本書のフォーカル・ポイント・プロセスを実践するための
4つの要素=「グランドスラム(SLAM)方式」の中で、
「レバレッジ」という考えが登場します。

Leveragingは、「レバレッジ」という表現ではなく、
そのまま「てこの力」として訳されていますが。

冒頭の「×マークひとつに1万ドル請求したコンサルタント」
の話しは非常に印象的。
興味のある方は、Amazonの「なか見!検索」で、
この部分は読めますので、そちらをご覧ください。

ディスカヴァー・トゥエンティワン社からの新版では、
訳がこなれて今風の表現になり、大切な箇所が太字になって
かなり読みやすくなっています。

その反面、割愛された部分もあり、
原書や旧版が12章立てなのに対し、新版は10章立て。

第11章「他人と違うことをする」と第12章「精神的に満ち足りた生活を送る」、
そして訳者・片山奈緒美さんのほのぼのとした「訳者あとがき」どなが
割愛されています。

旧版は、少し広範囲に語られている印象もあったので、
本書の精神に則り「焦点を絞る」という意味で、
最後の2章をカットしたと解釈できるかもしれません。

この本から何を活かすか?

  「四つの大切な質問」

  1. わたしが今やっていることで、
    もっとやってほしいと思っていることはあるか?
  2. わたしが今やっていることで、
    あまりやらないでほしいと思っていることはあるか?
  3. わたしがやっていないことで、
    すぐにでも始めてほしいと思っていることはあるか?
  4. わたしがやっていることで、
    もうやめてほしいと思っていることはあるか?

本書に紹介されていた、家族との人間関係の質をたかめるための、
この「四つの大切な質問」を、私は以前、妻にしました。

7年ぶりに妻に、この質問をすると同時に、
今回は娘にもしてみようと思います。

心して掛からなくては・・・

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| 目標達成本 | 06:23 | comments:4 | trackbacks:2 | TOP↑

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金融危機後の世界

金融危機後の世界
金融危機後の世界
(2009/08/31)
ジャック・アタリ 商品詳細を見る

満足度★★★★

「ヨーロッパの知性」とよばれるジャック・アタリさんによる、
金融資本主義への警告と危機への処方箋が書かれた本。

アタリさんは歴史的視点から未来を予測し、
いま何をすべきかを緊急提言しています。

原書は、初版がフランスで2008年11月に刊行され、
その後、第2版が2009年3月、第3版が2009年6月と
約半年の間に3つの出版社から版を重ね刊行されました。

日本語版は、これにアタリさんから訳者・林昌宏さんに
メールで送られた最新情報を加えたもの。

鳩山首相も、本書をご愛読のようです。

金融危機は去ったのか?

最近の株価を見る限り、マーケットに安心感が漂っています。
別名「恐怖指数」とよばれる、VIX指数も通常期の20台を推移。
(2009.10現在)
これから、巨大バブルへ突入するという見方さえあります。

しかし、アタリさんは目先の景況感だけを見て、
「ガイトナー・バブル」に踊らされてはいけないと警鐘を鳴らします。

21世紀のカタストロフ(大惨事)は、いまだ避けたとは言えない。

なぜなら、根本的な原因はいまだ解決されていないから。

  「危機の根源はシステムにある」

確かにサブプライム危機以降、アメリカを始め各国で
その対応策はとられてきましたが、現在の金融システム自体に対する
抜本的な改革はなされていないように思えます。

アタリさんが本書で必要性を訴える、世界統治システムの構築や
その他の様々な提言のは簡単なものではありませんが、
今後取り組む課題として、大きく注目されることでしょう。

本書は、テーマこそ堅めでとっつきにくい印象がありますが、
注釈も豊富で非常に読みやすく書かれています。

個人的には金融危機のドキュメントが掲載されていたり、
「ヨーロッパからの視点」で書かれているのが、興味深い点でした。

さすがに、サルコジ仏大統領のもとで、
「アタリ政策委員会」とよばれる政策提言を行ない
現在も精力的に活動しているだけのことはあります。

ちなみに、日本で放送されたアタリさんへのインタビュー映像は、こちら。



この本から何を活かすか?

アタリさんはフランスでは、ミッテラン大統領の時代から
側近として活躍したようです。

  「ジャックは毎週100個くらいの新しいアイディアを持ってくる。
  私のやっていることは、その中から慎重に使えるものを選んでいるだけだ」

これは、ミッテランさんがアタリさんを評した言葉。

毎週100個のアイディア。

さすがにこれは難しいですが、少なくとも
「1日1個のアイディアを生む努力」は続けたいものです。

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| 経済・行動経済学 | 06:16 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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図で考えるとすべてまとまる

図で考えるとすべてまとまる
図で考えるとすべてまとまる
(2009/09/14)
村井 瑞枝 商品詳細を見る

満足度★★★

  「図は余計なものを削ぎ落として、モノゴトの本質をとらえます。」

本書は、図を使って思考を整理し、
アウトプットするための方法が書かれた本。

前半では、図で考えることの重要性が語られ、
後半では、図を使う実践例が示されています。

まず、本書で目を引くのが、著者・村井瑞枝さんの経歴。

  専門学校で調理師免許、米国とイタリアでアートを学ぶ。
  その後、JPモルガン、ボスコンでのコンサルタントを経て、
  現在はレストラングループの戦略プロデューサー。

バラバラに学んだように見えることを、うまく統合して活かしている
非常に面白いキャリアを積んだ方ですね。

さて、本書では図で考えることや表すことが苦手な人を
意識して書かれているので、〇・△・□・→・-などの
簡単なパーツで図解する方法が説明されています。

基本となる図の7パターンは、「因数分解」、「マトリックス」、
「表」、「比較」、「線表」、「コンセプト」、「プロセス」。

例題として、クッキングスクールで働く一人の
ビジネスパーソンのストーリーが盛り込まれています。

これは物語の流れの中で、主人公が実際にどのように図を使って
考えを発散・収束し、問題解決していくかが描かれているので、
非常にイメージしやすくなっていますね。

また、図そのものが書ける人でも、伝えたい「メッセージ」が
意外と「つまらないタイトル」になっている事があると
村井さんは指摘しています。

図で表す前に、先にメッセージを考える。ポイントは3つ。

  1. 相手が知らないことを述べる
  2. 意思決定するための結論を述べる
  3. 相手に行動してほしいこと・承認してほしいことを述べる

資料の一番上に挿入されるメッセージが、
何も主張がないタイトルにならないよう気をつけたいものです。

本書では、基本的な図の描き方・使い方が中心でしたが、
個人的には、もう少し基本以外の図のテンプレートも
付録として掲載して欲しかったところです。

過去記事ですが、「描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング」を
併せて読むと、図で考える方法がより分かると思います。

この本から何を活かすか?

  「図を書くのを難しくしている原因の多くが、
  “配列”の機能を知らないからです。」

これは、ソフトを使って図を描く時の話しです。

あまりにレベルが低くて申し訳ないのですが、
私は今まで、マウスを使って図をそろえていました。

パワーポイントにもエクセルにもワードにも、
「配列」の機能があるのですね。今後は使うようにします。

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| ノウハウ本 | 06:13 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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目に見えない資本主義

目に見えない資本主義
目に見えない資本主義
(2009/07/24)
田坂 広志 商品詳細を見る

満足度★★★

これから資本主義が、どう変わるかを論じた本です。

結論を先に言ってしまうと、これからは「目に見えない価値」を
重視する共感資本主義の時代がやってくるので、
かつての日本型経営が復活し、世界に貢献できるということです。

起こるのは、次の5つのパラダイムシフト。

  第一は、「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
  第二は、「知識経済」から「共感経済」へ
  第三は、「貨幣経済」から「自発経済」へ
  第四は、「享受型経済」から「参加型経済」へ
  第五は、「無限成長経済」から「地球環境型経済」へ

私のイメージでは、「田坂広志さん=弁証法」ですが、
本書でも、田坂さんは弁証法の2つの法則を使って、
資本主義の進化を予見しています。

その弁証法の2つの法則とは、
「物事の螺旋的発展の法則」と「対立物の相互浸透の法則」。

「螺旋的発展」は、田坂さんの他の著作を読んでいる方にはお馴染みで、
過去の商品や方法、考え方が、ぐるっと一回りして、
高いレベルに進化して復活するという考えです。

また、これもお馴染みですが、
本書でも、次から次へと自分で問いを設定して、
それに答えながら問題を紐解いていく、
田坂さん独特の「自問自答ループ」のスタイルで書かれています。

今までの資本主義は、すべてを貨幣という
「見える」尺度で測る貨幣経済が中心でした。

これからの経済は、弁証法的な進化を遂げ、
知識・関係・信頼・評判・文化といった見えない価値が重視される、
共感資本主義に移行していくというのが、本書の主張です。

最近の新しい資本主義の形を語る本では、
ゲイツとバフェット 新しい資本主義を語る
がありましたね。本書の中でも紹介されています。

本書の中で私の目を引いたのは、田坂さんの次のひと言。

  「無限」の経済成長が可能であるということは、幻想に過ぎない。

これは、経済成長が前提の長期投資の否定に他なりません。
つまりインデックス投資が機能しないということです。

すべての国の経済成長がストップする訳ではありませんが、
市場から利を得ようとするならば、
うまく登りと下りのエスカレーターを乗り継いで、
その差を収益機会として、見出す必要があるということです。

この本から何を活かすか?

田坂さんが出席したダボス会議での、
アメリカのキリスト教左派の牧師、ジム・ウォリスさんの発言。

  毎日、テレビをつけると、CNNのニュースが流れ、
  誰もが、こう語っている。
  「この危機はいつ終わるのか」と。
  しかし、私は、これは問いの立て方が間違っていると思う。
  我々が問うべきは、別な問題ではないか。
  「この危機は、我々を、どう変えるのか」
  その問いをこそ問うべきであろう。

その出来事の行く末を案ずるより、
その出来事によって自分の何を変えるかを考える。

是非、身につけたい習慣です。

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| 経済・行動経済学 | 08:27 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ザ・パニック

ザ・パニック
ザ・パニック
(2009/08/26)
ロバート・ブルナー&ジョン・カー 商品詳細を見る

満足度★★★★

サブプライム危機は「100年に1度の金融危機」と形容されました。

一般的には、「1929年の世界恐慌」と比較されることが多いようです。

しかし、2007年のサブプライム危機から遡ること
ちょうど100年前、より酷似したケースありました。

それが、「1907年の金融危機」。

なぜ、サブプライム報道が盛んだった時に、
1907年の金融危機が、過去の教訓としてあまり注目されなかったのか?

それは、1929年の恐慌と比べると、
1907年の金融危機は、ある意味、「限定的」なものだったからです。

ある金融機関の取り付け騒ぎに端を発し、株価が37%下落、
少なくとも25の銀行と17の信託会社が経営破たんに陥りました。

この状況を、なぜ、「限定的」と表現するのか?

それは、ある人物の活躍により、
金融機関の迅速な救済措置が取られたからです。

その人物こそが、ジョン・ピアポント・モルガンさん。
米5大財閥の一つの、モルガングループの基礎を築いた方です。

まだ、FRB(連邦準備制度)がなかった時代。

危機に対処するために、モルガンさんは自身の書斎に
ウォール街の要人を集め、重要な決断を下します。

そして、流動性の欠如を克服するために、
自社の資産とネットワークを使って
次々と金融機関の救済と調整を行ないました。

本書では、獅子奮迅の働きをしたモルガンさんの活躍を描き、
そのドラマティックな話しを通して、恐慌の本質に迫ります。

更に、1907年の恐慌を通して、金融危機が発生する7つの要素
「完璧な嵐(パーフェクトストーム)」というフレームワークを作り、
サブプライム危機の検証を行ないます。

恐慌の分析もさることながら、一発の銃声、
ある信託会社会長の自殺から始まる本書の描写は、
読み物としても十分に面白い内容です。

最近では、サブプライム危機から完全に立ち直ったかのような
報道も多く見られるようになりました。

しかし、本書に紹介されているマーク・トウェインさんの
次の言葉を忘れないようにしたいものです。

  “History doesn't repeat itself - at best it sometimes rhymes”
  (歴史は繰り返さないかもしれないが、韻はちゃんと踏まれている)

この本から何を活かすか?

モルガン出身の方といえば、最近では勝間和代さんが有名ですが、
私の中では、やはり「モルガン=藤巻健史さん」というイメージが
強く残っています。

当たり前ですが、藤巻さんの「プロパガンダ」でも、
JPモルガンの見通しを引用することが多いようです。

さて、藤巻さんの新刊、『藤巻健史の「金融情報」はこう読め! 』が
発売になりました。

読む前から、書いてあることは、ある程度予想がつきますが、
それでも、読ませてしまうのが藤巻さんの魅力です。

私も、読む予定です。

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| 経済・行動経済学 | 06:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生を変える 「決断」の力

人生を変える 「決断」の力
人生を変える 「決断」の力
(2009/08/26)
コーチ・カルダン 商品詳細を見る

満足度★★★

歩んできた人生だけで、この人の話をもっと聞きたいと思わせます。

私にとっては、プロフィールだけで感心したのは、
マイクロソフトを飛び出して億万長者になった、私」の
クリスティン・コマフォード・リンチさん以来です。

本書の著者、ファルファド・カルダーニさん(以下カルダンさん)は、
イラン生まれで、ニュージーランド国籍を持ち、
現在は日本でサクセスコーチとして活躍しています。

それでは、簡単にカルダンさんの半生を見てみましょう。

  ・10歳の時、イランで処刑現場を目撃。同じころ虐待や性的虐待を受ける。
  ・18歳で海外に出る手段として軍隊に入り、イラン・イラク戦争に出兵。
  ・所持金3万円で来日し、溶接工として約7年間働く。
  ・20代後半でニュージーランドに移りパイロットのライセンスを取得。
  ・その後、アンソニー・ロビンズさんと出会い、サクセスコーチへ転身。
  ・日本に戻り、会ったばかりの人から1000万円の出資を取り付け、会社を設立。
  ・2001年ホノルル空港でテロリストの疑いで、9時間の取調べを受けるも
   コミュニケーションスキルで3人のFBI捜査官を説得し、無事解放される。

カルダンさんの凄いところは、この波瀾万丈な人生の
それぞれの場面で「決断」し、自分で人生を変えてきたところです。

本書では、目標-決断-行動の3ステップで
人生を変える「コーチ・カルダン流の成功術」が説明されています。

お金について学ぶ、夢を目標に落とし込む、はじめの一歩を踏み出す、
人生のルールを決める、コミュニケーションスキルで人生の質を高める、
体と言葉で心をコントロールする、毎日を情熱的にする。

全体的にカルダンさんのテンションは高く、
本書を読んでいるだけで、モチベーションが上がりそうです。

アンソニー・ロビンズさんに師事していることもあって、
雰囲気はクリス岡崎さんに似た感じでしょうか。

  「日本に生まれたというだけで、あなたは“与えられた人間”なんです。」

狭い視野で見ると、少しうまくいかないことがあると、
運がないとか、不幸だと考えてしまう方もいるかもしれませんが、
カルダンさんの話しを聞くと、私たちは日本に生まれた瞬間から
大きなアドバンテージがあると実感できます。

あとは、その幸運をどう活かすかは、自分次第ということですね。

この本から何を活かすか?

相手の話をよく聞くためのフレーズ。

  ・「具体的に言うと?」
  ・「たとえば?」
  ・「なるほど。そうすね。」

この3つのフレーズをエクスターナルコミュニケーションで使って、
相手との距離を縮めることが、
第5章でカルダンさんから出された宿題です。

今日は、この3つのフレーズを意識して使ってみようと思います。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 09:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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組織が大きく変わる「最高の報酬」

組織が大きく変わる「最高の報酬」 トータル・リワードを活用した行動科学マネジメント
組織が大きく変わる「最高の報酬」 トータル・リワードを活用した行動科学マネジメント
(2009/07/26)
石田 淳 商品詳細を見る

満足度★★★★

石田淳さんの著書、
短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」を
基礎編とすると、本書は実践編という位置づけです。

行動科学マネジメントとは、結果だけでなく、
行動プロセスにも注目して評価するマネジメント手法。

「モチベーション」や「やる気」といった言葉は不要で、
望ましいピンポイント行動を解明し、その行動を繰り返しやすいように
行動を強化(リインフォース)するものです。

前著では、理論面の説明が多かったので、
具体的な事例に割くページ数が多くありませんでしたが、
本書は豊富な事例が掲載されているのが特徴です。

また、今回、「行動科学マネジメント」に加えられるのは、
「トータル・リワード」という考え方。

これは、好ましい行動を繰り返してもらうための、
総合的かつ社会的に報いるインセンティブ。

「報われ感」を大切にし、従来の金銭的報酬に
非金銭的報酬を加えたものです。

具体的に本書に示されるのは、次のABCDEFの6要素です。

  ・A(Acknowledgement)感謝と認知
  ・B(Balance)仕事と私生活の両立
  ・C(Culture)企業文化や組織の体質
  ・D(Development)成長機会の提供
  ・E(Environment)労働環境の整備
  ・F(Frame)具体的行動の明確な指示

これは、トータル・リワードに限ったことではありませんが、
こういった報酬制度をうまく機能させるために
ポイントとなるのは「透明性」。

誰にも平等な機会があり、オープンで、明確な根拠を示すこと。

そして、トータル・リワードの具体例として紹介される
「サンキューカード」などのシステムを活かすのは、
日本銀行券と同じで、誰もがその紙切れに価値があると
思い込むことも大切です。

不換紙幣を受け取った人が、それを「お金」として
有難く思い、流通するは、その裏に政府の信用があるからです。

政府自身も決済方法として、紙幣を当たり前のように利用することで
日本銀行券の信用の裏付けをしています。

  「リーダー自ら非金銭的報酬を受け取ろう」

同様に「サンキューカード」などの制度についても、
リーダー自身もしっかり受け取る側にも回り、
両面から積極的に参加することで、
その制度の信頼性を高めることが必要となります。

本書は単独で読んでも、理解できるように書かれていますが、
やはり「短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント」と
あわせて読むのがいいと思います。

この本から何を活かすか?

行動科学マネジメントの今後の進化。

石田さんの「超!部下マネジメント術」では
「インストラクショナルデザイン」という考えが登場しました。

本書で前面に打ち出されたのは、「トータル・リワード」という概念。

いずれも、行動科学マネジメントを支える役割を担います。

今のところ、この2つがひとつのメソッドとして統合されてはいませんが、
最終的に行き着くところは、

  「行動科学マネジメント」
    +「トータル・リワード」+「インストラクショナルデザイン」

というところになるのではないでしょうか。

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| 組織・社内教育・コーチング | 07:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】

「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】
「1秒!」で財務諸表を読む方法【実践編】
(2009/09/04)
小宮 一慶 商品詳細を見る

満足度★★★

雑誌「オール投資」への連載がベースになっているだけあって、
株式投資、特にファンダメンタルズ分析を始めたい方には
欠かせない一冊。

小宮一慶さんの「1秒!」シリーズ第2弾、
「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本
の続編です。

個人的には、一般のビジネスパーソンにとって、
教養として財務諸表を知るレベルでは、
前作でも十分のように思えます。

そこから先は、それなりの必要性があって、
ある程度の数の財務諸表を実際に読み込まなければ
身に付きません。

そもそも、財務諸表を読み説く必要性は、
一般のビジネスパーソンにとっては、世間で言われているほど
多くないのが実際のところでしょう。

自分の会社が利益を生み出す仕組みは叩き込まれても、
財務3表の読み方や分析となると、必要な職種は限られています。

かといって、経理担当者が本当の意味で財務諸表を
読み説くことができるかというと、必ずしもそうとは限りません。

なぜなら、経理担当者は自社における過去の比較は行ないますが、
他社との比較を行なう機会が少ないからです。

M&Aなどに携わる方でなければ、ビジネスで他社の財務諸表を
目にすることは、殆どないのではないでしょうか。

会計知識を身につけたいと思う人が多くても、
実際に財務諸表を読み解ける人が少ないのは、そのためでしょう。

さて、本書では、財務諸表を読み解く優先順位を

  1.安全性 → 2.収益性 →3.成長性

とし、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の
読み方のポイントを解説しています。

この優先順位を、きちんと説明している本は意外と少ないもの。

具体例も豊富で、サブプライム危機前後でのトヨタとGMの
財務諸表分析や、イオン、ソニー、花王など大手企業の
直近のキャッシュフロー計算書をみながら分析方法が解説されます。

財務3表の「作り方」を解説した簿記・会計の
資格系の本とはまったくアプローチが異なります。

ですから、株式投資のために、簿記の本を手にとって、
全体像が見えないまま挫折した人でも、
本書を読むと、その勘所がつかめるようになっています。

この本から何を活かすか?

大前研一さんが、サラリーマンにとって、
「IT」と「英語」と「会計」が三種の神器である
と発言してから10年以上が経ちます。

10年以上前には、PCを使えない人もそれなりにいましたが、
さすがに最近では、全く使えない人はいなくなり、
ITについては、確実に平均値が上昇しました。

しかし、英語と会計については、それに比べると
進歩の幅は大きくないように思えます。

その原因は、先に述べたとおり、
求められる機会が少ないからに他なりません。

私は、以前からこの三種の神器を一気に強化するには、
「米国株か香港H株に投資せよ!」ということを提唱しています。

今では、さほどIT力の強化にはならないかもしれませんが、
英語力と会計力の強化にはつながることは請け合いです。

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| 会計・ファイナンス・企業分析 | 08:47 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生を好転させる「新・陽転思考」

人生を好転させる「新・陽転思考」
人生を好転させる「新・陽転思考」
(2009/08/22)
和田裕美 商品詳細を見る

満足度★★★

  上司とそりがあわなくてよかった・・・
  言うことを聞かない部下がいてよかった・・・
  悪口を言われたけどよかった・・・
  転職がうまくいかなくてよかった・・・

これは辛い状況が好きな、マゾ的は発言ではありません。

ひとつの事実から「よかった」点を探し、自分の未来を書き換える。
これが、和田裕美さんが本書で説く「新・陽転思考」。
(以下、陽転思考と表記します)

ポジティブシンキングとは異なる、和田さん独自の考え方です。

ポジティブシンキングは、ひとつの事実のプラス面しか
見ないようにして、ネガティブな感情を受け入れません。

それに対し陽転思考では、ネガティブな感情が生じたら、
一旦、そのまま受け入れます。
それから、その事実の「よかった」点を探し、
プラス面とマイナス面を並べ、次の判断基準で二者択一します。

その基準は、「幸せになるためには自分が選ぶべき道はどっち?」
というキーです。

ムリに強がったり、自分を作ったりしない。
自分の感情を受け入れ、それから「よかった」点を探すと、
いずれ「気づき」につながっていく。

この陽転思考が、どんな効果をもたらすかについては、
それを実践する和田さん自身を見れば明らかでしょう。

ちなみに、本書で説明される
「陽転思考が定着する9つのプロセス」は次の通りです。

  プロセス1. 「よかった」を書き出す
  プロセス2. 1日1個の「よかった」を見つける
  プロセス3. まずは30日続ける
  プロセス4. 君子は危うきに近寄らず(マイナス思考の人と距離を置く)
  プロセス5. ときには自己中心主義になる
  プロセス6. できるようになるまで、同じ話でもしつこく、くどくど聞く
  プロセス7. 陽転思考をアウトプットする
  プロセス8. 周りの人を巻き込む
  プロセス9. 感謝リセットする(落ちる所まで落ちてから切り替える)

過去に和田さんが執筆した本には、営業、話し方、人づきあいなどを
テーマにしていますが、すべてに共通するのが、
この陽転思考がベースになっているということ。

そして、陽転思考だけをテーマに、はじめてまとめたのが本書です。

いつもながら、和田さんの人柄が滲み出ていて
読むと元気が出てくる一冊です。

この本から何を活かすか?

陽転・陰転と聞くと、私が考えてしまうのは「相場」のこと。

和田さんは、「~してよかった」と陽転思考できない
唯一のことは「人の死」と語っています。

私にとっては、マーケットの動きも陽転思考してはいけないこと。

人は一度ポジションを作ると、その時の判断が間違っていても
なかなかそれを認められないものです。

「今は、マイナスでもきっと反転する」と根拠なく考えてはダメ。

所有効果や追認バイアスに陥らないよう、
ルールに沿った運用をしなければ、
マーケットで長く生き残っていくことはできません。

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| 心に効く本 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「結果を出す人」はノートに何を書いているのか

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)
(2009/09/11)
美崎栄一郎 商品詳細を見る

満足度★★★

「羊の皮をかぶった狼」といった印象の一冊。

本書には、いろいろなノートや便利文房具が紹介されているので、
見ているだけで楽しくなりますが、そんな小手先のことに
惑わされてはいけません。

本書が提唱するノート術の本質は、経験を蓄積するだけでなく、
「仮説・検証」のシステムが組み込まれ、
ノートが知的創造の場にもなっていることにあります。

著者は、「花王で働くスーパーサラリーマン」の美崎栄一郎さん。
まさにデキるビジネスパーソンといった雰囲気が伝わってきますね。

美崎さんは、ビジネスにおける生産性の差はノートの使い方の差であり、
「ノート術はビジネススキル」と言っています。

そこで、本書で解説されるのが社会人のための「三冊ノート術」。
一冊にまとめず、三冊で役割分担して連携するのがポイント。

  ・メモノート(A6またはA7サイズのちぎれるメモ帳)
     → タスク管理、アイディア出し
  ・母艦ノート(A5サイズのコクヨS&T・キャンパスノート)
     → 情報基地、プロジェクトノート、会議ノート
  ・スケジュールノート(A6サイズのコクヨS&T・キャンパスダイアリー)
     → マンスリーで時間管理

この中で、特に注目すべきは情報基地となる母艦ノート。

ここでは「予想」、「実行」、「結果」を色分けして記入することで、
PDCAサイクルを回して、経験知を蓄積しながら成長する
ノートの使い方が解説されています。

また、美崎さんはセミナーノート術として、
講演を聞く前から「〇〇についての具体的な方法を聴く」といったように
セミナーから持ち帰るテーマを決めているそうです。

これは、読書も同じ。

読む前から「この本から〇〇を習得する」と決めておくだけで、
吸収する度合いが違ってきますから、最初に持ち帰るテーマを
設定しておくのは大切なことですね。

スーパーサラリーマンである現在の美崎さんをつくり上げたのは、
「キャンパスノート」という、ひとつの商品を使ったからではなく、
「仮説・検証をノートの中に組み込み習慣化した」点にあります。

本書は、美崎さんの処女作ということもあって
ノウハウや情報が、盛りだくさんに詰め込まれていますが、
一番肝心な点を見誤らないようにしたいものです。

[参考情報]
本書でも紹介され、当ブログの過去記事でも好評の
コクヨS&T・カバーノート(SYSTEMIC・システミック)に
新色の「茶」と「紺」のバージョンが出たようです。

・A5タイプ茶:ノ-655A-3 カバーノート 2冊収容 A5茶 A罫 40枚
・A5タイプ紺:ノ-655A-4 カバーノート 2冊収容 A5紺 A罫 40枚
・A6タイプ茶:ノ-659B-3 カバーノート 2冊収容 A6茶 B罫 48枚
・A6タイプ紺:ノ-659B-4 カバーノート 2冊収容 A6紺 B罫 48枚

あと、本書の公式サイトは、こちらです。

この本から何を活かすか?

  読書ノートは「アクションプラン」

美崎さんは自分の読書録を「A書評(アクション書評)」と呼び、
読書後に実行すべきことを、シンプルなキーワードにまとめています。

キーワードに落とし込むことで、やるべきことのエッセンスが抽出され
他人の言葉から自分の言葉になるのかもしれません。

そこで、ちょっと入れ子構造っぽくなりますが、
本書を読んだ私のアクションプランは
「キーワード化する」こととします。

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| ノウハウ本 | 08:32 | comments:3 | trackbacks:2 | TOP↑

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億万長者のビジネスプラン

億万長者のビジネスプラン―ちょっとした思いつきとシンプルな商品があればいい
億万長者のビジネスプラン―ちょっとした思いつきとシンプルな商品があればいい
(2009/07/31)
ダン・ケネディ 商品詳細を見る

満足度★★★

アイディアの発想法として、A・F・オズボーンさんの
「オズボーンのチェックリスト」が有名です。

しかし、このチェックリストは、「儲けること」に直結していません。

商品を売らなければならない起業家の方は、
本書で紹介される、「ダン・ケネディさんのチェックリスト」を
活用してみてはいかがでしょうか?

  1. 対抗商品を考える
  2. 特大サイズと最小サイズ
  3. 応用する
  4. 誇張する
  5. 削る、足す
  6. 組み合わせてみる
  7. 位置関係を変えてみる
  8. 用途を広げる、特別の用途に絞る
  9. 時間枠を売りにしてみる
  10. パッケージを工夫する
  11. 悩みの種を解決する
  12. 新語を考える
  13. シンボルをつくる
  14. テクノロジーを使う

オズボーンさんのリストと微妙に似ていますが、
商品開発や改良に特化しているだけあって、
多くのビジネスシーンで使えそうです。

さて、本書は、ダイレクトマーケティング界の重鎮、
ダン・ケネディさんの未翻訳本だった
How to Make Millions with Your Ideas」の訳書です。

原書の出版は、ネットマーケティングが普及する前の1996年。

しかし、出版から十数年が経過していますが、
本書の手法は、現在のビジネス環境においても有効です。

それは、本書の真髄が、「ありふれたビジネス」を
ちょっとしたアイディアで革新することにあるからです。

ですから、本書で取り上げられる事例も、
何の変哲もないビジネスを、ちょっと視点を変えたり、
売り方に工夫を加えたものがほとんどです。

本書を読むと、いたるところに起業の種が
あることに気づかせてくれますね。

「ビジネスを現金製造機」に変えるという表現が、
いかにもケネディさんらしいところですが、
「成功=お金を生み出すこと」と割り切っているのが
非常に分かりやすいところでもあります。

また、こういった訳書でいつも心配なのが、
取り上げられた事例が、日本のビジネス環境で
参考になるのかという点です。

この問題については、監訳者の牧野真さんが、
原書の一部を割愛したり、監訳者補足を付けるなどして、
うまく日本でも活かせるようにチューニングして
クリアしているので、ストレスなく読むことができます。

この本から何を活かすか?

あなたは、今日、誰かの機嫌を損ねましたか?

  「1日に少なくとも1人の機嫌も損なわないようでは、
  十分な行動を起こしているとはいえない。」

これは、本書にあったケネディさんの持論。

私は、行動しないことで、よく妻の機嫌を損ねますが、
どうせなら行動して、機嫌を損ねるようになりたいと思います。

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| マーケティング・営業 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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はじめて講師を頼まれたら読む本

はじめて講師を頼まれたら読む本
はじめて講師を頼まれたら読む本
(2009/09/01)
大谷 由里子 商品詳細を見る

満足度★★★

本書はタイトルの通り、「はじめて講師を頼まれたら」読むべきか?

もちろん、本書に詰め込まれている内容は、
講師として成功するためのノウハウですから、
頼まれた後に読んでも役に立ちます。

しかし、よく言われるようにチャンスの女神には後ろ髪はありません。

いつチャンスが来てもいいように準備している人こそが、
本当に訪れたチャンスを生かすことができるのです。

ですから、今のところ講師を頼まれる予定のない方でも、
少なくとも本書の講師としての「マインド編」を読んでおくことで、
いざ頼まれた時に、「はい、是非やらせてください」と
自信を持って言うことができるのではないでしょうか。

本書の著者・大谷由里子さんは、かつて吉本興業で
故・横山やすしさんなどのマネージャーを務めました。

27歳で起業し、はじめは「吉本の裏話をして欲しい」などの
声がかかったのをきっかけに講師を始め、
その後、徐々に講師を頼まれる機会が増えていったそうです。

大谷さんの現在の講演料は、90分50万円。
今や講師塾を主宰し、年間300を超える講演・研修をプロデュースして、
自らも精力的に講師を務めているようです。

本書は、今まで積み上げてきた大谷さんの経験を詰め込み、
「講師のバイブル・教科書」を目指しています。

講師としての心構え、台本の作り方、話し方、事前準備といった
一般的なことから、アクシデントへの対処法、指名の増やし方、
講演料の決め方など痒いところに手が届くところまで
細かく説明されています。

大谷さんが、講演の意識すべきポイントとして
挙げるのは、次の「5つのS」。

  ・Story (話の中に起承転結など、ストーリーを織り込む)
  ・Simple (難しいことでも、分かりやすく簡単な言葉で)
  ・Special (ここだけの話しを用意する)
  ・Speed (速さの調節でメリハリをつける)
  ・Smile (聞き手を笑顔にすることに力を入れる)

これらのポイントは講演やセミナーに限らず、
人前で話しをする誰もが、意識をすべきコミュニケーションのポイントと
考えることができますね。

また、普段、講演やセミナーを受ける機会が多い方は、
本書を読んでから、改めて講演を聞くと、講師の善し悪しや
今まで気づかなかった講師の配慮などが見えてくるかもしれません。

この本から何を活かすか?

個人的に参考になったのは、台本の作り方。

基本は「5分ネタ」をたくさん作って用意しておくこと。

別に講演でなくても、テーマや話す制限時間に関わらず、
3分~5分で話せるネタをたくさんストックしておくと、
いろいろな機会で活用できそうです。

ちなみに、大谷さんは5分ネタ、180本以上のストックがあるとか。

本当は自分の体験をネタにするのがベストですが、
そう簡単に用意できない時は、
福島正伸さんの「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」や
仕事が夢と感動であふれる5つの物語」、あるいは、
マーク・ビクター・ハンセンさんの「こころのチキンスープ」などを
参考にしたいところですね。

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| ノウハウ本 | 10:36 | comments:1 | trackbacks:2 | TOP↑

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奇想天外な科学実験ファイル

奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?
奇想天外な科学実験ファイル―歴史を変えた!?
(2009/08/25)
アレックス・バーザ 商品詳細を見る

満足度★★★

科学者の持つ好奇心は、人類が発展するための強力なエンジンです。
しかし、その飽くなき探究心は、時として制御不能となり暴走する。

本書には、一見、暴走としか思えないような、
人類史上最も奇想天外な科学実験の数々が集められました。

まるで映画や小説に登場しそうな、
マッドサイエンティストが本書には登場します。

著者は、中世から現在までの本当にあったイカサマや
都市伝説などウソにまつわるエピソードを集めたウェブサイト
The Museum of Hoaxes」の館長を務めるアレックス・バーザさん。

  「実験者が大まじめでやっているからこそ、これらの実験には
  現実を超越した独特の面白さがある。未知の領域に挑戦すべく冷静に
  実験に精を出す白衣を着た科学者のひたむきさと、それとは対照的な
  心や奇抜さ、とても正気とは思えないアイディアという
  奇抜な組み合わせには、ゾクゾクとするような魅力がある。」

紹介される科学実験は10のテーマに沿った70以上。

  ・死んだ子ネコを生き返らせる
  ・自分で自分をくすぐっても、くすぐったくないのはなぜか?
  ・モーツアルトを聞くと頭がよくなる?
  ・ゾウにLSDを打つと、どうかるか?
  ・性交時の体毛移動率
  ・ゴキブリのレース
  ・恐怖喚起コンテスト

タイトルだけ聞くと眉をひそめたくなるような実験や、
今考えると本当にバカバカしい実験を
当の科学者達は真剣に研究しているところが面白いところ。

バーザさんは、これらの歴史に名を残す(?)実験を
科学者の人物像や実験も織り交ぜながら、
科学的な知識がなくても楽しめる読み物に仕上げています。

ひとつひとつのエピソードはコンパクトにまとめられ、
感情移入できるほど長くないのが、ちょっと残念なところですが、
いずれの実験も出典や参考文献が、きちんと掲載されていますから、
興味があれば、自分で詳しく調べることも可能です。

原書は「Elephants on Acid: and Other Bizarre Experiments」で、
「LSDを打たれたゾウ」の話しがタイトルになっているので、
表紙もカラフルなゾウでデザインされています。

しかし、日本語版は、「見てはいけないものを覗き見している」
ような写真が表紙で、こちらの方が本書のイメージに近いですし、
この表紙だけで科学実験に興味がない人でも、
思わず本書を手にとってしまいそうになるのではないでしょうか。

第1章の「フランケンシュタインの実験室」は
多少グロい話も登場するので、その手の話しが苦手な方には、
第1章を飛ばして、第2章から読むことをオススメ。

この本から何を活かすか?

のんびり家を持って歩く、ほのぼのとしたイメージのカタツムリと
ジメジメしたところに生息して、嫌われ者扱いされるナメクジ。

違いは、殻があるかないか。

元々は同じ種で、殻がなくても生活できるように進化したために、
ナメクジは、カタツムリとは天と地ほども違った扱いを受けています。

さて、私は本書のような奇抜な実験は簡単にできませんが、
子どものために、カタツムリもナメクジも差別することなく、
例の、「塩をかけると溶ける?」という有名な浸透圧の実験を
行ないました。

  被験者 : カタツムリ、ナメクジ各数匹
  材料 : 塩、砂糖、重曹、水、割り箸など

実験後は、水に入れて元に戻そうとしましたが、
やはり数匹の犠牲者が出てしまいました。

彼らの犠牲のおかげで、図らずも命の尊さまで、
うちの子は学ぶことができました。合掌。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 科学・生活 | 11:40 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術

「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術
「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術
(2009/08/21)
齋藤 孝 商品詳細を見る

満足度★★★

齋藤孝さんは、原則としてパソコンやケータイで
情報の「検索」をしないそうです。

それは、検索すればするほど、知的生産力が反比例して
衰えてしまうと感じるから。

それでは、齋藤さんは情報が必要な時にどうしているのか?

自己検索。

  「頭の中を検索して、考えようとしているテーマに関わる記憶、
  つまり情報をひきだし、それを手がかりに考えを進めていくと、
  速く、的を射た考えをまとめることができる。

  頭がいいとは、こうした作業を速く、
  的確にできることをいうのではないか。」

では、齋藤さんとは違い自己検索できない人、
つまり頭の良くない人はどうしたらよいのか?

普段から「読む・書く・話す」を大量にこなし、
自分のデータベースを積み上げる。

そのために本書の方法を学んで、自分自身を情報化する
手法を身につけなければならないということなのでしょう。

これは、齋藤さんからすると正論かもしれませんが、
そう言われても見も蓋もないことです。

実際のところ私たちは、ネット検索も利用しつつ、
「ネット検索=頭を使わない」といった状況に陥らないよう
工夫をすることが現実的な選択でしょう。

そもそも、ネット情報は玉石混交なので、その中から必要な情報を
活用するためには、クリティカルな視点を持たなければなりません。

クリティカルな視点を持たない人が、情報ソースをネットから、
文献、あるいは人からの情報に切り替えたとしても、
そこから自分の考えを引き出せようになるとは考え難いでしょう。

それはさておき、本書では、齋藤さん流の読書術・メモ術・
アウトプット術などの「読む・書く・話す」ための25の技法が
説明されています。

一つずつ実践していけば、知的生産のための
「足腰」が鍛えられることは間違いありません。
いわば、「知的筋トレ」をするための本です。

テクニックとしては、お馴染みの「三色ボールペン」を使ったものが
中心なので、過去に齋藤さんの本を何冊か読んでいる方には、
少し新鮮味がないかもしれません。

この本から何を活かすか?

以前、「本がどんどん読める本」の記事で取りあげた
ワイヤレスの電子書籍端末「Amazon・Kindle(キンドル)」が、
いよいよ日本でも入手可能になりました。(2009.10.07)



今のところ、ダウンロード可能な本は洋書のみです。

本を置く場所が必要ありませんし、自動バックアプされ、
いざという時に再ダウンロードも可能。

更に、付箋・注釈機能や音声読み上げ機能もあり、
audibleにも対応していますから、私には十分魅力的に映ります。

しかし、ネット検索が嫌いな齋藤さんは、
やはりKindleを受け入れないのでしょうか?

三色ボールペンで書き込んだり、ページの角を折るなど、
リアルな感覚を大切にする齋藤さんですから、
簡単には受け入れそうにありませんね。

また、Kindleの購入を考えている人は、発売間もないので
日本での「マスター」の座を狙うことが可能です。

早く入手して、徹底的に使い倒すことで、
「使い方ガイド」や「Hack本」を出版するという道も
開けてくるかもしれません。

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| 読書法・速読術 | 09:00 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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自己プロデュース力

自己プロデュース力
自己プロデュース力
(2009/09/01)
島田 紳助 商品詳細を見る

満足度★★★★

2007年3月にNSC(吉本総合芸能学院)大阪で一度だけ行なわれた
島田紳助さんによる“伝説の講義”を書籍化したものです。

講義の対象はNSCの若手芸人。

表面的には、M-1の2回戦を突破するための秘訣や、
テレビで売れるための企業秘密が講義されているように見えますが、
本質的に語られているのは、「人生で成功するための戦略」です。

ですから、お笑いに全然興味がない方にも響く内容です。

あなたは、自分で「教科書」を作りましたか?

紳助さんが18歳でお笑いの世界に入って、まずやったことは、
自分なりのデータ分析を徹底して行い、明確な方向性を持つこと。

その上で、「これで勉強したら、絶対売れる」という教科書を作った。

ターゲットを絞り、リソースを適切に配分する。

漫才コンビ紳助竜介、そしてタレント島田紳助さんは、
綿密に練られた自身のマーケティングによって、
売れるべくして売れたことが、この講義を聞くとよく分かります。

他人の作った教科書で学ぶことは、必要ですが十分ではありません。
更に、漫才に限らず多くの分野ではじめから教科書など存在しません。

ですから、教科書を作れるだけ深く研究しなければ、
そして、自らオリジナルの教科書を創作しなければ、
どの分野でも、成功は掴めないということでしょう。

また紳助竜介の成功には、相方だった故・松本竜介さんの
紳助さんとは、全く違った才能があったことも見逃せません。

本書を読むと、紳助さんのように生きられなくても、
竜介さんのように愚直に生きるのもまた、カッコイイと思わせます。

紳助さんの論理的かつ情熱的に語りかける講義は、
若手芸人だけが聞くには、もったいない内容です。

紳助さんのことがあまり好きでない方や、お笑いに全く興味がない方こそ
この講義の凄さに圧倒されるかもしれません。

本書を読むと、この講義が映像として収録されている
DVD「紳竜の研究」が見たくなります。

このDVDはレンタルされていないようですから、
DVDの購入に二の足を踏んでいたり、紳助竜介の漫才自体に
興味がない方には、自己プロデュースの講義部分に内容を絞り
活字化された本書はオススメです。

この本から何を活かすか?

  「システムをパクる」

紳助さんは漫才師として成功するために、
B&Bの島田洋七さんのネタではなく、システムをパクったそうです。

今度、私たちに必要なのは、
「紳助さんという成功システム」をパクること。

このシステムは抽象度が高いので、様々な分野に応用可能です。

もちろん、紳助さんが洋七さんのシステムの弱点を把握した上で
パクったように、私たちも紳助さんのシステムをパクる前に、
その弱点を押さえておく必要がありますが。

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| マーケティング・営業 | 06:40 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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たった1通で人を動かすメールの仕掛け

たった1通で人を動かすメールの仕掛け (青春新書PLAY BOOKS)
たった1通で人を動かすメールの仕掛け (青春新書PLAY BOOKS)
(2009/08/25)
浅野 ヨシオ 商品詳細を見る

満足度★★★

“人脈づくり”などに活かせるメールテクニックの本です。

例えば、本書で紹介される、
「ビジネスメールですぐに使える裏ワザ」

  1. お客さまの敬称は「〇〇様」から「〇〇さん」へ!
  2. 2行目に「〇〇(会社名)の△△(自分の名前)です」と名乗りましょう!
  3. 客さんへの返信メールに用件だけはいけません!
  4. お問い合わせメールは徹底的にほめる!
  5. お客さまへのメールに自分の顔写真を添付する
  6. 同じことで悩んでいるお客さまの例で安心感を!

こういったテクニックを読んで、
「私の職場では、あまり使えないな」と感じる方も多いはず。

しかし、本書はビジネスマナーを踏まえた例文集ではありませんし、
そもそも「相手の感情を揺さぶること」が目的です。

テクニック自体は、そのまま活用できない職場でも、
その裏にある「相手を喜ばそうとする精神」は学ぶべきところがあります。

実際にビジネスメールを、相手を喜ばそうと考えて書く人は
少ないですから、その気持ちがちょっと滲み出るだけでも
気の効いたメールになって、相手に好印象を与えます。

  「ここに書かれているのは、メールに限らず、
  人と人のコミュニケーションというか、人間関係のエッセンスでもあるんだね」

著者の浅野ヨシオさんは本書について、出版前に読んでもらった人から
このような評価を受けたと、エピローグに書いています。

ドラえもん、ウルトラマン、仮面ライダーなどが登場する例文は、
そのままコピーしてビジネスの現場で流用できませんが、
これもまた、浅野さんの読者を楽しませようという気持ちの表れ。

ついつい事務的になりがちなビジネスメールこそ、
そういったエッセンスを取り入れたいものです。

また、浅野さんは「メールで結婚した」と言ってる通り、
プライベートには本書のテクニックは効果絶大だと思いますが、
使用頻度からすると、携帯メールへの応用も考える必要がありそうです。

私は本書を読んで、水野敬也さんの「ウケるメールマガジン」の
文章を思い出しました。

ウケる技術」を読んでから水野さんのファンになり、
メルマガを登録していたのですが、水野さんが「夢をかなえるゾウ」の
全国行脚に出てから、私はメルマガを読まなくなってしまいました。

水野さんも、「夢をかなえるゾウ」が、あまりにもがブレイクしたせいか、
もう2年も新刊が出ていないのが心配ですね。

この本から何を活かすか?

いい仕事をするための家庭円満メール
殺し文句は「あなたのおかげ」

  「ねぎらいの言葉を何度も送信してください」

確かに、私は妻にメールする時こそ必要最低限の
事務的なメールになっていました。

ねぎらいの言葉など皆無。

直接、感謝の言葉を口にする機会は多いのですが、
文章で伝えると、また違うかもしてませんね。

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| 文章術 | 06:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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忘れられない脳

忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私
忘れられない脳 記憶の檻に閉じ込められた私
(2009/08/20)
ジル プライス&バート デービス 商品詳細を見る

満足度★★★★

「もっと記憶力が良かったらなぁ~」とは、誰もが一度は考えることですが、
本書の著者、ジル・プライスさんの悩みは全く逆です。

本書は、ハイパーサイメスティック・シンドローム(超記憶症候群)の
40代ユダヤ人女性の特異な半生を綴った自伝。

プライスさんは、8歳の頃から毎日の生活の記憶が
脳に鮮明に保存されている、超人的な「自伝的記憶力」の持ち主です。

本当の“The Total Recall”。

これだけ聞くと、うらやましと思われることが多いようですが、
実際は「記憶力がよすぎて暗記は苦手」とのこと。

彼女の脳には、日常のどんなことでも優劣をつけずに
保存する能力があり、その記憶が自分の意思に関係なく
次々とフラッシュバックして蘇り、自制できずに暴走するようです。

それが障害となり集中することができず、勉強で必要な
いわゆる丸暗記は苦手だったと、プライスさんは回顧しています。

プライスさんの記憶の状態を一般の人にイメージしてもらうために、
本書では、次ぎのように表現しています。

  「あなたは子どものときからくる日もくる日もだれかにあとをつけ回され、
  ビデオカメラで撮られ続けている。その映像が、時系列ではなく、
  すべてアトランダムにつなぎ合わされ、DVDプレーヤーから流れているのを
  じっと見ていなければならない。
  そんなことが私の脳のなかでは日々繰り返されている。」

大量の“きのう”と共に生きる人生。
まるでSFのようですが、すべて実話です。

「忘却」は人が持つ大切な機能と言われますが、
本書を読むと、本当に忘れることの有難さが実感できます。

また、自分と共に楽しい時間を過ごしたことを
相手が忘れていったり、覚えていないことも寂しく思うようです。

これって、自分の時間だけが静止している感覚かもしれません。

浦島太郎のように感じるのか、あるいは自分以外の人が、
全員アルツハイマー病になってしまったように感じるのか分かりませんが、
あまり歓迎したくない状況ですね。

いずれにせよ、プライスさんは自分の超記憶脳を
肯定して受け入れ、人生を歩まなければなりませんし、
同様に私達も、忘却力を備えた自分の脳を肯定的に受け入れ、
人生を歩んでいくしかないようです。

この本から何を活かすか?

過去にはサバン症候群で超人的な暗記力を誇るキム・ピークさんを
モデルにして映画「レインマン」が作られましたが、
プライスさんの特異な能力は、同様に映画の題材になることでしょう。

社会派映画ならバリー・レビンソンさん、SF映画としてなら
リドリー・スコットさんにメガホンをとってもらいたいものですね。

実際の、ジル・プライスさんのインタビュー映像はこちら。
画面右側の大柄な女性がプライスさんです。



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| | 08:01 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい

たった100円で大変革! A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい
たった100円で大変革! A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい
(2009/09/26)
松宮義仁 商品詳細を見る

満足度★★

シンプルマッピング事務局・齋藤さんより献本頂きました。
ありがとうございます。

本書で説明される手法は、松宮義仁さんが考案した
アウトプット重視のノート術「シンプルマッピング」に、
品質管理などでお馴染みのエドワーズ・デミングさんが提唱した
「PDCA(plan-do-check-act)サイクル」を合体させたもの。

それは、仕事を仕組み化するための「LDSPサイクル」。

  L = Learn(学習)
  D = Do(行動)
  S = Study(評価)
  P = Plan(計画)

ポイントは2つ。

「Learn・学習」がサイクルの最初にきていることと、
「Plan・計画」が一番最後にきていること。

ここでの「学習」とは、改めて学習のスタートを切る
というイメージではなく、常に学習状態にあることを指します。

つまり、学習の「アイドリング状態」を
維持して、備えておくことを意味します。

また、オフィスでの仕事やパーソナルな仕事上の計画では、
その都度、目的・目標を設定し柔軟に対応する必要があるので、
サイクルの1週目の終わりに計画し、2週目のスタートへの
つなぎとするのが大きな特徴。

このサイクルを回して、仕事をノウハウ化・習慣化させ
スパイラルアップしていくのが、LDSPサイクルです。

ただし、このサイクルを回すのに、シンプルマッピングの
ノート術をどう活用していくかが、
私にはちょっと分かりにくいように思えました。

サイクルの話しと、マッピングの話しがうまくシンクロしていれば
いいのですが、どこか独立している印象があります。

そもそも、シンプルマッピングの最大の売りは、
その名の通り書き方が簡単で、すぐにアウトプットできること。

一部のマインドマッパーの方からは、マインドマップの亜流的な
見方をされる面もありますが、私が前著を読んだ限りでは、
じっくり腰を据えなくても、3分程度の時間とA6サイズの100円ノートがあれば、
サッと描けるシンプルマッピングは大きな魅力があるように感じました。

しかし、本書で説明される新たな理論武装が加わることで、
そういった魅力が、逆に隠れてしまわないかが心配です。

この本から何を活かすか?

さて、冒頭でも書いたとおり、本書は献本して頂きました。

にもかかわらず、当ブログでは本書について
盲目的に素晴らしさを絶賛する記事になっていません。

更に、このブログでは、本書の出版キャンペーンの告知すら
行なっていません。
(これは、無視したのではなく、気づいたらキャンペーン期間が
終わっていたのが本当の理由ですが)

献本してもらって、そんなことが許されるのか?

ちょっと微妙なところかもしれませんが、
私は自分のスタイルを貫きたいと思います。

それでも、今後も松宮さんの献本がきたら、本物ですね。

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| ノウハウ本 | 10:07 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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2010年世界経済大予言

2010年世界経済大予言―大恐慌を逆手にとる超投資戦略
2010年世界経済大予言―大恐慌を逆手にとる超投資戦略
(2009/08/25)
松藤 民輔&増田 悦佐 商品詳細を見る

満足度★★★

増田悦佐さんと松藤民輔さんによる大胆な「経済放談」。

まえがきで、松藤さんはこの対談について、
「日本の碩学と日本の金鉱山王との伝説の対談集である」と
少し冗談っぽく言っていますが、それなりに本気です。

経済楽観派の印象が強い増田さんと、
恐慌が友達の松藤さんなので、意見やポジションが異なるかと思いきや
お2人はソロモン・ブラザーズ時代の同僚で、
「世界超弱気、日本超強気」という見解が一致しています。

対談は、米国のカーライル・グループと
日本のスーパー「つるかめ」の話から始まり、
「米国の次の覇権国家が日本になると」と意気投合し、
話しのスケールは、どんどん大きくなって加速。

  「この恐慌の向こう側には日本大衆社会の時代が来る、
  と喝破した眼力と増田語の説明は楽しく未来への自信を与えてくれる」

日経平均が4000円になることと、日本が次の覇権国になることが
同じ本の中で予測されていることに、若干の違和感がありますが、
私も、モノ作りを捨てなかった日本経済が、
今後、復活して欲しいという想いは同じです。

かなり一面的なものの見方が多いような気がしますが、
ここまで大胆に言い切っていると、非常に面白いですね。

  第1章 オバマの賞味期限は2010年で終わる!?
  第2章 さらば金融立国! 製造業こそが日本と世界を救う
  第3章 日本の個人投資家はこんなにすごい!
      ダウ4000ドル、日経平均株価は4000円になる!
  第4章 金価格は1トロイオンス3000ドルを目指す
  第5章 為替、債券、原油、穀物はこうかわる!
  終章  やっぱり日本は正しかった! 覇権は日本に転がり込んでくる

増田さんは現在、松藤さんの金鉱山会社ジパングに所属しているので、
第4章で、金についての意見が一致するのは当然。

あくまで本書の対談全体が、ひとつのポジショントークと
認識した上で、お2人の洞察を参考にするのがいいでしょう。

なんとなく本書の対談を読んでしまうと、お2人の自信のある発言に
圧倒されて終わってしまう可能性がありますから、
ひとつひとつ立ち止まって、そう言える根拠はあるのか、
またその根拠は正しいのか、と考えながら読むことが必要です。

私も、ユダヤ社会で議論を深めるために、あえて反対の意見を言う
「devil's advocate(悪魔の使徒)」を実践しながら読んでみました。

この本から何を活かすか?

  「増田さんには2008年末からジパング社に来てもらって知恵を借りている。」

まえがきに、こう書かれているので、
てっきり増田さんがジパング社の社外取締役になっているのかと思ったら
役員名簿には名前はありません。

アナリストとして、在籍しているということでしょうか?

それはさておき、私は松藤さんの本を読むたびに、
毎回、金価格をチェックしています。

金価格の推移と、金に人生を注いでいる松藤さんの言動の変遷を
確かめるのも楽しみの一つです。

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| 投資 | 06:55 | comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑

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人を助けるとはどういうことか

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
(2009/08/08)
エドガー・H・シャイン 商品詳細を見る

満足度★★★

よかれと思って手助けしたつもりが、
かえって相手の機嫌を損ねてしまうことになった。

こんな経験、私もよくあります。

「支援」は、相手との相互関係なので、
一方的なものになってはいけませんし、
相手にも役に立つと思ってもらわなければなりません。

・「〇〇通りは、どっちですか?」と見知らぬ人から尋ねられる。
・「算数のこの問題、手伝ってくれない?」と子どもに頼まれる。
・「紅茶を入れてくれない?」とパートナーに頼まれる。

ビジネスや日常のいたるとこに、
誰かが誰かを助けようとする場面があります。

ここで、相手の真のニーズを知らないまま質問に答えたり、
要求に応じてしまうと、お互いに気まずくなることも。

親切のつもりでかけた言葉が、
相手に「一段低い所に置かれた」と感じさせてしまうなど、
なかなか難しい面もありますね。

必要なのは、相手の「理解」と「信頼」です。

本書は、「支援学」の入門書で、日常のありふれた経験を
概念化するためのエクササイズ。

著者は、組織心理学の創始者で、MITの名誉教授でもある
エドガー・シャインさんです。

50年以上もの研究の成果を、学術書といった形態ではなく、
身近な問題をとりあげ、分かりやすくまとめています。

中心となるのは、支援者が最初からコミュニケーションの
プロセスに焦点を当てる「プロセス・コンサルテーション」の手法。

相手の信頼を少しずつ構築しながら、
真の要求を探るコミュニケーション方法です。

そのための鍵となるのが、「控えめな質問(humble inquiry)」。

さすがに長年蓄積した研究が背景にあるだけあって、
少し堅めの文体ですが、単に理論の説明だけでなく、
具体例も豊富なので、誰もが自身の経験を思い出しながら、
本当の協力関係を築く方法を学ぶことができます。

また、後半では集団としての支援であるチームワークや
組織における有効な支援方法について論じられているので、
ビジネス上でも活用可能です。

この本から何を活かすか?

「支援関係における7つの原則」

  1. 与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる。
  2. 支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる。
  3. 支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、効果的な支援が生まれる。
  4. あなたの言動のすべてが、人間関係の将来を決定づける介入である。
  5. 効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。
  6. 問題を抱えている当事者はクライアントである。
  7. すべての答えを得ることはできない。

本書では、この7つの原則に対し、
それぞれ実践するためのコツが示されています。

せっかく手を差し伸べるなら、少しでもそのコツを身につけ、
独りよがりな支援にならないようにしたいものです。

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| コミュニケーション | 06:37 | comments:3 | trackbacks:1 | TOP↑

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発想の視点力

いまは見えないものを見つけ出す 発想の視点力
いまは見えないものを見つけ出す 発想の視点力
(2009/08/12)
三谷 宏治 商品詳細を見る

満足度★★★★

あの人は、何でそんな発想ができるんだろう?

同じモノを見ていても、その本質を見抜き
独自の発想ができる人がいます。

私がパッと思いつく有名なところでは、
大前研一さんや小飼弾さんなどがそうですね。

こういった人達は、頭の構造が違うから、
普通の人が同じように発想するのはムリなのか?

あきらめる前に、まず本書を手にとってみましょう。

本書で三谷宏治さんが説明する「3つの視点力」を身につけると、
誰でも優れたアイディアを生み出せるようになるかもしれません。

例えば、よく行なわれるアンケート集計やデータ分析。

通常、私たちはデータの共通点は何か、
あるいは最大要因は何かという観点で分析しがちです。

しかし、これらのメジャー要因は、実は集計する前から
分かっていたことで、単に数字の裏付けで自分を納得させたり、
他人を説得するための材料をまとめたに過ぎません。

  「中央にジャンプはない。単純な相関に面白い答えはない。」

注目すべき点は、共通点ではなく例外や矛盾。

メジャーではない周辺部分にこそ、ジャンプの種が隠されていると
三谷さんは指摘します。

集計上は「その他」にまとめられ、存在に気づいているものの、
異常値として無視したり、マイナーだからという理由で
深く追求することを怠ってしまう外れた値。

例外から逃げずに、その理由を徹底的に掘り下げる。

  「一見無価値なのに、存在しているもの、その理由を追求しよう。」

余談ですが、山田真哉さんの「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」も、
まさにこの視点で着想し、そこから会計の本質的な考えまで展開させて、
ベストセラーになった本でしたね。

さて、本書で説明されるのは、
発想を飛ばすための次の「3つの視点」。

  視点1. 比べる(矛盾、不変・変化、例外、周辺やその他を比べる)
  視点2. ハカる(ハカり難いものをきちんとハカる、ヒト・未来・塊)
  視点3. 空間で観る(「ああそうか」で終わらせず深掘りする)

本書では、これらの視点力で尖った発想をするための、
考え方とトレーニング方法が分かりやすく解説されています。

三谷さんの前著、「正しく決める力」も完成度の高い本でしたが、
本書は更にそれを上まわる素晴らしさ。

まさに発想の達人が実践している秘密が明かされる、
目からウロコの一冊です。

この本から何を活かすか?

JAH法(Jiku Atai Haba 軸値巾法)を試しに使ってみる。

これは本質を見極め、発想を展開する方法として
本書に紹介されていたワザです。(詳しい使い方は本書を参照)

例えば、最近、私が気になるキーワードとして
「サーバント・リーダーシップ」があります。
これは社員を従者として助けながらリードするという考え方。

このキーワードからJAH法を使って、
制限時間15分間で、別のアイディアを導き出すことに挑戦しました。

まず「サーバント」と「リーダー」と「シップ」に分解。

一つ目の「軸」(属性)は、「人との関係性」とします。
この場合の「値」は、サーバント(召使い)。
その「巾」は、奴隷~支配者までさまざま。

そして2つ目の「軸」を「組織で必要な役割」とします。
この場合の「値」は、リーダー。
そのときの「巾」は、新入社員から相談役までさまざま。

3つ目の「軸」を「接尾辞」
この場合の「値」は、シップ。
その「巾」は、力、的、イズム、イストなどなど。

さて、これらを組み合わせて、制限時間内で
私が作り出したのは「スレイブ・トップイズム」という言葉。

会社の頂点にいながら、自らの考えで動けない
経営者を揶揄する時にでも使いましょうか。

はじめてJAH法を使ったので、あまり飛んだアイディアは
生まれませんでしたが、もう少し練習したいと思います。

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| アイディア・発想法・企画 | 09:47 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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サバイバル時代の海外旅行術

サバイバル時代の海外旅行術 (光文社新書)
サバイバル時代の海外旅行術 (光文社新書)
(2009/08/18)
高城剛 商品詳細を見る

満足度★★★★

20数年前に、ふちの青い「地球の歩き方」を片手に世界中を放浪し、
「歩き方」だけでも過去に150冊以上買ったという高城剛さん。

高城さんは、時代と共に「歩き方」シリーズも変化し、
かつての手作りのリアル感が、ずいぶん薄らいだと指摘します。

未開の地をガイドするワクワク感の喪失。

この喪失感は、私の中では、橘玲さんの海外投資を楽しむ会が、
かつて出版されていた「ゴミ投資家シリーズ」がリニューアルして、
「小富豪のための」シリーズになって魅力が半減したのと似ています。

そこで、高城さんが本書で提案するのは、
本当に必要な旅行ガイドブックを自分で作ってしまうこと。

本書では、「高城流マイガイドブックの作り方」が披露されます。

前著の「70円で飛行機に乗る方法」では、
ローコストキャリア(LCC)情報の紹介と、高城さんの日本への不満が
吐露されていて、実用度はあまり高くない面がありましたが、
今回は、かなり使える情報満載。

ショッピング情報が中心の日本で出版されるガイドブックに
辟易している私としては、非常に楽しむことができました。

但し、高城さんの旅行スタイルに共感できるかどうかで、
大きく評価は分かれるかもしれません。

構成は大きく3つに分かれています。

  前 : ガイドブックのガイドブック(ガイドブック比較とオススメ本)
  中 : 旅の情報収集術(ネットでの収集術)
  後 : 旅の7つ道具とパッキング(iPhoneの活用も含む)

以下、私が読みたくなったガイドブックです。
  ・CREW GUIDE 2009(エアライン乗務員用の旅行ガイド)
  ・Usborne City Guides of London (子供用ガイド)
  ・Barcelona (Top 10 Travel Guide)(見どころトップ10が紹介)
  ・A Year of Festivals(世界の祭りガイド)

また、使ってみたくなったアイテムは次の2点。
  ・karrimor(カリマー) エアポートプロ 40(バックパックになるキャリーバッグ)
  ・MBTのスニーカー(履くだけでフィットネス)

なにかと話題や噂が取り沙汰されている高城さんご夫妻。

しかし本書には、芸能ニュースで見かける高城剛さんとは、
明らかに違う姿がありました。

この本から何を活かすか?

以前も取り上げたことはありますが、
私が、★★★★★のハワイの至高のガイドブックと
考えているは、次のシリーズです。
  ・Maui Revealed: The Ultimate Guidebook
  ・Oahu Revealed: The Ultimate Guide to Honolulu, Waikiki & Beyond
  ・The Ultimate Kauai Guidebook: Kauai Revealed
  ・Hawaii the Big Island Revealed: The Ultimate Guidebook
シュノーケル好きな人にはたまらない情報満載。

あと、高城さんも本書で激賞していたのが、
電子辞書と「旅の指差し会話帳」シリーズ。

私も英語圏では電子辞書、非英語圏では「指差し」シリーズを
必須アイテムと考えています。

私が、今、携帯用に欲しい電子辞書はこちらの
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