活かす読書

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雇用の常識「本当に見えるウソ」

雇用の常識「本当に見えるウソ」
雇用の常識「本当に見えるウソ」
(2009/05/18)
海老原 嗣生 商品詳細を見る

満足度★★★

本書の著者、海老沢嗣生さんは、週刊モーニング連載中の
三田紀房さんの漫画「エンゼルバンク」の主人公・海老沢康生の
実在モデルのようです。

本書では、海老沢さんが世間で言われている雇用や労働環境についての
常識や俗説に対し、豊富なデータを用いロジカルに反証を行います。

  ・終身雇用の崩壊
  ・転職の一般化
  ・正社員の減少
  ・「若者がかわいそう」=熟年悪者論
  ・昔は良かった論

これらは、マスコミでは疑いの余地のない常識として流布され、
TV出演した数多くの識者が、これらの説について、
世間受けしそうなコメントをしています。

雨宮処凛さん、勝間和代さん、森永卓郎さん、金子勝さん、
中谷巌さん、堀紘一さん・・・

海老原さんは、こららの有名コメンテーターが発言する
「本当に見えるウソ」を、本書で見事に喝破してみせます。

もちろん、海老原さんは喧伝される俗説に誤りがあるから、
日本の雇用・労働環境に問題がないと言っている訳ではありません。

最終章では、改革が必要であるという認識を示し、
海老原さんとしての、改善案を提示しています。

本書の中では、発言の一部だけを切り取って
反証しているように見えるところもありますから、
100%海老原さんが正しいとは言い切れません。

しかし、海老原さんの全体を鳥瞰するものの見方や、
データーを分析して論理的に正しい事実を導く過程は
かなり参考になるものでした。

まさに、エンゼルバンクの海老沢嗣生が井野真々子の
常識を次々と覆すイメージそのもの。

但し、章の最後にエンゼルバンクの1シーンが挿絵として
掲載されていますが、あまり本文と関係のないシーンなので、
私には、少ししっくりこない感じが残りました。

この本から何を活かすか?

本書の中で、ちょっと気になったのが、
「人口に比例せず、偉大なトップは生まれている」
ということを説明する図表。

総理大臣、金メダリスト、ノーベル章受賞者、大リーガー、
海外リーグ所属のサッカー選手を、出生年代別にプロットし、
各年の出生数のグラフに重ねたもの。

要するに、出生数の多い年に各界の偉人が
比例して多く排出されているかを見るための図表です。

ノーベル賞は海外で認められるので、
母数となる出生数と比較し、どれだけ優秀な人材が
輩出されているかを検証することが、ある程度できると思いますが、
総理大臣はどうでしょうか?

任期の長短があるにせよ、排出する母数が多くても少なくても、
日本に総理大臣は1人ですから、これをプロットしても
あまり参考にならないような気がします。

また、海外で活躍するスポーツ選手も、最初の開拓者が
活躍して道が開けるかどうかが大きく影響しますし、
そのスポーツの日本全体のレベルアップにも関係しますから、
一概に、出生数と活躍した人の数を比べても、
意味を持つ分析かどうかは疑問が残るところです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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