活かす読書

読んだ本を、どう活かすか? セミリタイヤしたikadokuが、週に5冊、ビジネス書・自己啓発本・投資本・ベストセラーなどの本を紹介します。


2009年03月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年05月

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どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座

どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座 (ディスカヴァー携書)
(2009/03/15)
小宮 一慶 商品詳細を見る

満足度★★★

小宮一慶さんの「養成力講座」シリーズ第5弾ですが、
今回は少し趣が違います。

 第1弾 : ビジネスマンのための「発見力」養成講座
 第2弾 : ビジネスマンのための「数字力」養成講座
 第3弾 : ビジネスマンのための「解決力」養成講座
 第4弾 : ビジネスマンのための「読書力」養成講座
 第5弾 : どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座

こうして並べてみると一目瞭然ですが、
今回はタイトルに「ビジネスマンのための」が入っていません。

まずは、第1弾から第4弾までの力を身につけ、
ビジネスマンとしての目標である、「社長」というポストを目指します。

しかし、社長はゴールでもあり、新たなスタートでもあります。

社長として会社を成長させていくためには、
発見力、数字力、解決力、読書力といった基礎的な力に加え、
新に「経営力=社長力」が必要となります。

このような前提から、本書は経営の原理原則を説くと同時に、
今までの同シリーズ4冊の集大成にもなっています。

小宮さんが、本書の冒頭で述べているのは、
経済が大変な時代だからこそ、「お客さま第一」に立ち返った
経営の基本を徹底にする重要性。

本書では、戦略、マーケティング、人材マネジメント、会計、
リーダーシップの5つの分野に、今までの養成講座の内容を加え、
わかりやすく経営の基本が解説されています。

実は、本書は2006年に出版された
なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?
をベースに大幅に加筆修正し出版されたようです。

そうすると、同書を元に養成講座シリーズがスピンオフ的に
各論として出版されることになり、それが大ヒット。

ついに、その大元の本が再出版になったという流れでしょうか。

小宮さんとしても、目先を変えた教養の範囲の本よりも、
本業の経営コンサルタントとしてのノウハウを詰め込んだ本書が、
一番書きたかった本であり、本領が発揮されているはずです。

小宮さんと出版社が、一粒で何度もおいしいだけでなく、
読者としても1428円で出版されていた本が大幅にバージョンアップされ、
価格もお手頃な1050円で再登場したことは、ありがたい限りですね。

この本から何を活かすか?

本書は、社長以外の方にも役立ちます。

なぜなら、誰もが自分の人生の社長を務めているからです。

例えば、小宮さんは経営の仕事とは、次の3つだと言っています。

  1.企業の方向づけ
  2.資源の最適配分
  3.人を動かす

これを個人に当てはめ、次のように考えてもいい訳です。

  1.人生の方向づけ
  2.時間やお金の最適配分
  3.自分を動かす

また、本書で語られる小宮さんの言葉も、
個人に向けてのメッセージとして読み替えることも可能です。

  「“やっている、やっていない”でなくて、“どこまでやっているか”です。
  深みが勝負なのです。」

  「意識改革よりも、小さな行動」

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| 経営・戦略 | 11:23 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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決弾 最適解を見つける思考の技術

決弾 最適解を見つける思考の技術
決弾 最適解を見つける思考の技術
(2009/03/23)
小飼 弾 / 山路 達也 商品詳細を見る

満足度★★★

小飼弾さんの考えを「人生相弾」形式で綴る本。

前作の「弾言」同様、山路達也さんとのタッグです。

今回はネット上や身のまわりで見聞きした悩みに対して、
小飼さんが答える形で構成されています。

冒頭で、「最適解を見つける思考の技術」として
良い決断をする方法が語られています。

ポイントは、感情をニュートラルな状態にしておくこと。

そのためには、知的生産力を上げ「ヒマ」を作っておく必要があると。

決断とは何かを捨てて、何かを選び前に進むこと。
しかし、実際に決断を迫られる場面では、
焦るほど視野狭窄に陥り、良くない選択をしがちです。

ここで一番肝心なのが、そもそも目の前の選択肢以外に
別の解決方法はないのかと冷静に考えること。

小飼さんも本書の中で、「第三の道を探る」ことの
重要性を再三述べています。

「枠」外にある第三の道まで、思考を巡らせるためには、
やはり心の余裕であったり、メタ認知が必要となりますね。

私はいつも感心するのですが、小飼さんの著書やブログでは、
ある現象をうまく抽象化していたり、モノの定義を別の枠組みで
捉え直すなど、独自の視点が提供されています。

こういった小飼さんの鋭い洞察も、生産性を上げることで生まれた
「余裕」から思考を重ねることで、導き出されているのでしょう。

本書では、男女、親交、楽習、仕事、育児、人生の
6つのテーマで、小飼さんの思考方法が学べるようになっています。

また、巻末には2008年11月に行われた勝間和代さんとの
トークショーの内容も特別付録として掲載されています。

最近では講演内容を音声CDで付録にする本も多いですが、
このお2人のトークショーなら、言っていることの意味を考えながら
自分の思考のペースで理解することができる「文字」の方が
音声付録より良いと感じました。

この本から何を活かすか?

小飼さんは、本書のイントロダクションで、

  「僕の幸運は、成功したことではなく、決断すべきことが
  多かっただけのことなのだと年々強く感じています。」

と書いています。

決断の量が質を生み、
最適解を見つける思考技術が身についていく。

欧米では、子どもの頃からDicision Making(意思決定)
することの大切さを教わるようです。

これも、決断の場数をこなすことが、
判断力の養成に欠かせないと知られているからでしょう。

我が家でも、子どもが自分で決断する機会を多くつくり、
その決断を大切にしたいですね。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 10:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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化粧する脳

化粧する脳 (集英社新書 486G)
化粧する脳 (集英社新書 486G)
(2009/03/17)
茂木 健一郎 商品詳細を見る

満足度★★★

茂木健一郎さんと、その門弟である恩蔵絢子さん(脳科学者)
そしてカネボウ化粧品は、2007年7月から共同研究を行いました。

テーマは、脳科学的な知見から「美の本質」や「化粧の本質」に迫ること。

本書はその研究結果から、「顔に化粧することが脳に及ぼす影響」
について茂木さんが口述し、ライターの和田京子さんがまとめたものです。

後半には恩蔵さんの書き下ろしと、研究チームによる
座談会の内容が掲載されています。

  「化粧するということが、他者からみればたとえわずかな差異
  でしかなくても、自分にとっては人格が変わるほどの意味を持つ」

つまり化粧することは、外面だけでなく内面にも
重要な変化をもたらすということ。

本書で語られるのは、一つは他人に見られることを前提とした
コミュニケーションツールとしての化粧。
もう一つは、鏡で自分を見ることが、自分自身を認識する
「メタ認知」につながる行為であるということ。

  ・化粧 → 他人に見られる → 社会性
  ・化粧 → 鏡で自分で見る → メタ認知

現実的に化粧は、女性中心の行為ですが、
人は誰でも外見で判断することが多いですし、
外見の変化に伴って内面も変化するとなれば、
男性にとっても、見た目を疎かにすることはできません。

本書では、顔とコミュニケーション、化粧の脳科学、
美の進化論、秘密を抱く女は美しい、メタ認知と自己批評
などのテーマについて、茂木さんの考えが広く語られています。

例えば、「女」と「オバさん」の差。

これは若さとか、見かけの問題ではないそうです。

隠すのがうまい女性が「女」で、隠すことと見せることの
コントラストを欠いたのが「オバさん」。

「オバさん」は隠す感覚が鈍くなっているので、
思ったことが片っ端から口に出てしまうようです。

これは男性の「オヤジ化」についても同様で、
隠すことと見せることの峻別、つまりメタ認知能力の有無が
オヤジではなく「大人の男」と見られるかの分かれ道。

最近、私自身は、外見をあまり気にしなくなっていました。
社会生活を営む以上、見る側であると同時に、
常に見られる側であることが、私の意識から欠けていたようです。

この本から何を活かすか?

偶然にも、昨日紹介した本の中で、
勝間和代さんの化粧に対する考えが語られていました。

正確には、化粧の魅せる面ではなく、肌を保つ面についてですが、

  「なるべく、化粧品などで余計な手入れはしないこと」

と勝間さんは語り、化粧にハマらないように警告しています。

女性に対して絶大な影響力を持つ勝間さんに
こんなことを言われると、化粧品業界にとっては大きな痛手ですよね。

ひょっとすると、化粧品業界が商品を売るために
担ぎ出す相手、共同研究するべきパートナーは、
茂木さんではなく、勝間さんだったのかもしれません。

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会社に人生を預けるな

会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)
(2009/03/17)
勝間和代 商品詳細を見る

満足度★★★★

本書で勝間和代さんは、日本の停滞の最大の原因は
「終身雇用制度」であると結論づけ、
悪しきこの慣習を廃止し、流動性の高い労働市場環境を
つくり上げることを呼びかけます。

はっきり言って、私は「終身雇用制度悪役論」には
それほど共感も賛成もできません。

ではなぜ、本書に対する私の満足度は高かったのか?

それは、勝間さんが本書で訴えたかった
「真の目的」には、大いに賛同するからです。

真の目的とは、「リスク・リテラシー」を身につけること。

リスクとは、「危険」ではなく、「不確実性」を意味します。
投資に限らず人生においても、リスクはリターンの源泉。
チャンスと危険の幅が広い、つまりボラティリティの高い時代
だからこそ、リスクを読み取りマネジメントする力は必要です。

  「リスクは避けるべきものではなく、
  上手につきあっていかなければならないもの。」

そのために勝間さんは、リスク教育が必要であると訴えます。

私も、子どもに「投資」のことなんかを教えるよりも、
いろいろな場面で活かせる「リスク教育」をする方が
よっぽどイイと考えます。

また、勝間さんは本書の中で、リスク・リテラシーを磨くために
「源泉徴収・年末調整制の見直し」を提言しています。

この制度を止めるには、コストの問題(処理する側の人員増)を
クリアしなければなりません。

私は、この制度自体を止めなくても、次のようなインセンティブを
つけることで段階的に改革できると考えますが、いかがでしょうか。

1年目:年末調整制利用者1%増税、確定申告者1%減税
2年目:年末調整制利用者2%増税、確定申告者2%減税
3年目:年末調整制利用者3%増税、確定申告者3%減税・・・・

これなら感度の高い人から、徐々に確定申告をする人が増え、
処理する側も一気に人員を増やさずにすみます。
国も税収がプラスで均衡しているところで、増減の固定化が可能です。

あと、勝間さんの著作では、しばしば信用取引やFX取引を危険視し、
反対するような言動が見られます。

しかし、悪いのは取引そのものやレバレッジではありません。
問題は自分のリスク・リテラシーに見合わない取引をする人が多いこと。

レバレッジ1倍なら安全で、100倍なら危険。
長期投資なら安全で、短期トレードは危険。

これらは完全に誤解で、どんな投資や投機であっても
リスクマネジメントができるかどうかが重要になります。

この本から何を活かすか?

リスク教育をどうするか?

大人なら、勝間さんが本書で推薦するピーター・バーンスタインさんの
リスク〈上〉―神々への反逆」「リスク〈下)」を読むのも
一つの有効な方法です。
私がリスクを学ぶ上でも、大変参考になった良書です。

では子どもには、どうやってリスク教育したら良いのか?

私は、「ボードゲーム」がイイと思います。

ロバート・キヨサキさんの「キャッシュフロー 101 (日本語版)
ではありませんが、手を動かしながら楽しく学ぶという点では、
ボードゲームは最適です。

自分でリスクを学ぶためのボードゲームを開発するのも面白そうですね。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 10:14 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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仕事頭がよくなるアウトプット勉強法

仕事頭がよくなるアウトプット勉強法
仕事頭がよくなるアウトプット勉強法
(2009/03/16)
増永 寛之 商品詳細を見る

満足度★★★

  「成功し続ける人は、勉強し続ける人」

ただし、アウトプットのないインプットだけの勉強はムダ。
常にアウトプットを前提とした勉強をせよ!
というのが、著者・増永寛之さんの主張です。

増永さんは、活躍中の社長にインタビューし、
ビジョンや成功の秘訣を聞き出して内容をまとめたメルマガ
プレジデントビジョン」の発行で有名な方です。
読者数はなんと18万人超。

そんな増永さんの言うアウトプットとは、自分の仕事で結果を出すこと。
つまり、今携わってる仕事に直結する勉強を集中して
行いなさいと本書で説いています。

ポイントは、何を勉強するかを先に考えず、
まず「真空時間」をつくること。

真空時間とは、誰にもじゃまされずに集中できる時間のことです。

仕事に直結する勉強をすることが前提ですから、
真空時間さえ確保できれば、そこにやるべき勉強が吸い寄せられてくる
という考えのようです。

他にも、「スクリーンアウト」、「コンビにジュース集中法」、
「引き算読書術」など、増永さん独自の勉強術が披露されていました。

この中から、「引き算読書術」を紹介すると、

  1. 上半分しか読まない
  2. 目次で「読まない部分」を決める

という、さーっと目を通すための時間節約読書法です。

本によっては、すべてのページを読む必要がありませんので、
概要だけをパッとつかみたい時には、この方法は役立ちそうですね。

ただ、本書の中で、「現実逃避本は本棚から排除せよ」として、
歴史小説、ビジネス小説以外のフィクションを否定している部分には
あまり同意できませんでした。

文学作品などほとんど読まない私がこんな事を言うのも
変な話ですが、仕事に直結しない本でも「人としての幅」を
広げるには重要な役割を果たす本があると思うからです。

フィクションばかりでも、仕事直結本ばかりでも、
どちらか一方に完全に偏ってしまうのは、いかがなものでしょうか。

参考までに、増永さんが自分のメンター本として
挙げていたのは、次の3冊です。
  ・人を動かす
  ・すぐに利益を急上昇させる21の方法
  ・ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

この本から何を活かすか?

増永さんのメルマガの創刊号の巻頭の言葉として、
村上龍さんからの応援メッセージが掲載されていました。

村上さんは小説家。

増永さんは、村上さんの本も排除しているのでしょうか?

  「知識や理論を広げるのではなく、深める―それが勉強の本質」

最前線を走っている増永さんとしては、
よそ見をしている余裕が無いのは良く分かります。

しかし、一面的なものの見方しかできなくなっても困るので、
老婆心ながら、たまには、余裕を持って仕事に関係ない本でも
読んだらいいのになと思ってしまいます。

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| 勉強法 | 06:38 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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サブプライム後の新世界経済

サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~
サブプライム後の新世界経済~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~
(2009/03/05)
中原 圭介 商品詳細を見る

満足度★★★

サブプライム後の新資産運用」がベストセラーになって、
ノリに乗っている中原圭介さんの新作。

今回のテーマは、次の2つです。

  1. 中原さんが考える2009年以降の世界経済の分析と予測
  2. 正確な「経済予測力」を身につける方法の公開

私は前作での中原さんの「○○だけ押さえれば良い」という
極端な単純化について、危うさがあることを指摘しました。

しかし、今回はテーマが広いのでそういった危うさはありません。

書かれている内容も極端な煽りがない点は好感が持て、
予測についてもそれなりに納得感があり、
中原さんのセミナーが、人気があるのも頷けるものでした。

簡単に本書の内容を要約すると、次のようになります。

  テーマ1.について、
  世界経済は、今までの5%成長の時代は終焉し、
  今後は2%程度の穏やかな成長の時代を迎える。
  株価は、回復には時間がかかるものの、底打ちは近い。

  テーマ2.について、
  情報を取捨選択し、経済学以外にも「歴史学」、「心理学」、
  「哲学」などの複眼的な視点を持つと予測の精度が高まる。

本書の表紙には「最も予測の当たるカリスマFP」と
謳い文句として書かれているので、
中原さんの過去の予測は、当たった実績があるのでしょう。

また、経済学以外の複眼的な視点を持つことにも
私は異存がありません。

ただし、中原さんが歴史学、心理学、哲学の3つの分野を
学んでいたから、過去の予想が当たったのか、
あるいは予測の当たった中原さんの興味がある分野が
たまたま歴史学、心理学、哲学の3つの分野だったのか、
この因果関係についてはハッキリ分かりません。

ですから、単純に歴史学、心理学、哲学の3つの分野を
中原さんを真似て勉強するというよりは、
多角的に見る視点を増やすということを、見習うべきだと考えます。

あと、本書の最後には、中原さんからの金融機関への提言や
日本経済復活への施策が示されていましたが、
これらは本書のテーマから外れているので、
触れない方が中原さんの主張が明快に伝るように思えました。

この本から何を活かすか?

  「世間で騒がれている100年に一度といわれる危機が、
  今後も10~20年のサイクルで起こる可能性がある」

これは、本書で示されていた中原さんの考えです。

私は、過去の記事

  「100年に一度の危機(チャンス)は、10年に一度起こり、
  10年に一度の危機(チャンス)は、毎年起こる。」

と自分が教訓化していることを書きました。

現金なもので、似た主張を一つ見つけただけで、
ずいぶん中原さんに親近感が持てるようになりました。

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| 経済・行動経済学 | 06:29 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術)

TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則
TIME×YEN 時間術 (タイムエン時間術) すべての時間を成果に変える31の鉄則
(2009/04/22)
長野慶太 商品詳細を見る

満足度★★★★

思草社、三浦さんより献本いただきました。ありがとうございます。

一言でいうと、「死から逆算した時間術」の本です。

著者は対米進出コンサルタントの長野慶太さん。

私たちには必ず死が訪れます。
箱田忠昭さんの言葉を借りれば、私たちは皆「死刑囚」。

しかし、死までの余命を50年としても、毎日を過ごしていることが
死へのカウントダウンであると、リアルに実感が持ちにくいものです。

そこで、長野さんは時間を金銭に置き換えるアプローチをとります。

  「あなたはいま、財布に26万円持っている。それはあなたの全財産である。
  そしてとても残念なことに、あなたは今後、1円も稼ぐことはできない。
  (中略)あなたは毎日毎日、その全財産の中から14円を支払わなければ
  ならないというルールを押し付けられて生きている。」

本書では1時間という人生の財産をTIME YEN=T¥と表します。
上記の例えは、1日24時間から生きるための必須時間を引いて14時間。
これが365日、50年で、T¥14×365日×50年=約T¥260,000という計算。

確かにつかみどころのない時間より、増えることのない26万円から
毎日14円が引かれていくと考えた方が格段にに切迫感があります。

ですから本書の時間術は、死を意識した人間が
今まで使っていなかった能力が引き出されることがあるように、
私たちの中に眠る秘めたパワーを開放する効果を持ちます。

そして、死を視野に入れた上で考えなければならないのが
投資指標ROIならぬ、対時間効果を表す「ROT」。
ROT(リターン・オン・タイムエン)は投資時間当たりのリターン。

なにせ全財産が26万円と限られていますから、
そこから少しでも効率の良いところへ
振り分けていかなければならないという訳です。

長野さんは本書で、「残り時間の配分=時間哲学」と、
「3秒を縮めるテクニック=時間節約術」の両方を紹介しています。

巷に溢れる時間術の本は、戦術だけを紹介するものが多いので、
時間戦略と戦術の両方を併せて解説する本書は貴重な存在。

正直に言って、時間節約術のアイディアには、
ちょっと変わったものもありますが、
死を意識した状況では、3秒の積み重ねこそが意味を持ちます。

また、本書の長野さんはけっこう強烈で、テンションは高め。
それ故、好みが分かれる可能性があります。

しかし、全員が賛成するものは、つまらないのが常。
反対意見が出る刺激的なものこそ、本物と言えるでしょう。

この本から何を活かすか?

私は現在42歳。80歳まで生きるとして、残り38年。
毎日自由になるのが14時間なので、14H×365日×38年=約19,000時間。

残り「19万時間」と考えるより、本書の通り「19万円」と考える方が
ずいぶんイメージしやすい数字になりました。

  「時間術とは、生き方を意識して直す方法である」

私は、今までずいぶん無駄にT¥を使ってきました。
残り19万T¥は、中長期の視野に立ち戦略的に使って生きたいところです。

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| 時間術 | 06:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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人生に幸せをもたらす物語

2000年語り継がれる!人生に幸せをもたらす物語―残りの人生を最高にするための33の法則(CD付)
人生に幸せをもたらす物語―残りの人生を最高にするための33の法則(CD付)
(2009/02/18)
箱田 忠昭 商品詳細を見る

満足度★★★

本書の著者・箱田忠昭さんは、
2008年に大腸穿孔で緊急入院し手術しました。

本書は、その死に直面した後の入院生活の中で書かれた本です。

人間関係、仕事、家族、健康などの面において、
これからの人生を良くする知恵をストーリー形式で
学べるようになっています。

実は、本書の教えは、2000年以上にわたり語り継がれた
「禅」の教えを、箱田さんが現代風のショートストーリーにアレンジし、
33の法則としてまとめたものです。

さすがに、大きな手術をした後だけあって、
少し「死」を意識した内容の話しが多くなっています。

それではその中から、「死」にまつわるの禅の教えを一つ紹介します。

  生死事大(しょうじじだい)
  無常迅速(むじょうじんそく)

  生きるとか、死ぬ、ということは人生で一番大切なことですが、
  それが超特急で来てしまうという教え。

つまり、私たちにできる唯一のことは、
悔いが残らないよう毎日を精一杯生きることです。

この事実について、頭では理解したつもりになりますが、
現実的には、なかなかそれが実践できません。

だからこそ、箱田さんのように禅の修行が必要なのでしょう。

また本書では、人間として成長するための良い経験として
次の3つが挙げられていました。

  1. 長く入院すること
  2. 刑務所に入ること
  3. 僧堂に入ること

この中で箱田さんは、1.の経験をすることで、
つまらないことにこだわらなくなったと語っています。

先日読んだ堀江貴文さんの本では、(刑務所ではなく)
拘置所での「退屈さ」に対する恐怖感が語られていましたが、
その経験も堀江さんが人として成長するための
重要な糧となったことは間違いなさそうです。

余談になりますが、入院中の箱田さんへの見舞いとして、
真新しいipodに100を超える著名人の講演や落語などを入れて
持ってきてくれた人がいたそうです。

これって、本当にありがたいですね。
私も、誰か知人が入院した時には、この差入を真似たいと思います。

この本から何を活かすか?

  江戸時代の末に、広瀬淡窓さん(1782~1856)という教育者がいました。

  淡窓さんは、54歳の時に「善行1万件」の目標を立て、
  ノートに善行を行うと白丸、そうでない場合は黒丸を描いて
  毎日記録し、12年7ヵ月で67歳の時に善行1万件を達成したそうです。

これは、本書の第3章で紹介されていた32番目の法則です。

私は現在42歳。淡窓さんより長生きする可能性があります。

しかし、予想される余命が淡窓さんより長くても、
あまり目標が遠すぎると計画倒れになるかもしれませんので、
私は「善行100件」の目標からスタートするとにしました。

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| 自己啓発・セルフマネジメント | 06:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1分間目標達成術

1分間目標達成術
1分間目標達成術
(2009/02/20)
海原 悠雲 商品詳細を見る

満足度★★

  あなたの管理している作業は、「目標達成に必要なこと」ですか?
  それとも、「目標とは特に関係ないけど、やらないといけないから
  やるげきこと」ですか?

  それを今すぐチェックしてください。

冒頭で、著者の海原悠雲さんは、このように問いかけます。

本書では、大きな目標を達成するためには、
やるべきことを細分化した小さな目標を設定し、
それを管理することで、成功を目指します。

そこで本書では次の「スピード目標達成法6つの原則」が示されます。

  原則1. 明確な目標設定
  原則2. 的確な段取り
  原則3. ポジティブなイメージトレーニング
  原則4. 行動
  原則5. 成功体験
  原則6. 自分を褒めるお祝い

これだけ並べてみると、当たり前といえば当たり前、
何の変哲もない項目のような気がします。

ただし、実際に本書が注力しているのは、目標達成に必要な
潜在意識やメンタルブロックを取り去る話しについてです。

これは、海原さんの本業がセラピストだからなのでしょう。

また、こういった目標達成本は、理論を自体を理解させることも大切ですが、
実際に読者の行動を促し、続ける仕組を提供することが最も重要です。

そこで本書が用意するのは、
携帯電話で参加できる専用のSNSサイト」です。

このサイトが目玉として、続ける仕組になっているようです。

ケータイならいつでも参加できますし、何か書き込みをしても
同じ志の方から、ルールに則ってポジティブなフィードバックが
得られるので、目標を達成するための支えになることでしょう。

正直なところ、本書はあまり私の好みではなかったので、
このSNSに登録していませんから、実態は分かりませんが。

また、本書にはセラピーCDの付録があります。
内容は、寝る前10分間セラピー、朝の通勤10分間セラピー、
仕事帰りの10分間のセラピー、セラピスト養成講座の案内で
トータルで60分以上の音声が録音されています。

ひょっとすると、効果音なのかもしてませんが、
私には、雑音が入っているように聞こえ少し気になりました。

あと、「より簡単に習慣化を行う秘訣」と称して、
30分以上の時間をかけてセラピスト養成講座の案内をするのは
どうかと思いますし、「寝る前10分間セラピー」の順番が
最初になっているのは、それを聞いてから寝ることを考えると、
実用的ではないように感じました。

この本から何を活かすか?

海原さんの肩書きは、「日本目標達成協会」理事長。

何か、いかにもという感じの団体名ですね。

うがった見方かもしれませんが、「目標達成コーチ認定講座」の
受講者を集めるサイトという雰囲気を感じます。

  本書+付属のCD → SNSサイト → 認定講座へ

という流れを誘導するバイブル商法といえなくもありません。

真剣に参加されている方には悪いのですが、
見れば見るほどこのサイト、情報商材の販売サイトと
同じような雰囲気を醸し出している感じがしますね。

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| 目標達成本 | 08:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「超具体化」コミュニケーション実践講座

「超具体化」コミュニケーション実践講座
「超具体化」コミュニケーション実践講座
(2009/02/17)
小宮一慶 商品詳細を見る

満足度★★★

小宮一慶さんといえば、ディスカヴァー・トゥエンティワンから
出版されている「養成講座」シリーズが有名ですが、
本書は、プレジデント社から出版された「実践講座」です。

今度は、「実践講座」としてシリーズ化するのでしょうか?

本書は、相手に行動をとってもらうための
「伝える力」を鍛えるための本です。

話しが漠然としていると、それを聞いた人は、
どうアクションをとっていいか分かりません。

そこで本書は、話しを詳細に「具体化」することで、
相手にとって欲しい「次の一歩」を明確に示します。

本書が示す「具体化力をつけるための7つのポイント」は
次の通りです。

  1. 「本当?」「なぜ?」「それから?」で具体化する
  2. 漠然とした話しで納得してはいけない
  3. 必ず例え話をする
  4. 自分がイメージしていることを再現しながら話す
  5. 話したことを文章にしてみる
  6. 相手に繰り返してもらう
  7. 数字は究極の「具体化」である

ただし、表面的な具体化だけでは、真意は伝わりにくいもの。

そこで小宮さんは、「意味」の伝達以上に
そのベースとなる「意識」を共有することの大切さを説いています。

日々の仕事が大量のメールの処理に追われ、
「意味」のやり取りだけで、本来一番重要な「意識」を共有するための
時間が奪われていることに警告を発しています。

「言葉=意味」とは、その人が思っていることの
氷山の一角ですから、水面下に隠された大部分の氷山が
どうなっているかを互いに知っておくのが、「意識の共有」に当たります。

ベースとなっている意識の部分が共有されていなければ、
いかに水面に出た一角の部分だけを具体的に記述しても、
十分なコミュニケーションが図れないのは当然でしょう。

そもそも、コミュニケーションとは、ラテン語で「分かち合うこと」を
意味しているcommunicatioに由来していますから、
本来の意味からしても、「意識の共有」は一番の基本なのでしょう。

また本書では、小宮さんが「売れない作家」から
「ベストセラー作家」へ変身した理由が明かされていました。

自分の書きたい内容ではなく、相手の聞きたい内容に
照準を合わせたのが、ベストセラー作家になった最大の理由のようです。

これこそが、コミュニケーションの真髄の一つですね。

この本から何を活かすか?

コミュニケーションの難しい点は、自分が意図したことが
相手になかなか伝わらないことがある一方、思った以上に相手が
想像力を働かせ、拡大解釈が進んでしまう場合があること。

このことを考えた時に思い出すのが、
ピーター・セラーズさんの遺作「チャンス」という映画です。

セラーズさん演じるチャンスは、世間を全く知らない庭師。
チャンスが語る植物の話しが、政治経済に対する深い意味の込められた
比喩と勘違いされ、いつしか政界に引っ張り出されそうになる。

大衆心理を風刺する上質なコメディの傑作です。

30年前の映画ですが、機会があれば是非ご覧ください。
不思議な余韻を残す素敵な作品です。

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| 交渉術・伝える力・論理・人脈 | 09:51 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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仕事ができる人、会社に必要な人

仕事ができる人、会社に必要な人
仕事ができる人、会社に必要な人
(2009/03/13)
酒井英之 商品詳細を見る

満足度★★★

「仕事ができる人」とか、「会社に必要な人」とは、
あくまで「他人」からの評価です。

この評価を下す「他人」とは、当然、上司や会社経営者となります。

つまり、「仕事ができる人」、「会社に必要な人」になる
第一歩は、その評価する側の基準を知ることです。

本書では、どちらかというと若いビジネスパーソン向けに
会社や上司の判断基準を示し、自分の価値を上げる方法を解説します。

著者は幹部育成コンサルタントの酒井英之さん。

前半では上司や会社が注目する点を学び、
後半ではそれに見合うスキルアップ方法が伝授されるなど、
200ページ程度の本ですが、けっこう広い範囲をカバーしています。

仕事の作法やビジネスの基本姿勢、仕事の教わり方、
自分のアピールの仕方、思考プロセスの身につけ方、
周囲を巻き込み方、自分スタイルのつくり方など。

特に20代のビジネスパーソンにとっては

  「上司は掃除する部下のここを見ている」

などは新鮮かもしれませんね。

←消極的    ↑仲間が大事     積極的→

フォロアー

リーダー

無気力

一匹狼

        ↓自分が大事

酒井さんは掃除する人の態度を、上記マトリックスの4タイプに分類し、
「仕事ができる人をアピールするなら、大掃除には燃える」
ことを勧めています。(もちろん目指すのはリーダータイプ)

個人的には、その人の実力が見られるもう一つの機会は
「オフィスの引越し」だと思っています。

小さな模様替えから、本格的な引越しまでありますが、
規模が大きくなるほど、その人の実力が如実に表れます。

引越しも大掃除と同じで、全体の工程を見通すと同時に、
細かな配慮が必要で、周りを統率しながらも
自らも積極的に動く姿勢が求められます。

あと、「会社に必要な人」で注意しなければならないのは、
単に頭数として会社に必要な人と、
代替の効かない必要な人がいるということ。

この点を意識して、コモディティ化しないように自分の価値を高めると、
きっと社外からも必要とされる人材になっていることでしょう。

この本から何を活かすか?

酒井さんが若い頃に、会社の後輩から教わった
「遅刻をしないコツ」が紹介されていました。

  「約束の場所に予定よりも早く着いた5分間で何をするかを
  いつも決めているんです。それをやりに行くんです。」

ちょっとした発想の転換ですね。
特にやりたい仕事をその5分に割り当てておくと効果テキメンでしょう。

私も待ち合わせ遅刻しないのは、待ち時間に読む本を
常に持ち歩いているからかもしれません。

すぐに読みたい本を携行する時は、待ち時間が待ち遠しいほどですから。

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1回きりのお客様を100回客に育てなさい

1回きりのお客様を100回客に育てなさい (DO BOOKS)
1回きりのお客様を100回客に育てなさい (DO BOOKS)
(2009/03/05)
高田 靖久 商品詳細を見る

満足度★★★

「固定客化」のノウハウが書かれた本。

著者の高田靖久さんは、いわるゆる経営コンサルタントではなく、
東芝ITコントロールシステム所属で顧客管理ソフトの販売が
本業の方です。

前作の『お客様は「えこひいき」しなさい!』もそうでしたが、
本業で携わる多数の店舗データの裏づけを基に、
ノウハウを構築し、本書を執筆しています。

そのデータによると、一般的な店舗では
利用頻度で顧客を分類すると、次のような割合になるそうです。

  ・「1回きり利用」のお客さま70%
  ・「2回以上利用」のお客さま30%

圧倒的な割合を占めるのは、「1回きりのお客さま」。
つまり、この層をいかにリピートさせるかが商売繁盛の鍵となります。

そこで高田さんが提唱するのが、1度利用したお客様に
3ヵ月以内に3回、立て続けに3つのダイレクトメール(DM)を送り
固定客化する方法です。

  STEP1    3日後のDM : サンキューメール(お礼+こだわり+熱い思い)
  STEP2    3週間後のDM : ライクメール(お客様の声や同業者推薦の言葉)
  STEP3    3ヵ月後のDM : ラブメール(30%割引の当選券)

さて、ここまで書くと、以前、似たような手法があったなと
気がつく方も多いはず。

それは、神田昌典さんの「21日間感動プログラム」です。

私の記憶も既におぼろげですが、

  STEP1    3日後にサンキューレター
  STEP2    1週間後にもう一度レター
  STEP3    3週間後に思いがけないプレゼント

を送って固定客化するプログラムだったような気がします。

そいえば、本書のサブタイトル「90日でリピート率を・・・」は
神田さんの「あなたの会社が90日で儲かる!」を思い出させますね。

神田さんがこの手法を使って有名になったのは約10年前。

本書はその手法にアレンジを加えて復活させた、
いわば「リメイク作品」と考えることができそうです。

もともと神田さん自身も輸入した手法をアレンジした訳ですから、
それだけオリジナルの手法が強力だったということでしょう。

10年位前に流行った手法をアレンジして復活させる。
こういう視点で考えると、まだまだリメイクできる
手法があるのかもしれませんね。

この本から何を活かすか?

このブログの「1回きりの読者」の割合は?

以前の記事で、このブログの2009年3月度の
Google Analyticsレポートを公開しましたが、
今回は月単位で訪問が1回だけの方の割合を見てみます。

  2009年1月度 1回だけ訪問者 53.14% 
  2009年2月度 1回だけ訪問者 55.82% 
  2009年3月度 1回だけ訪問者 52.69% 
  2009年4月度 1回だけ訪問者 48.03% 

若干1回だけの訪問者の割合が減っているようにも見えます。
少しリピート読者が増える傾向なのか、誤差の範囲かは微妙なところ。

このブログは基本的に、「1記事完結」の内容ですが、
「続きもの」の連載形式を採用すると、
リピート読者が増えるのかもしれませんね。今後、要検討。

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徹底抗戦

徹底抗戦
徹底抗戦
(2009/03/05)
堀江 貴文 商品詳細を見る

満足度★★★

堀江貴文さんから見た「ライブドア事件」の真相と、
その後の検察との戦いについて、書き下ろされた本です。

いまだにファンの多い堀江さんですが、本書を読む限り
まだまだ死んでいないという印象を受けます。

対検察、対マスコミ、対かつての腹心。

裁判を行うだけでも相当なエネルギーを使うはずですが、
堀江さんの敵はそれ以上に手強いマスコミであったり、
信頼していたであろう元NO.2の宮内亮治さんです。

事実はどうであれ、こういった不利な状況の中でも心が折れずに
「徹底抗戦」を挑む堀江さんのパワーには敬服せざるを得ません。

本書では、何度となく宮内さんの「横領」疑惑について触れられています。

既に宮内さんは、「虚構―堀江と私とライブドア」で内情を
告白する本を出版していますし、検察側の一番の鍵が宮内さんの
証言でもありますから、対決姿勢がより鮮明になっているのは
十分に納得できます。

仮に堀江さんの話が真実なら、最大の誤りは宮内さんを信頼して
取締役に据えたこと。
端的に言えば、人を見る目がなかったということでしょうか。

先日記事にした、塚越寛さんの『リストラなしの「年輪経営」
の中でも、堀江さんは利益至上主義の権化として批判されていました。

とかく世間ではイメージが作られるもの。

マスコミも「悪人」という分かりやすいレッテルを貼り、
過剰報道することで、ワイドショー的な話題をつくり上げます。

堀江さんもそういったマスコミの餌食となったことは、
非常に腹立たしいことでしょうが、一時期は自分で率先して
マスコミを利用し、イメージを主導していましたから、
ある面ではやむを得ないことでしょう。

逮捕以降、堀江さんにとってはマイナス方向の
情報のカスケードが起こり、それまで道具として使っていたマスコミを
まったく制御できなくなってしまったようです。

当然ながら、本書にはポジショントークも含まれますが、
強大な権力を持った検察制度の問題点などについても
考えさせられる一冊でした。

この本から何を活かすか?

堀江さんにとっての一番の恐怖は何か?

刑務所に入れられ、刑務作業をやらされることではないようです。

本書で語られるのは「退屈」に対する恐怖感。

  「私としては刑務所で刑期を過ごすことが
  恐怖なのではなく、何もすることのない拘置所で無為な日々を
  送ることが恐怖なのである。」

この堀江さんの話を聞くと、
もし日常を漫然と退屈に過ごしているならば、
それは塀の中に入れられるより、罪なことをしている
と考えるべきなのかもしれません。

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| 人生論・生き方・人物・哲学 | 06:24 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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行動ファイナンスで読み解く 投資の科学

行動ファイナンスで読み解く 投資の科学 ―“お金は感情で動く”は本当か―
行動ファイナンスで読み解く 投資の科学 ―“お金は感情で動く”は本当か―
(2009/03/06)
大庭 昭彦(おおば あきひこ) 商品詳細を見る

満足度★★★

同じタイトルの本でマイケル・J・モーブッシンさんの名作、
投資の科学」があります。

また、本書のサブタイトル「“お金は感情で動く”は本当か」は、
マッテオ・モッテルリーニさんの「経済は感情で動く」に似ています。

あえて狙ったのどうかは分かりませんが、
もう少しタイトル、サブタイトル共に一ひねりして欲しいところでした。

さて本書は、いわゆる行動ファイナンスについての本。
内容は以下のようになっています。

  第Ⅰ部 なぜ「非合理」な決定をしてしまうのか
  第Ⅱ部 行動ファイナンスを利用した金融サービス
  第Ⅲ部 神経経済学の挑戦

本書の50%以上のページを占める第Ⅰ部では、
行動経済学の本ではよく目にするおなじみの事例が
数多く紹介されています。

第Ⅱ部では著者の大庭昭彦さんが、
野村證券金融工学研究センター所属ということもあって、
安全第一な投資法(アセット・デディケーション)、長生き年金、
ターゲット・イヤー・ファンドなどの資産運用手法や
金融商品についての解説があります。

第Ⅲ部では、ページは僅かですが脳科学について
述べられている点が目新しいところでしょうか。

それでは、本書からシカゴ大学クリストファー・ヒー教授が提唱する
「ヘドノミクス」(エコノミクスと対比して刺激と幸福の関係に注目し
幸福量を最大化する考え)実践のための7か条を紹介します。

  第1条 良い知らせは分割して伝える
  第2条 悪い知らせはまとめて伝える
  第3条 大きな悪い知らせと小さな良い知らせがあったら、
       なるべく分割して伝える
  第4条  大きな良い知らせと小さな悪い知らせがあったら、
       なるべくまとめて伝える
  第5条 悪い知らせと良い知らせがあったら、良い知らせから伝える
  第6条 良い知らせは、知らせがあること自体を事前に
       アナウンスしてゆっくり伝えた方が良い
  第7条 悪い知らせはいきなり伝えた方が良い

現実的な場面で、良い知らせと悪い知らせの両方を
伝えなければならないことは、けっこうありますよね。

「どっちから聞きたい?」などど野暮なことは聞かず、
伝える側が事前に内容を判断して、この7か条に沿って伝えるのが、
聞く側の幸福度を上がるということです。

唯一残念なのは、伝える側がそこまで配慮して伝えたことが、
聞く側にはあまり伝わらない点でしょうか。

この本から何を活かすか? 

その数学が戦略を決める」の著者イアン・エアーズさんが考案した
自己管理のためのwebサイト「StickK.com」が紹介されていました。

自分の実現したいダイエット、禁煙、エクササイズなどの目標を
web上に公開し、自分を縛るためのルールや、
オプションとしてペナルティ(罰金)も設定できるようです。

ちなみにペナルティは、目標設定時にwebにお金を預け、
目標達成するとお金は戻ってくるそうですが、
達成できないと、あらかじめ決めておいた人や募金へ行ってしまうとか。

早速、このサイトに登録。
とりあえず、以下の内容で設定しました。

  目標 : 定期的なエクササイズ
  回数 : 5回/週
  期間 : 3週間
  罰金 : なし
  審判員 : 妻

スキーシーズンが終わって、最近、運動不足になっていたので
このプログラムを使って、少し体を引き締めたいところです。

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| 投資 | 06:34 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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リストラなしの「年輪経営」

リストラなしの「年輪経営」
リストラなしの「年輪経営」
(2009/02/24)
塚越寛 商品詳細を見る

満足度★★★★

およそ半世紀にわたり、増収増益を続ける
寒天製造メーカー「伊那食品工業株式会社」。
本書では、同社会長の塚越寛さんの経営論が語られます。

そこにあるのは、日本の伝統的経営の良い部分を頑なに守る姿勢。

父親や母親が最優先して考えることは、家族の幸せであるように、
塚越さんが最優先するのは、社員が以前より幸福と感じるようになること。

  「人件費はコストではなく、人件費は目的。」

そうすると、当然、利益を上げることが目的ではなくなります。

  「利益は健康な体から出るウンチ」

健康な会社なら、利益というウンチは出そうと思わなくても毎日出るもの。

「年輪経営」とは、いい時も悪い時も無理せず低成長を志し、
身の丈にあった、健康で自然体の経営手法。

あくまで、社員の幸せを通じて社会に貢献することが、
経営の本来あるべき姿であると、塚越さんは語ります。

同社は、「良い会社」ではなく、「いい会社」を目指します。
この微妙なニュアンスの違いを大切にするところが、
伊那食品工業の経営なのでしょう。

しかし、こういった経営「姿勢」だけが注目されがちですが、
実は同社は、ブルーオーシャン戦略を採り、自ら市場を創り出すなど、
技術革新に秀でていることにも同時に注目しなくてはなりません。

そうでなくては、165億円もの年間売上で
寒天製造・世界シェアNO.1になることはあり得ないでしょう。

ところで、本書の経営方針を読んだ人の反応は
以下の3つに分かれると考えられます。

  1. こんな会社で働きたいと思う人
  2. 自分でこんな会社を作りたいと思う人
  3. 違和感を覚える人

ちなみに、同社は未上場なので「株を買おうと考える人」の
選択肢はありません。

アルファブロガーの小飼弾さんは、3番の反応だったようです。

私も、本書の中にある堀江貴文さんに対する記述には、
違う意味で多少の違和感がありました。
私が感じたのは、「別に人のことを批判しなくてもいいのに」という意味でしたが。

基本的に田舎者な私の反応は、2番ですね。

私は、坂本光司さんの「日本でいちばん大切にしたい会社」で
伊那食品工業について最初に知りました。

同書では、「いい会社」が多数紹介されているます。
今後、スピンオフ的にこの本で紹介された企業の
経営本が次々と出版されることも予想されますね。

この本から何を活かすか? 

  「凡事継続」するためには、常に革新を心がける

塚越さんは次のように説明します。

  「ここで勘違いしてはいけないのは、
  継続とは同じことの繰り返しではないということです。
  同じことを繰り返していてると、物事は続きません。」

継続というと、漫然と同じことを繰り返すイメージでとらえがちですが、
その陰には、常に革新を志す姿勢が必要ということです。

そこに、継続することの難しさが隠されていたようですね。

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| 経営・戦略 | 07:49 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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世界一受けたいお金の授業

世界一受けたいお金の授業
世界一受けたいお金の授業
(2009/02/21)
和仁達也 商品詳細を見る

満足度★★

お金についての「超」入門書。はじめて、お金について学ぶ人向け。

決算書、経済書、資産運用などの本を読む前に、
お金の概要をつかむために、読んでおきたい一冊です。

次の質問の正しい答えが分からなければ、
本書を読んだ方がいいと勧められています。

  ・お金持ちと貧乏人の考え方の“決定的”な違いとは?
  ・自分の市場価値を上げるお金の使い方とは?
  ・突然解雇されないために「会社の業績&欠点」を
  見抜いておくコツとは?
  ・サギまがいのオイシイ儲け話にだまされない方法とは?
  ・10分で、「すぐに潰れそうなお店」か「行列のできるお店」
  かを見分けるには?

著者の和仁達也さんは、これらの問いに答える形で、
品川女子学院(高校)で行った計6回の課外授業をベースに
本書にまとめました。

お金との賢い付き合い方や、お金を活かすコツから、
決算書の見方まで、身近な例を挙げ解説しています。

数字の説明は「ブロックパズル」で、すべて視覚化されていますから、
経済に苦手意識のある人や、数字にアレルギーがある人にも
とっつきやすいでしょう。

課外授業に参加した高校生たちに好評だったのも納得です。

世界一「受けたい」というタイトルですが、
「世界一やさしい」とか、「最初に受けたい」というタイトルの方が
シックリくるかもしれませんね。

その反面、ある程度の金融リテラシーが身についている方からすると、
平易すぎると感じるのは、止むを得ないところでしょうか。

なにせ、2時限目の「会計を学ぶ前に、家計を学ぼう」の章では、
「まず手取り収入がいくらかをちゃんと把握すること。」
が強調されているぐらいですから。

逆な言い方をすると、
自分の手取り収入さえ把握していない人には、必須の本ということです。

この本から何を活かすか?

本書では、お金の使い方を4つのタイプに分類しています。

  A : 将来設計のある「堅実キッチリ生活」タイプ
  B : 宵越しの金を持たない「収支トントン生活」タイプ
  C : 身の丈に合わない「贅沢生活」タイプ
  D : 遊びで身を崩す「道楽生活」タイプ

本書では、Aの「堅実キッチリ生活」タイプを
目指しましょうというスタンスです。

一般論として、Aタイプを勧めることに、私は異論がありません。

しかし現実問題として、この4つの枠組みの中に収まっていては、
将来、お金の制約から自由を得ることは不可能のように思えます。

私自身も30代の頃は、この枠組みに入っていませんでした。

 ・自分の価値を高めることを徹底優先する「自己投資中心生活」タイプ
 ・将来の投資のために、一切無駄使いをしない「究極の倹約生活」タイプ
 ・ひたすら投資の研究をして、実践を続ける「投資求道生活」タイプ
 ・お金を産むための賢い借金ができる「レバレッジ生活」タイプ

これらのタイプのように、ある種、一般的な生活を犠牲にして、
リスクテイクすることなしに、将来大きなリターンを得ることは
期待できないような気がします。

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| マネー一般 | 11:41 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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動的平衡

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか
(2009/02/17)
福岡 伸一 商品詳細を見る

満足度★★★★

コラーゲン添加食品を摂取すると、本当に肌に良いのか?

答えはNO。

  体内に摂取されたコラーゲンは、消化酵素により
  消化されたものだけが、バラバラのアミノ酸として吸収される。
  残念なことに、コラーゲン由来のアミノ酸は、
  体内でコラーゲンを合成する時の原料には、ほとんどならない。

  もちろん、コラーゲン配合の化粧品も、
  そのまま皮膚から吸収することなどありえない。

これが、本書の著者、分子生物学者である福岡伸一さんの
喧伝される「コラーゲン神話」に対する見解です。

本書は、月刊誌「ソトコト」等に連載されたコラムを
加筆し再編集して書籍化したものです。

タイトルは直球勝負で「動的平衡」。

これは、「生命とは何か?」という深遠なる問いに対して、
福岡さんが到達した結論です。

私たちの体の組織や細胞は、食物として摂取された分子と
置き換えられ、常に更新され続け、
分子レベルでは、数ヶ月前の自分とは全く別物になります。

流れはあるものの、インプットとアウトプットの速度が
ほぼ同じで、均衡が保たれている状態が動的平衡です。

福岡さんは、これを「生命は分子の“淀み”」と表現しています。

興味深いことに、私たちの「記憶の想起」についても、福岡さんは、

  「私たちが、“記憶の想起”とよんでいるものも、
  実は一時点での平衡状態がもたらす効果でしかない」

と説明しています。

本書は、この「動的平衡」をキーワードに、
脳とバイアス、消化と食品、ダイエットの科学、生命の時間仕掛け、
病原体、ミトコンドリアなどのテーマについて語られています。

書下ろしではないため、作品としての創り込みは、
他の著作ほどではありませんが、逆に懲りすぎていないので、
非常に読みやすい作品に仕上がっています。

昨年、私にとっての最大の収穫の一つは、
福岡さんの著書とめぐり逢ったこと。

生物と無生物のあいだ」で虜になり、
できそこないの男たち」で完全にノックアウトされました。

本書も、他のすべてのことに優先して読みたくなる一冊でした。

この本から何を活かすか?

  「進化はヒトをして、余剰のエネルギーに出会った時、
  これを万一に備えてすばやく蓄積する仕組を発達させた」

つまり、太ることは、人類が長い飢餓の時代を生き残るために
得た種を保存するための形質ということ。

これは、太ることの必然性について、
「ダイエットの科学」の章でされた福岡さんの説明です。

結局、体重を増やさない賢い食べ方は、よく言われるように
同じ量でも「ドカ食い」せずに「チビチビ食い」すること。

40代に入り、基礎代謝が落ちてきている私は、
そろそろ「ドカ食い」を卒業した方がよさそうですね。

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| 科学・生活 | 11:59 | comments:4 | trackbacks:1 | TOP↑

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知っているようで知らない 「法則」のトリセツ

知っているようで知らない 法則のトリセツ
知っているようで知らない 法則のトリセツ
(2009/02/26)
水野 俊哉 商品詳細を見る

満足度★★★★

古今東西の「法則」を使用シチュエーション別にまとめた本。

著者は、今や「まとめ本の大家」となりつつある水野俊哉さん

「法則」とは、いつでも、またどこででも、一定の条件のもとに
成立するところの普遍的・必然的関係。(広辞苑より)

本書では、あまたある法則の中から、
ビジネスパーソンに興味のある、仕事やビジネス、人間関係、
心理などに関する法則を150個以上紹介しています。

索引や参考文献も細かく掲載され、法則のレファレンスブック
としての機能も高いので、手の届く所に置いておくと便利な一冊です。

法則もこれだけ並ぶと圧巻。
というか若干、法則の価値も薄らぐ(デフレが起きている)ような
気がしなくもありませんが・・・

本書にあった、私の聞きなれない法則をいくつか紹介すると、

  ・バンドワゴン効果 (人に宣伝してもらうと評価が高まる)
  ・スティンザーの3原則 (反対者は正面に座る)
  ・エメットの法則 (先延ばしした仕事は2倍の労力が必要)
  ・ホフスタッターの法則 (仕事はいつも自分の予想以上の時間がかかる)
  ・集団極性化 (集団の意見ほど極端な方法に向かいやすい)

などなど。いろいろあるものですね。

ただし、「法則」の使い方には注意があります。

  「もっとも、先の法則も“名前だけ知っている”レベルでは
  意味がない。なぜなら自分で使いこなしようがないからだ。」

と水野さんも、まえがきで述べている通り、
名前を知っていること、覚えることだけで満足してはいけません。

「○○の法則」と言われると、それだけで分かったつもりに
なってしまうのが法則の危険な所。

「法則」という言葉自体が、それだけで権威付けされる
ハロー効果(背光効果)を持っていることを知っておくべきでしょう。

要は、「法則」と聞いても、そこで思考停止状態にならず、
先人達が見つけた叡智に自分の思考を加え、
本書で紹介される法則を使いこなしていく必要があります。

この本から何を活かすか?

  「好意の相互性」

  相手が好意を持っていることがわかると、こちらも好意を
  返そうとする心理法則。

本書177ページの「ビジネス書評ブロガーマトリックス」に
当ブログが載っています。
ということで、本日の記事には「好意の相互性」が
バイアスとして働いていることでしょう。

また、大好きなビジネス書として、杉村太郎さんの
アツイコトバ」を紹介する水野さんに対し、
私は、「類似性による親近効果」を持っている可能性もあります。

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| ノウハウ本 | 07:57 | comments:2 | trackbacks:1 | TOP↑

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ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略

ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略 (ビジネスアスキー)
ECサイト4モデル式 Google Analytics経営戦略 (ビジネスアスキー)
(2008/09/25)
権 成俊 村上 佐央里 商品詳細を見る

満足度★★★

ECマーケティングについての本。

前半はwebマーケティングの戦略とサイト構築の成功モデルについて、
後半はGoogle Analyticsを使ったサイト改善方法が解説されています。

要するにネットショップを立ち上げるなら、
マーケティングを考え戦略的にサイト構築し、
アクセス解析ツールを使って収益改善を図りましょうということ。

本書では、消費行動のパターンから、
サイト構築を次の4つのモデルに分類し、
マーケティング戦略とサイト分析を説明しています。

  ・指名買い型 (iPod、Wii、ルイ・ヴィトンなど)
  ・単品リピート型 (化粧品、健康食品、サプリなど)
  ・専門モール型 (本、ワイン、酒、自動車グッズなど)
  ・総合モール型 (家具、インテリア、ファッションなど)

タイトルに「Google Analytics」と入っているので、
テクニック重視かと思いきや、本書はマーケティングの基本について
かなりのページを割いて、詳しく説明していました。

また本書によると、小売業でのEC化率(商取引の中で
インターネット上で取引されている割合)は米国が8.99%であるのに対し、
日本では僅か2.23%とのこと。

私は、自分の消費行動から、もう少しEC化率が高いと思っていましたが、
意外と低いものですね。

逆に考えると、今後、EC市場の拡大余地が残っているということでしょう。

基本的に、どこで買っても同じスペックで測れるモノは
ネットに優位があり、スペックだけで判断できないものは、
リアル店舗に優位性があります。

いわゆる、左脳型商品はネットでは売りやすいが、
右脳型商品は売りにくいという問題。

ホイラーの法則にあった、「ステーキを売るな、シズルを売れ!」の
シズル(ステーキを焼くジュージューいう音)をいかにネットで伝えるかが
今後EC化率向上のポイントとなるでしょう。

この本から何を活かすか?

私が、本書を読んだ最大の理由は、
Google Analytics」の使い方を確認するため。

登録して2年近く経ちますが、ほとんど使っていませんでした。

ちなみに、当サイトの2009年3月のレポートは以下の通り。

  セッション:12,858
  ページビュー:19,253
  平均ペービュー:1.50
  直帰率:82.10%
  平均サイト滞在時間:1分03秒
  新規セッション率:52.65%

本書の解説を読んで、使い方が少し分かるようになりました。

また、トラッキングコードが新しくなっていることを発見。
早速、貼りなおします。

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| IT・ネット | 11:12 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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なぜ世界は不況に陥ったのか

なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学
なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学
(2009/02/19)
池尾 和人 池田 信夫 商品詳細を見る

満足度★★★

今回の金融危機と現代経済学について、
池尾和人さんと池田信夫さんが対談した本。

タイトルである「なぜ世界は不況に陥ったのか」という
問いの答えは、「グローバルインバランスが縮小したため」と
なっています。

つまり、アメリカへの一極集中がなくなり、
世界は縮小均衡に陥ったということなのでしょう。

プロローグでは、いずれかが教授役、聞き役という区別なく
議論し合ったと書かれていますが、実際のところ、
池尾さんの話が中心で、池田さんは聞き手・進行役といったイメージです。

池田さんの聞き手という役どころも、どこか新鮮。

  「“今回の金融危機の本質とインプリケーション”を明らかにすることを
  目指した集中講義をおこないました。その中では、あわせて
  “経済学の現代的な地平”とはどのようなものかについても語り合い、
  そこからいまの事態がどのように見えてくるかも論じています」

議論は、今回の金融危機のメカニズム解明にとどまらず、
エージェンシー問題や、金融技術革新の展開、日本の経験と教訓まで
幅広く展開されています。

こういった金融危機が起こると、マスコミでは感情的な批判や、
短絡的な犯人探しをして、分かりやすい絵を描きがちになります。

例えば、「デリバティブ取引」自体が悪者として吊るし上げられるなど。

しかし、お2人は「リスクを取引する」ことの意義を、

  1. リスクはプールすると減る
  2. リスク許容量は経済主体によって異なる
  3. 資本市場が持っている情報発信機能に寄与する

と挙げるなどして、あくまでも淡々と経済に必要な部分と、
行き過ぎていた部分、そしてその原因を分析し、議論を重ねます。

正直に言って、分かりやすい講義、熱くなるような議論とは
対極に位置します。

池尾さんと池田さんの見解はかなり近いものがありますので、
アウフヘーベンされている感じではなく、最初からレベルの高い所で
議論がなされている印象でしょうか。

経済学や現状の経済システムだけでは測れない、
心理的な側面からのアプローチが、もう少し欲しい気もしますが、
今後、日本が解決しなくてはならない問題を浮き彫りにするには、
必要な対談だったように感じます。

この本から何を活かすか?

  「だいたい10年おきぐらいに“テールイベント”と
  言われるものが起きるわけです。」

これはLTCMの破綻について議論されていた際、
市場が理論価格には戻らず、逆回転する現象が起こることについて、
池田さんが述べた言葉です。

要するに確率的には、めったに起こらないことが、
現実的には起こってしまうわけですね。

これについて私は、次のように教訓化しています。

100年に一度の危機(チャンス)は、10年に一度起こり、
10年に一度の危機(チャンス)は、毎年起こる。

これを意識しておくだけで、マーケットでの対処の仕方が
ずいぶん変わってくると思いますが、いかがでしょうか?

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| 経済・行動経済学 | 07:57 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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クラウドの衝撃

クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった
クラウドの衝撃――IT史上最大の創造的破壊が始まった
(2009/02/06)
野村総合研究所 城田 真琴 商品詳細を見る

満足度★★★

「クラウド」に関して、最近話題のキーワードが2つあります。

一つは、みんなの知恵を利用する「クラウドソーシング」。

これは、インターネット等を通じて、社外の不特定多数の人々に対し
アウトソーシングを行うことです。

もう一つは、インターネットを通じてサーバーにある
アプリケーションを使う形態を指す「クラウドコンピューティング」。

カタカナで書くと同じ「クラウド」ですが、前者が「crowd」で「群集」を
意味するのに対し、後者は「cloud」で「雲」を意味します。

本書が解説するのは、後者の「クラウドコンピューティング」。

サブタイトルを見れば想像がついたのかもしれませんが、
私はどっちのクラウドか分からないまま本書を注文していました。

さて、本書は「クラウドコンピューティング」の入門書。

この言葉は、グーグルのCEO・エリック・シュミットさんが
2006年に初めて提唱したそうですが、
著者の城田真琴さんは以下のように定義しています。

  「簡単にいえば、インターネット上に雲のように浮かぶ巨大な
  コンピュータ群を必要に応じて利用できるコンピュータの形態」

一般的に利用されていて有名なのは、Gmail、グーグル・トーク、
グーグル・カレンダー、グーグル・ドキュメントなどの
「Google Apps」というSaaS(Software as a Service)型のツールです。

本書では、クラウド・コンピューティングの仕組、
先行するクラウド・ネイティブ企業、それを追うIT業界の巨人たちの動向、
クラウド・コンピューティングで世界がどう変わるかなどについて
わかりやすく解説されています。

城田さんは、

  「クラウド・コンピューティングはIT業界の地殻変動であり、
  このパラダイム・シフトに対応できないIT企業は、生き残ることができないと」

指摘しています。

私たち個人の環境をみても、数年前までGmailの使用を危険視する人も
いましたが、今や多くの人が何のためらいなく使用していますし、
5万円前後のULCPC(超低価格PC)の爆発的な人気などを見ても、
まさにクラウド・コンピューティング時代の到来を感じさせますね。

本書は、クラウド・コンピューティングの全貌を知りたい方には
最適の一冊でしょう。

この本から何を活かすか?

グーグルのwebブラウザ「Chrome」。

シンプル、高速、安定を謳い、
クラウド用ブラウザの地位を狙っているようです。

私はベータ版をダウンロードしていましたが、
表示できないチャートなどがあったので、使用していませんでした。

知らないうちに、正式版がリリースされているようですね。
再度、使ってみます。

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| IT・ネット | 06:13 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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サブリミナル・インパクト

サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
(2008/12)
下條 信輔 商品詳細を見る

満足度★★★

kennさんのブログ「serendipity」で紹介されていた本です。

CMや広告のメディアは、私たちの潜在意識に働きかけ、
選択や意思決定にどの程度、影響を及ぼしているのか?

本書は、現代社会特有の現象が、無意識の認知メカニズムへ
与える影響を著者・下條信輔さんの研究をもとに解明しています。

キーワードは、「情動」と「潜在認知」。

下条さんは、日米で心理学や認知科学、神経科学の研究を行い
サブリミナル・マインド」の著者としても知られます。

本書では、いわゆる「サブリミナル効果」についても
触れられていますが、それが主眼ではありません。

もっと広く、エンタテイメントやCM・広告、政治が、
マスメディアを通じて、実際に大衆誘導や世論操作に
どの程度の影響を及ぼすかを学術的に検証しています。

もちろん一般向けの書籍ですから、「意識に反して体が裏切る例」や
「ポケモン事件」、「リメイクやリバイバルが確実にヒットする理由」など、
身近な例も多く取り上げられています。

また後半では、創造性と暗黙知の関係を考察するなど、
興味深い先鋭的な内容もテーマになっていました。

全体的には新書でありながら、なかなかハードな内容で、
同じ潜在意識をテーマにする本でも、苫米地英人さんの著書とは
全く別世界の本を読んでいる印象でした。

はっきり言って、本書を読んだからといって、
読者の行動指針を変えることにはならないでしょう。
また、刺激的な内容であるものの、私自身、本書の内容が
どの程度理解できたかも疑問が残ります。

しかし、私の意識レベルでは理解できていな部分があっても、
本書を読むことが潜在意識のレベルに影響を与え、
自分では気がついていない部分で、自分の行動に影響を与え
なんらかの効果があったと、納得できる内容でした。

この本から何を活かすか?

DVDなどの早送り再生で感動は伝わるか?

この点について、下條さんは、ストーリー展開を表面的に追うような
認知的なことはできても、真に情動に訴えかけるような
「感動」は伝わらないのではないかという見解を示しています。

それでは、本の速読で感動は伝わるのか?

この点について本書では考察されていませんし、
私自身も速読はできないので、予測の域を出ませんが、
一定の速度を超えると、やはり認知はできても感動は少ないのでは
ないでしょうか。

そう考えるのは、速読ができない私の妬みかもしれません。

実際は本の種類によって読み方を変えたり、同じ本でも箇所によって
スピードをコントロールすることで解決しているのでしょうね。

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| 科学・生活 | 06:46 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

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さらばアメリカ

さらばアメリカ
さらばアメリカ
(2009/02/07)
大前 研一 商品詳細を見る

満足度★★★★

ブッシュ政権時代の8年間で大きく変質してしまった
アメリカへの苦言を呈し、スタートしたばかりのオバマ政権に対する
期待とアドバイスが語られた本です。

私個人としては、本書を大前研一さんの
「国家レポートシリーズ」の一冊と位置づけています。

最近では、東欧ロシアについての国家レポートがあり、
次は南米かなと期待していましたが、私の予想は大きくハズレて、
ど真ん中のアメリカでした。

ただし、本書は新に行った調査に基づくレポートではなく、
今までのアメリカとの長い付き合いから、大前さんが肌で感じた
ことを中心に、少し感情論的な要素も含まれています。

私にとって目新しかったのは、次の2点です。

一つ目は、アメリカのジャーナリズムの変化について語られていた点。

要はアメリカのメディアへのダメ出しですが、
特にCNNについては、その傲岸な態度について激しく批判しています。

日本で放送されるCNNj(米CNN、欧州CNN、アジアCNNを
日本向けに編成したCSのチャンネル)を見るなら、
「NHKのBS放送を見よ!」との意見もありました。

二つ目は、大前さんの反省の弁が書かれていた点。

  「日本に生まれ、育ち、老いていき、かつ何とかしようと“平成維新の会”
  などでもがいて、そして何も変えることができなかったこの自分が、
  よくもまあアメリカのことをいけしゃあしゃあと批判できるものだ」

大前さんから、こんな言葉を聞くのは意外でした。

本書のサブタイトルは、
「So long, America!  ...until you come back to yourself」とのことで、
これは、「とりあえずお別れ、昔の君に戻るまで」という
大前さんのアメリカに対する未練が込められているそうです。

未練はあるが、このまま付き合っていたら、お互い(日本とアメリカ)に
ダメになるから、一度分かれようという心境でしょうか。

ひょっとすると日本は、ジャイアンと化したアメリカから
暴力を振るわれても、分かれられない不倫相手なのかもしれませんね。

あと、昨日の記事「市場の変相」の著者モハメド・エラリアンさんは、
債券投資で有名なピムコのCEOですが、
そのパートナーであるビル・グロスさんについて、大前さんは、
「サブプライム危機を回避した賢者」と評していました。

この本から何を活かすか?

  「今や世界で最も影響力の大きいテレビ局は
  アルジャジーラになったのではないかと感じることが時々ある」

大前さんによると、アルジャジーラはアラブ世界の声を誰よりも
正確に伝え、できるだけニュートラルになろうとしているそうです。

最近私は、国内のニュースでさえ
テレビで見る機会は、かなり少なくなっていました。

NHK・BS放送ではアルジャジーラをはじめ、
各国のトップニュースをオムニバス形式で放送しているとのことなので、
今度、見てみます。

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| 社会・国家・国際情勢 | 11:59 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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市場の変相

市場の変相
市場の変相
(2009/02/17)
モハメド・エラリアン 商品詳細を見る

満足度★★★★

原題は「When Markets Collide(市場が衝突する時)」。

いったい何と、何が衝突するのか?

それは、大転換によって変わった過去と未来。

つまり、今までの経験則が活かせた「昨日の市場」と、
それが活かせなくなり、新しい戦略が必要となった「明日の市場」。

本来、連続的に一直線上に並ぶべき、この2つの「市場」が
衝突し、大きな摩擦を引き起こしているというのが、
著者モハメド・エラリアンさんのキーメッセージです。

本書は、世界経済が向かう「新たな行き先」を示し、
そこに至る道中で、投資家が如何に行動すべきかを
水先案内する目的で書かれています。

350ページを超える、非常に読みごたえのある一冊でした。

本書が執筆されたのは、2007年12月。

サブプライムローンの問題は顕在化していたものの、
現在の「100年に一度の金融危機」としての認識が、
マーケット広がるかなり前の時期です。

その時点での予測としては、鋭い洞察が随所にあり、
目を見張るものがあります。

エラリアンさんの予測と、その後の経済動向を検証すると、
ズレが生じている部分もあります。
また、本書で示される行動指針は、正直に言って投資家にとって
分かりやすい具体的な方法論が示されているわけではありません。

しかし、これらの点は本書において、あまり重要ではありません。

なぜなら、私たちが参考にするべき点は、エラリアンさんが予測した
「結果」ではなく、その洞察に至る「過程」だからです。

  「conundrum(コナンドラム:謎)」

これは、アラン・グリーンスパンさんが2005年のFRB議長当時、
FF金利を上げ続けているにも関わらず、長期金利が低下している
状態について使って有名となった言葉です。

私達一般の投資家からすると、現在のマーケットこそ
右を見ても左を見てもコナンドラムだらけという感じがします。
こういった一寸先が闇の時代こそ、エラリアンさんの叡智に学び、
自らの頭を使って「新たな行き先」を読み解く必要があるのでしょう。

<本書に登場する参考資料>
  ・ヤバい経済学(書籍)
  ・まぐれ(書籍)
  ・ウォール街(映画)
  ・大逆転(映画)

この本から何を活かすか?

  「“市場の勘”をリバースエンジニアリングする」

エラリアンさんは、ソロモン・スミス・バーニー時代の同僚だった
優秀なトレーダーの行動をリバースエンジニアリングすることで、
彼と同様の結果を生み出すための、重要な6つのステップを導き出しました。

その中の一つに、次のステップがあります。

  「どんなノイズも重要なシグナルを含んでいる可能性があるという
  心がけを徹底する。」

ノイズに対する対処は、取りつかれて気にし過ぎてもいけないし、
完全に無視してもいけません。

バランスが非常に難しいところですが、この心がけは徹底したいところです。

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| 経済・行動経済学 | 22:31 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑

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記事更新の遅れについて

2009年4月3日の記事更新が、いつもの午前中にできず
大変ご迷惑をおかけいたしました。

FC2ブログの不具合(多分)により、朝の時間に更新できなかったため、
これから記事のアップとなりますが、後ほど読んでいただければ幸いです。


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| お知らせ | 22:23 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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正しく決める力

正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
正しく決める力―「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法
(2009/01/17)
三谷 宏治 商品詳細を見る

満足度★★★★

ロジカルシンキングの前に、身につけておくべき力を養う本。
それが、「正しく決める力」です。

これは、自分で決めて、実行しきる力のことで、
言葉を変えると「生きる力」ということもできるでしょう。

著者の三谷宏治さんは次のように指摘します。

  「練習より学習の方が簡単だから、学んだ技をちゃんと
  練習もせずに次の新しい技の学習に走ってしまう。
  それでは技が、身につくわけもない。」

私にとっては、かなり痛いところ衝かれた感じです。
練習せずに、技をマスターすることはできないと分かっていても、
つい練習の機会を取らず、楽な学習に流れてしまいます。

三谷さんは、本書で身につける技を次の3つに絞り、
それが身につくまで、徹底して繰り返すことを勧めています。

  1. 「重要思考」 : 一番大事なことを見定め、3段階で考える
  2. 「Q&A力」 : 構造化して伝え、大事なことから逃げずに答える
  3. 「喜捨(きしゃ)法」 : 捨てることを強制したり、楽しくする

「重要思考」で考えのムダをなくし、「Q&A力」でコミュニケーションの
ムダをなくし、「喜捨法」で行動のムダをなくす。

この3つの力の中でも、一番基礎となるのが「重要思考」です。

他と比べた「差」に注目するのではなく、「重さ」に注目する。

「そもそも、それって大事なのか?」を常に問うことを
思考の癖として、「重要思考」身につけます。

  「多くの技に手を出さないこと。まず必要な技は、三つ。
  それを繰り返して使うこと。
  それが、“正しく決める力”を得るための、ただ一つの答え。」

本書自体がこの重要思考に則り、非常にシンプルに書かれています。
分かりやすく書いていますから、理解できないことはあり得ません。
あとは、本書の技が身につくまで、ひたすら練習することが必要ですね。

三谷さんは、戦略コンサルタントを19年半務めた後、
その後2年半を教育というフィールドで活躍されているようです。

その関係もあってか、最終章では学校や家庭で、
子どもが「正しく決める力」を身につける環境について述べられています。

純粋にビジネス書として本書を手にした方にとっては、
この辺りはムダに感じるかもしれませんが、
子を持つ親としては、参考になる点が多くありました。

この本から何を活かすか?

  「お手伝い至上主義で行こう」

家庭での子育ては、「自由と制限」をどう与えるかということ。

人は制限があるからこそ工夫しますから、
家庭の中でも意識して制限を与えるのは重要ですね。

三谷さんは、その制限として「お手伝い」を挙げています。

4月になってウチの子も学年が一つ上がりましたから、
これを期に、新年度のお手伝い項目を見直したいと思います。

また、話は変わりますが、懐かしい多湖輝さんの
頭の体操」シリーズの小学生版が出版されてるそうなので、
こちらも見てみたいと思います。

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| ビジネス一般・ストーリー | 06:41 | comments:0 | trackbacks:2 | TOP↑

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ビジネス<勝負脳>

ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)
ビジネス<勝負脳> (ベスト新書)
(2009/01/31)
林 成之 商品詳細を見る

満足度★★★

「リーダー」が知っておくべき、脳の性質について書かれた本。
リーダー論の本としては、異彩を放った一冊です。

著者の林成之さんは脳神経外科医。
北島康介選手などが活躍した2008年北京オリンピックの
競泳日本代表チームを指導した実績があります。

林さんが指導するのは、ここぞというときに力が発揮できる「勝負脳」。

本書では、「勝負脳」の鍛え方を通じ、
勝つためのリーダーに必要な知識を披露しています。

具体的には、脳の本能を利用した、心の動かし方、
記憶への残し方、意識付けの方法など。
単なる精神論ではなく、リーダーが身につけるべき能力を
次の6つの分野で示します。

  1. 自分に勝つ力
  2. 理解する力
  3. 指導者としてのカリスマ性
  4. 独創的思考能力
  5. 人間力
  6. 過去の体験や訓練を活かす力

これらの6つの能力には、それぞれ5つの訓練すべき項目があり、
例えば、「理解する力」には、次の項目が挙げられています。

  ・二つ以上の情報を重ねて理解することを習慣にする
  ・理解した内容を四日後に再度確認する
  ・人の話を感動して聞く
  ・空間認知力を鍛えている
  ・脳の「統一・一貫性」のデメリットを理解している

本書では、この6能力×5項目のチェックシートが掲載され、
自分の「リーダー<勝負脳>度」が診断できるようになっています。

私にとって本書で興味深かったのは、カリスマ性についての分析。

林さんは、カリスマ性を先天的なものと、後天的なものに分け、
「後天的なカリスマ性=達成率」と定義しています。

要するに、約束したことや発言したことに対し、
いつも実現させる度合いが高ければ、カリスマ性は高くなる。

私は、すべてのリーダーがカリスマ性を備えている必要はないと
考えていましたが、それは林さんの定義する先天的カリスマ性であって、
後天的なカリスマ性である高い達成率は、
やはりリーダーとしては、求められるべきだと思いました。

この本から何を活かすか?

人間の脳は、「統一・一貫性」のあるモノを好むそうです。

だから、整った顔立ちの人、つまり美人やイケメンが
本能的に多くの人に好まれるとか。

それはさておき、「統一・一貫性」の性質は、
自然と“長いものに巻かれる”状態を好み、
物事の成否を歪めるデメリットを持つそうです。

私はこの性質を、ジョージ・ソロスさんが言う
「可謬性(fallibility)」と共に、常に意識しておきたいと思います。

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| リーダーシップ | 11:52 | comments:2 | trackbacks:2 | TOP↑

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