活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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生き物たちは3/4が好き

生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則
生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則
(2009/01/29)
John Whitfield 商品詳細を見る

満足度★★★

本書のタイトルは、「生物の代謝率は体重の3/4乗に比例する」
というマックス・クライバーさんが発見した法則に由来しています。

微生物からゾウまで、あらゆる生物に当てはまるこの法則。

なぜ、みごとに3/4乗になるのか?

これは、アロメトリーといわれるスケーリングの法則性で
ゾウの時間 ネズミの時間」の中でも指摘されていますが、
実は「なぜ?」の部分については、はっきりと解明されていません。

他にも、哺乳類が摂取すべき窒素とビタミンを作り出す速度も
体重の3/4乗に比例する、動物心拍数は体重の-1/4乗に比例する、
動物の大動脈の断面積は体重の3/4乗に比例する・・・などなど。

本書では、これら 生物界のいたるところに存在する
1/4乗法則のナゾに迫ります。

そして、本書で描かれる真のテーマは、
生物界において、「統一理論」を見つけようとする壮大な旅。

ちなみに本書の原題は、「In the Beat of a Heart:
Life, Energy, and the Unity of Nature」となっていて、
「統一性」を求めることがタイトルに含まれています。

近代の生態学者、生物学者が目指した、地球全体を包む生物界の
パターンを見極め、それを説明しようとしてきた歴史。
本書では、これをいろいろなエピソードを交えて紹介します。

そもそも、生物学は帰納法的に結論を導き出すことが多いので、
演繹法で導かれた結論と違って、なぜ?と聞かれても
その原因を明確に答えられないことが少なくありません。

だからこそ、真の答えを求めることが
生物学者のロマンに成り得るのかもしれませんね。

著者のジョン・ホイットフィールドさんはネイチャー誌で
進化、生態学、自然保護の分野を担当したサイエンスライター。

ホイットフィールドさん自身も、このロマンに魅せられ、
単に文献をあたるだけでなく、自分が行なったフィールドワークを
交えながら本書を執筆しています。

  「いつの日か、自然の統一性などというものは結局、想像の産物に
  すぎなかったとわかるかもしれないが、それを追い求める過程では
  有益なものが発見されるだろう。(中略)自然はみごとなまでに
  単純なのか、それともみごとなまでに複雑なのか。どちらも真実である。」

知的好奇心を刺激する良書ですが、けっこう読み応えがあります。
できれば、時間のある週末にでも、ゆっくりと読みたい一冊。

この本から何を活かすか?

あなたは、ラッコになれるか?

ラッコは食物連鎖上重要な役割を行なう動物で、
直接であれ間接であれ、その環境にいるほかの多くの種に
大きな影響力を持ちます。
これを、「キーストーン種」と呼ぶそうです。

ほのぼのとしたイメージとは裏腹に、
役割上欠かすことができない存在。

私たちが生活するネットワークの中でも、ラッコのような
「キーストーン種」たる存在になりたいものです。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.

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