正しく決める力

正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
(2009/01/17)
三谷 宏治 商品詳細を見る
満足度★★★★
ロジカルシンキングの前に、身につけておくべき力を養う本。
それが、「正しく決める力」です。
これは、自分で決めて、実行しきる力のことで、
言葉を変えると「生きる力」ということもできるでしょう。
著者の三谷宏治さんは次のように指摘します。
「練習より学習の方が簡単だから、学んだ技をちゃんと
練習もせずに次の新しい技の学習に走ってしまう。
それでは技が、身につくわけもない。」
私にとっては、かなり痛いところ衝かれた感じです。
練習せずに、技をマスターすることはできないと分かっていても、
つい練習の機会を取らず、楽な学習に流れてしまいます。
三谷さんは、本書で身につける技を次の3つに絞り、
それが身につくまで、徹底して繰り返すことを勧めています。
1. 「重要思考」 : 一番大事なことを見定め、3段階で考える
2. 「Q&A力」 : 構造化して伝え、大事なことから逃げずに答える
3. 「喜捨(きしゃ)法」 : 捨てることを強制したり、楽しくする
「重要思考」で考えのムダをなくし、「Q&A力」でコミュニケーションの
ムダをなくし、「喜捨法」で行動のムダをなくす。
この3つの力の中でも、一番基礎となるのが「重要思考」です。
他と比べた「差」に注目するのではなく、「重さ」に注目する。
「そもそも、それって大事なのか?」を常に問うことを
思考の癖として、「重要思考」身につけます。
「多くの技に手を出さないこと。まず必要な技は、三つ。
それを繰り返して使うこと。
それが、“正しく決める力”を得るための、ただ一つの答え。」
本書自体がこの重要思考に則り、非常にシンプルに書かれています。
分かりやすく書いていますから、理解できないことはあり得ません。
あとは、本書の技が身につくまで、ひたすら練習することが必要ですね。
三谷さんは、戦略コンサルタントを19年半務めた後、
その後2年半を教育というフィールドで活躍されているようです。
その関係もあってか、最終章では学校や家庭で、
子どもが「正しく決める力」を身につける環境について述べられています。
純粋にビジネス書として本書を手にした方にとっては、
この辺りはムダに感じるかもしれませんが、
子を持つ親としては、参考になる点が多くありました。

「お手伝い至上主義で行こう」
家庭での子育ては、「自由と制限」をどう与えるかということ。
人は制限があるからこそ工夫しますから、
家庭の中でも意識して制限を与えるのは重要ですね。
三谷さんは、その制限として「お手伝い」を挙げています。
4月になってウチの子も学年が一つ上がりましたから、
これを期に、新年度のお手伝い項目を見直したいと思います。
また、話は変わりますが、懐かしい多湖輝さんの
「頭の体操」シリーズの小学生版が出版されてるそうなので、
こちらも見てみたいと思います。
Miss a meal if you have to, but don't miss a book.
ツイート

| ビジネス一般・ストーリー | 06:41 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑
宮本剛志(06/01)
数学音痴(05/06)
てんぐ(02/25)
ssigee(11/15)
アバン(08/24)
松山淳(07/27)
前田めぐる(05/06)