活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


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動的平衡

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
(2009/02/17)
福岡 伸一 商品詳細を見る

満足度★★★★

コラーゲン添加食品を摂取すると、本当に肌に良いのか?

答えはNO。

  体内に摂取されたコラーゲンは、消化酵素により
  消化されたものだけが、バラバラのアミノ酸として吸収される。
  残念なことに、コラーゲン由来のアミノ酸は、
  体内でコラーゲンを合成する時の原料には、ほとんどならない。

  もちろん、コラーゲン配合の化粧品も、
  そのまま皮膚から吸収することなどありえない。

これが、本書の著者、分子生物学者である福岡伸一さんの
喧伝される「コラーゲン神話」に対する見解です。

本書は、月刊誌「ソトコト」等に連載されたコラムを
加筆し再編集して書籍化したものです。

タイトルは直球勝負で「動的平衡」。

これは、「生命とは何か?」という深遠なる問いに対して、
福岡さんが到達した結論です。

私たちの体の組織や細胞は、食物として摂取された分子と
置き換えられ、常に更新され続け、
分子レベルでは、数ヶ月前の自分とは全く別物になります。

流れはあるものの、インプットとアウトプットの速度が
ほぼ同じで、均衡が保たれている状態が動的平衡です。

福岡さんは、これを「生命は分子の“淀み”」と表現しています。

興味深いことに、私たちの「記憶の想起」についても、福岡さんは、

  「私たちが、“記憶の想起”とよんでいるものも、
  実は一時点での平衡状態がもたらす効果でしかない」

と説明しています。

本書は、この「動的平衡」をキーワードに、
脳とバイアス、消化と食品、ダイエットの科学、生命の時間仕掛け、
病原体、ミトコンドリアなどのテーマについて語られています。

書下ろしではないため、作品としての創り込みは、
他の著作ほどではありませんが、逆に懲りすぎていないので、
非常に読みやすい作品に仕上がっています。

昨年、私にとっての最大の収穫の一つは、
福岡さんの著書とめぐり逢ったこと。

生物と無生物のあいだ」で虜になり、
できそこないの男たち」で完全にノックアウトされました。

本書も、他のすべてのことに優先して読みたくなる一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「進化はヒトをして、余剰のエネルギーに出会った時、
  これを万一に備えてすばやく蓄積する仕組を発達させた」

つまり、太ることは、人類が長い飢餓の時代を生き残るために
得た種を保存するための形質ということ。

これは、太ることの必然性について、
「ダイエットの科学」の章でされた福岡さんの説明です。

結局、体重を増やさない賢い食べ方は、よく言われるように
同じ量でも「ドカ食い」せずに「チビチビ食い」すること。

40代に入り、基礎代謝が落ちてきている私は、
そろそろ「ドカ食い」を卒業した方がよさそうですね。

Miss a meal if you have to, but don't miss a book.   

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