活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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ブラック・スワン

ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
ブラック・スワン[上]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
ナシーム・ニコラス・タレブ 商品詳細を見る
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質
(2009/06/19)
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満足度★★★★

出版が待たれていた、ナシーム・ニコラス・タレブさんのエッセイ。
不確実性と人間の認知のバイアスについて書かれています。

前著の「まぐれ」もそうでしたが、本書も個人的には
タレブさんの個性が発揮されていて、楽しく読むことができましたが、
あまり人に薦めようとは思いません。

本書は、かなり癖がありますし、
タレブさんは「一般化」することの弊害を本書の中で
再三述べていて、本書自体も極端な論調で一般化を
避けているからです。

タイトルのブラック・スワンとは、まずありえないことの象徴。

特徴は3つ。

普通は起こらないこと、とても大きな衝撃があること、
そして一度起こると適当な理由で予測可能だったとされてしまうこと。

特に3つ目の理由が本書の大きなテーマであり、
人が知らず知らずのうちに持つ思い込みやバイアスについて、
いろいろな事例を出しながら繰り返し語られています。

  「私たちは極端な出来事から手をつけるべきだ。極端なことを、
  例外としてじゅうたんの下あたりに隠しておくのは間違いだ。」

本書の「敵」は単純化したり次元を下げたりして、
ものごとを一般化して、わかったという幻想を抱くこと。

ですから、ベル型カーブ(正規分布)やノーベル経済賞を受賞した
ロバート・マートンさんなどの著名な経済学者に対しても
挑発的な発言をしています。

上巻は約300ページ、下巻は約200ページ+資料約100ページで、
かなりのボリュームです。

  「この本を書くのは、思ってもみないぐらい楽しかった。
  実際、この本は自分で自分を書き上げてしまったようなものだ。」

タレブさんが語っている通り、楽しんで書いているうちに
つい長くなってしまったという印象で、300ページ以上の力作を
書き上げたという感じではありませんから、タレブさんの独自の
世界観を楽しむつもりで読むのが良いでしょう。

また、デリバティブ・トレーダー兼研究者というタレブさんの
トレーディングの成績については、望月衛さんの訳者解説に
興味深い内容が書かれていました。

  「オレはトレーディングを始めてから3回しか儲けていない。
  1987年、1998年、そして2008年だ」

一応解説しておくと、1987年はブラック・マンデー、
1998年はアジアの通貨危機やロシアの財政危機があり
LTCMが破綻した年、2008年はサブプライム問題からの
金融危機・・・

まるで、「恐慌は友人」と言っている松藤民輔さんのようですね。

この本から何を活かすか?

  「バーベル戦略」の日常生活への一般化

バーベル戦略とは、守りを固めた態度と、行き過ぎたくらい
積極的な態度を同時に取ることからなる戦略。

通常は債券投資などで用いられます。

タレブさんは、中くらいのリスクをとらず、一方で大きなリスクをとり、
もう一方で一切リスクをとらないこの戦略を、人生のあらゆる局面で
とるにはどうしたらいいかを考察しています。

私も、人生のバーベル戦略を考えてみます。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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| 経済・行動経済学 | 06:40 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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